JP2014094479A - タイヤ構成部材の貼着状態判定方法、判定装置、判定プログラム、タイヤ成形条件の導出方法、導出装置、及び導出プログラム。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビードフィラモデル11のタイヤ幅方向外側となる面に3つの観測点m1〜m3を設定するステップST3と、ケースモデル40の端部を折り返してビードフィラモデル11に巻き上げて両者を貼着する成形工程を、コンピュータシミュレーションにて再現するステップST4と、再現結果に基づき所定観測期間に、観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップST5と、観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが判定条件を満たす場合に、貼着状態が良好であると判定する一方で、順序、最大値及び累積値のいずれかが判定条件を満たさない場合に、貼着状態が不良であると判定するステップ(ST6〜ST8)と、を有する。
【選択図】図5
Description
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを生成するステップと、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定するステップと、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するステップと、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップと、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定するステップと、
を含むことを特徴とする。
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを生成するモデル生成部と、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定する観測点設定部と、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するシミュレーション部と、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出する物理量算出部と、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする。
前記両動作に関する初期値を評価対象となる成形条件の一つとして設定するステップと、
評価対象となる成形条件に基づき請求項1に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定方法を実行して貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返すステップと、を含み、
前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とする。
評価対象となる成形条件の一つとして前記両動作の初期値を設定する設定部と、
評価対象となる成形条件に基づき上記貼着状態判定装置を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返す制御部と、を備え、
前記制御部は、前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とする。
評価対象となる複数の成形条件に基づき請求項1に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定方法を実行して貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出するステップと、
前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出するステップと、
を含むことを特徴とする。
評価対象となる複数の成形条件に基づき上記貼着状態判定装置を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出し、前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出する制御部
を備えることを特徴とする。
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを設定するステップと、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定するステップと、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するステップと、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップと、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。このプログラムを実行することによっても、上記方法が奏する作用効果を得ることができる。
前記開始タイミングの初期値を評価対象となる成形条件の一つとして設定するステップと、
評価対象となる成形条件に基づき上記貼着状態判定プログラムを実行して貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返すステップと、をコンピュータに実行させ、
前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とする。このプログラムを実行することによっても、上記方法が奏する作用効果を得ることができる。
評価対象となる複数の成形条件に基づき上記貼着状態判定プログラムを実行して貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出するステップと、
前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。このプログラムを実行することによっても、上記方法が奏する作用効果を得ることができる。
成形対象となる空気入りタイヤの基本構造は、図1に示すように、一対の環状のビード部1と、ビード部1からタイヤ径方向外側RD2へ延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の外周側端に連なるトレッド部3と、その一対のビード部1の間に設けられるカーカス4とを備えたラジアルタイヤである。ビード部1は、ビードフィラ11と当該ビードフィラ11のタイヤ径方向内側RD1に設けられるビードコア10とを有する。カーカス4は、トロイド状をなし、その端部はビードコア10とビードフィラ11を挟み込むようにして折り返されている。
上記空気入りタイヤを加硫する前のグリーンタイヤは、図2Aに示す成形装置5を用い、タイヤを構成する各部材を組み付けて成形される。図2Aに示すように、成形装置5は、成形ドラム50と、成形ドラム50の側部に位置する一対のビードロック51及びバルーンとしてのサイドブラダ52とを有する。成形装置5は、図2A〜Dに示すように、成形ドラム50回りに配置した円筒状のケース40の外周面にビードコア10及びビードフィラ11を配置した状態で、図示しないブラダによりケース40をカーカス状に保持しつつ、ケース40を介してビードコア10を保持するビードロック51・51同士の近接動作と、サイドブラダ52の膨張動作とを行うことにより、ケース40の端部40aを折り返してビードフィラ11に接着剤を用いて貼着する貼着工程を実行する。
図3に示すタイヤ成形条件の導出装置6は、後述するタイヤ構造部材の貼着状態判定装置7を用いて、ケース40及びビードフィラ11の良好な貼着状態が得られる成形条件を導出する装置である。成形条件には、例えば、上記成形装置5のビードロック51・51同士の近接動作、及びサイドブラダ52の膨張動作が挙げられる。
上記導出装置6及び貼着状態判定装置7を用いて、ビードフィラ11とケース40の貼着状態を判定する方法、及び、当該貼着状態が良好となるタイヤ成形条件を導出する方法を説明する。
物理量算出部73による算出結果を時間と関連づけてプロットすれば、図6Bに示すようになる。図6Bは、サイドブラダ52の膨張動作の開始タイミングが、ビードロック51の近接動作の開始タイミングと同時に設定されている場合(図6A参照)における各々の観測点に作用する接触圧力を示す図である。図6Bの例では、まず、観測点m2の接触圧力が上昇しているので、図5のステップST6又はST7にて貼着状態が不良と判定される。また、観測点m1の接触圧力の最大値が低く、閾値th1以上を満たさないため、貼着状態が不良と判定される。制御部61によって、サイドブラダ52の膨張動作の開始が遅れるように成形条件が補正される。
ケース40及びビードフィラ11を含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル40及びビードフィラモデル11を含む各々の部材モデルを生成するステップ(ST2)と、
ビードフィラモデル11のタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ3つの観測点(m1、m2、m3)を設定するステップ(ST3)と、
ケースモデル40の端部40aを折り返してビードフィラモデル11に巻き上げ、ケースモデル40をビードフィラモデル11に貼着する成形工程を、与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するステップ(ST4)と、
シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、観測点m1〜m3に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップ(ST5)と、
所定の観測期間において、観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、貼着状態が良好であると判定する一方で、順序、最大値及び累積値のいずれかが判定条件を満たさない場合に、貼着状態が不良であると判定するステップ(ST6〜8)と、を含む。
ケース40及びビードフィラ11を含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル40及びビードフィラモデル11を含む各々の部材モデルを生成するモデル生成部70と、
ビードフィラモデル11のタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向RDに沿って並ぶ3つの観測点(m1、m2、m3)を設定する観測点設定部71と、
ケースモデル40の端部40aを折り返してビードフィラモデル11に巻き上げ、ケースモデル40をビードフィラモデル11に貼着する成形工程を、与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するシミュレーション部72と、
シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、観測点m1〜m3に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出する物理量算出部73と、
所定の観測期間において、観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、貼着状態が良好であると判定する一方で、順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが判定条件を満たさない場合に、貼着状態が不良であると判定する判定部74と、
を備える。
両動作に関する初期値を評価対象となる成形条件の一つとして設定するステップ(ST2)と、
評価対象となる成形条件に基づき上記貼着状態判定方法を実行して貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで貼着状態の判定を繰り返すステップ(ST2〜ST8)と、を含み、
観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合(ST6:NO、ST7:NO)には、近接動作に対して膨張動作の開始を遅らせるように成形条件を補正する(ST9)一方、各々の観測点の接触圧力の累積値が判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合(ST8:NO)には、近接動作に対して膨張動作の開始を早めるように成形条件を補正する(ST10)。
評価対象となる成形条件の一つとして両動作の初期値を設定する設定部60と、
評価対象となる成形条件に基づき上記貼着状態判定装置7を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返す制御部61と、を備え、
制御部61は、観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合(ST6:NO、ST7:NO)には、近接動作に対して膨張動作の開始を遅らせるように成形条件を補正する(ST9)一方、各々の観測点の接触圧力の累積値が判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合(ST8:NO)には、近接動作に対して膨張動作の開始を早めるように成形条件を補正する(ST10)。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
本実施形態では、成形条件の初期値として一つのパラメータを与え、初期パラメータに基づき良好な成形条件を導出しているが、成形条件の初期値として複数のパラメータを与えて、良好な成形条件を複数導出し、これらの中から最良の成形条件を導出するように構成してもよい。具体的な方法は、評価対象となる複数の成形条件に基づき上記貼着状態判定方法を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出し、複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出することが挙げられる。同様に、具体的な装置は、評価対象となる複数の成形条件に基づき上記貼着状態判定装置を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出し、複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出するように、制御部61を構成することが好ましい。
観測点の接触圧力の累積値が最大となることは、当該観測点が十分に押さえられていることを意味する。したがって、このような知見に基づき、複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出することで、その中で貼着状態が最良の成形条件を導出することが可能となる。
40…ケースモデル(ケース)
60…設定部
61…制御部
70…モデル生成部
71…観測点設定部
72…シミュレーション部
73…物理量算出部
74…判定部
m1、m2、m3…観測点
Claims (9)
- タイヤを構成するケース及びビードフィラを、与えられた成形条件に基づき貼着する場合に、両部材の貼着状態をコンピュータシミュレーションを用いてコンピュータが判定する方法であって、
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを生成するステップと、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定するステップと、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するステップと、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップと、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定するステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ構成部材の貼着状態判定方法。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出する方法であって、
前記両動作に関する初期値を評価対象となる成形条件の一つとして設定するステップと、
評価対象となる成形条件に基づき請求項1に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定方法を実行して貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返すステップと、を含み、
前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とするタイヤ成形条件の導出方法。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出する方法であって、
評価対象となる複数の成形条件に基づき請求項1に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定方法を実行して貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出するステップと、
前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出するステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ成形条件の導出方法。 - タイヤを構成するケース及びビードフィラを、与えられた成形条件に基づき貼着する場合に、両部材の貼着状態をコンピュータシミュレーションを用いて判定する装置であって、
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを生成するモデル生成部と、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定する観測点設定部と、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するシミュレーション部と、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出する物理量算出部と、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定する判定部と、
を備えることを特徴とするタイヤ構成部材の貼着状態判定装置。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出する装置であって、
評価対象となる成形条件の一つとして前記両動作の初期値を設定する設定部と、
評価対象となる成形条件に基づき請求項4に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定装置を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返す制御部と、を備え、
前記制御部は、前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とするタイヤ成形条件の導出装置。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出する装置であって、
評価対象となる複数の成形条件に基づき請求項4に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定装置を用いて貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出し、前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出する制御部
を備えることを特徴とするタイヤ成形条件の導出装置。 - タイヤを構成するケース及びビードフィラを、与えられた成形条件に基づき貼着する場合に、両部材の貼着状態をコンピュータシミュレーションを用いて判定するプログラムであって、
前記ケース及びビードフィラを含むタイヤ構成部材をモデル化した、ケースモデル及びビードフィラモデルを含む各々の部材モデルを設定するステップと、
前記ビードフィラモデルのタイヤ幅方向外側面又は内側面のうち貼着状態の評価対象となる面に、タイヤ径方向に沿って並ぶ少なくとも2つの観測点を設定するステップと、
前記ケースモデルの端部を折り返して前記ビードフィラモデルに巻き上げ、前記ケースモデルを前記ビードフィラモデルに貼着する成形工程を、前記与えられた成形条件に基づきコンピュータシミュレーションにて再現するステップと、
前記シミュレーションによる再現結果に基づき巻き上げ前から巻き上げ後までの所定観測期間に、前記観測点に作用する接触圧力を有限要素法による数値解析を用いて算出するステップと、
前記所定の観測期間において、前記観測点の接触圧力が上昇する順序、各々の観測点の接触圧力の最大値及び各々の観測点の接触圧力の累積値のいずれもが予め定めた判定条件を満たす場合に、前記貼着状態が良好であると判定する一方で、前記順序、前記最大値及び前記累積値のいずれかが前記判定条件を満たさない場合に、前記貼着状態が不良であると判定するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤ構成部材の貼着状態判定プログラム。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出するプログラムであって、
前記開始タイミングの初期値を評価対象となる成形条件の一つとして設定するステップと、
評価対象となる成形条件に基づき請求項7に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定プログラムを実行して貼着状態を判定し、貼着状態が不良であると判定されるときは、評価対象となる成形条件を補正して、貼着状態が良好であると判定されるまで上記貼着状態の判定を繰り返すステップと、をコンピュータに実行させ、
前記観測点の接触圧力が上昇する順序または各々の観測点の接触圧力の最大値のいずれかが前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を遅らせるように前記成形条件を補正する一方、前記各々の観測点の接触圧力の累積値が前記判定条件を満たさずに貼着状態が不良と判定された場合には、前記近接動作に対して前記膨張動作の開始を早めるように前記成形条件を補正することを特徴とするタイヤ成形条件の導出プログラム。 - 成形ドラムと、前記成形ドラムの側部に位置する一対のビードロック及びサイドブラダとを備える成形装置を用い前記ビードロック同士の近接動作及び前記サイドブラダの膨張動作を行うことで、タイヤを構成するケース及びビードフィラを貼着するにあたり、両部材の良好な貼着状態が得られる両動作を規定する成形条件を導出するプログラムであって、
評価対象となる複数の成形条件に基づき請求項7に記載のタイヤ構成部材の貼着状態判定プログラムを実行して貼着状態を判定し、貼着状態が良好である成形条件を複数導出するステップと、
前記複数の成形条件のうち各々の観測点の接触圧力の累積値が最大となる成形条件を抽出するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタイヤ成形条件の導出プログラム。
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