JP2007305889A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気特性のばらつきを小さくした状態で、エクステンション領域をせり上げた構造を可能とし、電流駆動力の向上を図るとともに、プロセスの簡単化を図る。
【解決手段】半導体基板10上にゲート絶縁膜16を介して形成されたゲート電極21の側部および半導体基板10上のゲート電極21側に形成された第1サイドウォール27と該第1サイドウォール27を介して該ゲート電極21の側部に形成された第2サイドウォール28とを有し、前記第2サイドウォール28直下の前記第1サイドウォール27が除去された除去領域31、32および前記ゲート電極21両側の前記第1、第2サイドウォール27、28を介した半導体基板10に形成されたリセス領域29、30とに形成されたエピタキシャル成長層(ソース・ドレイン33、34、エクステンション領域35、36)を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】半導体基板10上にゲート絶縁膜16を介して形成されたゲート電極21の側部および半導体基板10上のゲート電極21側に形成された第1サイドウォール27と該第1サイドウォール27を介して該ゲート電極21の側部に形成された第2サイドウォール28とを有し、前記第2サイドウォール28直下の前記第1サイドウォール27が除去された除去領域31、32および前記ゲート電極21両側の前記第1、第2サイドウォール27、28を介した半導体基板10に形成されたリセス領域29、30とに形成されたエピタキシャル成長層(ソース・ドレイン33、34、エクステンション領域35、36)を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
MOS(Metal Oxide Semiconductor)FET(Field Effect Transistor)の短チャネル効果を抑制するために、エピタキシャル成長技術を用いてエクステンション領域を形成し、エクステンション領域の低抵抗化およびチャネルからの拡散層の浅接合化を同時に実現する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、エクステンション領域にエピタキシャル成長技術を用いると、エピタキシャル成長膜の膜厚のばらつきが大きく、それによる特性ばらつきが大きくなることが懸念される。
また、pMOSFETの移動度を改善する技術として、深いソース・ドレイン(Deep Source-Drain接合)領域を後退(リセス)させて、その領域にエピタキシャル成長によりシリコンゲルマニウム層(以下、SiGe層という)を形成する技術が提案されている(例えば、非特許文献2、特許文献1等参照。)。これは、SiGe層を形成することにより、pMOSFETのチャネルに圧縮応力を印加し、移動度を改善するというものである。
また、より大きな圧縮応力を印加するために、よりチャネルに近いエクステンション領域を後退させてSiGe層をエピタキシャル成長する技術が提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。しかしながら、この構造は、エクステンション領域をドライエッチングにより後退(リセス)してエピタキシャル成長し作製するために、エッチングダメージによる接合リーク悪化、ゲート酸化膜の信頼性の悪化が懸念される。
解決しようとする問題点は、MOSFETの短チャネル効果を抑制するために、ソース・ドレインの接合を浅くする必要があるが、単純に浅くすると、ソース・ドレインの抵抗が高くなり電流駆動力が低下する点である。そのために、エクステンションと深いソース・ドレインをせり上げる構造が有効であるが、特にエクステンションをせり上げる場合は、エピタキシャル成長膜の膜厚のばらつきが及ぼす影響が大きく、電気特性のばらつきが大きくなる点である。
請求項1に係る本発明は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極の側部および半導体基板上のゲート電極側に形成された第1サイドウォールと該第1サイドウォールを介して該ゲート電極の側部に形成された第2サイドウォールとを有し、前記第2サイドウォール直下の前記第1サイドウォールが除去された領域および前記ゲート電極両側の前記第1、第2サイドウォールを介した半導体基板に形成されたリセス領域とに形成されたエピタキシャル成長層と、前記ゲート電極、および前記第1,第2サイドウォールを被覆する応力を有する応力膜とを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、エピタキシャル成長層は、リセス領域に形成されたエピタキシャル成長層がソース・ドレインとなり、第1サイドウォールが除去された領域に形成されたエピタキシャル成長層がエクステンション領域となる。
請求項6に係る本発明は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極の側部および半導体基板上のゲート電極側に第1サイドウォールを形成するとともに、該第1サイドウォールを介して該ゲート電極の側部に第2サイドウォールとを形成する工程と、前記第1、第2サイドウォールを介した前記ゲート電極の両側の前記半導体基板を除去してリセス領域を形成する工程と、前記第2サイドウォール直下の前記第1サイドウォールを除去する工程と、前記リセス領域および前記第1サイドウォールを除去した領域にエピタキシャル成長層を形成する工程と、前記ゲート電極、および前記第1,第2サイドウォールを被覆する応力を有する応力膜を形成する工程と備えたことを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、リセス領域に形成されたエピタキシャル成長層でソース・ドレインが形成されるとともに、第1サイドウォールが除去された領域に形成されたエピタキシャル成長層でエクステンション領域が形成される。
請求項1に係る本発明によれば、第1サイドウォールが除去された領域に形成されたエピタキシャル成長層でエクステンション領域が形成されているため、エクステンション領域の膜厚を第1サイドウォールの膜厚で制御することができる。このため、エクステンション領域の膜厚ばらつきが小さくなるので、特性ばらつきを小さくできるという利点がある。また、エピタキシャル成長層でソース・ドレインとエクステンション領域とが形成されているので、ソース・ドレインとエクステンション領域とをエピタキシャル成長層で同時に形成することができるという利点があり、工程数を短縮したプロセスで形成できるものとなる。また、応力膜に膜応力の大きな膜を用いることで、エクステンション領域に大きな膜応力をかけることが可能となり、トランジスタの移動度の向上を図ることができるようになる。
請求項4に係る本発明によれば、第1サイドウォールが除去された領域に形成されたエピタキシャル成長層でエクステンション領域を形成するため、エクステンション領域の膜厚を第1サイドウォールの膜厚で制御することが容易にできる。このため、エクステンション領域の膜厚ばらつきを小さくすることができるので、特性ばらつきを小さくできるという利点がある。また、エピタキシャル成長層でソース・ドレインとエクステンション領域とを同時に形成することができるため、工程数の短縮が実現できるという利点がある。また、応力膜を膜応力の大きな膜で形成することにより、エクステンション領域に大きな膜応力をかけることが可能となり、トランジスタの移動度を向上させることができるようになる。
本発明の半導体装置に係る一実施の形態を、図1の概略構成断面図によって説明する。ここでは、一例として、pMOSFETについて説明する。
図1に示すように、半導体基板10に素子分離領域12が形成されている。上記半導体基板10には、例えばシリコン基板(比抵抗>10mΩ・cm)を用いることができる。上記半導体基板10の素子形成領域のpMOSFET形成領域にはp型不純物をドーピングしてなるnウエル13が形成されている。なお、nMOSFETの形成領域にはpウエルが形成される。
素子分離領域12に分離された半導体基板10の素子形成領域上にはゲート絶縁膜16を介してゲート電極21が形成されている。、または、上記半導体基板の代わりにSOI(Silicon on insulator)基板やシリコンゲルマニウム(SiGe)層を含む基板を用いることもできる。上記ゲート絶縁膜16は、例えば、電源電圧1.0V用のトランジスタでは1.2nm〜1.8nmの膜厚とし、例えば、電源電圧3.3V用のトランジスタでは例えば7.5nm、2.5V用のトランジスタでは例えば5.5nmとする。上記ゲート絶縁膜16には、例えば、熱酸化膜、RTO(Rapid Thermal Oxidation)を用いた酸窒化膜等を用いることができる。また、ゲートリークをさらに低減するために、上記ゲート絶縁膜16には高誘電体膜を用いることもできる。この高誘電体膜としては、ハフニウム(Hf)系酸化膜やジルコニウム(Zr)系酸化膜を用いることができる。
上記ゲート電極21は、例えばポリシリコンで形成されている。この膜厚は、技術ノードにもよるが、90nmノードでは、150nm〜200nmである。また、膜厚は、加工の制御性から一般にゲートアスペクト比を大きくしないため、ノード毎に薄くなる傾向がある。ゲート空乏化(ゲート酸化膜厚薄膜化に伴い、物理的なゲート酸化膜厚だけでなくゲートポリシリコン内の空乏層膜厚の影響が無視できなくなる。実効的なゲート膜厚が薄くならず、トランジスタ性能が落ちてしまう問題)の対策として、ポリシリコンの代わりにシリコンゲルマニウム(SiGe)を用いてもよい。またフルシリサイドや金属ゲートを用いてもよい。上記ゲート電極16は、pMOSFETではp型とし、nMOSFETではn型としている。
上記ゲート電極21の側壁に、オフセットスペーサ22が形成されている。このオフセットスペーサ22は、例えば窒化シリコン(Si3N4)膜で形成される。このオフセットスペーサ22をゲート側壁に設けることにより、実効チャネル長を長くし、短チャネル効果を抑制する効果が得られる。またゲート電極21の両側における半導体基板10にはn型のポケット領域23、24が形成されている。
上記ゲート電極21の両側には、オフセットスペーサ22を介して第1サイドウォール27、第2サイドウォール28が形成されている。上記第1サイドウォール27は、例えばオフセットスペーサ22とは異なる材質の膜、例えば酸化膜で、例えば10nm以下の膜厚に形成されている。また第2サイドウォール28は、第1サイドウォール27とは異なる材質の膜、例えば窒化膜で、例えば50nm以下の厚さに形成されている。サイドウォールの構造として、上記のように、酸化膜を例えば酸化シリコン(SiO2)で形成し、窒化膜を窒化シリコン(Si3N4)で形成する2層構造の他に、酸化シリコン(SiO2)/窒化シリコン(Si3N4)/酸化シリコン(SiO2)の3層構造としてもよい。
上記ゲート電極21の両側で、上記オフセットスペーサ22、第1サイドウォール27、第2サイドウォール28を介した半導体基板10には、リセス(後退)領域29、30が形成されていて、さらに、第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27が除去されて第2サイドウォール28の下部に除去領域31、32が形成されている。上記リセス領域29、30の深さは、例えば150nm程度とする。このエッチング深さと後の工程の熱処理により、ソース・ドレイン(Deepソース・ドレイン)の接合深さが決まる。したがって、技術ノードが進むと、微細化が進み、そのエッチング深さは浅くなる方向になる。
上記リセス領域29、30および除去領域31、32の各内部にエピタキシャル成長層が形成され、リセス領域29、30に形成されたエピタキシャル成長層がソース・ドレイン33、34を構成し、除去領域31、32に形成されたエピタキシャル成長層がエクステンション領域35、36を構成している。また、ソース・ドレイン領域33、34およびエクステンション領域35、36は、実線で示す領域にシリコンゲルマニウム(SiGe)層が形成され、このSiGe層からさらに2点鎖線で示す領域までp型不純物(例えばホウ素(B))が拡散されている。上記エピタキシャル成長層は、例えばホウ素ドープトシリコンまたはホウ素ドープトシリコンゲルマニウムをエピタキシャル成長させて形成されている。一方、本発明の構成をnMOSFETに適用した場合、リンドープトシリコン、リンドープト炭化シリコンで形成されている。シリコンゲルマニウム中のボロンまたは炭化シリコン中のリンの不純物は、オフセットスペーサとゲート電極エッジまで少なくても拡散するように活性化アニール等で調整されている。
上記ゲート電極21上にはシリサイド層37、ソース・ドレイン33、34上にはシリサイド層38、39が形成されている。上記シリサイドは、コバルトシリサイド(CoSi2)、ニッケルシリサイド(NiSi)、チタンシリサイド(TiSi2)、白金シリサイド(PtSi)、タングステンシリサイド(WSi2)などで形成される。
さらに、全面に、応力を有する応力膜71が例えば窒化膜で形成されている。この応力膜71は、上記除去領域31、32を形成する際に生じる第1サイドウォール27の上部のくぼみを埋め込むように形成されている。ただし、応力膜の成膜方法によっては、このくぼみに応力膜71が完全に埋まらない場合もある。この応力膜71が窒化膜で形成されている場合の膜厚は、例えば5nm〜100nmとする。このように、半導体装置1が構成されている。
上記半導体装置1では、第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27が除去された除去領域31、32にエピタキシャル成長層でエクステンション領域35、36が形成されているため、エクステンション領域35、36の膜厚を第1サイドウォール27の膜厚で制御することができる。このため、エクステンション領域35、36の膜厚ばらつきが小さくなるので、半導体装置1の特性ばらつきを小さくできるという利点がある。これは、第1サイドウォール27をCVD法等の成膜方法により酸化シリコンで形成しているため、通常のエピタキシャル成長膜の膜厚ばらつきより、酸化シリコン膜厚の制御性が良いためである。またソース・ドレイン33、34上の膜厚ばらつきは、低抵抗のシリサイド層38、39が形成されているため、特性に及ぼす膜厚ばらつきの影響は小さくなる。また、エクステンション領域35、36がせり上げて作製されているので、エクステンション領域35、36が浅く形成されるため、短チャネル効果を抑制できる。
また、pMOSFETの場合、チャネルに近いエクステンション領域35、36にシリコンゲルマニウム層を形成できるため、圧縮応力をより大きくできるので、移動度をさらに改善できる。または、nMOSFETの場合、チャネルに近いエクステンション領域35、36に炭化シリコン(SiC)層を形成できるため、引張応力をより大きくできるので、移動度をさらに改善できる。さらに、エクステンション領域35、36が形成される領域をドライエッチングにより後退(リセス)させて形成されないため、エッチングダメージによる接合リーク悪化、ゲート酸化膜の信頼性悪化が抑制できる。
また、エピタキシャル成長層でソース・ドレイン33、34とエクステンション領域35、36とが形成されているので、ソース・ドレイン33、34とエクステンション領域35、36とを同時に形成することができるという利点があり、工程数を短縮したプロセスで形成できるものとなる。また、第2サイドウォール48に膜応力の大きな膜を用いることで、エクステンション領域35、36に大きな膜応力をかけることが可能となり、トランジスタの移動度の向上を図ることができるようになる。上記説明したように、チャネルに近いエクステンション領域35、36にシリコンゲルマニウム層を形成できること、応力膜71に膜応力の大きな膜を用いることで、エクステンション領域35、36に大きな膜応力をかけることが可能となることにより、相乗的に応力を大きくし、移動度を大きくできる効果がある。
また、第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27が除去されているため、オフセットスペーサ22と第2サイドウォール28との間の第1サイドウォール27上部もエッチングされる。横方向はオフセットスペーサ22でエッチングが停止されるが、第1サイドウォール27上部はエッチングが停止されないため、本構造を採用するとy≧xとなる。xは第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27のエッチング長さであり、yは第1サイドウォール27の深さ方向のエッチング長さである。このような構造では、トランジスタ上は層間絶縁膜72が形成されるため、縦構造で2種類以上の絶縁膜が形成される構造となる。MOSFETの移動度を改善するために応力膜71に膜応力の高い膜を用いるためにゲート電極21付近に対して剥れが発生し易くなる。剥れが発生すると異物が増え、歩留まりの低下を招く。また、剥れにより適切な応力がチャネル領域に印加されず、移動度が逆に低下する場合も考えられる。応力膜71が第1サイドウォール27上部の窪み内部にも形成されることで、ゲート電極21周りにおける応力膜71の接触面積が増加するために、膜応力の高い応力膜71の膜剥れが抑制され、歩留まりの向上、特性ばらつきの低減が図れる。また、膜剥れマージンが改善されることにより、応力膜71にさらに膜応力の大きい絶縁膜を使うことができるようになり、トランジスタの移動度の向上が図れる。
次に、本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態を、図2〜図19の製造工程断面図によって説明する。ここでは、同一半導体基板にnMOSFETとpMOSFETとを形成し、本発明の構造をPMOSFETに適用した場合を説明する。
図2に示すように、半導体基板10を用意する。この半導体基板10には、例えばシリコン基板(比抵抗>10mΩ・cm)を用いることができ、または、SOI(Silicon on insulator)基板やシリコンゲルマニウム(SiGe)層を含む基板を用いることもできる。
まず、熱酸化により、上記半導体基板10表面にパッド酸化膜61を形成する。このパッド酸化膜61は、例えば15nmの厚さに形成される。次に、LP−CVD(Low Pressure CVD)法により、パッド酸化膜61上にマスク層62を形成する。このマスク層62は、例えば窒化シリコンを、例えば160nmの厚さに堆積して形成する。図示では、マスク層62/パッド酸化膜61の構造であるが、マスク層62/ポリシリコン層もしくはアモルファスシリコン(a−Si)層/パッド酸化膜61のような積層構造としても良い。
次に、図3に示すように、レジスト塗布、リソグラフィ技術によりレジストマスク(図示せず)を形成した後、エッチングを行い、マスク層62、パッド酸化膜61を加工して、開口部63を形成する。このエッチングでは、例えば反応性イオンエッチング(以下、RIEという、RIE:Reactive Ion Etching)装置または電子サイクロトロン共鳴(以下ECRという、ECR:Electron Cyclotron Resonance)装置等を用いることができる。このエッチング加工後、アッシングによりレジストを除去する。
次に、図4に示すように、次にマスク層62を用いて、トレンチエッチングを行い、半導体基板10にトレンチ64を形成する。このエッチングには、RIE装置またはECRエッチング装置などを用いる。トレンチ64の深さは、例えば0.3μmとした。次に、800℃〜900℃で、ライナー酸化膜用の熱酸化を行い、トレンチ64の内壁に酸化膜からなるライナー膜65を形成する。このライナー膜65は、窒素を含んだ酸化膜、もしくはCVD窒化膜としてもよい。このライナー膜の膜厚は、例えば4nm〜10nmとした。
次に、図5に示すように、上記トレンチ64の内部を埋め込むように上記マスク層62上にトレンチ素子分離を形成するための絶縁膜66を形成する。この成膜では、例えば高密度プラズマ(HDP:High Density Plasma)CVD法を用い、例えば酸化シリコンを堆積して上記絶縁膜66(図面では前記ライナー膜65も含めて絶縁膜66として図示した)を形成する。この絶縁膜66は、SOG(Spin on Glass)などの無機または有機酸化膜を用いることができる。次に、化学的機械研磨(以下、CMPという、CMP:Chemical Mechanical Polishing)を行う。このCMPでは窒化膜からなるマスク層62が研磨ストッパとなる。このようにして、絶縁膜66からなる素子分離領域12が形成される。
次に、図6に示すように、半導体基板10表面からの素子分離領域12の段差を調整するために、酸化膜ウエットエッチングを行う。酸化膜エッチング量は、膜厚にして40nm〜100nmとした。次にホット燐酸により、窒化膜からなるマスク層62(前記図5参照)を除去する。
次に、図7に示すように、pMOSFETの形成領域を被覆するマスク(例えばレジストマスク)(図示せず)を形成した後、半導体基板10のnMOSFET形成領域にp型不純物をドーピングして、pウエル13を形成する。このドーピングは、例えばイオン注入により、不純物にホウ素(B)を用い、注入エネルギーを例えば200keV、ドーズ量を例えば1×1013cm-2に設定して行う。次いで、チャネル注入を行う。不純物にホウ素(B)を用い、注入エネルギーを例えば10keV〜20keV、ドーズ量を例えば1×1011cm-2〜2×1013cm-2に設定して行う。
上記マスクを剥離した後、新たにnMOSFETの形成領域を被覆するマスク(例えばレジストマスク)(図示せず)を形成した後、半導体基板10のpMOSFET形成領域にn型不純物をドーピングして、nウエル14を形成する。このドーピングは、例えばイオン注入により、不純物にリン(P)を用い、注入エネルギーを例えば20keV、ドーズ量を例えば1×1013cm-2に設定して行う。次いで、チャネル注入を行う。不純物にヒ素(As)を用い、注入エネルギーを例えば10keV〜20keV、ドーズ量を例えば1×1011cm-2〜2×1013cm-2に設定して行う。その後、レジストからなるマスクを除去する。
次に、図8に示すように、パッド酸化膜61(前記図2参照)をウエットエッチングにより除去する。
次いで、厚膜のゲート絶縁膜15を形成する。例えば、厚膜のゲート絶縁膜15の膜厚は、例えば、電源電圧3.3V用のトランジスタで7.5nm、2.5V用のトランジスタで5.5nmである。
次いで、厚膜のゲート絶縁膜15を形成する領域にマスク(図示せず)を形成する。このマスクは、レジスト塗布、リソグラフィ技術により形成される。そのマスクを用いて、薄膜のゲート絶縁膜を形成する領域の上記厚膜のゲート絶縁膜15を除去する。さらに、上記マスクを除去する。その後、薄膜のゲート絶縁膜16を形成する。この薄膜のゲート絶縁膜16の膜厚は、例えば、電源電圧1.0V用のトランジスタで、1.2nm〜1.8nmである。上記ゲート絶縁膜15、16には、例えば、熱酸化膜、RTO(Rapid Thermal Oxidation)を用いた酸窒化膜等を用いることができる。また、ゲートリークをさらに低減するために、上記ゲート絶縁膜15、16には高誘電体膜を用いることもできる。この高誘電体膜としては、ハフニウム(Hf)系酸化膜やジルコニウム(Zr)系酸化膜を用いることができる。
なお、図面では、nMOSFETが形成されるpウエル13上に厚膜のゲート絶縁膜が形成され、pMOSFETが形成されるnウエル14上に薄膜のゲート絶縁膜が形成されているが、別のnMOSFETが形成されるpウエル13上には薄膜のゲート絶縁膜が形成され、別のpMOSFETが形成されるnウエル14上には厚膜のゲート絶縁膜が形成されている。
次に、図9に示すように、上記ゲート絶縁膜15、16上に、ゲート電極形成膜67を形成する。このゲート電極形成膜67は、例えばLP−CVD法により、例えばポリシリコンを堆積して形成する。この堆積膜厚は、技術ノードにもよるが、90nmノードでは、150nm〜200nmである。また、膜厚は、加工の制御性から一般にゲートアスペクト比を大きくしないため、ノード毎に薄くなる傾向がある。ゲート空乏化の対策として、ポリシリコンの代わりにシリコンゲルマニウム(SiGe)を用いてもよい。またフルシリサイドや金属ゲートを用いてもよい。
次いで、レジスト塗布、リソグラフィ技術により、pMOSFETの形成領域を被覆するレジストマスクを形成し、nMOSFETの形成領域に、リン(P)またはヒ素(As)をドーピングしてn型とする。また、レジスト塗布、リソグラフィ技術により、nMOSFETの形成領域を被覆するレジストマスクを形成し、pMOSFETの形成領域に、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF2)またはインジウムをドーピングしてp型とする。ここでは、イオン注入を用いることができる。このときの注入量は、例えば1×1015cm-2〜1×1016cm-2である。また、上記ドーピング不純物がゲート絶縁膜直下を突き抜けるのを防ぐために、窒素(N2)の注入を組み合わせても良い。
次に、ゲート電極形成膜67上に、ゲート加工時のマスクとなる絶縁膜68を形成する。この絶縁膜68は、例えば酸化膜または窒化膜などが用いられる。膜厚は例えば10nm〜100nmとする。
次に、図10に示すように、レジスト塗布、リソグラフィ技術により、レジストマスク(図示せず)を形成した後、ドライエッチング技術(例えばRIE)により、上記絶縁膜68を加工する。その後、上記レジストマスクを除去する。さらに、絶縁膜68をエッチングマスクに用いて、ドライエッチング(例えばRIE)により、ゲート電極形成を加工してゲート電極21、41を形成する。その際、ゲート絶縁膜15、16も加工される。
次に、ゲート電極21、41の側壁にオフセットスペーサ22、42を形成する。このオフセットスペーサ22、42は、ゲート電極21、41を被覆するように、例えば窒化シリコン(Si3N4)膜を形成した後、RIEによりエッチバックして形成される。このとき、ゲート電極21、41上には絶縁膜68が形成されている。上記オフセットスペーサ22、42をゲート側壁に設けることにより、実効チャネル長を長くし、短チャネル効果を抑制する効果が得られる。また、本発明では、後に説明するサイドウォールのウエットエッチにおけるエッチストッパとして働く。また、オフセットスペーサ22、42を形成する前に、急速熱酸化(RTO)などでゲート電極21、41の側壁を再酸化しておいてもよい。この工程は、寄生容量であるゲートオーバーラップ容量を低減する効果がある。
次に、図11に示すように、レジスト塗布、リソグラフィ技術によって、nMOSFETの形成領域をマスクするレジストマスク(図示せず)を形成し、ポケットイオン注入により、ゲート電極21の両側における半導体基板10にポケット領域23、24を形成する。pMOSFET領域のポケットイオン注入は、注入不純物にヒ素(As)またはリン(P)を用い、注入濃度を、例えば1×1012cm-2〜2×1014cm-2とする。次いで、上記レジストマスクを除去する。なお、pMOSFETに本発明の構造を採用しない場合は、エクステンション領域をイオン注入で形成する。この場合には、二フッ化ホウ素(BF2)またはホウ素(B)またはインジウム(In)を用い、注入濃度を、例えば1×1014cm-2〜2×1015cm-2とする。また、本発明のエピタキシャル成長によるエクステンション領域の拡散層は、最終的には活性化アニールにより、チャネルとオーバーラップさせるために少なくてもオフセットスペーサ22下にまで拡散しなければならない(チャネルとエクステンション接続部の抵抗が非常に高くなるのを抑制するため。)。しかしながら、活性化アニール温度を比較的高くできない場合は、工程数の削減メリットが失うものの、イオン注入による形成とエピタキシャル成長によるエクステンション形成を組み合わせても良い。イオン注入のみによるエクステンション領域形成と比較して、チャネル部とオーバーラップするために必要な最小限のドーズ量で済むので、イオン注入による形成とエピタキシャル成長によるエクステンション形成を組み合わせた場合でも短チャネル効果の悪化は最小限に抑えることができる。
また、レジスト塗布、リソグラフィ技術によって、pMOSFETの形成領域をマスクするレジストマスク(図示せず)を形成し、ポケットイオン注入により、ゲート電極41の両側における半導体基板10にポケット領域43、44を形成する。nMOSFET領域のポケットイオン注入は、注入不純物に二フッ化ホウ素(BF2)またはホウ素(B)またはインジウム(In)を用い、注入濃度を、例えば1×1012cm-2〜1×1014cm-2とする。
さらに、イオン注入を行い、上記ポケット領域43、44の上部領域にエクステンション領域45、46を形成する。このイオン注入は、注入不純物にヒ素(As)を用い、注入濃度を、例えば1×1014cm-2〜2×1015cm-2である。なお、nMOSFETに本発明の構造を採用する場合は、このエクステンション領域を形成するイオン注入工程は省略することとなる。但し、本発明のエピタキシャル成長によるエクステンション領域45,46の拡散層は、最終的には活性化アニールにより、チャネルとオーバーラップさせるために少なくてもオフセットスペーサ42下にまで拡散しなければならない(チャネルとエクステンション接続部の抵抗が非常に高くなるのを抑制するため。)。しかしながら、活性化アニール温度を比較的高くできない場合は、工程数の削減メリットが失うものの、イオン注入による形成とエピタキシャル成長によるエクステンション形成を組み合わせても良い。イオン注入のみによるエクステンション領域形成と比較して、チャネル部とオーバーラップするために必要な最小限のドーズ量で済むので、イオン注入による形成とエピタキシャル成長によるエクステンション形成を組み合わせた場合でも短チャネル効果の悪化は最小限に抑えることができる。また、nMOSFET、pMOSFETの各ポケット注入前に、注入のチャネリング抑制技術として、ゲルマニウム(Ge)を注入することなどでプリアモルファス化を行ってもよい。また、上記ポケット領域43、44、エクステンション領域45、46のゲート電極41側への入り込み量は、イオン注入角度等により、適宜制御される。同様に、上記ポケット領域23、24のゲート電極21側への入り込み量は、イオン注入角度等により、適宜制御される。
上記エクステンション領域45、46を形成した後、TED(Transient Enhanced Diffusion)などを引き起こす注入欠陥を小さくするために、800℃〜900℃程度のRTA(Rapid Thermal Annealing)処理を追加してもよい。
次に、図12に示すように、化学的気相成長(以下、CVDと略記する)法を用いて第1サイドウォール形成膜、第2サイドウォール形成膜を形成する。第1サイドウォール形成膜は、例えば前記オフセットスペーサ22、42とは異なる材質の膜、例えば酸化膜で、例えば10nm以下の膜厚に形成される。また第2サイドウォール形成膜は、第1サイドウォール形成膜とは異なる材質の膜、例えば窒化膜で、例えば50nm以下の厚さに形成される。その後、エッチバックにより、第2サイドウォール形成膜を加工して第2サイドウォール28、48を形成し、第1サイドウォール形成膜を加工して第1サイドウォール27、47を形成する。サイドウォールの構造として、上記のように、酸化膜を例えば酸化シリコン(SiO2)で形成し、窒化膜を窒化シリコン(Si3N4)で形成する2層構造の他に、酸化シリコン(SiO2)/窒化シリコン(Si3N4)/酸化シリコン(SiO2)の3層構造としてもよい。
次に、図13に示すように、エピタキシャル成長を防止するエピブロック膜69を形成する。このエピブロック膜69は、例えばpMOSFETのみ本発明の構造を採用する場合は、酸化膜を全面に形成した後、リソグラフィ技術によりnMOSFETの形成領域を被覆するようにレジストマスク70を形成し、nMOSFETの形成領域に酸化膜を残すようにRIE等でpMOSFETの形成領域のソース・ドレイン上に形成された酸化膜を除去加工して形成する。なお、NMOSFETに本発明の構造を採用する場合は、逆にnMOSFETの形成領域におけるソース・ドレイン上の酸化膜を除去すれば良い。
次に、図14に示すように、pMOSFETの形成領域の半導体基板10をエッチングして、ソース・ドレインが形成されるリセス(後退)領域29、30を形成する。このエッチングには、例えばRIE等を用いる。エッチング深さは、例えば150nm程度とする。このエッチング深さと後の工程の熱処理により、ソース・ドレイン(Deepソース・ドレイン)の接合深さが決まる。したがって、技術ノードが進むと、微細化が進み、そのエッチング深さは浅くなる方向になる。次に、第2サイドウォール28直下の酸化シリコン(SiO2)からなる第1サイドウォール27をウエットエッチングによって除去して、第2サイドウォール28の下部に除去領域31、32を形成する。このウエットエッチングでは、第1サイドウォール27の上部もエッチングされて除去される。次いで、アッシング等によりレジストマスク70(前記図13参照)を除去する。
次に、図15に示すように、上記リセス領域29、30および除去領域31、32の各内部にエピタキシャル成長層を形成する。したがって、リセス領域29、30に形成されたエピタキシャル成長層がソース・ドレイン33、34となり、除去領域31、32に形成されたエピタキシャル成長層がエクステンション領域35、36となる。上記エピタキシャル成長層は、例えばホウ素ドープトシリコンまたはホウ素ドープトシリコンゲルマニウムをエピタキシャル成長させて形成する。ホウ素ドープトシリコンの場合は、成膜温度を600℃〜800℃とし、原料ガスに、モノシラン(SiH4)、ジボラン(B2H6)、塩化水素(HCl)等を用いる。ホウ素ドープトシリコンゲルマニウムの場合は、成膜温度を600℃〜800℃とし、原料ガスに、ジクロロシラン(Si2H2Cl2)、ジボラン(B2H6、塩化水素(HCl)、水素(H2)等を用いる。一方、本発明の構成をnMOSFETに適用した場合で、リンドープトシリコンを成長させる場合には、成膜温度を600℃〜800℃に設定し、原料ガスに、モノシラン(SiH4)、ホスフィン(PH3)、塩化水素(HCl)等を用いる。またリンドープト炭化シリコンを成長させる場合には、成膜温度を600℃〜800℃に設定し、原料ガスに、モノシラン(SiH4)、プロパン(C3H8)、ホスフィン(PH3)、塩化水素(HCl)等を用いる。
次に、図16に示すように、レジスト塗布、リソグラフィ技術によって、pMOSFETの形成領域をマスクするレジストマスク(図示せず)を形成し、nMOSFETのエピブロック膜69をエッチバックして、第2サイドウォール48の側壁にのみ残す。次いで、nMOSFETのソース・ドレイン49、50を形成する。このソース・ドレイン49、50は、例えばイオン注入法により、ヒ素(As)またはリン(P)を、1×1015cm-2〜1×1016cm-2の濃度になるようにイオン注入する。nMOSFETに本発明の構造を採用すると、pMOSFETのソース・ドレイン(Deepソース・ドレイン)を形成するためのイオン注入を行う必要がある。この場合には、pMOSFETの形成領域に、ホウ素(B)または二フッ化ホウ素(BF2)を注入し、1×1015cm-2〜1×1016cm-2の濃度になるようにイオン注入する。次に、例えば800℃〜1100℃で、活性化アニールを行う。この活性化アニールでは、RTA(Rapid Thermal Annealing)、スパイクRTAなどを用いる。ゲート電圧を印加した時形成されるチャネルとエピタキシャル成長によるエクステンション領域の拡散層の不純物プロファイル(pMOSFETの場合は、ホウ素(B)、nMOSFETの場合はリン(P))がオーバーラップするように、この活性化アニール温度を調整する。この場合シリコンゲルマニウム(SiGe)中のゲルマニウム、炭化シリコン(SiC中の炭素(C)は、ほとんど拡散しない。
図17に示すように、ゲート電極21、41上の絶縁膜68(前記図10参照)を除去する。この除去加工には、ウエットエッチングを用いる。次に、各ゲート電極21、41上のそれぞれにシリサイド層37、53、ソース・ドレイン33、34上のそれぞれにシリサイド層38、39、ソース・ドレイン49、50上のそれぞれにシリサイド層54、55を形成する。上記シリサイドは、コバルトシリサイド(CoSi2)、ニッケルシリサイド(NiSi)、チタンシリサイド(TiSi2)、白金シリサイド(PtSi)、タングステンシリサイド(WSi2)などで形成される。このとき、ソース・ドレイン領域33、34およびエクステンション領域35、36は、実線で示す領域にシリコンゲルマニウム(SiGe)層が形成され、このSiGe層からさらに2点鎖線で示す領域までp型不純物(例えばホウ素(B))が拡散されている。
シリサイドの作製方法の一例として、ニッケルシリサイドを例に説明する。まずスパッタリングによってニッケル膜を例えば10nmの厚さに堆積する。そして約300℃〜400℃程度でアニールを行ってシリサイド化した後、未反応なニッケルをウエットエッチングにより除去する。このウエットエッチングによって、絶縁膜以外のシリコンまたはポリシリコン表面のみ、自己整合的にシリサイドが形成される。その後、500℃〜600℃程度でアニールを行う。次に減圧CVD(LPCVD)などを用い、応力膜71を例えば窒化膜で形成する。この窒化膜を窒化シリコンで形成した場合の膜厚は、例えば5nm〜100nmとする。なお、応力膜71をプラズマCVDで作製した場合、第1サイドウォール27上部の窪みを完全に埋め込むことができず、ボイド(空孔)ができる場合もある。したがって、応力膜71の成膜は減圧CVDが好ましい。
次に、図18に示すように、層間絶縁膜72を形成する。この層間絶縁膜72は、例えば化学的気相成長(CVD)法により酸化膜を堆積して形成される。この酸化膜は、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)膜、リンシリケートガラス(PSG)膜、ホウ素シリケートガラス(BPSG)膜、SOG(Spin on glass)膜などを用いることができる。その膜厚は、例えば100nm〜1000nmとする。次に化学的機械研磨(CMP)を行い、層間絶縁膜72の表面を平坦化する。
図19に示すように、レジスト塗布、リソグラフィ技術によって、接続孔を形成するためのレジストマスク(図示せず)を形成した後、例えばRIEによって、上記層間絶縁膜72に接続孔を形成する。その後、接続孔内にバリア層(図示せず)を形成する。このバリア層は、例えば、窒化チタン(TiN)/チタン(Ti)をスパッタリングまたはCVD法で堆積して形成される。次いで、接続孔内部を埋め込むように導電膜を堆積する。この導電膜には、例えばタングステン(W)を用いる。このタングステン膜はCVD法によって堆積して形成することができる。その膜厚は、接続孔の深さにもよるが、約100nm〜500nmである。次に、層間絶縁膜72上に堆積された余剰のタングステンを除去する。この除去加工には、例えば化学的機械研磨(CMP)を用いる。この結果、接続孔内部にのみタングステンが埋め込まれてコンタクト73、74、75が形成される。図面では、ソース・ドレイン49、33、34にシリサイド層54、38、39を介して接続するコンタクト73、74、75しか描かれていないが、ソース・ドレイン50、ゲート電極41、21にシリサイド層55、53、37を介して接続するコンタクトも形成されている。上記余剰なタングステンの除去加工は、CMPの代わりにエッチバック法を用いることもできる。次に、層間絶縁膜72上に配線形成層を形成した後、通常のパターニング技術によって、配線形成層を配線76、77、78に加工する。上記配線形成層には、例えばアルミニウム(Al)を用い、例えばスパッタリングによって形成する。また、上記配線76、77、78は、溝配線構造とし、アルミニウムより低抵抗である銅(Cu)を用いてもよい。
ここからの図示は省略するが、上記配線層は、2層、3層、4層…と多層化してもよい。
上記半導体装置の製造方法では、第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27を除去した除去領域31、32にエピタキシャル成長層でエクステンション領域35、36を形成するため、エクステンション領域35、36の膜厚を第1サイドウォール27の膜厚で制御することができる。このため、エクステンション領域35、36の膜厚ばらつきを小さくすることができるので、半導体装置1の特性ばらつきを小さくできるという利点がある。これは、第1サイドウォール47をCVD法等の成膜方法により酸化シリコンで形成するので、通常のエピタキシャル成長膜の膜厚ばらつきより、酸化シリコン膜厚の制御性が良いためである。またソース・ドレイン33、34上の膜厚ばらつきは、低抵抗のシリサイド層38、39を形成するため、特性に及ぼす膜厚ばらつきの影響は小さくなる。また、エクステンション領域35、36をせり上げて作製するので、エクステンション領域35、36が浅く形成されるため、短チャネル効果を抑制できる。
また、pMOSFETの場合、チャネルに近いエクステンション領域35、36にシリコンゲルマニウム層を形成することで圧縮応力をより大きくすることができるので、移動度をさらに改善することができる。または、nMOSFETの場合、チャネルに近いエクステンション領域35、36に炭化シリコン(SiC)層を形成することで引張応力をより大きくできるので、移動度をさらに改善することができる。さらに、エクステンション領域35、36が形成される領域をドライエッチングにより後退(リセス)して形成しないため、エッチングダメージによる接合リーク悪化、ゲート酸化膜の信頼性悪化が抑制できる。
また、エピタキシャル成長層でソース・ドレイン33、34とエクステンション領域35、36とを同時に形成するので、工程数の短縮ができる。また、応力膜71に膜応力の大きな膜を用いることで、エクステンション領域35、36に大きな膜応力をかけることが可能となり、トランジスタの移動度の向上が図れる。上記説明したように、チャネルに近いエクステンション領域35、36にシリコンゲルマニウム層を形成できること、応力膜71に膜応力の大きな膜を用いることで、エクステンション領域35、36に大きな膜応力をかけることが可能となることにより、相乗的に応力を大きくし、移動度を大きくできる効果がある。
また、オフセットスペーサ22は、第1サイドウォール27をウエットエッチするときのエッチングストッパとして働き、ゲート電極21のエッジ部分の酸化膜が侵食されるのを防ぐ。
また、第2サイドウォール28直下の第1サイドウォール27を除去する際に、オフセットスペーサ22と第2サイドウォール28との間の第1サイドウォール27上部も除去され、y≧xとなる。この構造では、トランジスタ上は層間絶縁膜72が形成されるため、縦構造で2種類以上の絶縁膜が形成される構造となる。そして応力膜71が第1サイドウォール27上部の窪みを埋め込むことにより、ゲート電極21周りにおける応力膜71の接触面積が増加するために、膜応力の高い応力膜71の膜はがれが抑制され、歩留まりの向上、特性ばらつきの低減が図れる。また、剥れマージンが改善することにより、さらに膜応力の大きい応力膜71が使えるようになり、トランジスタの移動度の向上が図れる。
1…半導体装置、10…半導体基板、16…ゲート絶縁膜、21…ゲート電極、27…第1サイドウォール、29,30…リセス領域、31,32…除去領域、33,34…ソース・ドレイン、35,36…エクステンション領域
Claims (9)
- 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極の側部および半導体基板上のゲート電極側に形成された第1サイドウォールと該第1サイドウォールを介して該ゲート電極の側部に形成された第2サイドウォールとを有し、
前記第2サイドウォール直下の前記第1サイドウォールが除去された領域および前記ゲート電極両側の前記第1、第2サイドウォールを介した半導体基板に形成されたリセス領域とに形成されたエピタキシャル成長層と、
前記ゲート電極、および前記第1,第2サイドウォールを被覆する応力を有する応力膜と
を備えたことを特徴とする半導体装置。 - 前記第1サイドウォールは前記第2サイドウォールをよりも低く形成され、
前記第2サイドウォールの膜厚をx、前記第2サイドウォールと前記第1サイドウォールとの高さの差をyとして、y≧xなる関係を満たす
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1サイドウォール絶縁膜と前記第2サイドウォール絶縁膜は異なる種類の絶縁膜からなる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記エピタキシャル成長層は、
前記リセス領域に形成された前記エピタキシャル成長層がソース・ドレインとなり、
前記第1サイドウォールが除去された領域に形成された前記エピタキシャル成長層がエクステンション領域となる
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 前記エピタキシャル成長層は、
nMOSFETでは引張応力を有する膜で形成され、
pMOSFETでは圧縮応力を有する膜で形成される
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。 - 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極の側部および半導体基板上のゲート電極側に第1サイドウォールを形成するとともに、該第1サイドウォールを介して該ゲート電極の側部に第2サイドウォールとを形成する工程と、
前記第1、第2サイドウォールを介した前記ゲート電極の両側の前記半導体基板を除去してリセス領域を形成する工程と、
前記第2サイドウォール直下の前記第1サイドウォールを除去する工程と、
前記リセス領域および前記第1サイドウォールを除去した領域にエピタキシャル成長層を形成する工程と、
前記ゲート電極、および前記第1,第2サイドウォールを被覆する応力を有する応力膜を形成する工程と
備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第2サイドウォール直下の前記第1サイドウォールを除去する工程で、
前記第2サイドウォールの膜厚をx、前記第2サイドウォールと前記第1サイドウォールとの高さの差をyとして、y≧xなる関係を満たすように、前記第1サイドウォールを前記第2サイドウォールよりも低く形成する
ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1サイドウォール絶縁膜は前記第2サイドウォール絶縁膜に対して選択的にエッチングされる絶縁膜で形成する
ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。 - 前記リセス領域に形成された前記エピタキシャル成長層でソース・ドレインを形成するとともに、
前記第1サイドウォールが除去された領域に形成された前記エピタキシャル成長層でエクステンション領域を形成する
ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
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JP2009088069A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Panasonic Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
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KR20170091983A (ko) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 삼성전자주식회사 | 반도체 장치 |
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