JP2014097704A - 鉄道車両の走行距離検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】検知した前の地上子からの実測距離が大きくても、現地点での正確な走行距離を検出することができる鉄道車両の走行距離検出システムを提供することを目的とする。
【解決手段】走行距離検出システムKSは、実測距離Sと検知した地上子Tの正確な位置情報によって誤差比率を演算する誤差比率演算部50と、走行距離Zを決定する走行距離決定部60を備える。誤差比率演算部50は、2つの地上子Tの間を1区間として、地上子Tの位置情報から1区間の絶対距離D1,D2と1区間に生じた誤差量Δa,Δbとの誤差比率(Δa/D1),(Δb/D2)を求めて蓄積し、現在走行している区間と同一の区間で、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率(Δb/D2)を加算し且つその任意個数で除算して予測誤差比率αを算出する。走行距離決定部60は、直前に検知した地上子Tからの実測距離Sxと予測誤差比率αとに基づいて走行距離Zを逐次決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄道車両の走行距離検出システムに関し、特に、現地点での正確な走行距離を検出する鉄道車両の走行距離検出システムに関する。
鉄道車両が曲線区間を高速に且つ乗り心地良く通過するために、曲線区間の曲率半径、カント等に応じて車体を左又は右に傾ける傾斜制御が実用化されている。この傾斜制御は、曲線区間への進入に同期して車体を傾かせるために、曲線区間に進入する直前に開始する必要がある。このため、鉄道車両は、走行中に傾斜制御を行う地点を正確に検知できるように、車輪に取付けた速度発電機を用いて走行した距離を実測距離として測定(積算)するようになっている。
しかし、通常走行においては車輪がレールに対して滑走及び空転を起こしたり、計測ノイズ等によって実測距離と正確な走行距離とがずれてくる。そこで、従来から、例えば下記特許文献1に記載されているように、線路に沿って配置された多数の地上子の位置情報を利用して、実測距離を補正する走行距離検出システムが提案されている。
即ち、鉄道車両は、地上子を通過する際にその地上子を検知して、地上子と車上子との通信によって検知した地上子の正確な位置情報(地上子の絶対位置、地上子間の絶対距離等)を取得する。そして、取得した位置情報と実測距離とを比較して誤差量を算出して、地上子を検知する度に実測距離を補正するようになっていた。言い換えると、従来においては、現地点での走行距離を、走行開始位置から直前に検知した地上子の絶対位置までの距離と、その地上子の絶対位置から測定した実測距離とを加算したものとしていた。
実開平5−26714号公報
しかしながら、従来の走行距離検出システムにおいては、地上子を通過した後、検知した地上子から離れていくほど、滑走及び空転、計測ノイズ等によって実測距離に含まれる誤差量が大きくなる。このため、地上子と地上子との間隔が長く設定されている場合には、次の地上子を通過する直前の誤差量が比較的大きくなる。特に、電波障害等によって地上子を検知できなかった場合には、検知した前の地上子からの実測距離が大きくなるため、誤差量が大きくなって、現地点での正確な走行距離を検出することができないという問題点があった。
そこで、本発明は、上記した課題を解決すべく、検知した前の地上子からの実測距離が大きくても、現地点での正確な走行距離を検出することができる鉄道車両の走行距離検出システムを提供することを目的とする。
本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムは、鉄道車両が走行した距離を実測距離として演算する実測距離演算部と、線路に沿って任意の位置に配置された複数の地上子を通過する際に検知した地上子の正確な位置情報を取得する情報取得部と、前記演算された実測距離と前記取得された位置情報とによって誤差比率を演算する誤差比率演算部と、前記実測距離と前記誤差比率を用いて走行距離を決定する走行距離決定部とを備えたものであって、前記誤差比率演算部は、2つの地上子の間を1区間として、検知した地上子の位置情報から1区間の絶対距離と1区間に生じた誤差量との誤差比率を求めて蓄積し、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を用いて予測誤差比率を算出するものであり、前記走行距離決定部は、直前に通過した地上子からの実測距離と前記予測誤差比率とに基づいて現地点での走行距離を逐次決定するものであることを特徴とする。
この場合には、鉄道車両が走行中に、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を利用することで、現地点若しくは通過予定地点の予測誤差比率を算出する。そして、実測距離と予測誤差比率とに基づいて現地点での走行距離を逐次決定する。こうして、1つの地上子の位置情報に大きく依存せずに、過去に蓄積した誤差比率から算出する予測誤差比率を用いることで、実測距離を逐次補正しながら走行距離を決定する。従って、検知した前の地上子からの実測距離が大きくなっても、現地点での正確な走行距離を検出することができる。
また、本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、前記誤差比率演算部は、現在走行している区間と同一の区間で、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を加算し且つその加算した値を前記任意個数で除算することで前記予測誤差比率を算出するものであることが好ましい。
この場合には、現在走行している区間と同一の区間で、過去に生じた任意個数の誤差比率を加算し、且つその加算した値を前記任意個数で除算することで予測誤差比率を算出する。このため、現地点若しくは通過予定地点の走行距離を補正するための予測誤差比率には、区間毎に異なる線路の線形や勾配等の影響が反映されるため、より正確な予測誤差比率を用いて走行距離を逐次決定することができる。
また、本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、前記誤差比率演算部は、天候状態に応じて区分された予測誤差比率を算出するものであり、前記走行距離決定部は、現地点での天候状態と同一の天候状態で算出された予測誤差比率を用いて現地点での走行距離を逐次決定するものであることが好ましい。
この場合には、例えば、晴れ状態と雨状態と雪状態に区分して、それぞれ予測誤差比率を算出する。そして、現地点での天候状態と同一の天候状態で算出された予測誤差比率を用いて走行距離を決定する。こうして、現地点での天候状態を考慮して走行距離を決定するため、現地点でのより正確な走行距離を検出することができる。
また、本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、前記走行距離決定部は、直前に通過した地上子からの実測距離と、この実測距離に対する予測誤差量と、直前に通過した地上子までの絶対距離との加算によって現地点での走行距離を逐次決定するものであっても良い。
また、本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、前記誤差比率演算部は、現在走行している区間とは異なり直前に走行したそれぞれ別々の区間で、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を加算し且つその加算した値を前記任意個数で除算することで前記予測誤差比率を算出するものであっても良い。更に、この場合には、前記誤差比率演算部は、天候状態に応じて区分された予測誤差比率を算出するものであり、前記走行距離決定部は、現地点での天候状態と同一の天候状態で算出された予測誤差比率を用いて現地点での走行距離を逐次決定するものであっても良い。
本発明の鉄道車両の走行距離検出システムによれば、地上子と地上子との間の距離が長く設定されている場合、地上子を検知できなかった場合に、検知した前の地上子からの実測距離が大きくなっても、現地点での正確な走行距離を検出することができる。
第1実施形態の走行距離検出システムの全体構成を示した図である。 第1実施形態の走行距離検出システムの構成を詳細に示した図である。 第1実施形態において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 1日前において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 2日前において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 3日前において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 4日前において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 第1実施形態において地上子を検知できなかった場合に検出される走行距離を示した図である。 第2実施形態の走行距離検出システムの構成を詳細に説明した図である。 第2実施形態において鉄道車両の走行距離と走行時間との関係を示した図である。 鉄道車両が各地上子を通過したときの天候状態を示した図である。 従来において地上子を検知できなかった場合に検出される走行距離と、第2実施形態において地上子を検知できなかった場合に検出される走行距離とを比較した図である。
本発明に係る鉄道車両の走行距離検出システムの実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、第1実施形態の走行距離検出システムKSの全体構成を示した図である。走行距離検出システムKSは、図1に示すように、鉄道車両1に組み込まれたものであり、車上子10と、データベース処理部20と、速度発電機30と、距離算出部40と、誤差比率演算部50と、走行距離決定部60とを備えて構成されている。
ここで、鉄道車両1が走行する線路2には、多数の地上子Tが配置されている。各地上子Tは、例えばトランスポンダ等によって構成され、線路2に沿って間隔を隔てて任意の位置に設置されていて、固有の識別情報(ID値)を有している。このため、本実施形態では、各地上子TがTの括弧の中の数字で区別されていることにする。
車上子10は、地上子Tの固有の識別情報を取得するものである。この車上子10は、例えばトランスポンダ等によって構成され、鉄道車両1の車体の底部に取付けられている。そして、車上子10は、鉄道車両1が地上子Tを通過する際に対向することで、地上子Tから送信される識別情報を検知して取得するようになっている。取得された地上子Tの識別情報は、データベース処理部20に送信される。
データベース処理部20は、各地上子Tの正確な位置情報、即ち各地上子Tの絶対位置(地上子Tの正確な位置)や、地上子T間の絶対距離D(地上子T間の正確な距離)等を予め記憶しているものである。このデータベース処理部20は、送信される地上子Tの識別情報に基づいて、予め記憶している地上子Tの位置情報を検索して、その地上子Tを特定する。検索された地上子Tの位置情報は、誤差比率演算部50に送信される。なお、各地上子Tの位置情報は、事前に走行試験によって測定された正確な値である。このデータベース処理部20と車上子10とが、本発明の「情報取得部」に相当する。
速度発電機30は、鉄道車両1が走行した距離を測定するものである。この速度発電機30は、鉄道車両1の車輪3(非駆動輪)の車軸に取付けられていて、その車軸の回転に伴って発生するパルス状の出力信号を距離算出部40に出力するようになっている。なお、速度発電機30は、パルス出力以外に正弦波出力であっても良く、適宜変更可能である。
距離算出部40は、カウンタ等で構成され、入力したパルス状の出力信号をカウントすることで、鉄道車両1が走行した距離を実測距離Sとして演算するものである。演算された実測距離Sは、誤差比率演算部50に送信される。この距離算出部40と速度発電機30とが、本発明の「実測距離演算部」に相当する。
ところで、従来においては、現地点での走行距離を、走行開始位置から検知した地上子Tの絶対位置までの距離と、地上子Tの絶対位置から測定した実測距離とを加算したものとしていた。しかし、この場合には、地上子Tを通過した後、地上子Tから離れて実測距離が大きくなるほど、車輪3の空転又は滑走、計測ノイズが生じる回数が多くなって、実測距離と正確な走行距離との差(誤差量)が大きくなる。
そこで、本実施形態においては、検知した前の地上子Tからの実測距離が大きくても、現地点での正確な走行距離を検出できるように、誤差比率演算部50及び走行距離決定部60が以下のように構成されている。ここで、図2は、図1に示した走行距離検出システムKSの構成を詳細に示した図である。
誤差比率演算部50は、実測距離Sと地上子Tの位置情報とによって、誤差量Δa,Δbを演算すると共に予測誤差比率αを演算するものである。なお、後述するように、誤差量Δaは、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1と、地上子T(1)と地上子T(2)との間を走行した際の実測距離S1との差であり(図4〜図8参照)、誤差量Δbは、地上子T(2)と地上子T(3)との間の絶対距離D2と、地上子T(2)と地上子T(3)との間を走行した際の実測距離S2との差である(図4〜図8参照)。この誤差比率演算部50は、図2に示すように、区間誤差算出部51と、誤差比率算出部52と、予測誤差比率算出部53と、天候状態判断部54とを備えている。
区間誤差算出部51は、2つの地上子Tを通過して検知した際に、2つの地上子Tの位置情報に基づいてその地上子T間の絶対距離Dを読み込み、その絶対距離Dから2つの地上子Tの間を走行した際の実測距離Sを減算して、誤差量Δa,Δbを算出するものである。算出された誤差量Δa,Δbは、誤差比率算出部52に入力される。
ここで、図3は、鉄道車両1の走行距離Zと走行時間tとの関係を示した図であり、図3の実線は実測距離Sを示している。ここで、第1実施形態では、鉄道車両1が、図示しない走行開始位置から走行し始めて、地上子T(1)、地上子T(2)を通過して、現地点では地上子T(2)と地上子T(3)の間の区間の或る地点を走行している場合を想定して説明する。なお、図3に示すように、従来と同様に、各地上子T(地上子T(2))を検知したときは、実測距離Sは走行開始位置から検知した地上子Tまでの絶対距離(正確な走行距離)に補正されるようになっている。
区間誤差算出部51は、鉄道車両1が過去に同一の線路2を走行した際にも、誤差量Δa,Δbを算出している。例えば、図4に示すように、鉄道車両1が1日前に線路2を走行して、地上子T(1)、地上子T(2)、地上子T(3)を通過して検知した際に、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1からその間の実測距離S1(1)を減算して、誤差量Δa1を算出している。また、地上子T(2)と地上子T(3)との間の絶対距離D2からその間の実測距離S2(1)を減算して、誤差量Δb1を算出している。算出された誤差量Δa1及びΔb1は、誤差比率算出部52に入力されている。
また、図5に示すように、鉄道車両1が2日前に線路2を走行して、地上子T(1)、地上子T(2)、地上子T(3)を通過して検知した際に、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1からその間の実測距離S1(2)を減算して、誤差量Δa2を算出している。また、地上子T(2)と地上子T(3)との間の絶対距離D2からその間の実測距離S2(2)を減算して、誤差量Δb2を算出している。算出された誤差量Δa2及びΔb2は、誤差比率算出部52に入力されている。
また、図6に示すように、鉄道車両1が3日前に線路2を走行して、地上子T(1)、地上子T(2)、地上子T(3)を通過して検知した際に、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1からその間の実測距離S1(3)を減算して、誤差量Δa3を算出している。また、地上子T(2)と地上子T(3)との間の絶対距離D2からその間の実測距離S2(3)を減算して、誤差量Δb3を算出している。算出された誤差量Δa3及びΔb3は、誤差比率算出部52に入力されている。
また、図7に示すように、鉄道車両1が4日前に線路2を走行して、地上子T(1)、地上子T(2)、地上子T(3)を通過して検知した際に、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1からその間の実測距離S1(4)を減算して、誤差量Δa4を算出している。また、地上子T(2)と地上子T(3)との間の絶対距離D2からその間の実測距離S2(4)を減算して、誤差量Δb4を算出している。算出された誤差量Δa4及びΔb4は、誤差比率算出部52に入力されている。
なお、第1実施形態では、分かり易くするために、鉄道車両1が1日前、2日前、3日前、4日前に線路2を走行した際に、算出した各誤差量Δa1〜a4、Δb1〜Δb4を用いて説明するが、更に5日目以前に算出した誤差量を用いても良く、鉄道車両1が数時間前に線路2を走行した際に算出した誤差量を用いても良い。即ち、鉄道車両1が過去に同一の線路2を走行した際に算出した誤差量であれば、適宜変更可能である。
誤差比率算出部52は、2つの地上子Tの間の絶対距離D1,D2と、その2つの地上子Tの間で生じた誤差量Δa,Δbとの誤差比率(Δa/D1),(Δb/D2)を算出するものである。即ち、誤差比率算出部52は、2つの地上子Tの間の1区間において、単位距離当たりに生じる誤差量を算出するものである。具体的に、第1実施形態では、誤差比率(Δa1/D1),(Δb1/D2)、(Δa2/D1),(Δb2/D2)、(Δa3/D1),(Δb3/D2)、(Δa4/D1),(Δb4/D2)が算出されて、予測誤差比率算出部53に入力されている。
予測誤差比率算出部53は、過去に走行した際に算出した誤差比率を蓄積していて、現在走行している区間と同一の区間の予測誤差比率αを算出するものである。この予測誤差比率算出部53は、任意個数の誤差比率を加算した値を、その任意個数で除算することで、誤差比率の平均値である予測誤差比率αを算出するようになっている。ここで、図3に示すように、鉄道車両1は現地点において地上子T(2)と地上子T(3)との間の区間を走行しているため、予測誤差比率算出部53は、過去に地上子T(2)と地上子T(3)との間の区間で生じた誤差比率(Δb1/D2),(Δb2/D2),(Δb3/D2),(Δb4/D2)を用いて、これら誤差比率(Δb/D2)の平均値である予測誤差比率αを算出する。算出された予測誤差比率αは、走行距離決定部60に入力される。
ここで、誤差比率(Δb/D2)の平均値を算出する際に、誤差比率(Δb/D2)を加算ための任意個数Lについて説明する。先ず、誤差量Δbは、例えば晴れ状態、雨状態、雪状態等の天候状態に応じて、変化し易い値である。即ち、晴れ状態であるときには、空転及び滑走が比較的少ないため、誤差量Δbは比較的小さい値になるのに対して、
雪状態であるときには、空転及び滑走が比較的多いため、誤差量Δbは比較的大きい値になる。そして、上述した予測誤差比率αは、誤差量Δbが蓄積されたものであるため、現地点での天候状態と同一の天候状態であるときに算出された値の方が、現地点での走行距離Zの予測誤差比率αとして正確な値になる。こうして、本実施形態では、後述するように、天候状態に応じて任意個数Lが設定されるようになっている。
天候状態判断部54は、天候状態を判断して、図2に示すように、天候状態を示す信号wを予測誤差比率算出部53及び走行距離決定部60に出力するものである。第1実施形態では、天候状態判断部54が、外気温を検出する温度センサ(図示省略)、降水量を検出するレインセンサ(図示省略)の検出結果に基づいて、晴れ状態と雨状態と雪状態とを区別して判断するようになっている。なお、判断される天候状態は、晴れ状態と雨状態と雪状態とに限定されるものではなく、更に外気温が0度以上である状態、外気温が0度未満である状態等を含むものであっても良い。なお、図2では、予測誤差比率算出部53及び走行距離決定部60が天候状態を示す信号wを入力する場合が示されているが、予測誤差比率算出部53及び走行距離決定部60の何れか一方が天候状態を示す信号wを入力する場合であっても良い。
ここで、図4及び図5に示すように、1日前及び2日前に鉄道車両1が走行したときの天候状態が共に晴れ状態である。このため、このときには、予測誤差比率算出部53が晴れ状態を示す信号w1を入力していて、晴れ状態における誤差比率(Δb1/D2)及び誤差比率(Δb2/D2)を蓄積している。これにより、予測誤差比率算出部53は、晴れ状態における誤差比率の個数として、任意個数Lを2に設定して、晴れ状態の予測誤差比率α1を算出する。即ち、晴れ状態の予測誤差比率α1は、{(Δb1/D2)+(Δb2/D2)}÷2になる。
なお、第1実施形態では、地上子T(2)と地上子T(3)の間の区間を走行している間に天候状態が変わらない理想的な状態で説明したが、例えば、図4に示す1日前において、地上子T(2)と地上子T(3)の間の区間を走行している間に晴れ状態から雨状態に切り替わった場合には、このときに算出される誤差比率(Δb1/D2)を考慮しないようにすれば良い。
また、図6に示すように、3日前に鉄道車両1が走行したときの天候状態が雨状態である。このため、このときには、予測誤差比率算出部53が雨状態を示す信号w2を入力していて、雨状態における誤差比率(Δb3/D2)を蓄積している。これにより、予測誤差比率算出部53は、雨状態における誤差比率の個数として、任意個数Lを1に設定して、雨状態の予測誤差比率α2を算出する。即ち、雨状態の予測誤差比率α2は、(Δb3/D2)÷1になる。
また、図7に示すように、4日前に鉄道車両1が走行したときの天候状態が雪状態である。このため、このときには、予測誤差比率算出部53が雪状態を示す信号w3を入力していて、雪状態における誤差比率(Δb4/D2)を蓄積している。これにより、予測誤差比率算出部53は、雪状態における誤差比率の個数として、任意個数Lを1に設定して、雪状態の予測誤差比率α3を算出する。即ち、雪状態の予測誤差比率α3は、(Δb4/D2)÷1になる。
走行距離決定部60は、現地点での走行距離Zを決定するものである。走行距離決定部60は、現地点において、晴れ状態の予測誤差比率α1と雨状態の予測誤差比率α2と雪状態の予測誤差比率α3を入力している。また、走行距離決定部60は、距離算出部40によって演算されている直前の地上子T(2)からの実測距離Sx(図3参照)を入力するとともに、天候状態判断部54によって判断されている現地点での天候状態(晴れ状態)を示す信号w1を入力している。
こうして、走行距離決定部60は、晴れ状態の予測誤差比率α1を用いて、以下の数1によって、現地点での走行距離Zを算出している。本実施形態では、以下の数1のαに晴れ状態の予測誤差比率α1が代入される。
Figure 2014097704
上記した数1の右辺の第1項は、直前の地上子T(2)からの実測距離Sxを予測誤差比率α1で補正して、地上子T(2)から現地点までの予測走行距離Dx(図3参照)を示したものである。ここで、α×Sxの部分が実測距離Sxに対する予測誤差量(Dx−Sx(図3参照))を意味している。そして、上記した数1の右辺の第2項は、走行開始位置と直前の地上子T(2)との間の絶対距離Dy(図3参照)を示したものである。従って、直前に検知した地上子T(2)からの実測距離Sxと、この実測距離Sxに対する予測誤差量(α×Sx)と、地上子T(2)までの絶対距離Dyとの加算によって走行距離Zが算出される。言い換えると、過去の同一の天候状態である区間で算出された予測誤差比率α1と、直前に検知した地上子T(2)からの実測距離Sxと、地上子T(2)までの絶対距離Dyとに基づいて、現地点での走行距離Zを決定できるようになっている。
本実施形態では、走行距離決定部60及び誤差比率演算部50が、例えば5msec毎に各値を入力及び演算して、走行距離Zを逐次決定する。なお、走行距離決定部60は、現地点で雨状態の信号w2を入力した場合には、上記した数1に雨状態の予測誤差比率α2を代入し、現地点で雪状態の信号w3を入力した場合には、上記した数1に雪状態の予測誤差比率α3を代入して、走行距離Zを逐次決定し直すことになる。
ここで、仮に電波障害等によって、車上子10が地上子T(2)を検知できなかった場合について、図8を用いて説明する。鉄道車両1は、予め各地上子Tの位置情報をデータベース処理部20に記憶していて、図8に示すように、地上子T(1)を通過した後に所定距離の範囲で地上子T(2)を検知しない場合には、車上子10が地上子T(2)を検知できなかったことを認識する。
しかし、鉄道車両1は地上子T(2)と地上子T(3)の間の区間で或る地点を走行していることを認識しているだけであり、地上子T(2)の絶対位置が分からないため、地上子T(2)を通過した際に実測距離Sが地上子T(2)の絶対位置で補正されない。このため、従来の走行距離検出システムでは、検知した前の地上子T(1)から現地点までの位置が大きく離れることになり、実測距離Sに誤差が大きく含まれて、正確な走行距離Zを検出することができなかった。
そこで、この第1実施形態においては、地上子T(2)の絶対位置が分からないが、上述したように、過去に地上子(2)と地上子T(3)との間の区間を走行した際に算出した誤差量Δbを用いて、走行距離Zを逐次決定するようになっている。即ち、走行距離決定部60は、上記した数1のαに晴れ状態の予測誤差比率α1を代入し、上記した数1のSxに、検知した地上子T(1)からの実測距離Sy(図8参照)から地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D1を減算した値を代入し、上記した数1のDyに、走行開始位置から地上子T(2)までの絶対距離を代入することで、現地点での走行距離Zを決定する。この結果、地上子T(2)を検知しなくて、検知した前の地上子T(1)から現地点まで大きく離れても、過去に地上子T(2)と地上子T(3)との間の区間を走行した際に生じた誤差量Δb(誤差比率(Δb/D2)を用いて、正確な走行距離Zを検出できるようになっている。
第1実施形態の作用効果について説明する。
第1実施形態によれば、鉄道車両1が走行中に、過去に走行した際に生じた任意個数Lの誤差比率(Δa/D1),(Δb/D2)を利用することで、予測誤差比率αを算出する。そして、実測距離Sと予測誤差比率αとに基づいて現地点での走行距離Zを逐次決定する。こうして、1つの地上子Tの位置情報に大きく依存せずに、過去に蓄積した誤差比率(Δa/D1),(Δb/D2)から算出する予測誤差比率αを用いることで、実測距離Sを逐次補正しながら走行距離Zを決定する。従って、検知した前の地上子Tからの実測距離Sが大きくなっても、現地点での正確な走行距離Zを検出することができる。
特に、第1実施形態によれば、現在走行している区間と同一の区間、即ち地上子T(2)と地上子T(3)との間の区間で、過去に生じた任意個数Lの誤差比率(Δb/D2)を加算し、且つその加算した値をその任意個数Lで除算することで予測誤差比率αを算出する。このため、現地点での予測誤差比率αには、区間毎に異なる線路の線形や勾配等の影響が反映されるため、より正確な予測誤差比率αを用いて走行距離Zを逐次決定することができる。
更に、第1実施形態によれば、晴れ状態と雨状態と雪状態に区分して、予測誤差比率α1,α2,α3を算出する。そして、現地点での天候状態(晴れ状態)と同一の天候状態で算出された予測誤差比率α1を用いて走行距離Zを決定する。こうして、現地点での天候状態を考慮して走行距離Zを決定するため、現地点でのより正確な走行距離Zを検出することができる。
次に、第2実施形態について、図9〜図12を用いて説明する。第1実施形態では、現在走行している区間と同一の区間で、過去に走行した際に生じた誤差比率(Δb/D2)を加算して予測誤差比率αを算出したが、第2実施形態では、現在走行している区間とは異なり直前に走行したそれぞれ別々の区間で、過去に走行した際に生じた誤差比率を加算して予測誤差比率βを算出するようになっている。このため、各区間において線路の線形や勾配の変化が少ない場合には、第2実施形態のように走行距離Zを検出しても良い。以下、第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を詳細に説明する。
図9は、第2実施形態の走行距離検出システムKS1の構成を詳細に示した図である。また、図10は、鉄道車両1の走行距離Zと走行時間tとの関係を示した図であり、図10の実線は実測距離Sを示している。ここで、図10に示すように、鉄道車両1が、走行開始位置から走行し始めて、地上子T(1)、地上子T(2)、・・・地上子T(15)、地上子T(16)を通過して、現地点では地上子T(16)と地上子T(17)の間の或る地点を走行している場合を想定して説明する。
区間誤差算出部51は、図10に示すように、例えば、地上子T(1)と地上子T(2)とを通過して検知した際に、地上子T(1)と地上子T(2)との間の絶対距離D2からその間の実測距離S2を減算して、誤差量Δd2を算出している。そして、これを現地点まで繰り返し行っている。なお、鉄道車両1が走行を開始して最初に地上子T(1)を検知したときには、走行開始位置と地上子T(1)との間の絶対距離D1からその間の実測距離S1を減算して、誤差量Δd1を算出している。
誤差比率算出部52は、上述した2つの地上子Tの間の絶対距離Dと、その2つの地上子Tの間で生じた誤差量Δdとの誤差比率(Δd/D)を算出するものである。即ち、誤差比率算出部52は、2つの地上子Tの間の1区間において、単位距離当たりに生じる誤差量を算出するものである。算出された誤差比率(Δd/D)は、予測誤差比率算出部53に入力される。例えば、誤差比率算出部52は、地上子T(1)と地上子T(2)とを通過して検知した際に、区間誤差算出部51から入力した誤差量Δd2を絶対距離D2で除算して、誤差比率(Δd2/D2)を算出している。そして、これを現地点まで繰り返し行っている。
予測誤差比率算出部53は、検知した2つの地上子Tの間を1区間として、過去の任意個数(N−M)の区間で生じた誤差比率(Δd/D)を加算したものを、任意個数(N−M)で除算して、予測誤差比率βを算出するものである。即ち、予測誤差比率算出部53は、以下の数2を用いて予測誤差比率βを算出している。算出された予測誤差比率βは、走行距離決定部60に入力される。
Figure 2014097704
ここで、誤差比率(Δd/D)を加算する区間数である任意個数(N−M)について説明する。先ず、誤差量Δdは、例えば晴れ状態、雨状態、雪状態等の天候状態に応じて、変化し易い値である。即ち、晴れ状態であるときには、空転及び滑走が比較的少ないため、誤差量Δdは比較的小さい値になるのに対して、雪状態であるときには、空転及び滑走が比較的多いため、誤差量Δdは比較的大きい値になる。そして、上述した予測誤差比率βは、誤差量Δdが蓄積されたものであるため、現地点での天候状態と同一の天候状態であるときに算出された値の方が、現地点での走行距離Zの予測誤差比率βとして正確な値になる。こうして、本実施形態では、後述するように、現地点での天候状態に応じて、任意個数(N−M)が設定されるようになっている。
天候状態判断部54は、天候状態を判断して、天候状態を示す信号fを予測誤差比率算出部53及び走行距離決定部60に出力するものである。第2実施形態では、天候状態判断部54が、外気温を検出する温度センサ(図示省略)、降水量を検出するレインセンサ(図示省略)の検出結果に基づいて、晴れ状態と雨状態と雪状態とを区別して判断するようになっている。なお、判断される天候状態は、晴れ状態と雨状態と雪状態とに限定されるものではなく、更に外気温が0度以上である状態、外気温が0度未満である状態等を含むものであっても良い。
ここで、図11は、鉄道車両1が各地上子Tを通過したときの天候状態を示した図である。第2実施形態では、図11に示すように、鉄道車両1が走行開始位置から地上子T(1)を通過するまで晴れ状態であり、鉄道車両1が地上子T(1)から地上子T(2)を通過するまで雨状態であり、鉄道車両1が地上子T(2)を通過して以降雪状態である場合について、説明する。なお、第2実施形態では、地上子T(1)及び地上子T(2)を通過した瞬間に天候状態が切り替わる理想的な状況で説明するが、2つの地上子Tの間にいる地点で天候状態が変わるときには、その地上子Tの間で算出する誤差比率(Δd/D)を考慮しないようにすれば良い。
こうして、図11に示す場合、鉄道車両1が走行開始位置から地上子T(1)を通過するまで、予測誤差比率算出部53は、晴れ状態を示す信号f1を入力していて、上記した数1にN=1とM=0を代入して、晴れ状態の予測誤差比率β1を算出する。そして、鉄道車両1が地上子T(1)から地上子T(2)を通過するまで、予測誤差比率算出部53は、雨状態を示す信号f2を入力していて、上記した数1にN=2とM=1を代入して、雨状態の予測誤差比率β2を算出する。更に、鉄道車両1が地上子T(2)を通過して以降現地点まで、予測誤差比率算出部53は、雪状態を示す信号f3を入力していて、上記した数2にN=16とM=2を代入して、雪状態の予測誤差比率β3を算出する。
走行距離決定部60は、現地点での走行距離Zを決定するものである。走行距離決定部60は、現地点において、晴れ状態の予測誤差比率β1と雨状態の予測誤差比率β2と雪状態の予測誤差比率β3を入力している。また、走行距離決定部60は、距離算出部40が演算している直前の地上子T(16)からの実測距離Sx(図10参照)を入力するとともに、天候状態判断部54が判断した現地点での天候状態(雪状態)を示す信号f3を入力している。
こうして、走行距離決定部60は、雪状態の予測誤差比率β3を用いて、以下の数3によって、現地点での走行距離Zを算出している。第2実施形態では、以下の数3のβに雪状態の予測誤差比率β3が代入され、以下の数3のnに走行開始位置から前に検知できた地上子T(16)までの絶対距離Dの個数16が代入される。
Figure 2014097704
上記した数3の右辺の第1項は、直前の地上子T(16)からの実測距離Sxを予測誤差比率β3で補正して、地上子T(16)から現地点までの予測走行距離Dx(図3参照)を示したものである。ここで、β×Sxの部分が実測距離Sxに対する予測誤差量(Dx−Sx(図10参照))を意味している。そして、上記した数3の右辺の第2項は、走行開始位置と直前の地上子T(16)との間の絶対距離Dy(図10参照)を示したものである。従って、直前に検知した地上子T(16)からの実測距離Sxと、この実測距離Sxに対する予測誤差量(β×Sx)と、地上子T(16)までの絶対距離Dyとの加算によって走行距離Zが算出される。言い換えると、過去の同一の天候状態である区間で算出された予測誤差比率β3と、直前に検知した地上子T(16)からの実測距離Sxと、直前に検知した地上子T(16)までの絶対距離Dyとに基づいて、現地点での走行距離Zを決定できるようになっている。
第2実施形態では、走行距離決定部60及び誤差比率演算部50が、例えば5msec毎に各値を入力及び演算して、走行距離Zを逐次決定する(図10の破線参照)。なお、走行距離決定部60は、現地点で晴れ状態の信号f1を入力した場合には、上記した数3に晴れ状態の予測誤差比率β1を代入し、現地点で雨状態の信号f2を入力した場合には、上記した数3に雨状態の予測誤差比率β2を代入して、走行距離Zを逐次決定し直すことになる。
ここで、仮に電波障害等によって、車上子10が地上子T(16)を検知できなかった場合について説明する。ここで、図12は、従来において地上子T(16)を検知できなかった場合に検出される走行距離Zと、本実施形態において地上子T(16)を検知できなかった場合に検出される走行距離Zとを比較した図である。図12では、従来において
検出される走行距離Zが二点鎖線で示され、第2実施形態において検出される走行距離Z
が破線で示されている。
従来においては、地上子T(16)の位置情報を取得しないと、地上子T(16)の絶対位置が分からないため、地上子T(16)を通過した際に実測距離S16が誤差量Δd16で補正されない。このため、現地点では、検知した前の地上子T(15)から位置が大きく離れることになり、図12の二点鎖線で示すように、実測距離Sxに誤差が大きく含まれて、正確な走行距離Zを検出することができなかった。
これに対して、この実施形態においては、地上子T(16)の絶対位置が分からないが、地上子T(2)から地上子T(15)まで検知した際に各誤差量Δd2、・・・、Δd15を算出して、以下の数4で示される予測誤差比率β4を算出している。
Figure 2014097704
そして、この予測誤差比率β4を上記した数3のβに代入することで、走行距離Zを決定している。この結果、地上子T(16)の絶対位置が分からなくても、誤差を大きく含む実測距離Sxに対して予測誤差比率β4で補正するため、図12の破線で示すように、従来の二点鎖線に比べて、正確な走行距離Zを検出することができる。
なお、本実施形態では、その後に地上子T(17)を検知した際に、地上子T(15)と地上子T(17)との間の絶対距離D17と、地上子T(15)からの実測距離S17とから誤差比率(Δd17/D17)を算出し、この誤差比率(Δd17/D17)を上記した数3に代入して予測誤差比率βを新たに算出するようになっている。
第2実施形態の作用効果について説明する。
第2実施形態によれば、鉄道車両1が走行中に、過去に走行した際に生じた任意個数(N−M)の誤差比率(Δd/D)を利用することで、予測誤差比率βを算出する。そして、実測距離Sと予測誤差比率βとに基づいて、現地点での走行距離Zを逐次決定する。こうして、1つの地上子Tの位置情報に大きく依存せずに、過去に蓄積した誤差比率(Δd/D)から算出する予測誤差比率βを用いることで、実測距離Sを逐次補正しながら走行距離Zを決定する。従って、検知した前の地上子Tからの実測距離Sxが大きくなっても、現地点での正確な走行距離Zを検出することができる。
また、第2実施形態によれば、図11に示すように、晴れ状態の区間、即ち走行開始位置から地上子T(1)までの区間に予測誤差比率β1を算出し、雨状態の区間、即ち地上子T(1)から地上子T(2)までの区間に予測誤差比率β2を算出し、雪状態の区間、即ち地上子T(2)以降の区間に予測誤差比率β3を算出している。そして、現地点での天候状態と同一の天候状態(雪状態)で算出された予測誤差比率β3を用いて走行距離Zを決定する。こうして、現地点での天候状態を考慮して走行距離Zを決定するため、現地点でのより正確な走行距離Zを検出することができる。
以上、本発明に係る鉄道車両の走行検出システムの実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態において、予測誤差比率α1を算出するための誤差比率(Δb/D2)の任意個数は、2であるが蓄積される誤差比率(Δb/D2)の数に応じて適宜変更可能であり、第2実施形態において、予測誤差比率β3を算出するための誤差比率(Δd/D)の任意個数は14であるが、蓄積される誤差比率(Δd/D)の数に応じて適宜変更可能である。
また、各実施形態において、上述した予測誤差量を算出する方法は、どこで平均をとるかによって適宜変更可能である。即ち、例えば誤差比率γ1,γ2,γ3と実測距離Sxがある場合、本実施形態のように予測誤差量=(γ1+γ2+γ3)÷3×Sxで算出する方法の他、γ1×Sx=Sx1,γ2×Sx=Sx2,γ3×Sx=Sx3として、予測誤差量=(Sx1+Sx2+Sx3)÷3で算出しても良い。
また、各実施形態において、現地点での予測誤差比率を算出して走行距離Zを検出したが、通過予定地点の予測誤差比率を算出して走行距離Zを検出しても良い。
1 鉄道車両
10 車上子
20 データベース処理部
30 速度発電機
40 距離算出部
50 誤差比率演算部
51 区間誤差算出部
52 誤差比率算出部
53 予測誤差比率算出部
54 天候状態判断部
60 走行距離決定部
KS,KS1 走行距離検出システム
T 地上子
Δa,Δb,Δd 誤差量
D 絶対距離
S 実測距離
(Δa/D1) 誤差比率
(Δb/D2) 誤差比率
(Δd/D) 誤差比率
α,β 予測誤差比率

Claims (6)

  1. 鉄道車両が走行した距離を実測距離として演算する実測距離演算部と、
    線路に沿って任意の位置に配置された複数の地上子を通過する際に検知した地上子の正確な位置情報を取得する情報取得部と、
    前記演算された実測距離と前記取得された位置情報とによって誤差比率を演算する誤差比率演算部と、
    前記実測距離と前記誤差比率を用いて走行距離を決定する走行距離決定部とを備えた鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記誤差比率演算部は、2つの地上子の間を1区間として、検知した地上子の位置情報から1区間の絶対距離と1区間に生じた誤差量との誤差比率を求めて蓄積し、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を用いて予測誤差比率を算出するものであり、
    前記走行距離決定部は、直前に通過した地上子からの実測距離と前記予測誤差比率とに基づいて現地点での走行距離を逐次決定するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
  2. 請求項1に記載された鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記誤差比率演算部は、現在走行している区間と同一の区間で、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を加算し且つその加算した値を前記任意個数で除算することで前記予測誤差比率を算出するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
  3. 請求項2に記載された鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記誤差比率演算部は、天候状態に応じて区分された予測誤差比率を算出するものであり、
    前記走行距離決定部は、現地点での天候状態と同一の天候状態で算出された予測誤差比率を用いて現地点での走行距離を逐次決定するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載された鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記走行距離決定部は、直前に通過した地上子からの実測距離と、この実測距離に対する予測誤差量と、直前に通過した地上子までの絶対距離との加算によって現地点での走行距離を逐次決定するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
  5. 請求項1に記載された鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記誤差比率演算部は、現在走行している区間とは異なり直前に走行したそれぞれ別々の区間で、過去に走行した際に生じた任意個数の誤差比率を加算し且つその加算した値を前記任意個数で除算することで前記予測誤差比率を算出するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
  6. 請求項5に記載された鉄道車両の走行距離検出システムにおいて、
    前記誤差比率演算部は、天候状態に応じて区分された予測誤差比率を算出するものであり、
    前記走行距離決定部は、現地点での天候状態と同一の天候状態で算出された予測誤差比率を用いて現地点での走行距離を逐次決定するものであることを特徴とする鉄道車両の走行距離検出システム。
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