JP6509573B2 - 鉄道車両の走行位置検出システム - Google Patents
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Description
また、鉄道車両が、線路近くに設置された識別子の識別子情報を読み込んで、特定路線のうちの、鉄道車両が走行している特定路線区間を決定する特定路線決定手段を有するものを本出願人は、台湾に出願し、公開されている(特許文献2)。
(1)直前に通過した曲線部の形状と、鉄道車両が通過し得る全ての曲線部の中で何れかの曲線部の形状とが似ている場合がある。この場合、特許文献1の地点検知方法において、直前に曲線部を通過したときに測定した実測曲率と、通過し得る曲線部毎に予め記憶しているデータ曲率とを相関関数を用いて相関演算すると、設定値以上になる相関値の最大値が複数個存在して、実測曲率と各データ曲率とが一致する地点が非常に特定し難い。
この結果、鉄道車両は直前に通過した曲線部がどの曲線部なのかが明確に分からず、自車の走行位置を検出できない可能性があった。要するに、複数本の線路が並行して敷設された区間を走行する場合、片側通行が主流である状況においては、形状が類似した曲線部が検出され難くて、特定する曲線部を誤認することが少ない。しかしながら、単線双方向運用を行う状況においては、並行する複数の線路上に形状が類似した曲線部が存在し、それらを区別する必要がある。
(2)特に、複数路線網では、曲線部の個数が多くなるため、データの処理時間が長くなり、実用上問題となっていた。
(1)鉄道車両が、複数路線網から選択された複数の特定路線区間を含む特定路線を走行すること、鉄道車両が自車の走行位置を検出すること、を備える鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、鉄道車両は、線路近くに設置された識別子の識別子情報を読み込んで、特定路線のうちの、鉄道車両が走行している特定路線区間を決定する特定路線区間決定手段と、複数の路線網を鉄道車両が走行したときの実測走行データを記憶する走行データ記憶手段と、特定路線区間決定手段が決定した特定路線区間内のみにおける特定路線内の実測走行データを、走行データ記憶手段から読み出し、現在走行中に検知している現在走行データと比較することにより、自車の走行位置を検出すること、を特徴とする。
この場合には、複数路線網のうち、自車が走行している特定路線を決定し認識しているので、実測走行データのうち、その特定路線内のデータ曲線情報のみを読み出して、現在走行中に検知している現在走行データである実測曲線情報と比較すればよいため、処理を必要とするデータ量を大幅に低減でき、鉄道車両の傾斜制御をリアルタイムで適確に行うことができる。
この場合には、曲線部間の曲線間長の一致度合いを曲線間長一致率として数値化して、曲線間長一致率と各単曲線一致率とを乗算して総合一致率を演算する。こうして、総合一致率を演算するためのパラメータとして曲線間長の一致度合いを含めることで、より正確な総合一致率を演算することができる。
この場合には、候補曲線情報群を絞り込むことで、候補曲線情報群毎に演算する総合一致率の数が少なくなる。このため、総合一致率を演算するための計算量が少なくなり、計算負荷を軽減することができる。
この場合には、仮に直前に通過した曲線部及び直前より前に通過した曲線部と似ている複数の曲線部が存在していると、基準値より大きい総合一致率が2つ以上存在する可能性がある。このようなときに、単曲線一致率の数を増やして新たに総合一致率を演算することで、正しい結果を示す総合一致率のみが大きな値になる。こうして、繰り返し総合一致率を演算することで、直前に通過した曲線部を確実に特定することができる。
(8)(7)に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、前記パラメータについて、0から1までの範囲で一致度合いを算出し、その乗算で前記単曲線一致率を演算することで個々の曲線部を評価することを特徴とする。
これらの場合には、一つの曲線部の一致度合いを意味する単曲線一致率を演算するために、相関演算せずに、曲線部のパラメータの各部分一致率を算出して、各部分一致率を乗算する。個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、曲線部を構成するパラメータについて、0.0〜1.0の範囲で一致度合いを算出し、その乗算で単一の曲線部としての一致度合いを算出することで、個々の曲線部を評価する。パラメータごとに、部分一致率に重みづけをすることで、変動の大きなパラメータの寄与度を調整することが可能となり、線路の状況に応じて変化しやすい値であっても、乗算の集合である単曲線一致率への影響を抑えることができる。従って、相関演算する場合のように、正確な結果を得るために何度か走行試験で取得した情報(データ曲率等)を加工して、常に更新する必要はなくて、各曲線部に対して予め記憶しているデータ曲線情報だけを利用して実施することができる。
(10)(9)に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、前記通過曲線情報作成部は、前記通過曲線情報の実測値として、実測入口緩和曲線長と、実測円曲線長と、実測出口緩和曲線長とを含め、前記候補曲線情報作成部は、前記候補曲線情報のデータ値として、データ入口緩和曲線長と、データ円曲線長と、データ出口緩和曲線長とを含めることを特徴とする。
これらの場合には、走行中に測定する実測曲率半径又は実測曲率と、実測入口緩和曲線長と、実測円曲線長と、実測出口緩和曲線長は、その他に測定する値に比べて、真値に近い正確な値を測定できるものである。従って、各部分一致率を算出するための実測値として相応しく、より正確な単曲線一致率を演算することができる。
この場合には、曲線部を特徴づける各パラメータに曲線方向を含めるため、曲線部を特定する際に、その曲線部の曲がっている方向が分かることになる。即ち、一つの曲線部であっても、例えば順行するときには右向きに曲がる曲線部であり、逆行するときには左向きに曲がる曲線部になるため、曲線部の曲がっている方向が分かることで、順行しているのか又は逆行しているのかが分かる。
(13)(12)に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、前記パラメータについて、0から1までの範囲で一致度合いを算出し、その乗算で単曲線一致率を演算することで個々の曲線部を評価することを特徴とする。
始めに、地上子である識別子を読み込む(S1)。次に、複数の路線網の中から鉄道車両である自車が走行している特定路線区間を決定する(S2)。S2の特定路線区間の決定方法の詳細について、特許文献2を参照されたい。
次に、複数の路線網を鉄道車両が走行したときの実測走行データを記憶する走行データ記憶手段から、S2で決定された特定路線区間内の実測走行データを読み出す(S3)。
次に、現在の自車の現在走行データを取得する(S4)。次に、S3で読み出した特定路線区間内の実測走行データと、S4で取得した現在走行データとを比較して、自車の現在の走行位置を検出する(S5)。S5については、後で詳細に説明する。
図1は、本実施形態の走行位置検出システムKSの構成を示した図である。走行位置検出システムKSは、図1に示すように、鉄道車両1に組み込まれたものであり、鉄道車両1は、車上子2と、速度発電機3と、ヨー角速度センサ4とを備えている。
走行位置検出システムKSは、実測距離演算部10と、走行速度演算部20と、データベース処理部30と、通過曲線情報作成部40と、候補曲線情報作成部50と、候補曲線情報群作成部50Aと、一致率演算部60と、曲線特定部70と、実測距離補正部80とを備えていて、周知のCPU、RAM、ROM、入出力インタフェース、及びこれらを接続するバスからなる電子制御装置によって実現されている。
速度発電機3は、鉄道車両1の走行速度V(km/h)を測定するためのものであり、車輪の車軸に取付けられていて、車軸の回転に伴って発生するパルス又は正弦波の出力信号を走行速度演算部20に出力する。なお、速度発電機3の出力の方式は特に限定されるものではない。ヨー角速度センサ4は、車体に作用するヨー角の時間的変化をヨー角速度θ(rad/s)として検出する。検出されたヨー角速度θは、通過曲線情報作成部40に送信される。
そこで、本実施形態の走行位置検出システムKSは、万一地上子Tが検知できなかった場合であっても、線路の曲線部を通過するときの実測値に基づいて、通過した曲線部を特定して、自車の走行位置を検出することができるように構成されている。以下、走行位置検出システムKSの各処理部30〜80の構成について、図3〜図18を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の路線状況を示した図である。
鉄道車両1は、これら西線W及び東線Eの両方の線路において、北側及び南側の双方向に向かって走行するようになっている。即ち、鉄道車両1が走行する路線状況は、単線並列による双方向運用になっている。ここでは、北側に向かって走行する場合を「順行」と呼び、南側に向かって走行する場合を「逆行」と呼ぶことにする。また、曲線部W1と曲線部W2の間の直線部分と、曲線部E1と曲線部E2の間の直線部分との間には、渡り線C1,C2が配置されていて、鉄道車両1は渡り線C1,C2を通って西線Wから東線Eへ、又は東線Eから西線Wへ移ることができるようになっている。
ここで、データベース処理部30が予め記憶している情報値について、図5を参照しながら説明する。図5は、データベース処理部30が各曲線部E1,E2,E3,W1,W2,W3毎に記憶している情報値を模式的に示した図である。先ず、「a」の文字は、円曲線の曲率半径を意味している。そして、「b」の文字は、入口緩和曲線の長さを意味していて、「c」の文字は、円曲線の長さを意味していて、「d」の文字は、出口緩和曲線の長さを意味している。
また、直前より1つ前に通過した曲線部(実際には、曲線部E1)の通過曲線情報を「R2」で表わし、各実測値を、実測曲率半径R2az、実測入口緩和曲線長R2bz、実測円曲線長R2cz、実測出口緩和曲線長R2dz、実測曲線方向R2ez、実測曲線間長R2fzで表わすことにする。また、直前より2つ前に通過した曲線部の通過曲線情報を「R3」で表わし、各実測値を、実測曲率半径R3az、実測入口緩和曲線長R3bz、実測円曲線長R3cz、実測出口緩和曲線長R3dz、実測曲線方向R3ez、実測曲線間長R3fzで表わすことにする。なお、通過曲線情報作成部40は、鉄道車両1が新たに曲線部を通過したときに測定した通過曲線情報Rを、直前の通過曲線情報R1として、それまでの通過曲線情報R1,R2,R3,・・・を一つ前の通過曲線情報R2,R3,・・・に更新する。
ここで、図6に示したヨー角速度θが増加する区間Aにおいて、ヨー角速度θを走行速度Vで除算して曲率を算出し、その曲率と円曲線の曲率(最大の曲率)との曲率比αが、図7の実線で示されている。そして、図7において、波形状に示された曲率比αの時間微分が、曲率微分値βとして破線で示されている。
また、図6に示したヨー角速度θが減少する区間Bにおいて、ヨー角速度θを走行速度Vで除算して曲率を算出し、その曲率と円曲線の曲率(最大の曲率)との曲率比αが、図8の実線で示されている。そして、図8において、波形状に示された曲率比αの時間微分が、曲率微分値βとして破線で示されている。
こうして、緩和曲線開始位置、円曲線開始位置、円曲線終了位置、緩和曲線終了位置が分かることによって、緩和曲線開始位置と円曲線開始位置との間の実測距離Sが実測入口緩和曲線長bzになり、円曲線開始位置と円曲線終了位置との間の実測距離Sが実測円曲線長czになり、円曲線終了位置と緩和曲線終了位置との間の実測距離Sが実測出口緩和曲線長dzになる。そして、曲線部を通過したときに検出するヨー角速度θの正負によって、右向きに曲がる曲線部又は左向きに曲がる曲線部が分かるため、実測曲線方向ezが分かる。なお、実測曲線方向ezは、例えば、右向きに曲がる曲線部の場合に「+1」に定義し、左向きに曲がる曲線部の場合に「−1」に定義すれば良い。また、通過した2つの曲線部において、一方の曲線部の緩和曲線終了位置と他方の曲線部の緩和曲線開始位置が分かるため、実測曲線間長fzが分かる。
図10に示すように、単曲線一致率演算処理では、先ず、候補曲線情報作成部50が、データベース処理部30に記憶された全ての曲線部、即ち鉄道車両1が通過し得る全ての曲線部に対応する候補曲線情報Kを作成する(ステップ110)。続いて、通過曲線情報作成部40が、直前に通過した曲線部の通過曲線情報R1(図3参照)を用意する(ステップ120)。なお、以下の説明では、候補曲線情報Kを作成する対象の曲線部が、路線に存在する全ての曲線部(曲線部W1,W2,W3,E1,E2,E3)としているが、直前に走行している路線が分かっている場合においてその路線から遷移可能な路線に存在する曲線部としても良い。
各候補曲線情報Kでは、仮に鉄道車両1が西線Wを南側から順行(北側に向かって走行)した場合を想定すると、曲線部W1,W2,W3を順番に通過するため(図3参照)、曲線部W1,W2,W3の順番に、候補曲線情報KW1n,KW2n,KW3nを対応させている。なお、候補曲線情報Kの最後の文字には、北側に向かって走行した場合を意味するnを付して区別している。例えば、候補曲線情報KW3nは、曲線部W3を北側に向かって通過した場合の候補曲線情報Kを意味している。
東線Eでも同様に、仮に鉄道車両1が東線Eを南側から順行した場合を想定すると、曲線部E1,E2,E3を順番に通過するため、曲線部E1,E2,E3の順番に、候補曲線情報KE1n,KE2n,KE3nを対応させている。また、仮に鉄道車両1が東線Eを北側から逆行した場合を想定すると、曲線部E3,E2,E1を順番に通過するため、曲線部E3,E2,E1の順番に、候補曲線情報KE1s,KE2s,KE3sを対応させている。
例えば、上述したように、候補曲線情報KW3nは、曲線部W3を北側に向かって通過した場合の候補曲線情報Kを意味しているため、候補曲線情報作成部50は、候補曲線情報KW3nの各データ値として、曲線部W3のデータ曲線情報DW3の各情報値(図5参照)に基づいて、データ曲率半径W3a−n、データ入口緩和曲線長W3b−n、データ円曲線長W3c−n、データ出口緩和曲線長W3d−n、データ曲線方向W3e−nを作成する。なお、データ曲線方向W3e−nは、曲線部W3を北側に向かって通過する場合の曲線方向として、例えば左向きに曲がることを意味する「−1」が入る。また、候補曲線情報作成部50は、データ曲線情報DW3とデータ曲線情報DW2に基づいて、曲線部W2の緩和曲線終了位置p4から曲線部W3の緩和曲線開始位置p1までの距離であるデータ曲線間長W3f−nを作成する。
上記した数1で算出される部分一致率Hは、0から1までの範囲でどのくらい実測値とデータ値とが一致しているかを数値で表わしたものであり、部分一致率Hが大きい程、実測値とデータ値とが一致していることを意味する。上記した数1の場合、実測値がデータ値の2倍より大きい値であると、部分一致率Hが0より小さい値になる。従って、本実施形態では、部分一致率Hが0より小さい場合には、「0」と定義するようになっている。
すなわち、実測曲率半径R1azとデータ曲率半径W1a−nとの部分一致率Haは、上記した数1の実測値に実測曲率半径R1azが代入され、上記した数1のデータ値にデータ曲率半径W1a−nが代入されて、算出される。同様に、実測入口緩和曲線長R1bzとデータ入口緩和曲線長W1b−nとの部分一致率Hb、実測円曲線長R1czとデータ円曲線長W1c−nとの部分一致率Hc、実測出口緩和曲線長R1dzとデータ出口緩和曲線長W1d−nとの部分一致率Hd、実測曲線方向R1ezとデータ曲線方向W1e−nとの部分一致率Heが算出される。なお、実測曲線方向R1ezとデータ曲線方向W1e−nとの部分一致率Heは、例えば、上記した数1を用いずに、同じ値(同じ曲線方向)である場合には「1」になり、異なる値(逆の曲線方向)である場合には「−1」になるように設定しても良い。そして、これら各部分一致率Ha,Hb,Hc,Hd,Heが全て乗算されることで、直前の通過曲線情報R1と候補曲線情報KW1nとの単曲線一致率IW1n(図12参照)が演算される。なお、単曲線一致率Iは1つの曲線部の一致度合いを表すものであるため、単曲線一致率IW1nを演算する際に、直前の通過曲線情報R1に含まれる実測曲線間長R1fz及び候補曲線情報KW1nに含まれるデータ曲線間長W1f−nが用いられることはない。
すなわち、一つの曲線部の一致度合いを意味する単曲線一致率IW1nを演算するために、相関演算せずに、曲線部のパラメータの各部分一致率Ha,Hb,Hc,Hd,Heを算出して、各部分一致率Ha,Hb,Hc,Hd,Heを乗算する。個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、曲線部を構成するパラメータについて、0.0〜1.0の範囲で一致度合いを算出し、その乗算で単曲線一致率IW1nを演算することで、個々の曲線部を評価する。パラメータごとに、部分一致率Hに重みづけをすることで、変動の大きなパラメータの寄与度を調整することが可能となり、線路の状況に応じて変化しやすい値であっても、乗算の集合である単曲線一致率Iへの影響を抑えることができる。従って、相関演算する場合のように、正確な結果を得るために何度か走行試験で取得した情報(データ曲率等)を加工して、常に更新する必要はなくて、各曲線部に対して予め記憶しているデータ曲線情報Dだけを利用して実施することができる。
ところで、上述したように残った単曲線一致率Iが2つ以上存在する場合とは、直前の通過曲線情報R1が各候補曲線情報KW1n〜KE3sのうち2つ以上の候補曲線情報Kと非常に似ている、即ち直前に通過した曲線部が全ての曲線部の中で2つ以上の曲線部と非常に似ている場合を意味している。具体的に、本実施形態では、直前に通過した曲線部が、順行(北側に向かって走行)する場合の曲線部W2、及び順行する場合の曲線部E2と非常に似ている場合を意味している。
上記した仮の場合では、ステップ180において、曲線特定部70が直前に通過した曲線部を特定できないため、鉄道車両1が次の曲線部を通過するまで走行位置検出システムKSの実行を待機する。これは、直前に通過した曲線部を誤って特定することを回避するためである。従って、ステップ180に進んだ段階では、次の曲線部を通過するまで待機して、鉄道車両1が新たに曲線部を通過した段階でステップ120に戻る。そして、新たに用意する直前の通過曲線情報R1に基づいて上述したステップ120〜160の処理が実行されるようになっている。
その後、ステップ191において、実測距離補正部80は、上述したように特定された曲線部W2に基づいて、実測距離Sを補正する。即ち、鉄道車両1は、直前に曲線部W2を北側に向かって走行したことが分かると共に、その曲線部W2の緩和曲線終了位置p4(図4参照)が分かるため、実測距離補正部80が現地点での実測距離Sを、曲線部W2の緩和曲線終了位置p4から測定された実測距離Sを用いて補正する。こうして、鉄道車両1は、直前に通過した曲線部を特定することで、自身の走行位置を検出できるようになっている。ステップ191の後、ステップ192に進み、走行位置検出システムKSが終了する。
しかしながら、上述したように、本実施形態では、直前に通過した曲線部が曲線部W2又は曲線部E2のどちらなのかが分からなかったため、単曲線一致率演算処理後に、候補曲線情報群作成処理が実行される。先ず、図13に示すように、ステップ210において、通過曲線情報作成部40は、直前より1つ前に通過した曲線部の通過曲線情報R2(図3参照)を用意する。次に、ステップ220において、候補曲線情報群作成部50Aは、連続して通過する2つの曲線部に対応する2つの候補曲線情報Kの組み合わせを、各候補曲線情報群Gとして用意する。
ここで、図14は、候補曲線情報群作成部50Aが用意する各候補曲線情報群Gを模式的に示した図である。直前より前に通過した曲線部と、直前に通過した曲線部との組み合わせは、曲線部W1→W2、曲線部W2→W3、曲線部W3→W2、曲線部W2→W1、曲線部E1→E2、曲線部E2→E3、曲線部E3→E2、曲線部E2→E1が考えられる。更に、渡り線C1,C2(図3参照)を通過する場合を含めると、曲線部W1→E2、曲線部W1→E1(順行から逆行)、曲線部W2→E1、曲線部W2→E2(逆行から順行)、曲線部E1→W2、曲線部E1→W1(順行から逆行)、曲線部E2→W1、曲線部E2→W2(逆行から順行)が考えられる。
また、本実施形態では、各候補曲線情報群G1(W1→W2)〜G16(E2→W2)には、それぞれデータ曲線間長Fが含まれるようになっている。例えば、候補曲線情報群G1(W1→W2)は、曲線部W1を順行して通過した後に、曲線部W2を順行して通過した場合を想定しているため、曲線部W1の緩和曲線終了位置p4から曲線部W2の緩和曲線開始位置p1までのデータ曲線間長F1を含んでいる。なお、このデータ曲線間長F1は、候補曲線情報KW2nに含まれるデータ曲線間長W2f−nと同じものである。
総合一致率演算処理では、先ず、図16に示すように、ステップ310において、一致率演算部60は、絞り込まれた候補曲線情報群G毎に、直前より前の曲線部の一致度合いを意味する単曲線一致率IIを演算する。この単曲線一致率IIは、直前より前の通過曲線情報R2と、対象になる候補曲線情報Kとが、0から1までの範囲でどのくらい一致しているかを数値で表わしたものである。単曲線一致率IIが1に近い程、直前より前の通過曲線情報R2と、対象になる候補曲線情報Kとが一致していることを意味する。本実施形態において、対象になる候補曲線情報Kは候補曲線情報KW1n,KE1n,KW2s,KE2sであるため(図15参照)、単曲線一致率IIを演算するために、上記した数1を用いて、直前の通過曲線情報R2の各実測値と各候補曲線情報のKW1n,KE1n,KW2s,KE2sの各データ値とによって、部分一致率Hが演算される。
上記した場合では、ステップ570において、曲線特定部70が直前に通過した曲線部を特定できないため、鉄道車両1が次の曲線部を通過するまで走行位置検出システムKSの実行を待機する。これは、直前に通過した曲線部を誤って特定することを回避するためである。従って、ステップ570に進んだ段階では、次の曲線部を通過するまで待機して、鉄道車両1が新たに曲線部を通過した段階でステップ100に戻る。そして、新たに用意する直前の通過曲線情報R1、直前より前の通過曲線情報R2、実測曲線間長R1fzに基づいて、走行位置検出システムKSの処理が実行されるようになっている。
また、本実施形態と異なる場合として、仮に、総合一致率J9及び総合一致率J13が基準値Jaより大きい結果が得られた場合(以下、「仮定の場合」と呼ぶ)、ステップ530において、残った総合一致率Jが2つであるため、「No」と判断されて、ステップ400のサブルーチンに進み、新総合一致率演算処理が実行されるようになっている(ステップ400)。これは、直前に通過した曲線部及び直前より前に通過した曲線部が、候補の中で似ているものが2つ以上存在するという結果が得られた場合の処理である。
次に、ステップ420において、候補曲線情報群作成部50Aは、基準値Jaより大きい総合一致率Jの原因になった各候補曲線情報群Gに対して、新たに用意した通過曲線情報Rに対応する候補曲線情報Kを含めて、新しい各候補曲線情報群Gnを作成する。このため、仮定の場合では、候補曲線情報群G9及び候補曲線情報群G13に対して、直前より前の前に通過したと考えられる曲線部の候補曲線情報Kを含めて、新しい各候補曲線情報群Gn9,Gn13,・・・を作成する。
続いて、ステップ430において、一致率演算部60は、新たに用意した通過曲線情報Rと、新しい各候補曲線情報群Gnの中で対応する候補曲線情報Kとの追加単曲線一致率Inを演算する。このため、仮定の場合では、直前より前の前の通過曲線情報R3の各実測値と、新しい各候補曲線情報群Gn9,Gn13,・・・の中で対応する候補曲線情報Kの各データ値とを、上記した数1に代入して、各部分一致率Hを算出して、追加単曲線一致率Inを演算する。
最後に、ステップ450において、一致率演算部60は、新しい候補曲線情報群Gn毎に、それまでの総合一致率Jに対して、追加単曲線一致率In及び追加曲線間長一致率Lnを乗算して、新たに総合一致率Jを演算する。こうして、新総合一致率演算処理では、より多くの実測値及びデータ値を用いて、通過した複数の曲線部の一致度合いとして新たに総合一致率Jを演算するようになっている。このため、仮定の場合のように、総合一致率J9及び総合一致率J13が基準値Jaより大きい結果が得られた場合であっても、新総合一致率演算処理を実行することで、正しい結果を示す総合一致率Jのみが大きな値になるように演算することができる。
本実施形態によれば、一つの曲線部を通過したときに得られる通過曲線情報R1に基づいて一つの曲線部の一致度合い(単曲線一致率I)を比較するのではなく、複数の曲線部を通過したときに得られる複数の通過曲線情報R1,R2に基づいて複数の曲線部の集まりの一致度合い(総合一致率J)を比較している。即ち、一つずつの曲線部の一致度合いを単曲線一致率I,IIとして数値化し、更に曲線部間の曲線間長の一致度合いを曲線間長一致率Lとして数値化して、各単曲線一致率I,IIと曲線間長一致率Lとを乗算して総合一致率Jを演算している。このため、実際に直前に通過した曲線部W2とそれ以外の曲線部E2との形状とが似ていても、正しい結果を示す総合一致率J13のみを大きな値で表わすことができる。従って、直前に通過した曲線部がどの曲線部なのかが的確に特定できて、鉄道車両は自身の走行位置を検出することができる。
また、本実施形態によれば、上述したように、総合一致率Jを演算するためのパラメータとして、一つずつの曲線部の一致度合いだけでなく、曲線間長の一致度合いも含めることで、より正確な総合一致率Jを演算している。更に、本実施形態では、通過曲線情報Rの実測値として、実測曲率半径azと、実測入口緩和曲線長bzと、実測円曲線長czと、実測出口緩和曲線長dzとを用いている。これは、上記した各実測値が、その他の測定値に比べて、走行中に真値に近い正確な値を測定できるためである。従って、各部分一致率Hを算出するための実測値として相応しく、より正確な単曲線一致率I,IIを演算することができる。
また、本実施形態によれば、候補曲線情報群作成部50Aは、通過する2つの曲線部の全ての組み合わせに対応する各候補曲線情報群G1〜G16(図14参照)を、単曲線一致率Iを演算した結果に基づいて、各候補曲線情報群G1,G5,G9,G12,G13,G16に絞り込む。これにより、候補曲線情報群G毎に演算する総合一致率Jの数が少なくなる。この結果、総合一致率Jを演算するための計算量を少なくすることができて、計算負荷を軽減することができる。
先ず、図19は、相関演算する方法を説明するための図であり、或る曲線部のデータ曲率が波形状に実線で示され、或る曲線部を通過したときに測定された実測曲率が波形状に破線で示されている。図19に示すように、相関演算する方法では、データ曲率である実線と実測曲率である破線との一致度合いを求めるために、実線と破線の差である斜線で示した面積が最小になる地点を探すことになる。言い換えると、斜線で示した面積が最小になる地点を探すために、データ曲率と実測曲率を逐次読み込んで相関関数を用いて相関演算している。
一方、図20は、上記した数1を用いて演算する方法を説明するための図であり、或る曲線部のデータ曲率が波形状に実線で示され、或る曲線部を通過したときに測定された実測曲率が破線で示されている。上記した数1を用いて演算する方法は、概念的には以下のように説明することができる。先ず、図20に示すように、線路の曲線部は入口緩和曲線と円曲線と出口緩和曲線とで構成されることに基づいて、実測曲率である破線を、入口緩和曲線と円曲線と出口緩和曲線とで直線状に区分けされた二点鎖線で理想化している。破線を直線状の二点鎖線で理想化できると考えたのは、円曲線での曲率の変化幅Z1は、曲線部全体での曲率の変化幅Zに比べて十分小さく、実測曲率である破線と理想化された二点鎖線との間の誤差は無視できるほど小さいためである。
そして、実線と一点鎖線を比較する方法が、曲線部のパラメータの各部分一致率Hを乗算する方法であるため、データ曲率(データ曲率半径)等の一つのパラメータにおいて、鉄道車両や線路の状況に応じて変化し易い値であっても、乗算の集合である単曲線一致率Iにはほとんど影響はない。従って、相関演算する方法のように、正確な結果を得るために何度か走行試験で取得した情報を加工して、常にデータ曲率を更新する必要はない。即ち、車体傾斜制御するために各曲線部に対して予め記憶しているデータ曲線情報(図5参照)だけを利用して実施することができ、事前にデータを準備する手間をほとんど無くすことができる。
また、上述したように、単曲線一致率Iは任意に選択したパラメータの各部分一致率を乗算するだけで演算されるものであるため、曲線部を特徴づけるために相応しいパラメータを新たに追加したい場合には、追加したパラメータの部分一致率を算出して乗算するだけで、対応することができる。従って、上記した数1を用いて単曲線一致率Iを演算する本実施形態の方法は、柔軟性が高い方法である。
例えば、本実施形態では、部分一致率Hを求めるために上記した数1を用いたが、上記した数1に換えて、変形実施形態として下記の数2を用いても良い。
また、本実施形態では、図9のステップ530及びステップ540に示すように、残った総合一致率Jが1つのみである場合に、直前に通過した曲線部を特定するように設定したが、直前に通過した曲線部を特定する方法は、適宜変更可能である。例えば、残った総合一致率Jが任意の指定数個である場合に、運転士が残った総合一致率Jの値を視覚的に認識することができ、その総合一致率Jの値に応じて直前に通過した曲線部を特定しても良い。
図23は、単曲線一致率Iを演算する本実施形態の方法を説明するための図であり、或る曲線部のデータ曲率が波形状に実線で示され、或る曲線部を通過したときに測定された実測曲率が破線で示されている。単曲線一致率Iを演算する本実施形態の方法は、概念的には以下のように説明することができる。
先ず、図23に示すように、線路の曲線部は入口緩和曲線と円曲線と出口緩和曲線とで構成されることに基づいて、実測曲率である破線を、入口緩和曲線と円曲線と出口緩和曲線とで直線状に区分けされた二点鎖線で理想化している。破線を直線状の二点鎖線で理想化できると考えたのは、円曲線での曲率の変化幅Z1は、曲線部全体での曲率の変化幅Zに比べて十分小さく、実測曲率である破線と理想化された二点鎖線との間の誤差は無視できるほど小さいためである。
そして、実線と二点鎖線を比較する方法が、曲線部のパラメータの各部分一致率Hを乗算する方法であるため、データ曲率(データ曲率半径)等の一つのパラメータにおいて、鉄道車両や線路の状況に応じて変化し易い値であっても、乗算の集合である単曲線一致率Iにはほとんど影響はない。従って、相関演算する特許文献1の方法のように、正確な結果を得るために何度か走行試験で取得した情報を加工して、常にデータ曲率を更新する必要はない。即ち、車体傾斜制御するために各曲線部に対して予め記憶しているデータ曲線情報だけを利用して実施することができ、事前にデータを準備する手間をほとんど無くすことができる。
2 車上子
3 速度発電機
4 ヨー角速度センサ
10 実測距離演算部
20 走行速度演算部
30 データベース処理部
40 通過曲線情報作成部
50 候補曲線情報作成部
50A 候補曲線情報群作成部
60 一致率演算部
70 曲線特定部
80 実測距離補正部
90 車体傾斜制御部
KS 走行位置検出システム
D データ曲線情報
R 通過曲線情報
K 候補曲線情報
G 候補曲線情報群
H 部分一致率
I,II 単曲線一致率
In 追加単曲線間一致率
L 曲線間長一致率
Ln 追加曲線間長一致率
J 総合一致率
a,az データ曲率半径,実測曲率半径
b,bz データ入口緩和曲線長,実測入口緩和曲線長
c,cz データ円曲線長,実測円曲線長
d,dz データ出口緩和曲線長,実測出口緩和曲線長
e,ez データ曲線方向,実測曲線方向
f,fz データ曲線間長,実測曲線間長
Claims (13)
- 鉄道車両が、複数路線網から選択された複数の特定路線区間を含む特定路線を走行すること、前記鉄道車両が自車の走行位置を検出すること、を備える鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記鉄道車両は、線路近くに設置された識別子の識別子情報を読み込んで、前記特定路線のうちの、前記鉄道車両が走行している前記特定路線区間を決定する特定路線区間決定手段と、
前記複数の路線網を前記鉄道車両が走行したときの実測走行データを記憶する走行データ記憶手段と、
前記特定路線区間決定手段が決定した前記特定路線区間内のみにおける前記特定路線内の前記実測走行データを、前記走行データ記憶手段から読み出し、現在走行中に検知している現在走行データと比較することにより、自車の走行位置を検出すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項1に記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
鉄道車両が曲線部を通過したときに測定した実測曲線情報と予め記憶している多数の曲線部のデータ曲線情報とを比較して、どの曲線部を通過したかを特定し、特定した曲線部からの実測距離に基づいて自車の走行位置を検出すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項2に記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
曲線部を通過する毎に、測定した複数の実測値を含む通過曲線情報を作成する通過曲線情報作成部と、
通過し得る全ての曲線部に対応していて、且つ前記データ曲線情報に基づいて前記実測値に対応するデータ値を含む候補曲線情報を作成する候補曲線情報作成部と、
直前の通過曲線情報及び直前より前の通過曲線情報にそれぞれ対応する候補曲線情報の集まりを候補曲線情報群として複数個作成する候補曲線情報群作成部と、
直前の通過曲線情報及び直前より前の通過曲線情報と各候補曲線情報群との一致度合いを求めるために、直前の通過曲線情報と候補曲線情報群の中で対応する候補曲線情報との一致度合いについて0から1までの範囲で大きい値ほど一致していることを表す単曲線一致率を演算すると共に、直前より前の通過曲線情報と候補曲線情報群の中で対応する候補曲線情報との一致度合いについて0から1までの範囲で大きい値ほど一致していることを表す単曲線一致率を演算して、各単曲線一致率を乗算して総合一致率を演算する一致率演算部と、
前記候補曲線情報群毎にそれぞれ演算された総合一致率を比較して直前に通過した曲線部を特定する曲線特定部とを備えていること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項3に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記通過曲線情報作成部は、前記通過曲線情報の実測値として、通過する2つの曲線部間の曲線間長である実測曲線間長を含め、
前記候補曲線情報作成部は、前記候補曲線情報のデータ値として、前記データ曲線情報
に基づいて2つの曲線部間の曲線間長であるデータ曲線間長を含め、
前記一致率演算部は、実測曲線間長とデータ曲線間長との一致度合いについて0から1までの範囲で大きい値ほど一致していることを表わす曲線間長一致率を演算し、且つ前記曲線間長一致率と前記各単曲線一致率とを乗算して総合一致率を演算すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項3又は請求項4に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記一致率演算部は、前記総合一致率を演算する前に、直前の通過曲線情報と各候補曲線情報との一致度合いについて0から1までの範囲で大きい値ほど一致していることを表わす単曲線一致率を演算して、
前記候補曲線情報群作成部は、前記演算された単曲線一致率のうち所定値より大きい単曲線一致率が2つ以上存在する場合、各候補曲線情報群について前記所定値より大きい単曲線一致率が得られる原因になった候補曲線情報を含むように絞り込むこと、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記候補曲線情報群毎に演算された総合一致率のうち基準値より大きい総合一致率が2つ以上存在する場合、
前記通過曲線情報作成部は、それまでに用意していた通過曲線情報より1つ前の通過曲線情報を新たに用意し、
前記候補曲線情報群作成部は、基準値より大きい総合一致率が得られる原因になった各候補曲線情報群に対して、前記新たに用意した通過曲線情報に対応する候補曲線情報を含めて、新しい各候補曲線情報群を作成し、
前記一致率演算部は、前記新たに用意した通過曲線情報と前記新しい候補曲線情報群の中で対応する候補曲線情報との一致度合いについて0から1までの範囲で大きい値ほど一致していることを表す追加単曲線一致率を演算して、この追加単曲線一致率を前記総合一致率に乗算して新たに総合一致率を演算すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項3乃至請求項6の何れか1つに記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記一致率演算部は、前記実測値と前記データ値との差から前記実測値又は前記データ値を除算した値を1から減算して部分一致率を算出し、前記実測値毎に算出した各部分一致率を乗算して、前記単曲線一致率を演算すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項7に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、前記パラメータについて、0から1までの範囲で一致度合いを算出し、その乗算で前記単曲線一致率を演算することで個々の曲線部を評価すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項7又は請求項8に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記通過曲線情報作成部は、前記通過曲線情報の実測値として、実測曲率半径又は実測曲率の実測値を含め、
前記候補曲線情報作成部は、前記候補曲線情報のデータ値として、データ曲率半径又はデータ曲率のデータ値を含めること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項9に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記通過曲線情報作成部は、前記通過曲線情報の実測値として、実測入口緩和曲線長と、実測円曲線長と、実測出口緩和曲線長とを含め、
前記候補曲線情報作成部は、前記候補曲線情報のデータ値として、データ入口緩和曲線長と、データ円曲線長と、データ出口緩和曲線長とを含めること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項7乃至請求項10の何れか1つに記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
前記通過曲線情報作成部は、前記通過曲線情報の実測値として、実測曲線方向を含め、
前記候補曲線情報作成部は、前記候補曲線情報のデータ値として、データ曲線方向を含めること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項2に記載する鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
曲線部を通過する毎に、測定した複数の実測値を含む通過曲線情報を作成する通過曲線情報作成部と、
通過し得る全ての曲線部に対応していて、且つ前記データ曲線情報に基づいて前記実測値に対応するデータ値を含む候補曲線情報を作成する候補曲線情報作成部と、
直前の通過曲線情報と各候補曲線情報との一致度合いを求めるために、前記実測値と前記データ値との差から前記実測値又は前記データ値を除算した値を1から減算して部分一致率を算出し、実測値毎に算出した各部分一致率を乗算して単曲線一致率を演算する一致率演算部と、
前記候補曲線情報毎にそれぞれ演算された単曲線一致率を比較して直前に通過した曲線部を特定する曲線特定部とを備えていること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。 - 請求項12に記載された鉄道車両の走行位置検出システムにおいて、
個々の曲線部をパラメータの集合ととらえ、前記パラメータについて、0から1までの範囲で一致度合いを算出し、その乗算で前記単曲線一致率を演算することで個々の曲線部を評価すること、
を特徴とする鉄道車両の走行位置検出システム。
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