JP2014096472A - Cigs型太陽電池用基板及びcigs型太陽電池 - Google Patents

Cigs型太陽電池用基板及びcigs型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】より現実的な製造条件下において耐久性を有し、CIGS層にアルカリ金属を拡散させることが可能な、CIGS型の太陽電池用基板を提供する。
【解決手段】絶縁性支持基板110と、前記絶縁性支持基板の上に設けられたアルカリ金属供給層120を備え、前記アルカリ金属供給層は、NaとNbを含む酸化物およびKとNbを含む酸化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープされた膜を含むことを特徴とするCIGS型太陽電池用基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、CIGS型太陽電池用基板及びCIGS型太陽電池に関する。
CIGS型の太陽電池は、高いエネルギー変換効率を示し、光照射による効率の劣化が少ないという特徴から、様々な企業や研究機関において、研究開発が進められている。
一般的なCIGS型の太陽電池は、ガラス等の基板の上に、Mo(モリブデン)電極、CIGS層、バッファ層、およびZnO(酸化亜鉛)電極を、この順に積層することにより構成される。
このような構成において、バッファ層は、n型半導体層となり、CIGS層は、p型半導体層となっている。従って、CIGS層(pn接合部)に光が照射されると、電子の光励起によって、光起電力が発生する。このため、太陽電池への光照射によって、両電極から、外部に直流電流を取り出すことができる。
ここで、CIGS層は、通常、Cu(In,Ga)Seのような化合物で構成される。また、CIGS層は、Na(ナトリウム)のようなアルカリ金属の存在によって、欠陥密度が低下し、キャリア濃度が向上することが知られている。高いキャリア濃度を有するCIGS層を使用した場合、太陽電池のエネルギー変換効率は、向上する。
そのため、Mo電極とCIGS層の間に、Na(ナトリウム)のようなアルカリ金属を含む層を設けることが提案されている(特許文献1〜3)。この場合、太陽電池の製造過程において、アルカリ金属を含む層からCIGS層に、アルカリ金属を拡散させることができる。またこれにより、太陽電池のエネルギー変換効率をさらに向上させることができる。
特開2004−140307号公報 国際公開2011/152410号 特許第5000779号
しかしながら、前述の文献に記載されているアルカリ金属を含む層は、吸湿性を有したり、水に対して溶解する特性を有したりするため、ハンドリングが大変であるとともに、耐久性が劣るという問題がある。特許文献2に記載されているようなNaNbOをアルカリ金属供給層に使用した場合でも、まだ十分な耐久性を有しているとは言い難かった。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、より現実的な製造条件下において、CIGS層にアルカリ金属を拡散させることが可能な、CIGS型の太陽電池用基板を提供することを目的とする。また、その基板を用いた太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様によるCIGS型太陽電池用基板は、絶縁性支持基板と、前記絶縁性支持基板の上に設けられたアルカリ金属供給層を備え、前記アルカリ金属供給層は、NaとNbを含む酸化物およびKとNbを含む酸化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープされた膜を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様によるCIGS型太陽電池は、絶縁性支持基板と、前記絶縁性支持基板の上に設けられた裏面電極層と、前記裏面電極層の上に設けられたCIGS層と、前記CIGS層の上に設けられたバッファ層と、前記バッファ層の上に設けられた透明表面電極層と、を有するCIGS型の太陽電池であって、さらに、前記絶縁性支持基板と前記裏面電極層の間、または前記裏面電極層と前記CIGS層の間、または前記裏面電極層を2層構造としその間に形成されたアルカリ金属供給層を有し、前記アルカリ金属供給層は、NaとNbを含む酸化物およびKとNbを含む酸化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープされた膜を含むことを特徴とする。
本発明では、より現実的な製造条件下において耐久性を有し、CIGS層にアルカリ金属を拡散させることが可能な、CIGS型の太陽電池用基板を提供することを目的とする。また、その基板を用いた太陽電池を提供することが出来る。
本発明によるCIGS型太陽電池の構成の一例を概略的に示した断面図である。 本発明の実施例の例1〜4の表面を観察した写真である。 本発明の実施例の例5〜7の表面を観察した写真である。 従来のCIGS型太陽電池の構成を概略的に示した断面図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。まず、本発明の特徴をより良く理解するため、従来のCIGS型太陽電池の構成について、簡単に説明する。
図4には、従来のCIGS型の太陽電池の一例の断面図を概略的に示す。図4に示すように、従来のCIGS型の太陽電池10は、絶縁性支持基板11と、第1の導電層12aと、アルカリ金属を含む層(アルカリ金属供給層)19と、第2の導電層12bと、光吸収層13と、第1の半導体層14と、第2の半導体層15と、透明導電層16とを、この順に積層することにより構成される。さらに、通常の場合、太陽電池10は、取り出し電極17および18を有する。なお、矢印90は、太陽電池1に対する光の入射方向を示している。
第1の導電層12aおよび第2の導電層12bは、Mo(モリブデン)で構成され、太陽電池10の正極として機能する。一方、透明導電層16は、ZnO(酸化亜鉛)等で構成され、太陽電池1の負極として機能する。
第1の半導体層14および第2の半導体層15は、バッファ層とも呼ばれ、光吸収層13と透明導電層16との間に高抵抗層を形成することにより、太陽電池のシャントパス(shuntpass)を低減する機能を有する。
光吸収層13は、通常、Cu(In,Ga)Seのような化合物で構成される。なお、光吸収層13は、通常、CIGS層とも称されるため、以下、この層を「CIGS層13」と称する。
アルカリ金属供給層19は、CIGS層13に、アルカリ金属を供給するために設けられる。アルカリ金属供給層19は、例えば、NaS、NaSe、NaCl、またはNaF、NaNbOのような化合物で構成される。CIGS層13は、Na(ナトリウム)のようなアルカリ金属の存在によって、欠陥密度が低下し、キャリア濃度が向上することが知られている。従って、CIGS層13の近傍にアルカリ金属供給層19を設置した場合、このアルカリ金属供給層19から、アルカリ金属がCIGS層13の方に移動することにより、CIGS層13の欠陥密度が低下し、キャリア濃度が向上する。また、これにより、太陽電池1のエネルギー変換効率が向上する。
このような太陽電池10の構成において、バッファ層14,15は、n型半導体層となり、CIGS層13は、p型半導体層となる。従って、CIGS層13(pn接合部)に光が照射されると、電子の光励起によって、光起電力が発生する。このため、太陽電池1への光照射によって、第1の導電層12aおよび第2の導電層12b(以上、正極)に接続された取り出し電極17と、透明導電層16(負極)に接続された取り出し電極18とを介して、外部に直流電流を取り出すことができる。
以下、図面を参照して、本発明によるCIGS型の太陽電池の構成について、詳しく説明する。
図1には、本発明によるCIGS型の太陽電池100の一例の断面図を概略的に示す。図1に示すように、本発明によるCIGS型の太陽電池100は、絶縁性支持基板110と、アルカリ金属供給層120と、裏面電極層130と、CIGS層160と、バッファ層170と、透明表面電極層180とを、この順に積層することにより構成される。なお、本願において、絶縁性支持基板110と、その上に設けられたアルカリ金属供給層120の部分をCIGS型太陽電池用基板と称する場合がある。なお、図には示さないが、この他、通常の場合、太陽電池100は、図4に示した取り出し電極17、18のような、各電極層と電気的に接続された取り出し部を有する。矢印190は、CIGS型の太陽電池100に対する光の入射方向を示している。
絶縁性支持基板110は、その上部に積層される各層を支持する機能を有する。アルカリ金属供給層120は、CIGS層160中に、アルカリ金属、例えばNa(ナトリウム)、K(カリウム)、Li(リチウム)等を供給するための供給源として機能しても良い。裏面電極層130および透明表面電極層180は、光照射によってCIGS層160で生じた電気を外部に取り出すための電極として機能する。
なお、CIGS層160、バッファ層170としては、CIGS型の太陽電池用として使用されている公知な各種材料、特性、機能を有するものが使用できる。
ここで、本発明による太陽電池100のアルカリ金属供給層120は、NaNbO化合物、KNbO化合物およびLiNbO化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物及び耐湿性向上元素を含むという特徴を有する。
耐湿性向上元素がドープされたNaNbO化合物、KNbO化合物およびLiNbO化合物は、耐湿性向上元素をドープしないNaNbO化合物、KNbO化合物およびLiNbO化合物と比較して大気中で安定な酸化物であり、水に対してほとんど溶解しないという特性を有する。
従って、アルカリ金属供給層120をこのような化合物を有するように構成することにより、耐湿性向上元素をドープしないNaNbO化合物、KNbO化合物およびLiNbO化合物と比較してさらに耐久性を向上させることができる。ここで、耐湿性向上元素とは、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する元素、すなわちSi、Al、B、Pの少なくともいずれかを含む元素である。
耐湿性向上元素がSiの場合、Nbを含有しないとNaO−SiO系のガラス(水ガラス)のように流動性を持ってしまいNaの凝集や溶解が懸念されるが、NbとSiの両方を含有させることで、安定なNaO−Nb−SiO系のガラスが形成され、安定したアルカリ金属供給層を形成することができる。なお、Si以外の耐湿性向上元素Al、B、 Pなどを用いても、Si同様に安定なガラス形成が期待できる。
また、本発明の太陽電池100は、上記した化合物を含むアルカリ金属供給層120を有するため、CIGS層160中に、アルカリ金属を供給することができる。アルカリ金属が供給されたCIGS層160は、欠陥密度が低下し、キャリア濃度が向上する。従って、本発明の太陽電池100では、高いエネルギー変換効率が得られることが期待できる。
なお、図1において、アルカリ金属供給層120は、絶縁性支持基板110と裏面電極層130の間に設置されている。しかしながら、本発明の構成は、これに限られるものではない。例えば、アルカリ金属供給層120は、裏面電極層130とCIGS層160の間に設置されても良い。また、必要な場合、アルカリ金属供給層120は、絶縁性支持基板110と裏面電極層130の間、および裏面電極層130とCIGS層160の間の2箇所に設置されても良い。また、図4の構成のように裏面電極層を2層構造とし、その間にアルカリ金属供給層形成しても構わない。
(各構成部材について)
以下、本発明によるCIGS型の太陽電池100の各構成層、構成部材の仕様等について、詳しく説明する。
(絶縁性支持基板110)
絶縁性支持基板110は、その上部に積層された各部材を支持する機能を有する限り、いかなる部材で構成されても良い。また、絶縁性支持基板の形状は、平板状に限らず、湾曲状であってもよく、また管状のものでも良い。絶縁性支持基板の表面に積層された各層を形成することができる機能を有する限り、絶縁性支持基板の形状は、いかなる形状でも良い。より好ましくは、第1の表面とその反対面に第2の表面を有する平板状、あるいは湾曲状の板状体である。
絶縁性支持基板は、例えば、ガラスやポリイミドのような、それ自体が絶縁体で構成されるのが好ましい。絶縁性支持基板として、プラスチック基板を用いても構わない。ガラスの場合、その組成は、特に限られず、ガラスは、リン酸塩系のものであっても、シリカ系のものであっても良い。シリカ系ガラスの場合、絶縁性支持基板110は、例えば、酸化物換算で、60mol%〜80mol%のSiO、0.5mol%〜7mol%のAl、3mol%〜10mol%のMgO、6mol%〜9mol%のCaO、0〜5mol%のSrO、0〜4mol%のBaO、0〜2mol%のZrO、4mol%〜13mol%のNaO、および0.1mol%〜7mol%のKOを含む組成であっても良い。
また、本発明の太陽電池100は、アルカリ金属供給層120を有するため、絶縁性支持基板は、アルカリ金属を少量しか含まないもの、例えば無アルカリガラスであっても良い。なお、無アルカリガラスとは、酸化物換算で、LiO+NaO+KOの総和が0.1質量%以下のガラスを言う。
無アルカリガラスとしては、例えば、酸化物基準の質量%表示で、SiO:50〜66%、Al:10.5〜22%、B:0〜12%、MgO:0〜8%、CaO:0〜14.5%、SrO:0〜24%、BaO:0〜13.5%を含有し、MgO+CaO+SrO+BaO:9〜29.5質量%である無アルカリガラスが用いられる。
あるいは、絶縁性支持基板110は、導電性材料の表面に絶縁層を設置して構成しても良い。導電性材料は、ステンレス鋼またはアルミニウム合金等の金属であっても良い。また、絶縁層は、酸化物等であっても良い。絶縁性支持基板110の厚さは、例えば、0.5mm〜6mmの範囲である。
(アルカリ金属供給層120)
アルカリ金属供給層120は、アルカリ金属を含むニオブ酸化物で構成される。アルカリ金属供給層120は、例えば、LiNbO化合物、NaNbO化合物、およびKNbO化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープしたものが好ましい。また、LiNbO化合物、NaNbO化合物、およびKNbO化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物は、アルカリ金属含有率が、他の金属カチオン元素の総量に対して、50原子%の高いアルカリ金属含有率を有する。
また、LiNbO化合物、NaNbO化合物、およびKNbO化合物のうちでは、NaNbO化合物が、融点が最も高く、LiNbO化合物およびKNbO化合物と比較して、高温の焼結温度を選んで焼結できるので、成膜に用いる焼結体スパッタリングターゲットを高密度で作製しやすい点で特に好ましい。
また、アルカリ金属供給層120には、他の成分が本発明の目的、効果を損なわない程度に含まれていても支障はない。アルカリ金属供給層120には、Li(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Nb(ニオブ)、O(酸素)以外の元素を全質量に対して20質量%以下の範囲で含まれていてもかまわない。
このような化合物に耐湿性向上元素をドープしたものは、吸湿性がなく、水に対しても溶解性が著しく低く、安定である。十分な耐湿性を発揮するためには、耐湿性向上元素のドープ量は、3mol%以上が好ましく、3mol%以上が好ましく、6mol%以上がより好ましい。
アルカリ金属供給層120の厚さは、例えば、20nm〜200nmの範囲である。特に、アルカリ金属供給層120の厚さは、20nm〜100nmの範囲であることがより好ましい。この様な範囲の場合、アルカリ金属供給層120と裏面電極層130の間に、または裏面電極層130とCIGS層160の間に、良好な密着性が得られる。
(裏面電極層130)
裏面電極層130は、例えば、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、またはCr(クロム)等で構成される。裏面電極層130の厚さは、例えば、100nm〜1000nm(好ましくは、300nm〜700nm。例えば500nm)の範囲である。裏面電極層130の膜厚が厚くなると、基板110との密着性が、あるいはアルカリ供給層との密着性が、低下するおそれがある。また、裏面電極層130の膜厚が薄くなりすぎると、電極の電気抵抗が増大する。
裏面電極層130の形成方法は、特に限られない。裏面電極層130は、例えば、スパッタリング法、蒸着法、気相成膜法(PVD、CVD)等により、絶縁性支持基板110面上に形成することができる。
(CIGS層160)
CIGS層160は、周期律表のIb族元素と、IIIb族元素と、VIb族元素とを含む化合物で構成される。
CIGS層160は、例えば、カルコパイライト(chalcopyrite)に代表される結晶構造を有する半導体で構成される。この場合、CIGS層160は、Cu(銅)、In(インジウム)、およびGa(ガリウム)からなる群から選定された少なくとも一つの元素Mと、Se(セレン)およびS(硫黄)からなる群から選定された少なくとも一つの元素Aとを含むことができる。例えば、CIGS層160として、CuInSe、CuIn(Se,S)、Cu(In,Ga)Se、およびCu(In,Ga)(Se,S)などを使用することができる。また、CIGS層160は、カルコパイライトと同様な結晶構造を有する半導体で構成されてもよい。
CIGS層160の膜厚は、特に限られるものではないが、例えば1000nm〜3000nmの範囲である。
(バッファ層170)
バッファ層170は、例えば、半導体層を形成する、Cd(カドミウム)やZn(亜鉛)を含む化合物で構成される。Cdを含む化合物としては、CdS(硫黄化カドミウム)等があり、Znを含む化合物としては、ZnO(酸化亜鉛)、ZnS(硫黄化亜鉛)、ZnMgO(亜鉛マグネシウム酸化物)等の材料がある。
また、バッファ層170は、図1に示した構成のように、複数の半導体の層で構成されても良い。この場合、CIGS層160に近い側にある第1の層は、前述のような、CdSまたはZnを含む化合物によって構成され、CIGS層160から遠い側にある第2の層は、ZnO(酸化亜鉛)、またはZnOを含む材料等で構成される。バッファ層170の膜厚は、特に限られるものではないが、例えば50nm〜300nmの範囲である。
(透明表面電極層180)
透明表面電極層180は、例えばZnO(酸化亜鉛)、またはITO(インジウムスズ酸化物)のような材料等で構成される。あるいは、これらの材料にAl(アルミニウム)などのIII族元素をドープしても良い。また、透明表面電極層180は、複数の層を積層させて構成しても良い。透明表面電極層180の厚さ(複数層の場合は、全厚)は、特に限られるものではないが、例えば100nm〜3000nmの範囲である。
なお、透明表面電極層180には、さらに導電性の取り出し部材が電気的に接続されても良い。そのような取り出し部材は、例えば、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)およびAg(銀)から選ばれる1種以上の金属で構成されることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。
以下の方法により、ガラス基板上に、アルカリ供給層としてのNaNbO層或いはKNbO層、および裏面電極層としてのMo層を順次成膜して、試験サンプルを作製した。また、これらの試験サンプルを用いて、以下に示す各特性を評価した。
(試験サンプルの作製)
まず、ガラス基板を準備した。ガラス基板の寸法は、縦30mm×横30mm×厚さ1.1mmとした。このガラス基板の組成は、酸化物換算で、66.5mol%のSiO、4.7mol%のAl、3.4mol%のMgO、6.2mol%のCaO、1.7mol%のZr、4.8mol%のNaO、および4.9mol%のKOを含む。
次に、このガラス基板上に、スパッタリング法により、NaNbO層(KNbO層)を成膜した。
スパッタ装置には、マグネトロンRFスパッタリング装置(コンビナトリアルスパッタコーティングシステム、大和機器工業社製)を使用した。NaNbO焼結体ターゲット(KNbO焼結体ターゲット)及び5mm×5mmのSiチップを使用し、ガラス基板上にSiドープNaNbO層(KNbO層)を成膜した。
また、使用したNaNbO焼結体ターゲットは、NaCO粉末(関東化学製特級)とNb粉末(高純度化学研究所製3Nグレード)を用いて、粉末混合、仮焼、湿式粉砕、成形、焼結(空気中1330℃、2時間保持)を経て、焼結体ターゲットを作製した。なお、使用したNaNbO焼結体ターゲットには、K(カリウム)が、KO換算で総質量に対して、0.01質量%含有することを、蛍光X線法により確かめた。また、KNbOターゲットは、高純度化学社製を使用した。
成膜雰囲気は、アルゴンと酸素の混合ガスとした。混合ガス中の酸素は、3vol%である。また、スパッタリング圧力は、1.3Paとし、成膜温度(基板温度)は、室温とした。NaNbO層(KNbO層)の膜厚は80nmとし、Siのドープ量を変更して各サンプルを作製した(それぞれ、試験サンプル例1〜例7とする)。
表1には、XPS装置(PHI)により測定した各試験サンプルにおけるSi、Na、K、Nb、Oの各元素の含有量(mol%)示している。
(耐久性評価)
前述の工程で得られた各試験サンプル(例1〜例7)を用いて、各アルカリ金属供給層の耐久性試験を行った。耐久性試験として50℃、相対湿度90%の条件下で20時間保持した後の各試験サンプルの表面を光学顕微鏡(VH−Z450、KEYENCE社製)で観察した。
図2(a)〜(d)に試験後の例1〜例4のサンプルの表面を観察した画像を、図3(a)〜(c)に試験後の例5〜例7のサンプルの表面を観察した画像を示す。
図2(a)及び図3(a)(それぞれ、例1、5に対応)では、アルカリ金属が凝集してしまい、膜の状態が維持出来ていないことが分かる。アルカリ金属が凝集すると、アルカリ金属供給層としての働きが低下してしまううえに、膜剥がれ等が生じ高効率の電池の作製は期待出来ない。一方図2(b)、(c)、(d)及び図3(b)、(c)はアルカリ金属がほとんど凝集しておらず、膜特性が維持出来ていることが分かる。
(電池特性評価)
続いてSiドープの有無による電池特性への影響を調べるために、例1と例3の耐久性試験前のサンプルを用いて評価用の太陽電池を作製した。以下に評価用太陽電池の作製について説明する。なお、評価用太陽電池の層構成は、図1に示す太陽電池の層構成とほぼ同様である。
まず、例1と例3のサンプル上に、スパッタ装置にて、裏面電極としてMo(モリブデン)膜を成膜した。成膜は室温にて実施し、厚み500nmのMo膜を得た。次に、裏面電極(Mo膜)上にスパッタ装置にて、CuGa合金ターゲットでCuGa合金層を成膜し、続いてInターゲットを使用してIn層を成膜することで、In−CuGaのプリカーサ膜を成膜した。成膜は室温にて実施した。蛍光X線によって測定したプリカーサ膜の組成が、Cu/(Ga+In)比が0.8、Ga/(Ga+In)比が0.25となるように各層の厚みを調整し、厚み650nmのプリカーサ膜を得た。
プリカーサ膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いてアルゴンおよびセレン化水素混合雰囲気(セレン化水素はアルゴンに対し5体積%、「セレン雰囲気」と呼ぶ)にて加熱処理した。
条件としては、まず、第1段階としてセレン雰囲気で500℃で10分保持を行い、CuおよびInおよびGaとSeとを反応させて、その後、第2段階として硫化水素雰囲気(硫化水素はアルゴンに対し5体積%)に置換した後、さらに580℃で30分保持してCIGS結晶を成長させることでCIGS層を得た。得られたCIGS層の厚みはμmであった。
次いで、CIGS層上にCBD(Chemical Bath Deposition)法にて、バッファ層としてCdS層を成膜した。具体的には、まず、ビーカー内で、濃度0.01Mの硫酸カドミウム、濃度1.0Mのチオウレア、濃度15Mのアンモニア、および純水を混合させた。次に、CIGS層を上記混合液に浸し、ビーカーごと予め水温を70℃にしておいた恒温バス槽に入れ、CdS層を50〜80nm成膜した。
さらにCdS層上にスパッタ装置にて、透明導電膜を以下の方法で成膜した。まず、ZnOターゲットを使用してZnO層を成膜し、次に、AZOターゲット(Al2O3を1.5wt%含有するZnOターゲット)を使用してAZO層を成膜した。各層の成膜は室温にて実施し、厚み480nmの2層構成の透明導電膜を得た。
その後、透明導電膜のAZO層上にEB蒸着法により、U字型のマイナス電極として膜厚1μmのアルミ膜を成膜した(U字の電極長(縦8mm、横4mm)、電極幅0.5mm)。
最後に、メカニカルスクライブによって透明導電膜13a側からCIGS層9aまでを削り、セル化を行いソーラーシミュレータ(山下電装株式会社製、YSS−T80A)によって評価を行った。
そのソーラーシミュレータに、評価用CIGS太陽電池を設置し、あらかじめInGa溶剤を塗布した裏面電極にプラス端子を、マイナス電極のU字の下端にマイナス端子16aをそれぞれ電圧発生器に接続した。ソーラーシミュレータ内の温度は25℃一定に温度調節機にて制御した。疑似太陽光を照射し、60秒後に、電圧を−1Vから+1Vまで0.015V間隔で変化させ、電流値を測定した。
この照射時の電流と電圧特性から発電効率を下記式(1)により算出した。試験に用いた光源の照度は0.1W/cm2であった。
発電効率[%]=Voc[V]×Jsc[A/cm2]×FF[無次元]×100/試験
に用いる光源の照度[W/cm2] 式(1)
発電効率は、開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Jsc)と曲線因子(FF)の掛け
算で求められる。なお、開放電圧(Voc)は端子を開放した時の出力であり、短絡電流(Isc)は短
絡した時の電流である。短絡電流密度(Jsc)はIscをマイナス電極を除いたセルの
面積で割ったものである。
また最大の出力を与える点が最大出力点と呼ばれ、その点の電圧が最大電圧値(Vma
x)、電流が最大電流値(Imax)と呼ばれる。最大電圧値(Vmax)と最大電流値
(Imax)の掛け算の値を、開放電圧(Voc)と短絡電流(Isc)の掛け算の値で
割った値が曲線因子(FF)として求められる。上記の値を使用し、発電効率(Eff)を求めた。
各サンプルの評価結果を表2に示す。
表2に示した通り、例1の基板を用いて太陽電池を作製した場合と、例3の基板を用いて太陽電池を作製した場合で発電効率にほとんど違いは見らなかった。すなわち、アルカリ金属供給層にSiをドープしても太陽電池特性への影響はほとんど無く、Siをドープすることで耐久性が高いアルカリ金属供給層を形成することが出来る。
10、100 CIGS型太陽電池
11、110 絶縁性支持基板
12a 第1の導電層
12b 第2の導電層
13 光吸収層
14 第1の半導体層
15 第2の半導体層
16 透明導電層
17、18 取り出し電極
19、120 アルカリ金属供給層
90、190 光の入射方向
130 裏面電極層
160 CIGS層
170 バッファ層
180 透明表面電極層

Claims (8)

  1. 絶縁性支持基板と、
    前記絶縁性支持基板の上に設けられたアルカリ金属供給層を備え、
    前記アルカリ金属供給層は、NaとNbを含む酸化物およびKとNbを含む酸化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープされた膜を含むことを特徴とするCIGS型太陽電池用基板。
  2. 前記耐湿性向上元素は、Si、Al、B、Pのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のCIGS型太陽電池用基板。
  3. 前記耐湿性向上元素はSiであり、前記アルカリ金属供給層のSiの濃度は、3mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のCIGS型太陽電池用基板。
  4. 前記アルカリ金属供給層の厚さは20〜200nmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のCIGS型太陽電池用基板。
  5. 前記絶縁性支持基板と前記アルカリ金属供給層の間、または前記アルカリ金属供給層上にさらに導電層を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のCIGS型太陽電池用基板。
  6. 絶縁性支持基板と、
    前記絶縁性支持基板の上に設けられた裏面電極層と、
    前記裏面電極層の上に設けられたCIGS層と、
    前記CIGS層の上に設けられたバッファ層と、
    前記バッファ層の上に設けられた透明表面電極層と、
    を有するCIGS型の太陽電池であって、
    さらに、前記絶縁性支持基板と前記裏面電極層の間、または前記裏面電極層と前記CIGS層の間、または前記裏面電極層を2層構造としその間に形成されたアルカリ金属供給層を有し、
    前記アルカリ金属供給層は、NaとNbを含む酸化物およびKとNbを含む酸化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物に、酸化物中で四配位をとりネットワークを形成する耐湿性向上元素を少なくとも一種ドープされた膜を含むことを特徴とするCIGS型太陽電池。
  7. 前記耐湿性向上元素は、Si、Al、B、Pのいずれかであることを特徴とする請求項6に記載のCIGS型太陽電池用基板。
  8. 前記絶縁性支持基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする請求項6または7に記載の太陽電池。
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