JP2014088277A - 耐火材用下塗材、及び耐火構造 - Google Patents

耐火材用下塗材、及び耐火構造 Download PDF

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Abstract

【課題】
セメントを結合材とする耐火材用の下塗材であって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能を向上させることができる耐火材用下塗材を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の耐火材用下塗材は、樹脂結合材と吸熱物質とを含有することを特徴とし、更に鱗片状無機質粒子を含有することが好ましい。なお、樹脂結合材、吸熱物質、及び鱗片状無機質粒子の割合は、樹脂結合材100質量部に対して、吸熱物質10〜800質量部、鱗片状無機質粒子10〜400質量部であることが特に好ましい。
【選択図】なし

Description

この発明は、建築物や土木構造物等の建造物またはその他の被被覆物に、セメントを結合材とする耐火材を施工する際に用いる耐火材用下塗材に関する。また、その耐火材用下塗材を用いた耐火構造に関する。
従来から、建築物や土木構造物等の建造物を火災等から保護するために、建造物を耐火材で被覆することが行われている。また、火災時に燃えやすい素材の建造物用部材等を耐火材で被覆することも行われている。
なお、以下の説明では、上記の建造物や建造物用部材等のように、耐火材で被覆されるものを「被被覆物」という。
そして、このような目的で用いる耐火材として、セメントを結合材とする耐火材(以下、「耐火モルタル」ともいう。)が提案されている。耐火モルタルとしては、例えば、特許文献1に記載されているもの等がある。
特許文献1には、「少なくとも水硬性セメントを含む無機質結合材100重量部に対し、吸熱物質15重量部〜500重量部,無機質軽量骨材10重量部〜200重量部,有機質軽量骨材2重量部〜20重量部からなることを特徴とする耐火被覆材」の発明が記載されている。なお、特許文献1では耐火被覆材が耐火モルタルに相当する。
また、耐火モルタルで被覆された建造物用部材としては、例えば、特許文献2に記載されている積層体等がある。
また、特許文献2には、「無機質基材及び有機質基材から選ばれる基材の少なくとも一方の面に、セメント100重量部に対し、発泡有機樹脂粒子を4〜40重量部、無機軽量粒子を5〜300重量部、及び吸熱物質を5〜800重量部を含む組成物の硬化体からなる耐火断熱層が設けられたことを特徴とする積層体」の発明が記載されている。なお、特許文献2では耐火断熱層を形成する硬化体が耐火モルタルに相当する。
このような耐火モルタルで被被覆物を被覆する場合には、被被覆物の表面に耐火モルタル層を直接設けずに、下塗材によって形成される下塗材層を介して耐火モルタル層を設けることがあった。例えば、特許文献2の段落0038には、被被覆物に対して、下塗材層を介して耐火断熱層を設けることができることが記載されている。
特開平9−142952号公報 特開2011−156799号公報
このように、被被覆物に対して、下塗材層を介して耐火モルタル層を設けることがあったが、耐火モルタルに適した下塗材については十分な検討がされていなかった。
本発明者は、樹脂結合材を用いた下塗材に、吸熱物質を含有させることによって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能が向上することを見出し本発明に至った。
本発明は、セメントを結合材とする耐火材用の下塗材であって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能を向上させることができる耐火材用下塗材を提供することを目的とする。

請求項1に記載の発明は、セメントを結合材とする耐火材用の下塗材であって、樹脂結合材と吸熱物質とを含有することを特徴とする耐火材用下塗材である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、耐火材用下塗材が、鱗片状無機質粒子を含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記樹脂結合材100質量部に対して、吸熱物質10〜800質量部、鱗片状無機質粒子10〜400質量部を含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記樹脂結合材の耐火材用下塗材の不揮発分中における含有率が7.5〜85質量%であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明において、前記吸熱物質が金属水酸化物であって、前記鱗片状無機質粒子が雲母類であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、被被覆物の表面に、請求項1〜5のいずれかに記載の耐火材用下塗材によって形成された下塗材層と、セメントを結合材とする耐火材によって形成された被覆層とが順に積層されていることを特徴とする耐火構造である。
請求項1〜5に記載の発明によれば、セメントを結合材とする耐火材用の下塗材であって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能を向上させることができる耐火材用下塗材を得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、耐火性能に優れた耐火構造を得ることができる。

本発明の耐火材用下塗材(以下、「下塗材」ともいう。)は、耐火モルタルで被被覆物を被覆する際に、耐火モルタルの下塗材として用いられものである。
前記下塗材は、樹脂結合材と吸熱物質とを含有することを特徴とする。
なお、下塗材が樹脂結合材を含有することによって、下塗材層は被被覆物や耐火モルタル層との密着性に優れる。そのため、被被覆物に下塗材層を介して耐火モルタル層を設けると、被被覆物と耐火モルタル層との密着性が向上する。
また、下塗材が吸熱物質を含有することによって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能が向上する。
前記樹脂結合材は、塗料や接着剤に一般的に用いられる樹脂結合材であればよく、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エステル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、ビニルアルコール樹脂、これらの樹脂が共重合させた樹脂、またはこれらの樹脂に他のモノマーが共重合させた樹脂等の合成樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上が混合されて用いられてもよい。なお、下塗材には、合成樹脂を水に分散させた合成樹脂エマルション、又は水や有機溶剤等の溶媒に溶解させた合成樹脂溶液等の形態のものが用いられる。
前記樹脂結合材の下塗材の不揮発分中における含有率は、7.5〜85質量%(より好ましくは10〜75質量%、より好ましくは、20〜65質量%、特に好ましくは30〜60質量%)であることが好ましい。前記含有率この範囲にあれば、被被覆物と耐火モルタル層と密着性が向上するとともに、前記複合層の耐火性能が向上する。前記含有率が7.5質量%未満である場合には、密着性が十分でない恐れがある。逆に、前記含有率が85質量%を超えると、吸熱物質及び鱗片状無機質粒子の含有率が少なくなるので、耐火性能が十分に向上しない恐れがある。
前記吸熱物質とは、加熱されることによって脱水反応をする充填材である。下塗材が吸熱物質を含有することによって、脱水反応による吸熱作用によって、前記複合層の耐火性能が向上する。
吸熱物質としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等の金属水酸化物が挙げられる。これらの中でも、吸熱量が大きいとともに、樹脂結合材との混合性がよく、下塗材中での安定性に優れる水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
前記吸熱物質の含有量は、樹脂結合材100質量部に対して10〜800質量部(より好ましくは20〜400質量部、特に好ましくは30〜200質量部)であることが好ましい。前記含有量がこの範囲にあれば、前記複合層の耐火性能が特に向上する。前記含有量が樹脂結合材100質量部に対して10質量部未満である場合は、耐火性能が十分に向上しない恐れがある。逆に、前記含有量が樹脂結合材100質量部に対して800質量部を超える場合は、相対的に樹脂結合材の割合が少なくなることによって、被被覆物と耐火モルタル層との密着性が低下する恐れがある。
前記下塗材は、鱗片状無機質粒子を含有することが好ましい。樹脂結合材と吸熱物質とに加えて鱗片状無機質粒子を含有する下塗材を用いることによって、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能がより向上する。鱗片状無機質粒子を含有することによって複合層の耐火性能が向上する理由は定かではないが、鱗片状無機質粒子の熱反射性や耐熱性によって耐火性能が向上するのではないかと推測される。
前記鱗片状無機質粒子としては、例えば、金属、合金、及び酸化物等の鱗片状粒子、鱗片状鉱物、鱗片状ガラス等が挙げられる。
前記の金属、合金、及び酸化物等の鱗片状粒子としては、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、亜鉛、インジウム、チタン、銅等の金属、これらの金属を含有する合金、及びこれらの金属の酸化物等が挙げられる。また、前記鱗片状鉱物としては、例えば、白雲母、黒雲母、金雲母等の雲母類、タルク、モンモリロナイト、カオリナイト等が挙げられる。また、天然鉱物でない雲母類として合成雲母が挙げられる。
前記鱗片状無機質粒子は、表面が他の化合物で被覆されたものでもよい。このようなものとしてはマイカ顔料等があり、例えば、雲母類、ガラス、酸化鉄、酸化アルミニウム、又はその他の各種金属等によって形成された鱗片状基材の表面が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ジルコニウム等の金属酸化物で被覆されたもの等が挙げられる。
これらの鱗片状無機質粒子のなかでも、前記下塗材には、白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母等の雲母類、タルク、モンモリロナイト、カオリナイト等の鱗片状珪酸塩を用いることが好ましく、雲母類を用いることが特に好ましい。下塗材が鱗片状無機質粒子として鱗片状珪酸塩を含有することによって、前記複合層の耐火性能が特に向上する。
前記鱗片状無機質粒子の平均粒子径は、10〜200μm(より好ましくは15〜100μm、特に好ましくは20〜60μm)であることが好ましい。また、平均粒子径がこの範囲であって、アスペクト比(平均粒子径/平均厚み)が10〜150(より好ましくは20〜100)であることが特に好ましい。前記粒子径、及びアスペクト比がこの範囲にあれば、前記複合層の耐火性能が特に向上する。
なお、前記平均粒子径はレーザ回折式粒度分布測定装置等によって測定することができる。前記粒子径及び厚みは、顕微鏡法等によって測定することができる。なお、顕微鏡法等で測定する場合の粒子径は、鱗片状粒子の平面の最大径とする。
前記鱗片状無機質粒子の含有量は、樹脂結合材100質量部に対して10〜400質量部(より好ましくは20〜200質量部、特に好ましくは30〜150)質量部であることが好ましい。前記含有量がこの範囲にあれば、前記複合層の耐火性能が特に向上する。前記含有量が樹脂結合材100質量部に対して10質量部未満である場合は、耐火性能が十分に向上しない恐れがある。逆に、前記含有量が樹脂結合材100質量部に対して400質量部を超える場合は、相対的に樹脂結合材及び吸熱物質の割合が少なくなることによって、被被覆物と耐火モルタル層との密着性が低下する恐れがあるとともに、耐火性能が十分に向上しない恐れがある。
前記下塗材は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の成分を含有してもよい。前記以外の成分としては、例えば、炭酸カルシウム、クレイ、シリカ等の充填材、酸化チタン、酸化亜鉛、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック等の顔料、粘性調整剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防腐剤等の添加剤等が挙げられる。
(使用方法)
下塗材の具体的な使用方法について説明する。
まず、被被覆物の表面に下塗材を塗付して乾燥硬化させることによって、被被覆物の表面に下塗材層を形成する。
下塗材を塗付する方法は、特に限定しない。例えば、エアレススプレーやエアスプレー等の塗装機を用いて吹付け塗装する方法、ローラーや刷毛等の塗装器具を用いて塗装する方法等が挙げられる。
前記下塗材層の厚みは、0.02〜1.0mm(より好ましくは0.05〜0.6mm、特に好ましくは0.08〜0.3mm)であることが好ましい。前記厚みがこの範囲にあれば、被被覆物と耐火モルタル層との密着性が向上するとともに、下塗材層と耐火モルタル層との複合層の耐火性能が向上する。前記厚みが0.02mm未満である場合には、密着性や耐火性能が十分に向上しない恐れがある。逆に、前記厚みが1.0mmを超える場合には、厚み1.0mmの場合から耐火性能がそれほど向上しないか、もしくは耐火性能が低下する恐れがある。
前記被被覆物は、主には建造物や建造物用部材等であるが、特には限定しない。具体的には、建造物の壁、天井、柱、梁等、それらを構成する部材、及びそれらの表面に施工される材料等が挙げられる。また、それらの材料の素材としては、例えば、コンクリート、モルタル、れんが、無機質タイル、繊維強化セメント板、ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、金属板、ガラス、しっくい、石、石膏ボード等の無機質素材、樹脂発泡体、樹脂板、ゴム、紙等の有機質素材等が挙げられる。
これらの中でも、被被覆物が樹脂発泡体であるとき、前記下塗材の効果がより有効に発揮される。通常、耐火モルタルで樹脂発泡体を被覆する場合、十分な耐火性能を得るためには、耐火モルタル層の厚みを厚くする必要があるが、前記下塗材を用いて前記複合層を形成すれば、厚みを厚くすることなく十分な耐火性能を得ることができる。
前記樹脂発泡体は、樹脂製の多孔質体である。樹脂発泡体に用いられる樹脂としては、例えば、エチレン樹脂、プロピレン樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は一種類だけで用いられても、二種類以上が併用されてもよい。また、二種類以上の樹脂のモノマーが共重合されたものであってもよい。
以上のように、被被覆物の表面に下塗材層を形成した後に、耐火モルタル用の材料に水を加えて混練して得られる混合物を、下塗材層の表面に塗付して乾燥硬化させることによって、耐火モルタル層を形成する。
前記混合物を塗付する方法は、特に限定しない。例えば、モルタル吹付機等を用いて吹付け塗付する方法、コテ等の塗装器具を用いて塗付ける方法等が挙げられる。
前記耐火モルタルは、セメントを結合材とし、耐火性能を備えた材料であればよく、例えば、無機質充填材として吸熱物質及び/又は無機質軽量骨材を含有し、無機質充填材とセメントと水とが混練された混合物が乾燥硬化したもの等が挙げられる。
前記セメントは、水と反応して硬化する水硬性セメント、及び二酸化炭素等と反応して硬化する気硬性セメントである。水硬性セメントとして、例えば、普通ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等の各種セメント等が挙げられる。また、気硬性セメントとしては、例えば、石膏、消石灰、ドロマイトプラスター等が挙げられる。
前記無機質充填材は、モルタル等に一般的に用いられるものであればよく、例えば、珪砂、山砂、川砂、寒水砂、タルク、カオリンクレー、炭酸カルシウム、雲母、陶磁器粉砕物、ガラス粉砕物、金属酸化物、金属水酸化物等の無機質骨材、シラスバルーン、パーライト、バーミキュライト、膨張頁岩、軽石、珪藻土、ガラス発泡体、セラミック発泡体、スラグ発泡体等の無機質軽量骨材等が挙げられる。
前記耐火モルタルは、無機質充填材として吸熱物質を含有することが好ましい。吸熱物質とは、加熱されることによって脱水反応をする物質である。耐火モルタルが吸熱物質を含有することによって、吸熱物質が加熱された際の脱水反応による吸熱作用によって、耐火モルタルの耐火性能が向上する。
吸熱物質としては、下塗材と同様に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等の金属水酸化物が挙げられる。これらの中でも、吸熱量が大きいとともに、耐火モルタルに用いられる他の材料と混合性がいい水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好ましく、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
前記耐火モルタルは、無機質充填材として無機質軽量骨材を含有することが好ましい。前記無機質軽量骨材とは、本明細書では、JIS A5002:2003で規定されている絶乾密度が2.3g/cm未満の骨材をいう。耐火モルタルが無機質軽量骨材を含有することによって、耐火モルタルの熱伝導率が小さくなり、前記複合層の耐火性能が向上する。
前記耐火モルタルは、前記以外の成分を含有してもよい。前記以外の成分としては、例えば、樹脂結合材、添加剤、有機質充填材、繊維等が挙げられる。
これらの成分の中でも、前記下塗材と共に用いる耐火モルタルは、樹脂結合材を含有していることが好ましい。耐火モルタルが樹脂結合材を含有することによって、耐火モルタル層と下塗材層との密着性が向上する。密着性が向上することによって、通常時や火災時等に下塗材層と耐火モルタル層とが剥離しにくくなり、前記複合層の耐火性能が十分に発揮される。
前記樹脂結合材は、セメントと混和可能な樹脂結合材であればよく、一般的に用いられるものとしては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、これらの樹脂のモノマーが共重合された樹脂、またはこれらの樹脂に他のモノマーが共重合された樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。これらの樹脂結合材は単独で用いられてもよく、2種類以上が混合されて用いられてもよい。なお、樹脂結合材は、樹脂が水に分散されたエマルション、又は水と混合されることでエマルションとなる再乳化型粉末樹脂等の形態のものが用いられる。
前記添加剤は、モルタル等に一般的に用いられるものであればよく、例えば、セルロース誘導体等の粘性調整剤、吸水防止剤、撥水剤、減水剤、流動化剤、保水剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、起泡剤等が挙げられる。
前記有機質充填材としては、樹脂、ゴム、又はこれらの発泡体の粒子等の有機質骨材が挙げられる。
前記繊維としては、ロックウール、スラグウール、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭素繊維等の無機質繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の有機質繊維等が挙げられる。
本発明の下塗材と共に用いる耐火モルタルの具体的な組成としては、以下のようなものが挙げられる。
組成例:セメント100質量部、無機質充填材30〜1000質量部(より好ましくは70〜900質量部、特に好ましくは120〜800質量部)を含む組成物に適量の水を加えて混練して得られる混合物を乾燥硬化させたものであって、前記無機質充填材中に吸熱物質20〜800質量部(より好ましくは50〜750質量部、特に好ましくは100〜700質量部)、無機質軽量骨材10〜200質量部(より好ましくは15〜150質量部、特に好ましくは20〜100質量部)を含有する耐火モルタル。
複合断熱材の耐燃焼性能を以下に示す実施例および比較例によって評価した。
試験用体の基材となる被被覆物として、石膏ボード(100mm×100mm×厚み12.5mm)の表面に、発泡ポリウレタン(100mm×100mm×厚み15mm)を積層したものを用いた。
下塗材として、表1に示す組成の塗料を用いた。なお、表1の組成は、各材料の配合量を質量部で記載したものである。
また、表1には各下塗材中の不揮発分の量も質量部で記載した。
なお、表1の下塗材には、樹脂結合材としてアクリル樹脂エマルション(不揮発分50質量%)、吸熱物質として水酸化アルミニウム、鱗片状無機質粒子として鱗片状の白雲母、充填材として珪砂を用いた。
Figure 2014088277
耐火モルタルとして、表2に示す組成の材料を用いた。なお、表2の組成は、各材料の配合量を質量部で記載したものである。
なお、表2の耐火モルタルには、セメントとして白色ポルトランドセメント、吸熱物質として水酸化アルミニウム、無機質軽量骨材としてバーミキュライト及びパーライト、その他の無機質充填材として珪砂及び炭酸カルシウム、樹脂結合材として再乳化型アクリル樹脂粉末、有機質充填材として発泡ポリスチレン、繊維としてアクリル繊維、添加剤として粘性調整剤(セルロース誘導体)及び減水剤を用いた。
Figure 2014088277
前記の基材の発泡ポリウレタン側の表面に、下塗材を塗装して乾燥させた後に、その表面に表2に示す材料に水を加えて混練したものを塗付して乾燥硬化させたものを試験体とした。実施例および比較例となる試験体の詳細を表3に示す。
表3には、各試験体に使用した下塗材の組成を表1の記号で記載し、耐火モルタルの組成を表2の記号で記載している。また、下塗材及び耐火モルタルの乾燥硬化後の厚みも記載している。
(耐火性能)
実施例および比較例の試験体の耐火性能を評価するために、試験体の耐火モルタル側を表面として、ISO5660−1に規定されているコーンカロリーメータ試験を行った。なお、試験条件は、輻射強度は50kw/m、加熱時間は20分間とした。
コーンカロリーメータ試験で測定した総発熱量(MJ/m)を表3に示す。
Figure 2014088277
比較例1及び実施例1〜4の総発熱量を見ると、下塗材が吸熱物質を含有することによって、総発熱量が小さくなっていることがわかる。また、実施例2及び比較例3の総発熱量を見ると、珪砂のような吸熱物質以外の充填材を含有する場合より、吸熱物質を含有する場合の方が、総発熱量が特に小さくなることがわかる。
実施例1及び実施例5の総発熱量、又は実施例2及び実施例6の総発熱量をみると、下塗材が吸熱物質に加えて鱗片状無機質粒子を含有することによって、総発熱量がさらに小さくなっていることがわかる。なお、実施例5、及び実施例7の総発熱量を見ると、珪砂のような鱗片状でない無機質充填材ではなく、鱗片状無機質粒子の方が、総発熱量を小さくする効果が大きいことがわかる。


Claims (6)

  1. セメントを結合材とする耐火材用の下塗材であって、樹脂結合材と吸熱物質とを含有することを特徴とする耐火材用下塗材。
  2. 鱗片状無機質粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火材用下塗材。
  3. 前記樹脂結合材100質量部に対して、吸熱物質10〜800質量部、鱗片状無機質粒子10〜400質量部を含有することを特徴とする請求項2に記載の耐火材用下塗材。
  4. 前記樹脂結合材の耐火材用下塗材の不揮発分中における含有率が7.5〜85質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐火材用下塗材。
  5. 前記吸熱物質が金属水酸化物であって、前記鱗片状無機質粒子が雲母類であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の耐火材用下塗材。
  6. 被被覆物の表面に、請求項1〜5のいずれかに記載の耐火材用下塗材によって形成された下塗材層と、セメントを結合材とする耐火材によって形成された被覆層とが順に積層されていることを特徴とする耐火構造。
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