JP2014091758A - コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉コークスのような低収縮率炭材を配合炭に別途添加する方法により押出負荷の低減したコークスを製造する方法において、より少ない添加量で、かつコークス強度にも大きな影響を与えないで、押出負荷の低減したコークスを製造できる方法を提供する。
【解決手段】コークス炉の炭化室に配合炭を装入し、これを乾留してコークスを製造する際、炭化室の炉底から1m未満に装入する配合炭に、500〜1000℃での収縮率が6%以下の低収縮率炭材(粉コークスあるいは無煙炭)を質量比で8%以上25%以下(外数)の範囲で添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水平室式コークス炉による高炉用コークスの製造方法に関し、特に、乾留後のコークスケーキを炭化室から押出す際の押出負荷を低減できるコークスの製造方法に関するものである。
近年のコークス炉操業では、コークス品質及び生産性の向上を狙って炭化室内へ装入する石炭の水分を低減させる方法が多く取り入れられており、石炭の装入(充填)密度が上昇する傾向にある。その結果、コークスケーキを押出す際に炭化室の側壁(炉壁)にかかる荷重が上昇し、これにともないコークスを押出すのに必要な力(押出負荷)も増加する傾向にある。
また、長期間稼動して炉体の老朽化が進展しているコークス炉も増えており、そのようなコークス炉の炭化室では、炉壁にカーボンが付着して突起部が形成されている場合が多くなっている。
突起部が形成されている個所では、その分だけ炉幅(炉壁間距離)が狭くなっており、そこをコークスケーキが通過する際、炉壁面とコークスケーキ表面との間の相互作用が大きくなり、炉壁に作用する荷重や押出負荷がさらに増加することになる。
このような状況の中で、押出負荷が押出し機の能力を上回って、押詰まりが発生したり、押出し中に炉壁煉瓦が破孔したりするなどの大きなトラブルにつながる可能性が増大している。このため、石炭乾留後のコークスをより低い押出負荷で炭化室から押出すことは、操業を安定化してコークスの生産量が確保できるだけでなく、炭化室の炉壁に対する負荷を低減して炉体寿命を長くする観点から非常に重要となっている。
乾留後のコークスを炭化室から押出す際の押出負荷は、ランキン係数で評価される。
このランキン係数は、押出し機でコークスを押した力が炉壁を押す力に転換する割合と定義されるもので、側圧転換率ともいわれているが、このランキン係数が小さいほどコークス押出し時の押出し側圧が小さくなり、より小さい押出し力(押出負荷)で押出しができることを示している。
従来から、コークスと炉壁の間の隙間が大きいほどランキン係数が小さくなることが知られており、ランキン係数を小さくするために、コークスの配合を工夫して乾留による収縮量(焼減り量)を増加させ、それによってコークスと炉壁の間の隙間を増加させる方法や、操業条件からコークスと炉壁の間の隙間量などからランキン係数を予測して操業条件を変更する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、配合石炭に粒度40〜200mmの塊コークスを0.5〜10重量%混合してコークス炉に装入して乾留することにより、コークス炉炭化室中心の石炭が再固化した後の炭化室中央部の隙間を減らし、コークス炉壁とコークスケーキ表面の間隙で定義される水平焼減り量を増加させ、コークスと炉壁の間の隙間を増加させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、粒度0.5mm以下の粉コークスを、5%から10%の範囲で装入炭中に添加することにより、炉壁に対し平行方向でのコークス塊の平均長さを調整し、これにより中低温乾留時の押出抵抗を低減するコークス炉の操業方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、コークスと炉壁の間の隙間に加えコークスの粒度がコークスの押出負荷にとって重要であるという知見をもとに、予め炉温とコークス収縮率との関係及び炉温とコークス粒径の関係を求めておき、実際の炭化室の炉温から、コークス収縮率に基づく炉壁との隙間とコークス粒径とを計算し、これらの値をもとにランキン係数を予測して、ランキン係数が設定値以上の場合には、炉温や乾留後の置き時間を調節するコークス炉の操業方法が開示されている。
特開平11−228971号公報 特開平08−283731号公報 特開2008−255299号公報
特許文献1の方法では、塊コークスを装入炭全体に対して添加するため、コークス生産量が低下するという問題や、得られるコークスの強度に対する影響については検討されていないという問題がある。また、特許文献2には粒度0.5mm以下の粉コークスを、5%から10%の範囲で装入炭中に添加すれば、コークス品質を悪化させることはないと記載されているが、本発明者らが詳細な検討を行ったところ、条件によってはコークス強度の低下する場合があることが確認された。さらに、特許文献3の方法では、原料となる配合炭の銘柄ごとに、実験によって、炉温とコークスの収縮率や粒径との関係を求めておく必要があり、そのために多くの手間がかかるという問題がある。
そこで、本発明では、上記特許文献1、2に開示されている、コークスのような乾留時の収縮係数の低い炭材(低収縮率炭材)を使用して、押出負荷の低減したコークスを製造する方法において、炭材の添加量をより少なくすることでコークス強度をほとんど低下させることなく、押出負荷の低減したコークスを製造できるコークスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、乾留後のコークスケーキをコークス炉の炭化室から押出す際の押出負荷を低減できるコークスの製造方法について検討した。
その結果、低収縮率炭材を添加した配合炭をコークス炉下部の所定の高さまで装入することにより、コークス強度の低下を抑えつつ、ランキン係数を低減させ、押出負荷を低減できることを見出した。
そのような本発明の要旨は以下の通りである。
(1)コークス炉の炭化室に配合炭を装入し、これを乾留してコークスを製造する際、炭化室の炉底から1m未満に装入する配合炭に、500〜1000℃での収縮率が6%以下の低収縮率炭材を、外数として質量比で8%以上25%以下の範囲で添加することを特徴とするコークスの製造方法。
(2)前記低収縮率炭材が、粉コークスあるいは無煙炭のいずれか一方あるいは双方であることを特徴とする(1)に記載のコークスの製造方法。
本発明では、従来と同じ低収縮率炭材の添加量で、より高い押出負荷低減効果を得ることができ、配合炭の種類によらずコークス強度をほとんど低下させることなくコークスの押出負荷を低減することができる。
粉コークスの添加量とランキン係数の関係を示す図である。 粉コークスの添加量とコークス強度DIの関係を示す図である。 粉コークスを添加した配合炭の装入範囲の炉底からの炉高方向の高さとコークス強度DIとの関係を示す図である。 粉コークスを添加した配合炭の装入範囲の炉底からの炉高方向の高さと押出負荷の関係を示す図である。
本発明は、コークス炉の炭化室に例えば6mの高さまで配合炭を装入し、それを乾留してコークスを製造する際、炭化室の下部に装入する配合炭に対して、配合炭の一部として低収縮率炭材をさらに添加することにより、押出負荷の低減したコークスケーキを得るものであるが、以下、低収縮率炭材として粉コークスを用いた場合を例に、本発明に至った検討の経緯及び本発明の基本的な原理について説明する。
なお、以下では、粉コークスなどの低収縮率炭材の添加率(質量%)は外数にて示す。
まず、粉コークス添加の効果を確認するため、粉コークス添加量とランキン係数の関係及び、粉コークス添加量とコークス強度の関係について検討した。
ランキン係数については、特許文献3の図6に記載されているような、加熱面となる炉壁が、外力を加えても動かない固定壁と外力がかかると動く構造になっている可動壁から構成される乾留試験炉を用いて石炭を乾留してコークスとした後、試験炉の一方の炉蓋をあけ、ラムでコークスを他方の炉蓋側に向けて押出し、可動壁及びラムに取り付けたロードセルによって、炉長方向の圧縮圧力と炉壁に伝達される炉幅方向の圧力(両側の炉壁の圧力の総和)を測定し、これらの測定値から算出する。
測定にあたり、平均粒径が0.1mm、0.4mm、0.7mmの粉コークスを、それぞれ配合炭に30%以下の種々の割合で添加した試験用配合炭を準備し、この配合炭を前述の試験炉に装入して乾留した後、製造されたコークスの押出し試験を実施してランキン係数を測定した。ランキン係数のベースとして、同条件の配合炭において粉コークス添加率が0%のときのランキン係数を用い、得られたランキン係数のベースとの比率を求めた。
得られた結果を図1に示すが、いずれの粒径においても、粉コークスを添加することによりランキン係数の値が小さくなることが確認された。ただし、粉コークスの添加量が過多であるとランキン係数は逆に増大することや、粉コークス粒径が大きいほど少ない添加量でランキン係数が低下することが認められた。
図1より、平均粒径が0.1〜0.7mmの粉コークスを添加した場合、ほぼ最小のランキン係数の値が得られる添加量の上限は、0.1mm径の粉コークスを25%添加したときであった。
次に、粉コークスの添加量とコークス強度DIの関係を調べた。コークス強度DIは前述と同じ試験炉を用いて製造したコークスを用いて測定した。
得られた結果を図2に示すが、0.1〜0.7mmの粒径において、粉コークスを添加することによりコークス強度DIが低下する結果が得られた。平均粒径が小さい粉コークスほどコークス強度DIの低下する割合は小さかった。
以上の試験炉を用いた乾留試験により、粉コークス添加量とランキン係数の関係及び、粉コークス添加量とコークス強度の関係が得られたので、次に、コークス炉の炭化室に配合炭を装入する際の粉コークス添加方法について検討した。
一般に、炭化室の下部では、上部よりも石炭の嵩密度が高く炉温も高いので、上部よりも強度が高いコークスが得られることが知られている。そこで、本発明者らは炭化室の下部では粉コークス添加によるコークス強度低下が生じにくいと考え、炭化室の下部に粉コークスを添加することに着目した。
また、炉下部は嵩密度が高く空隙率が低くなっていることに加え、コークス粒径が炭化室の上部に比べて小さいため、炉壁との摩擦力がより大きくなっており、更に、コークス下部ではコークスの自荷重がかかっているので炉底の摩擦力が発生する。そのため、炭化室上部に比べ、炭化室下部の押出負荷は高くなることが知られている。
そこで、本発明者らは、炭化室の下部に粉コークスを添加することで、コークス炉全体の押出負荷を抑制することができると考えた。
そして、その考えに基づき検討した結果、粉コークスを添加した配合炭を、コークス炉下部の所定の高さまで装入することにより、コークス強度の低下を抑えつつ、ランキン係数を低減させて押出負荷を低減できることを見出した。
まず、粉コークスを添加する高さ方向の範囲とコークス強度及び押出負荷の関係について検討した内容について説明する。
0.4mmの粉コークスを用意し、これを基準となる粉コークス添加率が0%の配合炭に対して質量比で3%、10%、20%の添加率で添加して粉コークスを添加した配合炭を作成し、これをコークス炉の炭化室に炉底から種々の高さまで装入し、続いて装入炭を基準となる配合炭に変更し、6mの高さまで装入した。また、基準の例として、基準となる配合炭のみを6mの高さまで装入した。その後、それぞれ乾留してコークスを製造し、炭化室全体のコークス強度DIを測定した。
図3に、粉コークスを添加した配合炭の炉高方向の装入範囲(炉底からの距離)と得られたコークスの強度DIの関係を示す。図3より、粉コークス添加量にかかわらず、粉コークスを添加した配合炭の炉高方向の装入範囲が炉底から1m未満であれば、すなわち、粉コークスを添加した配合炭の装入範囲が炉底から1m未満であれば、コークス強度DI150 15の低下を抑制できることが認められた。なお、コークス強度の面からは、粉コークスを添加した配合炭の炉高方向の装入範囲としては、0.9m以下が好ましく、0.8m以下がさらに好ましい。
続いて、粉コークスを添加した配合炭の炉高方向の装入範囲と押出負荷の関係について調べた。その結果を図4に示す。一例として、図4の◇のプロットを用いて、下記に詳細に説明する。
まず、配合炭の調整方法を説明する。通常コークス炉に装入する配合炭(粉コークス添加なし)を配合炭A、コークス炉の炉下部に装入する粉コークスを添加した配合炭を配合炭Bとする。図4における◇のプロットは、配合炭Bとして、配合炭Aに粒径0.4mmの粉コークスを10%添加したもの用いたケースである。
次に配合炭のコークス炉への装入方法を説明する。
配合炭Bを炉底から0.5mの高さまで装入し、その後配合炭Aを0.5m〜6.0mの部分に装入した場合、コークスケーキの押出負荷は、35.0トンであった。なお、配合炭Aのみを炉底から6mまで装入した場合(図4の左端のプロット)のコークスケーキの押出負荷は36.4トンであり、1.4トン押出負荷が低下した。
配合炭Bを炉底から0.97mの高さまで装入し、その後配合炭Aを0.97m〜6.0mの部分に装入した場合、コークスケーキの押出負荷は、34.7トンであった。
配合炭Bを炉底から1.48mの高さまで装入し、その後配合炭Aを1.48m〜6.0mの部分に装入した場合、コークスケーキの押出負荷は、34.3トンであった。この結果から、粉コークスを添加した配合炭Bの装入高さが炉底から1m以上では、押出負荷は低下するものの、その効果は小さくなった。
なお、これらの配合炭のランキン係数は、配合炭A、Bそれぞれを試験炉に装入して乾留した後、製造されたコークスの押出し試験を実施して測定した。その結果、配合炭Aのコークスケーキのランキン係数(ベース)は0.040、配合炭Bのコークスケーキのランキン係数は0.032であった。すなわち、コークス炉下部のランキン係数/ランキン係数(ベース)=0.8であった。
また、ランキン係数/ランキン係数(ベース)=0.8以外のケースは、粉コークス粒径を一定として、粉コークス添加率を変更することによってランキン係数を調整した。
また図4から、粉コークスを添加した配合炭のコークスのランキン係数が低い程、押出負荷は低くなっていた。
図3、4の結果から、粉コークスを添加した配合炭は炉底からから1m未満の高さで装入することが効果的であることが確認された。
以上のような実験により、炭化室の下部に装入する配合炭に低収縮率炭材を添加すれば、コークスケーキを炭化室から押出す際の押出負荷を低減でき、かつ、強度低下も抑制しながらコークスを製造することができることが確認された。
次に、本発明を構成する個々の要件や好ましい要件について説明する。
炭化室の下側部分に装入する配合炭に低収縮炭材を添加するのは、乾留後に得られるコークスの粒径を拡大させることによりコークスケーキが炉壁を押す際の、ランキン係数を低下させて、コークスケーキを押出す際の押出負荷を低減させるためである。
ここで、低収縮率炭材とは、500〜1000℃での収縮率≦6%と定義されるもので、以上で例示した粉コークスの外、無煙炭が使用できる。これらは、単独で使用してもよいし、同時に使用してもよい。
無煙炭を添加した時のランキン係数低下効果は、同一の粒径の粉コークスを添加したときよりも小さく、それぞれの配合炭への添加率が同一である時、以下の式の関係となる。この式は、図1に示す粉コークスにおける実験と同様に、無煙炭を添加した時のランキン係数低下効果を調べた結果、得られたものである。
[無煙炭によるランキン係数低下効果]=0.588×[粉コークスによるランキン係数低下効果]
無煙炭を添加する範囲も炉底から1m未満とする。この理由は、粉コークスを添加した場合と同様に、炉底から1mまでの範囲が、コークスケーキ全体の押出負荷に対する影響が最も大きいことを確認したことによる。
以上の通り、低収縮率炭材を炉底から1m未満に添加すれば、コークス強度DIの低下を少なくでき、かつ下部の押出負荷を低減させることで全体のコークス押出抵抗低減に有効である。1m以上添加しても、押出負荷が低下する効果は小さくなるのに対して、コークス強度は顕著に低下する。
低収縮率炭材を添加すれば、添加する高さ方向の範囲に応じて効果が得られるため、添加する範囲の下限は特に定めないが、コークス粒径拡大によるランキン係数低下効果を十分に得るためには、コークス塊1個分の高さを超える範囲の高さまで低収縮率炭材を添加した配合炭を装入する方が好ましい。そのため、炉高方向で炉底から0.5m以上の範囲で粉コークスを添加した配合炭を装入することが好ましい。
添加する低収縮炭材の粒度は、粉コークスでは平均粒径で0.1〜0.7mmとする。平均粒径が0.1mmよりも小さい場合は、コークス粒径を大きくしてランキン係数を低下させる効果が小さくなり、0.7mmを超えて大きくすると、コークス強度DIの低下が著しくなるからである。なお、無煙炭については、通常、平均粒径としては0.4〜0.7mm程度のものが取り扱われていることが多い。
低収縮炭材の添加率は、添加する低収縮炭材の平均粒径により最適範囲は異なるが、8〜25%の範囲である。
低収縮炭材の添加によるランキン係数の低下効果は、図1に示されるように、最大の効果が得られる点(最下点)を超えると低収縮炭材の添加量の増大とともに減少する。しかも、低収縮炭材の添加量の増大によりコークス強度が低下するため、最下点の位置を超えて低収縮炭材を添加しても、コークス強度の低下による不利益が増すだけであるため、添加量の最大値は最下点の位置とするのが合理的である。この理由で粉コークス添加量の上限は図1より25%とする。
また、粉コークス添加量の下限値については、様々な条件で試験を行ったところ、有意な押出負荷低減効果(約1t)が得られる条件は、ランキン係数が基準となる配合炭からなるコークスのランキン係数の0.8倍以下になることであると分かった。一例として、図4に示した通り、ランキン係数が0.8倍になれば、粉コークスを添加した配合炭からなるコークスが下部から0.5mまで存在しているとき、押出負荷低減効果は約1tとなる。従って、図1より粉コークス添加率の下限は8%であることがわかる。
無煙炭については、前述の通り、平均粒径としては0.4〜0.7mm程度のものが取り扱われていることから、粉コークスの場合と同様の試験を、粒径0.4mm、0.7mmについて行ったところ、添加量の下限値は15%程度が好ましいことが確認された。また、無煙炭は同一粒径の粉コークスに比べて収縮率が高いため、最大のランキン係数低下効果が得られる点が、図1に示す粉コークスの場合と比較して、より添加量の多い方にシフトする。しかし、前述の通り無煙炭は平均粒径が小さいもの(0.1mm程度)は扱わないので、平均粒径0.4〜0.7mmのものを対象として考えた。その結果、添加量の上限値については平均粒径が0.4mmの場合にランキン係数の低下効果が最大となる点として、25%程度であることが確認された。
なお、低収縮炭材の添加率の上限および下限は、低収縮炭材の粒径により下記の関係で変化するので、用いる配合炭ごとに実験的に前記最下点の位置を求めて、係数a〜dを求めるようにする。
[低収縮率炭材添加率の上限]=a×[低収縮率炭材の粒径]+b
[低収縮率炭材添加率の下限]=c×[低収縮率炭材の粒径]+d
ちなみに、図1の場合には、a:−16.67、b:26.667、c:−11.67、d:15.667であった。また、無煙炭の場合にはa:−16.67、b:31.667、c:−16.67、d:26.667であった。
以上、本願発明の実施の態様の一例について説明したが、更に、実施例により本発明の実施可能性及び効果について説明する。
平均粒径が0.1mm、0.4mm、0.7mmの粉コークスと、0.4mm、0.7mmの無煙炭を用意し、これを基準となる配合炭に対して種々の添加率で添加して低収縮率炭材を添加した配合炭を作成し、これをコークス炉の炭化室に炉底から0.97mと1.46mの高さまで装入し、続いて装入炭を基準となる配合炭に変更し、6mの高さまで装入した。また、従来例として、基準となる配合炭を炭化室に6mの高さまで装入した。
基準となる配合炭として、その性状が、全膨張率(ΣTD)=51.0、揮発分含有量(ΣVM(dry))=25.1%となるように原料石炭を配合し、混合したものを用いた。
以上のそれぞれの場合について、乾留した後に炭化室からコークスケーキを押出す際、押出機ラムにロードセルを取り付けて押出し力を測定した。また、得られたコークスのコークス強度DI150 15を測定した。
なお、ランキン係数は、前述の乾留試験炉を用いて別途測定した。
粉コークスを添加した配合炭の条件や得られた測定値を表1にまとめて示す。なお、基準となる配合炭を装入して乾留した場合は、ランキン係数:0.04、コークス強度DI150 15:86.0、押出負荷:36.4tであり、この値を、効果を判定する際の基準値とした。
本発明においては、コークス強度DI150 15の低下を抑制しつつ、十分な押出し力低減効果が得られた。これに対し、比較例においては、コークス強度DI150 15が0.5以上低下し、押出負荷の低減量も1t未満で少なかった。
Figure 2014091758

Claims (2)

  1. コークス炉の炭化室に配合炭を装入し、これを乾留してコークスを製造する際、
    炭化室の炉底から1m未満に装入する配合炭に、500〜1000℃での収縮率が6%以下の低収縮率炭材を、外数として質量比で8%以上25%以下の範囲で添加することを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 前記低収縮率炭材が、粉コークスあるいは無煙炭のいずれか一方あるいは双方であることを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
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