JP2014088947A - 圧力チューブ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄肉で、耐圧力性、耐キンク性(耐折れ性)及び耐屈曲疲労性のいずれにも優れた圧力チューブ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】圧力チューブ10を、第1の熱可塑性樹脂からなる内層2と、内層2の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層3と、第1の金属補強層3の外周に形成されるとともに内層2に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層4と、中間層4の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層5と、第2の金属補強層5の外周に形成されるとともに中間層4に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層6とを備えてなるように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】圧力チューブ10を、第1の熱可塑性樹脂からなる内層2と、内層2の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層3と、第1の金属補強層3の外周に形成されるとともに内層2に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層4と、中間層4の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層5と、第2の金属補強層5の外周に形成されるとともに中間層4に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層6とを備えてなるように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は圧力チューブとその製造方法に関する。
各種機器の圧力配管、例えば、自動車燃料圧力配管、医療機器圧力配管等に用いられる圧力チューブとしては、例えば、耐キンク性に優れると共に、柔軟性、耐圧及び耐久性に優れた圧力チューブが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、薄肉で、耐圧力性、耐キンク性及び滑り性のいずれにも優れた圧力チューブが提案されている。(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、耐キンク性に優れると共に、柔軟性、耐圧、耐久性に優れた特許文献1に開示された圧力チューブは、その段落0021に記載されているように「外側層の一部が補強層の内部に侵入して補強層に溶着し、外側層と金属補強層、更には外側層と繊維補強層とが一体化」されたことで「補強層と外側層とが強固に結合し、よりキンクしにくいホース」とすることができるが、ゴム材からなる内層と各層が密着一体化されていないことから、薄肉構造とすることができない、という問題を有している。
また、薄肉で、耐圧力性、耐キンク性、滑り性のいずれにも優れた特許文献2に開示された圧力チューブは、内層と金属補強層とフッ素樹脂からなる外層とが一体化された構造を有することから、高耐圧力及び高耐キンク性を向上させようと補強層の素線を太くすると耐屈曲疲労性が劣ることになり、また耐屈曲疲労性を重視して補強層の素線を細くすると耐圧力性と耐キンク性が劣ることになり、補強層の素線を細くしかつ素線数を増やすと編組密度が高すぎて内外層との密着が悪くなり耐圧力も耐キンク性も悪くなる、という問題を有している。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、各種の圧力配管、例えば、産業機器(FA機器)用圧力配管、医療機器圧力配管等に好適に用いられる、薄肉で、耐圧力性、耐キンク性(耐折れ性)及び耐屈曲疲労性のいずれにも優れた圧力チューブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の圧力チューブ及びその製造方法が提供される。
[1]第1の熱可塑性樹脂からなる内層と、前記内層の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層と、前記第1の金属補強層の外周に形成されるとともに前記内層に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層と、前記中間層の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層と、前記第2の金属補強層の外周に形成されるとともに前記中間層に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層と、を備えた圧力チューブ。
[2]前記内層を構成する第1の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である前記[1]に記載の圧力チューブ。
[3]前記中間層を構成する第2の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である前記[1]又は[2]に記載の圧力チューブ。
[4]前記外層を構成する第3の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の圧力チューブ。
[5]前記第1の金属補強層は、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組からなる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の圧力チューブ。
[6]前記第2の金属補強層は、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組からなる前記[1]〜[5]のいずれかに記載の圧力チューブ。
[7]芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層を形成し、前記内層の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層を配置し、前記第1の金属補強層の外周に、第2の熱可塑性樹脂を第1の金属補強層の間にある内層樹脂と密着するよう押出成形して、中間層を形成し、前記中間層の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層を配置し、前記第2の金属補強層の外周に、第3の熱可塑性樹脂を第2の金属補強層の間にある中間層と密着するよう押出成形して、外層を形成し所定の長さに切断し、芯材を抜去すること、を含む圧力チューブの製造方法。
[8]前記所定の長さに切断した後、前記芯材を抜去する前に、熱収縮チューブで被覆し、所定の条件で加熱しながら加圧することにより、前記内層、前記第1の金属補強層、前記中間層、前記第2の金属補強層、及び前記外層を密着一体化させ、その後、前記熱収縮チューブを剥離すること、をさらに含む前記[7]に記載の圧力チューブの製造方法。
本発明によれば、薄肉で、耐圧力性、耐キンク性(耐折れ性)及び耐屈曲疲労性のいずれにも優れた圧力チューブ及びその製造方法が提供される。
[本実施の形態に係る圧力チューブ]
図1に示すように、本実施の形態に関わる圧力チューブ10は、第1の熱可塑性樹脂からなる内層2と、前記内層2の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層3と、前記第1の金属補強層3の外周に形成されるとともに前記内層2に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層4と、前記中間層4の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層5と、前記第2の金属補強層5の外周に形成されるとともに前記中間層4に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層6と、を備えて構成される。
図1に示すように、本実施の形態に関わる圧力チューブ10は、第1の熱可塑性樹脂からなる内層2と、前記内層2の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層3と、前記第1の金属補強層3の外周に形成されるとともに前記内層2に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層4と、前記中間層4の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層5と、前記第2の金属補強層5の外周に形成されるとともに前記中間層4に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層6と、を備えて構成される。
本実施の形態に用いられる内層2は、チューブの気密性、チューブ内面の耐薬品性、チューブ内面の平滑性の向上のために用いられ、第1の熱可塑性樹脂から構成される。内層2を構成する第1の熱可塑性樹脂は、上記特性の他にチューブが使用される温度環境での耐熱性及び耐屈曲疲労性を有することが望ましく、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物(ポリマーアロイやポリマーブレンド)であることが好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリエーテルブロックアミド(アルケマジャパン社製、商品名:ペバックス(登録商標))を挙げることができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、FEP(登録商標)を挙げることができる。
これらの樹脂の選択は、用途や使用環境を考慮することによって行われることが好ましい。例えば、屋外で使用される産業機器内部の圧力配管であれば、耐油性と―20℃〜85℃程度の使用温度範囲を有するポリアミド系樹脂を選択する。
また、機能性向上、例えば、難燃性、導電性、耐候性の向上のために、第1の熱可塑性樹脂に、各種の添加物を配合しても良い。
本実施の形態に用いられる第1の金属補強層3は、第2の金属補強層5と組み合わせて耐圧力、耐キンク性等機械的強度の向上のために用いられ、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組から構成されることが好ましい。
なお、第1の金属補強層3は、上述の単体又は合金からなる金属線のみの編組から構成しても良く、又は、例えば、ステンレス鋼1本及びタングステン(W)1本からなる2本持ちの金属線の編組のような、異なる材質の金属線を組み合わせた編組から構成しても良い。また、第1及の金属補強層3の金属線は、単線に限らず、撚り線等を用いた編組としても良い。
本実施の形態に用いられる中間層4は、第1の金属補強層3及び第2の金属補強層5の隙間を介して内層2及び外層6との密着一体化させるために用いられる。中間層4を構成する第2の熱可塑性樹脂は上記特性の他にチューブが使用される温度環境での耐熱性及び耐屈曲疲労性を有することが望ましく、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、接着性樹脂、又はこれらの樹脂の混合物(ポリマーアロイやポリマーブレンド)であることが好ましい。
本実施の形態に用いられる中間層4を構成する第2の熱可塑性樹脂は、用途や使用環境に応じて、加熱された場合に溶融して内層2と密着一体化し、且つ外層6に使用される第3の熱可塑性樹脂が加熱され溶融して密着一体化されるものであれば、内層2を構成する第1の熱可塑性樹脂と同一のものを用いても良く、異なるものを用いても良い。例えば、屋外で使用される産業機器内部の圧力配管の用途の場合、内層1に用いた耐油性と−20℃〜85℃程度の使用温度範囲を有するポリアミド系樹脂を選択する。
第1の熱可塑性樹脂の場合と同様に、機能性向上、例えば、難燃性、摺動性、耐候性の向上のために、第2の熱可塑性樹脂に各種の添加物を配合しても良い。また、第2の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂の場合、中間層4の外表面を化学エッチング処理等の方法により脱フッ素化し外層6に用いられる第3の熱可塑性樹脂との接着性を向上させても良い。
本実施の形態に用いられる第2の金属補強層5は、第1の金属補強層3と組み合わせて耐圧力、耐キンク性等機械的強度の向上のために用いられ、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組から構成されることが好ましい。
本実施の形態に用いられる第2の金属補強層5は用途や使用環境に応じて、第1の金属補強層3と同一のものを使用しても良く、異なるものを用いても良い。例えば、輸送機器用圧力配管の用途の場合、軽量化が図れるチタン線を用いることが好ましい。
第2の金属補強層5は、第1の金属補強層3の場合と同様に、上述の単体又は合金からなる金属線のみの編組から構成しても良く、又は、例えば、ステンレス鋼1本及びタングステン(W)1本からなる2本持ちの金属線の編組のような、異なる材質の金属線を組み合わせた編組から構成しても良い。また、第2の金属補強層5の金属線は単線に限らず、撚り線等を用いた編組としても良い。
本実施の形態に用いられる外層6は、第2の金属補強層5の保護、外表面の耐薬品性、摺動性向上のために用いられ、外層6を構成する第3の熱可塑性樹脂は、上記特性の他にチューブが使用される温度環境での耐熱性及び耐屈曲疲労性を有することが望ましく、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物(ポリマーアロイやポリマーブレンド)が好ましい。
本実施の形態に用いられる外層6を構成する第3の熱可塑性樹脂は、用途や使用環境に応じて、加熱された場合に溶融して中間層4と密着一体化されるものであれば、中間層4を構成する第2の熱可塑性樹脂と同一のものを用いても良く、異なるものを用いても良い。例えば、屋外で使用される産業機器内部の圧力配管の用途の場合、耐油性と−20℃〜85℃程度の使用温度範囲を有するポリアミド系樹脂を選択することが好ましい。
第1及び第2の熱可塑性樹脂の場合と同様に、機能性向上、例えば、難燃性、摺動性、耐候性の向上のために、第3の熱可塑性樹脂に各種の添加物を配合しても良い。
本実施の形態において、例えば、医療機器等に用いられる薬品送液用高圧高屈曲配管の用途において、内層2、中間層4、外層6に耐薬品性と耐放射線性に優れたVDF(フッ化ビニリデン)とHFP(ヘキサフルオロプロピレン)の共重合体、第1の金属補強層3、第2の金属補強層5には細径且つ機械的強度に優れたタングステン(W)の組み合わせを挙げることができる。また、別の、工場等で利用される水用高圧高屈曲配管の用途において、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6の好ましい組合せとしては、内層2にオレフィン系エラストマー、第1の金属補強層3及び第2の金属補強層5にステンレス線、中間層4に接着性ポリオレフィン、外層6にポリエステルエラストマーの組み合わせを挙げることができる。
[圧力チューブの製造方法]
本実施の形態の圧力チューブの製造方法は、芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層2を形成し、前記内層2の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層3を配設し、前記第1の金属補強層3の外周に、前記第1の金属補強層3の隙間から内層2と密着するよう第2の熱可塑性樹脂を押出成形して、中間層4を形成し、前記中間層4の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層5を配設し、前記第2の金属補強層5の外周に、前記第2の金属補強層5の隙間から中間層4と密着するよう第3の熱可塑性樹脂を押出成形して、外層6を形成し、所定の長さに切断し、芯材を抜去することを含む。以下、工程ごとに具体的に説明する。
本実施の形態の圧力チューブの製造方法は、芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層2を形成し、前記内層2の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層3を配設し、前記第1の金属補強層3の外周に、前記第1の金属補強層3の隙間から内層2と密着するよう第2の熱可塑性樹脂を押出成形して、中間層4を形成し、前記中間層4の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層5を配設し、前記第2の金属補強層5の外周に、前記第2の金属補強層5の隙間から中間層4と密着するよう第3の熱可塑性樹脂を押出成形して、外層6を形成し、所定の長さに切断し、芯材を抜去することを含む。以下、工程ごとに具体的に説明する。
(内層の形成)
本実施の形態において、内層2の形成は、芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層2を形成することによって行われる。具体的には、軟銅線・ステンレス線等の比較的伸びを有する金属性芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の内層を成形する。また、第1の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂の場合、内層2の外表面を化学エッチング処理等の方法により脱フッ素化し中間層4に用いられる第2の熱可塑性樹脂との密着性を向上させても良い。
本実施の形態において、内層2の形成は、芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層2を形成することによって行われる。具体的には、軟銅線・ステンレス線等の比較的伸びを有する金属性芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の内層を成形する。また、第1の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂の場合、内層2の外表面を化学エッチング処理等の方法により脱フッ素化し中間層4に用いられる第2の熱可塑性樹脂との密着性を向上させても良い。
(第1の金属補強層の配設)
本実施の形態において、第1の金属補強層3の配設は、内層2の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層3を配設することによって行われる。具体的には、芯材の外周に内層2が形成されたものに編組機を用いて金属線を編み込むことにより配設する。編組機は一般的な16打ち〜64打ちで良く、編み方も一般的な2オーバー2アンダーや1オーバー1アンダーでも良い。
本実施の形態において、第1の金属補強層3の配設は、内層2の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層3を配設することによって行われる。具体的には、芯材の外周に内層2が形成されたものに編組機を用いて金属線を編み込むことにより配設する。編組機は一般的な16打ち〜64打ちで良く、編み方も一般的な2オーバー2アンダーや1オーバー1アンダーでも良い。
(中間層の形成)
本実施の形態において、中間層4の形成は、前記第1の金属補強層3の外周に、第2の熱可塑性樹脂を押出成形して、中間層4を形成することによって行われる。具体的には、前記第1の金属補強層3の網目の隙間にある内層2と密着するよう第2の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の中間層4を成形する。また、第1の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂の場合、内層2の外表面を化学エッチング処理等の方法により脱フッ素化し中間層4に用いられる第2の熱可塑性樹脂との密着性を向上させても良い。
本実施の形態において、中間層4の形成は、前記第1の金属補強層3の外周に、第2の熱可塑性樹脂を押出成形して、中間層4を形成することによって行われる。具体的には、前記第1の金属補強層3の網目の隙間にある内層2と密着するよう第2の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の中間層4を成形する。また、第1の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂の場合、内層2の外表面を化学エッチング処理等の方法により脱フッ素化し中間層4に用いられる第2の熱可塑性樹脂との密着性を向上させても良い。
(第2の金属補強層の配設)
本実施の形態において、第2の金属補強層5の配設は、前記中間層4の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層5を配設することによって行われる。具体的には、芯材の外周に前記内層2、前記第1の金属補強層3、中間層4が形成されたものに編組機を用いて金属線を編み込むことにより配設する。編組機は一般的な16打ち〜64打ちで良く、編み方も一般的な2オーバー2アンダーや1オーバー1アンダーでも良い。
本実施の形態において、第2の金属補強層5の配設は、前記中間層4の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層5を配設することによって行われる。具体的には、芯材の外周に前記内層2、前記第1の金属補強層3、中間層4が形成されたものに編組機を用いて金属線を編み込むことにより配設する。編組機は一般的な16打ち〜64打ちで良く、編み方も一般的な2オーバー2アンダーや1オーバー1アンダーでも良い。
(外層の形成)
本実施の形態において、外層6の形成は、第2の金属補強層5の外周に、第3の熱可塑性樹脂を押出成形して、外層6を形成することによって行われる。具体的には、前記第2の金属補強層5の網目の隙間にある中間層4と密着するよう第3の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の中間層4を成形する。
本実施の形態において、外層6の形成は、第2の金属補強層5の外周に、第3の熱可塑性樹脂を押出成形して、外層6を形成することによって行われる。具体的には、前記第2の金属補強層5の網目の隙間にある中間層4と密着するよう第3の熱可塑性樹脂を押出成形機・ペースト押出成形機等を用いて肉厚が均等になるよう薄肉の中間層4を成形する。
(定尺切断)
本実施の形態において、定尺切断は、芯材の外周に、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6が積層形成されたものを、所定の長さに切断することによって行われる。具体的には、外層の押出成形と連動した切断機を用いて1〜3m程度の長さに切断することが好ましい。
本実施の形態において、定尺切断は、芯材の外周に、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6が積層形成されたものを、所定の長さに切断することによって行われる。具体的には、外層の押出成形と連動した切断機を用いて1〜3m程度の長さに切断することが好ましい。
(加熱による密着向上処理)
本実施の形態において、加熱による密着向上処理は、第1〜第3の熱可塑性樹脂を加熱して、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6の密着性を向上させることによって行われる。具体的には、定尺切断したものを、同様に切断した熱収縮チューブや金型、金属管内に挿入し(定尺切断したものを熱収縮チューブで被覆し)、その上から熱風、加熱炉等により第1から第3の熱可塑性樹脂を十分な密着力が得られる条件で加熱しながら、加圧し、冷却し、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5、及び外層6を密着一体化させ、その後、熱収縮チューブ等を剥離する。加熱による密着向上処理は必要に応じて実施されるものである。
本実施の形態において、加熱による密着向上処理は、第1〜第3の熱可塑性樹脂を加熱して、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6の密着性を向上させることによって行われる。具体的には、定尺切断したものを、同様に切断した熱収縮チューブや金型、金属管内に挿入し(定尺切断したものを熱収縮チューブで被覆し)、その上から熱風、加熱炉等により第1から第3の熱可塑性樹脂を十分な密着力が得られる条件で加熱しながら、加圧し、冷却し、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5、及び外層6を密着一体化させ、その後、熱収縮チューブ等を剥離する。加熱による密着向上処理は必要に応じて実施されるものである。
(芯材の抜去)
本実施の形態において、芯材の抜去は、例えば、剥き出し機等により端末から芯材を露出させたのち引き抜くか、又は芯材を延伸することにより縮径し引き抜くことにより行う。
本実施の形態において、芯材の抜去は、例えば、剥き出し機等により端末から芯材を露出させたのち引き抜くか、又は芯材を延伸することにより縮径し引き抜くことにより行う。
以下に、本発明の圧力チューブ及びその製造方法を、実用例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって、いかなる制限を受けるものではない。
(実施例1)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線(実施例、比較例では図示せず)の外周に、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)を、シリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度220℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mmで、外径1.14mm押出成形し、内層2を得た。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線(実施例、比較例では図示せず)の外周に、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)を、シリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度220℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mmで、外径1.14mm押出成形し、内層2を得た。
次に、内層2の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち32打ちピッチ3.0mm(編組密度66%)、2オーバー2アンダーで編組し、第1の金属補強層3を施した。この第1の金属補強層3の上に、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度230℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.34mmで押出成形して、中間層4を設けた。この際、中間層4の一部が、第1の金属補強層3の隙間に侵入して内層2と密着することで、内層2と第1の金属補強層3と中間層4とを密着一体化させた。
この中間層4の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち32打ちピッチ2.5mm(編組密度68%)、2オーバー2アンダーで編組し、第2の金属補強層5を施した。この第2の金属補強層5の外周に、ナイロン(登録登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)6333)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度230℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで押出成形して外層6を設けた。この際、外層6の一部が、第2の金属補強層5の隙間に侵入して中間層4と密着することで、内層2と第1の金属補強層3と前記中間層4と第2の金属補強層5と外層6とを密着一体化させた。その後、1.0mに切断し、両端末を剥き出しして、錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、チューブ(圧力チューブ)を得た。
実施例1においては、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6が密着一体化することで、薄肉で、耐屈曲性、耐圧力性及び耐キンク性のいずれにも優れた圧力チューブとなった。
(実施例2)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周にフッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度80℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し、内層2を得た。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周にフッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度80℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し、内層2を得た。
次に、内層2の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度79%)、2オーバー2アンダーで編組し、第1の金属補強層3を施した。この第1の金属補強層3の外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度8m/分、肉厚0.05mm、外径1.34mmで押出成形して、中間層4を設けた。
この中間層4の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度78%)、2オーバー2アンダーで編組し、第2の金属補強層5を施した。この第2の金属補強層5の外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで押出成形し、外層6を設けた。その後、1.0mに切断し、シリコーン熱収縮チューブ(信越化学社製、商品名:ST−10DGF0.5)内に挿入して、300℃で3分間、オーブンで加熱溶融し、オーブンから取り出し常温まで冷却した(加熱一体化加工)。これにより、外層6の一部が第2の金属補強層5の隙間に侵入して中間層4と密着するとともに、中間層4の一部が第1の金属補強層3の隙間に侵入して内層2と密着し、内層2と第1の金属補強層3と中間層4と第2の金属補強層5と外層6とを密着一体化させた。その後、シリコーン熱収縮チューブを剥ぎ取り、両端末を剥き出しして錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、チューブ(圧力チューブ)を得た。
実施例においては、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6が密着一体化することで、薄肉で、耐屈曲性、耐圧力性及び耐キンク性のいずれにも優れるとともに、内層2、中間層4及び外層6の熱可塑性樹脂にFEP(登録商標)を用いたことで、耐熱性及び耐薬品性にも優れた圧力チューブとなった。
(実施例3)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周にフッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度380℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し内層2を得た。さらに、この表面にエッチング液を用いて脱フッ素処理を行い内層2の表面に接着性を付与しておいた。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周にフッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて成形温度380℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し内層2を得た。さらに、この表面にエッチング液を用いて脱フッ素処理を行い内層2の表面に接着性を付与しておいた。
次に、内層2の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度79%)、2オーバー2アンダーで編組し、第1の金属補強層3を施した。この第1の金属補強層3の外周に、ナイロン系樹脂(アルケマジャパン社製、商品名:ペバックス(登録商標)Rnew55R53)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて内層2と密着するよう成形温度260℃、押出速度8m/分、肉厚0.05mm、外径1.34mmで押出成形して、中間層4を設けた。この際、中間層4の一部が、第1の金属補強層3の隙間に侵入して内層2と密着することで、内層2と第1の金属補強層3と中間層4とを密着一体化させた。
この中間層4の外周に、32打ち編組機を用いて直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度78%)、2オーバー2アンダーで編組し、第2の金属補強層5を施した。この第2の金属補強層5の外周にナイロン系樹脂(アルケマジャパン社製、商品名:ペバックス(登録商標)Rnew63R53)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度260℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで押出成形し、外層6を設けた。この際、外層6の一部が、第2の金属補強層5の隙間に侵入して中間層4と密着することで、内層2と第1の金属補強層3と中間層4と第2の金属補強層5と外層6とを密着一体化させた。その後、1.0mに切断し、両端末を剥き出しして、錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、チューブ(圧力チューブ)を得た。
実施例3においては、内層2、第1の金属補強層3、中間層4、第2の金属補強層5及び外層6が密着一体化することで、薄肉で、耐屈曲性、耐圧力性及び耐キンク性のいずれにも優れるとともに、内層6の熱可塑性樹脂にFEP(登録商標)を用いたことでチューブ内の耐薬品性にも優れた圧力チューブとなった。
(比較例1)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、内層2として、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度220℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形した外周に、直径0.05mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち16打ちピッチ2.5mm(編組密度62%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、内層2として、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度220℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形した外周に、直径0.05mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち16打ちピッチ2.5mm(編組密度62%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
この第1の金属補強層3の外周に、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度230℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで外層6を設けた。この際、外層6の一部が第1の金属補強層3の隙間に侵入して内層2と密着することで、内層2、第1の金属補強層3及び外層6を密着一体化させた。その後、1.0mに切断し、両端末を剥き出しして、錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、チューブ(圧力チューブ)を得た。
(比較例2)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、内層2として、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度220℃、押出速度12m/分、肉厚0.11mm、外径1.22mmで押出成形した外周に、直径0.05mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち16打ちピッチ2.5mm(編組密度41%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、内層2として、ナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー径30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度220℃、押出速度12m/分、肉厚0.11mm、外径1.22mmで押出成形した外周に、直径0.05mmのステンレス線(SUS304)を2本持ち16打ちピッチ2.5mm(編組密度41%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
この第1の金属補強層3の上にナイロン(登録商標)エラストマー(アルケマジャパン社製、商品名:ぺバックス(登録商標)5533)をシリンダー30mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度230℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで外層6を設けた。この際、外層6の一部が第1の金属補強層3の隙間に侵入して内層2と密着することで、内層2、第1の金属補強層3及び外層6を密着一体化させた。その後、1.0mに切断し、両端末を剥き出しして、錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、チューブ(圧力チューブ)を得た。
(比較例3)
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し内層2を得た。内層2の外周に、直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度79%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
外径1.0mmの錫メッキ軟銅線の外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度15m/分、肉厚0.07mm、外径1.14mmで押出成形し内層2を得た。内層2の外周に、直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度79%)で編組し、第1の金属補強層3を施した。
この第1の金属補強層3の外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度8m/分、肉厚0.05mm、外径1.34mmで押出成形して、中間層4を設けた。
この中間層4の外周に。直径0.03mmのタングステン線(W)を2本持ち32打ちピッチ2.0mm(編組密度78%)で編組し、第2の金属補強層5を構成した外周に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製、商品名:ネオフロン(登録商標)FEP(登録商標)NP−101)をシリンダー径32mmのクロスヘッド型押出成形機を用いて、成形温度380℃、押出速度5m/分、肉厚0.05mm、外径1.80mmで押出成形し、外層6を設けた。その後、1.0mに切断し、両端末を剥き出しして錫メッキ軟銅線を露出させた後に錫メッキ軟銅線を延伸して引き抜き、各層が一体化されていないチューブ(圧力チューブ)を得た。
[特性評価]
特性評価は以下の方法により実施した。なお、耐薬品性及び熱変形温度は、材料カタログデータを参照した。このように、本発明によって、「破壊圧力」、「加圧屈曲」及び「キンク径」の総合力に優れたチューブとすることができ、特に、本発明の製造方法を用いたフッ素系チューブにおいては、「破壊圧力」「加圧屈曲」「キンク径」の他に、「耐薬品性」及び「耐熱性」にも優れた圧力チューブを得ることができる。
特性評価は以下の方法により実施した。なお、耐薬品性及び熱変形温度は、材料カタログデータを参照した。このように、本発明によって、「破壊圧力」、「加圧屈曲」及び「キンク径」の総合力に優れたチューブとすることができ、特に、本発明の製造方法を用いたフッ素系チューブにおいては、「破壊圧力」「加圧屈曲」「キンク径」の他に、「耐薬品性」及び「耐熱性」にも優れた圧力チューブを得ることができる。
(破壊圧力)
図2に示すように「破壊圧力」はコンプレッサー11で水を吸い上げ、バルブ12によってある一定の水圧を保持させ(圧力ゲージ1で水圧P1を測定)、そして、バルブ13を開けることによって圧力チューブ10に水圧を加え、水圧を徐々に上げていき、サンプルが破壊した圧力P1を測定することによって実施した。なお、図2において、圧力ゲージ2は、圧力チューブ10内の圧力P2の測定用である。また、CN2は圧力チューブ10用のコネクターである。
図2に示すように「破壊圧力」はコンプレッサー11で水を吸い上げ、バルブ12によってある一定の水圧を保持させ(圧力ゲージ1で水圧P1を測定)、そして、バルブ13を開けることによって圧力チューブ10に水圧を加え、水圧を徐々に上げていき、サンプルが破壊した圧力P1を測定することによって実施した。なお、図2において、圧力ゲージ2は、圧力チューブ10内の圧力P2の測定用である。また、CN2は圧力チューブ10用のコネクターである。
(加圧屈曲)
図3(a)〜(c)に示すように、「加圧屈曲」は、圧力チューブ10の片端を封止し、圧力チューブ10内に5.5MPaの圧力を掛けた状態で、圧力チューブ10を直径10mmの丸棒に挟みこみ、挟んだ部分を支点として、左右に50°の屈曲を行い、圧力チューブ10が破断するまでの回数を測定することによって実施した。なお、回数は中心−左−中心−右−中心までを1回とし、繰り返し屈曲を行うものとする。
図3(a)〜(c)に示すように、「加圧屈曲」は、圧力チューブ10の片端を封止し、圧力チューブ10内に5.5MPaの圧力を掛けた状態で、圧力チューブ10を直径10mmの丸棒に挟みこみ、挟んだ部分を支点として、左右に50°の屈曲を行い、圧力チューブ10が破断するまでの回数を測定することによって実施した。なお、回数は中心−左−中心−右−中心までを1回とし、繰り返し屈曲を行うものとする。
(耐キンク性)
図4に示すように、「耐キンク性」は、圧力チューブ10を用いてループ状の円を作り、圧力チューブ10の両端を引張りながら、ループ径を小さくしていき、圧力チューブ10がキンクした際のループ径を測定することによって実施した。
図4に示すように、「耐キンク性」は、圧力チューブ10を用いてループ状の円を作り、圧力チューブ10の両端を引張りながら、ループ径を小さくしていき、圧力チューブ10がキンクした際のループ径を測定することによって実施した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の内容及び評価結果を表1に示す。
2 内層
3 第1の金属補強層
4 中間層
5 第2の金属補強層
6 外層
10 圧力チューブ
11 コンプレッサー
12 バルブ
13 バルブ
20 丸棒
3 第1の金属補強層
4 中間層
5 第2の金属補強層
6 外層
10 圧力チューブ
11 コンプレッサー
12 バルブ
13 バルブ
20 丸棒
Claims (8)
- 第1の熱可塑性樹脂からなる内層と、
前記内層の外周に形成された、金属の編組からなる第1の金属補強層と、
前記第1の金属補強層の外周に形成されるとともに前記内層に密着一体化された、第2の熱可塑性樹脂からなる中間層と、
前記中間層の外周に形成された、金属の編組からなる第2の金属補強層と、
前記第2の金属補強層の外周に形成されるとともに前記中間層に密着一体化された、第3の熱可塑性樹脂からなる外層と、を備えた圧力チューブ。 - 前記内層を構成する第1の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である請求項1に記載の圧力チューブ。
- 前記中間層を構成する第2の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である請求項1又は2に記載の圧力チューブ。
- 前記外層を構成する第3の熱可塑性樹脂は、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はこれらの樹脂の混合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力チューブ。
- 前記第1の金属補強層は、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力チューブ。
- 前記第2の金属補強層は、ステンレス鋼、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニッケル(Ni)の単体又はこれらの合金の編組からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力チューブ。
- 芯材の外周に、第1の熱可塑性樹脂を押出成形して、内層を形成し、
前記内層の外周に、金属の編組からなる第1の金属補強層を配設し、
前記第1の金属補強層の外周に、第2の熱可塑性樹脂を押出成形して、中間層を形成し、
前記中間層の外周に、金属の編組からなる第2の金属補強層を配設し、
前記第2の金属補強層の外周に、第3の熱可塑性樹脂を押出成形して、外層を形成し、
所定の長さに切断し、及び
芯材を抜去すること、を含む圧力チューブの製造方法。 - 前記所定の長さに切断した後、前記芯材を抜去する前に、熱収縮チューブで被覆し、所定の条件で加熱しながら加圧することにより、前記内層、前記第1の金属補強層、前記中間層、前記第2の金属補強層、及び前記外層を密着一体化させ、その後、前記熱収縮チューブを剥離すること、をさらに含む請求項7に記載の圧力チューブの製造方法。
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-
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- 2012-10-31 JP JP2012240631A patent/JP2014088947A/ja active Pending
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