JP2014090071A - 窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法 Download PDF

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和英 住吉
Norihiro Saga
宣弘 嵯峨
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浩二 片山
Takashi Kyono
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Abstract

【課題】放熱特性の劣化の低減とともにオーミック電極の剥がれ量を低減する。
【解決手段】窒化物半導体レーザ素子11は、基板17及び基板17の半極性主面17a上の半導体領域19を含むレーザ構造体13と、半導体領域19上のオーミック電極45及びパッド電極47と、を備え、レーザ構造体13はレーザ共振器のための第1の端面27及び第2の端面29を有し、オーミック電極45は第1方向に延在し、パッド電極47は、エッジ27eから離れており、第2方向に沿って順に配列された第1〜第3の部分47a,47b,47cを含み、第2の部分47bは、オーミック電極45上に設けられ、第1及び第3の部分47a,47cよりも第1方向に突出し、オーミック電極45は第2の部分47bよりも第1方向に突出し、第2の部分47bの一端47hと第1の端面27のエッジ27eとの距離D21は10μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法に関する。
半極性面の窒化物半導体基板を用いた窒化物半導体レーザ素子では、c面の窒化物半導体基板を用いた窒化物半導体レーザ素子と比べて、オーミック電極と窒化物半導体層との密着性が低い。ところで、導波路の放熱のために、導波路上を覆うようしてパッド電極が設けられる。このパッド電極は、ウエハ上において、導波路の延在方向に隣り合う窒化物半導体レーザ素子の導波路上に連続して形成される。このため、ウエハを分割して窒化物半導体レーザ素子を作製する場合、パッド電極とともにウエハを分割する必要がある。この分割時に、パッド電極に力が加わり、パッド電極とともにオーミック電極が半導体層から剥がれるおそれがある。
特許文献1には、オーミック電極が窒化物半導体層から剥がれることを抑制するために、劈開面に沿ってオーミック電極上にSiOからなる端部電極保護層が設けられた窒化物半導体レーザ素子が記載されている。
特許第4535997号公報
しかしながら、特許文献1に記載の窒化物半導体レーザ素子では、オーミック電極の端部に端部電極保護層を設けているが、プロセスが複雑になる。
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる構造を有する窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、(a)窒化物半導体からなり半極性主面を有する基板、及び、前記基板の前記半極性主面上に設けられた半導体領域を含むレーザ構造体と、(b)前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられたオーミック電極と、(c)前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられたパッド電極と、を備える。前記半導体領域は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、前記レーザ構造体は、レーザ共振器のための第1の端面及び第2の端面を有し、前記オーミック電極は、前記第2の端面から前記第1の端面に向かう第1方向に延在し、前記パッド電極は、前記第1の端面のエッジから離れており、前記パッド電極は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って順に配列されており、前記第2の部分は、前記第1方向に延在し、かつ、一端及び他端を有し、前記第2の部分は、前記オーミック電極上に設けられ、前記第1方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第1方向に突出し、前記第2の部分の前記一端と前記第1の端面のエッジとの間の前記第1方向に沿った距離は、10μm以下である。
この窒化物半導体レーザ素子によれば、基板の半極性主面上に半導体領域が設けられ、半導体領域の半極性面上にオーミック電極が設けられる。半導体領域の半極性面は、半導体領域のc面と比べて酸化されやすいので、半導体領域のc面とオーミック電極との密着性と比べて半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性が低い。また、半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性よりもパッド電極とオーミック電極との密着性が大きい。このため、基板生産物の分離のための押圧力がパッド電極に加わった場合、パッド電極とともにオーミック電極が剥がれるおそれがある。そこで、この窒化物半導体レーザ素子では、第1の端面のエッジから離れてパッド電極が半導体領域上に設けられるので、窒化物半導体レーザ素子の作製において、基板生産物を分離する時にパッド電極に押圧力が加わることを防止でき、第1の端面においてパッド電極とともにオーミック電極が剥がれることを抑制できる。
また、この窒化物半導体レーザ素子によれば、活性層において発生した熱の一部は、オーミック電極を介してパッド電極に伝わり、パッド電極を介して放熱される。また、パッド電極の第2の部分の一端と第1の端面のエッジとの間の第1方向に沿った距離が10μm以下となるように、パッド電極の第2の部分がオーミック電極上に設けられる。このため、第1の端面付近の活性層からの熱は、パッド電極を介して放熱される。したがって、この窒化物半導体レーザ素子によれば、窒化物半導体レーザ素子の放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれの量を低減できる。
前記オーミック電極は、前記第1方向と反対の第3方向に延在してもよい。また、前記パッド電極は、前記第2の端面のエッジから離れていてもよく、前記第2の部分は、前記第3方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びていてもよく、前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第3方向に突出してもよく、前記第2の部分の前記他端と前記第2の端面のエッジとの間の前記第3方向に沿った距離は、10μm以下であってもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、第2の端面のエッジから離れてパッド電極が半導体領域上に設けられるので、窒化物半導体レーザ素子の作製において、基板生産物から分離する時にパッド電極に押圧力が加わることを防止でき、第2の端面においてパッド電極とともにオーミック電極が剥がれることを抑制できる。また、パッド電極の第2の部分の他端と第2の端面のエッジとの間の第3方向に沿った距離が10μm以下となるように、パッド電極の第2の部分がオーミック電極上に設けられるので、活性層からの熱は、リッジ部の略全面に亘って、パッド電極を介して放熱される。
半導体領域は、前記第1方向に延在するリッジ部を有してもよく、前記オーミック電極は、前記リッジ部上に設けられていてもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、リッジ構造の窒化物半導体レーザ素子においても、放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる。
前記パッド電極の厚さは、前記オーミック電極の厚さよりも大きくてもよい。また、前記パッド電極の厚さは、100nm以上であってもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、リッジ部上において、パッド電極の厚さが電極の厚さよりも大きいので、パッド電極の放熱特性を向上することができる。
前記パッド電極は、複数の金属層を含んでもよい。また、前記パッド電極は、Au、PtまたはTiの金属層を含んでもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、オーミック電極に対する密着性を向上することができる。
前記オーミック電極は、Pdから構成されてもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、半極性面に対して良好な電気接触を提供でき、半導体領域に対するコンタクト抵抗値を低減することができる。
前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であってもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲では、押圧により形成される端面が、m面からなる可能性が高くなる。
前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲であってもよい。この窒化物半導体レーザ素子によれば、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲では、押圧により形成される端面が、基板の半極性主面に垂直に近い面が得られる可能性が高くなる。
また、本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の製造方法は、(a)窒化物半導体からなり半極性主面を有する基板と、前記基板の前記半極性主面上に設けられた半導体領域とを含むレーザ構造体を形成する工程と、(b)第1方向に延在し、オーミック電極のための電極ストライプを前記半導体領域上に形成する工程と、(c)前記電極ストライプ上に複数のパッド電極を形成して、基板生産物を形成する工程と、(d)前記基板生産物の第1の面をスクライブして、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってスクライブ溝を形成する工程と、(e)前記スクライブ溝を形成した後に、前記基板生産物の第2の面を押圧することにより前記基板生産物の分離を行って、別の基板生成物及びレーザバーを形成する工程と、を備える。前記半導体領域は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、前記レーザバーは、前記分離により形成された第1の端面及び第2の端面と、前記分離により前記電極ストライプを分離して形成されたオーミック電極と、前記複数のパッド電極のうちの第1のパッド電極と、を有し、前記オーミック電極は、前記半導体領域上において、前記第1方向に延在し、前記第1のパッド電極は、前記第1の端面のエッジから離れており、前記第1のパッド電極は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って順に配列されており、前記第2の部分は、前記第1方向に延在し、かつ、一端及び他端を有し、前記第2の部分は、前記オーミック電極上に設けられ、前記第1方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第1方向に突出し、前記第2の部分の前記一端と前記第1の端面のエッジとの間の前記第1方向に沿った距離は、10μm以下である。
この窒化物半導体レーザ素子の製造方法によれば、基板の半極性主面上に半導体領域が設けられ、半導体領域の半極性面上にオーミック電極が設けられる。半導体領域の半極性面は、半導体領域のc面と比べて酸化されやすいので、半導体領域のc面とオーミック電極との密着性と比べて半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性は低い。また、半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性よりもパッド電極とオーミック電極との密着性が大きい。このため、基板生産物の分離のための押圧力がパッド電極に加わった場合、パッド電極とともにオーミック電極が剥がれるおそれがある。そこで、この製造方法では、基板生産物の分離により形成される第1の端面のエッジから離れてパッド電極が半導体領域上に設けられる。これにより、スクライブ溝を用いて基板生産物を分離する場合に、パッド電極に押圧力が加わることを防止でき、第1の端面においてパッド電極とともにオーミック電極が剥がれるのを抑制できる。
また、この製造方法により作製された窒化物半導体レーザ素子によれば、活性層において発生した熱の一部は、オーミック電極を介してパッド電極に伝わり、パッド電極を介して放熱される。また、パッド電極の第2の部分の一端と第1の端面のエッジとの間の第1方向に沿った距離が10μm以下となるように、パッド電極の第2の部分がオーミック電極上に設けられる。このため、活性層からの熱は、第1方向における端部付近においても、パッド電極を介して放熱される。したがって、この製造方法によれば、窒化物半導体レーザ素子の放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる。
前記第1のパッド電極は、前記第2の端面のエッジから離れていてもよく、前記第2の部分は、前記第1方向と反対の第3方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びていてもよく、前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第3方向に突出してもよく、前記第2の部分の前記他端と前記第2の端面のエッジとの間の前記第3方向に沿った距離は、10μm以下であってもよい。この製造方法によれば、基板生産物の分離により形成される第2の端面のエッジから離れてパッド電極が半導体領域上に設けられる。これにより、スクライブ溝を用いて基板生産物を分離する場合に、パッド電極に押圧力が加わることを防止でき、第2の端面においてパッド電極とともにオーミック電極が剥がれるのを抑制できる。また、パッド電極の第2の部分の他端と第2の端面のエッジとの間の第3方向に沿った距離が10μm以下となるように、パッド電極の第2の部分がオーミック電極上に設けられるので、活性層からの熱は、リッジ部の略全面に亘って、パッド電極を介して放熱される。
前記レーザバーは、前記分離により形成されたリッジ部を有してもよく、前記オーミック電極は、前記リッジ部上に設けられていてもよい。この製造方法によれば、リッジ構造の窒化物半導体レーザ素子においても、放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる。
前記複数のパッド電極の各々の厚さは、前記電極ストライプの厚さよりも大きくてもよい。また、前記複数のパッド電極の各々の厚さは、100nm以上であってもよい。この製造方法によれば、パッド電極の各々の厚さが電極ストライプの厚さよりも大きいので、この製造方法によって作製された窒化物半導体レーザ素子において、パッド電極の放熱特性を向上できる。
前記複数のパッド電極の各々は、複数の金属層を含んでもよい。また、前記複数のパッド電極の各々は、Au、Pt、Tiの金属層を含んでもよい。この製造方法によれば、オーミック電極に対する密着性を向上することができる。
前記電極ストライプは、Pdから構成されてもよい。この製造方法によれば、半極性面に対して良好な電気接触を提供でき、半導体領域に対するコンタクト抵抗値を低減することができる。
前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であってもよい。この製造方法によれば、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲では、押圧により形成される端面が、m面からなる可能性が高くなる。
前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲であってもよい。この製造方法によれば、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲では、押圧により形成される端面が、基板の半極性主面に垂直に近い面が得られる可能性が高くなる。
本発明によれば、放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる。
本実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す斜視図である。 図1の窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す平面図である。 図1の窒化物半導体レーザ素子の製造方法の一例を示す工程図である。 図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程を模式的に示す図である。 図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程を模式的に示す図である。 図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程を模式的に示す図である。 図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程を模式的に示す図である。 図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程を模式的に示す図である。 (a)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程のスクライブ工程を示す図、(b)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程のレーザバー形成工程を示す図である。 (a)は図3の窒化物半導体レーザ素子の製造工程におけるオーミック電極の剥がれを模式的に示す図、(b)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程におけるオーミック電極の剥がれを模式的に示す図である。 電流と光出力との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一の符号を付する。
図1は、本実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る窒化物半導体レーザ素子の構造を概略的に示す平面図である。図1及び図2に示されるように、窒化物半導体レーザ素子11は、リッジ構造を有する。また、窒化物半導体レーザ素子11は、レーザ構造体13と、オーミック電極45と、パッド電極47と、裏面電極41と、を備える。レーザ構造体13は、基板17、半導体領域19、及び絶縁層31を含む。基板17は、六方晶系のIII族窒化物半導体からなり、また半極性主面17a及び裏面17bを有する。基板17は、例えばGaNからなる。基板17の半極性主面17aは基準面に沿って延在し、この基準面は基板17のIII族窒化物半導体の<0001>軸及び<000−1>軸のいずれかの方向に延びる基準軸に直交する面に対して、ゼロより大きな傾斜角を成す。
図1を参照すると、直交座標系S及び結晶座標系CRが描かれている。法線軸NXは、直交座標系SのZ軸の方向に向く。半極性主面17aは、直交座標系SのX軸及びY軸により規定される所定の平面に平行に延在する。図1には、代表的なc面Scが描かれている。六方晶系のIII族窒化物半導体のc軸を示す基準軸Cxは、III族窒化物半導体のc軸からm軸へ向かう方向に法線軸NXに対してゼロより大きな角度ALPHAで傾斜している。基準軸Cxは、<0001>軸及び<000−1>軸のいずれかの方向を向いている。また、基板17の半極性主面17aは、ある基準面に沿って延在しており、この基準面は、III族窒化物半導体のc軸の方向に延びる基準軸Cxに直交する面(例えばSc)に対して角度ALPHAで傾斜する。基板17の半極性主面17aの法線軸NXと、III族窒化物半導体のc軸(基準軸Cx)との成す角度ALPHAは、III族窒化物半導体のm軸の方向に45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であることが好ましい。45度未満及び135度を越える角度では、押圧により形成される端面がm面からなる可能性が高くなる。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。また、角度ALPHAは、III族窒化物半導体のm軸の方向に63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲であることがさらに好ましい。63度未満及び117度を越える角度では、押圧により形成される端面の一部に、m面が出現する可能性がある。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。
半導体領域19は、基板17の半極性主面17a上に設けられている。半導体領域19は、第1のクラッド層21と、第2のクラッド層23と、活性層25とを含む。第1のクラッド層21は、第1導電型III族窒化物半導体層を含み、例えばn型AlGaN、n型InAlGaN等からなる。第2のクラッド層23は、第2導電型III族窒化物半導体層を含み、例えばp型AlGaN、p型InAlGaN等からなる。活性層25は、第1のクラッド層21と第2のクラッド層23との間に設けられる。活性層25は窒化ガリウム系半導体層を含み、この窒化ガリウム系半導体層は例えば井戸層25aである。活性層25は窒化ガリウム系半導体からなる障壁層25bを含み、井戸層25a及び障壁層25bは交互に配列されている。井戸層25aは、例えばInGaN等からなり、障壁層25bは例えばGaN、InGaN等からなる。活性層25は、480nm以上540nm以下の波長の範囲内の光を発生するように設けられた量子井戸構造を含むことができる。この発振波長の領域の光を生成する発光素子は、高放熱特性を必要とする。また、半極性面の利用により、波長510nm以上540nm以下の光の発生に好適である。この波長領域(緑色)の光を生成する発光素子は、高放熱特性を必要とする。第1のクラッド層21、活性層25及び第2のクラッド層23は、半極性主面17aの法線軸NXに沿って順に配列されている。
半導体領域19は、バッファ層15、n側光ガイド層35、p側光ガイド層37及びp型コンタクト層33を含む。バッファ層15は、基板17の半極性主面17aと第1のクラッド層21との間に設けられる。バッファ層15は、第1導電型III族窒化物半導体層を含み、例えばn型GaN等からなる。n側光ガイド層35は、第1のクラッド層21と活性層25との間に設けられる。n側光ガイド層35は、第1の部分35a及び第2の部分35bを含み、n側光ガイド層35は例えばn型GaN、n型InGaN等からなる。p側光ガイド層37は、活性層25と第2のクラッド層23との間に設けられる。p側光ガイド層37は、第1の部分37a、第2の部分37b及び電子ブロック層39を含み、p側光ガイド層37は例えばp型GaN、p型InGaN等からなる。電子ブロック層39は、例えば第1の部分37aと第2の部分37bとの間に設けられる。p型コンタクト層33は、第2のクラッド層23上に設けられる。p型コンタクト層33は、例えばp型GaN等からなる。
半導体領域19は、半導体リッジ49(リッジ部)を有する。半導体リッジ49は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸及び法線軸NXによって規定されるm−n面と、半導体領域19の表面19aとの交差線LINの方向(X軸方向)に延在する。半導体リッジ49は、上面49a及び側面49bを有する。半導体リッジ49の側面49bは、ある角度で半導体リッジ49の上面49aに対して傾斜しており、その角度は90度より小さい或いは90度以下であることができる。
絶縁層31は、レーザ構造体13の半導体領域19の表面19aを覆っている。絶縁層31は、例えばシリコン酸化物(例えばSiO)から構成される。半導体領域19は絶縁層31と基板17との間に位置する。絶縁層31は開口31aを有する。開口31aは、半導体リッジ49の上面49a上に設けられ、上記の交差線LINの方向に延在し、例えばストライプ形状を成す。
レーザ構造体13は、レーザ共振器のための第1の端面27及び第2の端面29を有する。第1の端面27及び第2の端面29は、m−n面に交差する。窒化物半導体レーザ素子11のレーザ共振器は、第1の端面27及び第2の端面29の一方から他方に、上記のレーザ導波路が延在している。このように、窒化物半導体レーザ素子11では、レーザ導波路は、第1のクラッド層21、第2のクラッド層23及び活性層25を含み、また上記の交差線LINの方向に延在する。レーザ構造体13は第1の面13a及び第2の面13bを含み、第1の面13aは第2の面13bの反対側の面である。第1の端面27及び第2の端面29は、第1の面13aのエッジ13cから第2の面13bのエッジ13dまで延在する。本実施形態では、第1の端面27及び第2の端面29は、c面、m面又はa面といったこれまでのへき開面とは異なることができる。
オーミック電極45は、レーザ構造体13の半導体領域19上に、半導体リッジ49を覆うように設けられている。オーミック電極45は、例えばPd、Ni、Au、Pt等から構成され、その厚さは3000Å程度である。オーミック電極45がPdから構成される場合、オーミック電極45は、半導体領域19の半極性面(上面49a)に対して良好な電気接触を提供でき、半導体領域19に対するコンタクト抵抗値を低減することができる。オーミック電極45は、開口31aを介して半導体領域19の、例えばp型コンタクト層33の表面に接触を成しており、上記の交差線LINの方向に第1の端面27から第2の端面29まで延在する。すなわち、オーミック電極45は、半導体リッジ49上に設けられ、半導体リッジ49の上面49aに接触を成している。また、オーミック電極45は、半導体領域19上において、第2の端面29から第1の端面27に向かう第1方向(X軸の負方向)に、第1の端面27のエッジ27eまで延在し、第1方向と反対の第3方向(X軸の正方向)に、第2の端面29のエッジ29eまで延在する。
オーミック電極45は、第1ウイング部45aと、センタ部45bと、第2ウイング部45cとを含む。センタ部45bは、第1ウイング部45aと第2ウイング部45cとの間にある。センタ部45bは、開口31aを介して半導体リッジ49の上面49aに接触を成す。第1ウイング部45a及び第2ウイング部45cは、半導体リッジ49に接触することなく絶縁層31に接触する。
パッド電極47は、レーザ構造体13の半導体領域19上に設けられている。パッド電極47は、オーミック電極45との密着性を向上するために複数の金属層を含み、例えばAu、PtまたはTiの金属層を含む。パッド電極47は、例えばAu/Pt/Au/Pt/Ti(3000/300/4500/300/200Å)から構成されている。半導体リッジ49上において、パッド電極47の厚さD47は、オーミック電極45の厚さD45よりも大きく、例えば100nm以上である。パッド電極47は、レーザ構造体13及びオーミック電極45に接触を成す。また、パッド電極47は、第1の端面27のエッジ27e及び第2の端面29のエッジ29eから離れている。
パッド電極47は、第1の部分47a、第2の部分47b及び第3の部分47cを含み、第1の部分47a、第2の部分47b及び第3の部分47cは、第1方向と交差する第2方向(Y軸の負方向)に沿って順に配列されている。第1の部分47aは、オーミック電極45に接触することなく絶縁層31に接触する。第1の部分47aは、交差線LINの方向に延在し、一端47f及び他端47gを有する。第1の部分47aの一端47fと第1の端面27のエッジ27eとの距離D11は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第1の部分47aの他端47gと第2の端面29の29eとの距離D12は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第1の部分47aの第2方向に沿った幅W1は、例えば30μm〜3mm程度である。
第2の部分47bは、オーミック電極45上に設けられ、オーミック電極45に接触を成している。第2の部分47bは、交差線LINの方向に延在し、一端47h及び他端47iを有する。第2の部分47bの一端47hと第1の端面27のエッジ27eとの距離D21は、例えば0.1μm以上であり、例えば10μm以下である。第2の部分47bの他端47iと第2の端面29の29eとの距離D22は、例えば0.1μm以上であり、例えば10μm以下である。第2の部分47bの第2方向に沿った幅W2は、例えば1μm〜300μm程度である。
第3の部分47cは、オーミック電極45に接触することなく絶縁層31に接触する。第3の部分47cは、交差線LINの方向に延在し、一端47j及び他端47kを有する。第3の部分47cの一端47jと第1の端面27のエッジ27eとの距離D31は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第3の部分47cの他端47kと第2の端面29の29eとの距離D32は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第3の部分47cの第2方向に沿った幅W3は、例えば30μm〜3mm程度である。
このように、第2の部分47bは、第1方向において、第1の部分47a及び第3の部分47cよりも突出して延びている。また、第2の部分47bは、第3方向において、第1の部分47a及び第3の部分47cよりも突出して延びている。また、オーミック電極45は、第2の部分47bよりも第1方向に突出しており、オーミック電極45は、第2の部分47bよりも第3方向に突出している。
窒化物半導体レーザ素子11では、レーザ構造体13は、第1領域12a、第2領域12b、第3領域12c、第4領域12d、第5領域12e、第6領域12f及び第7領域12gを備えている。第1領域12a、第2領域12b、第3領域12c、第4領域12d、第5領域12e、第6領域12f及び第7領域12gは、第2方向に順に配列されており、それぞれ第1方向に延在している。第4領域12dは、半導体リッジ49を含む。オーミック電極45は、第3領域12c、第4領域12d及び第5領域12e上に設けられるとともに、第1領域12a、第2領域12b、第6領域12f及び第7領域12g上には設けられていない。パッド電極47の第1の部分47aは第1領域12a上に設けられ、パッド電極47の第2の部分47bは第2領域12b、第3領域12c、第4領域12d、第5領域12e及び第6領域12f上に設けられ、パッド電極47の第3の部分47cは第7領域12g上に設けられている。
また、窒化物半導体レーザ素子11では、レーザ構造体13は、第8領域12h及び第9領域12iを更に備えてもよい。第8領域12hは、窒化物半導体レーザ素子11の側面11dを含み、第9領域12iは、窒化物半導体レーザ素子11の側面11eを含む。第1領域12a〜第7領域12gは第8領域12hと第9領域12iとの間に設けられる。パッド電極47は第8領域12h及び第9領域12i上に設けられていない。これ故に、パッド電極47の側縁47d、47eは、第1方向に延在する窒化物半導体レーザ素子11の側面11d、11eから離れるように設けられる。窒化物半導体レーザ素子11を作製する際に、厚膜のパッド電極47の剥がれを避けることができる。パッド電極47の縁と素子側面11d、11eの上縁との距離DE2は例えば20μm以上であることができる。
裏面電極41は、基板17の裏面17bに設けられ、例えば基板17の裏面17bを覆っている。裏面電極41は、複数の金属層を含み、例えばAu/Ti/Al(6000/500/500Å)から構成されている。
また、窒化物半導体レーザ素子11では、第1の端面27及び第2の端面29の少なくとも一方、又はそれぞれに設けられた誘電体多層膜43を更に備えることができる。
この窒化物半導体レーザ素子11によれば、基板17の半極性主面17a上に半導体領域19が設けられ、半導体領域19の半極性面にオーミック電極45が設けられる。半導体領域の半極性面は、半導体領域のc面と比べて酸化されやすいので、半導体領域のc面とオーミック電極との密着性と比べて半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性は低い。このため、c面の窒化物半導体基板を用いた窒化物半導体レーザ素子と比べて、オーミック電極は剥がれやすい。また、半導体領域の半極性面とオーミック電極との密着性よりもパッド電極とオーミック電極との密着性の方が大きい。このため、基板生産物の分離のための押圧力がパッド電極に加わった場合、パッド電極とともにオーミック電極が剥がれるおそれがある。そこで、この窒化物半導体レーザ素子11では、第1の端面27のエッジ27eから離れてパッド電極47が半導体領域19上に設けられるので、窒化物半導体レーザ素子11の作製において、基板生産物から分離する時にパッド電極47に押圧力が加わることを防止でき、第1の端面27においてパッド電極47とともにオーミック電極45が剥がれることを抑制できる。
また、この窒化物半導体レーザ素子11によれば、活性層25において発生した熱の一部は、オーミック電極45を介してパッド電極47に伝わり、パッド電極47を介して放熱される。また、パッド電極47の第2の部分47bの一端47hと第1の端面27のエッジ27eとの間の第1方向に沿った距離D21が10μm以下となるように、パッド電極47の第2の部分47bがオーミック電極45上に設けられる。このため、活性層25からの熱は、第1の端面27付近においても、パッド電極47を介して放熱される。したがって、この窒化物半導体レーザ素子11によれば、窒化物半導体レーザ素子11の放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極45の剥がれ量を低減できる。
また、この窒化物半導体レーザ素子11によれば、第2の端面29のエッジ29eから離れてパッド電極47が半導体領域19上に設けられるので、窒化物半導体レーザ素子11の作製において、基板生産物から分離する時にパッド電極47に押圧力が加わることを防止でき、第2の端面29においてパッド電極47とともにオーミック電極45が剥がれることを抑制できる。また、パッド電極47の第2の部分47bの他端47iと第2の端面29のエッジ29eとの間の第3方向に沿った距離D22が10μm以下となるように、パッド電極47の第2の部分47bがオーミック電極45上に設けられるので、活性層25からの熱は、半導体リッジ49の略全面に亘って、パッド電極47を介して放熱される。
図3は、窒化物半導体レーザ素子11の製造方法の一例を示す工程図である。図4〜図8は、窒化物半導体レーザ素子11の製造工程を模式的に示す図である。図3に示されるように、窒化物半導体レーザ素子11の製造方法は、基板準備工程S01と、エピタキシャル成長工程S02と、リッジ形成工程S03と、絶縁層形成工程S04と、オーミック電極形成工程S05と、パッド電極形成工程S06と、裏面電極形成工程S07と、スクライブ工程S08と、レーザバー形成工程S09と、誘電体多層膜形成工程S10と、半導体レーザチップ形成工程S11と、によって構成されている。
図4の(a)を参照すると、基板51が示されている。まず、基板準備工程S01では、窒化物半導体レーザ素子11の作製のための基板51を準備する。基板51は、六方晶系III族窒化物半導体からなる半極性主面51aを有する。基板51の六方晶系III族窒化物半導体のc軸(基準軸Cx)は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸方向に法線軸NXに対して有限な角度ALPHAで傾斜している。角度ALPHAは、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であることが好ましい。45度未満及び135度を越える角度では、押圧により形成される端面がm面からなる可能性が高くなる。また、80度を越え100度未満の角度では、所望の平坦性及び垂直性が得られないおそれがある。
エピタキシャル成長工程S02では、基板51の半極性主面51a上に半導体領域53をエピタキシャル成長して、レーザ構造体のためのエピタキシャルウエハ50を作製する。この半導体領域53には、バッファ層、第1のクラッド層、n側光ガイド層、活性層、p側光ガイド層、第2のクラッド層及びp型コンタクト層が含まれ、半極性主面51aの法線軸NXに沿ってその順に配列されている。そして、N雰囲気において、880度程度で2分間、エピタキシャルウエハ50の活性化アニールを行う。
リッジ形成工程S03では、真空蒸着炉を用いて、エピタキシャルウエハ50の半導体領域53上にAl層22、Ti層24、SiO層26の順に蒸着する。このAl層22の厚さは1000Å程度、Ti層24の厚さは500Å程度、SiO層26の厚さは3000Å程度である。SiO層26の上に、リッジ形成用のレジストパターン28を2μm程度の幅で形成する。そして、図4の(b)に示されるように、レジストパターン28をエッチングマスクとして、例えばCHF反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)によりSiO層26をエッチングし、レジストパターン28及びSiO層26を含むマスクMを形成する。続いて、図4の(c)に示されるように、マスクMを用いて、例えばBCl+Cl反応性イオンエッチングによりTi層24、Al層22及びエピタキシャルウエハ50を順にエッチングする。これにより、第1方向に延在し、半導体リッジ49のためのリッジストライプRSを半導体領域53に形成する。そして、レジストパターン28を除去する。
絶縁層形成工程S04では、絶縁層55を半導体領域53上に形成する。まず、図5の(a)に示されるように、Al層22に絶縁層55が蒸着しないようにするために、塩酸を用いて犠牲層であるAl層22をサイドエッチングする。そして、図5の(b)に示されるように、電子ビーム(EB)法によって、SiO層26及びエピタキシャルウエハ50(半導体領域53)の上面に絶縁層55を蒸着する。蒸着される絶縁層55の厚さは、3000〜4000Å程度である。その後、図5の(c)に示されるように、塩酸を用いてAl層22をエッチングし、リッジストライプRS上部のAl層22、Ti層24、SiO層26及び絶縁層55bを除去する。エピタキシャル成長工程S02〜絶縁層形成工程S04によって、窒化物半導体からなり半極性主面51aを有する基板51と、基板51の半極性主面51a上に設けられた半導体領域53とを含むレーザ構造体LSが形成される。
オーミック電極形成工程S05では、第1方向に延在し、オーミック電極45のための電極ストライプESをレーザ構造体LSの半導体領域53上に形成する。まず、図6の(a)に示されるように、レーザ構造体LSの上面のうち、リッジストライプRSを除いた領域にレジスト57を形成する。そして、真空蒸着炉を用いて、オーミック電極45のためのオーミックメタルOMをレジスト57及びリッジストライプRS上に蒸着する。このオーミックメタルOMは、例えばPdから構成され、その厚さは300Å程度である。オーミックメタルOMがPdから構成される場合、半導体領域53の半極性面に対して良好な電気接触を提供でき、半導体領域53に対するコンタクト抵抗値を低減することができる。そして、図6の(b)に示されるように、リフトオフを行って、第1方向に延在し、オーミック電極45のための電極ストライプESをエピタキシャルウエハ50(半導体領域19)上に形成する。この電極ストライプESは、リッジストライプRSを覆うように連続して形成され、リッジストライプRSの上面に接触を成している。
パッド電極形成工程S06では、電極ストライプES上に複数のパッド電極PEを形成する。まず、フォトリソグラフィを用いて、レーザ構造体LS上にパッド電極PEを形成するためのレジスト(不図示)を形成する。このレジストは、パッド電極PEのための開口を有する。そして、例えば真空蒸着炉を用いてパッド構造の複数の金属層をレーザ構造体LS上に蒸着する。この複数の金属層は、電極ストライプESとの密着性を向上するためにAu、Pt又はTiの金属層を含み、例えばAu/Pt/Au/Pt/Ti(3000/300/4500/300/200Å)が用いられる。そして、図7の(a)に示されるように、リフトオフを行って、複数のパッド電極PEを電極ストライプES上に形成する。複数のパッド電極PEの各々は、レーザ構造体LS及び電極ストライプESに接触を成す。リッジストライプRS上において、パッド電極PEの厚さは、電極ストライプESの厚さよりも大きく、例えば100nm以上である。
図8の(a)に示されるように、複数のパッド電極PEの各々は、第1方向及び第2方向に配列されたチップに設けられている。また、複数のパッド電極PEの各々は、当該パッド電極PEが設けられたチップと、第1方向において隣り合うチップのパッド電極PEとの間に一定の間隔を有する。また、複数のパッド電極PEの各々は、当該パッド電極PEが設けられたチップと、第2方向において隣り合うチップのパッド電極PEとの間に一定の間隔を有する。このため、各パッド電極PEは、後述のレーザバー形成工程S09において形成される第1の端面67のエッジ67e及び第2の端面69のエッジ69eから離れている。また、各パッド電極PEは、第1の部分PEa、第2の部分PEb及び第3の部分PEcを含み、第1の部分PEa、第2の部分PEb及び第3の部分PEcは、第2方向に沿って順に配列されている。第1の部分PEaは、電極ストライプESに接触することなく絶縁層55aに接触する。第1の部分PEaは、第1方向に延在し、一端PEf及び他端PEgを有する。第1の部分PEaの一端PEfと第1の端面67のエッジ67eとの距離は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第1の部分PEaの他端PEgと第2の端面69の69eとの距離は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。
第2の部分PEbは、電極ストライプES上に設けられ、電極ストライプESに接触を成している。第2の部分PEbは、第1方向に延在し、一端PEh及び他端PEiを有する。第2の部分PEbの一端PEhと第1の端面67のエッジ67eとの距離は、例えば0.1μm以上であり、例えば10μm以下である。第2の部分PEbの他端PEiと第2の端面69の69eとの距離は、例えば0.1μm以上であるので、パッド電極PEのパターニングを良好に行うことができる。また、第2の部分PEbの他端PEiと第2の端面69の69eとの距離は、例えば10μm以下である。
第3の部分PEcは、電極ストライプESに接触することなく絶縁層55aに接触する。第3の部分PEcは、第1方向に延在し、一端PEj及び他端PEkを有する。第3の部分PEcの一端PEjと第1の端面67のエッジ67eとの距離は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。第3の部分PEcの他端PEkと第2の端面69の69eとの距離は、例えば3μm以上であり、例えば300μm以下である。
このように、第2の部分PEbは、第1方向において、第1の部分PEa及び第3の部分PEcよりも突出して延びている。また、第2の部分PEbは、第3方向において、第1の部分PEa及び第3の部分PEcよりも突出して延びている。
裏面電極形成工程S07では、基板51の裏面51bに裏面電極BEを形成する。まず、エピタキシャルウエハ50の基板51の裏面51bを、基板51の厚さが例えば80μm程度になるまで研磨する。そして、BCl+Cl反応性イオンエッチングにより研磨した裏面51bをエッチングしてダメージ層を除去する。そして、図7の(b)に示されるように、例えば真空蒸着炉を用いて裏面電極BEのための金属層を裏面51bに蒸着する。この金属層として、例えばAu/Ti/Al(6000/500/500Å)が用いられる。以上のようにして、基板生産物SPが作製される。
スクライブ工程S08では、基板生産物SPの第1の面63aをスクライブして、第2方向に沿ってスクライブ溝65aを形成する。このスクライブは、レーザスクライバを用いて行われる。スクライブではレーザビームの照射により、特定の方向に延在し半導体領域53に到達するスクライブ溝65が第1の面63aに形成される。図8の(a)では、スクライブ溝65は、第1方向に形成されたスクライブ溝65aと、第2方向に形成されたスクライブ溝65bとを含む。スクライブ溝65aは、第2方向に配列されたチップ間に設けられている。スクライブ溝65bは、第1方向に配列されたチップ間に設けられ、第1方向に隣り合うパッド電極PEの第1の部分PEaの間及び第3の部分PEcの間に延在し、第2方向に配列される。また、スクライブ溝65bは、第1方向に隣り合うパッド電極PEの第2の部分PEbの間には設けられない。
レーザバー形成工程S09では、図8の(b)に示されるように、スクライブ溝65を形成した後に、基板生産物SPの第2の面63bを押圧することにより基板生産物SPの分離を行って、別の基板生成物SP1およびレーザバーLBを形成する。押圧は、例えばブレードといったブレイキング装置を用いて行われる。第2の面63bに交差する方向からブレイキング装置のエッジを基板生産物SPに押し当てる。交差方向は好ましくは第2の面63bにほぼ垂直方向である。また、ブレイキング装置のエッジは、基板生産物SPの第1の面63aにおいてスクライブ溝65bが形成された位置の反対側に押し当てられる。そして、第2方向に配列されたスクライブ溝65bによって規定される切断ラインに沿って基板生産物SPが分離される。この基板生産物SPの分離によって、基板生産物SP1及びレーザバーLBを形成する。
このようにして形成されたレーザバーLBは、押し当てにより形成された第1の端面67及び第2の端面69と、押し当てによりリッジストライプRSを分離して形成された半導体リッジ49と、押し当てにより電極ストライプESを分離して形成されたオーミック電極45と、複数のパッド電極PEのうちの第1のパッド電極47とを有する。これらの第1の端面67及び第2の端面69は少なくとも発光層の一部において半導体レーザの共振ミラーに適用可能な程度の垂直性及び平坦性を有する。また、レーザバーLBは、押し当てによりスクライブ溝65bを分離して形成された凹部66を有する。この凹部66は、第1の端面67及び第2の端面69に設けられ、第2方向に延在し、半導体領域53に到達する。また、凹部66は、第1の部分PEaの一端PEfと第1の端面67のエッジ67eとの間、第1の部分PEaの他端PEgと第2の端面69のエッジ69eとの間、第3の部分PEcの一端PEjと第1の端面67のエッジ67eとの間、及び、第3の部分PEcの他端PEkと第2の端面69のエッジ69eとの間に設けられる。そして、押圧による分離を繰り返して、多数のレーザバーLBを作製する。
誘電体多層膜形成工程S10では、レーザバーLBの第1の端面67及び第2の端面69に誘電体多層膜を形成して、レーザバー生産物を形成する。半導体レーザチップ形成工程S11では、このレーザバー生産物を個々の半導体レーザのチップに分離する。以上のようにして、窒化物半導体レーザ素子11が作製される。
図9の(a)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程のスクライブ工程を示す図、(b)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程のレーザバー形成工程を示す図である。図10の(a)は窒化物半導体レーザ素子11の製造工程におけるオーミック電極45の剥がれを模式的に示す図、(b)は比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造工程におけるオーミック電極の剥がれを模式的に示す図である。図11は、電流と光出力との関係を示す図である。図11のグラフP100は、比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造方法により作製された窒化物半導体レーザ素子の電流−光出力特性を示すグラフである。グラフP11は、図3の窒化物半導体レーザ素子の製造方法により作製された窒化物半導体レーザ素子11の電流−光出力特性を示すグラフである。
図9の(a)に示されるように、比較例の基板生産物SP100では、パッド電極PEの形状が基板生産物SPと異なる。すなわち、基板生産物SP100では、パッド電極PE100は、第1方向に配列されたチップ上に切れ目なく連続して設けられている。
図9の(b)に示されるように、基板生産物SP100の第2の面163bを押圧することにより基板生産物SP100の分離を行って、別の基板生成物SP101及びレーザバーLB100を形成する。このとき、第1方向に隣接するチップ間にパッド電極PE100が連続して設けられているので、パッド電極PE100を分離する必要がある。スクライブ溝65bを用いて基板生産物SPを分離する場合、第2方向に配列されたスクライブ溝65bによって規定される切断ライン上において、分離のための押圧力がパッド電極PE100及び電極ストライプES100に加わる。この押圧力によりパッド電極PE100及び電極ストライプES100が引っ張られ、パッド電極PE100及び電極ストライプES100が分断されて、パッド電極PE101及びオーミック電極145が形成される。
このとき、このパッド電極PE101及びオーミック電極145に収縮力が作用する。この収縮力によって、半導体領域53の表面から剥がれる方向にパッド電極PE101に力が作用する。したがって、分離のための押圧力によって、パッド電極PE101は半導体領域53の表面から剥がれる。また、半導体領域53の半極性面は、半導体領域53のc面の表面とは原子配列が異なり、複数のボンダリーを有するので、c面に比べ酸化されやすい。このため、半導体領域53の表面と絶縁層、オーミック電極及びパッド電極との密着性は、c面と絶縁層、オーミック電極及びパッド電極との密着性と比べて小さい。そして、オーミック電極145と半導体領域53の表面との密着性は、オーミック電極145とパッド電極PE101との密着性よりも小さいので、図10の(b)に示されるように、パッド電極PE101とともにオーミック電極145が半導体領域53の表面から剥がれてしまう。
一方、窒化物半導体レーザ素子11の製造方法では、チップに設けられたパッド電極PEと、当該チップと第1方向において隣り合うチップに設けられたパッド電極PEとの間に所定の間隙を設けている。すなわち、基板生産物SPが分割されて形成される第1の端面67のエッジ67eから離れてパッド電極PEが半導体領域53上に設けられ、基板生産物SPが分割されて形成される第2の端面69のエッジ69eから離れてパッド電極PEが半導体領域53上に設けられる。スクライブ溝65bを用いて基板生産物SPを分離する場合、第2方向に配列されたスクライブ溝65bによって規定される切断ライン上において、分離のための押圧力が電極ストライプESに加わる。この押圧力により電極ストライプESが引っ張られ、電極ストライプESが分断されてオーミック電極45が形成される。
このとき、図10の(a)に示されるように、オーミック電極45に収縮力が作用し、オーミック電極45は半導体領域53の表面から剥がれてしまう。しかしながら、パッド電極PEには、分離のための押圧力が加わらないので、収縮力が作用しない。その結果、第1の端面67及び第2の端面69においてパッド電極PEとともにオーミック電極が剥がれるのを抑制できる。また、オーミック電極45は、パッド電極PEによって半導体領域53に押さえら付けられるので、オーミック電極45の剥がれの量は、第1の端面67のエッジ67e又は第2の端面69のエッジ69eからパッド電極PEのエッジまでに抑えられる。この他にも、オーミック電極45の膜厚が小さい場合は、収縮力が小さくなり、オーミック電極45が半導体領域53の表面から剥がれることが少なくなり、剥がれる量も小さくなる。
また、窒化物半導体レーザ素子において、オーミック電極が剥がれた部分は電流の非注入領域となる。比較例の窒化物半導体レーザ素子の製造方法によって作製された窒化物半導体レーザ素子では、パッド電極PEとともにオーミック電極45が半導体領域53の表面から剥がれてしまうので、レーザ共振器の両端部において非注入領域が大きくなる。一方、図3の製造方法によって作製された窒化物半導体レーザ素子11では、第2の部分47bの一端47hと第1の端面27のエッジ27eとの距離D21は10μm以下であるので、オーミック電極45の剥がれの量を第1の端面27のエッジ27eから10μm以下に抑えることができる。また、窒化物半導体レーザ素子11では、第2の部分47bの他端47iと第2の端面29のエッジ29eとの距離D22は10μm以下であるので、オーミック電極45の剥がれの量を第2の端面29のエッジ29eから10μm以下に抑えることができる。
この非注入領域が、導波路の端部から10μmより大きくなると、発光に要する駆動電流が大きくなる。このため、比較例の窒化物半導体レーザ素子では、窒化物半導体レーザ素子11よりもレーザを発光させるための閾値電流が大きくなる。また、同じ駆動電流で比較した場合、窒化物半導体レーザ素子11の光出力は、比較例の窒化物半導体レーザ素子の光出力よりも大きい。このように、図3の製造方法により作製された窒化物半導体レーザ素子11によれば、窒化物半導体レーザ素子11の発光特性の低下を抑制することが可能となる。
また、窒化物半導体レーザ素子11では、活性層において発生した熱の一部は、オーミック電極45を介してパッド電極47に伝わり、パッド電極47を介して放熱される。窒化物半導体レーザ素子11の製造方法では、パッド電極PEの第2の部分PEbの一端PEhと第1の端面67のエッジ67eとの距離が10μm以下となるように、パッド電極PEの第2の部分PEbが電極ストライプES上に設けられる。このため、この製造方法によって作製された窒化物半導体レーザ素子11では、活性層からの熱は、第1方向における端部付近においても、パッド電極47を介して放熱される。また、窒化物半導体レーザ素子11の製造方法では、パッド電極PEの第2の部分PEbの他端PEiと第2の端面69のエッジ69eとの距離が10μm以下となるように、パッド電極PEの第2の部分PEbが電極ストライプES上に設けられる。このため、この製造方法によって作製された窒化物半導体レーザ素子11では、活性層からの熱は、第3方向における端部付近においても、パッド電極47を介して放熱される。したがって、この製造方法によれば、窒化物半導体レーザ素子11の放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極45の剥がれ量を低減できる。
本発明は、上記実施形態に記載されたものに限定されない。
以上説明したように、本実施形態によれば、放熱特性の劣化を低減するとともに、オーミック電極の剥がれ量を低減できる構造を有する窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供できる。
11…窒化物半導体レーザ素子、13…レーザ構造体、17…基板、17a…半極性主面、19…半導体領域、21…第1のクラッド層、23…第2のクラッド層、25…活性層、27…第1の端面、27e…エッジ、29…第2の端面、29e…エッジ、45…オーミック電極、47…パッド電極、47a…第1の部分、47b…第2の部分、47c…第3の部分、47h…一端、47i…他端、49…半導体リッジ(リッジ部)、51…基板、51a…半極性主面、53…半導体領域、63a…第1の面、63b…第2の面、65…スクライブ溝、67…第1の端面、エッジ…67e、69…第2の端面、69e…エッジ、ES…電極ストライプ、LB…レーザバー、LS…レーザ構造体、NX…法線軸、PE…パッド電極、PEa…第1の部分、PEb…第2の部分、PEc…第3の部分、PEh…一端、PEi…他端、RS…リッジストライプ、SP…基板生産物、SP1…別の基板生産物。

Claims (20)

  1. 窒化物半導体レーザ素子であって、
    窒化物半導体からなり半極性主面を有する基板、及び、前記基板の前記半極性主面上に設けられた半導体領域を含むレーザ構造体と、
    前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられたオーミック電極と、
    前記レーザ構造体の前記半導体領域上に設けられたパッド電極と、
    を備え、
    前記半導体領域は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、
    前記レーザ構造体は、レーザ共振器のための第1の端面及び第2の端面を有し、
    前記オーミック電極は、前記第2の端面から前記第1の端面に向かう第1方向に延在し、
    前記パッド電極は、前記第1の端面のエッジから離れており、
    前記パッド電極は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、
    前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って順に配列されており、
    前記第2の部分は、前記第1方向に延在し、かつ、一端及び他端を有し、
    前記第2の部分は、前記オーミック電極上に設けられ、前記第1方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、
    前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第1方向に突出し、
    前記第2の部分の前記一端と前記第1の端面のエッジとの間の前記第1方向に沿った距離は、10μm以下であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記オーミック電極は、前記第1方向と反対の第3方向に延在し、
    前記パッド電極は、前記第2の端面のエッジから離れており、
    前記第2の部分は、前記第3方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、
    前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第3方向に突出し、
    前記第2の部分の前記他端と前記第2の端面のエッジとの間の前記第3方向に沿った距離は、10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記半導体領域は、前記第1方向に延在するリッジ部を有し、
    前記オーミック電極は、前記リッジ部上に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記パッド電極の厚さは、前記オーミック電極の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記パッド電極の厚さは、100nm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記パッド電極は、複数の金属層を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記パッド電極は、Au、PtまたはTiの金属層を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記オーミック電極は、Pdから構成されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 窒化物半導体レーザ素子の製造方法であって、
    窒化物半導体からなり半極性主面を有する基板と、前記基板の前記半極性主面上に設けられた半導体領域とを含むレーザ構造体を形成する工程と、
    第1方向に延在し、オーミック電極のための電極ストライプを前記半導体領域上に形成する工程と、
    前記電極ストライプ上に複数のパッド電極を形成して、基板生産物を形成する工程と、
    前記基板生産物の第1の面をスクライブして、前記第1方向と交差する第2方向に沿ってスクライブ溝を形成する工程と、
    前記スクライブ溝を形成した後に、前記基板生産物の第2の面を押圧することにより前記基板生産物の分離を行って、別の基板生成物及びレーザバーを形成する工程と、
    を備え、
    前記半導体領域は、第1導電型の第1のクラッド層と、第2導電型の第2のクラッド層と、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に設けられた活性層とを含み、
    前記レーザバーは、前記分離により形成された第1の端面及び第2の端面と、前記分離により前記電極ストライプを分離して形成されたオーミック電極と、前記複数のパッド電極のうちの第1のパッド電極と、を有し、
    前記第1のパッド電極は、前記第1の端面のエッジから離れており、
    前記第1のパッド電極は、第1の部分、第2の部分及び第3の部分を含み、
    前記第1の部分、前記第2の部分及び前記第3の部分は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って順に配列されており、
    前記第2の部分は、前記第1方向に延在し、かつ、一端及び他端を有し、
    前記第2の部分は、前記オーミック電極上に設けられ、前記第1方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、
    前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第1方向に突出し、
    前記第2の部分の前記一端と前記第1の端面のエッジとの間の前記第1方向に沿った距離は、10μm以下であることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 前記第1のパッド電極は、前記第2の端面のエッジから離れており、
    前記第2の部分は、前記第1方向と反対の第3方向において、前記第1の部分及び前記第3の部分よりも突出して延びており、
    前記オーミック電極は、前記第2の部分よりも前記第3方向に突出し、
    前記第2の部分の前記他端と前記第2の端面のエッジとの間の前記第3方向に沿った距離は、10μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  13. 前記レーザバーは、前記分離により形成されたリッジ部を有し、
    前記オーミック電極は、前記リッジ部上に設けられていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記複数のパッド電極の各々の厚さは、前記電極ストライプの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 前記複数のパッド電極の各々の厚さは、100nm以上であることを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 前記複数のパッド電極の各々は、複数の金属層を含むことを特徴とする請求項11〜請求項15のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  17. 前記複数のパッド電極の各々は、Au、PtまたはTiの金属層を含むことを特徴とする請求項11〜請求項16のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  18. 前記電極ストライプは、Pdから構成されることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  19. 前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、45度以上80度以下または100度以上135度以下の範囲であることを特徴とする請求項11〜請求項18のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
  20. 前記基板の前記半極性主面の法線軸と、前記窒化物半導体のc軸との成す角度は、63度以上80度以下または100度以上117度以下の範囲であることを特徴とする請求項11〜請求項19のいずれか一項に記載の窒化物半導体レーザ素子の製造方法。
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