JP2014088585A - 電解採取用アノードボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】カソードが湾曲したり、針状電析が生じても、損傷することなく、操業の継続が可能な電解採取用アノードボックスを提供する。
【解決手段】電解採取に用いられるアノードAを構成するアノード板a1を囲む箱形のアノードボックス1であって、アノード板a1を囲む内側濾布12と、内側濾布12を覆う外側濾布15とを備える。カソードCが湾曲したり、針状電析mpが生じてアノードボックス1と接触しても、外側濾布15が内側濾布12を保護するため、内側濾布12に穴が開きアノードAで発生したガスが漏れ出すことを防止できる。そのため、操業の継続が可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解採取用アノードボックスに関する。電解採取では、複数枚のアノードとカソードが交互に電解槽に挿入される。本発明は、このアノードを囲む電解採取用アノードボックスに関する。
ニッケルの湿式精錬では、ニッケルマットおよび低品位ラテライト鉱石を硫酸浸出することにより得られたニッケル、コバルト混合硫化物を原料とする。原料中に含有されるニッケル、コバルト、銅等の金属の大部分を塩素浸出し、塩素浸出して得られた溶液から金属不純物等を除去した後に、電解採取によって電気ニッケルを製造する。
電解採取では、アノードとして不溶性陽極を用い、カソードとしてニッケルの薄板を用い、それらを電解槽に挿入してアノード‐カソード間に電流を流して、カソードにニッケルを電着させる。アノードからは塩素ガスが発生するため、その塩素ガスを回収するために、アノードは通水性を有する濾布で構成されたアノードボックスに収められる。
ところで、カソードは電着応力により湾曲する場合がある。特にニッケルの電解採取で用いられる塩化浴は硫酸浴より電着応力が大きいという性質を有するため、カソードが湾曲しやすい。具体的には、電解採取の初期にはカソードの周縁部がアノード側に引っ張られるように湾曲し始め、電解採取が進むに従いその湾曲が大きくなる。湾曲が大きくなりすぎると、カソードの角部がアノードボックスを構成する濾布を貫通してしまう場合がある。そうすると、アノードで発生した塩素ガスの一部が濾布に形成された穴から漏れだし、電解液中に混入してしまう。
また、カソードは、電解採取の前工程で製造され、四角形で広い面積を有するカソード板にピンセット状の二又に加工したカソード吊手を取り付け、このカソード吊手の空間にカソードビームを通して構成されている。製造工程の不具合によりカソード吊手の端部がカソード板から浮いて突出すると、その突出部に優先的に金属が析出して金属粒が生成される。この金属粒が成長して針状電析となると、アノードボックスと接触して濾布を貫いてしまう場合がある。この場合にも、アノードで発生した塩素ガスの一部が濾布に形成された穴から漏れだし、電解液中に混入してしまう。
特に高硫黄品位電気ニッケルを電解採取する場合に、塩素ガスが電解液中に混入すると問題となる。
高硫黄品位電気ニッケルとは、硫黄品位が0.01〜0.03%の電気ニッケルをいい、主にニッケルめっきに用いられる。これに対して、硫黄品位が0.001%以下の電気ニッケルは低硫黄品位電気ニッケルと呼ばれ、主に合金の製造に用いられる。
電解採取によって高硫黄品位電気ニッケルを得るためには、電解液に硫黄源としてチオ硫酸ナトリウムを混合する(例えば、特許文献1)。高硫黄品位電気ニッケルの硫黄品位を均一に保つためには、電解液中の硫黄濃度を一定に保つ必要がある。しかし、チオ硫酸ナトリウムは塩素と容易に反応し分解するという性質を有する。そのため、アノードボックスの濾布に穴が開き、塩素ガスが電解液中に混入してカソードの近傍に達すると、カソードの近傍における電解液の硫黄濃度が低下し、電気ニッケルの硫黄品位が低下してしまう。このようにして、高硫黄品位電気ニッケルの硫黄品位が不均一となる。
カソード吊手の突出部への金属粒の生成を抑制する技術として特許文献2がある。特許文献2に記載の技術は、アノードボックスにおける、カソード吊手に対向する部位に電気的遮蔽物としての濾布を貼付するものである。この濾布によりカソード吊手とアノードボックスの間の通電が遮蔽されるので、金属粒が生成しにくくなり、針状電析がアノードボックスの濾布を貫くことを抑制できる。
しかし、上記従来技術では、電着応力によりカソードが湾曲することを抑制することはできず、湾曲したカソードの角部がアノードボックスの濾布を貫通するという問題が残っていた。
特開平6−322575号公報 特開2012−87394号公報
本発明は上記事情に鑑み、カソードが湾曲したり、針状電析が生じても、損傷することなく、操業の継続が可能な電解採取用アノードボックスを提供することを目的とする。
第1発明の電解採取用アノードボックスは、電解採取に用いられるアノードを構成するアノード板を囲む箱形のアノードボックスであって、前記アノード板を囲む内側濾布と、該内側濾布を覆う外側濾布と、を備えることを特徴とする。
第2発明の電解採取用アノードボックスは、第1発明において、前記外側濾布は、前記内側濾布との間に空間を有する程度に弛んだ状態で、該内側濾布に重ねて取り付けられていることを特徴とする。
第3発明の電解採取用アノードボックスは、第1発明において、前記外側濾布は、袋状であり、縦、横、幅の寸法がそれぞれ前記内側濾布に比べて1.5〜2.5%大きいことを特徴とする。
第4発明の電解採取用アノードボックスは、第1、第2または第3発明において、前記内側濾布および前記外側濾布の通水度は、0.06〜0.12L/m2/sec(静水圧200mmH2O時の値)であることを特徴とする。
第1発明によれば、カソードが湾曲したり、針状電析が生じてアノードボックスと接触しても、外側濾布が内側濾布を保護するため、内側濾布に穴が開きアノードで発生したガスが漏れ出すことを防止できる。そのため、操業の継続が可能である。
第2発明によれば、外側濾布は内側濾布に重ねて取り付けられているので、カソードとの距離を確保でき、カソードが湾曲したり、針状電析が生じても、外側濾布に接触するまで時間を要し、外側濾布が損傷することを抑制できる。また、外側濾布は弛みを有しているので、カソードが湾曲したり、針状電析が生じて外側濾布に接触しても、外側濾布が弛みにより変形し、損傷することを抑制できる。
第3発明によれば、外側濾布の縦、横、幅の寸法がそれぞれ内側濾布に比べて1.5〜2.5%大きいので、外側濾布を、内側濾布との間に空間を有する程度に弛んだ状態で、内側濾布に重ねて取り付けることができる。
第4発明によれば、内側濾布および外側濾布の通水度が0.06〜0.12L/m2/secであるので、電流効率が低下することなく、アノードで発生したガスを閉じ込めることができる。
本発明の一実施形態に係るアノードボックスの正面図である。 (a)は図1のIIa線矢視で示すアノードボックスの側面図、(b)は同図IIb線矢視で示すアノードボックスの断面図である。 (a)はカソードの正面図、(b)は同側面図である。 湾曲したカソード板および針状電析とアノードボックスとの関係を示す側面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明に係る電解採取用アノードボックスは、ニッケルやコバルトなどの電解採取に用いられる。電解採取の目的金属は特に限定されない。もちろん、高硫黄品位電気ニッケルに限られず低硫黄品位電気ニッケルの電解採取にも用いられる。以下では、電気ニッケルの電解採取の場合を例に説明する。
まず、図1および図2に基づき、アノードAおよび本実施形態に係るアノードボックス1を説明する。
アノードAは、アノード板a1と、それを吊り下げるアノードビームa2と、アノード板a1をアノードビームa2に連結するアノード吊手a3を有する。
アノード板a1は電解槽内で伝導体として働く金属板であり、チタン板や銅合金板、コバルト合金板などが用いられる。
アノード吊手a3はアノード板a1と同種金属の平板であり、2本用いられている。アノードビームa2は、銅製の棒材にニッケルメッキなどを施したものであり、ボルト等でアノード吊手a3に固定されている。
アノード板a1は塩素ガスの発生極となるので、発生した塩素ガスを回収するために箱形のアノードボックス1で囲まれている。
アノードボックス1の構成は、塩化ビニール等の合成樹脂製の枠体11に濾布12を貼付し、濾布12の上端縁をゴム製のOリング13等で止めたものである。つまり、アノード板a1は濾布12で正面、背面、両側面を囲まれた構成となっている。また、枠体11の上端適所には吸引パイプ14が取付けられ、発生した塩素ガスはこの吸引パイプ14から外部に向けて排出されるようになっている。
本発明に係るアノードボックス1は、濾布12の外側にさらに第2の濾布15が取り付けられ、濾布15により濾布12を覆ったところに特徴を有する。以下、説明の便宜のため、内側の濾布12を内側濾布12、外側の濾布15を外側濾布15と称する。外側濾布15は上端縁が開口した袋状である。外側濾布15は、その開口部から枠体11を内側濾布12とともに挿入し、上端縁を枠体11の上端部に設けられたバンド16等で数カ所止めることで取り付けられている。
つぎに、図3に基づき、カソードCを説明する。
カソードCは、カソード板c1と、それを吊り下げるカソードビームc2と、カソード板c1をカソードビームc2に連結するカソード吊手c3とからなる。
カソード板c1は、目的金属と同じ金属を用いたものや異なる金属を用いたものがある。
カソード吊手c3は、カソード板c1と同種金属の薄い平板をピンセットに似た二又状に折り曲げたものである。このカソード吊手c3を2本用い、それぞれの端部をカソード板c1の上端縁にスポット溶接等で固定している。そして、カソードビームc2はカソード吊手c3の上端湾曲部に通されている。
上記アノードAおよびカソードCは、複数枚が交互に電解槽に挿入される。アノードAはアノードビームa2に吊り下げられ、アノードビームa2は電解槽の縁にボルト等で固定されている。また、カソードCはカソードビームc2に吊り下げられ、カソードビームc2は電解槽の縁に引っ掛けられている。電解槽の内部には電解液が貯えられており、アノード板a1とカソード板c1は電解液中に浸漬されている。
図4に示すように、カソード板c1が電着応力により湾曲し、その湾曲が大きくなると、カソード板c1の角部がアノードボックス1に接触する場合がある。また、カソード吊手c3の端部に金属粒が生成され、成長して針状電析mpとなるとアノードボックス1に接触する場合がある。
このような場合でも、アノードボックス1は外側濾布15を有するため、外側濾布15がカソード板c1の角部や針状電析mpに接触して内側濾布12を保護できる。そのため、内側濾布12に穴が開きアノードAで発生した塩素ガスが漏れ出すことを防止でき、操業の継続が可能である。特に、高硫黄品位電気ニッケルを電解採取する場合には、塩素ガスが電解液中に混入することがないので、電解液中の硫黄濃度が一定に保たれ、高硫黄品位電気ニッケルの硫黄品位を均一にできる。
上記のように、外側濾布15は、湾曲したカソード板c1の角部や針状電析mpから内側濾布12を保護することが目的である。この目的を達成するためには、外側濾布15は、カソード板c1と内側濾布12との間に取り付けられればよく、その位置は特に限定されない。
ただし、外側濾布15は、内側濾布12との間に空間を有する程度に弛んだ状態で、内側濾布12に重ねて取り付けられていることが好ましい。
外側濾布15とカソード板c1が近いと、湾曲したカソード板c1の角部や針状電析mpがすぐに外側濾布15に接触する。これに対して、外側濾布15を内側濾布12に重ねて取り付ければ、カソード板c1との距離を確保でき、カソード板c1が湾曲したり、針状電析mpが生じても、外側濾布15に接触するまで時間を要し、外側濾布15が損傷することを抑制できる。また、外側濾布15は弛みを有しているので、カソード板c1が湾曲したり、針状電析mpが生じて外側濾布15に接触しても、外側濾布15が弛みにより変形し、損傷することを抑制できる。
このように、外側濾布15を、内側濾布12との間に空間を有する程度に弛んだ状態で、内側濾布12に重ねて取り付けるには、外側濾布15の縦、横、幅の寸法を、それぞれ内側濾布12に比べて1.5〜2.5%大きくすればよい。
内側濾布12は、アノード板a1で発生した塩素ガスをアノードボックス1内に閉じ込めることが目的であるので、濾布の目は細かいものが好ましい。
一方、外側濾布15は、湾曲したカソード板c1の角部や針状電析mpから内側濾布12を保護することが目的であるので、織糸の強度が強いものが好ましい。
内側濾布12および外側濾布15は、通水度が小さいほど密閉性が上がり、塩素ガスをアノードボックス1内に閉じ込めることができる。一方、通水度が小さいと、電解液の通水を妨げるため、電解液中のニッケルイオンの移動が抑制され、電流効率(実際の電着量を理論的な電着量で除算した値)が低下する。
内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.06L/m2/sec(静水圧200mmH2O時の値)以上であることが好ましい。このような通水度であれば、電解液がアノードボックス1の内部に通水することが妨げられず、電流効率が低下しないからである。
また、内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.12L/m2/sec(静水圧200mmH2O時の値)以下であることが好ましい。このような通水度であれば、アノード板a1で発生した塩素ガスをアノードボックス1内に閉じ込めることができるからである。
濾布の管理や濾布の交換作業など、アノードボックス1のメンテナンスを容易にするために、内側濾布12と外側濾布15とを同じ種類の濾布を使用してもよい。
なお、アノードボックス1の損傷を抑制するためには、本発明のように、濾布を2枚用いた構成とするほかに、2倍の厚さの濾布を1枚用いる構成も考えられる。
本願発明者は、同じ素材の濾布について、濾布を2枚用いた構成と、2倍の厚さの濾布を1枚用いた構成とを比較した。その結果、濾布を2枚用いた構成の方が、2倍の厚さの濾布を1枚用いた構成よりも、通水度が大きくなるという知見を得た。また、湾曲したカソード板c1の角部や針状電析mpが接触した場合、濾布を2枚用いた構成では、外側の濾布に穴が開いても、内側の濾布に穴が開くまでは塩素ガスが漏れ出ることは無いが、2倍の厚さの濾布を1枚用いた構成では、その濾布に穴が開くと塩素ガスが漏れ出てしまうという問題がある。以上のことから、本願発明者は、濾布を2枚用いた構成とする方が好ましいと考えた。
つぎに、実施例により、その効果を説明する。
(実施例と比較例の共通の条件)
アノードAは、アノード板a1としてチタン板を用い、アノードボックスに収めた。カソードCは、カソード板c1として高硫黄品位ニッケルの薄板を用いた。電解槽一槽当たりに、53枚のアノードAおよび52枚のカソードCを交互に挿入した。電解液としてニッケル濃度70〜95g/L、硫黄濃度0.01〜0.02g/Lの塩化物溶液を用いた。この電解槽を5槽用いて5ヶ月間の操業を行った。
(実施例1)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.12L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて1.5%大きいものとした。
その結果、操業期間中のアノードボックスの月平均交換回数は5回であった。なお、アノードボックスの交換は、湾曲したカソード板c1の角部や針状電析mpが接触することにより、内側濾布12に穴が開いた場合に行った。
また、操業期間中の濾布巻き込みの発生割合は2%であった。なお、濾布巻き込みとは、カソード板c1がアノードボックスの濾布を巻き込むように湾曲することをいう。濾布巻き込みが生じると、通電中は濾布に穴が開かない場合でも、通電終了後カソードCを引き上げる際に、カソード板c1から濾布を引き剥がすための作業が発生し、作業負担が増加する。また、濾布巻き込みの発生割合は、操業期間中に濾布巻き込みが発生したカソードの延べ枚数を生産された電気ニッケルの延べ枚数で除算した値である。
また、操業期間中の電流効率は95%を超えていた。
(実施例2)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.06L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて2.5%大きいものとした。
その結果、操業期間中のアノードボックスの月平均交換回数は6回であった。
また、操業期間中の濾布巻き込みの発生割合は1.5%であった。
また、操業期間中の電流効率は95%を超えていた。
(比較例1)
アノードボックスとして、外側濾布15を有さない従来の構成のアノードボックスを用いた。また、カソード板c1はカソードボックスに収めた。カソードボックスは、枠体に濾布を貼付して、その濾布でカソード板c1の正面、背面、両側面を囲んだ構成である。なお、カソードボックスの濾布は1枚である。
その結果、操業期間中のアノードボックスの月平均交換回数は30回であった。これより、実施例1は、比較例1に比べてアノードボックスの月平均交換回数が1/6に減少することが確認された。
また、操業期間中の濾布巻き込みの発生割合は50%であった。なお、比較例1において濾布巻き込みとは、カソード板c1が湾曲してカソードボックスの濾布の内面に接触し、接触した濾布の外面に電着が生じ、濾布が電着物でサンドイッチ状に挟まれることをいう。これより、実施例1は、比較例1に比べて濾布巻き込みを大幅に減少できることが確認された。
(比較例2)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.05L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて1.5%大きいものとした。
その結果、操業期間中の電流効率は60%となり、実施例1、2に比べて急激に悪化することが分かった。これより、内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.06L/m2/sec以上であることが好ましいことが確認された。
(比較例3)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.14L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて1.5%大きいものとした。
その結果、塩素ガスがアノードボックスから僅かに漏れ出ることが確認され、操業を継続することができなかった。これより、内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.12L/m2/sec以下であることが好ましいことが確認された。
(比較例4)
アノードボックスとして、外側濾布15を有さない従来の構成のアノードボックスを用いた。また、実施例1で用いた濾布と同じ素材であり、厚さが2倍の濾布を用いた。
上記濾布の通水度は0.05L/m2/secであり、操業期間中の電流効率は60%と悪化することが分かった。
(比較例5)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.12L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて3.0%大きいものとした。
その結果、操業期間中のアノードボックスの月平均交換回数は15回であった。
また、操業期間中の濾布巻き込みの発生割合は25%であった。
実施例1、2に比べてアノードボックスの交換回数および濾布巻き込みの発生割合が増加するのは、外側濾布15の弛みが大きく、カソードCに近づくためであると考えられる。これより、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて2.5%以下大きいことが好ましいことが確認された。
(比較例6)
アノードボックスとして、上記実施形態に係るアノードボックス1を用いた。内側濾布12および外側濾布15の通水度は、それぞれ0.12L/m2/secである。また、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて1.0%大きいものとした。
その結果、操業期間中の電流効率は85%となった。
実施例1、2に比べて電流効率が悪化するのは、内側濾布12と外側濾布15とが部分的に密着し、密着部分の通水度が下がるためであると考えられる。これより、外側濾布15の縦、横、幅の寸法は、それぞれ内側濾布12に比べて1.5%以上大きいことが好ましいことが確認された。
1 アノードボックス
11 枠体
12 内側濾布
13 Oリング
14 吸引パイプ
15 外側濾布
16 バンド
A アノード
C カソード

Claims (4)

  1. 電解採取に用いられるアノードを構成するアノード板を囲む箱形のアノードボックスであって、
    前記アノード板を囲む内側濾布と、
    該内側濾布を覆う外側濾布と、を備える
    ことを特徴とする電解採取用アノードボックス。
  2. 前記外側濾布は、前記内側濾布との間に空間を有する程度に弛んだ状態で、該内側濾布に重ねて取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の電解採取用アノードボックス。
  3. 前記外側濾布は、袋状であり、縦、横、幅の寸法がそれぞれ前記内側濾布に比べて1.5〜2.5%大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の電解採取用アノードボックス。
  4. 前記内側濾布および前記外側濾布の通水度は、0.06〜0.12L/m2/sec(静水圧200mmH2O時の値)である
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電解採取用アノードボックス。
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