JP2014097700A - 車載電子部品の支持構造 - Google Patents

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幸司 猪瀬
Akihiko Yamashita
明彦 山下
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和彦 小野
Kiyotaka Taguchi
清隆 田口
Masaki Fujiwara
正樹 藤原
Yuichi Takeda
裕一 武田
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Abstract

【課題】本発明は、電子部品を遮蔽する遮蔽部材を省くことができ、車両コストを下げることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】自動二輪車10に中空部11を有する金属部材12が備えられている。この金属部材12は、リヤフレーム76であって、このリヤフレーム76の中空部11に弾性支持部材18を介して車載電子部品13が収納されている。車載電子部品13は、弾性支持部材18に形成した嵌合部に係合する係合突起33を有する。弾性支持部材18は、リヤフレーム76の開口部近傍に配置されると共にリヤフレーム76によって支持され、リヤフレーム76の内側で弾性支持部材18に車載電子部品13が嵌合支持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載電子部品の支持構造の改良に関する。
ECU等の電子部品が車体カバー内に配置される車両が知られている(例えば、特許文献1(図1、図4)参照。)。
特許文献1の図1及び図4に示すように、車体フレーム(4)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)のヘッドパイプ(4a)は、車両前方側がフロントカバー(17)で覆われ、車両後方側がレッグシールド(13)で覆われる。このレッグシールド(13)の前方にインナボックス(16)が配置される。インナボックス(16)とレッグシールド(13)間に、ECU(20c)が配置される。
ECU(20c)は、外部から電波等の電磁波の影響を受けないように、遮蔽部材で囲う処置が施される。しかし、ECU等の電子部品を遮蔽手段で囲うと、電子部品の大型化や電子部品のコストアップを招き易い。電子部品を遮蔽する遮蔽部材を省くことができ、車両コストを下げることができる技術が望まれる。
特開2006−231952公報
本発明は、電子部品を遮蔽する遮蔽部材を省くことができ、車両コストを下げることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両に搭載される車載電子部品の支持構造において、電子部品は、弾性支持部材に設けられる凹部内に嵌合するように支持され、車両は、内部に空間を有する金属部材を備え、弾性支持部材は、電子部品が金属部材に内包されるよう凹部が金属部材の内方に向くように、金属部材の内側に嵌合支持されることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、車載電子部品は、弾性支持部材に形成した嵌合部に係合する係合突起を有し、車載電子部品は、係合突起の外側が、金属部材の内側に嵌合支持されることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、金属部材は、車体フレームであって、弾性支持部材は、金属部材の開口部近傍にて金属部材によって支持され、金属部材は、開口部から下方に指向するように配置されることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、車体フレームは、操舵系を軸支するヘッドパイプと、このヘッドパイプから車両後方へ延びるメインフレームと、このメインフレームの後端部から車両後上方に向けて延びるリヤフレームとを備え、金属部材は、リヤフレームであることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、車載電子部品は、電装カプラによって車体側から延びる電装線が着脱可能に接続され、電装カプラは、凹部内に配置されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、車載電子部品は、弾性支持部材を介して金属部材の内部に形成した空間に収納される。車載電子部品は、金属部材の内側に配置されるので、この金属部材で車載電子部品に影響を与える電磁波を遮蔽することができる。
車両に設けられ中空部(空間)を有する金属部材を利用し、この金属部材に車載電子部品を収納したので、車載電子部品を電磁波から遮蔽する専用の遮蔽部材を設ける必要はない。加えて、電子部品を支持する専用のブラケットも省ける。遮蔽部材やブラケットが省くことができるため、車載電子部品の大型化が抑えられ、車両のコストアップも抑えられる。
請求項2に係る発明では、車載電子部品に、弾性支持部材の嵌合部に係合する係合突起を設けた。この係合突起が弾性支持部材の嵌合部に係合することで、弾性支持部材から車載電子部品を外れ難くすることができる。また、係合突起の外側は、金属部材の内側に嵌合支持されるので、係合突起の外方に位置する弾性支持部材を金属部材にしっかりと保持させることができる。
請求項3に係る発明では、金属部材は、車体フレームであり、開口部から下方に指向するように延びており、弾性支持部材は、車体フレームの開口部近傍で支持され、この弾性支持部材に車載電子部品が支持される。車載電子部品に水がかかった場合であっても、水は車体フレームを伝わって流れ落ちるため、電子部品が水に浸る心配はない。
請求項4に係る発明では、金属部材は、メインフレームの後端から車両後上方に向けて延びるリヤフレームである。また、金属部材は、開口部から下方に指向している。すなわち、リヤフレームの後端に斜め後上方に開口した開口部が配置され、この開口部に車載電子部品が支持される。車載電子部品の取付時には、車両後上方から弾性支持部材と一体化した車載電子部品を開口部に挿入するだけで良い。結果、車載電子部品の組付を容易に行うことができる。
請求項5に係る発明では、車載電子部品は、電装カプラによって着脱可能に接続される。電装カプラによって、電装線は車載電子部品に容易に着脱することができ、車載電子部品のメンテナンスが容易に行える。また、電装カプラは、弾性支持部材の凹部内に配置されるので、電装カプラを金属部材及び弾性支持部材によって保護することができる。
本発明に係る車載電子部品の支持構造の分解斜視図である。 車載電子部品の支持構造を説明する図1の2−2線断面図である。 車載電子部品の支持構造の斜視図である。 図3の4−4線断面図である。 図3の5−5線断面図である。 車載電子部品の支持構造を用いたスクータ型車両の側面図である。 図6に示す車両に備えられている車体フレームの側面図である。 図4の変形例である。 車載電子部品の支持構造を用いた自動二輪車の側面図である。 図9に示す車両に備えられている車体フレームの側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両10に中空部11を有し角筒状の金属部材12が備えられ、この金属部材12の内部に形成される空間(中空部11)に、車載電子部品13(以下、単に「電子部品13」とも言う。)が収納可能に設けられている。電子部品13に、電装線14を連結したカプラ15が接続可能とされる。電子部品13の一端周囲に弾性支持部材18が介在され、電子部品13の他端周囲に第2弾性支持部材17が介在され、これらの弾性支持部材18、17を介して電子部品13が収納される。電子部品13は、金属部材12の端部に形成される開口部21から中空部11へ図矢印aの如く挿入される。電子部品13を支持する角筒状の金属部材12の左右面22L、22Rには、各々、電子部品13が挿入方向に移動することを規制するストッパとなるくびれ部23、23が形成されている。
車載電子部品13は、上面26、下面27、左右側面28L、28Rにより形成される周面29と、この周面29の前端に渡される他端の面31と、周面29の後端に渡される一端の面32とからなる略直方体状を呈する部材である。周面29に、外方へ向け鍔状の係合突起33が突設され、周面29のうちの左右側面28L、28Rに、カプラ15の係止部34が係止される係止爪35が突設されている。電子部品13の一端の面32には、カプラ15を着脱可能にする複数のピン状の端子部37が設けられている。これらの端子部37に接続されるカプラ15側の雌端子(図2、符号38)には、各々、電装線14が連結される。
電子部品13の周面29にて他端の面31に向け第2弾性支持部材17が嵌合され、電子部品13の周面29にてカプラ15が接続された一端の面32に向け後弾性支持部材18が嵌合される。後弾性支持部材18には、複数の電装線14が各々通る孔部41が形成される。
図2に示すように、第2弾性支持部材17は、電子部品13の周面29が嵌合する凹部(前凹部43)と、金属部材12の中空部11の内壁11uに当接嵌合する前外周部44とを有する。次に、弾性支持部材18は、カプラ15の周面15sが嵌合する凹部(後凹部46)と、金属部材12の中空部11の内壁11uに当接嵌合する後外周部47と、この後外周部47の後端部に、後外周部47に対して直角方向に形成され、電子部品13を中空部に挿入したときに、中空部11の開口部21に当接する鍔部51とを有する。なお、本実施例では、弾性支持部材18及び第2弾性支持部材17は、いずれも、ラバー製を利用したが、樹脂製であっても良い。
電子部品13に、電装カプラ15が着脱可能に接続される。電装カプラ15には、車体側から延びる電装線14が連結される。電装カプラ15は、金属部材12内に収容されたときに、弾性支持部材18に形成した凹部46内に配置される。すなわち、電子部品13及びこの電子部品13に連結されているカプラ15は、弾性支持部材18及び第2弾性支持部材17に、各々形成した凹部46、43内に配置される。
金属部材12の中空部11に電子部品13を装着する際は、先ず、電子部品13の一端の面32に突設したピン状の雄端子(端子部37)にカプラ15側の雌端子38を挿入し、ソケット状のカプラ15を電子部品13の一端の面32に係止させる。次に、電子部品13の前面側の周面29に、第2弾性支持部材17の凹部43を嵌め、電子部品13の後面側の周面29の外方を覆うカプラ18に、弾性支持部材18の凹部46を嵌め、第2弾性支持部材17、電子部品13、カプラ15及び弾性支持部材18をこの順に一体化した状態で、金属部材12の中空部11に形成したくびれ部23に達し、鍔部51が金属部材12に当たるまで挿入する。
図3に示すように、金属部材12に、電子部品(図1、符号13)を弾性支持する弾性支持部材18が収納されている。電子部品13は、金属部材12に遮蔽されるように収納されているので、電子部品13に影響を与える電磁波を遮蔽することができる。複数の電装線14は、弾性支持部材18に開けた孔部41を通り金属部材12の外方に延びている。
図4に示すように、中空部11の開口部21に、弾性支持部材18の鍔部51が当接している。第2弾性支持部材17の他端が金属部材12のくびれ部23に当接し、弾性支持部材18の鍔部51が中空部11の開口部21に当接することで、電子部品13が金属部材12の開口部21から奥への移動を規制することができる。電子部品13の左右面22L、22Rに、外側へ係止爪35、35が突設され、これらの係止爪35、35に、カプラ15に形成した係止孔36、36を係止させることで、電子部品13からカプラ15が抜けないように保持する。
この他、弾性支持部材18に備えられる鍔部51の外面51aに、後述する車体を覆うカバー部材側から延びる抜け止め防止用の爪61が当接しており、電子部品13が金属部材12から抜けることを防止するようにした。
図5に示すように、電子部品13は、弾性支持部材18に形成した嵌合部53に係合する係合突起33を有し、電子部品13は、係合突起33の外側が、金属部材12の内側に嵌合支持されている。係合突起33が嵌合した嵌合部53と開口部21とで弾性支持部材18が挟まれており、係合突起33を設けることにより、電子部品13は金属部材12の中空部11にしっかりと支持される。弾性支持部材18は、電子部品13が筒部材55に内包されるように、弾性支持部材18の凹部46が筒部材55の内方に向くように筒部材55の内側に嵌合支持される。
図3にて、本実施例では、弾性支持部材18の端から、水平方向2列、高さ方向4段の合計8本の電装線14が延ばされているが、この実施例に限定されることなく、電装線の線の数やカプラの端子ピン数等は、任意に設定可能なものとする。
以上に述べた車載電子部品の支持構造の作用を次に述べる。
図4にて、電子部品13は、弾性支持部材18を介して金属部材12の中空部11に収納される。電子部品13は、金属部材12の内側に配置されるので、この金属部材12で電子部品13に影響を与える電磁波を遮蔽することができる。
従来、車両に搭載する車載電子部品は、別途、電磁波の影響を排除する遮蔽部材を設ける必要があった。しかし、車載電子部品に遮蔽部材を設けると、車載電子部品の大型化や車載電子部品のコストアップを招き易い。
この点、本発明では、車載電子部品13は、弾性支持部材18を介して金属部材12の中空部11に収納される。車両に設けられ中空部11を有する金属部材12を利用し、この金属部材12に車載電子部品13を収納したので、車載電子部品13を電磁波から遮蔽する専用の遮蔽部材を設ける必要はない。加えて、専用のブラケットを省くことができる。遮蔽部材やブラケットが省けると、車載電子部品13の大型化が抑えられ、車両のコストアップも抑えられる。
図5にて、車載電子部品13に、弾性支持部材18の嵌合部53に係合する係合突起33を設けたので、係合突起33により、車載電子部品13と弾性支持部材18との係合状態を維持させることができる。また、係合突起33の外側は、金属部材12の内側に嵌合支持されるので、係合突起33の外方に位置する弾性支持部材18を金属部材12にしっかりと保持させることができる。車載電子部品13は、電装カプラ15によって車体側から延びる電装線14が着脱可能に接続され、電装カプラ15は、弾性支持部材17、18に形成した凹部43、46内に配置されるので、電装カプラ15を金属部材12及び弾性支持部材18によって保護することができる。
次に、本発明に係る車載電子部品の支持構造を鞍乗り型車両の一形態であるスクータ型車両10に適用する場合について説明する。
図6に示すように、スクータ型車両10は、車体フレーム71の前部に前輪67を含む操舵系72が操向自在に支持され、車体フレーム71の後部に後輪68を含むパワーユニット69が揺動自在に支持されている車両である。パワーユニット69と車体フレーム71の間には、リヤクッションユニット78が渡される。図中、「上」、「下」、「前」、「後」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。
図7に示すように、スクータ型車両10の車体フレーム71は、操舵系(図6、符号72)を軸支するヘッドパイプ73と、このヘッドパイプ73に取付けられ斜め後方に延設された後、略水平後方に延設されるメインフレーム74と、このメインフレーム74の後端部に取付けられるクロスメンバ75と、メインフレーム74の後端部且つクロスメンバ75から斜後上方に向けて延設されるリヤフレーム76とを主要素とする。リヤフレーム76は、クロスメンバ75の左右端部から車両後方へ2本延びており、車両側面視で、左右の形状は異なっている。本発明では、これらの左右のリヤフレーム76のうちの一方のリヤフレーム76に電子部品を13が収容される。
図6にて、操舵系72は、ヘッドパイプ73に操向自在に取付けられるフロントフォーク81と、このフロントフォーク81の下端に回転自在に取付けられる前輪67と、フロントフォーク81の上端に取付けられる操向ハンドル82とを主要素とする。車体フレーム71の周囲は、カバー部材60で覆われる。
カバー部材60は、ヘッドパイプ73の前方を覆うフロントカウル91と、このフロントカウル91に連続してヘッドパイプ73の後方を覆うレッグシールド92と、操向ハンドル82の周囲を覆うハンドルカバー93と、前記レッグシールド92の下端から後方へ延びるアンダカウル94と、このアンダカウル94の後部上端から車両後上方へ連続して延びるサイドカウル95と、フロントフォーク81に取付けられ前輪67の上方を覆うように前輪67ではねた泥をよけるフロントフェンダ97と、後輪68の上方にてリヤフレーム76に取付けられ後輪68ではねた泥をよけるリヤフェンダ98とを有する。なお、フロントフォーク81には、前輪67に制動力を付与するフロントブレーキユニット99が取付けられる。
パワーユニット69は、エンジン101と、このエンジン101に一体化されエンジン101の後方に延びているベルト式無段変速機102と、このベルト式無段変速機102の後端に設けられる後輪68とを有する。エンジン101のシリンダ部104には、吸気装置105及び排気装置106が接続されている。吸気装置105は、エアクリーナ107と、このエアクリーナ107に接続した燃料供給装置108とからなる。排気装置106は、エンジン101に接続し後方に延ばした排気管110と、この排気管110に接続され後方に延ばした消音器112とからなる。
リヤフレーム76に、上方へ開口する収納ボックス113が設けられ、この収納ボックス113の後方に燃料タンク114が配置され、これらの収納ボックス113と燃料タンク114の上方に乗員が跨って座るシート115が開閉可能に取付けられる。
図7にて、本発明の金属部材12は、車体フレーム71の構成要素であるリヤフレーム76であって、弾性支持部材18は、リヤフレーム76の開口部77近傍にてリヤフレーム76によって支持される。リヤフレーム76は、車両後端部近傍に位置する開口部77から車両前方に向け、下方に指向するように配置される。電子部品13は、リヤフレーム76の中空部(図5、符号11)に収納されると共に支持されている。
リヤフレーム76は、開口部77から下方に指向するように延びており、弾性支持部材(図5、符号16)は、リヤフレーム76の開口部77近傍で支持される。リヤフレーム76中に水が侵入したり、結露が生じた場合であっても、侵入等した水は、下方に流れるので、車載電子部品13に水が入り難くなる。
開口部77から下方に指向しているリヤフレーム76であれば、リヤフレーム76の後端に斜め後上方に開口した開口部77が形成され、この開口部77に電子部品13が支持される。電子部品13の取付時には、車両後上方から弾性支持部材(図5、符号18)と一体化した電子部品13を開口部77に挿入するだけで良い。結果、電子部品13の組付が容易に行える。
また、電子部品13の後端13bは、リヤフェンダ(図6、符号98)の内面に突設されるストッパ部(爪61)により押さえられている。このため、電子部品13が車両後方へ移動する心配はない。
次に、前述したくびれ部の変形例について説明する。この変形例は、金属部材であるリヤフレーム76に形成され、電子部品13の車両前方への移動を規制するくびれ部23を省略し、リヤフレーム76の車幅方向に延びるリヤクロスフレーム65を利用して電子部品13の車両前方への移動を規制するようにした点について説明する。
図8に示すように、リヤフレーム76の後端近傍に、リヤフレーム76に貫通するように、リヤクロスフレーム65が車幅方向に延びており、このリヤクロスフレーム65に、第2弾性支持部材17が当接し、電子部品13の車両前方への移動を規制するようにした。加えて、弾性支持部材18の鍔部51の外面51aに、後述する車体を覆うカバー部材側から抜け止め防止用の爪61が延びており、電子部品13が金属部材12から抜けることを防止することで、電子部品13の車両後方への移動を規制する。
次に、本発明に係る車載電子部品の支持構造を鞍乗り型車両の一形態である自動二輪車 に適用する場合について説明する。
図9に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム71の前部に前輪67を含む操舵系72が操向自在に支持され、車体フレーム71にエンジン101が懸架され、車体フレーム71にピボット軸70を介してスイングアーム84が後方に延ばされ、このスイングアーム84の後端に後輪68が回転自在に支持され、前輪67と後輪68の間に乗員が座るシート115が配置され、このシート115に乗員が跨って乗車する鞍乗り型車両である。操舵系72に、ヘッドライト131と計器部132が取付けられる。
車体フレーム71は、操舵系72を軸支するヘッドパイプ73と、このヘッドパイプ73に取付けられ斜め後方に延設されるメインフレーム74と、このメインフレーム74の後端部から下方へ延設されピボット軸70が支持されるピボットフレーム79と、メインフレーム74の後端部から車両後方に向けて延設されるリヤフレーム76と、このリヤフレーム76の後部とピボットフレーム79の間に渡されるサポートフレーム86と、メインフレーム74の下方にてヘッドパイプ73から斜後下方へ延設され、その後、ピボットフレーム79に接続され途中でエンジン101が支持されるダウンフレーム87と、このダウンフレーム87とメインフレーム74の後部間に渡されるサブフレーム88とを有する。
操舵系72は、ヘッドパイプ73に操向自在に取付けられるフロントフォーク81と、このフロントフォーク81の下端に回転自在に取付けられる前輪67と、フロントフォーク81の上端に取付けられる操向ハンドル82とを主要素とする。スイングアーム84とピボットフレーム79の間には、リンク機構80及びリヤクッションユニット78が介在され、スイングアーム84は、車体フレーム71に揺動自在に支持される。
フロントフォーク81に、前輪67の上方を覆うように前輪67ではねた泥をよけるフロントフェンダ97が取付けられ、後輪68の上方にてリヤフレーム76に、後輪68ではねた泥をよけるリヤフェンダ98が取付けられている。
エンジン101は、その後下部に変速機部117を有し、この変速機部117の後端に配置されるドライブ軸118に取付けられる駆動スプロケット121とを有する。駆動スプロケット121と後輪68に一体的に設けられる被駆動スプロケット121の間にチェーン123が巻き回され、エンジン101の駆動力が後輪68に伝達される。エンジン101のシリンダ部104には、吸気装置105及び排気装置106が接続されている。吸気装置105は、エアクリーナ107と、このエアクリーナ107に接続した燃料供給装置108とからなる。排気装置106は、エンジン101に接続し後方に延ばした排気管110と、この排気管110に接続され後方に延ばした消音器112とからなる。操向ハンドル82の後方にてメインフレーム74に、燃料タンク114が配置され、この燃料タンク114の後方に乗員が跨って座るシート115が配置される。
図10に示すように、本発明の金属部材12は、車体フレーム71の構成要素であるリヤフレーム76であって、図5に示すように、弾性支持部材18は、リヤフレーム76の開口部77近傍にてリヤフレーム76によって支持される。
リヤフレーム76は、車両後端部近傍に位置する開口部21から車両前方に向け、下方に指向するように配置される。電子部品13は、リヤフレーム76の中空部11に支持されている。電子部品13の後端13bは、リヤフェンダ98の内面に突設されるストッパ部(爪61)により押さえられている。このため、電子部品13が車両後方へ移動する心配はない。
金属部材12は、メインフレーム74の後端から車両後上方に向けて延びるリヤフレーム76である。また、リヤフレーム76は、開口部77から下方に指向している。すなわち、リヤフレーム76の後端76bに斜め後上方に開口した開口部77が形成され、この開口部77に電子部品13が支持される。電子部品13の取付時には、車両後上方から弾性支持部材18と一体化した電子部品13を開口部77に挿入するだけで良い。結果、電子部品13の組付が容易に行える。
リヤフレーム76は、開口部77から下方に指向するように延びており、弾性支持部材18は、リヤフレーム76の開口部77近傍で支持される。リヤフレーム76中に水が侵入したり、結露が生じた場合であっても、侵入等した水は、下方に流れるので、車載電子部品13に水が入り難くなる。
図5にて、電子部品13は、弾性支持部材18を介して金属部材(リヤフレーム76)の中空部11に収納される。電子部品13は、リヤフレーム76の内側に配置されるので、このリヤフレーム76で電子部品13に影響を与える電磁波を遮蔽することができる。
加えて、車両に設けられ中空部11を有する金属部材としてのリヤフレーム76を利用し、このリヤフレーム76に車載電子部品13を収納したので、車載電子部品13を電磁波から遮蔽する専用の遮蔽部材を設ける必要はない。加えて、専用のブラケットも省ける。遮蔽部材やブラケットが省けると、車載電子部品の大型化が抑えられ、車両のコストアップも抑えられる。
車載電子部品13に、弾性支持部材18の嵌合部53に係合する係合突起33を設けたので、係合突起33により、車載電子部品13と弾性支持部材18との係合状態を維持させることができる。また、係合突起33の外側は、金属部材(リヤフレーム76)の内側に嵌合支持されるので、係合突起33の外方に位置する弾性支持部材18をリヤフレーム76にしっかりと保持させることができる。
車載電子部品13は、電装カプラ15によって車体側から延びる電装線14が着脱可能に接続され、電装カプラ15は、弾性支持部材18に形成した凹部46内に配置されるので、電装カプラ15をリヤフレーム76及び弾性支持部材18によって保護することができる。
尚、本発明の車両は、実施の形態では自動二輪車であるが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
本発明は、中空部を有する金属部材が備えられている自動二輪車に好適である。
10…車両、11…空間(中空部)、12…金属部材、13…車載電子部品(電子部品)、14…電装線、15…電装カプラ(カプラ)、18…弾性支持部材、21…開口部、33…係合突起、46…凹部(後凹部)、53…嵌合部、71…車体フレーム、72…操舵系、73…ヘッドパイプ、74…メインフレーム、76…リヤフレーム。

Claims (5)

  1. 車両(10)に搭載される車載電子部品(13)の支持構造において、
    前記電子部品(13)は、弾性支持部材(18)に設けられる凹部(46)内に嵌合するように支持され、
    前記車両(10)は、内部に空間(11)を有する金属部材(12)を備え、
    前記弾性支持部材(18)は、前記電子部品(13)が前記金属部材(12)に内包されるよう前記凹部(46)が前記金属部材(12)の内方に向くように、前記金属部材(12)の内側に嵌合支持されることを特徴とする車載電子部品の支持構造。
  2. 前記車載電子部品(13)は、前記弾性支持部材(18)に形成した嵌合部(53)に係合する係合突起(33)を有し、
    前記弾性支持部材(18)は、前記係合突起(33)の外側が、前記金属部材(12)の内側に嵌合支持されることを特徴とする請求項1記載の車載電子部品の支持構造。
  3. 前記金属部材(12)は、車体フレーム(71)であって、
    前記弾性支持部材(18)は、前記金属部材(12)の開口部(21)近傍にて前記金属部材(12)によって支持され、
    前記金属部材(12)は、前記開口部(21)から下方に指向するように配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車載電子部品の支持構造。
  4. 前記車体フレーム(71)は、操舵系(72)を軸支するヘッドパイプ(73)と、このヘッドパイプ(73)から車両後方へ延びるメインフレーム(74)と、このメインフレーム(74)の後端部から車両後上方に向けて延びるリヤフレーム(76)とを備え、
    前記金属部材(12)は、前記リヤフレーム(76)であることを特徴とする請求項3項記載の車載電子部品の支持構造。
  5. 前記車載電子部品(13)は、電装カプラ(15)によって車体側から延びる電装線(14)が着脱可能に接続され、
    前記電装カプラ(15)は、前記凹部(46)内に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車載電子部品の支持構造。
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