以下、本発明の好ましい実施形態について、図1〜図15の各添付図面を参照しつつ、タブレット端末などの携帯機器に搭載されるヒートパイプを例にして説明する。
図1は極細ヒートパイプ1の外観を示しており、図2はその一部を拡大して示している。ヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1は、その外径がΦ2mmであり、図3に示すように、内壁にグルーブ11が形成された材質が純銅などからなる内面溝付き銅管12の両端を、Tig溶接により封止して構成される。そして、銅管12の内部は真空状態で純水などの作動液13(図示せず)が封入される。なお、極細ヒートパイプ1の本体部をなす管体としては、熱伝導性が特に優れた純銅製の銅管12に代わって、例えば熱伝導性は純銅よりも劣るものの、加工性を高めた銅合金管などを用いてもよい。その場合も、内壁に複数のグルーブ11が形成され、中空円筒状の長手方向に延びる管体の両端に、Tig溶接などの適宜手段による封止部15をそれぞれ形成することで、管体の内部を真空状態に密閉した極細ヒートパイプ1が得られる。
図1に示す極細ヒートパイプ1の外形は、銅管12の途中2箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を各々形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた略コの字形状をしている。図1に示す極細ヒートパイプ1は、基部22の長さと腕部23の長さが異なり、基部22よりも腕部23が長くなっているが、基部22や腕部23の長さは、曲げ部21の部位を選定することで適宜変更が可能である。後程説明するが、約90°の曲げ部21は一箇所または複数箇所形成され、それにより極細ヒートパイプの外形も、略L字形状または略コの字形状に形成され、あるいは複数の極細ヒートパイプ全体で放射状をなすように形成される。そして、ここでの極細ヒートパイプ1は、基部22が発熱部品からの熱を受ける受熱部25となり、腕部23が受熱部25で受けた熱を外部に放出する放熱部26として設けられている。
なお、銅管12は曲げ加工の際の外力により、曲げ部21に僅かな潰し部が形成されるが、後述する携帯機器31に極細ヒートパイプ1を装着するスペースに応じて、扁平加工を施して潰し部を形成したり、或いは潰さないままにしたりする場合がある。
次に、上記極細ヒートパイプ1を収容するタブレット端末などの携帯機器31の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。携帯機器31は、スマートフォンよりも大型ではあるものの、ユーザが手軽に持ち歩ける程度の外形寸法を有し、縦長略矩形状の筐体32と、この筐体32の正面側開口を塞ぐ平板状のディスプレイ33とにより、携帯機器31としての扁平状をなす外郭が形成される。筐体32の内部には、携帯機器31の制御部となるCPU(中央処理装置)34や、その他の各種電子部品35が、基板である主プリント回路基板(Maine PCB)36に実装した状態で収容されると共に、これらのCPU34や電子部品35に必要な電力を供給するための充電可能な扁平略矩形状の充電手段たる電池パック37が、携帯機器31に対し着脱可能に収容される。また、ディスプレイ33の正面側には、入力装置と表示装置を一体化したタッチパネル部38が配設される一方で、筐体32の開口に対向するディスプレイ33の背面は、凹凸のない平坦なアルミニウムなどの金属板39で構成される。タッチパネル部38は、ユーザの指で触れることが可能なように、携帯機器31の正面に露出して配置される。
図5に示すように、本実施形態では図1〜図3に示す2本の同形状の極細ヒートパイプ1,1’(以後、同形状のヒートパイプについては同一の数字を付し、それぞれのヒートパイプを区別するために、他方のヒートパイプには数字の後に「’」を付す。)が、何れも受熱部25をCPU34と熱的に接続して、筐体32の内部に収容配置される。極細ヒートパイプ1,1’の一部をなす一方の腕部23は、前記携帯機器31の主プリント回路基板36や電池パック37などの機能部品と機能部品の間の隙間に配置されると共に、他方の腕部23は、主プリント回路基板36の長手方向側面に沿って配置され、極細ヒートパイプ1,1’の放熱部26は携帯機器31の筐体32の背面をなす外郭40、またはディスプレイ33の背面をなす金属板39に熱伝達を行なうように構成される。これは、持ち易さの観点から大きさが制限されるタブレット端末などの携帯機器31に、極細ヒートパイプ1,1’を取付けるための最良な形態であるといえる。そして、携帯機器31の大きさから、極細ヒートパイプ1,1’の外径である直径はΦ2.5mm以下であることが好ましい。
外郭40の材質は、例えばアルミニウムなどの熱伝導性の良好な金属からなる。筐体32の外周形状と、ディスプレイ33の外周形状は同じであり、図6に示すディスプレイ33の金属板39を図5に示す筐体32の上面開口に被せて、図4に示す携帯端末41を構成している。
図5に示す例では、放熱部26の全てが金属板39と熱的に接続するように、2本の極細ヒートパイプ1,1’を何れも主プリント回路基板36の上面に配置しているが、2本の極細ヒートパイプ1,1’を何れも主プリント回路基板36の下面に配置すれば、放熱部26の全てを外郭40と熱的に接続させることが可能になる。また、一方の極細ヒートパイプ1を主プリント回路基板36の上面に配置し、他方の極細ヒートパイプ1’を主プリント回路基板36の下面に配置したり、各極細ヒートパイプ1,1’について、一方の腕部23を金属板39と熱的に接続させ、他方の腕部23を外郭40と接続させたりして、放熱部26から金属板39と外郭40の双方に熱伝達を行なう構成とすることも可能である。これらの何れの場合も、タブレット端末などの携帯機器31に、極細ヒートパイプ1,1’を取付けるための最良な形態とすることができる。
次に、携帯機器31に搭載される一乃至複数の極細ヒートパイプによるヒートパイプ構造体の様々な実施形態について、図7〜図10を参照して説明する。なお、図7〜図10では、筐体32内の主要な構成のみを図示している。
図7は、図5に示す2本の極細ヒートパイプ1,1’を携帯機器31に収容配置した例である。ここでは、極細ヒートパイプ1,1’の一方の腕部23が、何れも機能部品である主プリント回路基板36の長手方向一側面と電池パック37の一側面との間の隙間に配置されると共に、極細ヒートパイプ1,1’の他方の腕部23が、主プリント回路基板36の長手方向他側面に沿って配置され、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25をCPU34と熱伝達が可能な状態に配置して、放熱部26から金属板39や外郭40に熱伝達を行なうように構成される。
図8は、図7に示す2本の極細ヒートパイプ1,1’に加えて、別な2本の極細ヒートパイプ2,2’を携帯機器31に収容配置した例である。極細ヒートパイプ2,2’は、銅管12の途中1箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を形成しており、直線状の基部22の一端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた略Lの字形状に形成される。ここでの極細ヒートパイプ2,2’は、基部22に対応するその一部が受熱部25として、CPU34と熱伝達が可能な状態に配置され、腕部23に対応する別な一部が放熱部26として、筐体32の外周部41の一部に沿った状態で隙間42に配置される。したがって、タブレット端末などの携帯機器31をユーザが断熱性を有する面に置いたとしても、極細ヒートパイプ2,2’の放熱部26は携帯機器31の外周部41の一部に沿った状態で配置しているため、CPU34などから発生する熱を外周部41から携帯端末31の外部に放熱することが可能となり、放熱性に優れている。
図9は、前述の極細ヒートパイプ1とは別な形状を有する単独の極細ヒートパイプ3を携帯機器31に収容配置した例である。極細ヒートパイプ3は、銅管12の途中2箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に曲げ部21を形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して互いに同じ長さを有する直線状の腕部23を繋げた略コの字形状に形成される。そしてこの場合も、図7で示したものと同様に、極細ヒートパイプ3の一方の腕部23が、主プリント回路基板36の長手方向一側面と電池パック37の一側面との間の隙間に配置されると共に、極細ヒートパイプ3の他方の腕部23が、主プリント回路基板36の長手方向他側面に沿って配置され、極細ヒートパイプ3の受熱部25をCPU34と熱伝達が可能な状態に配置して、放熱部26から金属板39や外郭40に熱伝達を行なうように構成される。
図10は、前述した各極細ヒートパイプ1とは別な形状を有する2本の極細ヒートパイプ4,4’を携帯機器31の筐体32内に放射状に収容配置した例である。極細ヒートパイプ4,4’は、銅管12の途中2箇所に各々異なる角度で曲げが施されて、その部位に曲げ部21を形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して異なる長さを有する直線状の腕部23を繋げた形状に形成される。ここでは、極細ヒートパイプ4,4’の一方の腕部23が、何れも電池パック37の上面を横断するように配置されると共に、極細ヒートパイプ4,4’の他方の腕部23が、主プリント回路基板36の長手方向他側面から携帯機器31の外周面41に向けて配置され、極細ヒートパイプ4,4’の受熱部25をCPU34と熱伝達が可能な状態に配置して、放熱部26から金属板39や外郭40に熱伝達を行なうように構成される。つまりこの例では、CPU34から受熱部25に受けた熱を、それぞれ別な方向へ延びる放熱部26に導いて、筐体32内で四方に放散させるために、受熱部26を中心にして複数の極細ヒートパイプ4,4’を放射状に配置した点が注目される。
上述した極細ヒートパイプ2,2’,3,4,4’のその他の構成は、何れも極細ヒートパイプ1と共通している。また、図7〜図10に示す携帯機器31の構成も、図4〜図6に示したものと共通している。図7〜図9に示す各例では、携帯機器31内に搭載されるヒートパイプの形状を直線状ではなく、一ヶ所または数ヶ所に約90°の曲げを施して、略L字形状(極細ヒートパイプ2,2’)や略コの字形状(極細ヒートパイプ1,1’,3)に形成し、または図10に示す例では、複数本の極細ヒートパイプ4,4’を放射状に配置したので、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の全長を長くして放熱部26の長さを十分に確保しても、受熱部25と放熱部26の位置関係が重力方向の距離(落差)ではあまり大きくならず、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’としての熱輸送能力の低下を防止することができる。
さらに、図7,図8および図10に示す実施形態では、複数の極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’がタブレット端末などの携帯機器31に設置され、この携帯機器31がある使用姿勢の受熱部25と放熱部26の位置関係で、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にある第一のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1,2,4と、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも低い位置にある第二のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1’,2’,4’とにより構成されている。これにより、携帯機器31の使用姿勢が上下逆転したとしても、どちらか一方の例えば極細ヒートパイプ1,2,4は、受熱部25が重力方向に対し放熱部26よりも低い位置にくるため、携帯機器31の使用姿勢がどの向きであっても、極細ヒートパイプ1,2,4或いは極細ヒートパイプ1’,2’,4’のどちらかにより、良好な熱輸送が行われるものである。これは、ユーザの使用姿勢が任意であるタブレット端末などの携帯機器31において、発熱部品であるCPU34の冷却に対して有利であり、携帯機器31に最適な冷却形態の構成であるといえる。
次に、図11〜図15に基づき、上述したCPU34と極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25との熱伝達構造について詳しく説明する。
図11は、前述の図5や図7に示す実施形態で、発熱部であるCPU34の発熱面(上面)に、中実な塊状の受熱ブロック51を密着して設けたものを示している。受熱ブロック51は、例えば銅やアルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属材料からなり、CPU34からの熱を極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25に効率よく伝える熱伝達部材として設けられている。
受熱ブロック51を用いた具体的な実施形態を、図12〜図15にそれぞれ示す。図12〜図14に示す各実施形態に共通して、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25は、その円周方向の外面の一部が、受熱ブロック51に形成されたU溝状の窪み52により囲まれている。これは、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25に、CPU34からの熱が受熱ブロック51を介して伝わりやすくしたものである。また、受熱ブロック51は、一方の面である受熱面をCPU34の発熱面に密着させてある。特に図12や図13では、受熱ブロック51の受熱面側に窪み52を形成して、受熱ブロック51のみならず、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25における円周方向の一部も、CPU34に密着させるようにしている。これは、極細ヒートパイプ1,1’の外径がΦ2.5mm以下であることからその表面積が小さいため、極細ヒートパイプ1,1’および受熱ブロック51とCPU34との接触面積が可能な限り多くとれるように工夫し、極細ヒートパイプ1,1’に直接的若しくは受熱ブロック51を介して、熱が伝わりやすくしたものである。
また、図13や図14に示すように、円筒状をなす極細ヒートパイプ1,1’の一部に扁平加工が施されることもある。具体的には、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25は、窪み52に嵌り込む部分で一方向に潰れた扁平状に形成される。したがってこの場合は、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25を扁平加工しないものに比べて、窪み52の深さを短くして受熱ブロック51を薄く形成することができ、携帯機器31の厚み方向となる一方向の厚みのみを薄くしたいときに有効となる。
図15は、上述の受熱ブロック51に代わり、板状の受熱プレート61を熱伝達部材として設けた具体的な実施形態を示している。受熱プレート61は、CPU34の発熱面に密着する平板状の密着部62の両側に、U溝状の凹曲げ部63を形成してなる。そして、円筒状をなす極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25は、受熱プレート61に形成された凹曲げ部63の内面により囲まれている。これは、極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25に、CPU34からの熱が受熱プレート61を介し伝わりやすくしたものである。また、受熱プレート61の受熱部62は、一方の面である受熱面をCPU34の発熱面に密着させてある。
極細ヒートパイプ1,1’の受熱部25が、矩形形状をなすCPU34の側面方向の脇に配置されるように、密着部62よりもCPU34側に突出する凹曲げ部63は、CPU34の発熱面に対向しない位置に形成され、厚さが0.5mmのアルミニウムまたは銅からなる受熱プレート61により、CPU34が発熱する熱を極細ヒートパイプ1,1’に伝えている。これにより、0.5mmの隙間さえあれば、受熱プレート61をCPU34に装着して極細ヒートパイプ1,1’を設置することが可能となり、特に薄型化が求められるタブレット端末などの携帯機器31に最適である。
次に上記構成について、その作用を説明すると、タブレット端末などの携帯機器31内に搭載したCPU34が発熱して温度が上昇すると、そのCPU34からの熱は極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の受熱部25に伝わり、受熱部25では作動液13が蒸発して、受熱部25から温度の低い放熱部26に向かって蒸気が流れ、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’内で熱輸送が行われる。この放熱部26に輸送された熱は、放熱部26と熱的に接続した筐体32の背面をなす外郭40、またはディスプレイ33の背面をなす金属板39を介して、携帯機器31の外部に放熱される。これにより携帯機器31は、CPU34からの熱が効果的に拡散されて、その近傍の外郭表面に生ずるヒートスポットが緩和されると共に、CPU34の温度上昇も軽減されるものである。
一方、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の放熱部26は蒸気が凝縮して作動液13が溜まり、受熱部25は蒸発により作動液13が減少する。このため、内面溝付き銅管12の内壁に形成されたグルーブ11の毛細管力を利用して、作動液13が放熱部26から受熱部25に戻される。ここで携帯機器31の使用姿勢は任意であり、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にあると、重力の影響を受けて十分な量の作動液13が受熱部25まで戻らない現象に陥り、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’としての性能低下につながる。この重力の影響は、受熱部25と放熱部26の位置関係に起因するもので、重力方向の距離(落差)が大きいほど性能低下の影響が大きくなる。
そこで本実施形態では、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の一ヶ所または数ヶ所に約90°の曲げを施し、その外形を略コの字形状(極細ヒートパイプ2,2’)や略コの字形状(極細ヒートパイプ1,1’,3)に形成したり、複数本の極細ヒートパイプ4,4’を放射状に配置したりすることで、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の全長を長くして、放熱部26の長さを十分に確保しても、重力方向に対してはその距離(落差)があまり大きくならないように工夫している。これにより、携帯機器31を使用する姿勢がどの向きであっても、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’は重力の影響を受け難くなり、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’としての熱輸送能力の低下を防ぐことができる。
また、図7,図8および図10に示す実施形態では、複数の極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’がタブレット端末などの携帯機器31に設置され、この携帯機器31がある使用姿勢の受熱部25と放熱部26の位置関係で、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にある第一のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1,2,4と、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも低い位置にある第二のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1’,2’,4’とにより構成されている。これにより、携帯機器31の使用姿勢が上下逆転して、ある使用姿勢で一方の例えば極細ヒートパイプ1,2,4の受熱部25が、重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にきても、他方の極細ヒートパイプ1’,2’,4’の受熱部25が、重力方向に対して放熱部26よりも低い位置にくるため、携帯機器31の使用姿勢がどの向きであっても、常に極細ヒートパイプ1,2,4或いは極細ヒートパイプ1’,2’,4’のどちらか一方により良好な熱輸送が行われる。これは、ユーザの使用姿勢が任意であるタブレット端末などの携帯機器31において、CPU34の冷却に対して有利であり、携帯機器31に最適な冷却形態の構成である。
さらに、図8に示す実施形態では、極細ヒートパイプ2,2’の放熱部26が携帯機器31の外周部41の一部に沿って配設されるため、携帯機器31の正面や背面をユーザが断熱性を有する面に置いたとしても、CPU34などから発生する熱は外周部41から携帯端末31の外部に放熱され、放熱性に優れている。
以上のように、上記各実施形態では、内面溝付き銅管12に作動液13を封入してなるヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’において、銅管12の外径すなわち直径をΦ2.5mm以下に形成し、または銅管12を扁平加工している。
この場合、内面溝付き銅管12の外径をΦ2.5mm以下にし、または銅管12を扁平加工することにより、タブレット端末などの携帯機器31における筐体32内の僅かな隙間に、熱伝導性に優れた内面溝付き銅管12からなる極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’を取付けることでき、ユーザが取り扱い易いサイズの携帯機器31に、優れた熱輸送能力を備えた極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’を組み込んで提供することが可能になる。したがって、タブレット端末などの携帯機器31の筐体32内に収納が可能であり、優れた熱輸送能力が得られる極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’を提供できる。
また、特に図8に示す実施形態では、携帯機器31の発熱部であるCPU34と携帯機器31の外周部41の一部に沿って、極細ヒートパイプ2,2’が配置されている。
この場合、携帯機器31のCPU34と携帯機器31の外周部41の一部に沿って極細ヒートパイプ2,2’を配置することで、CPU34から発生する熱が、熱伝導性に優れた内面溝付き銅管12からなる極細ヒートパイプ2,2’により携帯機器31の外周部41に運ばれるので、ユーザが携帯機器31の上面や背面を断熱性のある面に置いた場合でも、CPU34からの熱を極細ヒートパイプ2,2’に導いて、携帯機器31の外周部41から外部に放熱することができ、放熱性に優れたものとすることができる。
また、各実施形態に共通して、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’は直線部である基部22や腕部23と、湾曲部である曲げ部21で構成される。
直線状の極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の一箇所乃至複数箇所に、湾曲した90°に近い曲げ部21を設けることで、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の全長を長くして、放熱部26の長さを十分に確保しても、受熱部25と放熱部26の位置関係が重力方向の距離(落差)に対してはあまり大きくならないため、携帯機器31を使用する姿勢がどのような向きであっても、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’は重力の影響を受け難くなり、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の熱輸送能力の低下を防いで、携帯機器31に適した形態とすることが可能になる。
また、図7〜図9の各実施形態では、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3の形状が、略コの字形状または略L字形状となっている。
このように、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3の形状を略コの字形状または略L字形状とすることで、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3の全長をより長くして、放熱部26の長さをさらに十分に確保しても、受熱部25と放熱部26の位置関係が重力方向の距離(落差)に対して大きくなり難いものとなり、携帯機器31を使用する姿勢がどのような向きであっても、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3は重力の影響をさらに受け難くなり、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3の熱輸送能力の低下を効果的に防いで、携帯機器31により適した形態とすることが可能になる。
また、図7〜図9に示す各実施形態では、極細ヒートパイプ1,1’,3の一部をなす放熱部26が、携帯機器31の第1の機能部品である主プリント回路基板36と、別な第2の機能部品である電池パック37との間の隙間に配置されており、携帯機器31の筐体32の背面である外郭40や、ディスプレイ33の背面である金属板39に放熱する構成となっている。
極細ヒートパイプ1,1’,3の放熱部26を、携帯機器31の主プリント回路基板36と電池パック37の間の隙間に配置して、携帯機器31の筐体32背面である外郭40またはディスプレイ33の背面である金属板39に放熱するようにしたので、ユーザにとって扱い易い小型で薄型な携帯機器31に、優れた熱輸送能力を備えた極細ヒートパイプ1,1’,3を効果的に組み込んで提供することが可能になる。また、極細ヒートパイプ1,1’,3によって、外気に触れている携帯機器31の筐体32の背面やディスプレイ33の背面から放熱することができ、最良な冷却効果が得られる放熱形態とすることができる。
また、第1の機能部品を発熱部であるCPU34とし、第2の機能部品を電池である電池パック37とすることで、極細ヒートパイプ1,1’,3の放熱部26を携帯機器31のCPU34と電池パック37の間の隙間に配置して、携帯機器31の筐体32の背面である外郭40や、ディスプレイ33の背面である金属板39に放熱することができる。
また、図10に示す実施形態では、内面溝付き銅管12に作動液13を封入してなる複数の極細ヒートパイプ4,4’が、携帯機器31の筐体32内に放射状に配置されており、携帯機器31の筐体32の背面である外郭40や、ディスプレイ33の背面である金属板39に放熱する構成となっている。
この場合、携帯機器31の筐体32内に複数の極細ヒートパイプ4,4’を放射状に配置することで、極細ヒートパイプ4,4’の全長を長くして、放熱部26の長さを十分に確保しても、受熱部25と放熱部26の位置関係が重力方向の距離(落差)に対してはあまり大きくならないため、携帯機器31を使用する姿勢がどのような向きであっても、極細ヒートパイプ4,4’は重力の影響を受け難くなり、極細ヒートパイプ4,4’の熱輸送能力の低下を防いで、携帯機器31に適した形態とすることが可能になる。また、筐体32内部で発生する熱を極細ヒートパイプ4,4’に導いて、外気に触れている携帯機器31の筐体32の背面から放熱することができ、最良な冷却効果が得られる放熱形態とすることができる。
また、図7,図8および図10に示す実施形態では、携帯機器31に取付けられ、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にある第一のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1,2,4と、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも低い位置にある第二のヒートパイプとしての極細ヒートパイプ1’,2’,4’とにより、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’が構成される。
この場合、受熱部25が重力方向に対して放熱部26よりも高い位置にある極細ヒートパイプ1,2,4と、受熱部25が重力方向に対し放熱部26よりも低い位置となる極細ヒートパイプ1’,2’,4’とによる複数の極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’を、タブレット端末などの携帯機器31に取付けることで、携帯機器31の使用姿勢が上下逆向きになっても、どちらか一方の例えば極細ヒートパイプ1,2,4は、受熱部25が重力方向に対し放熱部26よりも低い位置になるため、携帯機器31の使用姿勢がどの向きであったとしても、極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’の熱輸送能力の低下がみられず、極細ヒートパイプ1,2,4或いは極細ヒートパイプ1’,2’,4’のどちらかにより、良好な熱輸送を行なうことができる。これは、ユーザの使用姿勢が任意であるタブレット端末などの携帯機器31におけるCPU34の冷却に対して有利であり、携帯機器31に最適な冷却形態とすることができる。
また、上記極細ヒートパイプ1,1’では、図12〜図14の各実施形態に示すように、携帯機器31の第1の機能部品たる発熱部であるCPU34に、極細ヒートパイプ1,1’の外面の一部と受熱ブロック51の受熱面をほぼ密着させると共に、受熱ブロック51に窪み52を形成して、この窪み52により極細ヒートパイプ1,1’の放熱部26を取り囲むように構成するのが好ましい。
この場合、受熱ブロック51に形成した窪み52に極細ヒートパイプ1,1’の放熱部26を囲むようにして、携帯機器31のCPU34に極細ヒートパイプ1,1’の外面の一部と受熱ブロック51の受熱面をほぼ密着させたので、銅管12の直径がΦ2.5mm以下でその表面積が小さくても、受熱ブロック51およびCPU34と、極細ヒートパイプ1,1’との接触面積が可能な限り大きくとれるようになり、CPU34からの熱を極細ヒートパイプ1,1’に伝えやすくして、CPU34と極細ヒートパイプ1,1’との熱伝導を優れたものにすることができる。これにより、CPU34の温度上昇が軽減され、携帯機器31の表面に生じるヒートスポットも緩和できる。
また、上記極細ヒートパイプ1,1’では、特に図14の実施形態で示すように、携帯機器31に搭載されるCPU34に、受熱ブロック51の受熱面をほぼ密着させると共に、受熱ブロック51の受熱面とは反対側の面に窪み52を形成し、この窪み52により極細ヒートパイプ1,1’を取り囲むように構成するのが好ましい。
この場合、受熱ブロック51の受熱面とは反対側の面に形成した窪み52に極細ヒートパイプ1,1’を囲むようにして、携帯機器31のCPU34に受熱ブロック51の受熱面をほぼ密着させたので、銅管12の直径がΦ2.5mm以下でその表面積が小さくても、受熱ブロック51と極細ヒートパイプ1,1’との接触面積が可能な限り大きくとれるようになり、CPU34からの熱を極細ヒートパイプ1,1’に伝えやすくして、CPU34と極細ヒートパイプ1,1’との熱伝導を優れたものにすることができる。これにより、CPU34の温度上昇が軽減され、携帯機器31の表面に生じるヒートスポットも緩和できる。
また、上記極細ヒートパイプ1,1’では、特に図15の実施形態で示すように、携帯機器31に搭載されるCPU34に、受熱プレート61をほぼ密着させると共に、CPU34の側部に極細ヒートパイプ1,1’を配置し、受熱プレート61に形成した凹曲げ部63により、極細ヒートパイプ1,1’を取り囲むように構成するのが好ましい。
この場合、受熱プレート61に形成した凹曲げ部63に極細ヒートパイプ1,1’を囲むようにして、携帯機器31のCPU34の側部に極細ヒートパイプ1,1’を配置し、CPU34に受熱プレート61をほぼ密着させたので、CPU34からの熱を、受熱プレート61を介して極細ヒートパイプ1,1’に効率よく伝えることができると共に、CPU34に受熱プレート61の厚さ分の隙間さえあれば、その隙間に極細ヒートパイプ1,1’を設置することが可能となり、特に薄型化が求められるタブレット端末などの携帯機器31に最適な冷却形態とすることができる。
さらに、上記極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’をスマートフォンやタブレット端末に搭載することで、優れた熱輸送能力を備えた極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’を効果的に組み込んだスマートフォンやタブレット端末を提供できる。
次に、本発明の更に別な実施形態について、図16〜図40の各添付図面を参照しながら詳しく説明する。
図16〜図19の各図において、本実施形態の携帯情報端末71は、前述したタブレット端末よりも小型で、手で持てる程度の外形寸法を有するスマートフォンであり、縦長略矩形状の背面カバー72を、平板状のタッチパネル73の背面側に配設することで、携帯情報端末71としての扁平状をなす外郭(筐体)が形成される。携帯情報端末71の筐体内部には、携帯情報端末71の制御部となるCPU(中央処理装置)74や、その他の図示しない各種電子部品が、基板であるプリント回路基板76に実装した状態で収容されると共に、これらのCPU74や電子部品に必要な電力を供給するための充電可能な扁平略矩形状の充電手段たる電池パック77が、携帯情報端末71に対し着脱可能に収容される。また、タッチパネル73の正面側には、入力装置と表示装置を一体化した操作表示部78が配設される一方で、背面カバー72の正面側開口に対向するタッチパネル73の背面は、凹凸のない平坦なアルミニウムなどの金属板79で構成される。操作表示部78は、ユーザの指で触れることが可能なように、携帯情報端末71の正面に露出して配置される。
このように、本実施形態の携帯情報端末71,背面カバー72,タッチパネル73,CPU74,プリント回路基板76,電池パック77,操作表示部78,金属板79は、上記実施形態の携帯機器31,筐体32,ディスプレイ33,CPU34,主プリント回路基板36,電池パック37,タッチパネル部38,金属板79にそれぞれ対応する。また、携帯情報端末71としては、スマートフォン以外に例えばタブレット端末などを含めてもよい。
携帯情報端末71の筐体内部には、例えば図17や図18に示すU字状の扁平型ヒートパイプ81や、図19に示すL字状の扁平型ヒートパイプ82を熱接続した矩形板状の放熱プレート80が設置される。こうした扁平型ヒートパイプ81,82は、何れも放熱プレート80の背面側にあって、矩形箱状をなす電池パック77の側面に沿って配置される。また、CPU74はプリント回路基板76の正面側にあって、CPU74の近傍に扁平型ヒートパイプ81,82の一部が位置するように、プリント回路基板76が配設される。なお、図17では放熱プレート80の熱拡散状態を実測するために、CPU74に代わる熱源ヒータ91や、温度センサたる熱電対92が装着されているが、これらは実際の携帯情報端末71には装備されない。
図20は、U字状の扁平型ヒートパイプ81を放熱プレート80に熱接続した冷却ユニット単体の外観を示し、図21は、L字状の扁平型ヒートパイプ82を放熱プレート80に熱接続した冷却ユニット単体の外観を示している。これらの各図において、放熱プレート80は熱伝導率が15W/m・k以上で、厚さが0.3mm以下のアルミニウム合金などの金属からなる。そして、この放熱プレート80は、ニッケルや錫などのメッキ層(図示せず)を表面に施してから、接合部材として融点が160℃以下の低温半田93により、扁平型ヒートパイプ81または扁平型ヒートパイプ82と接合される。この低温半田93を用いた半田付けにより、扁平型ヒートパイプ81または扁平型ヒートパイプ20と放熱プレート4が良好な熱接続となり、且つ半田付けの際に、扁平型ヒートパイプ81や扁平型ヒートパイプ20が熱による変形で膨れる虞も一掃できる。
図22〜図25は、L字状の扁平型ヒートパイプ82を放熱プレート80に熱接続した冷却ユニットの様々な例を示している。図22に示す例では、放熱プレート80の四隅に位置する角部に、携帯情報端末71の筐体への取付け部94がそれぞれ設けられる。ここでの取付け部94は貫通孔として形成され、例えばタッチパネル73の背面部に形成したねじ孔(図示せず)に取付け部94を一致させ、図示しない止着部材としてのねじを取付け部94に貫通させて、ねじ孔に螺着することで、放熱プレート80を携帯情報端末71の筐体に対して所望の位置に容易に取付け固定することができる。
図23に示す例では、放熱プレート90が取付け部94の他に、携帯情報端末71の筐体と干渉する部位95を逃げた干渉防止用の切欠き96を設けている。ここでは、放熱プレート90の下部左右両側に2箇所の切欠き96を設けており、筐体と干渉する部位95に放熱プレート80が接触しないように、取付け部94を利用して放熱プレート80を携帯情報端末71の筐体に取付け固定することができ、放熱プレート80から携帯情報端末71の筐体と干渉する部位95への熱影響も緩和できる。同様に、図24に示す例でも、放熱プレート90は取付け部94の他に、その右側に1箇所の切欠き96を設けている。
また図25に示す例では、放熱プレート90が取付け部94の他に、携帯情報端末71の筐体と干渉する部位として、電池パック77を逃げた干渉防止用の孔97を設けている。これにより、電池パック77に放熱プレート80が接触しないように、取付け部94を利用して放熱プレート80を携帯情報端末71の筐体に取付け固定することができ、放熱プレート90から電池パック77への熱影響も緩和できる。
逃げ部としての切欠き96や孔97は、図22〜図25に示したものに限らず、必要に応じて放熱プレート80の適所に形成される。また、切欠き96や孔97を放熱プレート90に設けた場合でも、扁平型ヒートパイプ82はその全体が放熱プレート90に熱接続するように配置される。
次に、本実施形態で使用するヒートパイプについて、図26〜図35を参照しながら説明する。
図28は、本実施形態で使用する扁平加工を施していない直線状のヒートパイプ83を示している。ここでのヒートパイプ83は非扁平な円管状で、その外径がΦ2mmからΦ6mmであり、内壁にグルーブ11が形成された材質が純銅などからなる内面溝付き銅管12の両端を、Tig溶接などにより封止して構成される。若しくは、内面溝付き銅管12の代わりに、エッチング加工により凹凸状に形成された銅箔などのシート101を複数枚積み重ねて接合することにより、シート状の扁平型ヒートパイプ84を構成することもある(図34参照)。何れの場合も、その内部は真空状態で純水などの作動液13(図示せず)が封入される。
ヒートパイプ83の本体部をなす管体としては、熱伝導性が特に優れた純銅製の銅管12に代わって、加工性を高めた銅合金管などを用いてもよく、その場合も、内壁に複数のグルーブ11が形成され、中空円筒状の長手方向に延びる管体の両端に、Tig溶接などの適宜手段による封止部15をそれぞれ形成することで、管体の内部を真空状態に密閉したヒートパイプ83が得られる。この場合、グルーブ11は銅管12の内面全周に、且つ長手方向に沿って設けられ、作動液13の液体流路18を形成する。また、このグルーブ11に囲まれた中空な部分は、作動液13の気体流路19を形成する。
ヒートパイプ83は曲げを施すことなく、携帯情報端末71の筐体の設置スペースに合わせた厚さに扁平加工を施すことで、図26に示すように、銅管12の一部若しくは全体に潰し部を形成したI字状の扁平型ヒートパイプ85が得られる。
代わりに、ヒートパイプ83は銅管12の途中に一ヶ所または数ヶ所の曲げが施され、図27に示すように、コの字状やL字状あるいはU字状に形成されることもある。その後で、携帯情報端末71の筐体の設置スペースに合わせた厚さに扁平加工を施すことで、上述したような銅管12の一部若しくは全体に潰し部を形成した扁平型ヒートパイプ81,82が構成される。
U字状の扁平型ヒートパイプ81の外形は、銅管12の途中2箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に湾曲した曲げ部21を各々形成しており、直線状の基部22の両端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた形状となっている。これは図示しないが、I字状の扁平型ヒートパイプでも同じことがいえる。ここでの扁平型ヒートパイプ81は、基部22に対応するその一部が受熱部25として、放熱プレート80を介してCPU74と熱伝達が可能な状態に配置され、腕部23に対応する別な一部が放熱部26として、携帯情報端末71の筐体の外周部の一部に沿った状態で、放熱プレート80の両側に熱接続される。
また、L字状の扁平型ヒートパイプ82の外形は、銅管12の途中1箇所に約90°の曲げが施されて、その部位に湾曲した曲げ部21を形成しており、直線状の基部22の一端に曲げ部21を介して直線状の腕部23を繋げた形状となっている。ここでの扁平型ヒートパイプ82は、基部22に対応するその一部が受熱部25として、放熱プレート80を介してCPU74と熱伝達が可能な状態に配置され、腕部23に対応する別な一部が放熱部26として、携帯情報端末71の筐体の外周部の一部に沿った状態で、放熱プレート80の一側に熱接続される。
図29は、扁平型ヒートパイプ81,82,85の断面を示している。扁平型ヒートパイプ81,82,85の厚さは、携帯情報端末71の筐体の設置スペースに合わせて、0.4mmから2mmの範囲が好ましい。ヒートパイプ83を扁平加工した扁平型ヒートパイプ81,82,85も、グルーブ11は銅管12の内面全周に、且つ長手方向に沿って設けられ、作動液13の液体流路18を形成する。また、このグルーブ11に囲まれた中空な部分は、作動液13の気体流路19を形成する。
こうして完成した非扁平なヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85は、前述のように取付け部94や必要に応じて切欠き96や孔97を設けた放熱プレート80と、低温半田93を用いて半田付け接続される。ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を熱接続した放熱プレート80は、タッチパネル73の背面を形成する金属板79と電池パック77との間に、可能な限り密着させながら設置される。また、CPU74が実装されたプリント回路基板76も、CPU74と放熱プレート80が可能な限り密着するように、携帯情報端末71の筐体内部に設置される。このとき、CPU74と放熱プレート85との間には、必要に応じてCPU74のカバーが設置されることもある。
これにより、スマートフォンなどの携帯情報端末71の使い易さの追求から、その筐体の厚さが制限される場合でも、設置性に優れ、筐体の広い領域にまで良好な熱拡散が得られるため、CPU74の温度上昇が低く抑えられ、タッチパネル73などの外郭表面のホットスポットも抑制できる。
扁平型ヒートパイプ81,82,85の断面形状は、図29で示したものに限らず、種々の変形が可能である。それらの変形例を説明すると、図30〜図33に示す扁平型ヒートパイプ81,82,85は、何れも銅管12の内面全周ではなく内面の一部に、長手方向に沿って複数のグルーブ11が設けられ、このグルーブ11が作動液13の液体流路18を形成する一方で、グルーブ11を形成していない部分で、作動液13の気体流路19を形成している。
より具体的には、図30に示す扁平型ヒートパイプ81,82,85は、その幅方向一側に作動液13の液体流路18が形成され、幅方向他側に作動液13の気体流路19が形成される。これにより、作動液13の液体流路18と気体流路19を、扁平型ヒートパイプ81,82,85の幅方向の一側と他側にそれぞれ分けて配置できる。
図31に示す扁平型ヒートパイプ81,82,85は、その幅方向の両側に作動液13の液体流路18が形成され、幅方向の中央部に作動液13の気体流路19が形成される。これにより、作動液13の液体流路18と気体流路19を、扁平型ヒートパイプ81,82,85の幅方向の両側と中央部にそれぞれ分けて配置できる。
図32や図33に示す扁平型ヒートパイプ81,82,85は、図30や図31に示すものよりも、より幅方向を拡げた略平面形状を有している。この場合の扁平型ヒートパイプ81,82,85の幅は、放熱プレート80の幅にほぼ一致したものとなり、放熱プレート80全体に熱を速やかに拡散させることができる。
別な変形例として、図34に示すように、円管状のヒートパイプ83を潰して扁平加工するのではなく、予め液体流路18や気体流路19を内部に形成するために、シート101の表面にエッチング加工を施して凹凸部102を形成し、この加工された複数枚のシート101を積み重ねて接合することでも、同様の扁平型ヒートパイプ84を得ることができる。この場合の扁平型ヒートパイプ84の厚さも、携帯情報端末71の筐体の設置スペースに合わせて、0.4mmから2mmの範囲とするのが望ましい。
また、図35に示す扁平型ヒートパイプ81,82,84,85のように、銅管12に対して異なる扁平率で扁平加工を施してもよく、この場合は扁平率が大きく厚さの薄い第1の部位98と、扁平率が小さく厚さの厚い第2の部位99を形成して、放熱プレート80に熱接続することにより、ヒートパイプとしての性能と携帯情報端末71の筐体への設置性の両立が容易となり、有利である。
次に、上記構成についてその作用を説明すると、スマートフォンなどの携帯情報端末71に搭載したCPU74などが発熱して温度が上昇すると、そのCPU74からの熱は放熱プレート80を経由してヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85の受熱部25に伝わり、受熱部25では作動液13が蒸発して、受熱部25から温度の低い放熱部26に向かって蒸気が流れ、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85内で熱輸送が行われる。この放熱部26に輸送された熱は放熱プレート80の広い平面状の領域に熱拡散され、放熱プレート80の裏表両面から、タッチパネル73の背面をなす金属板79と、電池パック77にそれぞれ放熱されるものである。これにより携帯情報端末71は、CPU74などに発生する熱を広い領域に熱拡散することができるため、タッチパネル73などの外郭表面に生ずるヒートスポットが緩和され、CPU74の温度上昇も抑制することができる。
一方、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85の放熱部26は、蒸気が凝縮して作動液13が溜まるが、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85の内壁に形成されたグルーブ11の毛細管力により、作動液13が液体流路18を伝わって放熱部26から受熱部25へと戻される。したがって、受熱部25で作動液13が無くなることはなく、ここで蒸発した作動液13が気体流路19を伝わり放熱部26に導かれることで蒸発が継続し、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85本来の性能が発揮される。
また、ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85をCPU74に重ねて配置する必要がなく、特にスマートフォンなどの携帯情報端末71で、使いやすさを追求した筐体の厚さ制限に対応でき、グラファイトシートに比べて熱伝導率が極めて良好なヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85の特徴を活かしつつ、放熱プレート80を介してCPU74などの熱を広い領域に速やかに熱拡散することが可能になる。
本実施形態では、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85が熱接続された放熱プレート80を、スマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に良好な熱拡散が実現できる。
また、図22〜図25に示すように、放熱プレート80は、携帯情報端末71の筐体への取付け部94や、その筐体と干渉する部位95に、干渉防止用の逃げ部として切欠き96や孔97を設けており、そうした放熱プレート80をヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85と熱接続した状態で、スマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が更に容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に良好な熱拡散が安定して行える。
また、放熱プレート80は、熱伝導率が15W/m・k以上で、厚さが0.3mm以下の金属からなり、そうした放熱プレート80をヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85と熱接続した状態で、スマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に更に良好な熱拡散が行える。ここで放熱プレート80の熱伝導率が15W/m・k未満では、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に十分な熱拡散を行うことができず、また放熱プレート80の厚さが0.3mmを超えると、使い易さを追求した携帯情報端末71の筐体の厚さ制限に対応することが難しくなる。
また、ヒートパイプ83に曲げ加工を施した後に、扁平加工を施した厚さが2mm以下の扁平型ヒートパイプ81,82,84,85に熱接続した放熱プレート80を、スマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が更に容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に良好な熱拡散が行える。ここで扁平型ヒートパイプ81,82,84,85の厚さが2mmを超えると、使い易さを追求した携帯情報端末71の筐体の厚さ制限に対応することが難しくなる。
また、図35に示すように、扁平型ヒートパイプ81,82,84,85は、大きな扁平率の扁平加工を施した部位98と、小さな扁平率の扁平加工を施した部位99からなり、そうした形状の扁平型ヒートパイプ81,82,84,85に熱接続した放熱プレート80を、スマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が更に容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に良好な熱拡散が行える。
また、図20や図21に示すように、ヒートパイプ83または扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を融点が160℃以下の低温半田93で放熱プレート80に接合し、そうした熱接続を行った放熱プレート80をスマートフォンなどの携帯情報端末71に設置したので、使い易さを追求して携帯情報端末71の筐体の厚さに制限があっても、その設置が更に容易になり、放熱プレート80を介して筐体の広い領域に更に良好な熱拡散が行える。ここで低温半田93の融点が160℃を超えると、半田付けの際にヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85が膨れることがあり、使い易さを追求した携帯情報端末71の筐体の厚さ制限に対応することが難しくなる。
そして本実施形態では、タッチパネル73などの外郭表面に生じるヒートスポットが緩和され、発熱部であるCPU74などの温度上昇も抑制されるため、CPU74の性能を最大限に発揮させることが可能となる。これにより、スマートフォンなどの携帯情報端末71の処理速度が大幅に向上する。
図36は、冷却構成の違いによる情報携帯端末71の温度上昇を比較した試験結果を示したものである。試験は図17で示したように、熱源ヒータ91や熱電対92を情報携帯端末71であるスマートフォンに装着して行なった。試験条件として、熱源ヒータ91の入力は4Wであり、周囲温度は25℃である。また、扁平型ヒートパイプ81,82は、Φ2mmのヒートパイプ83を扁平加工して、厚さが1.6mmで、幅が2.4mmに潰したものを使用する。放熱プレート80は純アルミで、その厚さは0.2mmである。
図中、「現状の冷却構成」とあるのは、従来のグラファイトシートによる冷却構成であり、「グラファイトシートをアルミプレートに交換」とあるのは、グラファイトシートに代わって、本実施形態の放熱プレート80のみを用いた冷却構成であり、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」とあるのは、本実施形態の放熱プレート80にL字状の扁平型ヒートパイプ82を熱接続した冷却構成であり、「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」とあるのは、本実施形態の放熱プレート80にU字状の扁平型ヒートパイプ81を熱接続した冷却構成である。これらの各冷却構成について、熱源ヒータ91の温度である「熱源温度」と、タッチパネル73の表面温度である「タッチパネル表面温度」と、背面カバー72の表面温度である「筐体背面表面温度」がそれぞれ示されている。特に「タッチパネル表面温度」と「筐体背面表面温度」は、面全体の温度分布を画像として示している。
上記試験結果から、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」した場合や、「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」した場合は、熱源ヒータ91の発熱が放熱プレート80の全体に広く拡散され、特にタッチパネル73の表面のヒートスポットが大きく緩和されることがわかる。また、熱源ヒータ91の温度や、タッチパネル73の表面最大温度や、背面カバー72の表面最大温度も、熱拡散により低減している。
図37は、上記「現状の冷却構成」,「グラファイトシートをアルミプレートに交換」,「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」,「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」の各場合において、経過時間による熱源ヒータ91の温度、すなわち「熱源温度」の変化をグラフで示したものである。ここでは、「グラファイトシートをアルミプレートに交換」した場合の熱源ヒータ91の温度に対して、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」した場合の熱源ヒータ91の温度が9.9K低減し、「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」した場合の熱源ヒータ91の温度が16.4K低減していることがわかる。
図38は、上記「現状の冷却構成」,「グラファイトシートをアルミプレートに交換」,「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」,「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」の各場合において、経過時間によるタッチパネル73の表面最大温度、すなわち「タッチパネル表面温度Max.」の変化をグラフで示したものである。ここでは、「グラファイトシートをアルミプレートに交換」した場合のタッチパネル73の表面最大温度に対して、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」した場合のタッチパネル73の表面最大温度が9.3K低減し、「アルミプレートにU字状ヒートパイプを設置」した場合のタッチパネル73の表面最大温度が11.6K低減していることがわかる。また、低温火傷の限界温度Tx1を48℃としたときに、Φ2mmのヒートパイプ83を扁平加工した扁平型ヒートパイプ81,82の設置がその限界となる。
図39は、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」した場合に、「熱源温度」と熱源ヒータ91の入力である「熱源入力」との関係をグラフで示したもので、図40は、同じ場合に、「タッチパネル表面温度Max.」と「熱源入力」との関係をグラフで示したものである。図39に示すように、熱源ヒータ91の温度は、熱源ヒータ91の入力が4Wでも、CPU74の限界温度Tx2である90℃に対して余裕があり、携帯情報端末71としての処理速度は低下しない。一方、図40に示すように、「アルミプレートにL字状ヒートパイプを設置」した場合では、熱源ヒータ91の入力が3W以下であれば、タッチパネル73の表面最大温度を低温火傷の限界温度Tx1以下にすることができる。
以上のように、本実施形態の携帯情報端末71は、ヒートパイプであるヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85が熱接続された放熱プレート80を、背面カバー72とタッチパネル73で構成される筐体の内部に設置して構成される。
この場合、携帯情報端末71における使いやすさを追求した筐体の厚さ制限に対しても、ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85が熱接続された放熱プレート80を、薄い筐体内に容易に設置できる。また、ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85で輸送された熱が放熱プレート80の広い領域に拡散され、筐体の広い領域に良好な熱拡散を実現できることから、タッチパネル73などの外郭表面に生じるヒートスポットが緩和され、CPU74などの熱部品の温度上昇も抑制されるので、熱部品の能力を最大限に発揮することが可能となり、スマートフォンなどの携帯情報端末71の処理速度が大幅に向上する。そのため、薄い筐体内への設置が容易に可能であり、良好な熱拡散を実現することで、熱部品の能力を最大限に発揮することが可能な携帯情報端末71を提供できる。
また、本実施形態の放熱プレート80は、筐体への取付け部94、または筐体と干渉する部位95に逃げ部である切欠き96や孔97を設けている。
この場合、放熱プレート80に筐体への取付け部94や、筐体と干渉する部位95を避けるように切欠き96や孔97を設けることで、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対しても設置が更に容易になり、筐体の広い領域に良好な熱拡散を安定して行なえる携帯情報端末71を提供できる。
また、本実施形態の放熱プレート80は、その熱伝導率が15W/m・k以上であり、厚さが0.3mm以下の金属からなる。
この場合、放熱プレート80の熱伝導率を15W/m・k以上とすることで、携帯情報端末71における筐体の広い範囲に十分な熱拡散を行なうことが可能になり、また放熱プレート80の厚さを0.3mm以下とすることで、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対応が可能になる。そのため、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対しても設置が容易であり、筐体の広い領域にさらに良好な熱拡散を行なえる携帯情報端末71を提供できる。
また本実施形態では、放熱プレート80に熱接続するヒートパイプとして、曲げ加工後に扁平加工を施した厚さが2mm以下の扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を用いている。
この場合、放熱プレート80に熱接続するヒートパイプを厚さが2mm以下の扁平型ヒートパイプ81,82,84,85とすることで、使い易さを追求した筐体の厚さ制限にも対応が可能になる。そのため、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対しても設置が更に容易になり、筐体の広い領域に良好な熱拡散を行なえる携帯情報端末71を提供できる。
また本実施形態では、放熱プレート80に熱接続するヒートパイプとして、大きな扁平率の扁平加工を施した第1の部位98と、小さな扁平率の扁平加工を施した第2の部位99とからなる扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を用いている。
この場合、異なる扁平率で扁平加工を施した第1の部位98と第2の部位99が、扁平型ヒートパイプ81,82,84,85にそれぞれ形成されるので、例えば筐体の内部で特に厚さ制限の厳しい箇所に第1の部位98を配置し、それよりも厚さ制限の緩やかな個所に第2の部位99を配置することで、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対しても設置が更に容易になり、筐体の広い領域に更に良好な熱拡散を行なえる携帯情報端末71を提供できる。
また本実施形態では、ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を、融点が160℃以下の半田である低温半田93により、放熱プレート80に接合して熱接続した構成を有する。
この場合、ヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85を放熱プレート80に熱接続するための低温半田93の融点を、160℃以下とすることにより、半田付けの際にヒートパイプ83や扁平型ヒートパイプ81,82,84,85が膨れる虞がなく、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対応が可能になる。そのため、使い易さを追求した筐体の厚さ制限に対しても設置が更に容易になり、筐体の広い領域に更に良好な熱拡散を行なえる携帯情報端末71を提供できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、各実施形態に示す極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,3,4,4’の各形状はあくまでも一例にすぎず、携帯機器31の外形に合せて適宜変更が可能である。また、図7,図8および図10では2本の極細ヒートパイプ極細ヒートパイプ1,1’,2,2’,4,4’を携帯機器31に搭載した例を示したが、3本以上の極細ヒートパイプを搭載してもよい。さらに、上述した受熱ブロック51や受熱プレート61を、極細ヒートパイプ2,2’,3,4,4’に適用してもよい。
その他、放熱プレート80と熱接続するヒートパイプは、所望の性能が得られるものならばどのような形状であっても構わない。また、携帯情報端末71の筐体への取付け部94として、貫通孔以外のものを採用してもよい。