JP2014092865A - 情報処理装置及び情報処理方法、並びに制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】記憶部から読み出すべき情報を限られた時間内で確実に読み出すことができる、情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報を記憶する記憶部10を備え、前記記憶部10からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、前記記憶部10から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部20とを備える、情報処理装置。前記制御部20は、前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整すると好適である。
【選択図】図1
【解決手段】情報を記憶する記憶部10を備え、前記記憶部10からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、前記記憶部10から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部20とを備える、情報処理装置。前記制御部20は、前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整すると好適である。
【選択図】図1
Description
本発明は、記憶部から情報を読み出す、情報処理装置及び情報処理方法、並びに制御システムに関する。
特許文献1には、メモリから第1のデータを読み出すことを所定の周期内で許可する読み出し許可時間を前記周期内に割り当て、前記読み出し許可時間内に前記メモリから前記第1のデータを読み出すことを実行し、前記読み出し許可時間が割り当てられていない残りの時間内に前記メモリから第2のデータを読み出すことを実行する、メモリ制御装置が開示されている。
しかしながら、上述の従来技術は、第1のデータの読み出し許可時間が割り当てられていない残りの時間内に第2のデータを読み出すため、その残りの時間が短すぎると、第2のデータの読み出しに必要な時間を確保できないおそれがある。
本発明は、記憶部から読み出すべき情報を限られた時間内で確実に読み出すことができる、情報処理装置及び情報処理方法、並びに制御システムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部を備える、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部を備える、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出す制御部を備える、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出す制御部を備える、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整するステップとを有する、情報処理方法を提供するものである。
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整するステップとを有する、情報処理方法を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出すステップとを有する、情報処理方法を提供するものである。
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出すステップとを有する、情報処理方法を提供するものである。
本発明によれば、記憶部から読み出すべき情報を限られた時間内で確実に読み出すことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の一実施形態である情報処理装置1の構成を示したブロック図である。情報処理装置1は、記憶部10と、制御部20とを備えている。
情報処理装置1は、記憶部10からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する装置である。読み出し許容時間は、例えば、記憶部10からの情報の読み出しとは別の制御の処理時間に応じて随時変動する。
記憶部10は、所定の情報を記憶する手段である。記憶部10の好適な具体例として、半導体メモリが挙げられるが、記憶部10は、半導体メモリ以外の記憶装置でもよい。半導体メモリの具体例として、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)が挙げられる。また、記憶部10は、EEPROM以外の不揮発性メモリ(例えば、MRAM(磁気抵抗メモリ),FeRAM(強誘電体メモリ))でもよいし、RAM等の揮発性メモリでもよい。
制御部20は、記憶部10から読み出すべき情報の優先度と、記憶部10からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間とに応じて、記憶部10から読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する手段である。制御部20の具体例として、CPUを備えたマイクロコンピュータが挙げられる。記憶部10から読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間とは、記憶部10から読み出すべき情報を記憶部10から読み出すことに単位データ量当たりに費やす時間である。その単位は、例えば、「秒/ビット」である。
以下、記憶部10から読み出すべき情報を「読み出し必要情報Ds」といい、記憶部10からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を「読み出し許容時間Tp」といい、記憶部10から読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を「単位読み出し消費時間Tu」といい、記憶部10から読み出すべき情報の全ての読み出しに費やす読み出し時間を「総読み出し消費時間Ts」という。また、読み出し必要情報Dsの優先度は、例えば、読み出し必要情報Dsの重要度に応じて決定されるとよい。
このような情報処理装置1によれば、単位読み出し消費時間Tuの動的な調整により総読み出し消費時間Tsを動的に調整できるので、読み出し必要情報Dsのデータ量が記憶部10からの読み出しを行うごとに異なっても、読み出し必要情報Dsを読み出し許容時間Tp内に確実に読み出すことができる。特に、読み出し必要情報Dsのそれぞれに付与された優先度を単位読み出し消費時間Tuの調整に加味できるので、読み出し必要情報Dsを、それぞれの優先度に適した単位読み出し消費時間Tuで、読み出し許容時間Tp内に読み出すことができる。制御部20は、例えば、読み出し必要情報Dsを読み出し許容時間Tp内に全て読み出せるように、単位読み出し消費時間Tuを読み出し必要情報Dsの優先度に応じて調整すると好適である。
また、制御部20は、読み出し必要情報Dsを読み出し許容時間Tp内に全て読み出せるように、読み出し必要情報Dsをそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出してもよい。このような情報処理装置1によれば、読み出し必要情報Dsを、それぞれの優先度に適した読み出し方式で、読み出し許容時間Tp内に確実に読み出すことができる。
図2は、一般的な読み出し方式の種類を示した一覧である。一般に、メモリから情報(データ)を読み出す際には、3面多数決、ミラーリング、サムチェックなどのデータ保証が実施される。
3面多数決は、例えば、3つの同一データをメモリに予め格納しておき、メモリから読み出した3つのデータのうち多い方の同一データを採用する読み出し方式である。ミラーリングは、例えば、2つの同一データをメモリに予め格納しておき、メモリから読み出した2つのデータが一致する場合、その読み出したデータを採用し、一致しない場合、予め用意されたフェールセーフ値を採用する読み出し方式である。サムチェックは、例えば、メモリに格納されるデータの最下位ビット値の合計値をメモリに予め格納しておき、メモリから読み出した後のデータについて最下位ビット値の合計を算出した値が、メモリに予め格納された合計値に一致する場合、その読み出したデータを採用し、一致しない場合、予め用意されたフェールセーフ値を採用する読み出し方式である。
このようなデータ保証が実施されるのは、データが意図せぬものに変化(データ化け)した場合の対策である。ところが、データ保証の安全性が高い読み出し方式ほど、メモリへのアクセス時間が延びる傾向がある。
図2に例示した読み出し方式の場合、3面多数決、ミラーリング、サムチェックの順番で、データ保証の安全性が高い反面、メモリからのデータの読み出し所要時間が長くなる。したがって、読み出し許容時間Tpが短いにもかかわらず、全ての読み出し必要情報Dsをデータ保証の安全性が高い読み出し方式で読み出そうとすると、全ての読み出し必要情報Dsを読み出すことが、読み出し許容時間Tp内に終了しないおそれがある。
そこで、制御部20は、読み出し必要情報Dsの優先度と読み出し許容時間Tpの長さとに応じて予め決められた読み出し方式で、読み出し必要情報Dsを記憶部10から読み出す。例えば、読み出し許容時間Tpの長さに応じて、読み出し必要情報Dsの読み出し方式を優先度毎に変化させるとよい。具体例として、読み出し許容時間Tpの長さが短い場合、長い場合よりも、優先度に応じて決められた読み出し所要時間の短い読み出し方式で、読み出し必要情報Dsを読み出せばよい。これにより、総読み出し消費時間Tsが読み出し許容時間Tp内に収まるように、読み出し必要情報Dsの優先度に応じて、単位読み出し消費時間Tuを読み出し必要情報Ds毎に調整できる。
図3は、読み出し必要情報Ds(4つのデータA,B,C,D)の優先度と読み出し方式との対応関係の一例を示した表である。図3の例では、読み出し許容時間Tpが長いとき、パターン1の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出し、読み出し許容時間Tpが短いとき、パターン2の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出すことを表している。
図4は、図3の対応関係に従って情報処理装置1によって実行される情報処理方法の一例を示したフローチャートである。
ステップS10において、制御部20は、読み出し許容時間Tpを算出する。次のステップS12において、制御部20は、読み出し必要情報Dsの全てを記憶部10から読み出すのに必要な総読み出し所要時間Tnを算出する。ここで、読み出し許容時間Tpと総読み出し所要時間Tnの少なくとも一方は、制御部20以外の他の算出部によって算出されて、制御部20が、当該他の算出部によって算出された時間を取得してもよい。また、ステップS10とステップS12の順番は逆でもよい。
制御部20は、総読み出し所要時間Tnと読み出し許容時間Tpとを比較し(ステップS14)、読み出し許容時間Tpが総読み出し所要時間Tn以上である場合、読み出し許容時間Tpに余裕があるとして、ステップS16の処理を実行する。ステップS16では、制御部20は、図3のパターン1の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出すことで、単位読み出し消費時間Tu及び総読み出し消費時間Tsを調整する。
一方、ステップS14において、制御部20は、読み出し許容時間Tpが総読み出し所要時間Tn未満である場合、図3のパターン1の読み出し方式では、読み出し許容時間Tp内に読み出し必要情報Dsを全て読み出すことができないとして、ステップS18の処理を実行する。ステップS18では、制御部20は、読み出し所要時間の短い図3のパターン2の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出すことで、単位読み出し消費時間Tu及び総読み出し消費時間Tsを調整する。
制御部20によってこのような制御が実行されることにより、読み出し必要情報Dsの読み出し方式を、読み出し許容時間Tp内に全て読み出し可能な方式に、読み出し許容時間Tpの長さに応じて、変更できる。その結果、読み出し時間確保とデータ保証の安全性確保とを最適なバランスで実施できる。
図5は、単位読み出し消費時間Tu及び総読み出し消費時間Tsの調整方法の一例を説明するための図である。いま、情報A,B,Cを、読み出し必要情報Dsであるとする。情報Aの読み出しに必要な読み出し所要時間をTnAとし、情報Bの読み出しに必要な読み出し所要時間をTnBとし、情報Cの読み出しに必要な読み出し所要時間をTnCとする。総読み出し所要時間Tnは、TnA,TnB,TnCの和で表される。
図3に示されるように、総読み出し所要時間Tnが読み出し許容時間Tpを超えたまま情報A,B,Cを読み出すと、情報A,B,Cの読み出しに実際に費やされる時間は、読み出し許容時間Tpを超えてしまう。そこで、制御部20は、情報Cの読み出しに費やす読み出し時間を読み出し方式の変更により短縮することで、情報Cについての単位読み出し消費時間Tuを短縮でき、情報A,B,Cの読み出しに費やす総読み出し消費時間Tsを読み出し許容時間Tp内に抑えることができる。
総読み出し所要時間Tnが読み出し許容時間Tpを超える場合として、例えば、記憶部10から読み出すべき情報の総データ量が増える場合、読み出し許容時間Tpが短縮する場合が挙げられる。記憶部10から読み出すべき情報の総データ量の増減又は読み出し許容時間Tpの増減は、例えば、制御部20の制御状態に応じて動的に変化する。
なお、図5の場合では、情報Cについての単位読み出し消費時間Tuを短縮することにより情報Cの読み出しに費やす読み出し時間を短縮したが、情報C以外の他の情報A,Bについての単位読み出し消費時間Tuを短縮することにより情報A,Bの読み出しに費やす読み出し時間を短縮してもよい。また、総読み出し消費時間Tsは、読み出し許容時間Tpよりも短くてもよいし、等しくてもよい。
このように、読み出し必要情報Dsの単位読み出し消費時間Tuの調整により総読み出し消費時間Tsを調整できるので、読み出し許容時間Tpを超えないように読み出し必要情報Dsを全て読み出すことができる。
読み出し必要情報Dsの読み出しに費やす読み出し時間は、読み出し必要情報Dsの読み出し開始から読み出し完了までの時間である。例えば、制御部20からの読み出し指令を受信した記憶部10が、その読み出し指令に従って情報を出力し始めてから、その出力が完了するまでの時間である。
ここで、制御部20は、読み出し必要情報Dsの中で他の情報よりも低優先度の情報について、単位読み出し消費時間Tuを短縮するとよい。図5において、情報A,B,Cの順番で読み出しの優先度が高いとすると、低優先度の情報Cの単位読み出し消費時間Tuを短縮する。これによって、高優先度の情報A又はBの単位読み出し消費時間Tuを短縮する場合に比べて、単位読み出し消費時間Tuの短縮によって読み出された情報を用いてエラーが発生しても、その影響を最小限に抑えることができる。この際、例えば、高優先度の情報A又はBを読み出す際の読み出し方式よりも、読み出し所要時間の短い読み出し方式で、低優先度の情報Cの単位読み出し消費時間Tuを短縮すればよい。
図6は、読み出された情報を用いてエラーが発生した場合のフローチャートの一例である。
ステップS30において、制御部20は、記憶部10から読み出された読み出し必要情報Dsがどの読み出し方式で読み出されたか否かを判定する。制御部20は、データ保証の安全性が比較的高い読み出し方式で読み出し必要情報Dsが読み出されている場合(例えば、三面多数決、ミラーリング)、その読み出し必要情報Dsを所定の処理に実際に適用して得られた値を使って、以降の処理を実行する(ステップS32)。
一方、制御部20は、データ保証の安全性が比較的低い読み出し方式で読み出し必要情報Dsが読み出されている場合(例えば、サムチェック、データ保証無しの読み出し方式)、ステップS34の処理を実行する。ステップS34では、制御部20は、データ保証の安全性が比較的低い読み出し方式で読み出された読み出し必要情報Dsを、所定の処理に実際に適用して得られた値について、エラーがあるか否かを判断する(ステップS34)。
制御部20は、エラーが無いと判断されれば、データ保証の安全性が比較的低い読み出し方式で読み出された読み出し必要情報Dsを使って、以降の処理を実施する(ステップS32)。一方、制御部20は、エラーがあると判断されれば、データ保証の安全性が比較的低い読み出し方式で読み出された読み出し必要情報Dsの使用を禁止し、所定の方法で推定された推定値を使って、以降の処理を実施する(ステップS36)。
次に、情報処理装置1の具体的な適用例について説明する。図7は、いわゆるハイブリッド車両等の電動モータを走行駆動源として備える車両におけるモータ制御システム2の構成図である。モータ制御システム2は、HV−ECU30と、MG−ECU40と、IPM(インテリジェントパワーモジュール)50と、モータ60とを備えている。モータ60は、車両を走行させる駆動力を発生するものである。ECUとは、CPUを備えるマイクロコンピュータ(マイコン)を内蔵する電子制御装置(情報処理装置1の具体例)である。
IPM50は、モータ60の駆動装置であって、温度センサ71,72,73によって検出された温度に応じて、縮退運転動作を行うものである。MG−ECU40は、IPM50の昇圧コンバータ51及びインバータ52の温度を温度センサ71,72,73により監視し、監視温度が所定値よりも高い場合には部品保護を目的として、IPM50の縮退制御を実施する。縮退制御とは、昇圧コンバータ51及びインバータ52の温度を下げるために、インバータ52に流す電流値を抑制することで、結果としてユーザ要求トルクを完全には実現できなくなる制御を意味する。縮退制御に用いる温度素子(昇圧コンバータ51のトランジスタSW11,SW12及びインバータ52のトランジスタSW1〜SW6など)には、特性ばらつきがあるため、温度素子の補正値をEEPROM42に予め記憶しておくことで、縮退制御に利用する。これにより制御性の向上や素子ばらつき緩和によるコストダウンが実現できる。
温度センサ71は、昇圧コンバータ51のハイサイドトランジスタSW11の温度を検出する手段であり、温度センサ72は、昇圧コンバータ51のローサイドトランジスタSW12の温度を検出する手段である。温度センサ73は、インバータ52のハイサイドトランジスタSW1の温度を検出する手段である。MG−ECU40は、温度センサ71,72,73によって検出された温度に応じた電圧を検出するマイコン41と、温度素子の補正に用いる補正値を保存するEEPROM42とが実装された基板を有している。HV−ECU30は、インバータ52内の三相ブリッジ回路を構成するトランジスタSW1〜SW6のスイッチング動作の許可/禁止を判断する。
図8は、EEPROM42からの補正値の読み出しのシーケンスの一例である。イグニッションスイッチがオンされることにより、HV−ECU30及びMG−ECU40は、電源が投入されて起動する。そして、HV−ECU30のマイコン31及びMG−ECU40のマイコン41は、所定のソフトウェア処理を開始する。
HV−ECU30のマイコン31は、MG−ECU40からの読み出し完了通知を受信するまで、インバータ52及び昇圧コンバータ51の各トランジスタのゲート駆動を遮断する。一方、MG−ECU40のマイコン41は、割り込み処理等のその他のソフトウェア処理の後、EEPROM42からデータの読み出しを開始し、その読み出しが完了すると、読み出し完了通知をHV−ECU30に対して送信する。
HV−ECU30のマイコン31は、読み出し完了通知を受信すると、インバータ52及び昇圧コンバータ51の各トランジスタをゲート駆動することを許可する許可信号を出力し、モータ制御システム2のモードをREADYオンにする。その許可信号を受信したMG−ECU40のマイコン41は、インバータ52及び昇圧コンバータ51の各トランジスタを実際にゲート駆動する。
ところが、昇圧コンバータ51やインバータ52のスイッチングによるノイズの影響の無いシステム起動時に、補正値をEEPROM42から読み出せるようにする必要がある。そのため、システム全体の起動時間制約内(イグニッションオンからREDEAYオンまで)に読み出しを完了させなければならない。さらに、補正値以外のデータの読み出しが必要となる場合や、他のソフト処理が割り込みで入ってきた場合等には、読み出し許容時間が変動して、さらに短縮されることがある。モータ制御システム2では、時間制約内に確実に全データの読み出しを完了していなければならない。
図9は、モータ制御システム2におけるデータ読み出しフローの一例である。
まず、ステップS40において、MG−ECU40のマイコン41は、EEPROM42からのデータ読み出しの際に、読み出し許容時間Tpを予め算出する。モータ制御システム2として許される全許容時間をT1,ソフトウェア起動までの時間をT2、読み出し以外のソフトウェア処理時間をT3とすると、読み出し許容時間Tpは、
Tp=T1−T2−T3
に従って算出される。
Tp=T1−T2−T3
に従って算出される。
ここで、全許容時間T1は、モータ制御システム2の設計上、一意に決められる数値である。ソフトウェア起動までの時間T2は、各ECUの電源回路やマイコン設計から一意に決められる数値である。ソフトウェア処理時間T3は、モータ制御システム2の構成によって変化する数値であって、ソフトウェア起動時にそのシステム構成が内部メモリや外部メモリから読み出されることによって決まるものである。
ステップS42において、MG−ECU40のマイコン41は、EEPROM42から読み出すべき情報の総読み出し所要時間Tnを算出する。総読み出し所要時間Tnは、読み出すべき情報の総データ量Dt(単位ビット)を、予め決められた読み出し速度V(単位:ビット/秒)で割った値である。
総データ量Dtは、例えば、過去に異常が起こっているか否かをソフト起動時に内部メモリや外部メモリから読み出されることによって決められる。このように、全許容時間T1,ソフト処理時間T3,総データ量Dtは、システムの構成や状況によって変化する値であるため、ステップS44の比較結果は動的に変化する。
ステップS44では、MG−ECU40のマイコン41は、総読み出し所要時間Tnと読み出し許容時間Tpとを比較する。マイコン41は、読み出し許容時間Tpが総読み出し所要時間Tn以上である場合、図3のパターン1の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出す(ステップS46)。一方、マイコン41は、読み出し許容時間Tpが総読み出し所要時間Tn未満である場合、図3のパターン2の読み出し方式で、各読み出し必要情報Dsを読み出す(ステップS48)。
このように、総読み出し所要時間Tnが読み出し許容時間Tpよりも短い場合でも、パターン2のデータ読み出し方式の使用により、全体の制約時間を守りながら、重要度の高いデータを安全性の高い保証方式で読み出して必要十分な部品保護を確実に実施できる。
また、読み出し方式を簡易化して読み出したデータに温度素子の補正値が含まれている場合、部品を充分に保護できないことを防止する必要がある。そこで、マイコン41は、採用した読み出し方式の種類に応じて、読み出された補正値の使用有無を切り替える。
例えば、マイコン41は、EEPROM42からデータを読み出す時に、読み出しデータ毎に読み出し方式をRAM等のメモリに記録する(ステップS50)。例えば、3面多数決で読み出した場合は、3面多数決に対応する番号3を記録し、ミラーリングで読み出した場合は、ミラーリングに対応する番号2を記録し、サムチェックで読み出した場合は、サムチェックに対応する番号1を記録し、データ保証せずに読み出した場合は、データ保証の無い読み出し方式に対応する番号0を記録する。
ステップS52において、マイコン41は、EEPROM42から読み出された補正値を用いて、温度センサ71,72,73によって得られた検出温度を補正した温度(補正後温度)を算出する。
ステップS60において、マイコン41は、ステップS50での記録情報に基づいて、EEPROM42から読み出された補正値がどの読み出し方式で読み出されたか否かを判定する。マイコン41は、データ保証の安全性が比較的高い読み出し方式で補正値が読み出されている場合(例えば、三面多数決、ミラーリング)、ステップS52で算出された補正後温度をこれ以降の演算処理に採用する(ステップS62)。
一方、データ保証の安全性の低い読み出し方式で補正値が読み出されていることが記録されている場合、その補正値を用いてステップS52で算出した補正後温度の信頼性は、低いと考えられる。そこで、マイコン41は、ステップS64では、ステップS52で算出した補正後温度と、他の場所の温度から推定される温度(推定温度)との比較を実施する。
例えば、昇圧コンバータ51のトランジスタの推定温度の場合、ハイサイドトランジスタSW11の温度がローサイドトランジスタSW12よりも10℃低い点を利用して、一方の温度センサによる検出温度に基づき、他方の温度センサによる検出温度を推定できる。また、インバータ52のトランジスタの推定温度は、インバータ52の冷却水の温度と同じであることに基づいて、導出されればよい。このように、別箇所の温度を使用しても、搭載位置や熱設計から推定温度を決めることができる。
ステップS64において、マイコン41は、ステップS52で算出した補正後温度と推定温度との差が所定の適正範囲(例えば、±5℃)に入っているか否かを比較する。マイコン41は、適正範囲内に入っている場合には、ステップS52で算出した補正後温度をこれ以降の演算処理に採用する(ステップS62)。一方、マイコン41は、適正温度内に入っていない場合には、ステップS52で算出した補正後温度の信頼性は低いとして、推定温度をこれ以降の処理に採用する(ステップS66)。
また、このような推定温度が採用された場合、温度の精度が高くないため、縮退運転判定の閾値の温度を下げてもよい(ステップS68)。これにより、推定温度の精度が低くても、安全に縮退運転を実施できる。その結果、確実な部品保護を実現できる。また、IPM50の温度補償範囲を緩和できるため、IPM50全体のサイズとコストを下げることができる。
ステップS70では、マイコン41は、ステップS62又はステップS64で採用された温度が縮退運転判定の閾値よりも高い場合、縮退制御を実行する。
以上、情報処理装置及び情報処理方法、並びに制御システムを実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、上述の実施形態では、補正対象の物理量として温度を挙げたが、本発明は、温度以外の物理量(例えば、圧力、電圧、電流、歪み、速度、回転数など)を補正する場合にも適用できる。また、EEPROM等の記憶部に記憶される補正値は、回転数を検出するレゾルバの原点情報でもよい。
1 情報処理装置
2 モータ制御システム
10 記憶部
20 制御部
30 HV−ECU
40 MG−ECU
41 マイコン
42 EEPROM
50 IPM
51 昇圧コンバータ
52 インバータ
60 モータ
71,72,73 温度センサ
2 モータ制御システム
10 記憶部
20 制御部
30 HV−ECU
40 MG−ECU
41 マイコン
42 EEPROM
50 IPM
51 昇圧コンバータ
52 インバータ
60 モータ
71,72,73 温度センサ
図5(b)に示されるように、総読み出し所要時間Tnが読み出し許容時間Tpを超えたまま情報A,B,Cを読み出すと、情報A,B,Cの読み出しに実際に費やされる時間は、読み出し許容時間Tpを超えてしまう。そこで、制御部20は、情報Cの読み出しに費やす読み出し時間を読み出し方式の変更により短縮することで、情報Cについての単位読み出し消費時間Tuを短縮でき、情報A,B,Cの読み出しに費やす総読み出し消費時間Tsを読み出し許容時間Tp内に抑えることができる。
このように、総読み出し所要時間Tnが読み出し許容時間Tpよりも長い場合でも、パターン2のデータ読み出し方式の使用により、全体の制約時間を守りながら、重要度の高いデータを安全性の高い保証方式で読み出して必要十分な部品保護を確実に実施できる。
ステップS70では、マイコン41は、ステップS62又はステップS66で採用された温度が縮退運転判定の閾値よりも高い場合、縮退制御を実行する。
上記目的を達成するため、本発明は、
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部を備え、
前記制御部は、前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整する、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部を備え、
前記制御部は、前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整する、情報処理装置、及び該情報処理装置を備える制御システムを提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整するステップとを有し、
前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整する、情報処理方法を提供するものである。
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整するステップとを有し、
前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整する、情報処理方法を提供するものである。
Claims (14)
- 情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整する制御部を備える、情報処理装置。 - 前記制御部は、前記読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出し消費時間を前記優先度に応じて調整する、請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記制御部は、他の情報よりも低優先度の情報について、前記読み出し消費時間を短縮する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
- 前記制御部は、前記他の情報の読み出し方式よりも読み出し所要時間の短い読み出し方式で、前記低優先度の情報について、前記読み出し消費時間を短縮する、請求項3に記載の情報処理装置。
- 前記制御部は、前記読み出し消費時間が短縮されて読み出された前記低優先度の情報にエラーがある場合、前記低優先度の情報と異なる情報をその後の処理に反映させる、請求項3又は4に記載の情報処理装置。
- 前記異なる情報は、エラーのある前記低優先度の情報を用いずに推定された情報である、請求項5に記載の情報処理装置。
- 前記制御部は、前記読み出すべき情報の全ての読み出しに必要な総読み出し所要時間が前記読み出し許容時間を超えるとき、前記読み出し消費時間の調整を実行する、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
- 前記総読み出し所要時間は、前記読み出すべき情報の全てのデータ量と、前記記憶部からの情報の読み出し速度とを用いて決定される、請求項7に記載の情報処理装置。
- 情報を記憶する記憶部を備え、
前記記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間が変動する、情報処理装置であって、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出す制御部を備える、情報処理装置。 - 情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報の優先度と前記読み出し許容時間とに応じて、前記読み出すべき情報の単位データ量当たりの読み出し消費時間を調整するステップとを有する、情報処理方法。 - 情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
記憶部からの情報の読み出しが許される読み出し許容時間を算出するステップと、
前記記憶部から読み出すべき情報を前記読み出し許容時間内に全て読み出せるように、前記読み出すべき情報をそれぞれの優先度に応じた読み出し方式で読み出すステップとを有する、情報処理方法。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
所定の物理量を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された物理量に応じて動作する制御装置とを備え、
前記記憶部は、前記検出手段によって検出された物理量の補正に用いる補正値を記憶する、制御システム。 - 前記制御装置は、モータの駆動装置である、請求項12に記載の制御システム。
- 前記検出手段は、前記駆動装置の温度を検出する、請求項13に記載の制御システム。
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