JP2014093306A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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宏雅 吉森
Toshiaki Iwamatsu
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

【課題】高耐圧MOSFETの耐圧を向上させることで、半導体装置の信頼性の向上を実現する。
【解決手段】半導体基板SBの主面に、上端の角部を丸めた複数の溝D3を、素子分離領域よりも浅い深さで形成し、続いて複数の溝D3が形成された半導体基板SBの主面に対して垂直な方向から、異なるエネルギー条件のイオン注入を複数回行った後に熱処理を行うことで、濃度分布が均一なチャネル領域を形成する。その後、複数の溝D3の直上を跨ぐゲート電極を形成することで、溝D3を埋め込む。
【選択図】図15

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特に、電界効果トランジスタを有する半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
半導体装置を構成する電界効果トランジスタの中には、3Vまたは5Vなどの、高い電源電圧で駆動する高耐圧トランジスタが存在する。このような高耐圧トランジスタには、例えばLSI(Large Scale Integration)チップ内において、電源電流などの入力および出力(I/O)に用いられるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)がある。
非特許文献1には、パワーIC(Integrated Circuit)に組み込むnチャネル型LDMOSFET(Laterally Diffused MOSFET)として、折り畳みゲート構造を導入することによって、低オン抵抗と高トランスコンダクタンスを得ることが記載されている。また、このようなMOSFETを形成する方法が、特許文献1(特開2011−187530号公報)、特許文献2(特開2012−18973号公報)および特許文献3(特開2008−53468号公報)に記載されている。
特開2011−187530号公報 特開2012−18973号公報 特開2008−53468号公報
IEEE Transaction Electron Devices, Vol.48, pp.2917.
I/Oに用いられる高耐圧トランジスタは、その動作電圧が外部の要因により決まるため、スケーリング則に従って動作電圧を小さくすることができない。上記特許文献1〜3のように、ゲート電極の下地である半導体基板に溝を形成し、当該溝が形成された領域をチャネル領域とする場合、基板内の一部の領域に電界が集中しやすくなるため、チャネル領域内の電界を緩和し、インパクトイオンの発生を抑える必要がある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である半導体装置は、半導体基板の主面に形成した複数の溝の内側を埋め込み、当該複数の溝を跨ぐゲート電極を有するMOSFETを形成する際に、複数の溝が形成された半導体基板の主面に対して垂直な方向から、異なるエネルギー条件のイオン注入を複数回行った後に熱処理を行うことで、濃度分布が均一なチャネル領域を形成するものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である半導体装置の製造方法を示す平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図3に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図4に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図5に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図6に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図8に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図9に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図10に続く半導体装置の製造方法を示す平面図である。 図11のA−A線における断面図である。 図11に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図13に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図14を用いて説明した工程を具体的に説明する断面図である。 図15に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図14に続く半導体装置の製造方法を示す平面図である。 図17のB−B線における断面図を含む、半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図17のC−C線における断面図である。 図17のA−A線における断面図である。 図17に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図21に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図22に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図23に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図24に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図25に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図26に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図27に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図28に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図29に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図30に続く半導体装置の製造方法を示す平面図である。 図31のB−B線における断面図を含む、半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図31のC−C線における断面図である。 図31に続く半導体装置の製造方法を示す断面図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板上に形成するMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)のチャネル領域に複数の溝を設け、波状の表面を有する半導体基板上にゲート電極を形成することで、チャネル領域の幅を縮小させた素子において、半導体基板中に電界が集中することを防ぎ、半導体装置の信頼性を向上させるものである。
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法を、図1〜図34を用いて説明する。図1〜図34は、本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す図である。図1は、製造工程中の本実施の形態の半導体装置の断面図であり、図2は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。
図3は、図2のA−A線における断面図であり、図4〜図10、図12および図20は、図3と同じ位置における断面図である。図11、図17および図31は図2と同じ位置の平面図であり、図12および図20は、それぞれ図11および図17のA−A線における断面図である。また、図13、図14、図18、図21〜図30、図32および図34はいずれも同じ位置における断面図である。また、図15、図16、図19および図33は同じ位置における断面図であり、図19および図33は、それぞれ図17および図31のC―C線における断面図である。
図1〜12を用いて説明する工程は、後述するnチャネル型高耐圧MOSFETおよびpチャネル高耐圧MOSFETのチャネル領域を含む半導体基板の表面の加工方法を説明するものである。つまり、図1〜図12を用いて説明する工程は、必ずしも、ロジック回路などにおいて比較的低い電圧で駆動するMOSFETを形成する領域に適用する必要はない。図1、図3〜図10および12は、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにおける製造工程中の半導体装置の断面図である。また、図2および図11は、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A(図13参照)における製造工程中の半導体装置の平面図である。
まず、図1に示すように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有する単結晶シリコンからなる半導体基板SBを準備する。続いて、半導体基板SBの主面上に酸化シリコン膜X1および窒化シリコン膜N1を順次形成する。酸化シリコン膜X1は、酸化シリコン膜ではなく酸化窒化シリコン膜により形成されてもよい。酸化シリコン膜X1は、例えば5〜50nm程度の厚さで、熱酸化法、ウェット酸化法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成する。ここでは、酸化シリコン膜X1の膜厚は10nmとする。窒化シリコン膜N1は、例えば50〜200nm程度の厚さで、CVD法などにより形成する。ここでは、窒化シリコン膜N1の膜厚は50mとする。
次に、図2および図3に示すように、周知のフォトリソグラフィ技術および異方性のエッチング法により、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1をパターニングすることで、半導体基板SBの上面を露出し、続けて、露出した半導体基板SBに溝(第3溝)D1を形成する。その後、フォトレジストパターンは、例えばアッシングなどにより除去される。
図2は、半導体基板SBを上方から見た場合の平面図であり、図3は、図2に示す平面図のA−A線における断面図である。図2に示すように、上記パターニング工程により、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1からなる積層膜には、半導体基板SBの主面に沿う方向である第1方向に延在する開口部を複数形成する。これらの複数の開口部は、半導体基板SBの主面に沿う方向であって、第1方向に直交する方向である第2方向に複数並んで形成される。開口部のそれぞれの直下には半導体基板SBの表面が露出している。また、複数の開口部の直下の半導体基板SBには、平面視において前記複数の開口部のそれぞれと重なる溝D1が形成されている。つまり、溝D1は平面視において第1方向に延在する形状を有し、第2方向に複数並んで形成されている。
溝D1は、例えば50〜400nmの深さで形成される。ここでは、溝D1の深さは300nmとする。なお、ここでいう深さとは、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向における、半導体基板SBの主面から溝D1の底面までの距離を指すものである。
次に、図4に示すように、例えば熱リン酸などを用いて、窒化シリコン膜N1の表面および酸化シリコン膜X1のそれぞれの表面の一部をエッチングして除去する。このときのウェットエッチングによる窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1のそれぞれのエッチング量は、5〜50nm程度である。この結果、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1のそれぞれの側壁は、上記パターニング工程において形成した開口部から後退した形状となる。
これにより、溝D1の上端近傍の、半導体基板SBの主面の端部が、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1から露出する。上記のエッチング工程により窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1からなる積層膜の側壁を後退させるのは、次の酸化工程において、半導体基板SBの主面をより広く酸化させることで、半導体基板SBの主面と溝D1の側壁の上端との交点の角部を丸めるためである。
次に、図5に示すように、ウェット酸化法により、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1から露出する半導体基板SBの表面を酸化する。これにより、溝D1の側壁および底面に隣接する領域の半導体基板SB、ならびに、溝D1に隣接する半導体基板SBの主面の端部が酸化して、酸化シリコン膜(第1酸化膜)X2が形成される。酸化シリコン膜X2の膜厚は100nm程度である。酸化シリコン膜X2は、溝D1の内側の表面、および溝D1に隣接する半導体基板SBの主面に亘って形成される絶縁膜である。
図4を用いて説明したエッチング工程において、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1からなる積層膜の側壁が後退したことで、溝D1近傍の半導体基板SBの主面が一部露出したため、当該エッチング工程を行わなかった場合に比べ、より広く半導体基板SBの主面が酸化される。これにより、半導体基板SBの主面と溝D1の側壁の上端との交点の角部と、溝D1の底面の端部とは、大きな曲線を描く丸みを帯びた形状となる。このように溝D1の角部を丸めるのは、後述するように、半導体基板SB内の角部に電界が集中することを防ぎ、MOSFETのチャネル領域の電界を緩和するためである。
次に、図6に示すように、周知のフォトリソグラフィ技術および異方性のエッチング法により、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1をパターニングすることで、半導体基板SBの上面を露出し、続けて、露出した半導体基板SBに溝(第4溝)D2を形成する。その後、フォトレジストパターンは、例えばアッシングなどにより除去される。
ここで、溝D2は素子分離領域を埋め込む領域に形成される溝であり、平面視において、上記した複数の溝D1が形成された一つの領域の周囲を囲むように形成される。溝D2は、例えば400nmより大きい深さであって、500nm以下の深さで形成される。ここでは、溝D2の深さは450nmとする。このとき、溝D2は溝D1よりも深く形成する。これは、溝D2を設けた領域に形成する素子分離領域の深さが、溝D1と同じか、それより小さい深さで形成されている場合、当該素子分離領域の直下の半導体基板SBを介して半導体素子間が導通する虞があり、半導体基板SB上に形成する素子間の分離耐圧を保つためには、溝D2を溝D1より深く形成する必要があるためである。
次に、図7に示すように、例えば熱リン酸などを用いて、窒化シリコン膜N1の表面および酸化シリコン膜X1のそれぞれの表面の一部をエッチングして除去する。このときのウェットエッチングによるエッチング量は、図4を用いて説明したエッチング工程による後退量よりも小さくする。この結果、溝D2の上部の窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1のそれぞれの側壁は後退する。これにより、溝D2の上端近傍の、半導体基板SBの主面の端部が、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1から露出する。
次に、図8に示すように、ウェット酸化法により、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1から露出する半導体基板SBの表面を酸化する。このとき、溝D1近傍の半導体基板SBの表面は、酸化シリコン膜X2に覆われているため酸化されない。これにより、溝D2の側壁および底面に隣接する領域の半導体基板SB、ならびに、溝D1に隣接する半導体基板SBの主面の端部が酸化して、酸化シリコン膜(第2酸化膜)X3が形成される。
なお、このウェット酸化工程による酸化量は、図5を用いて説明したウェット酸化工程による酸化量よりも小さいため、酸化シリコン膜X3は、酸化シリコン膜X2よりも薄い膜厚で形成される。つまり、酸化シリコン膜X3は100nm未満の膜厚で形成される。例えば、酸化シリコン膜X3の膜厚は10nmである。このように酸化シリコン膜X3を形成するのは、酸化シリコン膜X2と同様に、溝の側壁の上端と、半導体基板SBの主面との交点の半導体基板SBの角部を丸め、後の工程で形成するMOSFETのチャネル領域の電界を緩和することにある。
上記したように、溝D1および溝D2は、共にその上部の窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1からなる積層膜の開口部の側壁を後退させた後に、ウェット酸化法によりそれぞれの溝の表面が酸化される。ただし、溝D1に比べ、溝D2はその上部の当該積層膜の側壁の後退量が小さく、また、溝の表面の酸化量も小さい。このため、溝D2の角部よりも溝D1の角部の方が丸くなる。つまり、溝D2の角部よりも溝D1の角部の方が、大きな弧を描く形状となる。
図4を用いて説明したエッチング工程において、窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1からなる積層膜の側壁が後退したことで、溝D1近傍の半導体基板SBの主面が一部露出したため、当該エッチング工程を行わなかった場合に比べ、より広く半導体基板SBの主面が酸化される。これにより、半導体基板SBの主面と溝D1の側壁の上端との交点の角部は、大きな曲線を描く丸みを帯びた形状となる。
このように溝D1の角部を丸めるのは、後述するように、半導体基板SB内の角部に電界が集中することを防ぎ、MOSFETのチャネル領域の電界を緩和するためである。溝D1の近傍は、特にソース・ドレイン領域間において電界が集中しやすいチャネル領域となる領域であるため、上記のように、素子分離領域を埋め込む溝D2の角部よりも溝D1の角部を丸めることで、効果的に電界集中を防ぐことができる。
次に、図9に示すように、半導体基板SBの主面の全面上に、例えばCVD法を用いて酸化シリコン膜X4を形成(堆積)することで、溝D2を完全に埋め込む。このとき、溝D1内にも酸化シリコン膜X4が埋め込まれる。続いて、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて半導体基板SBの上面を研磨することで、酸化シリコン膜X4の一部を除去し、窒化シリコン膜N1の上面を露出させる。酸化シリコン膜X4は、溝D1および溝D2のそれぞれの内部に分断されて残る。
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィ技術により、フォトレジスト膜PR1のパターンを半導体基板SB上に形成する。フォトレジスト膜PR1は、溝D2の直上近傍の酸化シリコン膜X4および窒化シリコン膜N1を覆い、溝D1の直上近傍の酸化シリコン膜X4および窒化シリコン膜N1を露出するパターン形状を有している。
次に、図11および図12に示すように、フォトレジスト膜PR1をマスクとして、エッチング法により溝D1の直上の窒化シリコン膜N1、酸化シリコン膜X1を除去し、さらに、溝D1内の酸化シリコン膜X4と、溝D1の表面を構成する酸化シリコン膜X2とを除去する。その後、アッシング法などによりフォトレジスト膜PR1を除去した後、エッチング法により、残りの窒化シリコン膜N1および酸化シリコン膜X1を除去する。図11は、半導体基板SBを上方から見た場合の平面図であり、図12は、図11に示す平面図のA−A線における断面図である。
これにより、溝D1(図10参照)が形成されていた領域の周囲の酸化シリコン膜X2(図10参照)が除去されることで、酸化シリコン膜X2と接していた半導体基板SBの表面により構成される溝(第1溝)D3が形成される。つまり、図11に示すように、溝D3は溝D1よりも大きい幅および深さを有し、第1方向に延在する形状を有し、第2方向に複数並んで形成されている。酸化シリコン膜X2が半導体基板SBの表面に形成された後に除去されたことにより、溝D3の側壁の上端の角部および溝D3の底面の両端は丸みを帯びた形状となっている。
また、この工程により、図12に示すように、溝D2の近傍には、酸化シリコン膜X3およびX4からなる素子分離領域IEが形成される。素子分離領域IEは、STI(Shallow Trench Isolation)の構造を有する絶縁膜である。ここで、素子分離領域IEは、酸化シリコン膜X3と接する半導体基板SBの表面により形成された溝(第2溝)D4内に埋め込まれている。溝D1(図10参照)は溝D2より浅く形成されており、酸化シリコン膜X2は酸化シリコン膜X3よりも膜厚が大きかったが、溝D3は溝D4よりも浅く形成されている。このように素子分離領域IEを溝D3よりも深く形成することで、上述したように半導体素子間をより確実に分離し、素子間の耐圧を高めることができる。
また、溝D4は溝D3と同様に、溝D4の側壁の上端の角部および溝D4の底面の両端は丸みを帯びた形状となっている。ただし、溝D4の丸みは溝D3の丸みよりも小さいため、溝D4の側壁の上端の角部および溝D4の底面の両端は、溝D3の側壁の上端の角部および溝D3の底面の両端に比べて角ばった形状となっている。
図11に示すように、素子分離領域IEは、平面視において第2方向に並ぶ複数の溝D3の周りを囲むように形成される。素子分離領域IEに囲まれ、半導体基板SBの主面が露出している領域は、後の工程でMOSFETなどの半導体素子が形成される活性領域である。
次に、図13に示すように、半導体基板SBの主面に、例えばイオン注入法を用いて不純物イオンを打ち込むことでウエルを形成する。図13は、半導体基板SBの4つの領域を並べて示す断面図であり、図の左側から右側に向かって順に、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dを示している。このことは、以下の図14、図18、図21〜図30、図32および図34に示す断面図も同様である。
nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aの断面図は、図11のB−B線の断面と同じ箇所の断面図である。図11のB−B線における断面は第1方向に沿う断面であり、溝D3間の領域の断面であるため、図13に示すnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bには溝D3(図12参照)を示していない。
図1〜図12を用いて説明した工程により形成した、複数並んだ溝D3を含む活性領域は、高耐圧MOSFETを形成する領域である。したがって溝D3は、図13に示すnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bに形成されている。nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dに溝D3(図12参照)が形成されていてもよいが、本実施の形態では、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dには溝D3は形成されていないものとして説明する。
なお、素子分離領域IEは、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの各領域を区切るように形成されている。ここでは、図を簡単にするため、素子分離領域IEを一つの膜として図示する。
図13に示すように、上記イオン注入工程により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面には、pウエルW1、nウエルW2、pウエルW3、およびnウエルW4がそれぞれ形成されている。pウエルW1、nウエルW2、pウエルW3、およびnウエルW4の各ウエルは、例えば素子分離領域IEよりも深く形成されているものとする。
次に、図14に示すように、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において、半導体基板SBの主面の上方から、半導体基板SBの主面に向かってイオン注入を行う。これにより、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面に、チャネル領域C1、C2、C3およびC4をそれぞれ形成する。つまり、チャネル領域C1〜C4は、の半導体基板SBの主面に隣接する領域の、半導体基板SB中に形成される。
チャネル領域C1〜C4は、ここではそれぞれ別工程で形成するものとする。なお、本願の図では、チャネル領域の輪郭を破線で示す。チャネル領域は、図に示す破線と半導体基板SBの上面との間に、n型またはp型の不純物が導入されて形成された半導体領域である。
nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cには、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を打ち込むことで、チャネル領域C1およびC3を形成する。また、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dには、n型の不純物(例えばP(リン))を打ち込むことで、チャネル領域C2およびC4を形成する。チャネル領域C1〜C4は、例えばMOSFETのしきい値電圧を調整するために形成される半導体領域である。
このとき、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bの活性領域には溝D3(図12参照)が形成されており、溝D3により半導体基板SBの上面には凹凸形状が形成されている。このような凹凸が形成された半導体基板SBに、不純物イオンを打ち込んでチャネル領域C1を形成する方法を、図15および図16を用いて説明する。
図15および図16は、製造工程中の半導体装置であって、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aの半導体基板SBを示す断面図であり、図11のC−C線における断面と同じ位置における断面図である。つまり図15および図16は、図12に示す断面図と直交する方向における、溝D3を示す断面図である。なお、ここではnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにチャネル領域C1(図14参照)を形成する方法について説明するが、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bにチャネル領域C2(図14参照)も、チャネル領域C1の形成方法と同様の方法で形成することができる。ただし、イオン注入工程で打ち込む不純物イオンの種類は、チャネル領域C1を形成する場合と、チャネル領域C2を形成する場合とでそれぞれ異なる。
チャネル領域を形成する工程では、まず、図15に示すように、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向において、それぞれ打ち込み条件を変更した複数回のイオン注入を、半導体基板SBの主面に向かって多段的に行う。つまり、複数の種類のエネルギー条件でイオン注入を行うことで、イオン注入層C1a、C1bおよびC1cを半導体基板SB中に形成する。イオン注入層C1a〜C1cは、溝D3の底面近傍および溝D3の周囲の半導体基板SBの主面近傍の両方の半導体基板SB中に形成される。つまり、イオン注入層C1a〜C1cは半導体基板SBの表面に隣接する領域の半導体基板SB中に、それぞれ異なる深さで形成される。
ここでは、半導体基板SBの主面側から、半導体基板SBの裏面側に向かって、半導体基板SB内に、イオン注入層C1a、C1bおよびC1cが順に形成される。つまり、イオン注入層C1bはイオン注入層C1aより深い領域に形成され、イオン注入層C1cはイオン注入層C1bよりも深い領域に形成される。イオン注入層C1a〜C1cのそれぞれは、異なるエネルギー条件でのイオン注入のそれぞれの工程により打ち込まれた不純物イオンのうち、特に不純物濃度が高い領域を示す層である。
このとき、イオン注入層C1a〜C1cのそれぞれに打ち込む不純物の注入量は全て同じであってもよい。しかし、半導体基板SBの主面側の注入量を多くして不純物濃度を高めることが、後の工程で形成するMOSFETの耐圧向上の観点からより望ましい。すなわち、イオン注入層C1aの不純物濃度はイオン注入層C1bよりも高く、イオン注入層C1bの不純物濃度をイオン注入層C1cよりも高くすることがより望ましい。なお、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bに形成するチャネル領域C2についても同様に、半導体基板SBの主面側に近い注入層ほど不純物濃度が高い複数のイオン注入を形成することがより望ましい。
また、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにチャネル領域C1を形成する場合、上記のイオン注入のイオン種としてはB(ホウ素)を用いる。溝D3の深さが300nmである場合、イオン注入のエネルギーは、例えば、イオン注入層C1cを形成するイオン注入は50keV〜90keV程度、イオン注入層C1bを形成するイオン注入は20keV〜40keV程度、イオン注入層C1aを形成するイオン注入は10keV程度とする。
また、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bにチャネル領域C2(図14参照)を形成する場合、上記のイオン注入のイオン種としてはP(リン)を用いる。ここでは、図示しないpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bに形成するチャネル注入層の説明をするため、図15に示すnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aのイオン注入層C1a、C1b、C1cに対応するpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bのイオン注入層を、それぞれ第1イオン注入層、第2イオン注入層、第3イオン注入層と呼称する。つまり、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面近傍において、当該主面から半導体基板SBの裏面に向かって、半導体基板SB中に第1イオン注入層、第2イオン注入層、第3イオン注入層を形成する。
ここで、溝D3の深さが300nmであった場合、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bでのイオン注入のエネルギーは、例えば、第1イオン注入層を形成する際は150keV〜200keV程度、第2イオン注入層を形成する際は50keV〜100keV程度、第3イオン注入層を形成する際は10keV〜30keV程度で行う。
また、本実施の形態では上記のB(ホウ素)およびP(リン)のイオン種を例示したが、これに限られるものではなく、他のp型イオン種、または他のn型イオン種を用いてもよい。チャネル領域を形成する際に打ち込む他のイオン種としては、BF2(フッ化ホウ素)またはAs(ヒ素)を例示できる。
このように不純物イオンを多段注入する理由は、後述するように、半導体基板SBの主面に均一な濃度で不純物を分布させるためである。ここでは、3回のイオン注入によりイオン注入層C1a〜C1cを形成したが、3回以上であれば、さらに多い回数のイオン注入を行うことで、より多くのイオン注入層を形成しても構わない。
次に、図16に示すように、1000℃程度のアニールを行うことにより、半導体基板SBを加熱し、イオン注入層C1a〜C1cのそれぞれを構成する不純物を拡散させ、半導体基板SBの主面に、濃度分布が均一なチャネル領域C1を形成する。チャネル領域C1は、溝D3の底面を含む半導体基板SBの主面から一定の深さまで均一な濃度分布を有する半導体領域であり、溝D3の側壁に隣接する領域の半導体基板SB中にも形成されている。
ここで、図15および図16を用いて説明した工程では、イオン注入を複数回行った後に拡散アニールを行うことでチャネル領域C1を形成したが、チャネル領域の形成方法としては、例えば1回のイオン注入を行った後に拡散アニールを行う方法も考えられる。しかし、1回のイオン注入で半導体基板SB中に打ち込まれる不純物イオンは、イオン注入のエネルギー条件によって定まる特定の深さの層に高い濃度で分布するため、1回のイオン注入のみでは、半導体基板SBの表面からある程度の深さまでの領域に一定の濃度でチャネル領域を形成することはできない。これは、1回のイオン注入を行った後に拡散アニールを行ったとしても同様であるため、イオン注入が1回または2回のみである場合、均一に不純物を拡散させることは困難である。
また、本実施の形態のように、溝D3が形成された半導体基板SBに対し、垂直な方向から1回のイオン注入のみを行なってチャネル領域を形成しようとすると、チャネル領域を構成する不純物が溝D3の側壁に殆ど打ち込まれないため、溝D3の側壁の不純物濃度が極端に低くなる。
上記のように、溝が形成された半導体基板の主面に、1回のイオン注入でチャネル領域を形成した場合、半導体基板の主面近傍では、半導体基板内の場所や深さによってチャネル領域内に不純物濃度が高い領域と低い領域とが形成される。このようにしてチャネル領域内の不純物濃度にばらつきが生じると、当該チャネル領域を含むトランジスタを動作させた際、チャネル領域内の電界にばらつきが生じるため、チャネル領域中の一部に電界が集中してインパクトイオンが発生する。この場合、トランジスタのドレインおよび半導体基板間の耐圧が低くなり、半導体装置の信頼性が低下する問題が生じる。
また、チャネル領域の不純物濃度が薄い箇所が存在すると、そのチャネル領域を含むトランジスタはしきい値電圧が低くなる。このようにチャネル領域の不純物濃度にばらつきが生じることにより、半導体基板上にはしきい値電圧が高いトランジスタと、しきい値電圧が低いトランジスタとが形成されるため、トランジスタの特性にばらつきが生じ、半導体装置の信頼性が低下する。
そこで、本実施の形態の半導体装置の製造工程では、異なるエネルギー条件での不純物イオンの多段注入を行い、異なる注入深さでイオン注入層C1a〜C1c(図15参照)を形成した後、拡散アニールを行うことで、イオン注入層C1a〜C1cを構成していたp型の不純物を拡散させてチャネル領域C1(図14および図16参照)を形成している。これにより、半導体基板SB中において、チャネル領域内の不純物濃度がばらつくことを防ぎ、チャネル領域内において電界が局所的に集中することを防ぐことを可能としている。
また、溝D3の側壁も、1回のイオン注入では不純物を打ち込むことが困難であるが、複数回のイオン注入を行うことで、当該側壁に隣接する領域の半導体基板SB中にも、均一な濃度でチャネル領域C1を形成することができる。したがって、インパクトイオンの発生を防ぎ、トランジスタの耐圧(例えばドレインおよび半導体基板間の耐圧)を高めることができるため、半導体装置の信頼性を高めることができる。
なお、図15および図16では、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにおけるチャネル領域C1の形成方法について説明したが、本実施の形態では、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bにおいても、同様の多段注入によりチャネル領域C2(図14参照)を形成する。つまり、多段注入によりイオン注入層を形成した後に拡散アニールを施すことにより、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bでは、上記した第1イオン注入層、第2イオン注入層および第3イオン注入層内の不純物が拡散して、チャネル領域C2が均一な濃度で形成される。
次に、図17、図18、図19および図20に示すように、半導体基板SB上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する。図17は、半導体基板SBを上方から見た場合の平面図であり、図18は、図17に示す平面図のB−B線における断面を含む断面図である。つまり、図17はnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A(図18参照)を示す平面図である。図19は図17に示す平面図のC−C線における断面図である。図20は図17に示す平面図のA−A線における断面図である。なお、図17ではチャネル領域C1の図示を省略しているが、チャネル領域C1は半導体基板SBの主面側の表面に形成されている。
具体的に説明すれば、図18に示すように、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aでは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GF1を介してゲート電極G1を形成し、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bでは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GF2を介してゲート電極G2を形成する。また、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cでは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GF3を介してゲート電極G3を形成し、pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dでは、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GF4を介してゲート電極G4を形成する。
このとき、ゲート絶縁膜GF1およびGF2は互いに同じ膜厚で形成され、ゲート絶縁膜GF3およびGF4は互いに同じ膜厚で形成されており、ゲート絶縁膜GF1およびGF2は、ゲート絶縁膜GF3およびGF4よりも厚い膜厚で形成されている。また、ゲート電極G1、G2、ゲート絶縁膜GF1およびGF2のゲート長方向の幅は、ゲート電極G3、G4、ゲート絶縁膜GF3およびGF4のゲート長方向の幅よりも広く形成する。
上記のように異なる膜厚のゲート絶縁膜を形成する場合は、例えば、まず半導体基板SBの主面の全面にCVD法などを用いて厚い酸化シリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術を用いて、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの当該酸化シリコン膜を除去する。次に、露出している半導体基板SBの主面に、当該酸化シリコン膜よりも薄い膜厚の酸化シリコン膜を、熱酸化法などにより形成した後、半導体基板SB上にポリシリコン膜を形成する。続いて、それぞれの領域の半導体基板SB上のポリシリコン膜および酸化シリコン膜をパターニングすることで、厚い酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GF1およびGF2と、薄い酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GF3およびGF4と、ポリシリコン膜からなるゲート電極G1〜G4を形成する。
図17に示すように、ゲート電極G1は第2方向に延在し、複数の溝D3上を跨ぐように形成される。したがって、ゲート絶縁膜GF1およびゲート電極G1からなる積層膜は、図19および図20に示すように、溝D3の内側の表面に沿って形成され、第2方向において複数の箇所で折り畳まれるような形状となる。これにより、単なる平面である基板の主面上にゲート電極を形成する場合に比べて、図20に示すように、ゲート電極G1と半導体基板SB内のチャネル領域C1とが隣接する面積が増える。このような3次元の折り畳み構造を有するゲート電極G1を含むMOSFETを形成することにより、例えばI/Oに用いられる高耐圧MOSFETであっても、ゲート幅方向(第2方向)におけるMOSFETの幅を縮小させることが可能となる。
図19に示すように、ゲート絶縁膜GF1およびゲート電極G1からなる積層膜は、溝D3内を全て埋め込んでいるわけではなく、第1方向における溝D3内の両端には当該積層膜は形成されていない。溝D3内において、ゲート電極D3の横の半導体基板SBの表面には、後述する工程によりソース・ドレイン領域が形成され、当該ソース・ドレイン領域の上面である溝D3の底面の直上には、シリサイド層を介してコンタクトプラグが接続される。
図19および図20に示すように、チャネル領域C1は溝D3の内側の表面および半導体基板SBの主面に沿って半導体基板SBの表面近傍の半導体基板SB中に形成されている。図20に示すように、第2方向に沿う断面であって、第1方向に延在する溝D3の中央部を通る領域では、図19に示す第1方向に沿う断面と異なり、溝D3はゲート絶縁膜GF1およびゲート電極G1からなる積層膜により完全に埋め込まれている。なお、図17〜図20ではnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aの構造を示したが、図18に示すpチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bのチャネル領域C2、ゲート絶縁膜GF2およびゲート電極G2も、図17〜図20に示す構造と同様の構造を有している。
次に、図21に示すように、フォトレジスト膜PR2により、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面を覆った状態で、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、エクステンション領域E1を形成する。このときのイオン注入では、n型の不純物(例えばP(リン))を、比較的低い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことで、n型の半導体領域であるエクステンション領域E1を形成する。
エクステンション領域E1は、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにおいて、ゲート電極G1の横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。このとき、図示は省略するが、溝D3(図19参照)の側壁および底面にもエクステンション領域E1が形成される。上記イオン注入は、ゲート電極G1を不純物イオンが突き抜けないエネルギー条件で行う。例えば、当該イオン注入は、P(リン)を50keV〜250keVのエネルギーで、5×1012〜1×1014/cmのドーズ量で行う。
次に、図22に示すように、フォトレジスト膜PR2を除去する。その後、フォトレジスト膜PR3により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1C、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面を覆った状態で、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、エクステンション領域E2を形成する。このときのイオン注入では、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を、比較的低い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことで、p型の半導体領域であるエクステンション領域E2を形成する。
エクステンション領域E2は、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bにおいて、ゲート電極G2の横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。このとき、図示は省略するが、溝D3(図19参照)の側壁および底面にもエクステンション領域E2が形成される。上記イオン注入は、ゲート電極G2を不純物イオンが突き抜けないエネルギー条件で行う。例えば、当該イオン注入は、B(ホウ素)を30keV〜150keVのエネルギーで、1×1013〜1×1014/cmのドーズ量で行う。
次に、図23に示すように、フォトレジスト膜PR3を除去する。その後、ゲート電極G1〜G4の側壁を覆うように、例えばCVD法により、半導体基板SB上の全面に酸化シリコン膜を形成した後、異方性のエッチングを用いて当該酸化シリコン膜の一部を除去し、ゲート絶縁膜G1〜G4のそれぞれの上面を露出させる。これにより、ゲート絶縁膜G1〜G4のそれぞれの側壁には、上記酸化シリコン膜からなるオフセットスペーサOSが形成される。
次に、図24に示すように、フォトレジスト膜PR4により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、およびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面を覆った状態で、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、エクステンション領域E3を形成する。このときのイオン注入では、n型の不純物(例えばP(リン))を、比較的低い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことで、n型の半導体領域であるエクステンション領域E3を形成する。
エクステンション領域E3は、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cにおいて、ゲート電極G3の横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。なお、ここでは、エクステンション領域E3の他に、ハロー領域をnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBに形成してもよい。ハロー領域は、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を半導体基板SBにイオン注入法などにより打ち込むことで形成する半導体領域である。
次に、図25に示すように、フォトレジスト膜PR4を除去する。その後、フォトレジスト膜PR5により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1A、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1B、およびnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面を覆った状態で、pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、エクステンション領域E4を形成する。このときのイオン注入では、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を、比較的低い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことでp型の半導体領域であるエクステンション領域E4を形成する。
エクステンション領域E4は、pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dにおいて、ゲート電極G4の横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。なお、ここでは、エクステンション領域E4の他に、ハロー領域をpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBに形成してもよい。
次に、図26に示すように、フォトレジスト膜PR5を除去する。その後、ゲート電極G1〜G4の側壁を覆うように、例えばCVD法により、半導体基板SB上の全面に酸化シリコン膜を形成した後、異方性のエッチングを用いて当該酸化シリコン膜の一部を除去し、ゲート絶縁膜G1〜G4のそれぞれの上面を露出させる。これにより、ゲート絶縁膜G1〜G4のそれぞれの側壁には、オフセットスペーサOSを介して、上記酸化シリコン膜からなるサイドウォールSWが自己整合的に形成される。サイドウォールSWは、酸化シリコン膜のみではなく、例えば酸化シリコン膜および窒化シリコン膜の積層膜により形成してもよい。
次に、図27に示すように、フォトレジスト膜PR6により、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面を覆った状態で、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、拡散層DF1、DF3を形成する。このときのイオン注入では、n型の不純物(例えばP(リン))を、比較的高い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことでn型の半導体層である拡散層DF1、DF3を形成する。
拡散層DF1、DF3は、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cにおいて、ゲート電極G1、G3のそれぞれの横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。このとき、図示は省略するが、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aの溝D3(図19参照)の側壁および底面にも拡散層DF1が形成される。
nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aにおいて、エクステンション領域E1および拡散層DF1はソース・ドレイン領域を構成している。同様に、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cにおいて、エクステンション領域E3および拡散層DF3はソース・ドレイン領域を構成している。上記工程により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aには、エクステンション領域E1および拡散層DF1からなるソース・ドレイン領域とゲート電極G1とを有するnチャネル型高耐圧MOSFETQ1が形成される。また、nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cには、エクステンション領域E3および拡散層DF3からなるソース・ドレイン領域とゲート電極G3とを有するnチャネル型低耐圧MOSFETQ3が形成される。
次に、図28に示すように、フォトレジスト膜PR7により、nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aおよびnチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面を覆った状態で、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dの半導体基板SBの主面にイオン注入を行い、拡散層DF2、DF4を形成する。このときのイオン注入では、p型の不純物(例えばB(ホウ素))を、比較的高い濃度で、半導体基板SBの主面に対して45°の斜めの方向から打ち込むことでn型の半導体層である拡散層DF2、DF4を形成する。
拡散層DF2、DF4は、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bおよびpチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dにおいて、ゲート電極G2、G4のそれぞれの横方向(第1方向)の半導体基板SBの主面に形成される。このとき、図示は省略するが、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bの溝の側壁および底面にも拡散層DF2が形成される。
pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bにおいて、エクステンション領域E2および拡散層DF2はソース・ドレイン領域を構成している。同様に、pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dにおいて、エクステンション領域E4および拡散層DF4はソース・ドレイン領域を構成している。上記工程により、pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Bには、エクステンション領域E2および拡散層DF2からなるソース・ドレイン領域とゲート電極G2とを有するpチャネル型高耐圧MOSFETQ2が形成される。また、pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域1Dには、エクステンション領域E4および拡散層DF4からなるソース・ドレイン領域とゲート電極G4とを有するpチャネル型低耐圧MOSFETQ4が形成される。
エクステンション領域E1〜E4は、拡散層DF1〜DF4よりも不純物濃度が低い半導体領域である。このように、各領域のソース・ドレイン領域は、不純物濃度が比較的低いエクステンション領域と、当該エクステンション領域よりも不純物濃度が高い拡散層とを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。
nチャネル型高耐圧MOSFETQ1およびpチャネル型高耐圧MOSFETQ2は、nチャネル型低耐圧MOSFETQ3およびpチャネル型低耐圧MOSFETQ4よりも高い電圧で駆動するトランジスタであり、例えばI/Oに用いられる。また、nチャネル型低耐圧MOSFETQ3およびpチャネル型低耐圧MOSFETQ4はロジック回路など、高い動作速度が求められる回路に用いられるトランジスタである。
次に、図29に示すように、フォトレジスト膜PR7を除去した後、周知のサリサイド技術を用いて、ゲート電極G1〜G4および拡散層DF1〜DF4のそれぞれの上面上にシリサイド層S1を形成する。シリサイド化の具体的な工程では、まず半導体基板SBの主面上にスパッタリング法を用いて金属膜を堆積し、続いて半導体基板SBを熱処理することで当該金属膜と半導体基板SBとを反応させた後、未反応の金属膜をウェットエッチングで除去することで、シリサイド層S1を形成する。シリサイド層S1の部材としては、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、チタンシリサイド、またはプラチナシリサイドを例示することができる。このとき、図示は省略するが、溝D3(図19参照)の内側の表面であって、ゲート絶縁膜GF1、GF2、ゲート電極G1およびG2から露出している表面にも、シリサイド層S1が形成される。
次に、図30に示すように、半導体基板SBの主面上の全面に、例えばCVD法により窒化シリコン膜からなるストッパ絶縁膜ESおよび酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜L1を順次形成(堆積)する。その後、CMP法により、層間絶縁膜L1の上面を研磨して平坦化する。
次に、図31、図32および図33に示すように、層間絶縁膜L1の上面からストッパ絶縁膜ESの裏面まで貫通し、拡散層DF1〜DF4のそれぞれの上面に形成されたシリサイド層S1に達するコンタクトホールを形成する。なお、図示していない領域では、ゲート電極G1〜G4の直上にも、シリサイド層S1の上面を露出するコンタクトホールを形成する。ここで、図31は半導体基板を上方から見た場合の平面図であり、図32に示すnチャネル型高耐圧MOSFET形成領域1Aは、図31に示す平面図のB−B線における断面図であり、図33は図31に示す平面図のC−C線における断面図である。図31では、半導体基板上に形成したオフセットスペーサ、サイドウォール、ストッパ絶縁膜および層間絶縁膜の図示を省略している。
続いて、コンタクトホール内にチタンまたは窒化チタン等の薄いバリア導体膜を形成した後、コンタクトホール内にタングステン膜を充填し、続いて、CMP法を用いて層間絶縁膜L1上のタングステン膜を除去することで、複数のコンタクトホール内のそれぞれを埋め込む前記タングステン膜を含むコンタクトプラグCPを形成する。なお、図示していない他の領域では、同工程によって、層間絶縁膜L1およびストッパ絶縁膜ESを貫通して、ゲート電極G1〜G4のそれぞれの上部に形成されたシリサイド層S1に達するコンタクトプラグCPが形成される。
ここで、図33に示すように、溝D3の内側の表面には、シリサイド層S1が形成され、溝D3の底面には、シリサイド層S1を介してコンタクトプラグCPが電気的に接続されている。シリサイド層S1は、半導体基板SBの上面に形成されたソース・ドレイン領域を構成する拡散層DF1と、コンタクトプラグCPとの間に介在し、拡散層DF1と、コンタクトプラグCPとの間の接触抵抗を低減する役割を有している。本実施の形態では、平坦な半導体基板SBの主面に形成された拡散層DF1の直上のシリサイド層S1(図32参照)のみでなく、図33に示すように、溝D3の底面の拡散層DF1の直上のシリサイド層S1にも、コンタクトプラグCPを接続している。
図31に示すように、第1方向において、ゲート溝D3は電極G1のゲート長よりも長く延在している。第1方向における溝D3の幅とゲート電極G1の幅とが同じとなり、平面視において溝D3およびゲート電極G1の第1方向の両端が重なる場合、ゲート電極G1の側壁と溝D3の側壁とが近接することで、ソース・ドレイン領域を形成するイオン注入工程において不純物イオンを溝D3の側壁に打ち込むことが困難になる。この場合、溝D3の側壁近傍の半導体層の抵抗値が高くなるため、ここではそれを防ぐために、ゲート電極G1のゲート長よりも溝D3を長く延在させている。
本実施の形態では、溝D3を第1方向においてゲート電極G1よりも延伸させて形成しているが、半導体基板SBの平坦な主面に比べて、溝D3の側壁近傍はソース・ドレイン領域を形成するための不純物イオンを打ち込みにくい領域である。コンタクトプラグCPは、平坦な半導体基板SBの主面にのみ接続することも考えられるが、ソース・ドレイン領域に均一で安定した電位を供給するため、ここでは溝D3の底面のソース・ドレイン領域にもコンタクトプラグCPを接続している。
次に、図34に示すように、周知の技術であるダマシンプロセスによって、層間絶縁L1およびコンタクトプラグCP上に層間絶縁膜L2および金属配線M1を形成することで、本実施の形態の半導体装置が完成する。
すなわち、層間絶縁膜L1およびコンタクトプラグCP上に、CVD法などにより層間絶縁膜L2を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチングを用いて層間絶縁膜L2を加工し、層間絶縁膜L1およびコンタクトプラグCPの上面を露出する配線溝を形成する。間絶縁膜L2は、例えばSiOCからなる絶縁膜である。
その後、層間絶縁膜L2の上面および上記配線溝の内壁および底部に、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)等またはそれらの積層膜からなるバリア導体膜と、銅(Cu)からなるシード膜とをスパッタリング法などにより形成した後、その上に銅(Cu)を主成分とする主導体膜をめっき法などにより形成する。続いて、上記したバリア導体膜、シード膜および主導体膜をCMP法により研磨して層間絶縁膜L2の上面を露出させることにより、層間絶縁膜L2を貫通する配線溝の内部に金属配線M1が形成される。
以上に説明したように、本実施の形態の製造方法により形成したnチャネル型高耐圧MOSFETQ1は、図31に示すように、第2方向に延在するゲート電極G1を有し、その直下に、第1方向に延在する溝D3を複数有しているため、ゲート電極G1は第2方向において複数の箇所で折り畳まれるような形状となっている。これにより、キャリアが流れる経路を3次元化することができるため、ゲート電極G1のゲート幅およびチャネル領域の幅を縮小することができ、第2方向におけるnチャネル型高耐圧MOSFETQ1の幅を縮小させることが可能となる。
ここで、コンタクトプラグCPは、ゲート電極G1のゲート長方向(第1方向)の外側に延在する溝D3の底面の、同方向における端部の直上にシリサイド層S1を介して形成されており、コンタクトプラグCPの直下のソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。また、コンタクトプラグCPは、溝D3の外側の、半導体基板SBの主面に形成されたソース・ドレイン領域の直上にも、シリサイド層S1を介して形成されている(図32、図33参照)。つまり、nチャネル型高耐圧MOSFETQ1のソース・ドレイン領域に電気的に接続されるコンタクトプラグCPは、溝D3の外側および溝D3の内側の両方に形成されている。コンタクトプラグCPは、ゲートで極G1の左右のソース・ドレイン領域のそれぞれの上部において、第2方向に複数並んで配置されている。
また、図20に示すように、半導体基板SBの主面には、ゲート電極G1を折り畳むための溝D3の他に、素子分離領域IEを埋め込むための溝D4が形成されている。溝D4は溝D3よりも深い溝であり、溝D3および溝D4はいずれもnチャネル型高耐圧MOSFETQ1のチャネル領域C1に接している。nチャネル型高耐圧MOSFETQ1を動作させる際、チャネル領域C1内において局所的に電界が集中することを防ぐ目的により、溝D3および溝D4の側壁の上端の角部はいずれも丸められており、溝D3の方が溝D4よりも大きく弧を描いて丸められている。
なお、ここではnチャネル型高耐圧MOSFETQ1の折り畳みゲート構造について説明したが、この構造は例えばI/Oに用いられる高耐圧トランジスタに適用するものであり、図34に示すpチャネル型高耐圧MOSFETQ2も、図20、図31および図33に示すnチャネル型高耐圧MOSFETQ1と同様のゲート構造およびチャネル構造を有している。
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法の効果、および本実施の形態の半導体装置の効果について説明する。
I/Oなどに用いられる高耐圧MOSFETでは、チャネル領域に電界が集中しやすく、特に、半導体基板の主面に複数の溝を形成することで、チャネル領域の上面を波状の形状にした場合、上述したように、ゲート幅を縮小する効果を得ることができる。しかし、この場合、平坦な半導体基板にチャネル領域を形成する場合に比べて、チャネル領域を一定の濃度で形成することが困難となる。このため、ウエルおよびエクステンション領域間に空乏層が拡がる際にパンチスルーが起きやすくなり、また、チャネル領域に電界が集中しやすくなるため、インパクトイオン化によりMOSFETの耐圧が低下する問題が生じる。
このような問題が生じる理由の一つは、半導体基板の表面に溝が形成されている場合に、1回または2回程度の少ない回数のイオン注入でチャネル領域を形成しようとすると、チャネル領域を半導体基板の表面近傍に均一な濃度で形成することが困難なため、チャネル領域の濃度分布にばらつきが生じ、チャネル領域内において局所的に電界が集中しやすくなることにある。また、チャネル領域の濃度にばらつきが生じることで、当該濃度が薄いところではMOSFETのしきい値電圧が低下する。したがって、しきい値電圧が高いMOSFETと低いMOSFETとが形成されるため、MOSFETの特性にばらつきが生じ、半導体装置の信頼性が低下する問題が生じる。
また、チャネル領域に電界が集中しやすくなる他の理由の一つは、半導体基板の表面に溝が形成された領域にチャネル領域を形成し、その上にゲート電極を形成した場合に、溝の側壁の上端と半導体基板の主面との交点の角部に電界が集中しやすくなることにある。
そこで、本実施の形態では、図14〜図16を用いて説明したように、半導体基板SBの主面に対し、垂直な方向から不純物イオンを複数のエネルギー条件で3回以上の多段注入を行い、イオン注入層C1a〜C1cを形成した後にアニールを行うことで、半導体基板SBの上面の近傍の領域に、濃度分布が均一なチャネル領域C1、C2を形成することを可能としている。これにより、チャネル領域C1、C2内の濃度分布がばらつくことを防ぐことができる。したがって、MOSFETを動作させた際(オン状態のとき)に、チャネル領域C1、C2のそれぞれの内部において電界が局所的に集中し、電流値の増加に誘起されてインパクトイオンが生じることに起因して、当該MOSFETの耐圧が低下することを防ぐことができる。
つまり、ゲート電極の下地に溝を形成した高耐圧MOSFETを形成する場合には、1回または2回のイオン注入ではチャネル領域を均一な濃度で形成することが困難であるが、本実施の形態のように、多段注入を用いて注入深さを変えた複数のイオン注入層を形成することで、濃度分布にばらつきがないチャネル領域を形成することができる。また、チャネル領域内の不純物の濃度分布が均一になることで、MOSFETのしきい値電圧が場所によってばらつくことを防ぐことができ、半導体装置の特性のばらつきを抑えることができる。したがって、高耐圧MOSFETの耐圧を高めることができるため、溝を形成してゲート幅を縮小したことによる半導体装置の微細化と、半導体装置の信頼性の向上とを両立させることができる。
また、本実施の形態では、図2〜図12を用いて説明したように、上端の角部が丸みを帯びている溝D3および溝D4を形成している(図12参照)。チャネル領域内では、ゲート電極と隣接する表面が角張っている程電界が集中しやすくなるため、上記のように角を丸めることにより、半導体基板SBの表面に形成されたチャネル領域内で電界が集中することを防ぐことができる。本実施の形態では、溝D3の側壁の上端の角部を大きく丸めるために、図4を用いて説明したエッチング工程により半導体基板SBの主面の一部を露出させ、図5を用いて説明した酸化工程において半導体基板SBの主面が酸化する範囲を大きくしている。これにより、溝D3(図12参照)の側壁の上端の角部を大きく丸めることが可能となる。
このような工程は図7〜図12に示したように素子分離領域IEを埋め込む溝D4の側壁の上端を丸めるためにも行われる。なおここでは、より電界集中が起こりやすい領域に設けられた溝D3の側壁の上端を、溝D4の側壁の上端よりも大きく丸めることにより、電界集中の発生をより効果的に抑えることができる。
角部を丸める量に差を設ける方法の一つには、図7を用いて説明したように、ウェットエッチングによるエッチング量を、図4を用いて説明したエッチング工程による後退量よりも小さくする方法がある。また、角部を丸める量に差を設ける方法の一つには、図8を用いて説明したように、酸化工程による酸化量を、図5を用いて説明した酸化工程による酸化量よりも小さくし、形成する酸化膜X3の膜厚を酸化膜X2より薄くする方法がある。
上述した製造工程により完成した高耐圧MOSFETを含む半導体装置では、ゲート電極の直下の溝D3(図31参照)の側壁の上端を、素子分離領域IEの側壁の上端より大きく丸めた構造を有しているため、高耐圧MOSFETの動作時にチャネル領域C1、C2(図34参照)のそれぞれの内部で電界集中が起こることを防ぐことができる。また、溝D4を溝D3よりも深くする形成することで、素子間の分離耐圧を保つことができる。本実施の形態では、ゲート電極の下地に溝を形成した高耐圧MOSFETの耐圧を高めることができるため、ゲート幅縮小により半導体装置の微細化と、半導体装置の信頼性の向上とを両立させることができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、半導体基板上にMOSFETを形成する場合について説明したが、半導体素子はMIS(Metal Insulator Semiconductor)型のFETであってもよい。
1A nチャネル型高耐圧MOSFET形成領域
1B pチャネル型高耐圧MOSFET形成領域
1C nチャネル型低耐圧MOSFET形成領域
1D pチャネル型低耐圧MOSFET形成領域
C1〜C4 チャネル領域
C1a〜C1c イオン注入層
CP コンタクトプラグ
D1〜D4 溝
IE 素子分離領域
ES ストッパ絶縁膜
E1〜E4 エクステンション領域
G1〜G4 ゲート電極
GF1〜GF4 ゲート絶縁膜
L1、L2 層間絶縁膜
M1 金属配線
N1 窒化シリコン膜
OS オフセットスペーサ
PR1〜PR7 フォトレジスト膜
Q1 nチャネル型高耐圧MOSFET
Q2 pチャネル型高耐圧MOSFET
Q3 nチャネル型低耐圧MOSFET
Q4 pチャネル型低耐圧MOSFET
S1 シリサイド層
SB 半導体基板
DF1〜DF4 拡散層
SW サイドウォール
W1、W3 pウエル
W2、W4 nウエル
X1、X2 酸化シリコン膜

Claims (17)

  1. (a1)半導体基板を準備する工程と、
    (b1)前記半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する第1溝を、前記半導体基板の主面に形成する工程と、
    (c1)前記半導体基板の主面に対して垂直な方向から、前記第1溝を形成した前記半導体基板の主面に対してイオン注入を複数回行い、第1導電型のチャネル領域を形成する工程と、
    (d1)前記チャネル領域上に、ゲート絶縁膜を介して、前記第1方向に直交する第2方向に延在するゲート電極を形成し、前記ゲート電極により前記第1溝を埋め込む工程と、
    (e1)前記ゲート電極の横の前記半導体基板の主面にソース・ドレイン領域を形成する工程と、
    を有し、前記ゲート電極、前記チャネル領域および前記ソース・ドレイン領域を含む第1電界効果トランジスタを形成する、半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1方向において、前記第1溝の両端は前記ゲート電極の外側に位置している、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. (f1)前記(e1)工程の後に、前記第1溝の底面および前記第1溝の外側の前記半導体基板の主面のそれぞれに形成された前記ソース・ドレイン領域の上面にコンタクトプラグを接続する工程をさらに有する、請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. (g1)前記(e1)工程の後、前記(f1)工程の前に、前記第1溝の内側の表面および前記第1溝の外側の前記半導体基板の主面のそれぞれに形成された前記ソース・ドレイン領域の表面にシリサイド層を形成する工程をさらに有する、請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記(e1)工程は、
    (e2)前記半導体基板の主面に対して斜めの方向から、前記第1溝を形成した前記半導体基板の主面に対してイオン注入を行い、前記ゲート電極の横の前記半導体基板の主面に前記第1導電型とは異なる第2導電型のエクステンション領域を形成する工程と、
    (e3)前記半導体基板の主面に対して斜めの方向から、前記第1溝を形成した前記半導体基板の主面に対してイオン注入を行い、前記ゲート電極の横の前記半導体基板の主面に前記第2導電型の拡散層を、前記エクステンション領域よりも高い不純物濃度で形成する工程と、
    を有し、
    前記エクステンション領域および前記拡散層からなる前記ソース・ドレイン領域を形成する、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記半導体基板上に、前記第1電界効果トランジスタよりも低い電圧で駆動する第2電界効果トランジスタを形成する、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体基板の主面に形成した第2溝内に、前記第1電界効果トランジスタと他の素子とを電気的に分離する素子分離領域を有し、
    前記第1溝の深さは、前記第2溝よりも浅い、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記半導体基板の主面に形成した第2溝内に、前記第1電界効果トランジスタと他の素子とを電気的に分離する素子分離領域を有し、
    前記第1溝は、前記第2溝よりも、側壁の上端の角部が大きく丸みを帯びている、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記(b1)工程は、
    (b2)前記半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する第3溝を、前記半導体基板の主面に形成する工程と、
    (b3)前記第3溝の内側の表面を酸化させて第1酸化膜を形成する工程と、
    (b4)前記第1酸化膜を除去することで、前記第1酸化膜と前記半導体基板とが接していた表面から構成され、側壁の上端の角部が大きく丸みを帯びている前記第1溝を形成する工程と、
    (b5)第4溝を前記半導体基板の主面に形成する工程と、
    (b6)前記第4溝の内側の表面を酸化させて第2酸化膜を形成することで、前記第2酸化膜と前記半導体基板とが接する表面に前記第2溝を形成する工程と、
    (b7)前記(b6)工程の後、前記第1溝内および前記第4溝内に絶縁膜を埋め込む工程と、
    (b8)前記第1溝内の前記絶縁膜を残し、前記第4溝内の前記絶縁膜を除去する工程と、
    を有し、
    前記第2溝内に、前記第2酸化膜および前記絶縁膜を含む前記素子分離領域を形成する、請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記(c1)工程では、複数回の前記イオン注入をそれぞれ異なるエネルギー条件で行い、
    前記半導体基板の主面近傍の前記半導体基板内の、それぞれ異なる深さの領域に不純物を打ち込むことで前記チャネル領域を形成する、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記(c1)工程では、複数回の前記イオン注入の後に熱処理を行うことで、前記半導体基板の主面に打ち込んだ前記不純物を拡散させて前記チャネル領域を形成する、請求項10記載の半導体装置の製造方法。
  12. 半導体基板と、
    前記半導体基板の主面に形成され、前記半導体基板の主面に沿う第1方向に延在する第1溝と、
    前記第1溝の周りの前記半導体基板の主面に形成された第2溝と、
    前記第2溝に埋め込まれた素子分離領域と、
    前記第1溝が形成された前記半導体基板の主面に形成されたチャネル領域と、
    前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成され、前記第1溝を埋め込み、前記第1方向に直交する第2方向に延在するゲート電極と、
    前記ゲート電極の横の前記半導体基板の主面に形成されたソース・ドレイン領域と、
    を含み、
    前記第1溝は、前記第2溝よりも、側壁の上端の角部が大きく丸みを帯びている、半導体装置。
  13. 前記第2溝は前記第1溝よりも深い、請求項12記載の半導体装置。
  14. 前記チャネル領域、前記ゲート電極、および前記ソース・ドレイン領域は第1電界効果トランジスタを構成し、
    前記半導体基板上には、前記第1電界効果トランジスタよりも低い電圧で駆動する第2電界効果トランジスタが形成されている、請求項12記載の半導体装置。
  15. 前記第1方向において、前記第1溝の両端は前記ゲート電極の外側に位置している、請求項12記載の半導体装置。
  16. 前記第1溝の底面および前記第1溝の外側のそれぞれの前記ソース・ドレイン領域の上面にコンタクトプラグが接続されている、請求項15記載の半導体装置。
  17. 前記第1溝の内側および外側のそれぞれの前記ソース・ドレイン領域の表面に接してシリサイド層が形成されており、
    前記ソース・ドレイン領域上には前記シリサイド層を介してコンタクトプラグが接続されている、請求項15記載の半導体装置。
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JP2018088436A (ja) * 2016-11-28 2018-06-07 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置の製造方法
US10014300B2 (en) 2016-04-29 2018-07-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Integrated circuit devices having inter-device isolation regions and methods of manufacturing the same

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