JP2014094001A - 乳酸菌増殖促進剤及びこれを含有するヨーグルト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重量平均分子量が10000〜300000であり、かつ還元糖量が0.12〜2.0に調整された寒天を含有することを特徴とする乳酸菌増殖促進剤である。寒天の分子量分布(Mw/Mn)が15以下であることが好ましい。あるいは、寒天の1.5重量%溶液のpHが4.0〜5.8であることが好ましい。さらに、本発明は、上記のいずれかに記載の乳酸菌増殖促進剤と乳酸菌とを含有するヨーグルトであって、寒天の含有量が0.05〜2.0重量%であることを特徴とするヨーグルトである。
【選択図】なし
Description
本発明の乳酸菌増殖促進剤は、重量平均分子量が10000〜300000であり、かつ還元糖量が0.12〜2.0に調整された寒天を含有する点を特徴とする。重量平均分子量と還元糖量が上記の範囲を外れると、乳酸菌の増殖促進効果が顕著に低下するばかりか、寒天を添加せずに培養した場合と比較して乳酸菌の増殖が抑制される。寒天の重量平均分子量は、上述したように10000〜300000の範囲内であり、15000〜290000の範囲内がより好ましい。また、寒天の還元糖量は、上述したように0.12〜2.0の範囲内であり、0.14〜1.9の範囲内がより好ましい。なお、本発明における重量平均分子量及び還元糖量は、後述する実施例における測定方法で測定した値として定義することができる。
本発明に係る寒天は、テングサ属、オゴノリ属及びオバクサ属のうち少なくとも1以上の海藻を原料とすることができる。テングサ属、オゴノリ属及びオバクサ属の海藻は、一般に用いられているものを制限なく用いることができる。
本発明に係る寒天は、テングサ属、オゴノリ属及びオバクサ属のうち少なくとも1以上の海藻を原料とし、アルカリ処理後水洗し、それを必要に応じて緩衝剤を含む熱水で抽出してろ過した後、ろ液を冷却してゲル化させ、そのゲル化物を必要に応じて水に浸漬し、脱水及び乾燥させることにより得ることができる。この寒天の製造方法では、酸処理を行わずに寒天分子を切断するため、切断された分子末端の還元糖量を多くしすぎることがなく、本発明の0.12〜2.0の範囲内とすることができる。以下、寒天の製造方法について詳述する。
まず、原料である海藻をアルカリ処理する。具体的には、原料である海藻を0.5〜20重量%のNaOHやKOHなどの強アルカリ水溶液中に温度20〜100℃にて0.5〜48時間浸漬する。その後、アルカリ処理により原料である海藻に付着や浸透したアルカリを、水を用いて洗浄処理し、アルカリを除去する。なお、寒天の重量平均分子量は、アルカリ処理時間により調整することが可能であり、アルカリ処理時間を長くすることで重量平均分子量を大きくしたり、アルカリ処理時間を短くすることで重量平均分子量を小さくしたりすることができる。
次に、アルカリ処理後の寒天成分を熱水抽出する。具体的には、pH4.0〜7.0、温度70〜120℃に調整した熱水を用いて、1〜3時間熱水抽出して寒天成分を抽出する。なお、寒天の重量平均分子量は、熱水抽出時のpHにより調整することが可能であり、pHを高くすることで重量平均分子量を大きくしたり、pHを低くすることで重量平均分子量を小さくしたりすることができる。
次に、上記で抽出した抽出物をろ過する。ろ過は、例えば、フィルタープレス等で加圧することなどにより行うことができる。ろ過工程は、寒天がゲル化しないように寒天の凝固点以上の高温で行うことが好ましく、具体的には70〜120℃で行うことができる。
次に、上記で得られたろ液を冷却してゲル化する。ゲル化前にはpHを調整することが好ましい。ゲル化前のpHは、ほぼそのまま最終のpHとなるため、上述したように最終的に得られる寒天の1.5重量%溶液におけるpHを4.0〜5.8の範囲内とするためには、ゲル化前のpHも4.0〜5.8の範囲内とすることが好ましい。pHの調整には、酢酸、塩酸、リン酸などの酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを使用することができる。ゲル化の際の冷却温度は、寒天の凝固点以下であり、通常は38℃以下、好ましくは約33℃以下とすることができる。
次に、還元糖量と分子量分布を調整するため、得られたゲル化物を水に浸漬(以下、水漬けという場合がある。)する。浸漬時間は、目的とする還元糖量や分子量分布にもよるが、12〜48時間であることが好ましい。水は適当な時間に入れ替えてもよい。ゲル化物を水に浸漬することにより、熱水抽出で生じた低分子量成分を水相に溶出させ、ゲル化物から除去することができる。これにより、低分子量の寒天は除去され、還元糖量が小さく分子量分布の狭い寒天を得ることができる。水漬けの際のゲル化物の濃度は、0.2〜2.0重量%であることが好ましく、0.4〜1.2重量%であることがさらに好ましい。0.2重量%より低いと水漬けにおいてゲルを維持することが難しく、2.0重量%を超えると低分子量成分が抜け難くなる。水漬けの際のゲル化物の濃度は、例えば、熱水抽出後に水を加える等によって調整することができる。
次に、上記で得られたゲル化物を脱水及び乾燥する。脱水する方法としては、ゲル化物を冷凍・解凍して脱水する方法、及びゲル化物を圧搾することにより脱水する方法などが挙げられる。乾燥する方法としては、一般的な乾燥方法が挙げられる。ゲル化物中の水分は、乾燥により、寒天が粉末として安定する平衡水分値(22重量%以下)まで蒸発させることが好ましい。
本発明の乳酸菌増殖促進剤は、乳酸菌含有食品、特にヨーグルトに好適に使用することができる。以下、本発明のヨーグルトについて説明する。
(1)乳酸菌増殖時の足場ができて増殖しやすくなる。この足場は乳成分を固定化するが、寒天の重量平均分子量を本発明の範囲内とすることで、3次元マトリックスの孔が適度な大きさとなるため乳成分の拡散が適度にあり、乳酸菌には十分な栄養が供給される。これに対し本発明よりも重量平均分子量が低い寒天は、マトリックスが脆弱であり足場となりにくい。また、本発明よりも重量平均分子量が高い寒天は、マトリックスが強固になりすぎ乳成分の拡散が極端に悪くなり乳酸菌に充分な栄養が供給されにくくなるため増殖が悪くなりやすい。
(2)ビフィズス菌などは菌自体が増殖因子を出すが、寒天の3次元マトリックスによりその増殖因子の拡散が阻害されるため、菌に対して増殖因子が有効に作用しやすくなる。
(3)寒天の3次元マトリックスにより乳の対流が通常より起こりにくくなるため、乳酸菌などの嫌気性菌は、嫌気性の度合いが増して増殖しやすくなる。
(1)実施例1:寒天1(還元糖少(分子量28万)、pH5.5、分子量分布狭い)
乾燥されたオゴノリ(チリ産)1kgを90℃の5%NaOH溶液20kgに2時間浸漬した。NaOH溶液を除去し、水にて充分洗浄しアルカリを除去した。このオゴノリを水20kgに入れ、さらにそこに緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを6gと酢酸溶液を添加してpHを6.3に調整した後、97℃にて2時間の抽出を行った。この溶液をろ過し、pHを5.5に調製したろ液を冷却してゲル化を行った。得られたゲル化物(寒天濃度は0.8%)に対し同質量の水を添加し、18時間放置することで水漬け処理した。その後、ゲル化物を取り出し、圧搾脱水を行った後、90℃にて乾燥し、粉砕して寒天(寒天1)を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.74であった。
抽出後にろ液のpHを7.2に調製したこと以外は、寒天1と同様にして寒天2を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.22であった。
乾燥されたオゴノリ(チリ産)1kgを90℃の5%NaOH溶液20kgに1時間浸漬した。NaOH溶液を除去し、水にて充分洗浄しアルカリを除去した。このオゴノリを水20kgに入れ、さらにそこに緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを6gと酢酸溶液を添加してpHを6.0に調整した後、97℃にて2時間の抽出を行った。この溶液をろ過し、pHを5.5に調製したろ液を冷却してゲル化を行った。得られたゲル化物(寒天濃度は0.8%)に対し同質量の水を添加し、18時間放置することで水漬け処理した。その後、ゲル化物を取り出し、圧搾脱水を行った後、90℃にて乾燥し、粉砕して寒天(寒天3)を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.65であった。
抽出後にろ液のpHを7.2に調製したこと以外は、寒天3と同様にして寒天4を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.15であった。
乾燥されたオゴノリ(チリ産)1kgを90℃の5%NaOH溶液20kgに1時間浸漬した。NaOH溶液を除去し、水にて充分洗浄しアルカリを除去した。このオゴノリを水20kgに入れ、さらにそこに緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを6gと酢酸溶液を添加してpHを4.3に調整した後、97℃にて2時間の抽出を行った。この溶液をろ過し、pHを5.5に調製した後、80%エタノール中に入れゲル化を行った。得られたゲル化物に対し水500gを添加し、18時間放置することで水漬け処理した。その後、沈殿物を取り出し、圧搾脱水を行った後、90℃にて乾燥し、粉砕して寒天(寒天5)を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.61であった。
抽出後にろ液のpHを7.2に調製したこと以外は、寒天5と同様にして寒天6を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは6.90であった。
乾燥されたオゴノリ(チリ産)1kgを90℃の5%NaOH溶液20kgに3時間浸漬した。NaOH溶液を除去し、水にて充分洗浄しアルカリを除去した。このオゴノリを水20kgに入れ、さらにそこに緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを6gと酢酸溶液を添加してpHを7.0に調整した後、97℃にて2時間の抽出を行った。この溶液をろ過し、pHを5.5に調製したろ液を冷却してゲル化を行った。得られたゲル化物(寒天濃度は0.8%)に対し同質量の水を添加し、18時間放置することで水漬け処理した。その後、ゲル化物を取り出し、圧搾脱水を行った後、90℃にて乾燥し、粉砕して寒天(寒天7)を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.64であった。
抽出後にろ液のpHを7.2に調製したこと以外は、寒天7と同様にして寒天8を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.05であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、ゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天7と同様にして寒天9を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.60であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、抽出後にろ液のpHを7.2に調製し、かつゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天7と同様にして寒天10を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.00であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、ゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天1と同様にして寒天11を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.65であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、抽出後にろ液のpHを7.2に調製し、かつゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天1と同様にして寒天12を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.10であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、ゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天3と同様にして寒天13を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.60であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、抽出後にろ液のpHを7.2に調製し、かつゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天3と同様にして寒天14を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは7.10であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、ゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天5と同様にして寒天15を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.57であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、抽出後にろ液のpHを7.2に調製し、かつゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天5と同様にして寒天16を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは6.85であった。
乾燥されたオゴノリ(チリ産)1kgを90℃の5%NaOH溶液20kgに1時間浸漬した。NaOH溶液を除去し、水にて充分洗浄しアルカリを除去した。このオゴノリを水20kgに入れ、さらにそこに緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを6gと酢酸溶液を添加してpHを4.0に調整した後、97℃にて2時間の抽出を行った。この溶液をろ過し、pHを5.5に調製した後、80%エタノール中に入れゲル化を行った。得られたゲル化物に対し水500gを添加し、18時間放置することで水漬け処理した。その後、沈殿物を取り出し、圧搾脱水を行った後、90℃にて乾燥し、粉砕して寒天(寒天17)を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.56であった。
抽出後にろ液のpHを7.2に調製したこと以外は、寒天17と同様にして寒天18を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは6.85であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、ゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天17と同様にして寒天19を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは5.52であった。
緩衝剤を加えず抽出を行い、抽出後にろ液のpHを7.2に調製し、かつゲル化物に対して水漬け処理を行わなかったこと以外は、寒天17と同様にして寒天20を得た。この寒天の1.5%重量%溶液の80℃におけるpHは6.80であった。
(a)重量平均分子量(Mw);
HPLCによるGPC法に従って測定した。具体的には、寒天0.3gを200mLの蒸留水に溶解(97℃,3分)し、カラム(TOSOH TSK−GEL for HPLC, TSK−GEL GMPWXL)を使用して測定した。
(b)還元糖量(%);
寒天0.01gを水100gに分散させ、110℃で5分間加温し、寒天を溶解させた溶解液についてPark−Johnson法により還元糖量を測定した。なお、検量線はガラクトースを使用して作製した。
(c)pH;
寒天1.5gをイオン交換水100gに分散させ、110℃で5分間加温溶解した。この溶解液(最終寒天濃度1.5重量%になるようにイオン交換水で補正)についての80℃にてpHを測定した。
(d)分子量分布(Mw/Mn);
重量平均分子量/数平均分子量により求めた。(1に近いほど分子量分布が狭い)なお、MnもMwと同様にHPLC法により求めた。
(e)水漬け時の溶出率(%);
得られたゲル化物に対し同質量の水(水漬けの水)を添加した際の水100gを、ゲル化物に浸漬した後に取り出し、蒸発乾固しゲル化物から溶出した固形分を測定した。またこれとは別に、得られた水漬け前のゲル化物100gを100℃にて乾燥し水分を除去することによりゲル中の寒天量を測定した。下記式により溶出率を求めた。
水漬け時の溶出率(%)=(蒸発乾固した固形分重量/水漬け前のゲル100g中の寒天量)×100
使用した乳酸菌は、JAPAN COLLECTION OF MICROORGANISM (JCM)及びBIOLOGICAL RESOURCE CENTER, NITE (NBRC)から入手した。
(1)ヨーグルトの調製1
上記で作製した寒天(寒天1〜20)0.5gを95℃の沸騰水21.8gで5分間溶解した後、グラニュー糖10g、牛乳65g及び脱脂粉乳2.7gを加えてさらに1分間沸騰加熱溶解し、45℃に冷却した後にLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus JCM 1002株を140000000cfu添加して混合し、37℃で12時間及び24時間静置した(実施例1−1〜6−1、比較例1−1〜14−1)。また、寒天無添加の系(比較例15−1)では、95℃の沸騰水22.3gにグラニュー糖10g、牛乳65g及び脱脂粉乳2.7gを加えてさらに1分間沸騰加熱溶解し、45℃に冷却した後にLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus JCM 1002株を140000000cfu添加して混合し、37℃で12時間及び24時間静置した。
スターターとしてStreptococcus thermophilus JCM17834株を140000000cfu添加して混合した以外は、上記の「(1)ヨーグルトの調製1」と同様にしてヨーグルトを調製した後、菌数を測定した。その結果を表3に示す。
スターターとしてBifodobacterium longum subsp. longum JCM1217株を15000000cfu添加して混合した以外は、上記「(1)ヨーグルトの調製1」と同様にしてヨーグルトを調製した。培養後のヨーグルトをリン酸緩衝液(pH 7.2)に懸濁・希釈し、無菌シャーレ上に調整したTOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業、東京)に播種して嫌気性下で37℃で72時間静置後、形成されたコロニー数を計測して菌数を測定した。その結果を表4に示す。
上記「(3)ヨーグルトの調製3」で調製し、24時間培養したヨーグルトを4℃で3日間及び7日間静置した。静置後のヨーグルトをリン酸緩衝液(pH 7.2)に懸濁・希釈し、無菌シャーレ上に調整したTOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業、東京)に播種して嫌気性下で37℃、72時間静置後、形成されたコロニー数を計測して菌数を測定した。その結果を表5に示す。
上記「(3)ヨーグルトの調製3」で調製したヨーグルトに、等量の局方崩壊試験第2液を加え、37℃で6時間、12時間及び24時間静置した。静置後のヨーグルトをリン酸緩衝液(pH 7.2)に懸濁・希釈し、無菌シャーレ上に調整したTOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業、東京)に播種して嫌気性下で37℃、72時間静置後、形成されたコロニー数を計測して菌数を測定した。その結果を表6に示す。
寒天1〜6(それぞれ実施例1〜6)、及び寒天7,11,17(それぞれ比較例1,5,11)を使用して、上記の「ヨーグルトの調整1」、「ヨーグルトの調整2」、「ヨーグルトの調整3」にて作製したヨーグルト(24時間培養)で耐酸性試験を行った。試験方法は、作製したヨーグルト200gを5mm角に均一にカットし、日局第1液(人工胃液、pH1.2)250gにカットしたヨーグルトを投入し、溶出試験機(日局、パドル法、50rpm、37℃)にて撹拌を行った。撹拌時間0分、30分、60分、90分、120分でサンプリングを行い、菌数を測定した。結果を表7〜9に示した。
寒天1〜6(それぞれ実施例1〜6)、及び寒天7,11,17(それぞれ比較例1,5,11)を使用して、次に示した乳酸菌を使用した以外は上記「2.ヨーグルトの調製及び乳酸菌増殖効果の確認」と同様にしてヨーグルトを作製し、上記「5.人工胃液処理試験」と同様に人工胃液での試験と、人工腸液での試験を行った。結果を10〜16に示した。
・追加乳酸菌1:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus NBRC 13953
・追加乳酸菌2:Lactobacillus casei NBRC 15883
・追加乳酸菌3:Lactobacillus acidophilus NBRC 13951
・追加乳酸菌4:Lactobacillus lactis subsp.lactis NBRC 100933
・追加乳酸菌5:Streptococcus thermophilus NBRC 13957
・追加乳酸菌6:Bifidobacterium bifidum NBRC 100015
上記の「5.人工胃液処理試験」において人工胃液で120分処理したヨーグルトについて、生菌数が1.0×102個になるようにヨーグルトをサンプリングし、5重量%の脱脂粉乳を含む日局第2液(人工腸液、pH6.8)500mLに添加し、37℃で12時間放置し培養を行った。この培養液について生菌数を測定した。その結果を表16〜18に示した。
Claims (5)
- 重量平均分子量が10000〜300000であり、かつ還元糖量が0.12〜2.0に調整された寒天を含有することを特徴とする乳酸菌増殖促進剤。
- 前記寒天の分子量分布(Mw/Mn)が15以下であることを特徴とする請求項1記載の乳酸菌増殖促進剤。
- 前記寒天の1.5重量%溶液のpHが4.0〜5.8であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳酸菌増殖促進剤。
- 乳酸菌の胃液条件下における耐酸性を向上させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳酸菌増殖促進剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の乳酸菌増殖促進剤と乳酸菌とを含有するヨーグルトであって、前記寒天の含有量が0.05〜2.0重量%であることを特徴とするヨーグルト。
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