JP4217806B2 - 取手装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不使用時に取手を壁面に沿った垂直の格納状態とする一方、使用時には取手を格納状態から水平位置とする取手装置に関し、特に、垂直位置及び水平位置以外の角度でも取手を停止させる状態とすることが可能な取手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレ、浴室等には、老人、病人、身障者の行動の補助を行うため、取手が水平状態となるように壁面に固定されているが、水平の固定状態のままでは、健常者の行動を妨げる場合がある。このため、特開平9−209535号公報には、取手が垂直位置及び水平位置の間を回動すると共に、取手を垂直位置から水平位置に緩く減勢して繰り出す取手装置が開示されている。
【0003】
この従来の取手装置は、壁面に固定されるブラケットに取手を回動自在に取り付けると共に、取手を垂直位置及び水平位置で停止させるストッパをブラケットに取り付けることにより構成されている。これに加えて、取手に対しブラケットからガススプリングを連結し、ガススプリングによって取手を水平位置に向かって緩く減勢して繰り出す跳ね上げ式の構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら跳ね上げ式の従来の取手装置では、水平状態の取手に対して上方への力を作用すると、取手が簡単に回動するため、使用者に不安を与える問題がある。
【0005】
また、取手の使用が水平位置で行われるため、壁面の低い位置に取手装置が取り付けられている場合には、背の高い人には低すぎて使用しにくいと共に、取手を使用者の好みに合わせた位置に停止させることができない不便さを有している。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、取手が簡単に回動することなく、しかも水平位置、垂直位置以外の位置であっても停止させることが可能な構造の取手装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の取手装置は、固定側部材に固定されたシャフトと、前記シャフトの長さ方向の略中央部分に設けられたロックプレートと、前記シャフト及びロックプレートが内部に配置されると共に前記固定側部材に回動可能に支持される大径筒部及び大径筒部の長さ方向の略中央部分に起立した小径筒部を有し、前記シャフトの周囲で回動可能となっているケースと、前記小径筒部に取り付けられ、前記ケースと一体となって回動する取手と、前記小径筒部の内部に配置されており、前記ロックプレートに係脱自在に係合し、当該係合によって前記取手の回動をロックするロックピンと、前記ロックプレートと係合する方向に前記ロックピンを付勢するロック付勢部材と、前記ロックピンに連結され、前記ロックピンと前記ロックプレートとの係合を解除するロック解除部材とを備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明では、ロック解除部材がロックピンとロックプレートの係合を解除した状態で、シャフトの周りを取手が回動することができるため、取手の角度調整(高さ調整)を行うことができる。このとき、ロックピン及びロックプレートがシャフトの周囲に配置されるため、コンパクトとなり、小型化が可能で取り扱い性が向上する。
【0009】
また、ロック付勢部材がロックピンとロックプレートとを係合させることにより、取手の回動ロックを行うため、取手が簡単に回動することを防止することができ、使用に際しての不安感をなくすことができる。
【0010】
さらに、ロック付勢部材がロックピンとロックプレートが係合するように付勢することから、ロックピンとロックプレートの係合を行うためのロック操作が不要となる。このため、ロック操作を忘れることがなく、安全に使用することができる。
【0011】
請求項2の発明の取手装置は、請求項1記載の取手装置であって、前記取手が一方向に回動するように付勢する回動付勢部材が前記大径筒部の内部に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明では回動付勢部材を備えており、この回動付勢部材が取手を回動付勢するため、例えば、取手を上方向へ付勢することにより取手を跳ね上げ式とすることができ、取手が急激に下方向に回動することがなく安全となると共に、小さな力で取手の格納操作を行うことができ、操作性が向上する。また、回動付勢部材が取手を回動付勢していても、ロック付勢部材がロックピンとロックプレートとの係合状態を保持するため、取手が簡単に回動することがなく、使用者に不安感を与えることがない。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1記載の取手装置であって、前記ロックプレートは外周に第1の係合部が形成され、前記ロックピンは前記第1係合部と係脱自在に係合する第2の係合部が形成されて前記ロックプレートの周囲を回動することを特徴とする。
【0017】
このように第1の係合部及び第2の係合部が係合することにより、取手の回動を確実にロックすることができる。この場合の第1及び第2の係合部の係合は、凹凸嵌合の他、摩擦を伴う係合等の適宜の手段を用いることができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3記載の取手装置であって、前記第1の係合部は前記ロックプレートに形成されたロック凹部であり、前記第2の係合部は前記ロックピンに形成され、ロック凹部に係合するロック凸部であることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、このようなロック凹部及びロック凸部とすることにより、良好に結合させることができ、取手の回動ロックを確実に行うことができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項2記載の取手装置であって、前記回転付勢部材は、一端がシャフト側に係止され、他端が取手側に係止された捩りばねであることを特徴とする。
【0021】
回転付勢部材として用いる捩りばねは、取手の回動に伴ってトルクを蓄えるため、取手の回動角度に応じて取手を良好に付勢することができる。
【0022】
請求項6の発明は、請求項2記載の取手装置であって、前記回転付勢部材は、取手側の部材と当接するようにシャフト側に設けられた押圧駒と、押圧駒を前記当接方向に付勢するばね部材と、押圧駒と取手側の部材との当接部位に形成され、取手の回動に伴って摩擦トルクを増減させるカム手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
この発明のカム手段は、取手の回動に伴って摩擦トルクが変化するため、回動角度に応じて取手を良好に付勢することができる。
【0024】
請求項7の発明は、請求項3記載の取手装置であって、前記第2の係合部が滑ることにより第1の係合部と係合するように、前記第1の係合部の前記ロック凹部の間に、凸弧状の滑り面が形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項7の発明における滑り面は、第2の係合部を滑らして第1の係合部に入り込むように作用する。これにより、第1及び第2の係合部の係合が自動的に行われるため、ロック操作が不要となり、安全性が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0027】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の実施の形態1であり、図1〜図3は全体を示し、図4は図2のA−A線断面図、図5は分解斜視図、図6及び図7は作動を示す図3のB−B線断面図である。
【0028】
この実施の形態の取手装置1は、図1〜図3に示すように、トイレ、浴室等の壁面2に取り付けられる固定側部材としてのブラケット3と、ブラケット3に回動自在に取り付けられた取手4とを備えている。
【0029】
ブラケット3はコ字形に屈曲されており、その平面部3aをボルト3c等によって壁面2に取り付けることにより、ブラケット3の全体が壁面2に固定される。平面部3aの両側には、立ち上がり部3bが起立状に設けられており、立ち上がり部3bにシャフト5(図4及び図5参照)が掛け渡されることにより、取手4の回動中心となっている。
【0030】
取手4は、直線状の握り部4aと、握り部4aから分岐して握り部4aの方向に延びる分岐部4bとを有している。握り部4aは使用者が手で把持する部分であり、その先端側には、ロック解除部材としての解除レバー6が取り付けられている。なお、分岐部4bを省いても良く、この場合には握り部4aだけによって取手が構成される。
【0031】
シャフト5は、図5及び図6に示すように外形が六角形の非円形となっており、図4に示すようにブラケット3の立ち上がり部3bに掛け渡された状態で、その両端部にねじ7を螺合させることによりブラケット3に固定される。このシャフト5には第1のロック部材としてのロックプレート8が取り付けられる。一方、取手4の基端部には、ケース9が取り付けられる。
【0032】
ロックプレート8にはシャフト5の外形と同一形状の軸孔8eが形成されており、軸孔8eにシャフト5が挿入されることにより、ロックプレート8はシャフト5に回転止めされた状態で取り付けられる。ロックプレート8の全体は円板形状に成形されており、その外周面には溝状のロック凹部8a,8b,8c,8dが所定間隔で4箇所に形成されている。これらのロック凹部は取手4の回動をロックする第1の係合部として作用するものである。この実施の形態において、ロック凹部8aは取手4を垂直位置にロックし、ロック凹部8dは水平位置にロックし、ロック凹部8b、8cは取手をこれらの中間位置でロックするために用いられるものである。
【0033】
かかるロックプレート8には、第2のロック部材としてのロックピン10が対向するようにケース9内に設けられている。
【0034】
ケース9は図4に示すように、シャフト5及び円板形状のロックプレート8を収容する大径筒部9aと、大径筒部9aから直交方向に起立してロックピン10を収容する小径筒部9bとを備えた断面T字形の筒形状に成形されている。大径筒部9aの両端部は開放されており、その端面に切欠部9c、9dが形成されている。開放された大径筒部9aの両端部には、円板形状の蓋駒11,12が嵌め込まれている。なお、小径筒部9は図6及び図7に示すように、ねじ13を螺合することによって、取手4の握り部4aに固定されており、これによりケース9は取手4と共に一体的に回動する。
【0035】
それぞれの蓋駒11,12の外周面には、大径筒部9aの切欠部9c、9dに係合する耳部11a,12aが形成されている。そして耳部11a,12aが切欠部9c、9dに係合することにより、蓋駒11,12はケース9と共に一体的に回転するようになっている。これにより、蓋駒11,12はケース9の一部を構成している。
【0036】
第2のロック部材としてのロックピン10は、縦長となっており、その端部には、ロック凹部8a,8b,8c,8dと係合するロック凸部10aが一体的に形成されている。ロック凸部10aは、第2の係合部として作用するものであり、溝状のロック凹部8a,8b,8c,8dと同形状で僅かに小さな寸法となるように形成されている。これにより、ロック凸部10aがロック凹部に円滑に噛み合うようになっている。
【0037】
ロックピン10は、図4、図6及び図7に示すように、ケース9の小径筒部9b内に挿入される。これにより、ロックピン10はロックプレート8の周囲でケース9、すなわち取手4と一体的に回動する。
【0038】
ロックピン10には、圧縮コイルばねからなるロック付勢部材14が取り付けられている。ロック付勢部材14は、ロックピン10の周囲に位置するようにケース9の小径筒部9内に挿入され、その上部が取付ピン16によって小径筒部9内に固定された押え駒15によって押えられている。これによりロック付勢部材14は、ロックピン10がロックプレート8の方向に移動するように付勢しており、ロックピン10のロック凸部10aがロック凹部8a,8b,8c,8dと噛み込むことが可能となっている。
【0039】
さらに、シャフト5には外形が円形のブッシュ17,18が取り付けられる。ブッシュ17,18は、シャフト5の外形と同形状の軸孔を有しており、シャフト5が貫通することにより回転止めされた状態となっている。ブッシュ17,18は、ロックプレート8を挟むように配置されており、これによりロックプレート8がシャフト5の軸方向に移動することを規制している。ブッシュ17,18は上述した蓋駒11,12を貫通しており、これにより蓋駒11,12(ケース9)はブッシュ17,18を中心にして回動する。
【0040】
シャフト5の両端には、外形が円板形状の固定プレート19,20が取り付けられ、Cリング等の抜け止めリング21によって抜け止めされている。それぞれの固定プレート19,20には、ブラケット3の立ち上がり部3bを貫通した固定ピン22が差し込まれており、これにより固定プレート19,20はブラケット3に回転止めされた状態で固定されている。
【0041】
上述した解除レバー6は、取手4の握り部4aの先端部に設けたスライド孔4cを貫通して握り部4aの外部に突出している。この解除レバー6には、握り部4a内を延びる連結ロッド23の一端が連結されている。連結ロッド23の他端はロックピン10に螺合することにより、連結ロッド23を介して解除レバー6とロックピン10とが連結されている。従って、握り部4aの先端方向へ移動するように解除レバー6を操作することにより、ロックピン10はロックプレート8から離れる方向に移動し、この移動によってロック凸部10aはロックプレート8のロック凹部8a,8b,8c,8dとの係合から離脱する。
【0042】
さらに、ケース9の大径筒部9aの内部には、回動付勢部材としての一対の捩りばね24,25が配置されている。捩りばね24,25はシャフト5が貫通したブッシュ17,18に外挿されることにより、ブッシュ17,18とケース9の大径筒部9aとの間に配置されている。それぞれの捩りばね24,25は一端24a,25aがロックプレート8のフック孔8fに挿入されて係止されると共に、他端24b,25bが蓋駒11,12のフック孔11b、12bに係止される。この場合、捩りばね24は左巻き、捩りばね25は右巻きとなっており、ケース9が回転することにより巻き締められ、この巻き締めによってケース9、すなわち、取手4を垂直方向に回動させるトルクが蓄積される。
【0043】
次に、この実施の形態の作動を説明する。図6に示すように、ロックピン10のロック凸部10aがロックプレート8の一のロック凹部8cに噛み合っている状態において、取手4に下方向への回動力が作用すると、シャフト5にも同様に反時計方向の回動力が作用する。このとき、シャフト5は固定ピン22によって固定側のブラケット3に固定されているため、回転することがない。これにより、下方向への回動力が取手4に作用しても、取手4は同方向へ回動することはなくロック状態を保持することができる。取手4に上方向への回動力が作用した場合も、同様にロック状態を保持することができる。この回動ロックは、ロックピン10のロック凸部10aが他のロック凹部8a,8b,8dに噛み合っている場合においても、同様にして保持されるため、取手が安易に回動することなく安定したロックを行うことができ、使用に際しての不安感がなくなる。
【0044】
次に、図7に示すように解除レバー6を握り部4aの先端側に向かって操作すると、ロックピン10がロックプレート8から離れる方向に移動するため、ロック凸部10aがロック凹部8cとの噛み合いから抜け出し、ロックが解除される。この状態では、取手4を自由に回動させることができる。
【0045】
そして、取手4を使用したい位置、例えば、ロックプレート8のロック凹部8dで解除レバー6を離すと、ロック付勢部材14の付勢力によりロックピン10がロックプレート8の方向に移動し、そのロック凸部10aがロック凹部8dに噛み込んで回動がロックされる。この場合において、ロック付勢部材14がロックピン10を付勢しているため、ロック凹部8dの手前で解除レバー6を離しても、取手4を同方向に回動させることにより、ロック凸部10aが自動的にロック凹部8dに入り込んで噛み込むため、自動的にロックすることができる。従って、ロック操作が不要となり、安全に使用することができる。
【0046】
この実施の形態において、ロックプレート8には、4箇所のロック凹部8a,8b,8c、8dが形成されており、それぞれのロック凹部によって取手4の回動がロックされる。このように、複数のロック凹部を設けることにより、水平位置、垂直位置のみならず、使用者の好みの高さで取手4を停止させることができるため、使用上便利となる。
【0047】
取手4の下方向への回動に際しては、逆向きに巻かれた捩りばね24,25が取手4の回動に応じて巻き締め方向に回転する。このため、取手4のモーメントの増加に追従して捩りばね24,25のトルクが増大し、上方向に回動するように取手4を付勢した状態となり、バランスを保つことができる。従って、ロックピン10のロック凸部10aがロックプレート8のロック凹部に噛み込んでいない状態で、取手4から手を離しても取手4が急激に下方向に回動することがなく、安全に使用することができる。
【0048】
さらに、この実施の形態では、ロックピン10がロックプレート8の周囲を回動するように配置されることから、ロックピン10及びロックプレート8がシャフト5の周囲に配置されている。これに加えて、ロックプレート8、捩りばね24,25がシャフト5の周囲に位置するようにケース9内に配置されている。このように、作動部材をシャフト5回りに配置することによりコンパクトとなる。これにより、取手装置位置の全体が小型化でき、取り扱い性が向上する。
【0049】
さらに、また、ロックプレート8及びロックピン10を筒状のケース9に収容しているため、さらにコンパクトとすることができると共に、係合及び離脱がケース9内で行われるため、外部々材がこれらに干渉することがなく、係合・離脱の作動を確実に行うことができる。
【0050】
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2の取手装置28を示し、ロックプレート8における隣接したロック凹部8a,8b,8c,8dの間に滑り面27が形成されている。滑り面27は、凸弧状となっており、ロックピン10のロック凸部10aが当接することにより、ロック凸部10aを滑らしてロック凹部に入り込むように案内する。これにより、ロック凸部10aとロックプレート8のロック凹部との係合が自動的に行われるため、ロック操作が不要となり、安全となる。
【0051】
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3の取手装置29を示す。この実施の形態では、固定側部材としてのブラケットが左右に分割された構造となっている。すなわち、一対の左ブラケット30及び右ブラケット31によって取手4を支承するブラケットが構成されている。各ブラケット30,31は、L字形となっており、その平面部30a,31aがボルト等により壁面に固定される。また、それぞれの立ち上がり部30b、31bは左右からシャフト5及びケース9を挟むようになっており、シャフト5に対しては、シャフト5の外形と同一形状となるようにブラケット30、31の立ち上がり部30b,31bに設けた孔により、その回転止めがなされている。
【0052】
このようにブラケットを左右に分割することにより、壁面への取り付けの自由度が広がるため、取り付けを容易に行うことができる。また、ブラケット30,31の立ち上がり部30b,31bによってシャフト5を回転止め状態で支持するため、実施の形態1のような固定プレート19,20が不要となる。このように部品点数を削減することができ、軽量化が可能で組み立ても容易となる。
【0053】
(実施の形態4)
図10〜図12は、実施の形態4の取手装置40を示す。この実施の形態では、支持筒41によってロックピン10を支持すると共に、ロックピン10が係合するロックプレート42,43を一対用いるものである。
【0054】
また、シャフト5はインナーシャフト44及びインナーシャフト44が貫通するアウタシャフト45の2部材から構成されている。インナーシャフト44は外形が円形となっており、ねじ7によってブラケット3の立ち上がり部3bに固定される。一方、アウタシャフト45は左右一対となるように設けられている。アウタシャフト45は外形が六角形状の非円形となっており、実施の形態1と同様に、固定プレート19,20の非円形の軸孔に挿入されている。固定プレート19,20は固定ピン22によってブラケット3の立ち上がり部3bに固定されており、これにより、アウタシャフト45、すなわちシャフト5の全体は、回転止めされた状態でブラケット3に取り付けられている。
【0055】
支持筒41は取手4の握り部4aの基端部に挿入され、ねじ13によって握り部4a内に固定されており、取手4と一体的に回動する。支持筒41の基端部(下端部)には、インナーシャフト44が貫通しており、インナーシャフト44の貫通部分には、ブッシュ46が設けられて支持筒41の回動が支持されている。
【0056】
ロックピン10は長尺となって、支持筒41内に挿入されており、その基端部には、ロック凸部10aがねじ込まれることによりロック凸部10aが左右から突出するように取り付けられている。ロックピン10は直接あるいは連結ロッド等を介して間接的に解除レバー6(図示省略)に連結されており、解除レバー6への操作によって支持筒41内を摺動する。この摺動の際には、ロック凸部10aが一体的に摺動する。このため、支持筒41には、ロック凸部10aの摺動を許容する縦長の摺動溝41aが形成されている。
【0057】
一対のロックプレート42,43は、回転止めされた状態でアウタシャフト45に取り付けられている。それぞれのロックプレート42,43には、ロックピン10の左右から突出するロック凸部10aが噛み込んで係合するロック凹部42a〜42d、43a〜43dが適宜間隔で形成されている。この実施の形態において、ロック凸部10aは外形が円形となっており、ロック凸部10aが噛み込むロック凹部も円形の溝形状に形成されている。
【0058】
ロック凸部10aとロック凹部との係合を行うため、ロックピン10を係合方向に付勢する圧縮ばねからなるロック付勢部材14が支持筒41に挿入され、取付ピン16によって固定されている。
【0059】
なお、この実施の形態においても、取手4の回動に伴って取手4を上方向に付勢する逆巻きの捩りばね24,25がケース9の内部に配置されている。この場合、捩りばね24,25はロックプレート42,43の外側に位置するように配置されており、一端24a,25aは対応するロックプレート42,43のフック孔42f,43fに挿入されて係止されている。他端24b,25bはケース9の一部を構成する蓋駒11,12に係止されている。
【0060】
このような実施の形態では、実施の形態1と同様に作用することができる。これに加えて、ロックピン10が支持筒41に支持されるため、実施の形態1のようにケース9を断面T字形とすることなく、単純な筒状として用いることができる。
【0061】
(実施の形態5)
図13及び図14は実施の形態5の取手装置50を示す。この実施の形態では、取手4を一方向に回動付勢する回動付勢部材51として、左右一対の押圧駒52及び左右一対のばね部材53を用いるものである。
【0062】
左右一対の押圧駒52は、外面が六角形の非円形に形成されたシャフト5が貫通することにより回転拘束されているが、シャフト5の軸方向に摺動自在となっている。また、それぞれの押圧駒52における蓋駒11,12側にはカム突起52aが形成されている。
【0063】
ばね部材53は圧縮ばねからなり、圧縮された状態でロックプレート8と押圧駒52との間に位置するようにシャフト5に外挿される。このばね部材53は押圧駒52が蓋駒11,12に当接するように付勢するものである。
【0064】
ケース9を構成する左右一対の蓋駒11,12には、押圧駒52が当接するが、この当接部位には、図14に示すようにカム面54がそれぞれ形成されている。カム面54は円弧状となって連続しており、その対向部位に頂部54aが形成され、頂部54aの間を凹み部54bが連設している。凹み部54bは、頂部54aに向かって徐々に立ち上がる緩やかな湾曲面となっている。従って、取手4の回動に伴ってケース9(蓋駒11,12)が回動し、押圧駒52のカム突起52aが凹み部54bに沿って相対的に移動すると、これらの間に生じる摩擦トルクが増減される。そして、押圧駒52のカム突起52aがカム面54の頂部54aに当接すると、カム突起52aと頂部54aとの間の摩擦トルクが最大となるため、取手4が不用意に下方向に回動することがなくなる。これにより、安全となると共に、取手4を小さな力で格納状態まで回動させることができる。このようなカム突起52a及びカム面54は、取手4の回動に伴って摩擦トルクを増減させるカム手段を構成する。
【0065】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々変形が可能である。例えば、図15に示すように、ロックピン10のロック凸部10aの外形を円形とすると共に、ロック凸部10aが係合するロックプレート8のロック凹部8a〜8dを円形孔としても良い。また、図16に示すように、ロックピン10のロック凸部10aを円錐形とすると共に、ロックプレート8のロック凹部8a,8b,8c,8dを同様に円錐状孔とすることにより、これらが密に接触した状態で係合するため、ガタ付きのない回動ロックを行うことができる。
【0066】
さらに、取手の回動ロックを行うロック凹部は、その数を任意に選定することができる。また、第1のロック部材としてのロックプレート8,42,43をシャフト5に一体的に形成しても良い。さらに、解除レバー6とロックピン10とをワイヤ等によって連結しても良い。さらに、また、ロック凹部を第2のロック部材であるロックピン10に形成する一方,ロック凸部を第1のロック部材であるロックプレート8に形成しても良い。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、ロック付勢部材がロックプレートとロックピンとを係合させて取手の回動ロックを行うため、取手が簡単に回動することを防止することができ、使用に際しての不安感をなくすことができる。また、ロックプレートとロックピンとの係合を行うためのロック操作が不要となり、ロック操作を忘れることがなく、安全に使用することができる。さらに、取手の高さ調整の構造をコンパクトとすることができ、小型化が可能で、取り扱い性が向上すると共に、使用者の好みに合せた位置に停止させて使用できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の取手装置の側面図である。
【図2】取手を任意の高さで回動ロックした状態を示す側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】実施の形態1の分解斜視図である。
【図6】図3のロック状態を示すB−B線断面図である。
【図7】実施の形態1のロック解除状態を示す断面図である。
【図8】実施の形態2の断面図である。
【図9】実施の形態3の断面図である。
【図10】実施の形態4の分解斜視図である。
【図11】実施の形態4の側面からの断面図である。
【図12】実施の形態4の正面からの断面図である。
【図13】実施の形態5の断面図である。
【図14】実施の形態5の要部を示す分解斜視図である。
【図15】他の実施の形態における要部を示す分解斜視図である。
【図16】さらに他の実施の形態における要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,28,29,40,50 取手装置
3 ブラケット
4 取手
5 シャフト
6 解除レバー
8 ロックプレート
8a,8b,8c,8d ロック凹部
9 ケース
11,12 蓋駒
10 ロックピン
10a ロック凸部
14 ロック付勢部材
24,25 捩りばね
27 滑り面
52 押圧駒
53 ばね突起
54 カム面
Claims (7)
- 固定側部材に固定されたシャフトと、
前記シャフトの長さ方向の略中央部分に設けられたロックプレートと、
前記シャフト及びロックプレートが内部に配置されると共に前記固定側部材に回動可能に支持される大径筒部及び大径筒部の長さ方向の略中央部分に起立した小径筒部を有し、前記シャフトの周囲で回動可能となっているケースと、
前記小径筒部に取り付けられ、前記ケースと一体となって回動する取手と、
前記小径筒部の内部に配置されており、前記ロックプレートに係脱自在に係合し、当該係合によって前記取手の回動をロックするロックピンと、
前記ロックプレートと係合する方向に前記ロックピンを付勢するロック付勢部材と、
前記ロックピンに連結され、前記ロックピンと前記ロックプレートとの係合を解除するロック解除部材とを備えていることを特徴とする取手装置。 - 前記取手が一方向に回動するように付勢する回動付勢部材が前記大径筒部の内部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の取手装置。
- 前記ロックプレートは外周に第1の係合部が形成され、前記ロックピンは前記第1係合部と係脱自在に係合する第2の係合部が形成されて前記ロックプレートの周囲を回動することを特徴とする請求項1記載の取手装置。
- 前記第1の係合部は前記ロックプレートに形成されたロック凹部であり、前記第2の係合部は前記ロックピンに形成され、ロック凹部に係合するロック凸部であることを特徴とする請求項3記載の取手装置。
- 前記回転付勢部材は、一端がシャフト側に係止され、他端が取手側に係止された捩りばねであることを特徴とする請求項2記載の取手装置。
- 前記回転付勢部材は、取手側の部材と当接するようにシャフト側に設けられた押圧駒と、押圧駒を前記当接方向に付勢するばね部材と、押圧駒と取手側の部材との当接部位に形成され、取手の回動に伴って摩擦トルクを増減させるカム手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載の取手装置。
- 前記第2の係合部が滑ることにより第1の係合部と係合するように、前記第1の係合部の前記ロック凹部の間に、凸弧状の滑り面が形成されていることを特徴とする請求項4記載の取手装置。
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