JP2014089857A - イオン発生装置及び電気機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生成されるイオン濃度を減らすことなく、放電音の騒音レベルを抑制することができるイオン発生装置を提供すること。
【解決手段】 本願発明に係るイオン発生装置1は、誘導電極8a、8bと、誘導電極との間でイオンを発生させるための放電電極7a、7bと、放電電極にパルス状電圧を印加する電圧印加回路40と、を備え、電圧印加回路は、電圧を昇圧して放電電極に印加するためのトランス22と、放電電極とトランスの間に接続される抵抗24a、24bと、抵抗、放電電極及び誘導電極で形成される電流経路に対して並列に配置されるコンデンサ25a、25bと、を有し、放電電極及び誘導電極から形成される静電容量をC、コンデンサの静電容量をC、抵抗をRとしたとき、C×C/(C+C)×Rで構成される時定数は、パルス状電圧の高調波成分を抑制するように設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本願発明は、イオン発生装置及びそれを備えた電気機器に関する。
近年、電極に電圧を印加することによって生ずる放電現象を利用してイオンを生成するイオン発生装置が実用化されている。イオン発生装置には大きく分けると2種類あり、マイナスイオンだけを発生させるものと、プラスイオン及びマイナスイオンを発生させるものがある。このようなイオン発生装置は、空気中に浮遊するカビ菌やウィルスの分解、脱臭、集塵等などの効果を有する。
イオン発生装置は、電極を有するイオン発生素子と、電極にパルス状の高電圧を印加する高電圧印加回路を備える。特許文献1には、マイナスイオンの発生装置が開示されており、図14は、マイナスイオンの発生装置の配線図である。一対組のスイッチングトランス101、102及び付帯するパルス制御回路103に、24V以下の直流電圧と且パルス数が20乃至100キロパルスのパルス信号を入力させ、一方のスイッチングトランス101の二次側よりその電圧が1500乃至7500Vで且パルス数が20乃至100キロパルスのマイナス高電圧直流方形波パルスを、更に他方のスイッチングトランス102の二次側からはその電圧が1500乃至7500Vで且パルス数が20乃至100キロパルスのプラス高電圧直流方形波パルスとして出力させる。更に電磁変換リレー104によりマイナス高電圧直流方形波の通電印加時間に対しプラス高電圧直流方形波パルスを5乃至30%の通電印加時間割合で交互に変換のうえ電子放射極105に通電印加させている。
特開2004−139946号公報(平成16年5月13日公開)
しかしながら、特許文献1のように電極にパルス状の高電圧を印加すると、イオンとともに放電音が生じることがある。近年、イオン発生装置は一般家庭で広く普及しており、寝室などでも使用されているため、放電音をいかに抑制するかが課題となっている。放電音を抑制する方法としては、電極に印加する電圧を小さくすることが考えられるが、それに伴い生成されるイオン濃度も減少してしまう。
本願発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、生成されるイオン濃度を減らすことなく、放電音の騒音レベルを抑制することができるイオン発生装置を提供することを目的とする。
本願発明に係るイオン発生装置は、誘導電極と、誘導電極との間でイオンを発生させるための放電電極と、放電電極にパルス状電圧を印加する電圧印加回路と、を備え、電圧印加回路は、電圧を昇圧して放電電極に印加するためのトランスと、放電電極とトランスの間に接続される抵抗と、抵抗、放電電極及び誘導電極で形成される電流経路に対して並列に配置されるコンデンサと、を有し、放電電極及び誘導電極から形成される静電容量をC、コンデンサの静電容量をC、抵抗をRとしたとき、C×C/(C+C)×Rで構成される時定数は、パルス状電圧の高調波成分を抑制するように設定されていることを特徴とする。
また、上記構成のイオン発生装置において、前記時定数が9.6μ秒以上であることを特徴としても良い。また、電圧印加回路は、パルス状電圧を正負に整流するダイオードを有し、ダイオードは、トランスと抵抗の間に位置することを特徴としても良い。また、放電電極は、正イオンを発生させるための正イオン発生用放電電極と、負イオンを発生させるための負イオン発生用放電電極とを有していることを特徴としても良い。
本願発明によれば、生成されるイオン濃度を減らすことなく、放電音の騒音レベルを抑制することができる。
本願発明に係るイオン発生装置の構成を示すブロック図である。 本願発明に係るイオン発生素子と電圧印加回路を示す第1の模式図である。 本願発明に係るイオン発生素子と電圧印加回路を示す第2の模式図である。 実施形態1に係るイオン発生装置の回路図である。 パルス状電圧印加が終了した後に構成されるイオン発生素子に対する回路図である。 実施形態2に係るイオン発生装置の回路図である。 本願発明の実験で用いたイオン発生素子と電圧印加回路を示す模式図である。 実施例に係るイオン発生装置の回路図である。 従来例のイオン発生装置の回路図である。 各種条件における立ち上がり部分の電圧波形の計測結果である。 各種条件における周波数毎に示した騒音レベルのオクターブ分析結果である。 各種条件におけるオールパスの騒音レベルの計測結果である。 本願発明と従来例における1パルス分の電圧波形の計測結果である。 特許文献1に係るマイナスイオンの発生装置の配線図である。
本願発明者らは、パルス状電圧を印加し、コロナ放電を起こしたときに生じる放電音を計測・分析した結果、高周波成分が支配的であることを確認した。そして放電音の高周波成分は、パルス状電圧の波形に含まれる高調波成分と強く相関していることを実験より見出した。すなわちパルス状電圧において急激な電圧変化を起こしている部分が高調波成分を生じさせ、その高調波成分が放電音の高周波成分を発生させる主な要因となっていることがわかった。
このことから本願発明者らは、パルス状電圧の高調波成分を抑制するように電圧波形を変化させ、放電音を低下させることを試みた。
以下に本願発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本願発明の技術的思想を具体化するために本願発明のイオン発生装置の一例を示すものであって、本願発明をこのイオン発生装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。
図1は、本願発明に係るイオン発生装置のブロック図である。イオン発生装置1は、イオン発生装置1全体を制御する制御部2、イオン発生素子3、電圧印加回路4、図示しないファンを駆動するファンモータ5、ファンモータ5の駆動を制御するモータ駆動回路6を備える。イオン発生装置1は、イオン発生素子3に電圧印加回路4によって高電圧を印加することによりイオンを生成する。またファンモータ5が動作して気流を形成し、該気流によってイオンを空間に広く放出するものである。なお、イオンは気流に搬送されなくても拡散効果によっても空中に拡がる効果があるため、遠方にイオンを輸送する必要がないような利用条件であればファンモータ及びモータ駆動回路は必ずしも必要ではない。
図2は、イオン発生素子3と電圧印加回路4を示す模式図である。イオン発生素子3は放電電極7と誘導電極8を備える電極対からなる。電圧印加回路4は、放電電極7に高電圧を印加する電圧印加手段である。
電圧印加回路4によって放電電極7に電圧が印加されて放電電極7と誘導電極8の間に電位差が与えられると、放電電極7近傍は局所的に強電界になる。すると、放電電極7付近でコロナ放電が起こり、イオンが発生する。電圧印加回路4によって放電電極7に印加される電圧が、誘導電極8に対して正の電圧である場合、正イオンが発生し、誘導電極8に対して負の電圧である場合、負イオンが発生する。
図2を参照して放電電極7及び誘導電極8の形状について説明する。図2(a)において放電電極7は針形状、誘導電極8はリング形状に形成される。放電電極7を誘導電極8の略中心部に配置することで、放電電極7と誘導電極8が一定の空間を隔てて配置されている。
図2(b)において放電電極7及び誘導電極8は共に針形状に形成される。放電電極7及び誘導電極8は一定の空間を隔てて対向配置される。ところで、放電電極7の近傍で発生したイオンは誘導電極8に接触することによって消滅する。図2(b)に示す誘導電極8は針形状であり、図2(a)に示すリング状の誘導電極8に比べて表面積が小さいので誘導電極8によって捕獲されるイオンの量が減る。従って図2(b)に示すイオン発生素子3によって空間に放出されるイオン濃度は、図2(a)に示すイオン発生素子3によって空間に放出されるイオン濃度よりも高濃度になる。
図2では一つのイオン発生素子3を備えることとしたがこれに限られるものではない。例えば、図3に示すように放電電極及び誘導電極からなるイオン発生素子が二つ配され、電圧印加回路40に接続されていてもよい。当該構成とすることにより、一方の放電電極7aと誘導電極8aからなるイオン発生素子3aに対して正の電圧を印加し、他方の放電電極7bと誘導電極8bからなるイオン発生素子3bに対して負の電圧を印加することによって、同時に正負イオンを生成することができる。このときイオン発生素子3aから正イオンが発生し、イオン発生素子3bから負イオンが発生する。なお、本明細書中では、放電電極7aを正イオン発生用放電電極とし、放電電極7bを負イオン発生用放電電極とする。
なお、イオン発生素子3の構造は上記の構造に限定されず、本願発明においては放電電極と誘導電極からなる電極対が静電容量性を示しておればよく、例えば明確な誘導電極が配置されていなくても、形成される電流経路において放電ギャップ部が静電容量性を示しておればよい。
以下、本願発明に係るイオン発生装置の回路図について説明する。
〔実施形態1〕
図4は、図2(a)に示されるイオン発生装置の回路図であり、イオン発生素子3から負イオンが発生するものである。図4には、イオン発生素子3と接続している電圧印加回路4が示されている。電圧印加回路4は、電源回路21、トランス22、ダイオード23、抵抗24、コンデンサ25を備える。
電源回路21は、DC電圧を入力電源とし、トランス22の1次側に接続されている。トランス22の2次側には、電圧を正負に整流するダイオード23が配置している。さらに、ダイオード23と放電電極7との間には抵抗24が配置されており、かつ抵抗24、放電電極7と誘導電極8で形成される電流経路に対して並列にコンデンサ25が配置されている。
上記の構成により、まず電源回路21から正負振動するパルス状電圧を生成し、生成されたパルス状電圧はトランス22により昇圧され、トランス22の2次側に誘起される。高電圧のパルス状電圧は、ダイオード23によって正負に整流される。これにより誘導電極8に対して放電電極7に負の電圧が印加され、イオン発生素子3から負イオンが発生する。
なお電源回路21より生成されるパルス状電圧は、正・負のピーク電圧値と0V付近を行き来する波形を有する。また本実施形態においては、ダイオード23の向きにより0V付近と負のピーク電圧の間を行き来する波形でも良い。
以下の説明ではイオン発生素子3に対する回路に基づいて放電電極7に印加される電圧について説明する。コンデンサ25は、負に整流されたパルス状電圧が印加され、充電される。一方、イオン発生素子3と抵抗24との直列回路はいわゆる積分回路となるので、イオン発生素子3に印加される電圧は積分回路の時定数に応じて緩やかに上昇する。
パルス状電圧のパルス幅が短い場合には、イオン発生素子3への電圧は上がりきらないこととなるが、充電が完了しているコンデンサ25がイオン発生素子3への印加電圧の上昇を補助する。
すなわち、イオン発生素子3の前段に配置する抵抗24は急激な電圧変化を抑制するため、時定数を大きくする作用を有する。よって放電電極7に印加される電圧波形は鈍化される。しかしながら、トランス22により昇圧されたパルス状電圧のパルス幅に比して時定数が長くなると、上記パルス幅の時間内で放電電極7が十分昇圧されない。この問題に対応するのがコンデンサ25であり、コンデンサ25にはパルス状電圧に対応して高電圧が誘起され、充電される。そして、上記パルス状電圧印加が終了した後も、コンデンサ25からの電荷移動によって放電電極7は昇圧されることとなる。
図5は、パルス状電圧印加が終了した後に構成されるイオン発生素子3に対する回路図である。ここで、コンデンサ25の静電容量をC、抵抗24の抵抗値をR、イオン発生素子3の静電容量をCとする。簡単のため、初期状態(時刻t=0)でのコンデンサ25の電圧はV、イオン発生素子3の電圧は0とする。
上記回路、初期条件において、放電電極7に印加される電圧Vは、数式1のように記載される。
数式1から、放電電極7に印加される電圧Vにおいて、急激な電圧変化を起こす立ち上がりにかかる時間は抵抗24とイオン発生素子3の静電容量のみで決定されるのではなく、並列配置するコンデンサ25にも依存することが判る。さらに、立ち上がりにかかる時間は、抵抗24の抵抗値Rの増加に応じて長くなることが判る。ここで時定数はRCで表記される。
以上のことから、図4に示されるように電圧印加回路において時定数RCのコンデンサ25の静電容量C、抵抗24の抵抗値Rを適切に設定することによって、放電電極7に印加されるパルス状電圧に含まれる高調波成分を引き起こしている急激な電圧変化部、すなわち立ち上がり部分を鈍化させることが可能となる。
なお、実施形態1では負イオンを発生するイオン発生装置1を例として示したが、正イオンを発生するようにしても良い。このとき、ダイオードの向きを逆にし、かつ電源回路21より生成されるパルス状電圧は正のピーク電圧を有しておればよい。
〔実施形態2〕
図6は、図3(a)に示されるイオン発生装置の回路図であり、イオン発生素子3aから正イオンが、イオン発生素子3bから負イオンが発生するものである。図6には、イオン発生素子3a及びイオン発生素子3bと接続している電圧印加回路40が示されている。電圧印加回路40は、電源回路21、トランス22、ダイオード23a、23b、抵抗24a、24b、コンデンサ25a、25bを備える。
電圧印加回路40は、トランス22の2次側に実施形態1で示した図4の電圧印加回路4のトランスの2次側部分を2組含んで構成されている。
電源回路21は、DC電圧を入力電源とし、トランス22の1次側に接続されている。トランス22の2次側には、電圧を正負に整流するダイオード23a及びダイオード23bを配置している。さらに、ダイオード23aと放電電極7aとの間には抵抗24aが配置されており、かつ抵抗24a、放電電極7aと誘導電極8aで形成される電流経路に対して並列にコンデンサ25aが配置されている。同様に、ダイオード23bと放電電極7bとの間には抵抗24bが配置されており、かつ抵抗24b、放電電極7bと誘導電極8bで形成される電流経路に対して並列にコンデンサ25bが配置されている。
上記の構成により、まず電源回路21から正負振動するパルス状電圧を生成し、生成されたパルス状電圧はトランス22により昇圧され、トランス22の2次側に誘起される。高電圧のパルス状電圧は、ダイオード23a、ダイオード23bによって正負に整流される。これにより誘導電極8aに対して放電電極7aに正の電圧が、誘導電極8bに対して放電電極7bに負の電圧が印加され、イオン発生素子3aから正イオンが発生し、イオン発生素子3bから負イオンが発生する。
なお、電源回路21より生成されるパルス状電圧は、正・負のピーク電圧値と0V付近を行き来する波形である。本願の実施形態におけるパルス状電圧は、正イオン及び負イオンを発生させるために正と負に切り替わる波形とする。
また、イオン発生素子3aとイオン発生素子3bに対する回路の構成は、ダイオードの向きが異なる点を除けば、実施形態1で示したイオン発生素子3に対する回路構成と同等である。そのため、放電電極7a及び放電電極7bに印加されるパルス状電圧の波形は、極性が異なる点を除けば、実施形態1で説明したように立ち上がり部分を鈍化させることが可能となる。その結果、放電電極7a及び放電電極7bに印加されるパルス状電圧に含まれる高調波成分を引き起こしている急激な電圧変化部を鈍化させることが可能となる。
以下、本願発明者らが本願発明に係るイオン発生装置を用いて行った実験内容及び実験結果について説明する。
本実験に用いたイオン発生装置1は、図7に示す構成であり、正イオンを発生させるイオン発生素子3a及び負イオンを発生させるイオン発生素子3bをそれぞれ2対有する。これは図3(a)の構成にイオン発生素子3a及びイオン発生素子3bをもう一つずつ追加して備えたものと同等である。放電電極7a及び放電電極7bは直径1mmΦの針電極であり、一端には先端が尖鋭に形成された放電部が形成される。また、誘導電極8a及び誘導電極8bは直径が約10mmのリング構造である。各電極には電圧印加回路40が接続されている。
図8は、本実験で用いたイオン発生装置1の回路図であり、イオン発生素子3a及びイオン発生素子3bが並列で二つずつ接続されている点を除けば、図6に示される回路図と同等である。
また、本願発明に係るイオン発生装置と同時に、抵抗とコンデンサがない電圧印加回路を備えるイオン発生装置を従来例とし、従来例と本願発明のイオン発生装置について比較した実験結果を示す。図9は、従来例のイオン発生装置の回路図である。
DC電圧12Vを電源回路21に入力し、周波数120Hzで正負振動するパルス状電圧を生成する。生成されたパルス状電圧は、トランスにより昇圧され、放電電極7aにはピーク電圧が約+3kVのパルス状電圧が、放電電極7bにはピーク電圧が約−3kVのパルス状電圧が印加される。また、誘導電極8a及び誘導電極8bは接地電位に接続した。また、コンデンサ25a、25bの静電容量Cを33pFとし、抵抗24a、24bの抵抗値Rを1.12MΩ、2.8MΩ、5.6MΩ、8.4MΩの4種類とした。各抵抗値Rのときの時定数RCはそれぞれ、9.6μ秒、23.9μ秒、47.8μ秒、71.6μ秒である。
図10は、各種条件における放電電極7aへの印加電圧の立ち上がりの計測結果を示し、図11は、各種条件における騒音レベルのオクターブ分析結果を示す。なお、騒音計測にはリオン株式会社製の騒音計NA−28を使用し、騒音計の集音用マイクをイオン発生素子から150mm離間した位置に固定し、集音用マイク及びイオン発生素子を金属製の遮音ボックス内に収めて放電時の騒音レベルを計測した。電圧計測はアジレント社製高圧プローブN2771Aを用いて計測した。
まず、図10より本願発明のイオン発生装置において放電電極7aへの印加電圧は、抵抗24aの抵抗値の増加に応じて立ち上がりが鈍化していることが判る。なお本実験において立ち上り時間とはピーク電圧に対して10%から90%に到達するまでの時間である。これは時定数RCの増加として解釈できる結果であり、抵抗値が1.12MΩ、2.8MΩ、5.6MΩ、8.4MΩの時の立ち上がり時間はそれぞれ、21μ秒、62μ秒、110μ秒、140μ秒であった。従来例での立ち上がり時間は5μ秒以下であった。なお、図10では、放電電極7aへの印加電圧の立ち上がり波形を示したが、放電電極7bへの印加電圧もピーク電圧が負であることを除けばほぼ同様の計測結果となる。
図11に示す通り従来例のイオン発生装置で騒音レベルの高かった8kHz帯の騒音レベルが、本願発明のイオン発生装置では低下していることが判る。一般的に、音は様々な周波数から構成されているが、騒音レベルを下げるのに有効な方法は、最も騒音レベルが大きい周波数帯の騒音レベルを下げることである。このことから、本実験では一番騒音レベルが大きかった8kHz帯の騒音レベルを下げることで、全体の騒音レベルを効率的に下げることができる。
さらに8kHz帯の騒音レベルは抵抗24a、24bの抵抗値の増加とともに低下しており、電圧印加時の急激な立ち上がり波形を鈍化させればさせるほど、8kHz帯の騒音レベルを抑制できることが判る。
図12は、各種条件におけるオールパスの騒音レベルの計測結果を示す。オールパスの騒音レベルは比較例の場合が38.2dBAであったのに対し、本願発明の抵抗値Rが1.12MΩ、2.8MΩ、5.6MΩ、8.4MΩの場合はそれぞれ、37.1dBA、36.0dBA、34.8dBA、33.5dBAであった。つまり、立ち上り時間を21μ秒以上の緩やかな波形とすれば騒音レベルが低下できることが分かる。この結果より、放電音の騒音レベルを抑制するため、時定数を9.6μ秒以上に設定し、立ち上がり時間が21μ秒以上にすることが望ましい。
図13は、図10の計測結果において従来例と本願発明で抵抗が5.6MΩのものについて1パルスの波形が確認できるように横軸の時間幅を変更したものである。図13から判るように、本願発明では副次的に電圧波形の立ち下りも鈍化する。このためピーク電圧を合わせると従来例に比べて本願発明の印加電圧の実効値は増加し、放電時間が長くなる。しかし、図11の騒音レベルのオクターブ分析結果によれば、このように放電時間が長くなるにも関わらず、騒音レベルが低下していることが判る。
なお、実使用上はイオンを所望とする量だけ生成することが主たる目的である。このため、ピーク電圧を合わせた場合には従来例に比べて本願発明の場合は放電時間が長くなりイオン生成量が増加する効果も有する。或いはイオン生成量を合わせるならば放電周波数を下げてよく、さらなる騒音低下を見込むことができる。
ところで、人は聴覚特性として3〜4kHzの周波数域の音を敏感に感知することが知られる。従って放電音の騒音レベルを低下するにあたっては3〜4kHzの周波数成分を低減することが有効と考えられる。図11を参照すれば抵抗値Rを8.4MΩとし、時定数を71.6μ秒に設定したとき、4kHz以上の周波数域において騒音レベルが抑制されていることが分かる。このときの立ち上がり時間は140μ秒である。この結果より、人が敏感に感知する周波数域の騒音レベルを抑制するため、立ち上がり時間が140μ秒以上になるように時定数を設定することが望ましい。
なお、実験によると高電圧パルスの立ち上り時間が変わっても、イオンの濃度に大きな差異は認められなかった。
また、上述したように高電圧パルスの電圧波形の立ち上り時間を長くすることによって放電によって生ずる放電音の高周波成分の強度が低下し、騒音レベルが低下するが、さらに騒音レベルを低下する方法として高電圧パルスの電圧波形の周波数を低下させることとしてもよい。印加電圧の実効値を低下させることによって放電音の周波数全域の騒音レベルが低下する。本実験では高電圧パルスの電圧波形の周波数を120Hzに固定して行っているが、同一波形のまま電圧波形の周波数を低下させれば印加電圧の実効値が低下するため、放電音の騒音レベルが低下できる。
ここで、高電圧パルスの周波数は、基本周波数として放電音の周波数成分を構成することになる。従って、高電圧パルスの電圧波形の周波数は人の聴覚が鈍感になる1000Hz以下に設定することが望ましい。さらに人の聴覚特性を考慮すれば、500Hz以下に設定することがより望ましい。
一方、同一波形のまま高電圧パルスの周波数を低下すると上述したように印加電圧の実効値が低下するので過度に周波数を低下するとイオンの発生量が低下、つまりイオン濃度が低下する。従って、高電圧パルスの周波数は維持すべきイオン濃度と外部環境を勘案して適宜設定することとすればよい。使用状況に応じて使用者が適宜高電圧パルスの周波数を変更してもよい。なお本願発明者らの実験によれば高電圧パルスの周波数を100Hz程度まで低下してもイオン濃度に顕著な低下はみられなかったが、さらに周波数を低下させたところイオン濃度の低下が認められた。従って、イオン濃度の維持を考慮すれば、放電電極に印加する高電圧パルスの周波数は100Hz以上であることが望ましい。
また、CとCの比は放電電極に印加される最大電圧と関係する。例えばコンデンサに一定の電圧が充電されたと仮定した場合には、C/Cが大きいほど放電電極へ印加される最大電圧は高くなる。よって、放電電圧を高く維持するにはCが大きいことが望ましいと考えられる。しかしながら一方、Cを大きくすると、高電圧パルスによって十分な電荷をコンデンサに供給する必要があるため、昇圧側の回路負荷は高くなる。このことから、昇圧回路と放電電圧部での電圧値とを勘案して回路定数を決定するべきであり、C/Cは概ね1〜5程度が望ましい。
また、本願発明者らは放電音の高周波成分と印加電圧波形に含まれる高調波成分とが強く相関することを見出したが、高調波成分を持たない正弦波であっても高周波の放電音は計測される。これは、放電音に基づく音波が印加電圧波形と完全には一致しないこと、言い換えれば音波波形には印加電圧波形に直接的に関係する要因以外の成分が存在することを意味する。
これは放電に基づいて構成される電圧波形が変化するため不可避の現象と考えられる。放電現象が発生した段階、或いは放電中であっても放電電極に印加される電圧値によってプラズマ状態が変化するため、放電部を含む電気回路が変化するため、音波は正弦波から逸脱して歪みを有する波形となると解される。このため放電音に基づく音波波形は印加電圧波形だけでは規定されないこととなる。
コロナ放電は放電電極近傍にのみ局所的に放電する形態であるので、電気回路における放電部の影響が小さくなるため、上記放電部の電気特性変化に伴って発生する歪み成分を抑えることができる。この結果放電に伴う音波において、印加電圧波形に直接的に関係する要因の割合が強くなるので、印加電圧波形の立ち上がり時間を鈍化する本発明がより効果的に使用できる。
またコロナ放電においても特に電極が針形状であれば放電空間は局所的であり、より歪み成分の発生量を抑制できるために効果的である。
以上、本願発明の実施形態について説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、本願発明に係るイオン発生装置は、電気機器に搭載することが可能である。なお、ここでいう電気機器は、空気清浄機、空気調和機、除湿器、加湿器、ファンヒ−タ、冷蔵庫等であり、主として、家屋の室内、ビルの一室、病院の病室、自動車の車室内、飛行機の機内、船の船室内、冷蔵庫の庫内等の空気を調整すべく用いられる装置である。
1 イオン発生装置
2 制御部
3、3a、3b イオン発生素子
4 電圧印加回路
5 ファンモータ
6 モータ駆動回路
7、7a、7b 放電電極
8、8a、8b 誘導電極
21 電源回路
22 トランス
23、23a、23b ダイオード
24、24a、24b 抵抗
25、25a、25b コンデンサ
40 電圧印加回路

Claims (5)

  1. 誘導電極と、前記誘導電極との間でイオンを発生させるための放電電極と、前記放電電極にパルス状電圧を印加する電圧印加回路と、を備え、
    前記電圧印加回路は、電圧を昇圧して前記放電電極に印加するためのトランスと、
    前記放電電極と前記トランスの間に接続される抵抗と、
    前記抵抗、前記放電電極及び前記誘導電極で形成される電流経路に対して並列に配置されるコンデンサと、を有し、
    前記放電電極及び前記誘導電極から形成される静電容量をC、前記コンデンサの静電容量をC、前記抵抗をRとしたとき、
    ×C/(C+C)×Rで構成される時定数は、前記パルス状電圧の高調波成分を抑制するように設定されていることを特徴とするイオン発生装置。
  2. 上記構成のイオン発生装置において、前記時定数が9.6μ秒以上であることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 前記電圧印加回路は、前記パルス状電圧を正負に整流するダイオードを有し、
    前記ダイオードは、前記トランスと前記抵抗の間に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン発生装置。
  4. 前記放電電極は、正イオンを発生させるための正イオン発生用放電電極と、負イオンを発生させるための負イオン発生用放電電極とを有していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のイオン発生装置を備えた電気機器。
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