JP2014097262A - 使い捨ておむつ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脚周り開口部の周囲がヒラヒラせずに,スッキリとした見た目となる使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】使い捨ておむつの股下部3は,幅方向の左右の側縁4が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折している。左右の側縁4に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部が画定される。股下部3を,幅方向にみて,左右両側の左右領域3aと,左右領域3aの間に位置する中央領域3bと,に区分した場合に,少なくとも左右領域3aには,一又は複数の糸状の脚周り伸縮部材11と,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材11の少なくとも一方が伸長状態で固定され,当該脚周り伸縮部材11を含む幅のある領域である伸縮領域11aが形成される。股下部3の左右の側縁4は,伸縮領域11aの少なくとも一部と,脚周り開口部の少なくとも一部が重畳するように,湾曲又は屈折している。
【選択図】図2

Description

本発明は,着用者の股下に装着され,尿などの液体を吸収し保持するための使い捨ておむつ,及びその製造方法に関する。具体的に説明すると,本発明は,着用者の両脚部周りに形成される開口部の周縁に,ギャザーを形成するための弾性伸縮部材が配置された使い捨ておむつ,及びその製造方法に関するものである。
従来から,着用者の両脚部周りに形成される開口部の周縁に,一又は複数の弾性伸縮部材が直線状或いは曲線状に配置された使い捨ておむつが知られている(特許文献1及び特許文献2等)。このように,着用者の両脚部周りに相当する位置に弾性伸縮部材を配置することで,着用者がおむつを装着した時にギャザーが形成されるため,両脚部周りのフィット性を高めることができる。
例えば,脚部周りにギャザーを有する使い捨ておむつを製造する方法を,一般的なパンツ型の使い捨ておむつを例に挙げて説明すると,まず,おむつの股下部を形成するシート部材に,一又は複数の弾性伸縮部材を,脚周りの形状に沿って曲線状に固定する。次に,弾性伸縮部材が固定されたシート部材を,脚周りの開口部の形状に沿って曲線状に切断する。この際には,弾性伸縮部材を切断しないように,弾性伸縮部材を避けて,シート部材が切断される。その後,おむつを構成する前身頃と後身頃の幅方向両側部(サイドシール部)を,それぞれ左右を対応させて接合することにより,シート部材の切断箇所に脚部周りの開口部が形成され,この開口部の周りに弾性伸縮部材が配置されたパンツ型の使い捨ておむつが形成される。
上記のようなパンツ型の使い捨ておむつを製造する場合,シート部材を脚周りの開口部の形状に合わせて切断を行う際,弾性伸縮部材を切断してしまわないように,シート部材の切断位置と,弾性伸縮部材の配置位置との間には,所定幅の余白部分が形成されている。このように,シート部材の切断位置と弾性伸縮部材の配置位置の間に余白部分を形成することで,製造装置の操業時に,資材の蛇行等の影響を受けて切断ブレが発生したとしても,脚周りの弾性伸縮部材が誤って切断されてないようになっている。
特開2007−105301号公報 特開2006−130189号公報
しかしながら,従来の使い捨ておむつのように,両脚部周りの開口部を形成する外縁と,脚周りのギャザーを形成する弾性伸縮部材の配置位置との間に,余白部分を設けると,弾性伸縮部材が収縮した際に,この余白部分がヒラヒラして,フリルの様な見た目となる。このように,着用者の脚周りの部位にヒラヒラした余白部分が存在すると,使い捨ておむつの装着の際に,この余白部分がおむつの内側に巻き込まれたりめくれたりする恐れがあり,脚部周りの開口部から尿漏れが発生し,着用感が低下するという問題があった。
また,使い捨ておむつの脚周り開口部の周縁に,ヒラヒラしたフリルの様な部分が存在することにより,所謂「紙おむつ」の印象が強くなってしまい,着用者が大人や高齢者である場合等に,使い捨ておむつを装着することに対する心理的な抵抗を誘発してしまう恐れがある。特に着用者が男性の場合には,脚周り開口部の周縁にフリルが付いていることで,使い捨ておむつを着用することに対する抵抗感が非常に強くなる恐れがあった。
このため,現在では,脚周り開口部の近傍に弾性伸縮部材を配置して,着用者の脚部周りに対するフィット性能を維持しつつも,着用時において,脚周り開口部の周囲がヒラヒラせずに,スッキリとした見た目となる使い捨ておむつが求められている。
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,使い捨ておむつの股下部の幅方向左右の領域に,一又は複数の弾性伸縮部材を固定して幅のある伸縮領域を形成しつつ,この伸縮領域の少なくとも一部と,脚周り開口部の少なくとも一部が重畳するように,股下部の幅方向左右の側縁を湾曲又は屈折した形状とすることで,股下部の幅方向左右の側縁と,弾性伸縮部材が配置された伸縮領域の間に生じる余白部分が少なくなり,使い捨ておむつの脚周り開口部の周縁に,ヒラヒラしたフリルの様な部分が発生することを防止できるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,使い捨ておむつに関する。
本発明の使い捨ておむつは,着用者の腹部に接する前身頃1,着用者の背部に接する後身頃2,及び当該前身頃1と当該後身頃2の間に位置する股下部3に,長さ方向に区分される。
また,股下部3は,幅方向の左右の側縁4が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折している。
また,本発明の使い捨ておむつは,左右の側縁4に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部5が画定される。
ここで,股下部3を,幅方向にみて,左右両側の左右領域3aと,左右領域3aの間に位置する中央領域3bと,に区分したとする。
この場合に,少なくとも左右領域3aには,一又は複数の糸状の脚周り伸縮部材11と,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材11の少なくとも一方が伸長状態で固定されることで,当該脚周り伸縮部材11を含む幅のある領域である伸縮領域11aが形成されている。
そして,股下部3の左右の側縁4は,伸縮領域11aの少なくとも一部と,脚周り開口部5の少なくとも一部が重畳するように,湾曲又は屈折している。
上記構成のように,伸縮領域11aの少なくとも一部と脚周り開口部5の少なくとも一部が重畳するように,股下部3の左右の側縁4を湾曲又は屈折させることで,脚周り開口部5を形成する股下部3の左右の側縁4と,脚周り伸縮部材11が配置された伸縮領域11aの間に生じる余白部分が少なくなる。このようにして,余白部分をなくすことで,使い捨ておむつの脚周り開口部5の近傍に,シート部材がヒラヒラしたフリルの様な部分が生じるのを抑制できる。このため,このフリルの様な部分の自由端部がめくれたり,おむつの内側に折れ込んだりする事態を防止できる。従って,本発明によれば,脚周り開口部5から尿漏れが発生したり,着用感が低下する事態を防止できる。さらには,脚周り開口部5の近傍にフリルのような部分が形成されにくくなるため,見た目がスッキリし,所謂「紙おむつ」の印象が少なくなり,特に着用者が男性である場合であっても,使い捨ておむつを着用することに対する抵抗感を減らすことができる。
本発明の使い捨ておむつにおいて,股下部3の左右の側縁4は,少なくとも股下部3を形成する一又は複数のシート部材を,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折して切断することで,形成されていることが好ましい。そして,この場合に,左右の側縁4を形成する切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの脚周り伸縮部材11が切断され,当該脚周り伸縮部材11は分断されるか,部分的にくり貫かれていることが好ましい。
上記構成のように,股下部3の左右の側縁4を形成する切断を行うと同時に,伸縮領域1aに含まれる少なくとも1つの脚周り伸縮部材11が切断することで,股下部3の左右の側縁4と伸縮領域11aの間に余白部分の少ない使い捨ておむつとなる。従って,脚周り開口部5の近傍にフリルの様な部分が生じるのを抑制でき,尿漏れが防止され,着用感が向上し,見た目がスッキリした使い捨ておむつとなる。
本発明の使い捨ておむつにおいて,脚周り開口部5を形成する左右の側縁4の切断面と,伸縮領域11aを形成する少なくとも1つの脚周り伸縮部材11の切断面とが,一致していることが好ましい。
上記構成のように,左右の側縁4の切断面と,脚周り伸縮部材11の切断面を一致させることで,脚周り開口部5の近傍にフリルの様な部分が生じるのを抑制できる。左右の側縁4の切断面と脚周り伸縮部材11の切断面を「一致している」とは,左右の側縁4の切断面と脚周り伸縮部材11の切断面とが同時に視認できる程度に隣接して揃っていればよい。
本発明の使い捨ておむつにおいて,脚周り伸縮部材11は,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材11であることが好ましい。
上記構成のように,脚周り伸縮部材として,一又は複数の幅のある平状の脚周り伸縮部材11を採用することで,左右の側縁4の切断面に一致する脚周り伸縮部材11の切断面の面積が広くなる。これにより,脚周り開口部5の周囲に,フリルの様な部分が生じることをより確実に防止できる。
本発明の第2の側面は,使い捨ておむつの製造方法に関するものである。本発明の製造方法によれば,基本的に,上記した第1の側面に係る使い捨ておむつを製造することができる。
すなわち,本発明の製造方法は,着用者の腹部に接する前身頃1,着用者の背部に接する後身頃2,及び当該前身頃1と当該後身頃2の間に位置する股下部3に,長さ方向に区分され,股下部3は,幅方向の左右の側縁4が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折しており,左右の側縁4に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部5が画定される使い捨ておむつの製造方法に関する。
ここで,股下部3を形成する一又は複数のシート部材を,使い捨ておむつの幅方向にみて,左右両側の左右領域3aと,当該左右領域3aの間に位置する中央領域3bと,に区分したとする。
この場合に,本発明の製造方法では,まず,少なくとも左右領域3aに,複数の糸状の脚周り伸縮部材11と,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材11の少なくとも一方を伸長状態で固定して,当該脚周り伸縮部材11を含む幅のある領域である伸縮領域11aが形成する工程を行う。
また,本発明の製造方法では,続いて,股下部3を形成する一又は複数のシート部材を,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折して切断すると同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの前記脚周り伸縮部材11を切断して,当該脚周り伸縮部材11を分断するか部分的にくり貫く工程を行う。
上記した製造工程に従って使い捨ておむつを製造することで,脚周り伸縮部材11が配置された伸縮領域11aの間に生じる余白部分が少なくなる。このため,使い捨ておむつの脚周り開口部5の近傍に,シート部材がヒラヒラしたフリルの様な部分が生じるのを抑制できる。
本発明によれば,脚周り開口部の近傍に弾性伸縮部材を配置して,着用者の脚部周りに対するフィット性能を維持しつつも,着用時において,脚周り開口部の周囲がヒラヒラせずに,スッキリとした見た目となる使い捨ておむつを提供できる。
図1は,第1の実施形態に係る使い捨ておむつの外観を示した斜視図である。 図2は,第1の実施形態に係る使い捨ておむつを肌非当接面側から示した展開図である。 図3は,第1の実施形態に係る使い捨ておむつの製造方法の概要を示している。 図4は,第1の実施形態に係る使い捨ておむつの側面を示している。 図5は,第2の実施形態に係る使い捨ておむつの概要を示している。 図6は,第3の実施形態に係る使い捨ておむつの概要を示している。 図7は,第4の実施形態に係る使い捨ておむつの概要を示している。 図8は,第5の実施形態に係る使い捨ておむつの概要を示している。 図9は,使い捨ておむつの製造方法の流れを概略的に示している。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
また,本願明細書において,「長さ方向」というときは,縦長に形成された使い捨ておむつの長さ方向であって,使い捨ておむつの前身頃と後身頃を結ぶ方向(図2の上下方向)を意味する。また,「幅方向」とは,縦長に形成された使い捨ておむつの幅方向であって,上記長さ方向に平面的に直交する方向(図2の左右方向)を意味する。
また,本願明細書において,「肌当接面側」とは,使い捨ておむつが組み上がった状態で,使い捨ておむつが着用者に装着された際に,着用者の肌に当接する面の方を意味する。また,「肌非当接面側」とは,使い捨ておむつが組み上がった状態で,使い捨ておむつが着用者に装着された際に,着用者の肌に当接しない面の方であり,「肌当接面側」の反対側の面を意味する。
(1.使い捨ておむつの第1の実施形態)
本発明は,着用者の両脚部に接する開口部の近傍に,脚周りギャザーが形成された使い捨ておむつに関する。本発明の構造は,例えば,公知のパンツ型の使い捨ておむつや,テープ型の使い捨ておむつ,尿パッド等の構造として,広く適用可能である。パンツ型の使い捨ておむつは,前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである。パンツ型の使い捨ておむつは,吸収性本体が載置される外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のものであってもよいし,外装体が前身頃及び後身頃で分離され,前身頃外装体と後身頃外装体の間に股下部を構成する吸収性本体が架橋された架橋型のものであってもよい。また,テープ型の使い捨ておむつは,前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられ,着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させるタイプの使い捨ておむつである。また,尿パッドは,着用者の腹部から背部にあてがわれて使用されるものであり,前身頃と後身頃を連結する構造は有していないもの,尿などを吸収する吸収構造をもつ使い捨ておむつである。
以下では,これらの種々のタイプの使い捨ておむつのうち,外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のパンツ型の使い捨ておむつを例に挙げて,本発明の内容を具体的に説明する。
図1は,使い捨ておむつ100の第1の実施形態を,前身頃1側からみた状態の例を示す斜視図である。また,図2は,使い捨ておむつ100の第1の実施形態を示す展開図であって,使い捨ておむつを肌非当接面側からみた状態を示している。図2の展開図に示されるように,使い捨ておむつ100は,装着された際に,着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,着用者の股下にあてがわれる股下部3に区分される。図2に示されるように,使い捨ておむつ100の股下部3は,長さ方向に見て,前身頃1と後身頃2の間に位置する領域である。
図1及び図2に示されるように,使い捨ておむつ100は,前身頃1から股下部3を通り後身頃2にかけて形成された外装体10と,この外装体10の肌当接面側に股下部3を中心として固定された吸収性本体20を有する。吸収性本体20は,液透過性のトップシートと,液不透過性のバックシートと,両シートの間に介在する吸収体を備え,尿などの液体を吸収し保持することができるようになっている。外装体10は,液吸収構造を持つ吸収性本体20を,着用者の身体に装着させるための部材である。なお,図2の展開図は,使い捨ておむつ100を肌非当接面側から見たものであるため,肌当接面側に位置する吸収性本体20は,破線で示されている。
図2の展開図に示されるように,外装体10は,股下部3において,装着時において着用者の両脚部が位置する部分がくり抜かれた形状となっている。本発明において,股下部3は,着用者の両脚部が位置する部分がくり抜かれ,幅方向内側に向かって幅狭となる部分の幅方向範囲の領域を意味している。このため,股下部3は,前身頃1及び後身頃2と比較し,幅狭となる。股下部3は,幅方向の左右両側に左右の側縁4を有しており,この左右の側縁4が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折している。図1及び図2に示された第1の実施形態では,股下部3の左右の側縁4は,内側に向かって略弧状に湾曲したものとなっている。
外装体10は,例えば,肌当接面側に位置するインナーシート12と,肌非当接面側に位置するアウターシート13を有する。インナーシート12とアウターシート13は別々のシート部材により構成することとしてもよいし,シート部材を折り返して形成し,肌当接面側に位置する部分をインナーシート12とし,肌非当接面側に位置する部分をアウターシート13としてもよい。外装体10を構成するインナーシート12とアウターシート13の間には,種々の弾性伸縮部材を固定されている。このため,外装体10は,弾性伸縮部材の伸縮に応じて,伸縮可能となっている。インナーシート12とアウターシート13の間に固定される弾性伸縮部材としては,後述する脚周り伸縮部材11,腰周り伸縮部材14,及び腹周り伸縮部材15等が挙げられる。
図2に示された展開状態から,外装体10における前身頃1の幅方向左右両側の端部に位置するサイドシール部1aと,後身頃2の幅方向両端部の端部に位置するサイドシール部2aとを,左右の位置を対応させて接合することにより,図1に示される状態に組み上がる。図1に示されるように,パンツ型の使い捨ておむつ100は,前身頃1のサイドシール部1aと後身頃2のサイドシール部2aを接合することにより,前身頃1と後身頃2とが環状に繋がる。これにより,長さ方向における前身頃1の端縁1bと後身頃2の端縁2bに沿って,着用者の腰周りの位置に,腰周り開口部6が画定される。また,前身頃1と後身頃2のサイドシール部1a,2a同士が接合されることにより,股下部3の左右の側縁4に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部5が画定される。このため,着用者は,腰周り開口部6から両脚部を入れ,それぞれの脚部を脚周り開口部5から出すことで,パンツ型の使い捨ておむつ100を装着することができる。
また,図2に示されるように,使い捨ておむつ100は,幅方向にみて,左右両側に位置する左右領域3aと,左右領域3aの間に位置する中央領域3bとに区分できる。例えば,中央領域3bは,外装体10と吸収性本体20とが重なる領域の長さ方向範囲として定義すればよい。また,左右領域3aは,吸収性本体20が固定された位置の幅方向両側の領域の長さ方向範囲として定義すればよい。
図2に示されるように,使い捨ておむつ100の股下部3には,少なくとも,幅方向の左右両側に位置する左右領域3aに,複数の脚周り伸縮部材11が伸長状態で固定されている。脚周り伸縮部材11は,着用者が使い捨ておむつを装着したときに,脚周り開口部5の近傍のシートを収縮させて,脚周り開口部5の近傍にギャザーを形成するための部材である。脚周り伸縮部材11は,外装体10を構成するインナーシート12とアウターシート13の間に伸長状態で固定されている。図2に示された第1の実施形態において,複数の脚周り伸縮部材11には,糸状の弾性伸縮部材が採用されている。第1の実施形態において,糸状の脚周り伸縮部材11は,少なくとも,左右領域3aに位置しており,幅方向内側寄りの一部分が中央領域3bにも位置している。第1の実施形態において,複数の糸状の脚周り伸縮部材11は,幅方向の左右両側縁に向かって延びており,股下部3の中心から左右両側縁に向かうにつれて,徐々に前身頃1側又は後身頃側2へと近づくように曲線状に延びている。なお,糸状の弾性伸縮部材とは,その厚みと幅が略等しくなっている弾性伸縮部材である。例えば,弾性伸縮部材の厚みをTとし,幅をWとした場合に,糸状の弾性伸縮部材は,1/2T≦W<3Tの関係を満たすものであることが好ましい。
なお,他の実施形態では,脚周り伸縮部材11に,幅のある一又は複数の平状の弾性伸縮部材を採用することも可能である。また,他の実施形態では,脚周り伸縮部材11が,左右領域3aに位置するものに分断されておらず,左右領域3aに位置する部分と,中央領域3b位置する部分とが連続的に繋がっていることとしてもよい。
図2に示されるように,複数の糸状の脚周り伸縮部材11は,その大部分が股下部3の左右領域3aに位置し,その一部が前身頃1の左右領域3a及び後身頃2の左右領域3aに位置しているものであってもよい。このように,複数の脚周り伸縮部材11は,所定の間隔を置いて,股下部3の左右領域3aを主として配置されている。すなわち,図2に示された例では,股下部3には,前身頃1寄りの左右の各所と,後身頃2寄りの左右の各所に,それぞれ5本ずつ脚周り伸縮部材11が固定されており,この5本の脚周り伸縮部材11は,それぞれ所定の間隔を置いて配置されている。
股下部3の左右領域3aに配置する脚周り伸縮部材11の数は,特に限定されるものではないが,本実施形態のように,脚周り伸縮部材11として糸状の弾性伸縮部材を採用する場合,その数は,3〜15本又は5本〜10本であることが好ましい。また,各脚周り伸縮部材11の間の間隔は,例えば,0.3mm〜3mm,0.5mm〜2mm,1mm〜1.5mmとすればよい。
図2に示されるように,本実施形態では,股下部3において,前身頃1寄りの左右の各所と,後身頃2寄りの左右の各所に,それぞれ所定本数ずつの脚周り伸縮部材11が,間隔を置いて固定されていることで,それぞれの各所に,複数の脚周り伸縮部材11を含む幅のある領域である伸縮領域11aが形成されている。伸縮領域11aは,脚周り伸縮部材11が配置されることで伸縮可能となった領域であり,1つの群を形成する複数の脚周り伸縮部材11のうち,群の一端に位置する脚周り伸縮部材11から,群の他端に位置する脚周り伸縮部材11までの範囲を意味している。図2に示されるように,第1の実施形態において,伸縮領域11aは,股下部3の左右領域3aに曲線状に配置された複数の脚周り伸縮部材11を含むことで帯状に形成されており,脚周り伸縮部材11が形成する曲線に合わせて蛇行している。
本発明の使い捨ておむつ100において,図1や図2に示されるように,股下部3の左右の側縁4は,伸縮領域11aの少なくとも一部と,脚周り開口部5の少なくとも一部が重畳するように,湾曲(又は屈折)している。すなわち,図2に示された実施形態において,ある伸縮領域11aに含まれる複数の脚周り伸縮部材11は,第1類11bと,第2類11cとに分類できる。脚周り伸縮部材11の第1類11bは,脚周り伸縮部材11の伸縮方向の一端(幅方向外側)が,股下部3の左右の側縁4に到達して途切れているものである。これに対し,脚周り伸縮部材11の第2類11cは,脚周り伸縮部材11の伸縮方向の一端(幅方向外側)が,前身頃1のサイドシール部1a又は後身頃2のサイドシール部2aに到達して途切れているものである。このように,本発明では,本実施形態のように,脚周り伸縮部材11として複数の糸状の弾性伸縮部材が用いられる場合,伸縮領域11aに含まれる複数の脚周り伸縮部材11のうち,少なくとも1つ以上が,股下部3の左右の側縁4に到達して途切れているもの(第1類11b)となる。例えば,上記第1類11bとなる脚周り伸縮部材11は,少なくとも1本であり,2本以上であることが好ましく,3本〜6本,4本又は5本であってもよい。特に,第1類11bとなる脚周り伸縮部材11は,3本〜6本であることが好ましい。
上記構成のように,伸縮領域11aの少なくとも一部と脚周り開口部5の少なくとも一部が重畳するように,股下部3の左右の側縁4を湾曲(又は屈折)させることで,脚周り開口部5を形成する股下部3の左右の側縁4と,脚周り伸縮部材11が配置された伸縮領域11aの間に生じる余白部分が少なくなる。このようにして,余白部分をなくすことで,使い捨ておむつの脚周り開口部5の近傍に,シート部材がヒラヒラしたフリルの様な部分が生じるのを抑制できる。このため,このフリルの様な部分の自由端部がめくれたり,おむつの内側に折れ込んだりする事態を防止できる。従って,本発明によれば,脚周り開口部5から尿漏れが発生したり,着用感が低下する事態を防止できる。さらには,脚周り開口部5の近傍にフリルのような部分が形成されにくくなるため,見た目がスッキリし,所謂「紙おむつ」の印象が少なくなり,特に着用者が男性である場合であっても,使い捨ておむつを着用することに対する抵抗感を減らすことができる。
また,図1及び図2に示されるように,本発明の第1の実施形態において,各伸縮領域11aを形成する複数の脚周り伸縮部材11には,その伸縮方向の一端が,股下部3の左右の側縁4に到達して途切れたもの(第1類11b)と,前身頃1のサイドシール部1a又は後身頃2のサイドシール部2aに到達して途切れたもの(第2類11c)の両方が含まれていることが好ましい。このようにすることで,図1及び図2に示されるように,股下部3の左右の側縁4の前身頃1側近傍の部分と,股下部3の左右の側縁4の後身頃2側近傍の部分に,ヒラヒラしたフリルを形成する余白部分が少なくなる。股下部3の左右の側縁4の前身頃1側近傍の部分と,後身頃2側近傍の部分は,特にフリルが形成され易く,しかもフリルが形成された場合に最も目立つ部分であるため,この部分において余白部分をなくすことで,本発明の効果が特に効果的に発揮される。
また,複数の脚周り伸縮部材11のうちの少なくとも1つを,股下部3の左右の側縁4に到達して途切れているもの(第1類11b)とし,脚周り開口部5の近傍にヒラヒラしたフリルの様な部分が生じるのを抑制するために,脚周り伸縮部材11は,外装体10に対して,連続的に固定されていることが好ましい。連続的に固定とは,脚周り伸縮部材11の伸縮方向の一端部から他端部までが全体的に,外装体10に固定されていることを意味する。例えば,脚周り伸縮部材11の全体に,ホットメルト接着剤等を塗布して,インナーシート12とアウターシート13の間に配置することで,脚周り伸縮部材11を,外装体10に連続的に固定できる。
続いて,図3を参照して,上記構成の脚周り伸縮部材11を形成する方法の概要を説明する。図3は,使い捨ておむつの展開図を簡略的に描画したものであり,おむつの股下部3に湾曲した左右の側縁4が形成される前の状態(a)と,おむつの股下部3に湾曲した左右の側縁4が形成された後の状態(b)と,をそれぞれ示している。
まず,図3(a)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を構成するシート部材に対し,おむつの股下部3の左右領域3aを含む位置に,伸長状態の脚周り伸縮部材11を,それぞれ複数本ずつ固定する。このように複数本の脚周り伸縮部材11を所定間隔で配置することで,伸縮領域11aが形成される。なお,本実施形態では,股下部3の中央領域3bで,脚周り伸縮部材11が途切れている。このようにするためには,おむつの幅方向全領域に亘って繋がった脚周り伸縮部材11を配置した後,股下部3の中央領域3bで,当該脚周り伸縮部材11を切断することとしてもよいし,予め別々にされた脚周り伸縮部材11を,股下部3の左右領域3aにそれぞれ配置することとしてもよい。
その後,図3(b)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を,股下部3の幅方向左右両側の部位において切り落とす。すなわち,外装体10の股下部3を形成する部分を,幅方向内側に向かって幅狭となるように,湾曲した略弧状に切断する。これにより,股下部3の幅方向両側に,略弧状に湾曲した左右の側縁4が形成される。そして,この左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの脚周り伸縮部材11を切断する。このようにして,左右の側縁4を形成するための切断と同時に切断された脚周り伸縮部材11は,股下部3の左右の側縁4に到達して途切れているものとなり,本願明細書では,第1類11bと称されるものとなる。他方,左右の側縁4を形成するための切断によっては切断されなかった脚周り伸縮部材11は,前身頃1のサイドシール部1a又は後身頃2のサイドシール部2aに到達して途切れているものとなり,本願明細書では,第2類11cと称されるものとなる。このように,使い捨ておむつ100の脚周りには,脚周り伸縮部材11が配置されて幅のある伸縮領域11aが形成され,その伸縮領域11aの一部を跨ぐように,脚周り開口部5を形成するための略弧状に湾曲した左右の側縁4が形成される。
また,図4は,使い捨ておむつ100の側面図を概念的に描画したものである。図3(a)(b)に示した方法に従って,股下部3に左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの脚周り伸縮部材11を切断する。これにより,図4に示されるように,左右の側縁4の切断面4´と,脚周り伸縮部材11の切断面11´とが一致する。本発明の第1の実施形態に係る使い捨ておむつ100は,側面から脚周り開口部5の周縁を見たときに,股下部3に左右の側縁4の切断面4´と共に,少なくとも1つの脚周り伸縮部材11の切断面11´が視認可能であることが好ましい。このように,使い捨ておむつの側面から,脚周り伸縮部材11の切断面11´が視認できるということは,左右の側縁4と脚周り伸縮部材11の間に余白部分が形成されずに,左右の側縁4まで脚周り伸縮部材11が達しているということとなる。
その他,図1から図3に示されるように,外装体10を構成するインナーシート12とアウターシート13の間には,複数の腰周り伸縮部材14と,複数の腹周り伸縮部材15とを,幅方向に沿った伸長状態で固定することが好ましい。複数の腰周り伸縮部材14は,前身頃1の長さ方向の端縁1bと,後身頃2の長さ方向の端縁2bの近傍に配置されている。複数の腰周り伸縮部材14が,インナーシート12とアウターシート13の間に固定された状態で収縮することで,腰周り開口部6近傍にギャザーが形成される。また,インナーシート12とアウターシート13の間には,複数の腰周り伸縮部材14よりもおむつの股下部3寄りの位置に,複数の腹周り伸縮部材15が伸長状態で固定されている。複数の腹周り伸縮部材15は,おむつの幅方向に沿って伸長状態で固定されており,この複数の腹周り伸縮部材15が収縮することにより,前身頃1と後身頃2の腹周りの部位にギャザーが形成される。また,インナーシート12とアウターシート13の間に配置する腰周り伸縮部材14と腹周り伸縮部材15の本数は,それぞれ適宜用途に応じて調節することができる。例えば,これら弾性伸縮部材の数は,4本〜20本,8本〜16本,又は10本〜14本とすればよい。
上記した脚周り伸縮部材11,腰周り伸縮部材14,及び腹周り伸縮部材15の素材は,適宜公知のものを用いればよい。例えば,これらの弾性伸縮部材には,糸状弾性ゴム又は平状弾性ゴムを適用することができる。このようなゴム部材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の素材を用いることができる。また,各弾性伸縮部材には,例えば熱可塑性エラストマー,プラスチックシート,ウレタンフィルム,ウレタンフォーム,又はゴムシート等の伸縮性を有する公知の部材を用いることもできる。
また,外装体10を構成し,上記各種弾性伸縮部材を挟持するインナーシート12とアウターシート13としては,例えば,ポリエチレン,ポリプロピレン,又はポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いればよい。
上記外装体10の肌当接面側に固定される吸収性本体20は,液透過性のトップシートと,液不透過性のバックシートと,両シートの間に介在する吸収体を含む公知の構造を採用すればよい。吸収体は,尿などの液体を吸収し保持するための機能を有する。例えば,吸収体は,着用者の尿や体液を吸収し保持するための吸収性材料を,ティシュ等のコアラップシートによって肌当接面側及び肌非当接面側から被覆することによって構成されている。吸収性材料としては,例えば,フラッフパルプ及び高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;「SAP」)を混合してマット状にしたものを採用できる。フラッフパルプの例は,木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものである。高吸水性ポリマーの例は,ポリアクリル酸ナトリウムである。また,コアラップシートは,親水性シートで構成されている。親水性シートとしては,例えば,ティシュ,吸収紙,又は親水化処理を行った不織布を用いることができる。この吸収体は,肌当接面側から液透過性のトップシートによって被覆され,肌非当接面側から液不透過性のバックシートによって被覆されている。従って,尿などの液体は,トップシート1を透過して,吸収体に吸収保持され,バックシートによって外部への漏出が阻止される。トップシートを構成する液透過性材料として,例えば,織布,不織布,多孔性フィルを採用することができる。特に,液透過性材料としては,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂からなる不織布に親水化処理を施したものを用いることが好ましい。また,バックシートを構成する液不透過性材料としては,例えば,ポリエチレン等の樹脂からなる液不透過性フィルム等を採用することができる。特に,液不透過性材料としては,微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
また,その他,外装体10において,吸収体の幅方向の両側には,左右一対のサイドシートを配設することとしてもよい。サイドシートは,疎水性を有しながらも通気性の高い材料によって形成されていることが好ましい。また,サイドシートの一端をトップシートの表面上に固定し,その他端側に立体ギャザー伸縮部材を伸長状態で固定することにより,立体ギャザーが形成される。この立体ギャザーは,立体ギャザー伸縮部材が収縮すると,その収縮力を利用して,着用者の肌に当接する方向に向かって起立する。起立した立体ギャザーは,トップシートの左右側方から液体が漏洩することを防止するための防漏壁として機能する。
(2.使い捨ておむつの第2の実施形態)
続いて,図5を参照して,本発明の第2の実施形態について説明する。図5は,第1の実施形態の説明で用いた図3と同様に,使い捨ておむつの展開図を簡略的に描画したものであり,おむつの股下部3に湾曲した左右の側縁4が形成される前の状態(a)と,おむつの股下部3に湾曲した左右の側縁4が形成された後の状態(b)と,をそれぞれ示している。第2の実施形態について,上述した第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。なお,第2の実施形態について,第1の実施形態と同一の要素については,同一の符号を付して示している。
図5に示されるように,本発明の第2の実施形態では,脚周り伸縮部材11として,平状の弾性伸縮部材が採用されている。平状の弾性伸縮部材とは,その厚みに対して幅が広くなっている弾性伸縮部材である。例えば,弾性伸縮部材の厚みをTとし,幅をWとし,長さをLとした場合に,平状の弾性伸縮部材の幅Wは,3T≦W≦1/2Lの関係を満たすものであることが好ましい。図5(a)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を構成するシート部材に対し,おむつの股下部3の左右領域3aを含む位置に,平状の脚周り伸縮部材11が,伸長状態でそれぞれ複数本ずつ固定されている。本実施形態では,平状の脚周り伸縮部材11の伸縮方向が,使い捨ておむつの長手方向と一致するように配置されている。また,平状の脚周り伸縮部材11は,使い捨ておむつの左右領域3aにおいて,股下部3から前身頃1及び後身頃2に延びて配置されている。さらに,図5(a)に示されるように,脚周り開口部を形成する切断を行う前の状態において,平状の脚周り伸縮部材11は,外装体10を構成するシート部材の幅方向左右両側において,幅方向の外縁に沿った位置に一本ずつ設けられるとともに,その内側にも一本ずつ設けられている。このように複数の平状の脚周り伸縮部材11を所定間隔で配置することで,伸縮領域11aが形成される。なお,脚周り伸縮部材11として平状の弾性伸縮部材を採用する場合,平状の脚周り伸縮部材11は,左右領域3aに一本ずつ設けられる場合であっても,その幅によって,伸縮領域11aを形成することができる。このため,本実施形態では,平状の脚周り伸縮部材11を左右領域3aに二本ずつ配置しているが,他の実施形態では,平状の脚周り伸縮部材11は左右領域3aに一本ずつ設けられていてもよい。
その後,図5(b)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を,股下部3の幅方向左右両側の部位において切り落とす。すなわち,外装体10の股下部3を形成する部分を,幅方向内側に向かって幅狭となるように,湾曲した略弧状に切断する。これにより,股下部3の幅方向両側に,略弧状に湾曲した左右の側縁4が形成される。そして,この左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの平状の脚周り伸縮部材11を切断する。図5(b)に示されるように,複数の平状の脚周り伸縮部材11には,左右の側縁4を形成するための切断によって,分断された脚周り伸縮部材11dが含まれていても良いし,その一部がくり貫かれた脚周り伸縮部材11eが含まれていても良い。特に,図5(b)に示されるように,複数の平状の脚周り伸縮部材11には,左右の側縁4を形成するための切断によって,分断された脚周り伸縮部材11dと,その一部がくり貫かれた脚周り伸縮部材11eの両方が含まれていることが好ましい。このようにすることで,略弧状に湾曲した左右の側縁4の切断面と,平状の脚周り伸縮部材11の切断面が一致する領域が拡大する。このように,広い領域で,左右の側縁4の切断面と平状の脚周り伸縮部材11の切断面とを一致させることで,左右の側縁4と脚周り伸縮部材11の間の余白部分が少なくなるため,脚周り開口部5の周囲にヒラヒラしたフリルの様な部分が形成されるのを,より効果的に抑制できる。例えば,左右の側縁4の切断面と,平状の脚周り伸縮部材11の切断面が一致する領域を拡大させるためには,より幅の広い平状の脚周り伸縮部材11を採用すればよい。本実施形態において,弾性伸縮部材の厚みをTとし,幅をWとし,長さをLとした場合に,平状の脚周り伸縮部材11の幅Wは,5T≦W≦1/2Lの関係を満たすことが好ましく,また,10T≦W≦1/2Lの関係を満たすことがより好ましい。
(3.使い捨ておむつの第3の実施形態)
次に,図6を参照して,本発明の第3の実施形態について説明する。図6は,第1の実施形態の説明で用いた図3と同様に,使い捨ておむつの展開図を簡略的に描画したものである。第3の実施形態について,上述した第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図6に示されるように,本発明の第3の実施形態では,脚周り伸縮部材11として,幅方向内側に向かって屈折した形状の平状の弾性伸縮部材が採用されている。図6(a)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を構成するシート部材に対し,おむつの股下部3の左右領域3aを含む位置に,平状の脚周り伸縮部材11が,伸長状態でそれぞれ複数本ずつ固定されている。本実施形態では,股下部3において,平状の脚周り伸縮部材11の伸縮方向が,使い捨ておむつの長手方向と一致する。また,平状の脚周り伸縮部材11は,使い捨ておむつの左右領域3aにおいて,股下部3から前身頃1及び後身頃2に延びて配置されている。平状の脚周り伸縮部材11は,前身頃1又は後身頃2に位置する部分が,幅方向外側に向かって屈折するように傾斜した部分と,当該傾斜した部分に繋がって使い捨ておむつの長手方向と一致する方向に延びる部分とを含む。このように,平状の脚周り伸縮部材11は,使い捨ておむつの長手方向と平行でない部分を含んでいてもよい。また,図6(a)に示されるように,脚周り開口部を形成する切断を行う前の状態において,屈折した平状の脚周り伸縮部材11は,外装体10を構成するシート部材の幅方向の左右領域3aに三本ずつ設けられている。複数の平状の脚周り伸縮部材11を所定間隔で配置することで,伸縮領域11aが形成される。
その後,図6(b)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を,股下部3の幅方向左右両側の部位において切り落とす。本実施形態では,外装体10の股下部3を形成する部分を,幅方向内側に向かって幅狭となるように,屈折した略コの字状(又は略逆コの字状)に切断している。これにより,股下部3の幅方向両側に,屈折した左右の側縁4が形成される。そして,この左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの平状の脚周り伸縮部材11を切断する。図6(b)に示されるように,複数の平状の脚周り伸縮部材11には,左右の側縁4を形成するための切断によって,分断された脚周り伸縮部材11dが含まれていても良いし,その一部がくり貫かれた脚周り伸縮部材11eが含まれていても良い。このようにすることで,屈折した左右の側縁4の切断面と,平状の脚周り伸縮部材11の切断面が一致する領域が拡大する。広い領域で,左右の側縁4の切断面と平状の脚周り伸縮部材11の切断面とを一致させることで,左右の側縁4と脚周り伸縮部材11の間の余白部分が少なくなるため,脚周り開口部5の周囲にヒラヒラしたフリルの様な部分が形成されるのを,より効果的に抑制できる。
(4.使い捨ておむつの第4の実施形態)
次に,図7を参照して,本発明の第4の実施形態について説明する。図7は,第1の実施形態の説明で用いた図3と同様に,使い捨ておむつの展開図を簡略的に描画したものである。第4の実施形態について,上述した第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図7に示されるように,本発明の第4の実施形態では,脚周り伸縮部材11として,複数の糸状の弾性伸縮部材が採用しており,複数の脚周り伸縮部材11には,おむつ長さ方向の両端において幅方向の外側に向かって傾斜した部分を含む屈折した脚周り伸縮部材11fと,全体が長さ方向と一致する方向に延びて固定された直線状の脚周り伸縮部材11gの2種が含まれている。図7(a)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を構成するシート部材に対し,おむつの股下部3の左右領域3aを含む位置に,糸状の脚周り伸縮部材11が,伸長状態でそれぞれ複数本ずつ固定されている。また,糸状の脚周り伸縮部材11は,使い捨ておむつの左右領域3aにおいて,股下部3から前身頃1及び後身頃2に延びて配置されている。複数の糸状の脚周り伸縮部材11のうち,幅方向の左右外側に位置する数本の脚周り伸縮部材11fは,屈折しており,股下部3において長さ方向と一致する方向に延在する部分と,前身頃1又は後身頃において幅方向外側に向かって屈折するように傾斜した部分とを含んでいる。また,このように屈折した脚周り伸縮部材11fよりも幅方向内側には,全体が長さ方向と一致する方向に延在した直線状の脚周り伸縮部材11gが位置している。本実施形態では,左右領域3aのそれぞれに,屈折した脚周り伸縮部材11fが4本配置され,直線状の脚周り伸縮部材11gが2本配置されている。このように,複数の脚周り伸縮部材11は,異なる方向に延在する部分を含んでいてもよい。複数の糸状の脚周り伸縮部材11を所定間隔で配置することで,伸縮領域11aが形成される。
その後,図7(b)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を,股下部3の幅方向左右両側の部位において切り落とす。本実施形態では,外装体10の股下部3を形成する部分を,幅方向内側に向かって幅狭となるように,湾曲した略弧状に切断している。これにより,股下部3の幅方向両側に,湾曲した左右の側縁4が形成される。そして,この左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの糸状の脚周り伸縮部材11を切断する。図7(b)に示されるように,複数の糸状の脚周り伸縮部材11のうち,幅方向の左右外側に位置している複数の屈折した脚周り伸縮部材11f,左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に切断されている。また,屈折した脚周り伸縮部材11fのうち,左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に切断された部分は,股下部3において長さ方向と一致する方向に延在する部分であり,前身頃1又は後身頃において幅方向外側に向かって屈折するように傾斜した部分は,切断されずに,左右の側縁4の周囲に沿って延在している。このように,左右の側縁4の切断面と糸状の脚周り伸縮部材11の切断面とを一致させつつ,左右の側縁4の周囲を囲うように,脚周り伸縮部材11を配置することで,左右の側縁4と脚周り伸縮部材11の間の余白部分が少なくなるため,脚周り開口部の周囲にヒラヒラしたフリルの様な部分が形成されるのを,効果的に抑制できる。
(5.使い捨ておむつの第5の実施形態)
次に,図8を参照して,本発明の第5の実施形態について説明する。図8は,第1の実施形態の説明で用いた図3と同様に,使い捨ておむつの展開図を簡略的に描画したものである。第5の実施形態について,上述した第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図8に示されるように,本発明の第5の実施形態では,脚周り伸縮部材11として,複数の糸状の弾性伸縮部材が採用しており,糸状の脚周り伸縮部材11のそれぞれが,おむつの長さ方向にループが連続する形状となって固定されている。図8(a)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を構成するシート部材に対し,おむつの股下部3の左右領域3aを含む位置に,糸状の脚周り伸縮部材11が,伸長状態でそれぞれ複数本ずつ固定されている。また,糸状の脚周り伸縮部材11は,使い捨ておむつの左右領域3aにおいて,股下部3から前身頃1及び後身頃2に延びて配置されている。糸状の脚周り伸縮部材11のそれぞれは,おむつの長さ方向にループが連続するように巻いた状態とされて,シート部材に固定されている。また,ループを形成している脚周り伸縮部材11のそれぞれは,幅方向内側に向かって膨出するように緩やかな円弧状をなしている。このように,複数の糸状の脚周り伸縮部材11を所定間隔で配置することで,伸縮領域11aが形成される。また,股下部3の左右領域3aに配置される糸状の脚周り伸縮部材11が一本であっても,本実施形態のように,おむつの長さ方向にループが連続する形状とすることにより,所定の幅を有する伸縮領域11aを形成することが可能である。
その後,図8(b)に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10を,股下部3の幅方向左右両側の部位において切り落とす。本実施形態では,外装体10の股下部3を形成する部分を,幅方向内側に向かって幅狭となるように,湾曲した略弧状に切断している。これにより,股下部3の幅方向両側に,湾曲した左右の側縁4が形成される。そして,この左右の側縁4を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域11aに含まれる少なくとも1つの糸状の脚周り伸縮部材11が切断される。図7(b)に示されるように,左右領域3aのそれぞれに,ループが連続した形状で固定された3本の糸状の脚周り伸縮部材11には,幅方向外側から順に,左右の側縁4を形成するための切断によって分断された脚周り伸縮部材11dと,その一部がくり貫かれた脚周り伸縮部材11eと,切断されていない脚周り伸縮部材11が含まれる。このように,複数の糸状の脚周り伸縮部材11には,左右の側縁4を形成するための切断によって,分断された脚周り伸縮部材11dと,その一部がくり貫かれた脚周り伸縮部材11eと,切断されていない脚周り伸縮部材11が含まれていることが好ましい。このようにすることで,湾曲した左右の側縁4の切断面と,糸状の脚周り伸縮部材11の切断面が一致する領域が拡大し,左右の側縁4と脚周り伸縮部材11の間の余白部分が少なくなるため,脚周り開口部の周囲にヒラヒラしたフリルの様な部分が形成されるのを,より効果的に抑制できる。
(6.使い捨ておむつの製造方法)
続いて,上記した使い捨ておむつの製造方法について説明する。ここでは,特に,上記した第1の実施形態に係る使い捨ておむつの製造方法を説明する。
本発明の製造方法は,公知のパンツ型の使い捨ておむつや,テープ型の使い捨ておむつの製造方法に広く適用可能である。以下では,これらの種々のタイプの使い捨ておむつのうち,外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のパンツ型の使い捨ておむつを例に挙げて,その製造方法を説明する。
なお,以下では,例えば「原脚周り伸縮部材」等といった表現を使用するが,この「原脚周り伸縮部材」等は,使い捨ておむつの製造ラインにおいて切断加工されることにより,後に,使い捨ておむつの「脚周り伸縮部材」等となる部材を意味する。
図9は,本発明に係る使い捨ておむつの製造工程を示した概念図である。図9では,矢印Aで示された方向が,おむつ製造工程の流れ方向となっている。
本発明の製造方法では,まず,図示しない原反ロールから原アウターシート113が繰り出されて,おむつの製造ラインに導入される(ステップS1)。原アウターシート113は,製造工程の流れ方向に沿う方向が長手方向となり,製造工程の流れ方向に直交する方向が幅方向となっている。原アウターシート113は,幅方向の一端側が,製造される使い捨ておむつの前身頃側に相当し,幅方向の他端側が,製造される使い捨ておむつの後身頃側に相当する。
原アウターシート113の上(肌当接面側)には,複数の原腹周り伸縮部材115が,例えばホットメルト接着剤などによって固定される(ステップS2)。このとき,複数の原腹周り伸縮部材115は,原アウターシート113の前身頃側と後身頃側に,原アウターシート113の流れと一致する方向に伸長した状態で固定される。原腹周り伸縮部材115は,例えば,コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。また,原腹周り伸縮部材115は,後述するステップS6において,切断されて部分的に不連続とされる。このため,原腹周り伸縮部材115を接合する際には,原腹周り伸縮部材115を部分的に不連続とすることができるように,接合部分と非接合部分が交互に連続するように接着剤を塗布することが好ましい。
また,その後,原アウターシート113上(肌当接面側)には,複数の原脚周り伸縮部材111が,例えばホットメルト接着剤などによって固定される(ステップS3)。本実施形態において,原脚周り伸縮部材111には,糸状の弾性伸縮部材が用いられている。複数の原脚周り伸縮部材111は,前身頃側と後身頃側のそれぞれで群をなしており,前身頃側と後身頃側とで群をなす複数の原脚周り伸縮部材は,所定間隔を置いて配置されている。これにより幅のある伸縮領域が形成される。原脚周り伸縮部材111は,原アウターシート113の前身頃側と後身頃側に,蛇行するようにして,伸長した状態で固定される。特に,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群は,一定周期で近づき,一定周期で離れるように蛇行しており,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群の間が離れた箇所には,隙間が形成されている。原脚周り伸縮部材111は,例えば,コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。なお,原脚周り伸縮部材111は,原腹周り伸縮部材115と同様に,後述するステップS6において切断されて部分的に不連続とされるため,原脚周り伸縮部材111を接合する際には,接合部分と非接合部分が交互に連続するように接着剤を塗布することが好ましい。特に,原脚周り伸縮部材111は,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群が近づいた箇所において,原アウターシート113に対して非接合とされ,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群が離れた箇所において,原アウターシート113に対して接合されることが好ましい。
その後,原アウターシート113上(肌当接面側)には,前身頃側と後身頃側の腰周り端部の近傍の位置に,複数の原腰周り伸縮部材114が,シートの流れ方向に沿って伸長状態で接合される(ステップS4)。原腰周り伸縮部材114は,例えば,コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。
その後,原アウターシート113に固定された原腹周り伸縮部材115と原脚周り伸縮部材111の上に,図示しない原反ロールから繰り出された原インナーシート112が貼合される(ステップS5)。なお,このとき,原インナーシート112は,複数の腰周り伸縮部材114の一部又は全部と重畳して貼合されるものであってもよい。原インナーシート112は,例えばカーテンスプレーといった手法によりホットメルト接着剤が全面的に塗布された状態で,原アウターシート113の幅方向中央部を中心として接合されることが好ましい。
その後,原腹周り伸縮部材115と原脚周り伸縮部材111は,原アウターシート113と原インナーシート112の間に挟持された状態で,シートの流れ方向と直交する方向に切断される(ステップS6)。前述したように,原腹周り伸縮部材115と原脚周り伸縮部材111は,接合部分と非接合部分が交互に連続するように,原アウターシート113と原インナーシート112の間に挟持固定されているため,非接合部分を切断することで,当該非接合部分において不連続となる。
その後,原アウターシート113の上(肌当接面側)に,吸収性本体120を貼合する(ステップS7)。吸収性本体120は,原腹周り伸縮部材115と原脚周り伸縮部材111が不連続となった領域に貼合される。吸収性本体120を形成する工程の図示は省略するが,公知の工程によって形成すればよい。吸収性本体120は,例えばホットメルト接着剤などを用いて接合すればよい。吸収性本体120は,例えば,液透過性のトップシートを肌当接面側に有し,液不透過性のバックシートを肌非当接面側に有し,トップシートとバックシートの間に吸収体が配設されている。
その後,吸収性本体120が配置された間の領域において,原アウターシート113と原インナーシート112をくり抜き切断することにより,脚周り開口部105を形成する(ステップS8)。すなわち,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111がなす群は,一定周期で近づき,一定周期で離れるように蛇行しており,この離れた箇所において,脚周り開口部105を形成するための切断が行われる。このとき,前身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111が形成する伸縮領域と,後身頃側の複数の原脚周り伸縮部材111が形成する伸縮領域とを跨ぐように,脚周り開口部105が形成される。これにより,吸収性本体120の幅方向両側に,湾曲した曲線状の左右の側縁が形成される。そして,この左右の側縁を形成するための切断を行うと同時に,伸縮領域に含まれる少なくとも1つの原脚周り伸縮部材111が切断される。これにより,脚周り開口部105を形成する切断面と,少なくとも1つの原脚周り伸縮部材11の切断面とが,一致するようになる。以上の工程により,吸収性本体120を保持するための原外装体シート110が得られる。
その後,原アウターシート113の前身頃側の端部と後身頃側の端部とを,肌当接面側に向かって折り返す工程を行う(ステップS9)。例えば,原アウターシート113の幅方向両端側には,原アウターシート113の幅方向両端部分を,幅方向内方に向かって折り返すための一対のセーラーが位置している。一対のセーラーは,原アウターシート113の両端部分を挟み込みながら,シート両端部分を幅方向内方に案内して折り込む。これにより,原アウターシート113の折り返し部分に,複数の原腰周り伸縮部材114が挟み込まれて固定される。このとき,原アウターシート113の折り返し部分の接合には,ステップS4において原腰周り伸縮部材114に塗布したホットメルト接着剤を利用してもよいし,原腰周り伸縮部材114に対して改めてホットメルト接着剤を塗布することとしてもよい。
その後,原外装体シート110の前身頃を,股下部において折り返し,後身頃に重ね合わせる(ステップS10)。
その後,原外装体シート110の前身頃と後身頃をサイドフラップに相当する位置に,シートの流れ方向と直交する方向に沿ってサイドシール部101a(102a)を形成する(ステップS11)。このとき,サイドシール部101aは,シートの流れ方向と直交する方向に沿って2列で形成される。サイドシール部101aは,例えば,公知の熱エンボス装置や超音波エンボス装置を用いて施せばよい。
その後,2列で形成されたサイドシール部101aの間において,原外装体シート110を,シートの流れ方向と直交する方向に切断する(ステップS12)。これにより,シートの流れ方向に沿って隣り合った使い捨ておむつの連続体を,個別の使い捨ておむつ100に切り離すことができる。
以上の工程により,外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となったタイプのパンツ型の使い捨ておむつを製造することができる。
以上,使い捨ておむつ製造方法について,上記した第1の実施形態に係る使い捨ておむつの製造方法を例に挙げて説明を行った。ただし,本発明の製造方法は,上記第1の実施形態に係る使い捨ておむつの製造方法に限定されず,その他第2〜第5の実施形態に係る使い捨ておむつの製造方法にも適用することができる。
また,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を中心に説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,例えば高齢者向け又は乳幼児向けの使い捨ておむつ,及び使い捨ておむつの製造方法に関するものである。このため,本発明の使い捨ておむつは,介護や育児に関する産業や,使い捨ておむつの製造業などにおいて好適に利用し得る。
1…前身頃 1a…サイドシール部 1b…端縁
2…後身頃 2a…サイドシール部 2b…端縁
3…股下部 3a…左右領域 3b…中央領域
4…左右の側縁
5…脚周り開口部
6…腰周り開口部
10…外装体 11…脚周り伸縮部材 11a…伸縮領域 12…インナーシート 13…アウターシート 14…腰周り伸縮部材 15…腹周り伸縮部材
20…吸収性本体
100…使い捨ておむつ

Claims (5)

  1. 着用者の腹部に接する前身頃(1),着用者の背部に接する後身頃(2),及び当該前身頃(1)と当該後身頃(2)の間に位置する股下部(3)に,長さ方向に区分され,
    前記股下部(3)は,幅方向の左右の側縁(4)が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折しており,
    前記左右の側縁(4)に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部(5)が画定される
    使い捨ておむつであって,
    前記股下部(3)を,幅方向にみて,左右両側の左右領域(3a)と,当該左右領域(3a)の間に位置する中央領域(3b)と,に区分した場合に,
    少なくとも前記左右領域(3a)には,一又は複数の糸状の脚周り伸縮部材(11)と,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材(11)の少なくとも一方が伸長状態で固定されることで,当該脚周り伸縮部材(11)を含む幅のある領域である伸縮領域(11a)が形成されており,
    前記股下部(3)の前記左右の側縁(4)は,前記伸縮領域(11a)の少なくとも一部と,前記脚周り開口部(5)の少なくとも一部が重畳するように,湾曲又は屈折している
    使い捨ておむつ。
  2. 前記股下部(3)の前記左右の側縁(4)は,
    前記股下部(3)を形成する一又は複数のシート部材を,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折して切断することで,形成されており,
    前記左右の側縁(4)を形成する切断を行うと同時に,前記伸縮領域(11a)に含まれる少なくとも1つの前記脚周り伸縮部材(11)が切断され,当該脚周り伸縮部材(11)は分断されるか部分的にくり貫かれている
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記脚周り開口部(5)を形成する前記左右の側縁(4)の切断面と,前記伸縮領域(11a)を形成する少なくとも1つの前記脚周り伸縮部材(11)の切断面とが,一致している
    請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記脚周り伸縮部材(11)は,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材(11)である
    請求項3に記載の使い捨ておむつ。
  5. 着用者の腹部に接する前身頃(1),着用者の背部に接する後身頃(2),及び当該前身頃(1)と当該後身頃(2)の間に位置する股下部(3)に,長さ方向に区分され,
    前記股下部(3)は,幅方向の左右の側縁(4)が,幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折しており,
    前記左右の側縁(4)に沿って,着用者の左右両脚を出すための脚周り開口部(5)が画定される
    使い捨ておむつの製造方法であって,
    前記股下部(3)を形成する一又は複数のシート部材を,前記使い捨ておむつの幅方向にみて,左右両側の左右領域(3a)と,当該左右領域(3a)の間に位置する中央領域(3b)と,に区分した場合に,
    少なくとも前記左右領域(3a)に,複数の糸状の脚周り伸縮部材(11)と,一又は複数の平状の脚周り伸縮部材(11)の少なくとも一方を伸長状態で固定して,当該脚周り伸縮部材(11)を含む幅のある領域である伸縮領域(11a)が形成する工程と,
    前記股下部(3)を形成する一又は複数のシート部材を,前記幅方向内側に向かって幅狭となるように湾曲又は屈折して切断すると同時に,前記伸縮領域(11a)に含まれる少なくとも1つの前記脚周り伸縮部材(11)を切断して,当該脚周り伸縮部材(11)を分断するか部分的にくり貫く工程と,を含む
    使い捨ておむつの製造方法。
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