JP2014100348A - 移動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 移動部材が、一方向の所定の位置まで外力によって移動する間に、ばねエネルギーを蓄積し、その後は蓄積したばねエネルギーの解放を制限して、スプリング力もしくは重力あるいはそれらの複合力に基づく移動力で一方向の移動を継続し、一方向の終端位置から他方向の終端位置までは、上記蓄積したばねエネルギーによって移動するようにする。
【選択図】 図1
Description
上記特許文献1に開示された制御装置は、電動モータの出力を、減速機を介して便座に伝達する構成にしている。
この従来の装置は、引き出しにそれを常時開く方向のばね力を作用させておき、引き出しを閉じたときには、ロック機構が作用して閉じた状態を保つことができる。また、引き出しを開くときには、手動でロック機構を外して、ばね力によって自動的に引き出しを全開状態にするようにしている。
また、電動モータの電源を確保しなければならないが、例えば公衆トイレの場合には、便器の周辺に電源設備がなかったり、電源設備があったとしても便器の周辺の清掃などに水を使用するので、それが故障や感電の原因になったり、停電の場合に使用不能となってしまったりするという問題があった。
そこで、できるだけ人の力を利用しないで、便座を開閉しようとすると、当該便座を開くときにばね力を作用させ、便座を閉じるときだけ、人の力を使うにようにすることが考えられる。
そのため、男性が使用する洋式便座の場合には、通常は開いた状態を維持して小便用とし、大便用として使用するときにのみ閉じた状態とすることが、衛生面上好ましい使い方といえる。
特に、不特定多数の人間が使用する公衆トイレなどにおいては、開いた状態を維持することが衛生面上望まれる。
このような衛生上の目的を達成し、しかも電源の確保が難しい公衆トイレなどにも適用できる構成として当然に考えられる構成は、便座にそれを常時開く方向のばね力を作用させておき、大便用として使用するときに、上記ばね力に抗して便座を回転して閉じた状態にするものである。
便座が自動的に開いた状態に復帰するので、使用者にわずらわしさを感じさせない上記衛生面上の目的も達成することができる。
従って、上記便座などの回転を制御する上記の装置では、荷物などを抱えているようなときに、使用者に大きな不便を感じさせるという問題があった。
また、重力の作用に基づく移動力とは、重力が基になっているということであって、重力と、方向や大きさが等しいということではない。
従って、人の力を外力として移動部材に作用させるときには、移動部材の一方向移動の間中、人が移動部材に力を作用し続ける必要がない。言い換えると、たとえ手がふさがっていても、肘などの体の一部を使って、移動部材を少し移動させれば、当該移動部材をそのまま移動させることができる。
また、移動部材を一方向に移動させる過程でばねエネルギーを蓄積し、このばねエネルギーによって、一方向の移動終端に達した移動部材を他方向の移動終端まで自動的に戻すことができるので、他方向の移動には人の力などの外力を必要としない。
また、ばねエネルギー解放制限手段によって、移動部材の移動過程で蓄積したばねエネルギーの解放を制限するため、上記蓄積されたばねエネルギーに基づく他方向の移動力が、移動部材の上記一方向の移動力を超えないように制御できる。従って、所定の移動位置からスプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力の作用のみによって自動的に一方向の移動を継続させることができる。
さらに、上記のようにして一方向の回転終端に達した回転部材は、蓄積したばねエネルギーによって他方向へ回転させて自動的にもとの位置に戻すことができる。
第11の発明によれば、ばね部材のばね力を調整できるので、移動部材に作用する他方向の移動力を調整することができる。その為、移動部材の他方向の移動速度を調整することもできる。
この装置では、全開状態の便座を閉じる方向に手で少し押し下げると、その後は便座に作用する重力によって自動的に閉方向へ移動して、全閉の直前で停止する。その後、便座に腰掛けてから立ち上がれば、今度は自動的にばねエネルギーによって便座が跳ね上がり、全開状態になるというものである。
この第1実施形態は、上記ケーシング1をこの発明の固定部材である図示していない便器に固定し、回転軸4をこの発明の回転部材である図示していない便座に固定して、当該便座の開閉制御に用いるものである。従って、回転軸4と回転部材である便座とは常に一体的に回転する。
なお、上記のように便座を閉じる力が、便座の重量すなわち重力に基づくこの発明の一方向の回転力で、図1に矢印Aで示している。また、この一方向の回転力とは反対方向で便座を開く方向の力が、この発明の他方向の回転力であり、図1に矢印Bで示している。
なお、回転軸4は、一方向の回転力による回転終端を回転角度0°とし、他方向の回転力による回転終端を回転角度110°とし、これら回転角度0°〜110°の範囲で回転軸4すなわち便座が回転できるようにしている。
また、上記ケーシング1には、ケーシング1に対して回転を規制され軸方向移動を可能した筒状の運動伝達部材7及びスライダー8を組み込むとともに、この発明のばね部材であるコイルばね9を組み込み、上記スライダー8にコイルばね9のばね力を常時作用させている。
そして、上記便座を閉じる方向に回転させる力が作用したとき、言い換えると、上記回転軸4を一方向に回転させる力が作用したとき、運動伝達部材7が図1に示した矢印A’の方向に移動する。運動伝達部材7が上記のように移動すると、上記キャップ3とは反対端である運動伝達部材7の先端が、スライダー8に形成したフランジ部8bを押し、運動伝達部材7とともにスライダー8をコイルばね9のばね力に抗して移動させる。従って、コイルばね9の圧縮量は上記運動伝達部材7の上記矢印A’方向の移動量と同じになる。
また、ケーシング本体2には、その底面中央に、キャップ3に向かって突出する中央筒部2bと、その外側を囲むように配置された大径筒部2cとを設けている。
上記中央筒部2bには、上記コイルばね9の一端を支持するばね受け部材10を取り付け、大径筒部2cには、上記スライダー8を軸方向に移動可能に取り付け、上記大径筒部2cをスライダー8のガイドとして機能させている。
一方、回転軸4の筒部6の外周には、図2,3,7に示すエンドレスにしたカム溝6aが形成されている。なお、図2には、筒部6の外周面に形成したカム溝6aは一つしか表われていないが、上記筒部6の回転方向に180°位相をずらした位置にも、図示のカム溝6aと同じ形状のカム溝6aが形成されている。
なお、図2中の符号6bは、上記運動伝達部材7を筒部6の外周に組み付ける際に、上記ボール11を、筒部6の端部からカム溝6aまで導くための導入溝である。
なお、上記カム山6cも、カム溝6aと同様に、筒部6の中心を通る軸線を基準にして180°回転させた位置に一対のカム山6cが形成されている。
このスライダー8の筒部8aの外周には、回転方向に180°位相をずらした位置に一対のカム山8c、8cを形成している。このカム山8cには斜面8dを形成し、この斜面8dの傾斜を、上記筒部6に形成したカム山6cの斜面6dと一致させている。
これらカム山6c及び8cは、両者が相まって、回転軸4の回転をスライダー8の軸方向移動に変換したり、スライダー8の軸方向移動を回転軸4の回転に変換したりするこの発明のカム構造を構成するものである。
そして、ケーシング本体2の大径筒部2cの外周には、大径筒部2cの軸線に沿った直線状の線状凹部2dを形成し、この線状凹部2dに上記線状凸部8fをはめることによって、ケーシング1に対するスライダー8の回転を規制しながら、軸方向移動を可能にしている。
上記回転角度0°で軸方向位置0からカム山8cが上記コイルばね9のバネエネルギーの作用で図6の矢印B’方向に移動すると、上記カム山8cがカム山6cを押す。このときのカム山8cの移動力が、カム山6cを介して筒部6すなわち回転軸4の矢印B方向である他方向の回転力として作用する。
上記のようにしてスライダー8のカム山8cが、図6のグラフに示す軸方向位置0から20mmまで移動すると、回転軸4が矢印B方向に回転し、回転角度0°から110°まで、すなわち便座が完全に閉じた状態から全開状態まで回転する。
一方、回転軸が、上記とは反対の矢印A方向に、回転角度110°から0°まで回転したときには、カム山6cとカム山8cとは互いに力を伝達することなく相対移動し、上記カム山6cが図6に示す軸方向移動距離0の位置に移動する。
このようにした戻しばね15は、図10に示すように、上記運動伝達部材7によって圧縮されたとき、そのばね力によって運動伝達部材7を押して、運動伝達部材7及び上記ボール11を図1に示す初期位置に戻すように機能するものである。
このカム溝6aは、例えば、図7の点P1を起点として、点P2→点P3→点P4→点P5→点P6→点P7→点P8→点P9を通り、点P1に戻るエンドレスの形状にしている。そして、このカム溝6a内を、上記したボール11が相対移動するもので、ボール11の動軌跡を一点鎖線で示しているが、ボール11の相対移動位置に応じて便座の回転角度が決まるようにしている。
そして、上記点P1から点P2の間は、回転軸4が110°から100°まで回転するが、ボール11及びボール11と一体的に移動する運動伝達部材7はその軸方向位置が変化しない。この状態では、便座が全開状態から10°だけ閉方向に回転するが、上記運動伝達部材7は軸方向に移動しないので、コイルばね9は圧縮されない。
この点P5から点P6間では、軸線に対するカム溝6aの勾配を、上記点P3から点P5までの間の勾配と比べて緩やかにしている。そのため、上記コイルばね9に蓄積したばねエネルギーに基づく他方向の回転力が、上記点P3から点P5までの間よりも大きく作用することになる。
この間では、回転軸4が3°回転して上記コイルばね9を3.2mm圧縮することになるが、この時のばねエネルギーが便座の重力に基づく回転力とバランスして、便座を閉じ位置である一方向の回転終端近傍位置に保つように機能する。
そして、上記便座の全閉状態である点P7から点P8までの間は、回転軸4が回転角度0°から50°まで開き方向に回転し、ボール11の軸方向移動量は25mmとなる。この状態では、回転軸4とともに便座がコイルばね9のばねエネルギーによって0°から50°まで開き方向に回転するとともに、その回転にともなって上記運動伝達部材7は25mm移動する。このとき、運動伝達部材7は、ボール11が起点である点P1に位置しているときよりも矢印B’方向に位置し、図10に示すように運動伝達部材7の軸方向端部が上記スライダー8のフランジ部8bから離れた位置を保つ。
なお、上記起点P1直前の点P9における軸方向位置を、起点P1の20mmの軸方向位置よりも矢印B’方向に5mmほど差をつけたのは、全開状態から便座を閉方向へ移動させる際に、上記ボール11が上記点P1から点P9へ逆戻りし難くさせるためである。
そして、上記一方向回転案内部のうち、点P2から点P3までが回転角度に対する軸方向移動量が最も大きくなる部分であり、カム溝6aのこの部分がこの発明のばねエネルギー蓄積手段を構成している。また、このばねエネルギー蓄積手段に沿って移動する移動行程をばねエネルギー蓄積行程としている。
そして、上記ばねエネルギー解放制限手段では、上記ばねエネルギー蓄積行程と比べて、軸線に対する上記カム溝6aの勾配を大きくしている。そのため、運動伝達部材7に矢印B’方向の力が作用したとしてもボール11がカム溝6aの側面に突き当たり、運動伝達部材7の軸方向移動を制限できる。
このように、上記点P5を境に、閉方向の回転力と開方向の回転力とが逆転するため、その境界部分である点P5において便座の位置、すなわち回転軸4の回転位置が保持されることになる。上記カム溝6aにおける点P5から点P6の区間が、回転軸4を一方向の回転終端の近傍位置に保持するこの発明の保持手段を構成する。
しかし、いずれの区間でも上記点P1から点P3までのエネルギー蓄積手段と比べてその勾配を大きくしてばねエネルギーの解放を制限している。従って、上記点P3から点P5の過程では、スライダー8が矢印B’方向に移動することはない。
上記他方向回転案内部のうち、点P7から点P8までの行程をこの発明の軸方向案内行程とし、点P8から点P9を経由して起点P1に戻る行程をこの発明の回転方向案内行程としている。
初めに、便座が図1の回転角度110°の全開状態にある位置から、閉じる方向の力である一方向の回転力が作用した場合について説明する。
図1の状態から人が便座を手で押し下げると回転軸4が回転し、上記ボール11がカム溝6a内を上記点P1から点P2を経由して点P3へと移動する。回転軸4が上記の方向に回転し、ボール11が点P2から点P3に移動する間には、ボール11は運動伝達部材7とともに軸方向である矢印A’方向に移動する。
なお、ボール11が点P3に位置した状態を示したのが図8である。
上記のようにスライダー8が移動すれば、図8に示すように図1の場合よりもスライダー8とばね受け部材10との距離が縮まる。従って、コイルばね9が圧縮され、ばねエネルギーが蓄積される。
なお、便座の回転角度が90°より小さくなると、便座に作用する重力がコイルばね9のばね力と反対方向すなわち便座の閉方向の回転力となる。しかし、上記ばねエネルギー蓄積行程では、便座の開方向の回転力が重力に基づく回転力より大きくなるように便座の重量とコイルばね9のばね力を予め設定している。
このようにコイルばね9にばねエネルギーが蓄積された状態でそのばねエネルギーの解放が制限されるので、ばねエネルギーに対して便座の重力が打ち勝ち、便座は重力によって閉方向に回転する。
このように一方向に回転した回転軸4が回転角度20°の使用待機位置で停止するのは、上記したように便座に作用する重力に基づく一方向の回転力とばねエネルギーによる他方向の回転力とがバランスするからである。
上記回転角度が20°の上記使用待機位置で便座及び回転軸4が止まった状態で、人が便座に腰掛けると、その重力で回転軸4が回転して回転角度0°の全閉状態となり、上記ボール11は点P6を介して点P7に達する。
上記ボール11が点P7に達した状態を図9に示すが、このとき、コイルばね9が最圧縮状態となっている。
このように、この第1実施形態では、上記使用待機状態の便座に腰掛けるだけで、解放を制限されたばねエネルギーを解放させることができる。上記便座に腰掛けるか押し下げる手段、すなわち便座そのものがこの発明の解除手段を構成している。
そして、この位置から便座を手で押し下げれば、回転軸4は一方向である矢印A方向に回転する。
但し、上記ボール11は回転軸4の回転によってカム溝6a内を移動するので、上記戻しばね15はなくてもよい。
また、便座は全閉状態の少し手前の使用待機位置で停止するので、人は便座を押さえるたり、特別な固定手段を操作したりすることなく、腰掛けることができる。そして、腰かけた人が立ち上がれば、蓄積されたばねエネルギーで便座が自動的に開方向に回転する。
また、便座に腰かけていた人が立ち上がるだけで便座が自動的に開くので、開いた状態を常に保つことができる。従って、衛生面でも好ましい状態を保つことができる。
なお、この第1実施形態では、カム溝6aに上記点P5から点P6の区間による保持手段を備えて、回転角度20°の使用待機位置で便座を停止させるようにしているが、このような保持手段を設けずに、所定の角度位置以降、全閉位置まで連続的に閉方向へ回転させるようにしてもよい。
また、上記カム溝6aで構成される保持手段を設けた場合には、使用保持位置で停止した便座をさらに押し下げて保持力を解除しなければ、ばねエネルギーによって便座が全開状態に戻らないが、保持手段を設けない場合には、自動的に全閉状態に達し、自動的に全開状態になるため、このような装置は特に全開状態を通常状態としておきたい公衆トイレなどに適している。
また、第2伝達機構を構成するカム構造は、上記カム山6c,8cの形状に限らない。例えば、カム山6cの斜面6dとカム山8cの斜面8dとが一致する必要はなく、例えば、一方に斜面を設け、他方は単なる凸部でもよい。
そして、いずれの実施形態においても、カム溝とボールとのうち、どちらを回転軸4及び運動伝達部材7に設けてもよい。
すなわち、回転軸4の筒部6の外周に形成したカム溝6aと運動伝達部材7の内周に設けたボール11とによってこの発明の第1伝達機構を構成し、スライダー8の外周に形成したカム山8cと上記筒部6の内周に形成したカム山6cとによってこの発明の第2伝達機構を構成している。
なお、図11は、便座が全閉位置である一方向の回転終端に位置し、コイルばね9の最圧縮状態を示している。
そして、回転軸4の筒部6の内周にボール11を設け、運動伝達部材7の外周にカム溝7cを形成している。これらボール11とカム溝7cとによって第1伝達機構を構成している。なお、上記カム溝7cは、第1実施形態のカム溝6cと同じ形状である。
また、スライダー8の内周にカム山8cを形成し、回転軸4の筒部6の外周にカム山6cを形成し、これら一対のカム山8c、6cによって第2伝達機構を構成している。
なお、図12は、便座が全開位置である他方向の回転終端に位置している状態を示している。
そして、回転軸4の大径部6’の外周に第1実施形態と同様のカム溝6aを設け、このカム溝6aと運動伝達部材7に設けたボール11とによって第1伝達機構を構成している。
また、上記大径部6’の外周に形成したカム山6cとスライダー8の内周に形成したカム山8cとによってこの発明の第2伝達機構を構成している。
なお、図13は便座が全開位置である他方向の回転終端に位置した状態を示している。
例えば、図14に示す第5実施形態のカム溝16は、図7に示すカム溝6aと比べて単純な形状をしている。このカム溝16を上記第1実施形態のカム溝6aの代わりに上記回転軸4の筒部6の外周に形成し、それ以外の構成は第1実施形態と同じにする。従って、この第5実施形態の説明にも図1を参照する。
このカム溝16は、例えば、図14の点Q1を起点として、点Q2→点Q3→点Q4を通り、点Q1へ戻るエンドレスの形状にしている。そして、このカム溝16内を、上記したボール11が相対移動するもので、このボール11の相対移動位置に応じて便座の回転角度が、0°〜110°の間で決まるようにしている。
そして、上記点Q1から点Q2の間は、回転軸4が110°から70°まで回転し、ボール11及びボールと一体的に移動する運動伝達部材7はその軸方向位置が20mmから0mmまで変化する。この状態で便座が40°閉方向へ回転し、上記運動伝達部材7が20mm移動する。このように運動伝達部材7が移動すれば、スライダー8が運動伝達部材7に押されて移動し、その分コイルばね9を圧縮してばねエネルギーが蓄積される。
この点Q1から点Q2までの行程が、この発明のばねエネルギー蓄積行程であり、この行程に対応するカム溝16の部分がこの発明のばねエネルギー蓄積手段を構成している。
上記点Q2から点Q3までの行程がこの発明のばねエネルギー解放制限行程であり、この行程に対応するカム溝16の部分がこの発明のばねエネルギー解放制限手段を構成している。
なお、この軸方向案内行程では、上記第1実施形態と同様に、運動伝達部材7が、スライダー8の軸方向移動に先行して矢印B’方向へ移動し、点Q4に達した時点で、運動伝達部材7の端部は上記スライダー8に接触せず、運動伝達部材7とスライダー8との間には間隔が保たれている。この状態は、上記第1実施形態の図10に示す状態に相当する。
但し、上記点Q4に達した時点でボール11の軸方向位置が20mmを超えているで、上記回転方向案内行程において起点Q1の直前には、上記20mmを超えた軸方向位置から、起点Q1に対応する20mmの軸方向位置に戻すためのカーブcを備えている。このようなカーブcを設けることによって、ボール11が点Q1に位置した状態で回転軸4を便座の閉じる方向に回転したとき、ボール11が上記回転方向案内行程へ逆戻りしないようにしている。
また、上記点Q2に対応する回転角度70°がこの発明の所定の角度位置である。
また、便座が全閉位置に達し、上記ボール11が上記カム溝16の点Q3まで達した後は、コイルばね9のばねエネルギーによって便座を全開位置まで回転させることができる。
また、この第5実施形態では、回転角度が0°に達したら、上記ボール11がカム溝16の他方向回転案内部の入口に達するので、全閉位置を保持するためには図示しないストッパ機構を用いるか、手で便座を押さえて腰掛ける必要がある。
また、一方向回転時のダンパ機能を必要とする場合、その大きさに応じてばねエネルギー解放制限行程の勾配を設計すればよい。
なお、図14に示すカム溝16は、上記第2〜第4実施形態に用いることもできる。
また、一方向の回転終端から他方向の回転終端までは、蓄積したばねエネルギーによって回転させることができる。
但し、ケーシング1に回転部材を固定する場合には、ケーシング1と運動伝達部材7との間に上記第1伝達機構を設け、ケーシング1とスライダー8との間に第2伝達機構を設けなければならない。
具体的には、図13に示す第4実施形態のように、回転軸4の外周に運動伝達部材7及びスライダー8を設ける構成が考えられる。但し、これら運動伝達部材7及びスライダー8は、回転軸4に対する回転が規制され、ケーシング1との相対回転を可能にして設けられている。
また、スライダー8の外周面とケーシング本体2の内周面とに一対のカム山などによるリンク機構を設けて第2伝達機構を構成する。
物干し竿用ハンガーの場合には、先端を上方にして壁面に沿った非使用時の収容状態から、ハンガーを所定の位置まで手で下げれば、その後は自動的に下がり、ハンガーが物干しの使用状態になる。使用後は一方向に少しだけ押し下げれば、蓄積されたばねエネルギーでハンガーが跳ね上がり、上記収容位置に戻すことができるものとなる。
さらにまた、スプリングヒンジのように、ケーシング1あるいは回転軸4に、上記コイルばね9とは別のスプリングを設け、そのスプリング力によって回転部材に常時一方向の回転力を付与するようにしてもよい。
また、上記スプリング力と重力との複合力に基づく一方向の回転力を利用するようにしてもよい。
いずれの場合にも、所定の回転角度位置まで外力を作用させている間はばねエネルギー蓄積手段によって上記コイルばね9にばねエネルギーが蓄積され、このばねエネルギーの解放を制限するばねエネルギー制限機構が機能している間は、上記スプリング力によって自動的に一方向の回転が継続される。また、一方向の回転終端に達した後は解放したばねエネルギーによって他方向の回転終端まで復帰させることができる。
図15〜図28に示す第6実施形態は、引き出しの開け閉めを制御する移動制御装置で、スライド部材22にこの発明の移動部材である図示しない引き出しを固定し、ケーシング21にこの発明の固定部材である図示しない本体を固定している。
この第6実施形態の移動制御装置は、引き出しと一体的に移動するスライド部材22の移動方向を長手方向としたケーシング21内に矢印A、B方向に移動可能なスライド部材22を組み込んだものである。
この第6実施形態では、上記スライド部材22の移動方向として、図示の矢印A方向がこの発明の一方向であり引き出しの閉方向、その反対の矢印B方向がこの発明の他方向であり、引き出しの開方向である。但し、上記一方向を引き出しの開方向とし、他方向を引き出しの閉方向としてもよい。
上記スライド部材22は、移動方向に沿って伸びる本体22aに、本体22aの長手方向に沿ったラック22bと、後で説明する引っ張りスプリング25の一端を保持するスプリング保持部22cとを備えている。さらに、上記本体22aには、図15において上方に突出する連結部22dと、下方に突出するチャック解除部22eと、支持棒22fを介して本体22aに連結された円板状のばね押さえ22gとを備えている。さらに、本体22aの矢印Aの移動方向先端にはロック爪22hを備えている。
また、スライド部材22の本体22aの上面をケーシング21内の内上面21bに接触させるとともに、背面をケーシング21の内側面21cに接触させ、スライド部材22の移動時には本体22aが上記接触面を摺動するようにしている。すなわち、スライド部材22はケーシング21に案内されて移動可能である。
このばね受け部材23は円筒状の本体23aの一端を底面23bで閉鎖するとともに他端を開口23cとしている。そして、この開口23cに連続するとともに円筒の軸線に沿ったスリット23dを形成している。
また、本体23aの外周には円筒の軸に沿ったラック23eと、被チャック部23fと、この被チャック部23fの反対側の平坦面23gとを備えている。
なお、図18は、図15の紙面裏側の面を上面として示した斜視図である。
そして、上記ばね受け部材23の平坦面23gをケーシング21の底面に接触させて設け、上記スリット23dが上部に開口するようにしている(図19〜21参照)。
この時、ばね押さえ22gに連続する支持棒22fは上記スリット23dに挿入され、上記ばね押さえ22gが上記本体22aの移動に伴ってばね受け部材23内を移動可能にしている。
なお、図15に示す状態では、コイルばね24は自然長あるいは自然長より僅かに圧縮された状態にしている。
この引っ張りスプリング25は、図15に示す最伸長状態から、後で説明する自然長になるまでの間、矢印A方向のスプリング力を発揮して、上記スライド部材22に対して一方向の移動力となるこの発明のスプリング力を常時付与するようにしている。
上記チャック移動溝21eには、上記スライド部材22の背面に突出した(図17参照)チャック解除部22eと、後で説明するチャック部材28とがはめ込まれ、これらを移動可能にしている。
但し、上記チャック移動溝21eには、上記チャック部材28の移動を阻止するための止め溝21gが形成されている(図23(a)参照)。
上記ストッパ片28bの先端が図23の(a)に示すように、上記チャック移動溝21eに形成された止め溝21g内に入り込んでいれば、チャック部材28は移動しない。しかし、図23の(b)、(c)のようにスライド部材22のチャック解除部22eが矢印A方向に移動して、上記ストッパ片28bの基端部28c間の凹部28dに入り込むと、基端部28cが外方へ押し開らかれ、反対にストッパ片28bの先端が内側に移動して、上記ストッパ片28bの先端が上記止め溝21gから外れる。そして、上記ストッパ片28bが止め溝21gから外れれば、チャック部材28が移動可能になる。
従って、ギア26は、上記軸部材27とともにギア移動孔21fに沿って移動可能である。
図15に示す状態は、上記ストッパ部材28は図23の(a)に示す状態であり、上記ストッパ片28bの先端が上記チャック移動溝21eに形成した止め溝21gに入り込んで係止され、上記チャック部材28が、上記軸部材27、すなわちギア26の中心位置は固定されている。
なお、この第6実施形態では、上記大径ギア26aと小径ギア26bとのギア比を2:1としている。そこで、スライド部材22の移動に伴う上記ばね受け部材23の移動量は、上記スライド部材22の移動量の2倍になる。このような移動量の比は上記ギア比によって自在に設定できる。
また、上記大径ギア26aは、図17に示すスライド部材22の背面に形成される段部22i内に配置される(図19,20参照)。
さらに、図15においてケーシング21の右側面にはロック解除凸部21hを形成し、スライド部材22が一方向終端まで移動したときに、上記ロック解除凸部21hが上記ロック爪22hに突き当たるようにしている。
図24〜26は引き出しを閉める際の各部材の動きを示し、図27、28は、一旦閉まった引き出しを開けるときの状態を示している。
図24は、上記ギア26を一点鎖線で示して、ギア26の背後の部材を表わしているが、各部材の配置は図15と同じである。この状態で、上記スライド部材22と一体的に移動する引き出しは全開状態である。このとき、上記コイル部材24のばね力によって上記スライド部材22の連結部22dがケーシング21の開口21aの端部に位置するとともに、本体22aがケーシング21の図中の左側面に接触した図示の位置を保っている。
上記ギア26が、移動部材である引き出しの一方向移動に伴ってばね受け部材23を他方向へ移動させるこの発明のばねエネルギー蓄積手段を構成している。
但し、上記移動部材22のラック22bにかみ合う小径ギア26bとばね受け部材23のラック23eにかみ合う大径ギア26aとのギア比を変えることは必須ではない。
このようにチャック部材28が移動可能になり、圧縮されたコイルばね24の伸長が規制されていると、その後は上記引っ張りスプリング25のスプリング力によってスライド部材22が引き出しの閉方向である矢印A方向へ移動する。
なお、上記引っ張りスプリング25によってスライド部材22が矢印A方向へ移動する際には、スライド部材22のラック22bと噛み合った小径ギア26bと、この小径ギア26bと一体化している大径ギア26aにかみ合ったラック23eを有するばね受け部材23とは、一体的に矢印A方向へ移動する。
図26の全閉状態から引き出しを開ける際には、引き出しをさらに押し込むように、スライド部材22に矢印A方向の力を作用させる。
これによりばね受け部材23とスライド部材22との連結が解除され、ばね受け部材23の底面23bがケーシング21に接触した状態でコイルばね24が伸長してばねエネルギーが解放される。コイルばね24が伸長すると、ばね押さえ22gを介してスライド部材22が引き出しの開方向である矢印B方向へ移動する(図28参照)。
上記のように、この第6実施形態の移動制御装置は直線移動する引き出しを、閉じ方向へ移動させる際には所定の位置まで外力を作用させて押し込むことで、その後は自動的に一方向移動を継続させ、全閉状態にすることができる。また、上記所定の位置までの移動過程においてばねエネルギーを蓄積することができ、蓄積したばねエネルギーによって引き出しを全開位置あるいはその近傍まで移動させることができる。
但し、スライド部材22の一方向の終端位置近傍において上記引っ張りスプリング25が引張り力を保っていても、ロック爪22hが上記ロック解除凸部21hに当接することによってスライド部材22が停止するようにしてもよい。この場合の引張りスプリング25の引張り力は、ロック爪22hが上記ロック解除凸部21hによって解除されることがない程度に弱く設定しておく。
また、引っ張りスプリング25によってスライド部材22が終端位置に達すると同時に上記ロック爪22hがロック解除凸部21hに衝突してロック爪22hが解放されるようにしてもよい。その場合には、別の方法でばねエネルギーの解放を制限しながらスライド部材22の位置を保持する必要がある。
例えば、引き戸を上記コイルばね24によって常時閉めておくようにして、途中まで手で開けると後は自動的に開き、人が通り過ぎたころに全開位置から自動的に戸が戻って閉まるようにすることもできる。
また、この第6実施形態では、スライド部材22の移動をばね受け部材23に伝達する運動伝達機構としてギア26を用いたが、運動伝達機構はギアに限らない。プーリーとベルト、リンク機構など、一般的な動力伝達手段を用いることができる。
また、ケーシング21とスライド部材22のいずれを固定部材に取り付け、いずれを移動部材に取り付けることも可能であり、上記と同様の作用効果を得られる。
あるいは、上記引っ張りスプリングの代わりに重力を利用して、一方向移動を実現することもできる。例えば、スライド部材22の移動方向を上下方向とし、上から下へ向かう方向を一方向とすれば、スライド部材22の重量及びスライド部材22と一体的に移動する移動部材の重量を利用して一方向の移動力を得ることもできる。
さらにまた、上記スプリング力と重力との複合力に基づく一方向の移動力を利用するようにしてもよい。
なお、上記第1から第6実施形態の全てにおいて、ばね部材をコイルばねとしているが、この発明のばね部材はコイルばねに限らない。
2 ケーシング本体
4 回転軸
6 (回転軸の)筒部
6a (第1伝達機構)カム溝
6c (第2伝達機構)カム山
6d 斜面
7 運動伝達部材
8 スライダー
8c (第2伝達機構)カム山
8d 斜面
9 コイルばね
11 (凸部)ボール
12 調整ネジ
7c (第1伝達機構)カム溝
16 (第1伝達機構)カム溝
21 ケーシング
21e チャック移動溝
21f ギア移動孔
21h ロック解除凸部
22 スライド部材
22a 本体
22b ラック
22e チャック解除部
22g ばね押さえ
22h ロック爪
23 ばね受け部材
23a 本体
23e ラック
23f 被チャック部
24 コイルばね
25 引っ張りスプリング
26 ギア
26a 大径ギア
26b 小径ギア
28 チャック部材
Claims (11)
- スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に基づく一方向の移動力が作用する移動部材と、
上記移動部材をスプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に抗して上記一方向とは反対の他方向に移動させる移動力を付与するばね部材とを備え、
上記移動部材が、上記他方向における移動終端から所定の移動位置まで外力の作用を受けることで上記一方向に移動したとき、その移動過程で上記ばね部材にばねエネルギーを蓄積する一方、
上記移動部材の上記所定の移動位置から、上記ばね部材に蓄積されたばねエネルギーの開放を制限して、上記移動部材を上記スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力の作用のみで上記一方向に移動可能にし、
上記移動部材が、ばね部材に蓄積されたばねエネルギーで、上記他方向に移動して上記他方向の移動終端に達する構成にした移動制御装置。 - 上記移動部材が、上記他方向における移動終端から所定の移動位置まで外力の作用を受けることで上記一方向に移動したとき、その移動過程で上記ばね部材にばねエネルギーを蓄積するばねエネルギー蓄積手段と、
上記移動部材の上記所定の移動位置から、上記ばね部材に蓄積されたばねエネルギーの開放を制限して、上記移動部材を上記スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力の作用のみで上記一方向に移動可能にするばねエネルギー解放制限手段とを備えた請求項1に記載の移動制御装置。 - 回転軸を中心に回転し、スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に基づく一方向の回転力が作用する回転部材と、
上記回転部材をスプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に抗して上記一方向とは反対の他方向に回転させる回転力を付与するばね部材と、
上記他方向における上記回転部材の回転終端から所定の回転角度まで外力の作用を受けることで回転したとき、その回転過程で上記ばね部材にエネルギーを蓄積するばねエネルギー蓄積手段と、
上記回転部材の上記所定の回転角度から、上記ばね部材に蓄積されたばねエネルギーの開放を制限して、上記回転部材を上記スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力の作用のみで上記一方向に回転可能にするばねエネルギー解放制限手段とを備え、
上記回転部材が、ばね部材に蓄積されたばねエネルギーで、上記他方向に回転して上記他方向の回転終端に達する構成にした移動制御装置。 - スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に基づく一方向の移動力が作用し、直線的に移動する移動部材と、
上記移動部材をスプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力に抗して上記一方向とは反対の他方向に移動させる移動力を付与するばね部材と、
上記他方向における上記移動部材の移動終端から所定の移動位置まで外力の作用を受けることで移動したとき、その移動過程で上記ばね部材にエネルギーを蓄積するばねエネルギー蓄積手段と、
上記回転部材の上記所定の移動位置から、上記ばね部材に蓄積されたばねエネルギーの開放を制限して、上記移動部材を上記スプリング力もしくは重力あるいはこれらの複合力の作用のみで上記一方向に移動可能にするばねエネルギー解放制限手段とを備え、
上記移動部材が、ばね部材に蓄積されたばねエネルギーで、上記他方向に移動して上記他方向の移動終端に達する構成にした移動制御装置。 - 上記回転部材と、
この回転部材を回転可能に支持する固定部材と、
上記固定部材に対して回転を規制され軸方向移動のみを可能にしたスライダーと、
上記回転部材の一方向の回転運動を軸方向移動に変換して上記スライダーに伝達する第1伝達機構と、
上記スライダーの軸方向移動を、回転部材の他方向の回転運動に変換して上記回転部材に伝達する第2伝達機構とを備え、
上記スライダーと上記固定部材との間に上記ばね部材を介在させ、
上記回転部材が上記他方向における回転終端から回転して所定の角度位置に至る過程で、上記第1伝達機構によって上記スライダーを軸方向に移動し、上記ばね部材を圧縮させるばねエネルギー蓄積手段を構成するとともに、
上記回転部材が上記一方向に回転して上記所定の回転角度を越えてから一方向の回転終端もしくはその近傍に至る過程で、
上記ばねエネルギー解放制限手段は、上記ばね部材に蓄積されたばねエネルギーの解放を制限して、
上記スプリング力あるいは重力の作用のみに基づいて上記回転部材に作用する一方向の回転力を、上記ばねエネルギーに基づいて上記回転部材に作用する他方向の回転力より大きくする構成にした請求項3に記載の移動制御装置。 - 上記固定部材に対する軸方向への移動のみを許容し、上記回転部材と相対回転可能にした運動伝達部材を備え、
上記運動伝達部材と上記回転部材のいずれか一方に環状のカム溝を設けるとともに、いずれか他方には上記カム溝に沿って移動可能な凸部を設け、
上記カム溝は、上記回転部材の一方向の回転時に上記凸部を案内する一方向回転案内部と、この一方向回転案内部と連続するとともに上記回転部材の他方向の回転時に上記凸部を回転終端まで案内する他方向回転案内部とからなり、
上記一方向回転案内部と上記凸部とが相まってスライダーを軸方向に移動させるための上記第1伝達機構を構成する一方、
上記一方向回転案内部は、上記ばねエネルギー蓄積手段で構成されるばねエネルギー蓄積行程と、このばねエネルギー蓄積行程に連続するとともに上記ばねエネルギー解放制限手段で構成されるばねエネルギー解放制限行程とからなり、
上記回転部材が外力の作用を受けることで他方向における回転終端から上記所定の回転角度まで回転する過程では、上記凸部が上記カム溝のエネルギー蓄積行程を移動しながら運動伝達部材が軸方向に移動して上記スライダーを移動させ、このスライダーの移動によって上記ばね部材を圧縮させてばねエネルギーを蓄積するとともに、
上記回転部材が上記一方向に回転して上記所定の回転角度を越えてから一方向の回転終端もしくはその近傍に至る過程では、上記凸部が上記カム溝のばね
エネルギー解放制限行程を移動して上記ばねエネルギーの解放を制限し、
さらに、上記スライダー及び回転部材間に介在するカム構造からなる上記第2伝達機構を備え、上記ばねエネルギーによって上記スライダーが軸方向に移動したとき、上記第2伝達機構によって回転部材を他方向へ回転させ、
この回転部材の他方向の回転によって上記運動伝達部材が軸方向に移動する構成にした請求項5に記載の移動制御装置。 - 上記カム溝の他方向回転案内部には、
上記ばねエネルギーによってスライダーが軸方向に移動するとき、このスライダーと同時もしくはそれに先だって、上記運動伝達部材が移動するように上記凸部を案内する軸方向案内行程と、上記凸部を、上記軸方向案内行程から上記一方向回転案内部へ導く回転方向案内行程とを備えた請求項6に記載の移動制御装置。 - 上記移動部材を移動可能に支持する固定部材と
上記固定部材に対して軸方向移動のみを可能にし、上記移動部材との間に上記ばね部材を介在させたばね受け部材と、
上記移動部材の一方向の移動に伴って上記ばね受け部材を他方向に移動させ、上記ばね部材を圧縮する上記ばねエネルギー蓄積手段と、
上記移動部材が、一方向に移動する過程で上記所定の位置を越えて一方向の終端位置あるいはその近傍に達するまで、上記ばね受け部材を移動部材に固定して上記ばね受け部材と移動部材との距離を一定に保つばねエネルギー解放制限手段とを備えた請求項4に記載の移動制御装置。 - 上記移動部材の一方向の移動力をばね受け部材の他方向の移動力に変換して伝達する運動伝達機構を備え、
この運動伝達機構は、上記移動部材の一方向の移動量を増幅して上記ばね受け部材に伝達することを特徴とする請求項8に記載の移動制御装置。 - 上記ばね部材にエネルギーを蓄積した状態で、上記移動部材あるいは回転部材を、一方向における終端位置もしくはその近傍に保つ保持手段と、
上記保持手段の保持力を外力で直接もしくは間接的に開放する解放手段と、
を備えた請求項1〜9のいずれか1に記載の移動制御装置。 - 上記ばね部材のばね力を調整するばね力調整機構を備えた請求項1〜10のいずれか1に記載の移動制御装置。
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