JP2014096967A - 機電一体駆動ユニット - Google Patents

機電一体駆動ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2014096967A
JP2014096967A JP2012248572A JP2012248572A JP2014096967A JP 2014096967 A JP2014096967 A JP 2014096967A JP 2012248572 A JP2012248572 A JP 2012248572A JP 2012248572 A JP2012248572 A JP 2012248572A JP 2014096967 A JP2014096967 A JP 2014096967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor element
substrate
switching function
stator
drive unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012248572A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Tajima
豊 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2012248572A priority Critical patent/JP2014096967A/ja
Publication of JP2014096967A publication Critical patent/JP2014096967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Abstract

【課題】小型化を図り得る機電一体型ユニットを提供する。
【解決手段】円筒状のステータコア(14)、バックヨーク(19)、ステータコア(14)の内周方向に突出するティース(15A〜15F)を含んで構成されるステータ(4)を備え、バックヨーク(19)の一部(20A〜20F)は、残りのバックヨーク(19)よりステータコア(14)の軸方向に短いものであり、かつその短いバックヨークの一部(20A〜20F)に少なくともスイッチング機能を有する半導体素子(63A、64A、73A、74A、83A、84A)から構成されるパワーモジュール(61A〜61F)を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転電機(モータ)と、この回転電機を駆動する制御装置(インバータ)の別構造体を一体に合体させた機電一体駆動ユニットに関する。
モータを収容するモータケースと、半導体素子から構成されるパワーモジュールを収容するインバータケースとを備え、インバータケースをモータケースの上側に密接させて配置した機電一体駆動ユニットがある(特許文献1参照)。
特開2000−166176号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、インバータケースがモータケースの上側に密接させて配置されている構成であるため、パワーモジュールが上下方向でモータケースの上側に配置されることになる。このため、モータケースに加えてインバータケースの高さ寸法が必要となるため小型化が難しいという問題がある。
そこで本発明は、小型化を図り得る機電一体型ユニットを提供することを目的とする。
本発明の機電一体駆動ユニットは、円筒状のステータコア、バックヨーク、ステータコアの内周方向に突出するティースを含んで構成されるステータを備えている。本発明の機電一体駆動ユニットでは、前記バックヨークの一部が、残りのバックヨークより前記ステータコアの軸方向に短いものであり、かつその短いバックヨークの一部に少なくともスイッチング機能を有する半導体素子から構成されるパワーモジュールを設けている。
本発明によれば、ステータのバックヨークの一部にパワーモジュールを設けているので、インバータケースをなくすことができる。これによって、ステータにインバータを配置するにしても、ステータコアの軸方向寸法を抑えることができ、小型化を図ることができる。
モータケースを除いた本発明の第1実施形態の機電一体駆動ユニットの概略上面図である。 図1のX−X線断面図である。 最上層基板以外の基板及びその下面の放熱板を取り出して上からみた概略上面図である。 図1の一部拡大図である。 機電一体駆動ユニット1の概略下面図のうち図4に対応する部分の拡大図である。 U字状巻き線の断面構造を示す概略モデル図である。 モータ駆動用3相インバータの回路図である。 モータ駆動用3相インバータの回路図である。 モータケースを除いた第2実施形態の機電一体駆動ユニットの概略上面図である。 図8のX−X線断面図である。 図8のY−Y線断面図である。 第2実施形態の最上層基板以外の基板及びその下面の放熱板を取り出して上からみた概略上面図である。 第2実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第2実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第2実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第2実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。 第2実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。 第2実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。 モータケースを除いた第3実施形態の機電一体駆動ユニットの概略上面図である。 図14のX−X線断面図である。 図14のY−Y線断面図である。 第3実施形態の最上層基板以外の基板及びその下面の放熱板を取り出して上からみた概略上面図である。 図14の一部拡大図である。 第3実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第3実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第3実施形態のインバータの1セット分の電気的な等価回路図である。 第3実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。 第3実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。 第3実施形態のインバータの他のセット分の電気的な等価回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1はモータケースを除いた本発明の第1実施形態の機電一体駆動ユニット1の概略上面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は最上層基板以外の基板(たとえば上から2層目の基板)及びその下面の放熱板101を取り出して上からみた概略上面図である。なお、図2の断面図を基準として上下方向を考える。
機電一体駆動ユニット1は、モータ2と、パワーモジュールを備えたモータ駆動用3相インバータ(以下、単に「インバータ」という。)60とからなる。インナーロータ型の同期モータ(以下、単に「モータ」という。)2は、ロータ3と、全体として円筒状のステータ4とで構成される。ロータ3には内部に永久磁石が埋め込まれている。
ステータ4は、円筒状のステータコア、バックヨーク、バックヨークからステータコアの径方向内側(内周方向)に突出する6つのティースを含んで構成される。ここで、ステータのうちロータ2から遠い外周側の部位が「バックヨーク」といわれる。ここでは4つの薄板リング状の基板11、21、31、41を図2にも示したように、積層することによってステータ4を構成する。積層する基板の数は4つに限られるものでなく、任意の自然数を採り得る。
最上層の基板11は内部を磁性体12とし、外側を絶縁層13で覆ったものである。同様に、上から2層目、3層目、4層目の各基板21、31、41についても、内部を磁性体22、32、42とし、外側を絶縁層23、33、43で覆っている。上記の各磁性体12、22、32、42としては圧粉磁心で構成して良い。
最上層の基板11のうち内部が磁性体でつながっているリング状部位がステータコア部14として、ステータコア部14の外周に位置するリング状部位がバックヨーク部19として機能する。図1にも示したように、ロータ3に向けて突出する6個のティース部15A、15B、15C、15D、15E、15Fを最上層の基板11の内周側に等分に設ける。隣り合うティース部の間の内部を絶縁体で埋め、隣り合うティース部の間を絶縁部16A、16B、16C、16D、16E、16Fとして構成する。6個のティース部15A〜15Fはステータコア部14に含まれる。
同様に、図3に示したように、ロータ3に向けて突出する6個のティース部25A、25B、25C、25D、25E、25Fを上から2層目の基板21の内周側にも等分に設ける。隣り合うティース部の間の内部を絶縁体で埋め、隣り合うティース部の間を絶縁部26A、26B、26C、26D、26E、26Fとして構成する。図示しないが、図3と同じにロータ3に向けて突出する6個のティース部を上から3層目、4層目の基板31、41の内周側にも等分に設ける。隣り合うティース部の間の内部を絶縁体で埋め、隣り合うティース部の間を絶縁部として構成する。
4つの基板をその各ティース部の位置を揃えて積層し固定することによって、4つの基板のステータコア部の全体で円筒状のステータコアを、4つの基板のバックヨーク部の全体で同じく円筒状のバックヨークを構成する。このとき、積層した4つの基板の6つの各ティース部の全体で、ステータ4の6つのティースも構成される。
次に、ステータ4の6つのティースにモータ巻き線51、52、53、54、55、56を巻回する方法を説明する。ステータ4の6つの各ティースにモータ巻き線51、52、53、54、55、56を巻回する方法は同じであるので、図4、図5を用い、最上層基板のティース部14A及び上から4層目の基板のティース部45Aを含む1つのティースで代表させて説明する。ここで、図4は図1の一部拡大図、図5は機電一体駆動ユニット1の概略下面図のうち図4に対応する部分の拡大図である。
図4、図5に示したように、ティース部15A、45Aに隣接する2つの絶縁部16A、16F、46A、46Fのうちティース部15A、45Aの両側面の近傍(ティースの両側面の絶縁体部分)に複数対の穴を設ける。たとえば図4においてティース部15Aの左側面の歯元から歯先に向けて六対の穴17a、17b、17c、17d、17e、17fを、ティース部15Aの右側面の歯元から歯先に向けて六対の穴18a、18b、18c、18d、18e、18fを設ける。そして、一対の両側面の穴17aと18aには、図5に示したように、基板の積層方向(以下単に「積層方向」という。)の下側からU字状巻き線51a(U字状配線)の両端を挿入して通す。同様にして、残り五対の両側面の貫通穴17bと18b、17cと18c、17dと18d、17eと18e、17fと18fにも、積層方向の下側から絶縁チューブで被覆した状態でU字状巻き線51b、51c、51d、51e、51fを挿入して通す。なお、U字状巻き線51aは導体であるため、図6に示したように、たとえばU字状巻き線51aの周囲を絶縁チューブ51mで被覆した状態で一対の両側面の穴18aと17aに挿通する。ここで、図6はU字状巻き線51aの断面構造を示す概略モデル図である。他の5つのU字状巻き線51b〜51fについても同様とする。
一方、最上層の基板11の表面に、これら6つのU字状巻き線51a〜51fとつながり、全体としてコイル状となるように銅などからなる配線パターンを形成しておく(図2参照)。たとえば図4に示したように、この配線パターンは、全ての穴の上端を被覆すると共に、穴17bと18a、17cと18b、17dと18c、17eと18d、17fと18eをそれぞれ接続する銅線51g、51h、51i、51j、51kで構成している。また、同配線パターンには、後述するパワーモジュール61Aと接続するための銅線51lも設けている。このようにして、6つのU字状巻き線51a〜51fと、6つの銅線51g〜51k、51lを含む配線パターンとからモータ巻き線51が形成されている。残り5つのモータ巻き線52〜56ついても同様に構成する。
なお、後述するように、4つの基板11、21、31、41を実際には4つの放熱板91、101、111、121と共に積層している(図2参照)。このため、上記の六対の穴17a〜17f、18a〜18fは4つの各放熱板91、101、111、121をも貫通している。ここでは、1つのティースの両側面に貫通する穴の数を片側で6個としたが、この数に限定されるものでない。
このように、6つの各モータ巻き線51〜56を、6つのU字状巻き線51a、51b、51c、51d、51e、51fと、最上層の基板の表面に形成する配線パターンとから構成することで、各モータ巻き線51〜56を容易に形成できる。
ここで、ティース部の両側面に隣接する絶縁部にU字状巻き線を通す穴17a〜17f、18a〜18fを開けることは容易である。かつ、この穴17a〜17f、18a〜18fに挿通したU字状巻き線51a〜51fを適宣接続することにより全体として6つの各モータ巻き線51〜56を形成する配線パターンを、最上層の基板11の上面(表面)に設けることも容易である。ここで、この配線パターンは、基板表面だけでなく基板に内蔵させることもできる。さらに基板と別体で構成し、基板上に載せるようにすることも可能である。また、U字状巻き線とこの配線パターンとの接続は、例えばはんだ付けやレーザ接合によって行わせることができる。
次に、本実施形態では、最上層の各基板11のうちステータコア部14の外周に位置するバックヨーク部19(バックヨーク)にインバータ60を配設する。
ここで、最上層の各基板11のうちステータコア部14の外周に位置するバックヨーク部19に配設するインバータ60を図7A、図7Bを用いて先に概説すると、図7A、図7Bは、インバータ60の電気的な等価回路図である。図7A、図7Bに示したように、インバータ60は、3相分のパワーモジュールを1セット分として、全体では2セット分で構成している。このうち、3つのパワーモジュールで構成される1セット分(61A、71A、81A)を図7Aに、他の1セット分(61B、71B、81B)を図7Bに示している。各セット分の構成は同じであるので、図7Aで代表させて説明する。以下、3つの各相のP型電極66、76、86を接続する外部バスバーを「P電位電極」、3つの各相のN型電極67、77、87を接続する外部バスバーを「N電位電極」として定義する。
図7Aに示したように、バッテリ181と3つの各相のP型電極66、76、86を接続する線がP電位電極182、バッテリ181と3つの各相のN型電極67、77、87を接続する線がN電位電極183である。バッテリ181と並列に平滑コンデンサ185を設けている。
図7Aに示したように、各相のパワーモジュール61A、71A、81Aは、ハイサイド側アーム62A、72A、82Aと、ローサイド側アーム62B、72B、82Bとから構成される。各ハイサイド側アーム62A、72A、82Aは、スイッチング機能を有する半導体素子としてのIGBT63A、73A、83Aと還流ダイオード64A、74A、84Aを逆並列に接続したものである。同様に、各ローサイド側アーム62B、72B、82Bは、スイッチング機能を有する半導体素子としてのIGBT63B、73B、83Bと還流ダイオード64B、74B、84Bを逆並列に接続したものである。なお、スイッチング機能を有する半導体素子はIGBTに限られるものでなく、MOSFETであってよい。
また、各相のパワーモジュール61A、71A、81Aには、3つの端子(出力電極65、75、85、P型電極66、76、86、N型電極67、77、87)と、ハイサイド側アーム62Aの端子と、ローサイド側アーム62Bの端子とを有する。ここで、ハイサイド側アーム62A、72A、82Aの端子は、ゲート電極68A、78A、88A及び基準ソースまたはエミッタ電極69A、79A、89Aで構成されている。ローサイド側アーム62B、72B、82Bの端子はゲート電極68B、78B、88B及び基準ソースまたはエミッタ電極69B、79B、89Bで構成されている。これで、インバータ60の等価回路図の説明を終える。
図1に示したように、最上層の基板11のバックヨーク部19であって各モータ巻き線51〜56に最も近い位置に6つの略等角台形状部位(以下単に「台形状部位」という。)20A、20B、20C、20D、20E、20Fをその内部及び外側とも絶縁体で形成する。この6つの台形状部位20A〜20F(バックヨークの一部)に図7A、図7Bに示した合計で6つのパワーモジュール61A〜81A、61B〜81Bを配置する。すなわち、図1において上に位置する台形状部位20Aにパワーモジュール61Aを、左斜め上に位置する台形状部位20Bにパワーモジュール71Aを、左斜め下に位置する台形状部位20Cにパワーモジュール81Aを配置する。同様に、図1において下に位置する台形状部位20Dにパワーモジュール61Bを、右斜め下に位置する台形状部位20Eにパワーモジュール71Bを、右斜め上に位置する台形状部位20Fにパワーモジュール81Bを配置する。
そして、6つの各パワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81Bと、その各パワーモジュールに最も近いモータ巻き線51〜56とを電気的に接続する。すなわちパワーモジュール61Aとモータ巻き線51を、パワーモジュール71Aとモータ巻き線52を、パワーモジュール81Aとモータ巻き線53を接続する。また、パワーモジュール61Bとモータ巻き線54を、パワーモジュール71Bとモータ巻き線55を、パワーモジュール81Bとモータ巻き線56を接続する。
なお、3相分のパワーモジュールを1セット分として全体を2セット分で構成する場合には3×2=6個のパワーモジュールが必要であるため、図1では6個のパワーモジュールを最上層の基板11の上面に等分に配置しているが、この場合に限定されるものでない。最上層の基板上面に配置するパワーモジュールは、1セット分だけであってもよいし、3セット分以上のパワーモジュールを配置するようにしてもかまわない。
6つの各台形状部位20A〜20Fに6つの各パワーモジュール61A〜81Bを設ける方法は同じであるので、図4を用い、図1において上に位置する台形状部位20Aにパワーモジュール61Aを設ける場合で代表させて説明する。ここで、図4は図1の一部拡大図である。図4に示したように、ハイサイド側アーム62AのIGBT63Aと還流ダイオード64Aをステータ4の径方向に一列に並べて、その右隣にローサイド側アーム62BのIGBT63Bと還流ダイオード64Bをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。また、ハイサイド側アーム62Aの左隣には、ハイサイド側アーム62Aのゲート電極68A、基準ソースまたはエミッタ電極69A、ローサイド側アーム62Bのゲート電極68B、基準ソースまたはエミッタ電極69Bをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。一方、ローサイド側アーム62Bの右隣にはP電位電極182とN電位電極183とをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。出力電極65には銅線51l(モータ巻き線51の一端)を接続する。なお、図4には、図7Aに示した各素子からなるパワーモジュール61Aの電気的な結線を示す配線パターンは、従来技術と同様であるので示していない。なお、図1おいて、6つの各台形状部位20A〜20FにP電位電極182とN電位電極183(外部バスバーの端子)が見えているが、これら6つのP電位電極182は、導体から構成される図示しない円環状部材によって接続する。同様に、6つのN電位電極183も導体から構成される図示しない円環状部材によって接続する。これらの円環状部材もバックヨーク部19に設ける。
本実施形態では、図2にも示したように最上層の基板11のうち、6つのパワーモジュール61A〜81Bを配置する6つの各台形状部位の内部に磁性体を設けることはせず、内部、外側とも絶縁体のみとしている。また、6つのパワーモジュール61A〜81Bを設ける6つの各台形状部位(バックヨークの一部)の積層方向厚さを、6つの各台形状部位を除いた残りの部位(残りのバックヨーク)より薄く(高さを低く)している。これによって、6つのパワーモジュールの配置後の積層方向厚さが厚くならないようにしている。
ここで、4つの各基板の実装方法を説明する。回路基板技術を応用して、絶縁材料による基板内部に、導体パターンに代わり磁性体を内蔵させる。これをステータの磁心として構成する。圧粉磁心を用いて成型し、周囲を絶縁材料で覆えば基板を容易に形成できる。最上層の基板の絶縁材料表面であってバックヨークに相当する部分にIGBTや還流ダイオードといった半導体素子を実装することは、従来の素子実装技術をもって実現できる。半導体素子を実装する部分のステータの軸方向厚さ(高さ)を抑えるため、半導体素子を実装する部位については、その部位の内部の磁性体を除くことによってステータの軸方向厚さを小さくする(高さを低くする)。
本実施形態は、6つのパワーモジュール61A〜81A、61B〜81Bをステータに直接的に形成するので、6つの各パワーモジュールをインバータケースに収容した後に接続する必要は無い。このためパワーモジュールのモーター体化による小型化効果が増大する。さらに、従来の回路基板技術を応用しているので、複数の基板を積層することによってステータを構成する場合でも各基板を低廉に形成できる。そしてこれら基板を順次積層すれば良い。このようにして、モータステータのバックヨークの一部にスイッチング機能を有する半導体素子から構成されるパワーモジュールを容易に形成できることとなった。
次に、図2にも示したように最上層の基板11のうち、スイッチング機能を有する半導体素子が配置される上面と反対側の下面に基板11とほぼ同形状の薄板リング状の放熱板91を配置する。同様に、残り3つの基板21、31、41の下面にも、基板21、31、41とほぼ同形状の薄板リング状の放熱板101、111、121を配置する。
さらに、最上層の放熱板91の外周から径方向外側に突出する6つの突出部位92、93、94、95、96、97を、図1にも示したように6つの各パワーモジュール61A〜81A、61B〜81Bを設けた部位の近傍に形成する。同様に、上から2層目の放熱板101の外周から径方向外側に突出する6つの突出部位102、103、104、105、106、107を、図3にも示したように最上層の放熱板91の6つの突出部位92〜97と同じ位置に形成する。同様に、上から3層目、4層目の各放熱板111、121の外周から径方向外側に突出する6つの突出部位を、図示しないが、最上層の放熱板91の6つの突出部位92、93、94、95、96、97と同じ位置に形成する。
このように、4つの各基板11、21、31、41の下面に放熱板91、101、111、121を配置することで、ステータ4及び6つの各パワーモジュールを構成する半導体素子(IGBT、還流ダイオード)を効率よく冷却できる。詳述すると、ステータ4の磁性体は複数の基板に配置積層され、かつ6つの各パワーモジュールを構成している半導体素子は最上層の基板の上面に分散配置される構成である。このため、4つの各基板の下面(裏面)に放熱板を配置することは容易である。すなわち、各基板の下面に板状の放熱板を設ければ良い。
次に、図1にも示したように、最上層の基板11の上面(表面)において、モータ巻き線と半導体素子を接続する配線パターン部に6つの各電流センサ131、132、133、134、135、136を設ける。6つの電流センサは6つの各モータ巻き線を流れる電流を検出するためのものである。図示しないが、6つの各電流センサの近傍に6つの各電流センサの信号処理回路をも設ける。最上層の基板11の上面には、モータ巻き線の一部を構成する配線パターンと、半導体素子が配置されている。このため同基板11の適宣な部分にセンサ機能部品(電流センサ)と信号処理回路を設けることは容易である。
ここで、第1実施形態の作用効果を説明する。
第1実施形態では、円筒状のステータコア、バックヨーク、バックヨークからステータコアの内周方向に突出するティースを含んで構成されるステータ4を備え、台形状部位20A〜20F(バックヨークの一部)は、台形状部位を除いた残りのバックヨーク部19(残りのバックヨーク)よりステータ4の軸方向の厚さが小さい(ステータコアの軸方向に短い)ものであり、かつ台形状部位20A〜20F(その短いバックヨークの一部)にIGBT及び還流ダイオード(少なくともスイッチング機能を有する半導体素子)から構成されるパワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81Bを設けている。第1実施形態によれば、台形状部位20A〜20F(ステータのバックヨークの一部)にパワーモジュールを設けているので、インバータケースを廃止することができる。これによって、ステータのバックヨークにインバータを配置するにしても、ステータコアの軸方向寸法を抑えることができ、機電一体型ユニットの小型化を図ることができる。
第1実施形態によれば、最上層の基板11の下面(最上層の基板のうちスイッチング機能を有する半導体素子が配置される面と反対側の面)に放熱板91を配置し、この放熱板91に貯まる熱を6つの各突出部位92、93、94、95、96、97を介してステータ4の外に逃すので、ステータ部14(ステータ)及びパワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81B(スイッチング機能を有する半導体素子)を効率よく冷却できる。詳述すると、発熱源であるステータ4やスイッチング機能を有する半導体素子は一箇所で集中して放熱するのではなく、分散してつまり基板の上面で広く放熱する。この熱は放熱板91に伝わり、放熱板91に貯まる熱は、放熱板91に設けた突出部位92〜97より空気中(ステータ4の外)に逃される。これによって、ステータ4及びスイッチング機能を有する半導体素子を効果的に冷却できる。
また、最上層の基板11の下面だけでなく、残り3つの基板の下面にも放熱板101、111、121を配置し、この放熱板101、111、121に貯まる熱を6つの各突出部位を介してステータ4の外に逃すので、ステータ4をさらに効率よく冷却できる。また、モータ巻き線51〜56の冷却に関しても、モータ巻き線51〜56の内側にある4つの放熱板91、101、111、121を介して、効果的に冷却できる。
第1実施形態によれば、最上層の基板11の上面(表面)にモータ巻き線51〜56とパワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81B(スイッチング機能を有する半導体素子)を接続する配線部に電流センサ131〜136を設けると共に、この電流センサ131〜136の近傍に電流センサの信号処理回路をも設けるので、電流センサも殆ど体積増加無しでステータ4のバックヨークに配置できる。
第1実施形態によれば、パワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81Bをハイサイド側アーム62A、72A、82Aとローサイド側アーム62B、72B、82Bとで構成し、これら各アームを接続するP電位電極182、N電位電極183(外部バスバー)の端子を、各基板に配置されたIGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)の近傍に設けると共に、これら外部バスバーの端子をステータコアの周方向に設けた円環状部材で接続するので、外部バスバーをも殆ど体積増加無しでステータ4のバックヨークに配置できる。
第1実施形態によれば、4つの基板11、21、31、41のうち隣り合うテース部(ティースの一部)の間の内部を絶縁体で埋めると共に、4つの各テース部(各ティース)の両側面の絶縁部(絶縁体部分)にかつステータコアの軸方向に最下層の基板の外側から複数のU字状巻き線(U字状配線)を挿通し、これら複数のU字状巻き線と接続することによりモータ巻き線51〜56を構成する配線パターンを最上層の基板11に設け、この配線パターンと最上層の基板11に配置されたパワーモジュール61A、71A、81A、61B、71B、81B(スイッチング機能を有する半導体素子)とを電気的に接続するので、モータの巻き線も容易に形成できる。詳述すると、モータを作成する場合、一般に各ティースに巻き線を一々巻くかあるいは予めボビンに巻いておいた巻き線をティースに差し込む方法を採る。この巻き線作成工程がコスト増加の一因となっている。また、モータとパワーモジュールを電気的に接続したり機械的に固定したりする際も、接続や固定の工程を順次行なうこととなる。これもコスト増加要因である。これに対して第1実施形態によれば、こうしたコスト増加要因を抑制することができる。
(第2実施形態)
図8はモータケースを除いた第2実施形態の機電一体駆動ユニット1の概略上面図、図9は図1のX−X線断面図、図10は図1のY−Y線断面図、図11は最上層基板以外の基板(たとえば上から2層目の基板)及びその下面の放熱板101を取り出して上からみた概略上面図である。なお、第2実施形態でも図9、図10の断面図を基準として上下方向を考える。
第1実施形態では、2セット分、合計で6つのパワーモジュール61A〜81Bを最上層の基板11に形成すると共に、1つのハイサイド側、ローサイド側の各アームをIGBTと還流ダイオードを逆並列に接続したもの一個で構成した。以下、IGBTと還流ダイオードを逆並列に接続したものを単に「逆並列回路」というものとすると、第1実施形態は、1つのハイサイド側、ローサイド側の各アーム当たり1つの逆並列回路で構成するものであった。
一方、第2実施形態は、2セット分、合計で6つのパワーモジュール61A〜81Bで構成する点は同じであるが、1つのハイサイド側、ローサイド側の各アーム62A〜82A、62B〜82Bを4つの逆並列回路で構成するものである。そして、4つの逆並列回路を4つの各基板11、21、31、41に割り振って形成する。
ここで、ステータ4のバックヨークに配設するインバータ60を図12A、図12B、図12C、図13A、図13B、図13Cを用いて先に概説すると、図12A、図12B、図12Cの3つの図の全体は第1実施形態の図7Aと置き換わるものである。同様に、図13A、図13B、図13Cの3つの図の全体は第1実施形態の図7Bと置き換わるものである。図7A、図7Bと同一部分には同一の符号を付している。ここで、図12A〜図12Cは1つのインバータ60の回路図を3つに分けて示しているが、図12A〜図12Cの3つの図の全体がインバータ60の1セット分の電気的な等価回路図である。同様に、図13A〜図13Cも1つのインバータ60の回路図を3つに分けて示しているが、図13A〜図13Cの3つの図の全体がインバータ60の他のセット分の電気的な等価回路図である。第2実施形態でも、各セット分の構成は同じであるので、図12A〜図12Cで代表させて説明する。
図12A〜図12Cに示したように、バッテリ181と3つの各相のP型電極66、76、86を接続する線がP電位電極182、バッテリ181と3つの各相のN型電極67、77、87を接続する線がN電位電極183である。
図12A〜図12Cに示したようにハイサイド側アーム62A、72A、82Aを4つの逆並列回路151A、152A、155A、158A、161A、162A、165A、168A、171A、172A、175A、178Aで構成する。同様に、ローサイド側アーム62B、72B、82Bを図12A〜図12Cに示したように4つの逆並列回路151B、152B、155B、158B、161B、162B、165B、168B、171B、172B、175B、178Bで構成する。
他のセット分である図13A〜図13Cについては詳述しないが、ハイサイド側アーム62A、72A、82A及びローサイド側アーム62B、72B、82Bの内容は、図13A〜図13Cに示した1セット分と同じである。これで、インバータ60の等価回路図の説明を終える。
図8に示したように、最上層の基板11のバックヨークである外周近傍であって各コイル51〜56に最も近い位置に、第1実施形態と同じに、6つの台形状部位20A〜20Fを内部及び外側とも絶縁体で形成する。同様に、図11に示したように、上から2層目の基板21のバックヨークである外周近傍であって各コイル51〜56に最も近い位置に、最上層の基板11と同じに、6つの台形状部位28A〜28Fを内部及び外側とも絶縁体で形成する。同様に、図示しないが、上から3層目、4層目の基板31、41のバックヨークである外周近傍であって各コイル51〜56に最も近い位置にも、最上層の基板11と同じに、6つの台形状部位を内部及び外側とも絶縁体で形成する。そして、4つの各基板は、6つの台形状部位の位置を積層方向に揃えて配置する。
図8に示したように、最上層の基板11の6つの台形状部位20A〜20Fに1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの逆並列回路151A、151B、161A、161B、171A、171Bを配置する。すなわち、図8において上に位置する台形状部位20Aに逆並列回路151A、151Bを、左斜め上に位置する台形状部位20Bに逆並列回路161A、161Bを、左斜め下に位置する台形状部位20Cに逆並列回路171A、171Bを配置する。同様に、図8において下に位置する台形状部位20Dに逆並列回路151A、151Bを、右斜め下に位置する台形状部位20Eに逆並列回路161A、161Bを、右斜め上に位置する台形状部位20Fに逆並列回路171A、171Bを配置する。
6つの各台形状部位に6つの逆並列回路151A、151B、161A、161B、171A、171Bを2セット分設ける方法は同じであるので、図8において上に位置する台形状部位20Aに逆並列回路151A、151Bを設ける場合で代表させて説明する。
図8において上に位置する台形状部位20Aには、逆並列回路151Aを構成するIGBT63Aと還流ダイオード64Aをステータ4の径方向に一列に配置する。その右隣りには逆並列回路151Bを構成するIGBT63Bと還流ダイオード64Bをステータ4の径方向に一列に配置する。また、IGBT63A及び還流ダイオード64Aの左隣には4つの電極をステータ4の径方向に一列に並べて配置する。すなわち、ハイサイド側アーム62Aのゲート電極68A、基準ソースまたはエミッタ電極69A、ローサイド側アーム62Bのゲート電極68B、基準ソースまたはエミッタ電極69Bをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。また、IGBT63B及び還流ダイオード64Bの右隣にはP電位電極182とN電位電極183とをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。出力電極65には銅線51l(コイル51の一端)を接続する。なお、図8には、図12Aに示した各素子からなる逆並列回路151A、151Bの電気的な結線を示す配線パターンは、従来技術と同様であるので示していない。
図11に示したように、上から2層目の基板21の6つの台形状部位28A〜28Fにも、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの逆並列回路152A、152B、162A、162B、172A、172Bを2セット配置する。すなわち、図11において上に位置する台形状部位28Aに逆並列回路152A、152Bを、左斜め上に位置する台形状部位28Bに逆並列回路162A、162Bを、左斜め下に位置する台形状部位28Cに逆並列回路172A、172Bを配置する。同様に、図11において下に位置する台形状部位28Dに逆並列回路152A、152Bを、右斜め下に位置する台形状部位28Eに逆並列回路162A、162Bを、右斜め上に位置する台形状部位28Fに逆並列回路172A、172Bを配置する。
6つの各台形状部位28A〜28Fに6つの逆並列回路152A、152B、162A、162B、172A、172Bを2セット分設ける方法は同じであるので、図11において上に位置する台形状部位28Aに逆並列回路152A、152Bを設ける場合で代表させて説明する。
図11において上に位置する台形状部位28Aには、逆並列回路152Aを構成するIGBT153Aと還流ダイオード154Aをステータ4の径方向に一列に、その右隣りに逆並列回路152Bを構成するIGBT153Bと還流ダイオード154Bをステータ4の径方向に一列に配置する。また、IGBT153A及び還流ダイオード154Aの左隣には、ハイサイド側アーム62Aのゲート電極68A、基準ソースまたはエミッタ電極69A、ローサイド側アーム62Bのゲート電極68B、基準ソースまたはエミッタ電極69Bをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。また、IGBT153B及び還流ダイオード154Bの右隣にはP電位電極182とN電位電極183とをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。なお、図11には、図12Aに示した各素子からなる逆並列回路152A、152Bの電気的な結線を示す配線パターンは、従来技術と同様であるので示していない。
図示しないが、上から3層目の基板31、41の台形状部位にも、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの逆並列回路155A、155B、165A、165B、175A、175Bを2セット分配置する。図示しないが、上から4層目の基板31、41の台形状部位にも、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの逆並列回路158A、158B、168A、168B、178A、178Bを2セット分配置する。このようにして、図12A〜図12C、図13A〜図13Cに示した全ての逆並列回路を4つの基板11、21、31、41に分散して配置する。
図8、図11では、P電位電極182、N電位電極183、ハイサイド側アーム62Aのゲート電極68A、基準ソースまたはエミッタ電極69A、ローサイド側アーム62Bのゲート電極68B、基準ソースまたはエミッタ電極69Bを断面で示している。これら6つの電極は実際には4つの基板11、21、31、41を積層方向に貫通して設けられている。たとえば、図10に示したように、4つの基板11、21、31、41を積層方向に貫通してP電位電極182、N電位電極183が設けられている。このように積層基板のそれぞれに設けられている逆並列回路の電気的接続は、4つの各基板にスルーホール等を設けるなど従来の回路基板技術で問題なくできる。
そして、4つの基板11、21、31、41に設けた合計で24の各逆並列回路と、その各逆並列回路に最も近いコイル51〜56とを図12A〜図12C、図13A〜図13Cに従って電気的に接続する。
第2実施形態によれば、ステータコア部(ステータコアの一部)、バックヨーク部(バックヨークの一部)、ティース部(ティースの一部)を含んで構成される薄板状の基板11、21、31、41であって内部を磁性体12、22、32、42とし外側を絶縁層13、23、33、43で覆った基板をステータコアの軸方向に4つ(複数)積層することによってステータ4を構成し、4つの各基板11、21、31、41の6つの台形形状部位(前記積層した複数のバックヨークの一部のそれぞれ)に逆並列回路151A、152A、155A、158A、151B、152B、155B、158B、161A、162A、165A、168A、161B、162B、165B、168B、171A、172A、175A、178A、171B、172B、175B、178B(スイッチング機能を有する半導体素子)をステータコアの軸方向の同じ位置に配置し、配置した複数の逆並列回路(スイッチング機能を有する半導体素子)を並列接続するので、逆並列回路を構成するIGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)を並列駆動させる際に、ゲート寄生インダクタンスの発生及びその程度を最小に抑えることができる。このため、IGBTを電気的に安定して動作させることができる。
詳述すると、IGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)はスイッチングに伴って発熱する。そのため、IBGTを並列接続して発熱密度を下げたいのであるが、この場合には各IGBT間のゲート配線が長くなり易い。そのため、同配線に生じる寄生インダクタンスが大きくなり、その悪影響でスイッチングのタイミングを揃えにくいという問題が発生する。これに対して第2実施形態によれば、並列接続されるIGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)は隣り合う基板の厚さ分しか離れていない。このため、ゲート信号配線を電気的に並列接続しても、基板の積層方向に並んでいるIBGTのゲート配線をごく短くできる。これにより複数のIBGTのゲート寄生インダクタンスの発生を抑制できるのである。また、複数のIBGTによって1つのスイッチング機能を担うのであるから、1つのIBGTのスイッチングに伴う発熱量が低下する。つまり、スイッチングによる発熱密度を下げることができる。これにより電気的に安定してIGBTを動作させることができるのである。
第2実施形態によれば、各基板11、21、31、41に配置されたIGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)の近傍に設けた外部バスバーの端子をステータコアの軸方向にも貫通させて設けるので、P電位電極182、N電位電極183についてもステータ4のバックヨークに容易に設けることができる。
(第3実施形態)
図14はモータケースを除いた第3実施形態の機電一体駆動ユニット1の概略上面図、図15は図14のX−X線断面図、図16は図14のY−Y線断面図、図17は最上層基板以外の基板(たとえば上から2層目の基板)及びその下面の放熱板101を取り出して上からみた概略上面図である。第2実施形態の図8〜図11と同一部分には同一の符号を付している。なお、第3実施形態でも図15、図16の断面図を基準として上下方向を考える。
第2実施形態では、1つのハイサイド側、ローサイド側の各アーム62A〜82A、62B〜82Bを4つの逆並列回路の並列接続で構成すると共に、4つの逆並列回路を4つの各基板11、21、31、41に割り振って形成した。
一方、第3実施形態は、1つのハイサイド側、ローサイド側の各アーム62A〜82A、62B〜82Bを、3つの逆並列回路を並列接続したものと、1つのスイッチング機能を有する半導体素子とをカスケード接続(直列接続)すると共に、1つのスイッチング機能を有する半導体素子を最上層基板11に、3つの逆並列回路を残り3つの各基板21、31、41に割り振って形成するものである。以下、第3実施形態では、3つの逆並列回路を並列接続したものとカスケード接続する1つのスイッチング機能を有する半導体素子を「第1の半導体素子」、並列接続される3つの逆並列回路のそれぞれを「第2の半導体素子」という。
上記のカスケード接続を実現するため、P電位電極182の電位とN電位電極183の電位との間の中間電位を採る3つの電極を追加して設ける。以下、P電位電極の電位とN電位電極の電位の間の中間電位を採る3つの電極をそれぞれ、「第1中間電位電極」、「第2中間電位電極」、「第3中間電位電極」として区別する。
ここで、ステータ4のバックヨークに配設するインバータ60を図19A、図19B、図12C、図13A、図13B、図13Cを用いて先に概説すると、図19A、図19B、図19Cの3つの図の全体は第2実施形態の図12A、図12C、図12Cの3つの図の全体と置き換わるものである。同様に、図20A、図20B、図20Cの3つの図の全体は第2実施形態の図13A、図13B、図13Cの全体と置き換わるものである。図12A、図12B、図12C、図13A、図13B、図13Cと同一部分には同一の符号を付している。ここで、図19A、図19B、図19Cは1つのインバータ60の回路図を3つに分けて示しているが、図19A、図19B、図19Cの3つの図の全体がインバータ60の1セット分の電気的な等価回路図である。同様に、図20A、図20B、図20Cも1つのインバータ60の回路図を3つに分けて示しているが、図20A、図20B、図20Cの3つの図の全体がインバータ60の他のセット分の電気的な等価回路図である。第3実施形態でも、各セット分の構成は同じであるので、図19A〜図19Cで代表させて説明する。
図19A〜図19Cに示したように、バッテリ181と3つの各相のP型電極66、76、86を接続する線がP電位電極182、バッテリ181と3つの各相のN型電極67、77、87を接続する線がN電位電極183である。
図19Aに示したように、ハイサイド側アーム62Aの側には、図12Aにあった逆並列回路151Aを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子191Aとして設ける。そして、第1の半導体素子191Aの一端(図19Aで上端)に第2の半導体素子152A、155A、158Aを構成するIGBT153A、156A、159Aを直列に接続(カスケード接続)する。ここで、第1の半導体素子191AとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子191Aのゲート電極も、IGBT153A、156A、159Aのゲート電極68Aに接続する。これによって、第1の半導体素子191Aの一端とIGBT153A、156A、159Aとの接続部位を第1中間電位電極192として設ける。第1中間電位電極192の電位は、P電位電極182の電位よりIGBT153Aの電圧分だけ低下した電位となる。
また、第1の半導体素子191Aの他端(図19Aで下端)に還流ダイオード154A、157A、160Aのアノード側を接続する。これによって、第1の半導体素子191Aの他端と還流ダイオード154A、157A、160Aのアノード側との接続部位を第2中間電位電極193aとして設ける。第2中間電位電極193aの電位は、P電位電極182の電位より、IGBT153A及び第1の半導体素子191Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。
次に、ローサイド側アーム62Bでは、上記第1の半導体素子191Aの他端に第2の半導体素子152B、155B、158Bを構成するIGBT153B、156B、159Bの一端(図19Aで上側)を接続する。これによって、第1の半導体素子191Aの他端とIGBT153B、156B、159Bの一端との接続部位を第2中間電位電極193bとして設ける。ハイサイド側アーム62Aの第2中間電位電極193aと、ローサイド側アーム62Bの第2中間電位電極193bとの間で電圧降下はないので、第2中間電位電極193aと第2中間電位電極193bとは同じ電位である。これら2つの電極193a及び193bをまとめて第2中間電位電極193とする。
一方、ローサイド側アーム62Bにおいても、図12Aにあった逆並列回路151Bを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子191Bとして設ける。第1の半導体素子191BとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子191Bのゲート電極も、IGBT153B、156B、159Bのゲート電極68Aに接続する。
第1の半導体素子191Bの一端(図19Aで上端)に第2の半導体素子152B、155B、158Bを構成するIGBT153B、156B、159Bの他端(図19Aで下側)を接続する。これによって、第1の半導体素子191Bの一端とIGBT153B、156B、159Bの他端との接続部位を第3中間電位電極194として設ける。第3中間電位電極194の電位は、P電位電極182の電位より、2つのIGBT153A、153B及び第1の半導体素子191Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。第1の半導体素子191Bの他端(図19Aで下端)に還流ダイオード154B、157B、160Bのアノード側を接続する。
このようにして、第1の半導体素子191Aを低電位側に第2の半導体素子152A、155A、158Aを高電位側にして両者をカスケード接続する。同様に、第1の半導体素子191Bを低電位側に第2の半導体素子152B、155B、158Bを高電位側にして両者をカスケード接続する。
同様に、図19Bに示したように、ハイサイド側アーム72Aの側には、図12Bにあった逆並列回路161Aを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子201Aとして設ける。そして、第1の半導体素子201Aの一端(図19Bで上端)に第2の半導体素子162A、165A、168Aを構成するIGBT163A、166A、169Aを直列に接続(カスケード接続)する。ここで、第1の半導体素子201AとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子201Aのゲート電極も、IGBT163A、166A、169Aのゲート電極68Aに接続する。これによって、第1の半導体素子201Aの一端とIGBT163A、166A、169Aとの接続部位を第1中間電位電極202として設ける。第1中間電位電極202の電位は、P電位電極182の電位よりIGBT163Aの電圧分だけ低下した電位となる。
また、第1の半導体素子201Aの他端(図19Bで下端)に還流ダイオード164A、167A、170Aのアノード側を接続する。これによって、第1の半導体素子201Aの他端と還流ダイオード164A、167A、170Aのアノード側との接続部位を第2中間電位電極203aとして設ける。第2中間電位電極203aの電位は、P電位電極182の電位より、IGBT163A及び第1の半導体素子201Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。
次に、ローサイド側アーム72Bでは、上記第1の半導体素子201Aの他端に第2の半導体素子162B、165B、168Bを構成するIGBT163B、166B、169Bの一端(図19Bで上端)を接続する。これによって、第1の半導体素子201Aの他端とIGBT163B、166B、169Bの一端との接続部位を第2中間電位電極203bとして設ける。ハイサイド側アーム72Aの第2中間電位電極203aと、ローサイド側アーム72Bの第2中間電位電極203bとの間で電圧降下はないので、第2中間電位電極203aと第2中間電位電極203bとは同じ電位である。これら2つの電極203a及び203bをまとめて第2中間電位電極203とする。
一方、ローサイド側アーム62Bにおいても、図12Bにあった逆並列回路161Bを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子201Bとして設ける。第1の半導体素子201BとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子201Bのゲート電極も、IGBT163B、166B、169Bのゲート電極68Aに接続する。
第1の半導体素子201Bの一端(図19Bで上端)に第2の半導体素子162B、165B、168Bを構成するIGBT163B、166B、169Bを接続する。これによって、第1の半導体素子201Bの一端とIGBT163B、166B、168Bの他端との接続部位を第3中間電位電極204として設ける。第3中間電位電極204の電位は、P電位電極182の電位より、2つのIGBT163A、163B及び第1の半導体素子201Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。第1の半導体素子201Bの他端(図19Bで下端)に還流ダイオード164B、167B、170Bのアノード側を接続する。
このようにして、第1の半導体素子201Aを低電位側に第2の半導体素子162A、165A、168Aを高電位側にして両者をカスケード接続する。同様に、第1の半導体素子201Bを低電位側に第2の半導体素子162B、165B、168Bを高電位側にして両者をカスケード接続する。
同様に、図19Cに示したように、ハイサイド側アーム82Aの側には、図12Cにあった逆並列回路171Aを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子211Aとして設ける。そして、第1の半導体素子211Aの一端(図19Cで上端)に第2の半導体素子172A、175A、178Aを構成するIGBT173A、176A、179Aを直列に接続(カスケード接続)する。ここで、第1の半導体素子211AとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子211Aのゲート電極も、IGBT173A、176A、179Aのゲート電極68Aに接続する。これによって、第1の半導体素子211Aの一端と3つのIGBT173A、176A、179Aとの接続部位を第1中間電位電極212として設ける。第1中間電位電極212の電位は、P電位電極182の電位よりIGBT173Aの電圧分だけ低下した電位となる。
また、第1の半導体素子211Aの他端(図19Cで下端)に還流ダイオード174A、177A、180Aのアノード側を接続する。これによって、第1の半導体素子211Aの他端と3つの還流ダイオード174A、177A、180Aのアノード側との接続部位を第2中間電位電極213aとして設ける。第2中間電位電極213aの電位は、P電位電極182の電位より、IGBT173A及び第1の半導体素子211Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。
次に、ローサイド側アーム82Bの側では、上記第1の半導体素子211Aの他端に第2の半導体素子172B、175B、178Bを構成するIGBT173B、176B、179Bの一端(図19Cで上端)を接続する。これによって、第1の半導体素子211Aの他端とIGBT173B、176B、189Bの一端との接続部位を第2中間電位電極213bとして設ける。ハイサイド側アーム82Aの第2中間電位電極213aと、ローサイド側アーム82Bの第2中間電位電極213bとの間で電圧降下はないので、第2中間電位電極213aと第2中間電位電極213bとは同じ電位である。これら2つの電極213a及び213bをまとめて第2中間電位電極213とする。
一方、ローサイド側アーム82Bにおいても、図12Cにあった逆並列回路171Bを廃止する。代わりにスイッチング機能を有する半導体素子であるIGBTを第1の半導体素子211Bとして設ける。第1の半導体素子211BとしてはたとえばMOSFETであってよい。第1の半導体素子211Bのゲート電極も、IGBT173B、176B、179Bのゲート電極68Aに接続する。
第1の半導体素子211Bの一端(図19Cで上端)に第2の半導体素子172B、175B、178Bを構成するIGBT173B、176B、179Bを接続する。これによって、第1の半導体素子211Bの一端と残り3つのIGBT173B、176B、179Bの他端との接続部位を第3中間電位電極214として設ける。第3中間電位電極214の電位は、P電位電極182の電位より、2つのIGBT173A、173B及び第1の半導体素子211Aの電圧分を合計した電圧分だけ低下した電位となる。第1の半導体素子211Bの他端(図19Cで下端)に還流ダイオード174B、177B、180Bのアノード側を接続する。
このようにして、第1の半導体素子211Aを低電位側に第2の半導体素子172A、175A、178Aを高電位側にして両者をカスケード接続する。同様に、第1の半導体素子211Bを低電位側に第2の半導体素子172B、175B、178Bを高電位側にして両者をカスケード接続する。
他のセット分である図20A〜図20Cについては詳述しないが、ハイサイド側アーム62A、72A、82A及びハイサイド側アーム62B、72B、82Bの内容は、図20A〜図20Cに示した1セット分と同じである。これで、インバータ60の等価回路図の説明を終える。
図14〜図18にも示したように、4つの各基板11、21、31、41にそれぞれ6つの台形状部位を設け、6つの台形状部位の位置を積層方向に揃えて配置する点は、第2実施形態と同じである。
図14に示したように、最上層の基板11の6つの台形状部位20A〜20Fに1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの第1の半導体素子191A、191B、201A、201B、211A、211Bを配置する。すなわち、図14において上に位置する台形状部位20Aに第1の半導体素子191A、191Bを、左斜め上に位置する台形状部位20Bに第1の半導体素子201A、201Bを配置する。左斜め下に位置する台形状部位20Cに第1の半導体素子211A、211Bを配置する。同様に、下に位置する台形状部位20Dに第1の半導体素子191A、191Bを、右斜め下に位置する台形状部位20Eに第1の半導体素子201A、201Bを配置する。右斜め上に位置する台形状部位20Fに第1の半導体素子211A、211Bを配置する。
次に、上から2層目以降の基板の6つの台形状部位にスイッチング機能を有する半導体素子を配置する構成は第2実施形態と同じである。ただし、第2実施形態では、逆並列回路の名称が第2の半導体素子へと変更される。すなわち、図17に示したように、上から2層目の基板21の6つの台形状部位30A〜30Fには、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの第2の半導体素子152A、152B、162A、162B、172A、172Bを2セット配置する。すなわち、図17において上に位置する台形状部位30Aに第2の半導体素子152A、152Bを、左斜め上に位置する台形状部位30Bに第2の半導体素子162A、162Bを配置する。左斜め下に位置する台形状部位30Cに第2の半導体素子172A、172Bを配置する。同様に、図17において下に位置する台形状部位30Dに第2の半導体素子152A、152Bを配置する。右斜め下に位置する台形状部位30Eに第2の半導体素子162A、162Bを、右斜め上に位置する台形状部位30Fに第2の半導体素子172A、172Bを配置する。
6つの各台形状部位30A〜30Fに6つの第2の半導体素子152A、152B、162A、162B、172A、172Bを2セット分設ける方法は同じである。ここでは、図17において上に位置する台形状部位30Aに第2の半導体素子152A、152Bを設ける場合で代表させて説明する。
台形状部位30Aに、第2の半導体素子152Aを構成するIGBT153Aと還流ダイオード154Aをステータ4の径方向に一列に配置する。その右隣りには第2の半導体素子152Bを構成するIGBT153Bと還流ダイオード154Bをステータ4の径方向に一列に配置する。また、IGBT153A及び還流ダイオード154Aの左隣に4つの電極をステータ4の径方向に一列に並べて配置する。すなわち、ハイサイド側アーム62Aのゲート電極68A、基準ソースまたはエミッタ電極69A、ローサイド側アーム62Bのゲート電極68B、基準ソースまたはエミッタ電極69Bをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。また、IGBT153B及び還流ダイオード154Bの右隣にはP電位電極182とN電位電極183とをステータ4の径方向に一列に並べて配置する。なお、図17には、図19Aに示した各素子からなる第2の半導体素子152A、152Bの電気的な結線を示す配線パターンは、従来技術と同様であるので示していない。
図示しないが、上から3層目の基板31、41の6つの台形状部位にも、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの第2の半導体素子155A、155B、165A、165B、175A、175Bを2セット分配置する。図示しないが、上から4層目の基板31、41の6つの台形状部位にも、1セット分の一部及び他のセット分の一部である各6つの第2の半導体素子158A、158B、168A、168B、178A、178Bを2セット分配置する。このようにして、図12A〜図12C、図13A〜図13Cに示した全ての第2の半導体素子を最上層の基板11を除く3つの基板21、31、41の上面に配置する。
第3実施形態では、第1の半導体素子と複数の第2の半導体素子をカスケード接続するため、上記のように第1中間電位電極192、202、212、第2中間電位電極193、203、213、第3中間電位電極194、204、214の3つの中間電位電極を追加して設ける必要がある。このため、第3実施形態では3つの中間電位電極を6つの各台形状部位に設ける。
具体的に説明すると、図14、図17に示したように、6つの各台形状部位にP電位電極182とN電位電極183とが積層方向に貫通して設けられているが、これら電極182、183の近傍に3つの中間電位電極を設けている。すなわち、図14、図17において、上に位置する台形状部位に中間電位電極192、193、194を、左斜め上に位置する台形状部位に中間電位電極202、203、204を、左斜め下に位置する台形状部位に中間電位電極212、213、214を配置する。同様に、図14、図17において、下に位置する台形状部位に中間電位電極192、193、194を、右斜め下に位置する台形状部位に中間電位電極202、203、204を、左斜め上に位置する台形状部位に中間電位電極212、213、214を配置する。
図14、図17では、3つの中間電位電極を断面で示している。これら3つの中間電位電極も実際には4つの基板11、21、31、41を積層方向に貫通して設けられている。たとえば、図16に示したように、4つの基板11、21、31、41を積層方向に貫通して第2中間電位電極193が設けられている。
さらに述べると、上記第2の半導体素子は、バッテリ181(電源電圧)に対応した絶縁電圧を有する必要はあるが、第2の半導体素子として小電流容量品を採用し、この小電流容量品の第2の半導体素子を複数並列接続することで電流容量を確保してよい。さらに、必ずしも第2の半導体素子の閾値電圧が、パワーモジュールまたはインバータとして必要な程度に高い無くてもかまわない。第2の半導体素子の閾値電圧が0Vより若干高い程度であるかまたは第2の半導体素子を構成するIGBTがノーマリオン型素子であって良い。
一方、上記第1の半導体素子は、バッテリ181(電源電圧)に対応した絶縁電圧を必ずしも有していなくともかまわない。すなわち、電源電圧が数百Vであっても、この第1の半導体素子は数十V程度の絶縁電圧であって良い。
例えばジャンクション接合型SiC半導体素子またはGaN半導体素子のように大電流容量のために工業的に高コストになってしまう場合や閾値電圧が高くない場合でも対応することができる。すなわち、小電流容量品の第2の半導体素子を必要な電流容量分の個数だけ並列接続することで、ジャンクション接合型SiC半導体素子またはGaN半導体素子の代わりとすることができるし、閾値電圧が高くない場合でも対応することができる。また、第1の半導体素子は、工業的に低コストかつ低いオン抵抗を実現できる数十V程度のパワー半導体素子であって良い。
このように、第3実施形態によれば、最上層の基板11に配置するIGBT(スイッチング機能を有する半導体素子)を第1の半導体素子191A、191B、201A、201B、211A、211B、最上層の基板11を除く残りの基板21、31、41に配置する逆並列回路(スイッチング機能を有する半導体素子)を電気的に並列接続すると共に、並列接続される各逆並列回路のそれぞれを第2の半導体素子152A、155A、158A、152B、155B、158B、162A、165A、168A、162B、165B、168B、172A、175A、178A、172B、175B、178Bとし、第1の半導体素子を低電位側に第2の半導体素子を高電位側にして両者をカスケード接続するので、スイッチング機能を有する半導体素子の発熱密度をさらに下げることができる。
第3実施形態によれば、加えて次の効果を得ることができる。
〈1〉第1の半導体素子の絶縁電圧が低いまたは十分に高くない場合でも、バッテリ電圧(電源電圧)の残り分を第2の半導体素子に印加させることができる。このため、第2の半導体素子を例えばジャンクション型SiCやQaN半導体素子のような、十分な絶縁電圧を有し、オン抵抗が低い素子を活用して、損失を低減できる。
〈2〉第1の半導体素子には、それ自体が有する絶縁電圧以上は印加されない。すなわち、バッテリ電圧から第1の半導体素子の絶縁電圧相当を差し引いた電圧は、第2の半導体素子が分担する。このため第1の半導体素子は、例えば低耐圧であってもオン抵抗が低い素子を使用できる。
〈3〉第2の半導体素子を低電流容量素子とし、この低電流容量素子を複数並列接続する際でも、第2実施形態に記載したと同じ理由で電気的に安定動作させることができる。〈4〉複数ある第2の半導体素子のオンオフ動作にバラツキが生じても、第1の半導体素子のオンオフ動作によってパワーモジュール自体のオンオフを制御できる。
〈5〉第2の半導体素子がたとえノーマリオン型でも、上記〈4〉同様に第1の半導体素子によってパワーモジュールのオンオフ制御を行わせることができる。よってオフ状態を維持できないという事態は防止できる。よって低オン抵抗ではあるが、閾値電圧が十分に高くないという半導体素子を第2の素子として活用できる。
さらに、バッテリ181(電源電圧)の平滑コンデンサ185を最上層の基板11のバックヨーク部19に配置するようにしてもかまない。これによって、平滑コンデンサ185も殆ど体積増加無しでステータ4のバックヨークに配置できる。
第3実施形態では、第1の半導体素子を最上層の基板11に、第2の半導体素子を最上層の基板11を除く残り3つの基板21、31、41に配置する場合で説明したが、この場合に限られるものでない。すなわち、第1の半導体素子を上から2層目以降の基板の一つに配置してもかまわない。
実施形態では、インバータが3相インバータである場合で説明したが、3相に限られるものでない。
1 機電一体駆動ユニット
2 モータ
3 ロータ
4 ステータ
11 最上層の基板
12 磁性体
13 絶縁層
14 ステータコア部
15A〜15F ティース部
16A〜16F 絶縁部
17a〜17f、18a〜18f 穴
19 バックヨーク部(バックヨーク)
20A〜20F 台形状部位(バックヨークの一部)
21、31、41 基板
22、32、42 磁性体
23、33、43 絶縁層
51〜56 モータ巻き線
51a〜51f U字状巻き線(U字状配線)
60 インバータ
61A、71A、81A、61B、71B、81B パワーモジュール
62A、72A、82A ハイサイド側アーム
62B、72B、82B ローサイド側アーム
64A、74A、84A、64B、74B、84B IGBT(スイッチング機能を有する半導体)
91、101、111、121 放熱板
152A、155A、158A、162A、165A、168A、172A、175A、178A 第2の半導体素子
152B、155B、158B、162B、165B、168B、172B、175B、178B 第2の半導体素子
191A、201A、211A 第1の半導体素子
191B、201B、211B 第1の半導体素子
181 バッテリ(電源電圧)
182 P電位電極(外部バスバー)
183 N電位電極(外部バスバー)
185 平滑コンデンサ

Claims (9)

  1. 円筒状のステータコア、バックヨーク、前記ステータコアの内周方向に突出するティースを含んで構成されるステータを備え、
    前記バックヨークの一部は、残りのバックヨークより前記ステータコアの軸方向に短いものであり、かつその短いバックヨークの一部に少なくともスイッチング機能を有する半導体素子から構成されるパワーモジュールを設けることを特徴とする機電一体駆動ユニット。
  2. 前記ステータコアの一部、前記バックヨークの一部、前記ティースの一部を含んで構成される薄板状の基板であって内部を磁性体とし外側を絶縁層で覆った基板を前記ステータコアの軸方向に複数積層することによって前記ステータを構成し、
    前記積層した複数のバックヨークの一部のそれぞれに前記スイッチング機能を有する半導体素子を前記ステータコアの軸方向の同じ位置に配置し、
    前記配置した複数のスイッチング機能を有する半導体素子を並列接続することを特徴とする請求項1に記載の機電一体駆動ユニット。
  3. 最上層の基板に配置する前記スイッチング機能を有する半導体素子を第1の半導体素子とし、
    前記最上層の基板を除く残りの基板に配置する前記スイッチング機能を有する半導体素子を電気的に並列接続すると共に、並列接続される各スイッチング機能を有する半導体素子のそれぞれを第2の半導体素子とし、
    前記第1の半導体素子を低電位側に前記第2の半導体素子を高電位側にして両者をカスケード接続することを特徴とする請求項2に記載の機電一体駆動ユニット。
  4. 前記最上層の基板のうち前記スイッチング機能を有する半導体素子が配置される面と反対側の面に放熱板を配置し、この放熱板に貯まる熱を前記ステータの外に逃すことを特徴とする請求項2または3に記載の機電一体駆動ユニット。
  5. 前記最上層の基板表面にモータ巻き線と前記スイッチング機能を有する半導体素子を接続する配線部に電流センサを設けると共に、この電流センサの近傍に電流センサの信号処理回路をも設けることを特徴とする請求項2から4までのいずれか一つに記載の機電一体駆動ユニット。
  6. 前記パワーモジュールをハイサイド側アームとローサイド側アームとで構成し、これら各アームを接続する外部バスバーの端子を、前記各基板に配置されたスイッチング機能を有する半導体素子の近傍に設けると共に、これら外部バスバーの端子を前記ステータコアの周方向に設けた円環状部材で接続することを特徴とする請求項1に記載の機電一体駆動ユニット。
  7. 前記各基板に配置されたスイッチング機能を有する半導体素子の近傍に設けた外部バスバーの端子を前記ステータコアの軸方向に貫通させても設けることを特徴とする請求項6に記載の機電一体駆動ユニット。
  8. 電源電圧の平滑用のコンデンサを前記最上層の基板に配置することを特徴とする請求項2から7までのいずれか一つに記載の機電一体駆動ユニット。
  9. 前記基板のうち隣り合う前記ティースの一部の間の内部を絶縁体で埋めると共に、前記各ティースの両側面の絶縁体部分にかつ前記ステータコアの軸方向に最下層の基板の外側から複数のU字状配線を挿通し、
    これら複数のU字状配線と接続することによりモータ巻き線を構成する配線パターンを前記最上層の基板に設け、
    この配線パターンと前記最上層の基板に配置されたスイッチング機能を有する半導体素子とを電気的に接続することを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の機電一体駆動ユニット。
JP2012248572A 2012-11-12 2012-11-12 機電一体駆動ユニット Pending JP2014096967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248572A JP2014096967A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 機電一体駆動ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248572A JP2014096967A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 機電一体駆動ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014096967A true JP2014096967A (ja) 2014-05-22

Family

ID=50939606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012248572A Pending JP2014096967A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 機電一体駆動ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014096967A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109088517A (zh) * 2017-06-13 2018-12-25 大众汽车有限公司 带有集成式电力电子装置的电机

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109088517A (zh) * 2017-06-13 2018-12-25 大众汽车有限公司 带有集成式电力电子装置的电机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10715053B2 (en) Power conversion apparatus in which an inductance of a last off closed circuit is smaller than an inductance of a non-last off closed circuit
JP5541362B2 (ja) パワーモジュール、電力変換装置および電動車両
JP6168082B2 (ja) 電力変換装置
US10003280B2 (en) Semiconductor module, upper and lower arm kit, and three-level inverter
JP5407198B2 (ja) 電力変換装置のパワーモジュール
JP6836201B2 (ja) 電力変換装置
JPWO2007113979A1 (ja) 電力変換装置およびその組み立て方法
TWI753996B (zh) 電子裝置
JP2014036509A (ja) 3レベル電力変換装置
JP6501360B2 (ja) モジュール、そのモジュールを用いた電力変換装置及びモータ
JP2016523069A (ja) パワーモジュール、電力変換装置及びパワーモジュールを備えた駆動装置
JP6804326B2 (ja) 電力変換装置、太陽光パワーコンディショナーシステム、蓄電システム、無停電電源システム、風力発電システム、及びモータ駆動システム
WO2014021112A1 (ja) スイッチング素子ユニット
JP6197607B2 (ja) インバータ装置およびインバータ一体形モータ装置
JP6302655B2 (ja) 電力変換装置
JP2014096967A (ja) 機電一体駆動ユニット
JP2016197932A (ja) 半導体装置
CN110137167B (zh) 元件单元
JP2006158107A (ja) 3レベルインバータ装置
JP2018033266A (ja) 電流センサ装置
JP6338543B2 (ja) 3レベル電力変換装置
JP2005276946A (ja) コンデンサ装置
JP6610018B2 (ja) パワー半導体回路及びパワー半導体素子の実装方法
JP2013236460A (ja) 3レベルインバータ
JP4154671B2 (ja) 電力用半導体モジュール