JP2014098530A - ヒートパイプ - Google Patents

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修 本村
Naoto Sakuma
直人 佐久間
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Abstract

【課題】スマートフォンなどの携帯機器の筐体内に収納が可能であり、使用する姿勢が定まらない携帯機器をどの向きに使用しても、十分な熱輸送能力が得られるヒートパイプを提供する。
【解決手段】管体である銅管12に作動液13を封入してなる極細ヒートパイプ1において、銅管12の直径をΦ2.5mm以下に形成する。好ましくは、前記管体は材質が純銅からなる内面溝付きの銅管12であり、また作動液13は純水である。さらに極細ヒートパイプ1は、携帯機器31のCPU34と携帯機器31の外周部38の一部に沿って配置される。これにより、ユーザの手で持ち易いサイズで電池パック37の着脱が可能なスマートフォンなどの携帯機器31の筐体32内にも、極細ヒートパイプ1を取付けることが可能になり、十分な熱輸送能力を得ることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、小型でありながら十分な熱輸送量が得られるヒートパイプに関する。
従来、スマートフォンなどの携帯機器に搭載されるCPUの発熱を拡散させるために、例えば特許文献1に示すような熱伝導率の高いグラファイトを、放熱シートに混在させた放熱構造が提案されている。
特開2012−186692号公報
しかし従来の構成では、熱の拡散が十分ではなく、携帯機器の外郭にヒートスポットが生じ、CPUの発熱を制限せざるを得ない。このため、CPUの能力を最大限に使うことができなかった。
一方、ヒートパイプによりCPUの発熱を拡散する放熱構造も知られているが、スマートフォンなどの携帯機器の好ましい大きさの制約から、直径がΦ3mm以上のヒートパイプを携帯機器の筐体内に収納するだけのスペースが確保できない。また、スマートフォンなどの携帯機器は使用する姿勢が定まっていないため、ヒートパイプは放熱部よりも受熱部が重力の向きに対し上側にあると、熱輸送能力が低下する欠点を有していた。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、スマートフォンなどの携帯機器の筐体内に収納が可能であり、使用する姿勢が定まらない携帯機器をどの向きに使用しても、十分な熱輸送能力が得られるヒートパイプを提供することを目的とする。
請求項1の発明では、管体の直径をΦ2.5mm以下にすることにより、ユーザの手で持ち易いサイズで電池パックの着脱が可能なスマートフォンなどの携帯機器の筐体内にも、ヒートパイプを取付けることが可能になり、このヒートパイプによって十分な熱輸送能力を得ることができる。
請求項2の発明では、内面溝付き銅管の材質を純銅とし、作動液を純水とすることで、グルーブに発生する毛細管力がより大きくなり、受熱部が重力方向に対して放熱部よりも高い位置にあっても、ヒートパイプとしての熱輸送能力の低下が少なくなる。
請求項3の発明では、発熱部から発生する熱が、ヒートパイプにより携帯機器の外周部に運ばれ、ユーザが携帯機器を手で保持したときに、外周部に触れた手から効果的に外部へと放熱される。したがって、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項4の発明では、ヒートパイプの放熱部を長くしても、重力方向に対する受熱部と放熱部の距離(落差)が大きくならず、携帯機器を使用する姿勢がどの向きであっても、その携帯機器に収納されたヒートパイプは重力の影響を受け難くなり、使用姿勢の向きによる性能低下が生じにくくなる。
請求項5の発明では、ヒートパイプの放熱部をより長くしても、重力方向に対する受熱部と放熱部の距離(落差)が大きくなり難いものとなり、携帯機器の使用姿勢に伴う性能低下が生じ難くなる。
請求項6の発明では、発熱部から発生する熱が、ヒートパイプにより携帯機器の外周部に運ばれ、ユーザが携帯機器を手で保持したときに、外周部に触れた手から効果的に外部へと放熱される。したがって、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項7の発明では、発熱部から発生する熱が、ヒートパイプにより携帯機器の外周部に運ばれ、ユーザが携帯機器を手で保持したときに、外周部に触れた手から効果的に外部へと放熱される。したがって、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項8の発明では、携帯機器の外周部と充電手段との間の隙間を利用して、ヒートパイプの一部を配置することができ、充電手段の脱着が可能なスマートフォンなどの携帯機器でも、ヒートパイプを取付けることが可能になる。
請求項9の発明では、受熱部が重力方向に対して放熱部よりも高い位置にある一方のヒートパイプと、受熱部が重力方向に対し放熱部よりも低い位置となる他方のヒートパイプの複数を、スマートフォンなどの携帯機器に取付けることで、携帯機器の使用姿勢が上下逆向きになっても、どちらかのヒートパイプにより良好な熱輸送が行われて、ヒートパイプとしての性能低下が生じ難くなり、発熱部の発熱量がより大きな携帯機器に適した形態とすることができる。
請求項1の発明によれば、スマートフォンなどの携帯機器の筐体内に収納が可能であり、十分な熱輸送能力が得られるヒートパイプを提供できる。
請求項2の発明によれば、さらに熱輸送能力の良好なヒートパイプを提供できる。
請求項3の発明によれば、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項4の発明によれば、使用する姿勢が定まらない携帯機器をどの向きに使用しても、十分な熱輸送能力が得られるヒートパイプを提供できる。
請求項5の発明によれば、使用姿勢による性能低下がさらに生じ難くなり、使用する姿勢が定まらない携帯機器に好ましいヒートパイプを提供できる。
請求項6の発明によれば、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項7の発明によれば、スマートフォンなどの携帯機器の熱拡散に適した形態のヒートパイプを提供できる。
請求項8の発明によれば、充電手段の脱着が可能なスマートフォンなどの携帯機器でも取付けが可能なヒートパイプを提供できる。
請求項9の発明によれば、発熱部の発熱量がより大きな携帯機器に適した形態のヒートパイプを提供できる。
本発明の一実施形態における極細ヒートパイプの外観斜視図である。 同上、別な形状の極細ヒートパイプの外観斜視図である。 同上、図2のヒートパイプのA−A線断面図である。 同上、図1に示す極細ヒートパイプの外観写真である。 同上、ヒートパイプを収納するスマートフォンの外観正面図である。 同上、図1に示す極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部見取り図である。 同上、図2に示す極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部見取り図である。 同上、図1に示す極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部略図である。 同上、図2に示す極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部略図である。 同上、図8や図9とは別な極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部略図である。 同上、図8〜図10とは別な極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部略図である。 同上、図8〜図11とは別な極細ヒートパイプを装着したスマートフォンの内部略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、スマートフォンなどの携帯機器に搭載されるヒートパイプを例にして説明する。
図1は極細ヒートパイプ1の外観を示しており、図2は別な形状の極細ヒートパイプ2の外観を示している。これらの極細ヒートパイプ1,2は、何れも外径がΦ2mmであり、図3に示すように、内壁にグルーブ11が形成された材質が純銅などからなる内面溝付き銅管12の両端を、Tig溶接により封止して構成される。そして、銅管12の内部は真空状態で純水などの作動液13(図示せず)が封入される。なお、極細ヒートパイプ1,2の本体部をなす管体としては、熱伝導性が特に優れた純銅製の銅管12に代わって、例えば熱伝導性は純銅よりも劣るものの、加工性を高めた銅合金管などを用いてもよい。その場合も、内壁に複数のグルーブ11が形成され、中空円筒状の長手方向に延びる管体の両端に、Tig溶接などの適宜手段による封止部15をそれぞれ形成することで、管体の内部を真空状態に密閉した極細ヒートパイプ1,2が得られる。
極細ヒートパイプ1,2の外形は、何れも銅管12の途中2箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を各々形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた略コの字形状をしている。図1に示す極細ヒートパイプ1は、基部22と腕部23の長さが略同じであるが、図2に示す極細ヒートパイプ2は、腕部23に対して基部22が長くなるように、曲げ部21の部位がそれぞれ選定される。後程説明するが、約90°の曲げ部21は一箇所または複数箇所形成され、それにより極細ヒートパイプの外形も、略コの字形状または略L字形状または略ロの字形状に形成される。また、図4は極細ヒートパイプ1の写真を示しており、銅管12は曲げ加工の際の外力により、曲げ部21に僅かな潰し部24が形成されるが、後述する携帯機器31に極細ヒートパイプ1を装着するスペースに応じて、扁平加工を施して潰し部24を形成し、或いは潰さないままにする場合がある。
次に、上記極細ヒートパイプ1,2を収容するスマートフォンなどの携帯機器31の構成について、図5〜図9を参照しながら説明する。携帯機器31は、手で持てる程度の外形寸法を有する縦長略矩形状の筐体32により、その外郭が形成される。筐体32の正面側には、入力装置と表示装置を一体化したタッチパネル33が配設される一方で、筐体32の内部上方には、携帯機器31の制御部となるCPU(中央処理装置)34や、その他の各種電子部品35が、プリント基板36に実装した状態で収容されると共に、筐体32の内部下方には、CPU34や電子部品35に必要な電力を供給するための充電可能な略矩形状の充電手段たる電池パック37が着脱可能に収容される。一例として、携帯機器31であるスマートフォンの代表的な外形寸法は、幅67mm,高さ130mm,厚さ8.3mmであり、電池パック37の外形寸法は、幅53mm,高さ58mm,厚さ4.8mmである。この携帯機器31と電池パック37との寸法差により、携帯機器31ひいては筐体32の外周部38と電池パック37の外側面との間には、少なくとも極細ヒートパイプ1,2の外径よりも広い寸法で、U字状の隙間39が形成される。
極細ヒートパイプ1,2には、銅管12の一端から他端にかけて、ウィック構造をなすグルーブ11が途中で途切れることなく連続的に設けられる。また極細ヒートパイプ1,2は、その一部が受熱部16として、携帯機器31の発熱部となるCPU34と熱伝達が可能な状態に配置され、その他の一部が放熱部17として、携帯機器31ひいては筐体32の外郭近傍の外周部38の一部に沿った状態で、前述の隙間39に配置される。これにより、持ち易さの観点から大きさが制限され、更に電池パック37の脱着が可能なスマートフォンなどの携帯機器31でも、図1〜図3に示すような極細ヒートパイプ1,2を取付けることができる。なお、携帯機器31の大きさから、極細ヒートパイプ1,2の外径はΦ2.5mm以下が好ましい。また、スマートフォンなどの携帯機器31は、筐体32の外郭の外周部38を手で持って保持することが多いことから、極細ヒートパイプ1,2の放熱部17から外周部38に熱を伝えることが冷却に対し有利となる。
図10や図11には、上述した極細ヒートパイプ1,2とは別な形状の極細ヒートパイプ3,4を、携帯機器31にそれぞれ単独で取付けた場合の例を示している。これらの各図において、図10に示す極細ヒートパイプ3は、銅管12の途中1箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を形成しており、直線状の基部22の一端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた略Lの字形状に形成される。ここでの極細ヒートパイプ3は、その一部が受熱部16として、CPU34と熱伝達が可能な状態に配置され、その他の一部が放熱部17として、筐体32の外周部38の一部に沿った状態で隙間39に配置される。
図11に示す極細ヒートパイプ3は、銅管12の途中4箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を各々形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げ、腕部23の両端に別な曲げ部22を介して直線状の折返し部24を繋げた略ロの字形状に形成される。ここでの極細ヒートパイプ4は、その一部が受熱部16として、CPU34と熱伝達が可能な状態に配置され、その他の一部が放熱部17として、筐体32の外周部38の一部に沿った状態で隙間39に配置される。
図12では、前述の極細ヒートパイプ1に加えて、別な形状の極細ヒートパイプ5を、1つの携帯機器31内に搭載した例を示している。極細ヒートパイプ5は、銅管12の途中4箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を各々形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げ、腕部23の両端に別な曲げ部22を介して直線状の折返し部24を繋げた略ロの字形状に形成される。ここでの極細ヒートパイプ5は、その一部が受熱部16として、CPU34と熱伝達が可能な状態に配置され、その他の一部が放熱部17として、筐体32の外周部38の一部に沿った状態で、筐体32の内部上方に配置される。
上述した極細ヒートパイプ3,4,5のその他の構成は、極細ヒートパイプ1,2と共通している。また、図10〜図12に示す携帯機器31の構成も、図5〜図9に示したものと共通している。
本実施形態では、携帯機器31内に搭載されるヒートパイプの形状を直線状ではなく、略コの字形状(極細ヒートパイプ1,2)や、略L字形状(極細ヒートパイプ3)や、略ロの字形状(極細ヒートパイプ4,5)にしたので、放熱部17の長さを十分に確保しても受熱部16と放熱部17の重力方向の距離(落差)が大きくならない。これにより、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5としての熱輸送能力の低下を防止することができる。
更に図12に示す例では、複数の極細ヒートパイプ1,5がスマートフォンなどの携帯機器31に取付けてあり、ある使用姿勢で一方の例えば極細ヒートパイプ5の受熱部16が、重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にきても、他方の極細ヒートパイプ1の受熱部16は、重力方向に対して放熱部17よりも低い位置にくるように配置されている。これにより、ユーザによる携帯機器31の使用姿勢が上下逆転したとしても、どちらか一方の極細ヒートパイプ1,5は、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも低い位置にくるため、使用姿勢がどの向きであっても、どちらかの極細ヒートパイプ1,5により良好な熱輸送を行なうことが可能になる。これは、例えばスマートフォンなどの携帯機器31のように、携帯機器31の使用姿勢が一定ではなく、CPU34の発熱量がより大きなときに最適な構成であるといえる。
次に上記構成について、その作用を説明すると、スマートフォンなどの携帯機器31内に搭載したCPU34が発熱して温度が上昇すると、そのCPU34からの熱は極細ヒートパイプ1,2,3,4,5の受熱部16に伝わり、受熱部16では作動液13が蒸発して、受熱部16から温度の低い放熱部17に向かって蒸気が流れ、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5内で熱輸送が行われる。この放熱部17に輸送された熱は、放熱部17と熱的に接続した筐体32の外郭の外周部38から、その外周部38に触れるユーザの手などを介して携帯機器31の外部に放熱される。これにより携帯機器31は、CPU34からの熱が効果的に拡散されて、その近傍の外郭表面に生ずるヒートスポットが緩和されるものである。
一方、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5の放熱部17は蒸気が凝縮して作動液13が溜まり、受熱部16は蒸発により作動液13が減少する。このため、内面溝付き銅管12の内壁に形成されたグルーブ11の毛細管力を利用して、作動液13が放熱部17から受熱部16に戻される。ここで携帯機器31の使用姿勢により、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にあると、重力の影響を受けて十分な量の作動液13が受熱部16まで戻らない現象に陥り、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5としての性能低下につながる。この重力の影響は、重力方向の距離(落差)が大きいほど影響が大きくなる。
そこで本実施形態では、ヒートパイプの外形を略コの字形状(極細ヒートパイプ1,2)、または略L字形状(極細ヒートパイプ3)、または略ロの字形状(極細ヒートパイプ4,5)にすることにより、放熱部17を長く形成しても重力方向に対してはその距離(落差)が大きくならないように工夫している。これにより、携帯機器31を使用する姿勢がどの向きであっても、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5は重力の影響を受け難くなり、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5としての熱輸送能力の低下を防ぐことができる。
また、図12に示す例のように、ある使用姿勢で一方の例えば極細ヒートパイプ1の受熱部16が、重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にきても、他方の極細ヒートパイプ5の受熱部16が、重力方向に対して放熱部17よりも低い位置にくるように、複数の極細ヒートパイプ1,5をスマートフォンなどの携帯機器31の筐体32内に取付けたので、携帯機器31の使用姿勢がどの向きであっても、常にどちらか一方の極細ヒートパイプ1,5により良好な熱輸送が行われ、携帯機器31に搭載されるCPU34の発熱量がより大きな場合に、最適な構成とすることができる。
このように本実施形態では、管体である銅管12に作動液13を封入してなるヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1,2,3,4,5において、銅管12の直径をΦ2.5mm以下に形成している。
つまり、管体としての銅管12の直径をΦ2.5mm以下にすることにより、ユーザの手で持ち易いサイズで電池パック37の着脱が可能なスマートフォンなどの携帯機器31の筐体32内にも、上述した極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を取付けることが可能になり、この極細ヒートパイプ1,2,3,4,5によって十分な熱輸送能力を得ることができる。したがって、スマートフォンなどの携帯機器31の筐体32内に収納が可能であり、十分な熱輸送能力が得られる極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できる。
また前記管体は、その内壁にグルーブ11が形成され、且つ材質が純銅からなる内面溝付きの銅管12であり、また作動液13は純水であることが好ましい。
内壁にグルーブ11が形成された内面溝付き銅管12の材質を純銅とし、作動液13を純水とすることで、グルーブ11に発生する毛細管力がより大きくなり、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にあっても、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5としての熱輸送能力の低下が少なくなる。したがって、さらに熱輸送能力の良好な極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できる。
また、本実施形態の極細ヒートパイプ1,2,3,4,5は、特に携帯機器31の発熱部であるCPU34と携帯機器31の外周部38の一部に沿って配置されている。
このように配置すると、CPU34から発生する熱が、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5により携帯機器31の外周部に運ばれ、ユーザが携帯機器31を手で保持したときに、外周部38に触れた手から効果的に外部へと放熱される。したがって、スマートフォンなどの携帯機器31のCPU34と、その携帯機器31の外周部38の一部に沿って極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を配置すれば、自ずとスマートフォンなどの携帯機器31の熱拡散に適した形態の極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できることになる。
本実施形態では、内壁にグルーブ11が形成される内面溝付き銅管12に作動液13を封入してなる極細ヒートパイプ1,2,3,4,5において、銅管12の一箇所乃至複数箇所に、略90°に近い加工を施した曲げ部21を設けている。
この場合、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5の放熱部17を長くしても、重力方向に対する受熱部16と放熱部17の距離(落差)が大きくならず、携帯機器31を使用する姿勢がどの向きであっても、その携帯機器31に収納された極細ヒートパイプ1,2,3,4,5は重力の影響を受け難くなり、使用姿勢の向きによる性能低下が生じにくくなる。したがって、使用する姿勢が定まらない携帯機器31をどの向きに使用しても、十分な熱輸送能力が得られる極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できる。
また、ヒートパイプの形状は、略コの字形状の極細ヒートパイプ1,2や、略L字形状の極細ヒートパイプ3や、略ロの字形状の極細ヒートパイプ4,5であることが好ましい。
この場合、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5の放熱部17をより長くしても、重力方向に対する受熱部16と放熱部17の距離(落差)が大きくなり難いものとなり、携帯機器31の使用姿勢に伴う性能低下がさらに生じ難くなる。したがって、使用する姿勢が定まらない携帯機器31に好ましい性能の極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できる。
またこの場合も、携帯機器31のCPU34と携帯機器31の外周部38の一部に沿って、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を配置するのが好ましい。これにより上述したように、スマートフォンなどの携帯機器31の熱拡散に適した形態の極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できることになる。
本実施形態では、内壁にグルーブ11が形成される内面溝付き銅管12に作動液13を封入してなる極細ヒートパイプ1,2,3,4,5において、携帯機器31のCPU34と携帯機器31の外周部38の一部に沿って、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を配置している。
この場合も上述のように、CPU34から発生する熱が、極細ヒートパイプ1,2,3,4,5により携帯機器31の外周部に運ばれ、ユーザが携帯機器31を手で保持したときに、外周部38に触れた手から効果的に外部へと放熱される。したがって、スマートフォンなどの携帯機器31の熱拡散に適した形態の極細ヒートパイプ1,2,3,4,5を提供できる。
また、極細ヒートパイプ1,2,3,4の放熱部17に対応する一部を、携帯機器31の外周部38と、携帯機器31に対して着脱可能な充電手段である電池パック37との間に配置するのが好ましい。
このようにすれば、携帯機器31の外周部38と電池パック37との間の隙間39を利用して、極細ヒートパイプ1,2,3,4の一部を配置することができ、電池パック37の脱着が可能なスマートフォンなどの携帯機器31でも、極細ヒートパイプ1,2,3,4を取付けることが可能になる。
また図12で示したように、本実施形態のヒートパイプは、同一の携帯機器31に取付けられ、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にある第1のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1と、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも低い位置にある第2のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ5と、により構成される。
このように、受熱部16が重力方向に対して放熱部17よりも高い位置にある一方の例えば極細ヒートパイプ1と、受熱部16が重力方向に対し放熱部17よりも低い位置となる他方の極細ヒートパイプ5の複数を、スマートフォンなどの携帯機器31に取付けることで、携帯機器31の使用姿勢が上下逆向きになっても、どちらかの極細ヒートパイプ1,5により良好な熱輸送が行われて、ヒートパイプとしての性能低下が生じ難くなり、CPU34の発熱量がより大きな携帯機器31に適した形態とすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、各実施形態に示す極細ヒートパイプ1,2,3,4,5の各形状はあくまでも一例にすぎず、携帯機器31の外形に合せて適宜変更が可能である。また、図11では2本の極細ヒートパイプ1,5を携帯機器31に搭載した例を示したが、3本以上の極細ヒートパイプを搭載してもよい。
1 極細ヒートパイプ(ヒートパイプ、第1のヒートパイプ)
2,3,4 極細ヒートパイプ(ヒートパイプ)
5 極細ヒートパイプ(ヒートパイプ、第2のヒートパイプ)
12 銅管(管体)
13 作動液
16 受熱部
17 放熱部
21 曲げ部
31 携帯機器
34 CPU(発熱部)
37 電池パック(充電手段)
38 外周部

Claims (9)

  1. 管体に作動液を封入してなるヒートパイプにおいて、
    前記管体の直径がΦ2.5mm以下であることを特徴とするヒートパイプ。
  2. 前記管体は、材質が純銅からなる内面溝付き銅管であり、
    前記作動液は純水であることを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ。
  3. 携帯機器の発熱部と前記携帯機器の外周部の一部に沿って配置されることを特徴とする請求項1又は2記載のヒートパイプ。
  4. 内面溝付き銅管に作動液を封入してなるヒートパイプにおいて、
    一箇所乃至複数箇所に、略90°に近い曲げ部を設けたことを特徴とするヒートパイプ。
  5. その形状が、略コの字形状、略L字形状、または略ロの字形状であることを特徴とする請求項4記載のヒートパイプ。
  6. 携帯機器の発熱部と前記携帯機器の外周部の一部に沿って配置されることを特徴とする請求項4又は5記載のヒートパイプ。
  7. 内面溝付き銅管に作動液を封入してなるヒートパイプにおいて、
    携帯機器の発熱部と前記携帯機器の外周部の一部に沿って配置されることを特徴とするヒートパイプ。
  8. 前記ヒートパイプの一部が、前記携帯機器の外周部と充電手段との間に配置されることを特徴とする請求項7記載のヒートパイプ。
  9. 前記携帯機器に取付けられ、受熱部が重力方向に対して放熱部よりも高い位置にある第1のヒートパイプと、受熱部が重力方向に対して放熱部よりも低い位置にある第2のヒートパイプとにより構成されることを特徴とする請求項7又は8記載のヒートパイプ。
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