JP2014093545A - 水晶発振器 - Google Patents

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Mitsuaki Koyama
光明 小山
Takeshi Muto
猛 武藤
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Abstract

【課題】発振周波数の可変領域を大きくすることができる水晶発振器を提供すること。
【解決手段】水晶片1の両面に夫々形成された一対の電極を各々含む第1の振動領域41と第2の振動領域42とを互いに並列接続してなる水晶振動部を設け、この水晶振動部に発振回路61を接続する。また、前記水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63を接続する。水晶振動部の電極の面積は各振動領域の電極の面積の合計となるため、電極面積に比例して直列容量が増大する。一方、並列容量キャンセル用のインダクタ63により、発振回路61の出力となる発振周波数fにおいて、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量の合計値に相当するインピーダンスがキャンセルされるため、結果として発振周波数の変化量が大きくなる。
【選択図】図6

Description

本発明は、発振周波数の可変領域を大きくすることができる水晶発振器に関する。
水晶振動子を利用した広可変型水晶発振器は、例えば電圧可変型水晶発振器として、光通信系の産業分野等において利用されている。また、センサ用としても実用化の研究がなされている。前記水晶振動子は、例えば水晶片の表面に当該水晶片を発振させるための電極を備えてなり、このような水晶振動子はパッケージ(保持器)内に収納されて使用される。
この水晶発振器の基本的な公式は、次の(1)式及び(2)式に示すように、JISC6701に定義されている。(1)式は、例えば可変容量により負荷容量をL1→L2に変化させたときの周波数変化(dfL1、L2)を求めるものである。
dfL1,L2
=F・C・(CL2−CL1)/{2・(C+CL1)・(C+CL2)}
・・・(1)
L2=CL1・(1±dC/CL1) ・・・(2)
は直列発振周波数、Cは直列容量、Cは並列容量、CL1は能動側の負荷容量である。
また、直列容量Cと並列容量Cの概念式を、以下の式(3)と式(4)に示す。
=k・S・F・・・(3)
=k・S・F+dC・・・(4)
Sは電極面積、dCは浮遊容量、k及びkは水晶片の切断方位、水晶片の面積、水晶片の誘電率等で決定される定数である。浮遊容量dCは、保持器自体や、当該保持器への水晶振動子の取り付け条件で決定される容量成分である。
従って、発振器の発振周波数の可変領域を大きく、つまり周波数変化を広可変にするためには、上述の(1)式の分子側を大きくするか、分母側を小さくすればよい。このため、直列発振周波数Fを高く、直列容量Cを大きくして(1)式の分子側を大きくすること、又は、並列容量Cを小さく、負荷容量CL1を小さくして、(1)式の分母側を小さくすること等の対策が考えられる。
しかしながら、前記直列容量Cの大きさは、(3)式に示すように、水晶振動子に設けられた電極の面積と正比例の関係にある。従って、直列容量Cを大きくするためには電極面積を増大させればよいが、電極を大きくし過ぎるとエネルギー閉じ込め効果が小さくなり、副振動が発生してしまう。また、(4)式に示すように、並列容量Cの大きさも電極面積と正比例の関係があり、電極を大きくすることにより並列容量Cも増大する。このため、発振周波数の可変領域を大きくするために、電極を大きくする手法は得策ではない。
さらに、能動側に着目すれば、負荷容量CL1を小さくし過ぎると、能動側の実行Q値が低下して、発振周波数の安定度が悪化し、また、不発振になる現象が生じる。このようなことから、直列容量Cと並列容量C、負荷容量CL1を調整して周波数の変化量を大きくするには限界がある。
特許文献1には、複数の励振電極対を並列接続した圧電振動子が記載され、特許文献2には、水晶片の励振電極部分を、厚みすべり振動方向と直交する方向に左右対称になるように互いに間隔をおいて分割される構成が記載されている。また、特許文献3には、複数個の圧電トランスが入力側で互いに並列に接続されると共に出力側で共通の負荷に接続され、圧電トランスの発振周波数の差が300Hz以下に設定される構成が記載されている。
特許文献1及び特許文献2の構成は、いずれも基本波を抑制するオーバートーンモードで発振させるものであり、特許文献1〜3には発振周波数の可変領域を大きくするという技術的思想については記載されていない。従って、特許文献1〜特許文献3によっても本発明の課題を解決することは困難である。
特開平3−139913号公報 特開2011−188373号公報 特開2002−291253号公報
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、発振周波数の可変領域を大きくすることができる水晶発振器を提供することにある。
このため、本発明の水晶発振器は、
水晶片の両面に夫々形成された一対の電極を各々含む複数の振動領域を互いに並列接続してなる水晶振動部と、
前記水晶振動部に接続された発振回路と、
前記水晶振動部に並列に接続され、発振回路の出力となる発振周波数fにおいて、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量の合計値に相当するインピーダンスをキャンセルするための並列容量キャンセル用のインダクタと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、水晶片の両面に夫々形成された一対の電極を各々含む複数の振動領域を互いに並列接続してなる水晶振動部を設けている。このため複数の振動領域が一つの振動領域として作用し、水晶振動部の電極の面積は、各振動領域の電極の面積の合計となる。直列容量と電極面積との間には正比例の関係があるため、振動領域を並列接続することにより水晶発振器の直列容量は増大する。
また、複数の振動領域を互いに並列接続することにより、水晶振動部の並列容量は各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量の合計となるが、並列容量キャンセル用のインダクタを水晶振動部に並列に接続しているので、前記並列容量がキャンセルされる。前記並列容量キャンセル用のインダクタは、発振回路の出力となる発振周波数fにおいて、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量の合計値に相当するインピーダンスをキャンセルするインピーダンスを有するからである。
発振周波数の変化量は、直列容量の増大により大きくなり、並列容量の増大により小さくなるが、本発明の水晶発振器によれば、振動領域の増加に伴い直列容量が増大する一方、並列容量はキャンセルされるため、結果として発振周波数の変化量が大きくなる。
本発明の水晶電子構成部品の一例を示す縦断面図である。 水晶電子構成部品を示す縦断面図である。 水晶振動子の一例を示す平面図である。 水晶振動子の一例を示す平面図である。 水晶発振器の構成図である。 水晶発振器の回路図である。 水晶発振器の一部の等価回路図である。 コルピッツ発振回路を示す回路図である。 本発明の水晶電子構成部品の他の例を示す縦断面図である。 水晶電子構成部品の縦断面図である。 水晶振動子の一例を示す平面図である。 水晶振動子の一例を示す平面図である。 水晶電子構成部品の縦断面図である。 水晶電子構成部品の底面図である。 水晶発振器の回路図である。 本発明の水晶電子構成部品のさらに他の例を示す縦断面図である。 水晶電子構成部品の底面図である。 水晶振動子の一例を示す概略斜視図である。 水晶発振器の回路図である。 本発明の水晶電子構成部品のさらに他の例を示す縦断面図である。 本発明の水晶電子構成部品のさらに他の例を示す縦断面図である。 本発明の水晶電子構成部品のさらに他の例を示す回路部である。
(第1の実施の形態)
本発明の水晶発振器の実施の形態について説明する。図1及び図2は、水晶振動子を保持器内に搭載した電子構成部品の一例、図3及び図4は水晶振動子の一例を夫々示す。図1は図3のA−A´線に沿って切断した断面図、図2は図3のB−B´線に沿って切断した断面図である。
図1〜図4中1は、例えばATカットの短冊状(矩形状)の水晶片である。以降、水晶片1の長辺の方向を前後方向(X軸方向)、短辺の方向を左右方向(Y´軸方向)として説明を進める。
前記水晶片1の一面側及び他面側には夫々励振電極2、3が設けられている。図3に示すように、一面側の励振電極2は、水平方向に互いに離間して配置された2枚の電極21、22を備えている。これら電極21、22は例えば矩形状に構成され、前記前後方向(X軸方向)に並ぶように設けられている。これら電極21、22は例えば互いに同じ形状に形成され、エネルギー閉じ込め効果を確保する大きさに設定されている。
図4に示すように、水晶片1の他面側には、一面側の電極21、22に夫々対向する位置(投影領域)に、例えば電極21、22と同じ形状の電極31、32が形成されている。水晶片1と電極21と電極31とにより第1の振動領域41が形成され、水晶片1と電極22と電極32とにより第2の振動領域42が形成される。ここで、第1の振動領域41と第2の振動領域42の発振周波数差は10ppm以上1000ppm以下に設定される。発振周波数差とは、第1の振動領域41の発振周波数をf1、第2の振動領域の発振周波数をf2としたときに、(f2−f1)/f1により求められる値である。発振周波数差を10ppm以上とするのは弾性結合を回避するためであり、1000ppm以下とするのは、互いの発振周波数が大きく異なると、動作中に周波数ジャンプが起こるからである。
前記電極21、22は引出電極23を介して互いに接続されており、この引出電極23の一端側は水晶片1の他面側に回り込み、接続部23aとして形成されている。一方、電極31、32は引出電極33を介して互いに接続され、水晶片1の他面側では、接続部23aと引出電極33とが、接続部23aが紙面奥側になるように左右方向に並んで設けられている。これら励振電極2、3及び引出電極23、33は、例えばクロム(Cr)層を下地とし、その上に金(Au)層を積層したものにより構成される。こうして、前記引出電極23により前記第1の振動領域41及び第2の振動領域42の一面側の電極21、22同士が並列接続される。また、前記引出電極33により前記第1の振動領域41及び第2の振動領域42の他面側の電極31、32同士が並列接続される。これにより第1の振動領域41と第2の振動領域42を互いに並列接続してなる水晶振動部が構成される。
この例では、前記水晶片1の長辺、短辺の寸法が夫々例えば7mm及び5mmであり、前記電極21、22、31、32の寸法は夫々例えば1.05mm×1.46mm、膜厚は例えば4000オングストローム、電極間距離D2は例えば1.0±0.01mmに設定されている。
前記水晶片1に励振電極2,3が形成されたものを水晶振動子10とすると、当該水晶振動子10は保持器51内に搭載されている。この保持器51は、基板52と蓋体53とにより構成され、前記基板52は、水晶振動子10を支持する台座部54と、水晶振動子10の側周を囲む側周部55とを備えている。これら基板52の側周部55と蓋体53の周縁部とが対応するように接合される。
前記水晶振動子10は前記電極21(31)及び電極22(32)が前後方向に並ぶように、前後方向の一方側が台座部54に固定されている。前記台座部54における水晶振動子10の一端側が取り付けられる領域には、前記引出電極23の接続部23a及び引出電極33と対応する領域に、基板52を上下方向に貫通する導電路571、572が夫々形成されている。
前記水晶振動子10は、引出電極23a、33が夫々導電路571、572と接触するように、夫々導電性接着剤56にて基板52に固定されている。一方、基板52の底面には導電路571、572と夫々接触するように外部電極581、582が形成されている。図3及び図4中583はダミー電極である。
図5は、水晶電子構成部品62が配線基板64上に搭載された水晶発振器6を示している。このように、本発明の水晶発振器6は、水晶振動子10が設けられた水晶電子構成部品62と、発振回路61と、並列容量キャンセル用のインダクタ63と、を備えている。これらは例えば配線基板64上に取り付けられて、互いに電気的に接続されている。水晶電子構成部品62及びインダクタ63は例えばハンダ65により配線基板64に固定され、発振回路61と配線されている。
図6は本発明の水晶発振器6の回路図、図7は水晶振動子の等価回路図である。この図に示すように、水晶発振器6は、電極21と電極22とが引出電極23により並列接続されて、外部電極581を介して配線66により発振回路61の一端側(例えば入力側)に電気的に接続される。また、電極31と電極32とが引出電極33により並列接続されて、外部電極582を介して配線67により発振回路61の他端側(例えば出力側)に電気的に接続されている。
発振回路61は例えば厚みすべり振動の基本波が励振されるように構成され、例えば図8に示すようにコルピッツ発振回路が用いられる。図8中、VDは可変容量コンデンサ、Lはインダクタ、C1〜C4はコンデンサ、Trはトランジスタ、R1、R2は抵抗素子、100はバッファアンプである。トランジスタTrを含む、鎖線で囲んでいる部分はIC200として構成されている。図8に示すコルピッツ発振回路は一般的なものであることから詳細な説明は省略する。なお図8の回路は略解的に記載してある。
前記並列容量キャンセル用のインダクタ63は、振動領域41、42を並列接続してなる水晶振動部と並列に接続されている。このインダクタ63は、発振回路61の出力となる発振周波数fにおいて、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量Cの合計値C´(F)(振動領域41と振動領域42とを並列接続したときの容量)に相当するインピーダンスをキャンセルするためのものである。
このようなインピーダンスのキャンセルは、振動領域41、42の各並列容量の並列回路に対してインダクタ63を接続したときに、発振周波数fにおいて並列共振を起こすように、即ち次式が成立するようにインダクタ63のインダクタンス(値)Lを決めることにより達成できる。
=1/2π(LC´)0.5
この式が成り立つ条件は、発振周波数fにおいて、並列容量の並列回路の合計容量分のインピーダンスとインダクタ63のインピーダンスとが一致することであることから、1/(2πf・C´)=2πf・Lが成り立つことである。しかしながら、実際にはこのような等号関係が成り立つように製造することは至難であり、部品のパラメータ値に誤差が生じることが避けられない。また、上記のインピーダンスのキャンセルがある程度達成できれば、周波数の設定範囲を広くするという効果が得られる。このため、本発明者は、以下の式が成り立つように、インダクタのインダクタンスL(H)を設定することが好ましいと捉えている。
0.8/(2πf・C´)≦2πf・L≦1.2/(2πf・C´)
このようにして構成された水晶電子構成部品62の発振動作は、電源をONにして発振回路61を動作させることで起こり、水晶振動子10では厚み滑り振動の基本波が励振される。
このような実施の形態では、第1の振動領域41と第2の振動領域42を並列に接続しているので、これら振動領域41、42が一つの振動領域として作用する。これにより、電極の面積は、振動領域41の電極21(31)と振動領域42の電極22(32)との合計になるので、背景技術の項にて示した(3)式により、直列容量Cが約2倍に大きくなる。このことは、水晶振動部の直列容量Cは、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における直列容量Cの合計となることからも理解される。
また、第1及び第2の振動領域41,42を並列接続することにより、水晶振動部の並列容量は各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量Cの合計値C´となるが、並列容量キャンセル用のインダクタ63を水晶振動部に並列に接続しているので、既述のように、このインダクタ63により前記並列容量の合計値C´に相当するインピーダンスがキャンセルされる。これにより、回路では並列容量が見えない状態となる。
このように、本発明の水晶発振器6では、直列容量Cが大きくなるため、発振周波数の変化量を示す(1)式にて、分子側が大きくなり、並列容量C´がキャンセルされるため、前記(1)式に示す分母側が小さくなる。このため、発振周波数の可変領域を大きくすることができる。
また、振動領域41及び振動領域42の電極21(31)、22(32)は、夫々エネルギー閉じ込め効果を確保できる大きさに形成されている。さらに、電極21、22(31、32)同士の離間距離D1は弾性結合を抑制し、かつエネルギー閉じ込め効果を確保する大きさに設定されている。従って、エネルギー閉じ込め効果が十分確保されるので、副振動の発生が抑えられる。さらに、振動領域41及び振動領域42を並列接続すると、図7に示すように、直列抵抗R1は約1/2倍となるので、発振が容易になる。
さらにまた、共通の水晶片1に振動領域41と振動領域42とを形成しているので、浮遊容量dCを最小に留めることができる。つまり、浮遊容量の発生要因は、保持器の浮遊容量、保持器間の浮遊容量、水晶振動子の基板への取り付け状態であると考えられている。従って、上述の実施の形態のように、共通の保持器51内において、共通の水晶片1に2つの振動領域41、42を形成する構成では、保持器の浮遊容量、水晶振動子の基板への取り付け状態により決定される浮遊容量は最小になり、保持器間の浮遊容量は発生しないからである。
(第1の実施の形態の変形例)
この例は、第1の振動領域41及び第2の振動領域42の励振電極2、3を水晶片1の外で並列に接続するものである。この場合、2つの振動領域41、42毎に一対の引出電極(一面側の電極21、22の引出電極23b、23cと、他面側の電極31、32の引出電極33b、33c)を形成する。そして、第1の振動領域41の一方の引出電極23bと、第2の振動領域42の一方の引出電極23cと、を台座部54の共通の導電路23dに接続する。また、第1の振動領域41の他方の引出電極33bと、第2の振動領域42の他方の引出電極33cとを、例えば台座部54に設けられた、前記共通の導電路23dとは別の共通の導電路33dに接続する。そして、これらの共通導電路23d、33dの一方が発振回路61の一端側、他方が発振回路61の他端側に夫々接続される。なお、引出電極23b、23c、33b、33c、共通導電路23d、33dについては図示を省略する。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の水晶発振器の他の実施の形態について、図9〜図15を参照して説明する。図9及び図10は、水晶振動子10A、10Bを保持器71内に搭載した水晶電子構成部品62Aの一例、図11及び図12は水晶振動子10A、10Bの一例を夫々示す。図9は図11のA−A´線に沿って切断した断面図、図10は図11のB−B´線に沿って切断した断面図である。
この例では、第1の振動領域41Aが形成された水晶片1Aと、第2の振動領域42Aが形成された水晶片1Bとは互いに異なる水晶片により夫々構成されている。そして、前記水晶片1Aと水晶片1Bとは、共通の保持器71内に互いに水平方向に離間して設けられている。水晶片1A、1Bは、例えばATカットの矩形状の水晶片であり、前後方向(X軸方向)に並ぶように保持器71内に設けられている。72は保持器71の基板、73は保持器71の蓋体である。
前記水晶片1A、1Bの一面側及び他面側には夫々励振電極21A、22A、励振電極31A、32Aが設けられている。これらは例えば同じ形状に形成され、エネルギー閉じ込め効果を確保する大きさに設定されている。
こうして、水晶片1Aと励振電極21A、31Aとにより、第1の振動領域41Aを備えた水晶振動子10Aが形成され、水晶片1Bと励振電極21B、31Bとにより、第2の振動領域41Bを備えた水晶振動子10Bが形成される。第1の振動領域41Aと第2の振動領域42Aの発振周波数差は10ppm以上1000ppm以下に設定される。
前記励振電極21A、22Aには夫々引出電極231、232が設けられており、これら引出電極231、232の一端側は水晶片1A、1Bの他面側に夫々回り込み、接続部233、234として形成されている。また、励振電極31A、32Aには夫々引出電極331、332が接続されている。図12は図9のC−C´線に沿って切断した断面図である。
この例では、前記水晶片1A、1Bの長辺、短辺の寸法が夫々例えば5mm及び4.5mmであり、前記励振電極21A、22A(31A、32A)の寸法は夫々例えば1.05mm×1.46mm、膜厚は例えば4000オングストローム、電極間距離D2は例えば1.0mmに夫々設定されている。
このような水晶振動子10A、10Bは、例えば基板72の前後方向に夫々に設けられた台座部74a、75aに導電性接着剤56により固定されている。前記引出電極231の接続部233及び引出電極331は、台座部74aに形成された導電路751、752を介して、基板72の底面70の外部電極761、762に夫々接続されている。また、前記引出電極232の接続部234及び引出電極332は、台座部74bに形成された導電路753、754を介して、基板72の底面70の外部電極763、764に夫々接続されている。また、基板72の底面70には、外部電極761及び外部電極763を互いに電気的に接続する導電路77が形成されると共に、外部電極762及び外部電極764を互いに電気的に接続する導電路78が形成されている。こうして、水晶片1Aの一面側の電極21Aと水晶片1Bの一面側の電極21Bとは、導電路77を介して並列接続され、また、水晶片1Aの他面側の電極31Aと水晶片1Bの他面側の電極31Bとは、導電路78を介して並列接続される。
図15に示すように、前記導電路77は配線66を介して発振回路61の一端側(例えば入力側)に接続され、導電路78は配線67を介して発振回路61の他端側(例えば出力側)に接続される。さらに、第1の振動領域41Aと第2の振動領域42Aとにより構成される水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63が接続されている。このインダクタ63については、第1の実施の形態と同様である。
このような実施の形態では、異なる水晶片1A、1Bに夫々振動領域41A、42Aを設け、これら振動領域41A、42Aを互いに並列に接続して水晶振動部を構成すると共に、この水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63を接続している。これにより、上述の第1の実施の形態と同様に、直列容量が増大し、並列容量はキャンセルされるため、発振周波数の可変領域が増大する。また、振動領域41A、42Aの電極21A(31A)、22A(32A)は、夫々エネルギー閉じ込め効果を確保できる大きさに形成されているので、副振動の発生が抑えられる。さらに、異なる水晶片1A,1Bを保持器71内に取り付けているので、生産が容易になる。
(第2の実施の形態の変形例1)
続いて、本発明の水晶発振器の他の例について、図16〜図19を参照して説明する。図16は、水晶振動子10C、10Dを保持器81内に搭載した水晶電子構成部品62Bの一例を示す。この例では、第1の振動領域41Bが形成された水晶片1Cと、第2の振動領域42Bが形成された水晶片1Dとは互いに異なる水晶片により夫々構成されている。そして、前記水晶片1Cと水晶片1Dとは、共通の保持器81内に互いに水晶片の厚さ方向に離間して設けられている。水晶片1C、1Dは、例えばATカットの矩形状の水晶片であり、82は保持器81の基板、83は保持器81の蓋体である。
前記水晶片1C、1Dの一面側及び他面側には、図16及び図18に示すように、夫々励振電極21B、22B、励振電極31B、32Bが設けられている。これらは同じ形状に形成され、エネルギー閉じ込め効果を確保する大きさに設定されている。第1の振動領域41Bと第2の振動領域42Bの発振周波数差は10ppm以上1000ppm以下に設定される。
前記励振電極21B、22Bには夫々引出電極241、242が設けられており、これら引出電極241、242の一端側は水晶片1C、1Dの他面側に夫々回り込み、接続部243、244として形成されている。また、励振電極31B、32Bには夫々引出電極341、342(図18参照)が接続されている。
例えば前記水晶片1C、1Dの長辺、短辺の寸法は夫々例えば5mm及び4.5mmであり、前記励振電極21B、22B(31B、32B)の寸法は夫々例えば1.05mm×1.46mm、膜厚は例えば4000オングストロームに夫々設定される。
このような水晶振動子10C、10Dは、基板82に設けられた台座部841、842に導電性接着剤56により固定されている。台座部841、842は、例えば水晶片の厚さ方向(Y´方向)に間隔を開けて並ぶように夫々設けられている。上下方向に隣接する励振電極21Aと励振電極22A同士が静電結合するように、離間距離D3が設定される。
前記引出電極241の接続部243及び引出電極341は、台座部841の表面の導電路85と、台座部841を貫通する導電路861、861(左右方向の手前側は図示せず)を介して、基板82の底面80の外部電極871、872に夫々接続されている。また、前記引出電極242の接続部244及び引出電極342は、台座部842を貫通する導電路862、862(左右方向の手前側は図示せず)を介して、基板82の底面80の外部電極873、874に夫々接続されている。また、基板82の底面80には、外部電極871及び外部電極873を互いに電気的に接続する導電路88と、外部電極872及び外部電極874を互いに電気的に接続する導電路89が形成されている。
こうして、水晶片1Cの一面側の電極21Bと水晶片1Dの一面側の電極22Bとは、導電路85、861、外部電極871、873、導電路88からなる第1の導電路881により並列接続される。また、水晶片1Cの他面側の電極31Bと水晶片1Dの他面側の電極32Bとは、導電路862、外部電極872、874、導電路89からなる第2の導電路891により並列接続される。
図19に示すように、前記第1の導電路881は配線66を介して発振回路61の一端側(例えば入力側)に接続され、第2の導電路891は配線67を介して発振回路61の他端側(例えば出力側)に接続される。さらに、第1の振動領域41Bと第2の振動領域42Bとにより構成される水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63が接続されている。このインダクタ63については、第1の実施の形態と同様である。
このような実施の形態では、異なる水晶片1C、1Dに夫々振動領域41B、42Bを設け、これら振動領域41B、42Bを互いに並列に接続して水晶振動部を構成すると共に、この水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63を接続している。これにより、上述の第1の実施の形態と同様に、直列容量が増大し、並列容量はキャンセルされるため、発振周波数の可変領域が増大する。また、振動領域41B、42Bの電極21B(31B)、22B(32B)は、夫々エネルギー閉じ込め効果を確保できる大きさに形成されているので、副振動の発生が抑えられる。さらに、異なる水晶片1C、1Dを保持器71内に取り付けているので、生産が容易になる。さらにまた、第1の振動領域41Bと第2の振動領域42Bとを上下方向に配列したので、専有面積が小さくなり、小型化を図ることができる。
以上において、水晶電子構成部品は図20及び図21のように構成するようにしてもよい。図20に示す水晶電子構成部品62Cは、図16に示す水晶電子構成部品62Bにおいて、振動領域41Bの励振電極21Bと振動領域42Bの励振電極22Bとを、基板82の内壁面に形成された導電路91により並列接続したものである。導電路91は、例えば引出電極241の接続部243及び引出電極242の接続部244に接触するように形成されている。そして、導電路91は、台座部842を貫通する導電路862、外部電極92Aを介して発振回路61の一端側に接続される。同様に、振動領域41Bの励振電極31Bと振動領域42Bの励振電極32Bとは、基板82の内壁面に形成された導電路(図示せず)により並列接続されている。この導電路は、台座部842を貫通する導電路862(図示せず)、外部電極92Bを介して発振回路61の他端側に接続される。
また、図21に示す水晶電子構成部品62Dは、水晶片10C、10Dを、互いに導電性接着材93、94により、水晶片の厚さ方向に離間して支持したものである。下方側の水晶片10Cは、例えば保持器101の基板102に設けられた台座部104、105に取り付けられている。103は蓋体である。台座部104、105には、水晶片1Dの励振電極22Bの引出電極242の接続部244と励振電極32Bの引出電極344に対応する位置に導電路106、107が形成されている。
水晶片10Cは、水晶片10Dの上方側に、当該水晶片10Dと間隔を開けるように、導電性接着材93、94により水晶片10Dに取り付けられている。導電性接着材93は、水晶片1Cの励振電極21Bの引出電極241の接続部243と、励振電極22Bの引出電極244とに接触するように設けられている。また、導電性接着材94は、水晶片1Cの励振電極31Bの引出電極343と、励振電極32Bの引出電極344とに接触するように設けられている。
こうして、水晶片1Cの一面側の励振電極21Bと水晶片1Dの一面側の励振電極22Bとは、引出電極241、242、243、244を介して導電性接着剤93により並列接続され、導電路106、外部電極95を介して発振回路61の一端側に接続される。また、水晶片1Cの他面側の励振電極31Bと水晶片1Dの他面側の励振電極32Bとは、引出電極343、344を介して導電性接着剤94により並列接続され、導電路107、外部電極96を介して発振回路62の他端側に接続される。
(第2の実施の形態の変形例2)
この例は、図22に示すように、3個以上の水晶振動子201〜203を互いに並列に接続した例である。例えば1個の水晶振動子は、例えばATカットの水晶片210の一面側及び他面側に夫々励振電極211、212を備えて構成され、保持器204内に設けられている。励振電極211、212は例えば矩形状に形成され、エネルギー閉じ込め効果を確保する大きさに設定されている。
このような水晶振動子201〜203は配線基板に搭載され、例えば各水晶振動子201〜203の一面側の励振電極211は配線221により並列接続されて、配線66を介して発振回路61の一端側(入力側)に接続される。また、各水晶振動子201〜203の励振電極212は配線222により並列接続されて、配線67を介して発振回路61の他端側(出力側)に接続される。さらに、3個の水晶振動子201〜203により構成される水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63が接続されている。このインダクタ63については、第1の実施の形態と同様である。3個の水晶振動子の発振周波数差の最小値は10ppm、最大値は1000ppmに設定される。
この例では、前記水晶片210の長辺、短辺の寸法は夫々例えば5mm及び4.5mmであり、前記励振電極211、212の寸法は夫々例えば1.05mm×1.46mm、膜厚は例えば4000オングストロームに夫々設定されている。
このような実施の形態では、3個以上の水晶振動子を互いに並列に接続して水晶振動部を構成すると共に、この水晶振動部に並列に並列容量キャンセル用のインダクタ63を接続している。これにより、上述の第1の実施の形態と同様に、直列容量が増大し、並列容量はキャンセルされるため、発振周波数の可変領域が増大する。また、各水晶振動子201〜203の励振電極211、212は、夫々エネルギー閉じ込め効果を確保できる大きさに形成されているので、副振動の発生が抑えられる。さらに、従来の手法により生産した水晶振動子を用いることができるため、生産が容易である。
また、本発明は、ATカットの水晶振動子のみならず、回転Y板からなる厚み滑り振動である例えばBTカットや、2回回転Y板のSCカットの水晶振動子を用いることもできる。また水晶片の一面側の電極についてはエネルギー閉じ込め効果を確保する大きさの電極に分割して構成し、他面側は一面側の電極と対向する一枚の電極であってもよい。
さらに、共通の水晶片に複数の振動領域を形成する場合には、振動領域同士の間に切欠きを設けて、弾性的な結合を抑制するようにしてもよい。
また、本発明の水晶発振器は、水晶片の両面に夫々形成された一対の電極を各々含む振動領域は2つ以上であればよく、共通の水晶片に複数の振動領域を形成したものと、水晶片毎に一つに振動領域を設けたものを互いに並列接続するようにしてもよい。
以上において、本発明の水晶発振器は、例えば周波数制御型センサに適用できる。この周波数制御型水晶センサは、機械的、電磁的、化学的な各種変化をリアクタンス変化として捉えるセンサ素子と水晶振動子とを接続して発振周波数の変化としてこれらの変化を計測するセンサシステムにも適用することができる。
(実施例1−1)
第1の実施の形態の効果を検証するために、ATカットの共通の水晶片に2枚の電極(電極1、電極2)を設け、これらを並列に接続した場合の直列発振周波数Fを測定した。水晶片は、長辺が7mm、短辺が5mmの矩形状のものを用い、電極は夫々1.05mm×1.46mmの矩形状、電極間距離は1.0±0.01mmとした。
水晶振動子の等価回路定数は次のとおりである。
電極1:直列発振周波数F=80.000157MHz、直列容量C=0.0017pF、
並列容量C=3.3pF、直列抵抗R=8.5Ω
電極2:直列発振周波数F=80.000628MHz、直列容量C=0.0017pF、
並列容量C=3.3pF、直列抵抗R=8.6Ω
そして、電極1と電極2とを並列に接続したときの等価回路定数は、
直列発振周波数F=80.000393MHz、直列容量C=0.0035pF、
並列容量C=6.8pF、直列抵抗R=4.3Ωであった。
このように、電極1と電極2とを並列に接続することにより、直列発振周波数Fは、電極1と電極2のほぼ中間値、直列容量Cは約2倍、直列抵抗Rは約1/2になることが認められた。並列容量Cはほぼ2倍であり、浮遊容量dCは0.2pFと想定される。
(実施例1−2)
能動回路の負荷容量CLが5pF〜10pFまで変化する場合を想定して、このときの発振周波数差dFを背景技術の項で示した(1)式により求めた。
このときの発振周波数差dFは、電極1と電極2は夫々77ppmであるのに対して、電極1及び電極2を並列接続したときは88ppmであり、発振周波数の変化量が大きくなることが認められた。
(実施例2−1)
第2の実施の形態の効果を検証するために、ATカットの水晶片に電極3を設けた水晶振動子と、ATカットの水晶片に電極4を設けた水晶振動子とを用意し、これらを並列に接続した場合の直列発振周波数Fを測定した。水晶片は、夫々長辺が5mm、短辺が4.5mmの矩形状のもの、電極は実施例1−1と同様のものを夫々用い、これら2枚の水晶片を共通の保持器に固定して、検証を行った。
水晶振動子の等価回路定数は次のとおりである。(実施例1−1)と比較すると、並列容量Cが0.1pF増加しており、浮遊容量の影響と推察される。
電極3:直列発振周波数F=80.000029MHz、直列容量C=0.0017pF、並列容量C=3.4pF、直列抵抗R=8.2Ω
電極4:直列発振周波数F=80.000307MHz、直列容量C=0.0017pF、並列容量C=3.4pF、直列抵抗R=8.1Ω
そして、電極3と電極4とを並列に接続したときの等価回路定数は、
直列発振周波数F=80.000155MHz、直列容量C=0.0035pF、
並列容量C=7.3pF、直列抵抗R=4.2Ωであった。
このように、電極3と電極4とを並列に接続することにより、直列発振周波数Fは、電極3と電極4のほぼ中間値、直列容量Cは約2倍、直列抵抗Rは約1/2となることが認められた。並列容量Cはほぼ2倍であり、浮遊容量dCは0.3pFと想定される。
(実施例2−2)
能動回路の負荷容量CLが5pF〜10pFまで変化する場合を想定して、このときの発振周波数差dFを背景技術の項で示した(1)式により求めた。
このときの発振周波数差dFは、電極3と電極4は夫々76ppmであるのに対して、電極3及び電極4を並列接続したときは82ppmであり、発振周波数の変化量が大きくなるが、共通の水晶片に電極を形成する場合よりも変化量が小さいことが認められた。
(実施例3−1)
第2の実施の形態の変形例2の効果を検証するために、従来の水晶振動子を2個用意し、これらを並列に接続した場合の直列発振周波数Fを測定した。従来の水晶振動子とは、ATカットの水晶片に電極を設けた水晶振動子が保持器内に収納されている構成である。電極は実施例1−1と同様のものを夫々用い、一方を水晶振動子1、他方を水晶振動子2として検証を行った。
水晶振動子1、2の等価回路定数は次のとおりである。(実施例1−1)と比較すると、並列容量Cが0.2pF増加しており、浮遊容量の影響と推察される。
水晶振動子1:直列発振周波数F=80.000433MHz、
直列容量C=0.0017pF、並列容量C=3.6pF、直列抵抗R=8.8Ω
水晶振動子2:直列発振周波数F=80.000009MHz、
直列容量C=0.0017pF、並列容量C=3.6pF、直列抵抗R=8.2Ω
そして、水晶振動子1及び水晶振動子2を並列に接続したときの等価回路定数は、
直列発振周波数F=80.000206MHz、直列容量C=0.0035pF、
並列容量C=7.5pF、直列抵抗R=4.4Ωであった。
このように、2個の水晶振動子1、2を並列に接続することにより、直列発振周波数Fは、水晶振動子1、2のほぼ中間値、直列容量Cは約2倍、直列抵抗Rは約1/2となることが認められた。並列容量Cはほぼ2倍であり、浮遊容量dCは0.7pFと想定される。
(実施例3−2)
能動回路の負荷容量CLが5pF〜10pFまで変化する場合を想定して、このときの発振周波数差dFを背景技術の項で示した(1)式により求めた。
このときの発振周波数差dFは、水晶振動子1と水晶振動子2は夫々36ppmであるのに対して、水晶振動子1及び水晶振動子2を並列接続したときは40ppmであり、発振周波数の変化量が大きくなるが、共通の水晶片に電極を形成する場合よりも変化量が小さいことが認められた。
(考察)
実施例1−1、実施例2−1、実施例3−1により、いずれも電極(水晶振動子)を並列に接続することにより、発振周波数の可変領域が大きくなることが認められた。実施例1−1、実施例2−1、実施例3−1で採用した電極の面積は同一であるから、夫々の発振周波数の変化量の違いは保持器内外の浮遊容量の違いと推察される。
また、上述の検証では、並列容量Cと並列にインダクタを設けていない場合であるが、インダクタを設けることにより、既述のように並列容量Cがキャンセルされるので、発振周波数の変化量はさらに大きくなることが理解される。
1 水晶片
10 水晶振動子
2、3 励振電極
21、22、31、32 電極
41 第1の振動領域
42 第2の振動領域
61 発振回路
62 水晶電子部品
63 インダクタ

Claims (6)

  1. 水晶片の両面に夫々形成された一対の電極を各々含む複数の振動領域を互いに並列接続してなる水晶振動部と、
    前記水晶振動部に接続された発振回路と、
    前記水晶振動部に並列に接続され、発振回路の出力となる発振周波数fにおいて、各振動領域毎の水晶振動子の等価回路における並列容量の合計値に相当するインピーダンスをキャンセルするための並列容量キャンセル用のインダクタと、を備えたことを特徴とする水晶発振器。
  2. 前記複数の振動領域の発振周波数差の最小値は10ppmであり、最大値は1000ppmであることを特徴とする請求項1記載の水晶発振器。
  3. 前記並列容量の合計値をC´(F)とすると、前記並列容量キャンセル用のインダクタのインダクタンスL(H)は、0.8/(2πf・C´)≦2πf・L≦1.2/(2πf・C´)が成立するように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の水晶発振器。
  4. 前記複数の振動領域は共通の水晶片に形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の水晶発振器。
  5. 前記複数の振動領域は互いに異なる複数の水晶片に夫々形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の水晶発振器。
  6. 前記複数の水晶片は、共通の保持器内に、水晶片の厚さ方向に互いに離間して設けられていることを特徴とする請求項5記載の水晶発振器。
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