JP2014095842A - 波長変換レーザ装置 - Google Patents

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章之 門谷
Ichiro Fukushi
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Abstract

【課題】光学素子のクラック発生や破損を防止でき、波長変換素子の波長変換効率の劣化を抑制して長期的に信頼性の高い波長変換レーザ装置。
【解決手段】基本波を発生するレーザ1と、レーザ1からの基本波の波長を変換する波長変換素子3と、波長変換素子3を保持する金属ホルダ4と、波長変換素子3の内の、金属ホルダ4と接する面と反対側の面に配置された平板5と、平板上に配置された波型形状の板バネ6と、板バネ6に対して波長変換素子3を金属ホルダ4に押さえ付ける方向に力を加える金属押え部7と、金属押え部7を金属ホルダ4に固定する溶接部8とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザで発生した基本波を導波路型波長変換素子により波長変換する波長変換レーザ装置に関し、特に、導波路型波長変換素子の固定方法による導波路型波長変換素子の応力緩和及び生産性向上に関する。
光学装置に用いられるレーザ媒質、波長変換素子、導波路型波長変換素子等の各光学素子は、光学素子を調整した後に変位せず、光学素子を破壊しない固定方法が必要である。一般的には光学素子は接着剤や止めネジ等で固定される。しかし、高エネルギー密度、サブミクロンオーダーでの調整や固定及び気密性が必要となる導波路型波長変換素子では、板バネを用いた固定方法も各種報告されている。
特許文献1には半導体レーザ素子と導波路型波長変換素子とを接着剤により固定することが記載されている。特許文献2,3には板バネのバネ力により基板に対して波長変換素子を固定することが記載されている。
特開2001−196684号公報 特開2008−159850号公報 特開平6−18826号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、導波路型波長変換素子を接着剤を用いて固定すると、例えば環境温度湿度の変化や組立工程中に高温にさらされてしまうことで接着剤が劣化したり、アウトガスの問題が発生する。
特許文献2,3に記載されたV型に加工された板バネや止めネジによる弾性力により導波路型波長変換素子を固定すると、応力が局所的に集中する。このため、光学素子にクラックや破損が発生したり、屈折率が変化し、位相整合条件の変化による波長変換効率の劣化を発生するおそれがある。
また、組立工程中に導波路型波長変換素子を交換する必要がある場合、接着剤や止めネジ、板バネによる固定では、導波路型波長変換素子を取り出すのに手間がかかる。また、導波路型波長変換素子に傷や汚れが付いたり、破損したり、解析や部材の再利用ができなくなる。
本発明の課題は、光学素子のクラック発生や破損を防止でき、波長変換素子の波長変換効率の劣化を抑制して長期的に信頼性の高い波長変換レーザ装置を提供する。
本発明に係る波長変換レーザ装置は、上記課題を解決するために、基本波を発生する半導体レーザと、前記半導体レーザからの基本波の波長を変換する波長変換素子と、前記波長変換素子を保持する保持部と、前記波長変換素子の内の、前記保持部と接する面と反対側の面に配置された平板と、前記平板上に配置された板バネと、前記板バネに対して前記波長変換素子を前記保持部に押さえ付ける方向に力を加える波長変換素子押え部と、前記波長変換素子押え部を前記保持部に固定する固定部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、波長変換素子と板バネとの間に平板を挿入したので、波長変換素子押え部による板バネの弾性力は全て平板に加えられて平均化される。このため、波長変換素子を固定する際に発生する局所的な応力の集中を抑制できる。従って、光学素子のクラック発生や破損を防止でき、波長変換素子の波長変換効率の劣化を抑制して長期的に信頼性の高い波長変換レーザ装置を提供することができ、また平板の挿入により解析や再利用時の波長変換素子の取り出しを損傷無く容易にすることができる。
実施例1の波長変換レーザ装置の構成図である。 実施例1の波長変換レーザ装置に設けられた波長変換素子固定部の構成を示す図である。 実施例1の波長変換素子固定部の側面図である。 実施例2の波長変換レーザ装置に設けられた波長変換素子固定部の構成を示す図である。
以下、本発明の波長変換レーザ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施例1の波長変換レーザ装置の構成図である。図2は、実施例1の波長変換レーザ装置に設けられた波長変換素子固定部の構成を示す図である。図3は、実施例1の波長変換素子固定部の側面図である。
図1に示す波長変換素子固定部10は、図3のX−X´断面から見た図である。図2に示す波長変換素子固定部10は、図3のY−Y´断面から見た図である。
図1に示す波長変換レーザ装置は、レーザ1、レンズ2、波長変換素子固定部10で構成されている。レーザ1は、半導体レーザからなり、基本波を発生する。レンズ2は、レーザ1からの基本波を集光して集光された基本波を波長変換素子固定部10内の波長変換素子2に導く。
波長変換素子固定部10は、波長変換素子3を固定するもので、波長変換素子3、金属ホルダ4、平板5、板バネ6、金属押え部7、溶接部8とで構成されている。波長変換素子3は、光導波路を有する導波路型波長変換素子からなり、レンズ2で集光されたレーザ1からの基本波の波長を別の波長に変換する。金属ホルダ(保持部)4と金属押さえ部7を溶接して波長変換素子3を保持する。
平板5は、波長変換素子3の内の、金属ホルダ4と波長変換素子3との接する面と反対側の面に配置されている。この平板5上には弾性力を有する波型形状の板バネ6が配置されている。金属押え部(波長変換素子押え部)7は、板バネ6に対して波長変換素子4を金属ホルダ4に押さえ付ける方向(光軸垂直方向)に弾性力を加える。
溶接部8(固定部)は、スポット溶接等により、金属押え部7を金属ホルダ4に溶接して固定する。
このように実施例1の波長変換レーザ装置によれば、波長変換素子3と板バネ6との間に平板5を挿入したので、金属押え部7による板バネ6の弾性力は全て平板5に加えられ、波長変換素子3に伝わる弾性力は、面接触となり、平均化される。このため、波長変換素子3を固定する際に発生する局所的な応力の集中を抑制できる。
従って、点或いは線接触の応力集中時に発生する、光学素子のクラック発生や破損を防止でき、屈折率変化により発生する波長変換素子3の波長変換効率の劣化を抑制することでき、長期的に高い信頼性を得ることができる。
また、板バネ6、平板5の大きさは、使用する波長変換素子3の大きさにより変化するが、平板5と板バネ6との光軸方向の全長を、金属押え部7の全長より長くすることにより、組み立て工程中に波長変換素子3の交換が必要となった場合に、波長変換素子3に直接的に関係しない板バネ6を容易に引っ張り出すことでき、また、波長変換素子3を破損させずしかも傷を付けることなく、容易に取り出すことができる。
また、板バネ6を波型形状としたので、取り出し時に板バネ6を掴みやすく、板バネ6は光軸方向に徐々に延びて弾性力が開放される。
さらに、板バネ6は、温度が変態点以上になったときに、波長変換素子3に働く弾性力を開放する形状に戻るTi−Ni、Ti−Ni−Zr−Nb等の形状記憶合金で製作しても良い。形状記憶合金は、温度が変態点未満では波長変換素子3に所定の弾性力が働く形状になる。
この形状記憶合金を用いることで、温度が変態点以上になったときには、波長変換素子3を容易に取り出すことができる。
なお、形状記憶合金で板バネ6を製作した場合には、板バネ6は波型形状でなくても良く、板バネ6の材質に合わせた形状、例えば、V字型の板バネ6を用いても良い。
図4は、実施例2の波長変換レーザ装置に設けられた波長変換素子固定部の構成を示す図である。図1に示す実施例1では、金属押え部4を金属ホルダ7に固定するために溶接部8を用いたが、図4に示す実施例2では、金属押え部4aを金属ホルダ7aに固定するためにネジ9(固定部)を用いたことを特徴とする。
図4において、金属押え部4aは、金属ホルダ7aを覆うように形成され、金属押え部4aと金属ホルダ7aとは、ネジ9によりネジ止めされている。
このようなネジ9によっても、金属押え部4aを金属ホルダ7aに固定することができる。
なお、本発明は、実施例1及び実施例2の波長変換レーザ装置に限定されるものではない。実施例1では、金属押え部7を金属ホルダ4に固定するために溶接部8を用い、実施例2では、ネジ9を用いたが、例えば、金属押え部7に爪部(又は切欠部)を設け、金属ホルダ4に切欠部(又は爪部)を設け、爪部と切欠部とを嵌合させることにより金属押え部を金属ホルダに固定しても良い。
本発明は、導波路型波長変換素子を有する光学装置に利用可能である。
1‥レーザ、2‥レンズ、3‥波長変換素子、4,4a‥金属ホルダ、5‥平板、6‥板バネ、7,7a‥金属押え部、8‥溶接部、9‥ネジ、10‥波長変換素子固定部。

Claims (7)

  1. 基本波を発生する半導体レーザと、
    前記半導体レーザからの基本波の波長を変換する波長変換素子と、
    前記波長変換素子を保持する保持部と、
    前記波長変換素子の内の、前記保持部と接する面と反対側の面に配置された平板と、
    前記平板上に配置された板バネと、
    前記板バネに対して前記波長変換素子を前記保持部に押さえ付ける方向に力を加える波長変換素子押え部と、
    前記波長変換素子押え部を前記保持部に固定する固定部と、
    を備えることを特徴とする波長変換レーザ装置。
  2. 前記板バネは、波型形状であることを特徴とする請求項1記載の波長変換レーザ装置。
  3. 前記板バネは、温度が変態点以上になったときに、前記波長変換素子に働く弾性力を開放する形状に戻る形状記憶合金からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の波長変換レーザ装置。
  4. 前記波長変換素子は、導波路型波長変換素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  5. 前記平板と前記板バネとの各々の光軸方向の全長が、前記波長変換素子押え部の全長よりも長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  6. 前記固定部は、前記波長変換素子押え部を前記保持部に溶接して固定する溶接部からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
  7. 前記固定部は、前記波長変換素子押え部を前記保持部に固定するネジからなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の波長変換レーザ装置。
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