JP2005061204A - 建築材料、その製造方法および水硬性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量であって施工性および耐火性に優れ、高意匠性を付与でき、かつ石綿を含有しない外装材等に好適な建築材料の提供。
【解決手段】石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5、ヤング率が1×104N/mm2以下、下記熱収縮率が5.5%以下である建築材料。
(熱収縮率)12mm×220mm×110mmのボード状建築材料を60℃で24時間乾燥後、その一方の面を厚さ10mmのセラミックファイバ製ボードで被覆し、他の面を、時間tによってT=345×log10(8t+1)+20で表される温度に60分間保持後冷却してサンプル中央部短辺の長さLを測定し、(110−L)×100/110を算出。
【選択図】なし
【解決手段】石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5、ヤング率が1×104N/mm2以下、下記熱収縮率が5.5%以下である建築材料。
(熱収縮率)12mm×220mm×110mmのボード状建築材料を60℃で24時間乾燥後、その一方の面を厚さ10mmのセラミックファイバ製ボードで被覆し、他の面を、時間tによってT=345×log10(8t+1)+20で表される温度に60分間保持後冷却してサンプル中央部短辺の長さLを測定し、(110−L)×100/110を算出。
【選択図】なし
Description
本発明は、外装材に好適な建築材料およびそのような建築材料の製造に好適な水硬性組成物に関する。
従来、外装材としては種々のものが用いられている。
たとえば、高い耐火性能が求められる場合にはALCパネルが用いられる(たとえば非特許文献1参照)。しかし、ALCパネルの厚さは35mm以上であり、たとえば厚さ12mm程度の薄い高耐火建築ボード等としての使用は困難である。
このような薄い高耐火建築ボードとしては石綿を耐火性向上成分として含有する繊維混入パーライトセメント板が従来使用されている。
たとえば、高い耐火性能が求められる場合にはALCパネルが用いられる(たとえば非特許文献1参照)。しかし、ALCパネルの厚さは35mm以上であり、たとえば厚さ12mm程度の薄い高耐火建築ボード等としての使用は困難である。
このような薄い高耐火建築ボードとしては石綿を耐火性向上成分として含有する繊維混入パーライトセメント板が従来使用されている。
「JISハンドブック8建築I(材料)」,第1版,財団法人日本規格協会,2001年1月31日,p.199−205
ALCパネルはオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(ALC)という建築材料を鉄筋で補強した外装材であり、耐火性能が高い等の特長を有する。しかし、ALCはもろい建築材料であるので、ALCパネルには、欠けが生じやすい、いわゆる深彫り意匠等高意匠性の付与が困難である、等の問題があった。
また、ALCパネルには、前述のとおり厚さが12mm程度の薄いボード形状のものが得られない問題があった。
前記繊維混入パーライトセメント板には、高耐火性能を有し、かつ厚さが12mm程度の薄いボード形状のものが得られるという特長があるが、石綿を含有する問題があった。
本発明はこれらの問題を解決する建築材料、その製造方法および水硬性組成物を提供する。
また、ALCパネルには、前述のとおり厚さが12mm程度の薄いボード形状のものが得られない問題があった。
前記繊維混入パーライトセメント板には、高耐火性能を有し、かつ厚さが12mm程度の薄いボード形状のものが得られるという特長があるが、石綿を含有する問題があった。
本発明はこれらの問題を解決する建築材料、その製造方法および水硬性組成物を提供する。
本発明は、石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5かつヤング率が1×104N/mm2以下である建築材料であって、下記熱収縮率が5.5%以下であることを特徴とする建築材料を提供する(第1の建築材料)。
(熱収縮率)
ボード(厚さ12mm、長辺220mm、短辺110mm)形状の建築材料を60℃に24時間保持して乾燥後、その一方の面を厚さ10mmのセラミックファイバ製ボード(600〜1000℃における熱伝導率:0.1〜0.25W/(m・K)、かさ密度:150〜250kg/m3)で被覆し、他の面を、時間t(単位:分)によって下記式で表される温度T(単位:℃)に60分間保持後冷却してサンプル中央部短辺の長さL(単位:mm)を測定し、百分率表示の熱収縮率すなわち(110−L)×100/110を算出する。
(式)T=345×log10(8t+1)+20 。
ボード(厚さ12mm、長辺220mm、短辺110mm)形状の建築材料を60℃に24時間保持して乾燥後、その一方の面を厚さ10mmのセラミックファイバ製ボード(600〜1000℃における熱伝導率:0.1〜0.25W/(m・K)、かさ密度:150〜250kg/m3)で被覆し、他の面を、時間t(単位:分)によって下記式で表される温度T(単位:℃)に60分間保持後冷却してサンプル中央部短辺の長さL(単位:mm)を測定し、百分率表示の熱収縮率すなわち(110−L)×100/110を算出する。
(式)T=345×log10(8t+1)+20 。
また、石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5かつヤング率が1×104N/mm2以下である建築材料であって、下記準耐火試験Bに合格することを特徴とする建築材料を提供する(第2の建築材料)。
(準耐火試験B)
試験体は大きさを1820×1820mmとし、木造在来軸組み工法にて次のように作製する。すなわち、柱(105mm×105mm)および間柱(45mm×105mm)として杉材を用い、柱と間柱の中心線の間隔が455mm幅になるようにする。なお、以下では「加熱側」は試験体の直接加熱される側の面だけでなくその直接加熱される側の面に近い側の面も表し、「非加熱側」も同様である。
柱と間柱の室内側(非加熱側)には厚さ9.5mmのせっこうボードを取り付ける。取り付けにはせっこうボードくぎ(たとえばGN−40)を用い、柱に対しては150mm間隔で、間柱に対しては200mm間隔でそれぞれくぎ止めを行う。
柱と間柱の間のせっこうボード室外側の面には厚さ50mmのグラスウール(相当密度はたとえば10kg/m3)を取り付ける。
柱と間柱の室外側(加熱側)には、厚さ0.09〜0.25mmの透湿防水シート(たとえば厚さが0.10mmである旭硝子社製スーパーシート)を張り、その上から柱および間柱に胴縁をくぎ止めする。
胴縁は、柱に対するものは厚さ15mm、幅90mmのものを、間柱に対するものは厚さ15mm、幅45mmのものを使用する。また、くぎ止めはたとえばN50くぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて455mm間隔で行う。
胴縁の室外側に厚さ12mmのボード状外装材(たとえば長辺905mm、短辺455mm)をその長辺が水平となるように、すなわち横張りで取り付ける。取り付けはたとえばステンレススクリューくぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて210mm間隔で行う。
試験体の室外側中央には、ボード状外装材の膨張代として幅10mmの鉛直方向の隙間が形成される。その隙間下部にはハット型ジョイナを取り付け、その上から変成シリコーン系シーリング材をたとえば105g/mの量で打ち込む。
試験体は大きさを1820×1820mmとし、木造在来軸組み工法にて次のように作製する。すなわち、柱(105mm×105mm)および間柱(45mm×105mm)として杉材を用い、柱と間柱の中心線の間隔が455mm幅になるようにする。なお、以下では「加熱側」は試験体の直接加熱される側の面だけでなくその直接加熱される側の面に近い側の面も表し、「非加熱側」も同様である。
柱と間柱の室内側(非加熱側)には厚さ9.5mmのせっこうボードを取り付ける。取り付けにはせっこうボードくぎ(たとえばGN−40)を用い、柱に対しては150mm間隔で、間柱に対しては200mm間隔でそれぞれくぎ止めを行う。
柱と間柱の間のせっこうボード室外側の面には厚さ50mmのグラスウール(相当密度はたとえば10kg/m3)を取り付ける。
柱と間柱の室外側(加熱側)には、厚さ0.09〜0.25mmの透湿防水シート(たとえば厚さが0.10mmである旭硝子社製スーパーシート)を張り、その上から柱および間柱に胴縁をくぎ止めする。
胴縁は、柱に対するものは厚さ15mm、幅90mmのものを、間柱に対するものは厚さ15mm、幅45mmのものを使用する。また、くぎ止めはたとえばN50くぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて455mm間隔で行う。
胴縁の室外側に厚さ12mmのボード状外装材(たとえば長辺905mm、短辺455mm)をその長辺が水平となるように、すなわち横張りで取り付ける。取り付けはたとえばステンレススクリューくぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて210mm間隔で行う。
試験体の室外側中央には、ボード状外装材の膨張代として幅10mmの鉛直方向の隙間が形成される。その隙間下部にはハット型ジョイナを取り付け、その上から変成シリコーン系シーリング材をたとえば105g/mの量で打ち込む。
このようにして作製した試験体を、幅2010mm×高さ2150mmの開口部を有する加熱炉の当該開口部に取り付け、炉内雰囲気温度が前記式で表されるTとなるように60分間昇温する。
この際、試験体上面または下面の左右端部から470mm内側の位置2ヶ所の加圧点でそれぞれ36.6kNを載荷する。
この際、試験体上面または下面の左右端部から470mm内側の位置2ヶ所の加圧点でそれぞれ36.6kNを載荷する。
試験体が下記基準(1)〜(3)のいずれも満足する場合を準耐火試験B合格という。
(1)試験体の最大軸方向収縮量が18.2mm以下かつ最大軸方向収縮速度が5.5mm/分以下であること。
(2)せっこうボードの室内側表面の温度上昇が、前記60分間昇温する間において平均で140K以下、最高で180K以下であること。なお、「平均で140K以下、最高で180K以下であること」とは、室内側表面の最高温度測定を目的として測定された典型的には6箇所における温度の上昇の平均が140K以下、それらの最高が180K以下であることをいう。
(3)非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がなく、非加熱面で10秒を超えて継続する発煙がなく、かつ、火炎が通る亀裂等の損傷が生じないこと。
(1)試験体の最大軸方向収縮量が18.2mm以下かつ最大軸方向収縮速度が5.5mm/分以下であること。
(2)せっこうボードの室内側表面の温度上昇が、前記60分間昇温する間において平均で140K以下、最高で180K以下であること。なお、「平均で140K以下、最高で180K以下であること」とは、室内側表面の最高温度測定を目的として測定された典型的には6箇所における温度の上昇の平均が140K以下、それらの最高が180K以下であることをいう。
(3)非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がなく、非加熱面で10秒を超えて継続する発煙がなく、かつ、火炎が通る亀裂等の損傷が生じないこと。
また、質量百分率表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末1〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第1の水硬性組成物)。
また、同表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜57%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜1%未満、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第2の水硬性組成物)。
また、同表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、せっこう粉末2〜30%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第3の水硬性組成物)。
また、同表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜57%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜1%未満、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第2の水硬性組成物)。
また、同表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、せっこう粉末2〜30%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第3の水硬性組成物)。
また、同表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜20%、せっこう粉末0〜30%、硫酸アルミニウム系化合物粉末(MAlx(SO4)y(OH)z。ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、xは3〜6、yは2〜4、zは0〜12。)0.5〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物を提供する(第4の水硬性組成物)。
また、前記水硬性組成物および水を含有するスラリーからグリーンシートを作製し、このグリーンシートについて、40〜98℃に保持する一次養生後130〜200℃でオートクレーブ養生を行うことを特徴とする建築材料の製造方法を提供する。
また、前記水硬性組成物および水を含有するスラリーからグリーンシートを作製し、このグリーンシートについて、40〜98℃に保持する一次養生後130〜200℃でオートクレーブ養生を行うことを特徴とする建築材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、軽量であって施工性および耐火性に優れ、高意匠性を付与でき、かつ石綿を含有しない外装材等に好適な建築材料が得られる。
また、使用済みガラス製品の粉砕品を用いて建築材料を製造することができるのでガラス製品のリサイクルに有効である。
さらに、使用済み窯業建材製品の粉砕品を用いて建築材料を製造することができるので窯業建材製品のリサイクルに有効である。
また、使用済みガラス製品の粉砕品を用いて建築材料を製造することができるのでガラス製品のリサイクルに有効である。
さらに、使用済み窯業建材製品の粉砕品を用いて建築材料を製造することができるので窯業建材製品のリサイクルに有効である。
本明細書でいう建築材料は、ALCを鉄筋で補強したALCパネルのような複合材は含まない。なお、ALCは本明細書でいう建築材料に相当する。
本発明の建築材料は、サイディング、軒天等の外装材、せっこうボード等に代わる内装材、天井材、野地板、等に好適である。
サイディングに使用する場合、典型的な厚さは12〜30mm、典型的な大きさは455mm×910mm〜900mm×3030mmである。また、意匠性を高めたい場合にはその一方の面に所望の凹凸を形成したり、所望のパターンまたは所望の色の塗装を行ってもよい。
本発明の建築材料は、サイディング、軒天等の外装材、せっこうボード等に代わる内装材、天井材、野地板、等に好適である。
サイディングに使用する場合、典型的な厚さは12〜30mm、典型的な大きさは455mm×910mm〜900mm×3030mmである。また、意匠性を高めたい場合にはその一方の面に所望の凹凸を形成したり、所望のパターンまたは所望の色の塗装を行ってもよい。
本発明の建築材料は石綿を含有しない。
本発明の建築材料は、そのかさ比重ρが0.6未満ではもろくなりすぎ、欠けが生じやすくなる。好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上である。ρが1.5超では建築ボード等として使用する場合に重くなりすぎ、施工効率が低下したり、柱や梁の負担が大きくなる。好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。なお、ρはアルキメデス法等によって測定される。
本発明の建築材料は、そのヤング率Eが1×104N/mm2超では建築ボード等として使用する場合加工性が低下する、釘打ちができなくなる等の問題が生じる。好ましくは0.95×104N/mm2以下、より好ましくは0.9×104N/mm2以下である。Eは典型的には0.4×104N/mm2以上である。なお、Eはたとえば、後述する曲げ破壊荷重の測定の際に得られる応力−ひずみ曲線から求められる。
本発明の建築材料は、そのかさ比重ρが0.6未満ではもろくなりすぎ、欠けが生じやすくなる。好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上である。ρが1.5超では建築ボード等として使用する場合に重くなりすぎ、施工効率が低下したり、柱や梁の負担が大きくなる。好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。なお、ρはアルキメデス法等によって測定される。
本発明の建築材料は、そのヤング率Eが1×104N/mm2超では建築ボード等として使用する場合加工性が低下する、釘打ちができなくなる等の問題が生じる。好ましくは0.95×104N/mm2以下、より好ましくは0.9×104N/mm2以下である。Eは典型的には0.4×104N/mm2以上である。なお、Eはたとえば、後述する曲げ破壊荷重の測定の際に得られる応力−ひずみ曲線から求められる。
本発明の建築材料の前記熱収縮率γはたとえば次のようにして測定される。
(1)厚さが12mm、長辺が220mm、短辺が110mmのボード形状サンプルを2枚作製し、60℃に24時間保持して乾燥する。
(2)大きさが200mm×200mmの開口部を1個有する電気炉の当該開口部に、前記2枚のサンプルの長辺同士を接触させるようにして、すなわち全体として220mm×220mmの大きさで当該開口部を覆うようにして取り付ける。
(3)開口部に取り付けられたサンプルの外側を、厚さ10mm、大きさが225mm×225mmのイソライト工業社製セラミックファイバ製ボード(品名:ISOWOOL1600HAボード、600℃における熱伝導率:0.13W/(m・K)、800℃における熱伝導率:0.16W/(m・K)、1000℃における熱伝導率:0.21W/(m・K)、セラミックファイバのAl2O3含有量:70.3質量%)によって覆う。
(4)電気炉の雰囲気温度が前記式で表されるTとなるように昇温する。
(5)昇温開始後60分が経過し電気炉の雰囲気温度が945℃となったときに、前記セラミックファイバ製ボードおよびサンプルを直ちに電気炉開口部から取り外す。
(6)電気炉開口部から取り外されたサンプル(2枚)を充分冷却後、各サンプルの中央部短辺の長さLを測定し、γ=(110−L)×100/110を算出する。
(1)厚さが12mm、長辺が220mm、短辺が110mmのボード形状サンプルを2枚作製し、60℃に24時間保持して乾燥する。
(2)大きさが200mm×200mmの開口部を1個有する電気炉の当該開口部に、前記2枚のサンプルの長辺同士を接触させるようにして、すなわち全体として220mm×220mmの大きさで当該開口部を覆うようにして取り付ける。
(3)開口部に取り付けられたサンプルの外側を、厚さ10mm、大きさが225mm×225mmのイソライト工業社製セラミックファイバ製ボード(品名:ISOWOOL1600HAボード、600℃における熱伝導率:0.13W/(m・K)、800℃における熱伝導率:0.16W/(m・K)、1000℃における熱伝導率:0.21W/(m・K)、セラミックファイバのAl2O3含有量:70.3質量%)によって覆う。
(4)電気炉の雰囲気温度が前記式で表されるTとなるように昇温する。
(5)昇温開始後60分が経過し電気炉の雰囲気温度が945℃となったときに、前記セラミックファイバ製ボードおよびサンプルを直ちに電気炉開口部から取り外す。
(6)電気炉開口部から取り外されたサンプル(2枚)を充分冷却後、各サンプルの中央部短辺の長さLを測定し、γ=(110−L)×100/110を算出する。
本発明の建築材料は、これを用いて作製された厚さ12mmのボードを下記準耐火試験Aにおける厚さ12mmのボード状外装材として使用したときに同試験に合格するものであることが好ましい。同試験に合格するものであると、法令によって規定される準耐火60分試験に合格する住宅外壁等を得るための室内側のせっこうボードを9.5mm厚さの単板張りとすることができ、その結果、施工効率の向上もしくは施工費用の低減等の効果が得られる。
なお、従来の窯業系サイディングを使用して前記準耐火60分試験に合格する住宅外壁等を得るためには室内側のせっこうボードを2枚張りにしなければならなかった。
なお、従来の窯業系サイディングを使用して前記準耐火60分試験に合格する住宅外壁等を得るためには室内側のせっこうボードを2枚張りにしなければならなかった。
(準耐火試験A)
試験体は大きさを3000×3000mmとし、木造在来軸組み工法にて次のように作製する。すなわち、柱(105mm×105mm)および間柱(45mm×105mm)として杉材を用い、柱と間柱の中心線の間隔が455mm幅になるようにする。なお、以下では「加熱側」は試験体の直接加熱される側の面だけでなくその直接加熱される側の面に近い側の面も表し、「非加熱側」も同様である。
試験体は大きさを3000×3000mmとし、木造在来軸組み工法にて次のように作製する。すなわち、柱(105mm×105mm)および間柱(45mm×105mm)として杉材を用い、柱と間柱の中心線の間隔が455mm幅になるようにする。なお、以下では「加熱側」は試験体の直接加熱される側の面だけでなくその直接加熱される側の面に近い側の面も表し、「非加熱側」も同様である。
柱と間柱の室内側(非加熱側)には厚さ9.5mmのせっこうボードを取り付ける。取り付けにはせっこうボードくぎ(たとえばGN−40)を用い、柱に対しては150mm間隔で、間柱に対しては200mm間隔でそれぞれくぎ止めを行う。
柱と間柱の間のせっこうボード室外側の面には厚さ50mmのグラスウール(相当密度はたとえば10kg/m3)を取り付ける。
柱と間柱の室外側(加熱側)には、厚さ0.09〜0.25mmの透湿防水シート(たとえば厚さが0.10mmである旭硝子社製スーパーシート)を張り、その上から柱および間柱に胴縁をくぎ止めする。
柱と間柱の間のせっこうボード室外側の面には厚さ50mmのグラスウール(相当密度はたとえば10kg/m3)を取り付ける。
柱と間柱の室外側(加熱側)には、厚さ0.09〜0.25mmの透湿防水シート(たとえば厚さが0.10mmである旭硝子社製スーパーシート)を張り、その上から柱および間柱に胴縁をくぎ止めする。
胴縁は、柱に対するものは厚さ15mm、幅90mmのものを、間柱に対するものは厚さ15mm、幅45mmのものを使用する。また、くぎ止めはたとえばN50くぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて455mm間隔で行う。
胴縁の室外側に厚さ12mmのボード状外装材(たとえば長辺1495mm、短辺455mm)をその長辺が水平となるように、すなわち横張りで取り付ける。取り付けはたとえばステンレススクリューくぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて210mm間隔で行う。
試験体の室外側中央には、ボード状外装材の膨張代として幅10mmの鉛直方向の隙間が形成される。その隙間下部にはハット型ジョイナを取り付け、その上から変成シリコーン系シーリング材をたとえば105g/mの量で打ち込む。
胴縁の室外側に厚さ12mmのボード状外装材(たとえば長辺1495mm、短辺455mm)をその長辺が水平となるように、すなわち横張りで取り付ける。取り付けはたとえばステンレススクリューくぎ(直径2.2mm、長さ38mm)を用いて210mm間隔で行う。
試験体の室外側中央には、ボード状外装材の膨張代として幅10mmの鉛直方向の隙間が形成される。その隙間下部にはハット型ジョイナを取り付け、その上から変成シリコーン系シーリング材をたとえば105g/mの量で打ち込む。
このようにして作製した試験体を、たとえば3050mm×3050mmの開口部を有する加熱炉の当該開口部に取り付け、炉内雰囲気温度が前記式で表されるTとなるように60分間昇温する。この昇温の間、試験体の非加熱側に10秒を超えて継続する火炎の噴出および発炎がなく、火炎が通る亀裂等の損傷の発生がない場合を準耐火試験A合格という。なお、準耐火試験Bの前記基準(2)も満足することが好ましい。
本発明の建築材料(第1の建築材料)を用いて作製された厚さ12mmのボードを準耐火試験Aにおけるボード状外装材として使用し、同試験に際して構造耐力上主要な部分の断面積に長期許容応力度相当の応力度が生じるように載荷したときに、hを試験体の初期高さ(3000mm)として、試験体の最大軸方向収縮量は(h/1000)mm以下、最大軸方向収縮速度は(3h/1000)mm/分以下であることがそれぞれ好ましい。
本発明の建築材料(第1の建築材料)は、これを用いて作製された厚さ12mmのボードを前記準耐火試験Bにおける厚さ12mmのボード状外装材として使用したときに同試験に合格するものであることが好ましい。同試験に合格するものであると、法令によって規定される準耐火60分試験に合格する住宅外壁等を得るための室内側のせっこうボードを9.5mm厚さの単板張りとすることができ、その結果、施工効率の向上もしくは施工費用の低減等の効果が得られる。
本発明の第1の建築材料のγが5.5%超では、本発明の第1の建築材料を用いて作製された厚さ12mmのボードを用いた準耐火試験A試験体が同試験に合格しないおそれがある。好ましくは3.4%以下、より好ましくは3.0%以下、特に好ましくは2.9%以下である。
本発明の第2の建築材料は第1の建築材料であることが好ましい。
本発明の第2の建築材料は第1の建築材料であることが好ましい。
本発明の建築材料は、その厚さ12mmにおける曲げ破壊荷重が690N以上であることが好ましい。690N未満では建築材料として使用することが困難になるおそれがある。より好ましくは800N以上である。
なお、前記曲げ破壊荷重はJIS A 1408の3号試験体を用いる方法によって、105℃に24時間保持した乾燥品について測定される。
なお、前記曲げ破壊荷重はJIS A 1408の3号試験体を用いる方法によって、105℃に24時間保持した乾燥品について測定される。
JIS A 5422 7.4で規定される含水率試験を本発明の建築材料に対して行って得られる含水率(以下、JIS含水率という。)は20%以下であることが好ましい。20%超では、準耐火60分試験、準耐火試験Aまたは準耐火試験Bに合格しないおそれがある。より好ましくは15%以下である。
本発明の建築材料はガラス粉末、特にアルカリ金属酸化物を含有するガラス粉末を含有することが好ましい。
本発明の水硬性組成物は本発明の建築材料の製造に好適に使用される。
本発明の建築材料の製造方法(以下、本発明の製造方法という。)は本発明の水硬性組成物を用いるものであるが、本発明の建築材料の製造に好適である。
本発明の水硬性組成物は本発明の建築材料の製造に好適に使用される。
本発明の建築材料の製造方法(以下、本発明の製造方法という。)は本発明の水硬性組成物を用いるものであるが、本発明の建築材料の製造に好適である。
次に、本発明の製造方法についてこれをボード状建築材料の製造に適用する場合を例にとって説明する。
まず、本発明の水硬性組成物および水を混合してスラリーとする。水の混合割合は、本発明の水硬性組成物中を100質量部として200〜360質量部であることが好ましい。
本発明の水硬性組成物中の繊維質原料としては典型的にはパルプが使用されるが、この場合前記混合に際しては事前に本発明の水硬性組成物中のパルプと水を混合して作製したパルプ水を使用することが好ましい。
パルプ水中の質量百分率表示のパルプ含有量は、好ましくは0.3〜5%、より好ましくは0.5〜4.5%である。
パルプ水を用いて前記スラリーを作製する場合、本発明の水硬性組成物からパルプ水中のパルプを除いたものとパルプ水と、必要に応じてさらに水(混練水)とをミキサー等により混合して作製する。
まず、本発明の水硬性組成物および水を混合してスラリーとする。水の混合割合は、本発明の水硬性組成物中を100質量部として200〜360質量部であることが好ましい。
本発明の水硬性組成物中の繊維質原料としては典型的にはパルプが使用されるが、この場合前記混合に際しては事前に本発明の水硬性組成物中のパルプと水を混合して作製したパルプ水を使用することが好ましい。
パルプ水中の質量百分率表示のパルプ含有量は、好ましくは0.3〜5%、より好ましくは0.5〜4.5%である。
パルプ水を用いて前記スラリーを作製する場合、本発明の水硬性組成物からパルプ水中のパルプを除いたものとパルプ水と、必要に応じてさらに水(混練水)とをミキサー等により混合して作製する。
次に、前記スラリーを用いてグリーンシートを作製する。
グリーンシートを作製する方法としては、いわゆる脱水プレス法、抄造法、押出し成形法等が存在する。以下では脱水プレス法を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。
脱水プレス法ではたとえば、まず、直径が1〜5mmの孔が適切な間隔で形成された底板と高さがたとえば100mmの取り外し可能な型枠とからなる成形型内にスラリーを流しこみ、前記孔を介して真空ポンプにより成形型内のスラリーを脱水する。脱水はたとえばスラリー表面の水が目視で認められなくなるまで、またはスラリー表面の水が目視で認められなくなってから1〜3分経過するまで行う。
このようにして得られたボード状脱水体をプレス機を用いてプレスし、所望の厚さのボード状グリーンシートを作製する。
グリーンシートを作製する方法としては、いわゆる脱水プレス法、抄造法、押出し成形法等が存在する。以下では脱水プレス法を用いる場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。
脱水プレス法ではたとえば、まず、直径が1〜5mmの孔が適切な間隔で形成された底板と高さがたとえば100mmの取り外し可能な型枠とからなる成形型内にスラリーを流しこみ、前記孔を介して真空ポンプにより成形型内のスラリーを脱水する。脱水はたとえばスラリー表面の水が目視で認められなくなるまで、またはスラリー表面の水が目視で認められなくなってから1〜3分経過するまで行う。
このようにして得られたボード状脱水体をプレス機を用いてプレスし、所望の厚さのボード状グリーンシートを作製する。
次に、グリーンシートの一次養生を行う。
一次養生を行う温度が40℃以下ではグリーンシートの硬化が遅くなる。好ましくは50℃以上である。98℃超ではオートクレーブ反応を阻害する物質の生成が多くなる。好ましくは70℃以下である。
一次養生を行う時間は4〜12時間であることが好ましい。4時間未満ではグリーンシートの硬化が不充分になりその取扱いが容易でなくなる、またはオートクレーブ養生時に爆裂、高意匠性凹凸のつぶれ等が発生するおそれがある。より好ましくは6時間以上である。12時間超では生産性が低下する。より好ましくは10時間以下である。
一次養生を行う温度が40℃以下ではグリーンシートの硬化が遅くなる。好ましくは50℃以上である。98℃超ではオートクレーブ反応を阻害する物質の生成が多くなる。好ましくは70℃以下である。
一次養生を行う時間は4〜12時間であることが好ましい。4時間未満ではグリーンシートの硬化が不充分になりその取扱いが容易でなくなる、またはオートクレーブ養生時に爆裂、高意匠性凹凸のつぶれ等が発生するおそれがある。より好ましくは6時間以上である。12時間超では生産性が低下する。より好ましくは10時間以下である。
次に、オートクレーブ養生を行う。
オートクレーブ養生を行う温度が130℃以下ではオートクレーブ反応が不充分となり、曲げ破壊荷重または寸法安定性が低下する。好ましくは150℃以上である。200℃超では高耐圧オートクレーブ装置が必要となり、通常装置でのオートクレーブ養生が困難となる、または繊維質原料としてパルプを使用した場合そのパルプの劣化が顕著になる。好ましくは180℃以下である。
オートクレーブ養生を行う時間は4〜12時間であることが好ましい。4時間未満ではオートクレーブ反応が不充分となり、曲げ破壊荷重または寸法安定性が低下する。より好ましくは6時間以上である。12時間超では生産性が低下する。より好ましくは10時間以下である。
なお、オートクレーブ養生後のJIS含水率がたとえば20%超の場合には乾燥してJIS含水率を20%以下とすることが好ましく、15%以下とすることがより好ましい。
オートクレーブ養生を行う温度が130℃以下ではオートクレーブ反応が不充分となり、曲げ破壊荷重または寸法安定性が低下する。好ましくは150℃以上である。200℃超では高耐圧オートクレーブ装置が必要となり、通常装置でのオートクレーブ養生が困難となる、または繊維質原料としてパルプを使用した場合そのパルプの劣化が顕著になる。好ましくは180℃以下である。
オートクレーブ養生を行う時間は4〜12時間であることが好ましい。4時間未満ではオートクレーブ反応が不充分となり、曲げ破壊荷重または寸法安定性が低下する。より好ましくは6時間以上である。12時間超では生産性が低下する。より好ましくは10時間以下である。
なお、オートクレーブ養生後のJIS含水率がたとえば20%超の場合には乾燥してJIS含水率を20%以下とすることが好ましく、15%以下とすることがより好ましい。
次に、本発明の水硬性組成物の組成について質量百分率表示を用いて説明する。なお、第1の水硬性組成物は耐火性をより向上させたい等の場合に、第2、第3および第4の水硬性組成物は雲母粉末またはワラストナイト粉末を必須とはしたくない等の場合にそれぞれ好適な態様である。
粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末(以下、単に本ガラス粉末という。)はオートクレーブ反応におけるSi分を供給する成分であり、必須である。
前記Si分として従来は珪砂が使用されているが、本ガラス粉末と同等の粒度分布を有する珪砂(ケイ石粉末)を前記Si分として使用した建築材料と、本ガラス粉末を前記Si分として使用した建築材料として使用した建築材料の曲げ破壊荷重を比較すると後者の方が大きい。これは、ガラス粉末の方が結晶粉末である珪砂よりもオートクレーブ反応が起こりやすいためと考えられる。
また、このことから、珪砂および本ガラス粉末を用いて曲げ破壊荷重が同じ建築材料を得ようとする場合、本ガラス粉末の平均粒径の方が珪砂の平均粒径よりも大きくてもよいと考えられる。
粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末(以下、単に本ガラス粉末という。)はオートクレーブ反応におけるSi分を供給する成分であり、必須である。
前記Si分として従来は珪砂が使用されているが、本ガラス粉末と同等の粒度分布を有する珪砂(ケイ石粉末)を前記Si分として使用した建築材料と、本ガラス粉末を前記Si分として使用した建築材料として使用した建築材料の曲げ破壊荷重を比較すると後者の方が大きい。これは、ガラス粉末の方が結晶粉末である珪砂よりもオートクレーブ反応が起こりやすいためと考えられる。
また、このことから、珪砂および本ガラス粉末を用いて曲げ破壊荷重が同じ建築材料を得ようとする場合、本ガラス粉末の平均粒径の方が珪砂の平均粒径よりも大きくてもよいと考えられる。
なお、粒径が5μm未満のケイ酸塩ガラス粉末は後述する本ケイ酸質粉末に相当する。
当該ケイ酸塩ガラス粉末がNa2O等のアルカリ金属酸化物を含有している場合には建築材料からのアルカリ金属溶出量が多くなりエフロレッセンス等の問題が発生しやすくなるので、粒径が5μm未満のアルカリ金属酸化物含有ケイ酸塩ガラス粉末は含有しない、または含有しても本発明の水硬性組成物中において1%以下であることが好ましい。
当該ケイ酸塩ガラス粉末がNa2O等のアルカリ金属酸化物を含有している場合には建築材料からのアルカリ金属溶出量が多くなりエフロレッセンス等の問題が発生しやすくなるので、粒径が5μm未満のアルカリ金属酸化物含有ケイ酸塩ガラス粉末は含有しない、または含有しても本発明の水硬性組成物中において1%以下であることが好ましい。
本ガラス粉末のメディアン径は20μm以上であることが好ましい。
また、本ガラス粉末のかさ比重は0.6超である。
本ガラス粉末は質量百分率表示でSiO2を50%以上含有するガラスの粉末であることが好ましい。SiO2含有量が50%未満ではオートクレーブ反応におけるSi分の供給が少なくなり、曲げ破壊荷重が低下するおそれがある。
本ガラス粉末は、質量百分率表示でSiO2 50〜90%、Al2O3 0〜30%、B2O3 0〜30%、アルカリ金属酸化物 0〜30%、アルカリ土類金属酸化物 1〜40%、から本質的になることがより好ましい。本発明の目的を損なわない範囲でこれら成分以外の成分を含有してもよいが、その含有量の合計は10%以下であることが好ましい。
このより好ましい態様の本ガラス粉末として、粒径が5μm以上であるソーダライムシリカガラス粉末が例示される。
本ガラス粉末の含有量が20%未満ではオートクレーブ反応におけるSi分が不足する。第1、第3または第4の水硬性組成物において本ガラス粉末の含有量が88%超では、または第2の水硬性組成物において本ガラス粉末の含有量が57%超では、それぞれセメント等の含有量が小さくなる。前者の場合においては本ガラス粉末の含有量は好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。
また、本ガラス粉末のかさ比重は0.6超である。
本ガラス粉末は質量百分率表示でSiO2を50%以上含有するガラスの粉末であることが好ましい。SiO2含有量が50%未満ではオートクレーブ反応におけるSi分の供給が少なくなり、曲げ破壊荷重が低下するおそれがある。
本ガラス粉末は、質量百分率表示でSiO2 50〜90%、Al2O3 0〜30%、B2O3 0〜30%、アルカリ金属酸化物 0〜30%、アルカリ土類金属酸化物 1〜40%、から本質的になることがより好ましい。本発明の目的を損なわない範囲でこれら成分以外の成分を含有してもよいが、その含有量の合計は10%以下であることが好ましい。
このより好ましい態様の本ガラス粉末として、粒径が5μm以上であるソーダライムシリカガラス粉末が例示される。
本ガラス粉末の含有量が20%未満ではオートクレーブ反応におけるSi分が不足する。第1、第3または第4の水硬性組成物において本ガラス粉末の含有量が88%超では、または第2の水硬性組成物において本ガラス粉末の含有量が57%超では、それぞれセメント等の含有量が小さくなる。前者の場合においては本ガラス粉末の含有量は好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。
セメントは一次養生においてグリーンシートを硬化させその取扱いを容易にし、またオートクレーブ反応におけるCaを供給するための成分であり、必須である。
セメントが10%未満では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは20%以上である。55%超ではオートクレーブ養生して得られた建築材料中のセメント水和物の含有量が多くなり、耐火性が必要とされるような高温時に建築材料表面にクラックが発生しやすくなって耐火性が低下する。好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。
セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、白色セメント、アルミナセメント等が例示されるが、安価である等の理由によりポルトランドセメント、特に普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
アルミナセメントを使用する場合、その含有量は15%以下であることが好ましい。15%超では曲げ破壊荷重が低下する。
セメントが10%未満では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは20%以上である。55%超ではオートクレーブ養生して得られた建築材料中のセメント水和物の含有量が多くなり、耐火性が必要とされるような高温時に建築材料表面にクラックが発生しやすくなって耐火性が低下する。好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。
セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、白色セメント、アルミナセメント等が例示されるが、安価である等の理由によりポルトランドセメント、特に普通ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
アルミナセメントを使用する場合、その含有量は15%以下であることが好ましい。15%超では曲げ破壊荷重が低下する。
粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末(以下、単に本ケイ酸質粉末という。)は必須ではないが、本発明の水硬性組成物がアルカリ金属を含有する場合に建築材料からのアルカリ金属溶出を防止または抑制する、等のために10%まで含有してもよい。10%超ではその含有効果が飽和する、またはポゾラン反応による低結晶性生成物が増加するおそれがある。好ましくは9%以下である。本ケイ酸質粉末を含有する場合その含有量は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、特に好ましくは5%以上である。
本ケイ酸質粉末はSiO2を主成分とする結晶(固溶体を含む)、非晶質またはガラスの粉末であり、そのSiO2含有量は質量百分率表示で典型的には50%以上である。なお、本ケイ酸質粉末はアルカリ金属を含有しないことが好ましい。
本ケイ酸質粉末として、粒径が5μm未満のシリカヒューム(SiO2含有量が95%以上である非晶質シリカ粉末)、珪石粉、フライアッシュ、スラグ等が例示される。
本ケイ酸質粉末はSiO2を主成分とする結晶(固溶体を含む)、非晶質またはガラスの粉末であり、そのSiO2含有量は質量百分率表示で典型的には50%以上である。なお、本ケイ酸質粉末はアルカリ金属を含有しないことが好ましい。
本ケイ酸質粉末として、粒径が5μm未満のシリカヒューム(SiO2含有量が95%以上である非晶質シリカ粉末)、珪石粉、フライアッシュ、スラグ等が例示される。
雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末(以下、高アスペクト比粉末という。)は、耐火性向上のため第1の水硬性組成物においては必須である、すなわち粒径が5μm以上である雲母粉末およびワラストナイト粉末の少なくともいずれか一方を含有しなければならない。これらの含有量合計が20%超では曲げ破壊荷重が低下するおそれがある。好ましくは15%以下である。また、同合計は好ましくは5%以上である。
高アスペクト比粉末は第2、第3または第4の水硬性組成物においては必須ではないが、その含有量の好ましい範囲は第1の水硬性組成物と同様である。
高アスペクト比粉末が雲母粉末である場合、そのアスペクト比は50またはそれ以上であることが好ましく、また、その平均粒径は典型的には50〜300μmである。
高アスペクト比粉末がワラストナイト粉末である場合、そのアスペクト比は10またはそれ以上であることが好ましく、また、その平均繊維長は典型的には300〜700μm、平均繊維径は3〜50μmである。
高アスペクト比粉末は第2、第3または第4の水硬性組成物においては必須ではないが、その含有量の好ましい範囲は第1の水硬性組成物と同様である。
高アスペクト比粉末が雲母粉末である場合、そのアスペクト比は50またはそれ以上であることが好ましく、また、その平均粒径は典型的には50〜300μmである。
高アスペクト比粉末がワラストナイト粉末である場合、そのアスペクト比は10またはそれ以上であることが好ましく、また、その平均繊維長は典型的には300〜700μm、平均繊維径は3〜50μmである。
せっこう粉末は第1および第2の水硬性組成物においては後述するその他成分に相当するものであるが、第3および第4の水硬性組成物においては耐火性向上のための成分であり、また耐凍結融解性能が向上する場合もあり、第3の水硬性組成物では必須である。第3の水硬性組成物において、せっこう粉末の含有量が2%未満では耐火性が低くなる。好ましくは3%以上である。30%超ではかえって耐凍結融解性能が低下するおそれがある。好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下である。
第4の水硬性組成物におけるせっこう粉末の含有量の好ましい範囲は第3の水硬性組成物と同様である。
せっこう粉末を含有し、かつ前記曲げ破壊荷重を大きくしたい場合、セメント含有量は30%以下とする、またはせっこう粉末含有量は10%以下とすることが好ましい。
第4の水硬性組成物におけるせっこう粉末の含有量の好ましい範囲は第3の水硬性組成物と同様である。
せっこう粉末を含有し、かつ前記曲げ破壊荷重を大きくしたい場合、セメント含有量は30%以下とする、またはせっこう粉末含有量は10%以下とすることが好ましい。
前記硫酸アルミニウム系化合物粉末(以下、単に硫酸アルミニウム系化合物粉末という。)は第1、第2および第3の水硬性組成物においては後述するその他成分に相当するものであるが、第4の水硬性組成物においては耐火性向上のための成分であり必須である。
当該硫酸アルミニウム系化合物は典型的には明礬石である。
硫酸アルミニウム系化合物粉末の質量平均粒径は200μm以下であることが好ましい。200μm超では耐火性向上が不充分になるおそれがある。より好ましくは50μm以下である。
明礬石原料としては通常明礬石含有ケイ石粉末が使用されるが、その場合本発明においては当該明礬石含有ケイ石粉末の粒径を明礬石粉末の粒径とする。また、明礬石含有ケイ石粉末はケイ石粉末の原料でもあるが、本発明においてはそのケイ石粉末の粒径は明礬石含有ケイ石粉末の粒径であるとみなす。
硫酸アルミニウム系化合物粉末の含有量が0.5%未満では耐火性向上が不充分になる。好ましくは1%以上である。20%超では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは10%以下である。
当該硫酸アルミニウム系化合物は典型的には明礬石である。
硫酸アルミニウム系化合物粉末の質量平均粒径は200μm以下であることが好ましい。200μm超では耐火性向上が不充分になるおそれがある。より好ましくは50μm以下である。
明礬石原料としては通常明礬石含有ケイ石粉末が使用されるが、その場合本発明においては当該明礬石含有ケイ石粉末の粒径を明礬石粉末の粒径とする。また、明礬石含有ケイ石粉末はケイ石粉末の原料でもあるが、本発明においてはそのケイ石粉末の粒径は明礬石含有ケイ石粉末の粒径であるとみなす。
硫酸アルミニウム系化合物粉末の含有量が0.5%未満では耐火性向上が不充分になる。好ましくは1%以上である。20%超では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは10%以下である。
かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材(以下、本軽量骨材という。)は、建築材料のかさ比重ρを小さくする成分であり、必須である。
本軽量骨材のかさ比重が0.05未満では成形時に骨材の浮きによる分離が起こりやすくなる。好ましくは0.1以上である。0.6超ではρが大きくなる。好ましくは0.3以下である。
本軽量骨材は、粒径が1mm以上の粒子を含有しないことが好ましい。1mm以上の粒子を含有すると建築材料表面に露出した当該粒子が建築材料の意匠性を低下させるおそれがある。本軽量骨材の粒径は0.5mm以下であることが好ましい。
本軽量骨材としては粒径が5μm以上のフライアッシュバルーン、パーライト、ガラスバルーン等が例示される。
本軽量骨材が1%未満では、建築材料のかさ比重が大きくなる。好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。20%超では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは16%以下、より好ましくは12%以下である。
本軽量骨材のかさ比重が0.05未満では成形時に骨材の浮きによる分離が起こりやすくなる。好ましくは0.1以上である。0.6超ではρが大きくなる。好ましくは0.3以下である。
本軽量骨材は、粒径が1mm以上の粒子を含有しないことが好ましい。1mm以上の粒子を含有すると建築材料表面に露出した当該粒子が建築材料の意匠性を低下させるおそれがある。本軽量骨材の粒径は0.5mm以下であることが好ましい。
本軽量骨材としては粒径が5μm以上のフライアッシュバルーン、パーライト、ガラスバルーン等が例示される。
本軽量骨材が1%未満では、建築材料のかさ比重が大きくなる。好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。20%超では曲げ破壊荷重が低下する。好ましくは16%以下、より好ましくは12%以下である。
繊維質原料は可撓性を高くする成分であり、必須である。
繊維質原料としては、パルプ、木繊維、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン、アクリルなどの有機質繊維、および、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維などの無機質繊維が挙げられる。なかでもパルプが好ましい。
繊維質原料が1%未満では可撓性が低下する。好ましくは3%以上である。20%超では曲げ破壊荷重または耐火性が低下する。好ましくは10%以下である。
繊維質原料としては、パルプ、木繊維、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン、アクリルなどの有機質繊維、および、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維などの無機質繊維が挙げられる。なかでもパルプが好ましい。
繊維質原料が1%未満では可撓性が低下する。好ましくは3%以上である。20%超では曲げ破壊荷重または耐火性が低下する。好ましくは10%以下である。
本発明の水硬性組成物は本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。当該その他の成分の含有量は合計で25%以下であることが好ましい。より好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下、最も好ましくは5%以下である。
前記その他の成分としては、たとえば耐凍結融解性能向上等のための成分であるPVA、PVB等の樹脂の粉末が挙げられる。
また、リサイクルのために回収原料(本発明の建築材料または本発明の製造方法によって製造された建築材料の粉砕品、従来の窯業系サイディング等の建築材料の粉砕品、等)を25%まで含有してもよい。25%超では曲げ破壊荷重が小さくなる。好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
前記その他の成分としては、たとえば耐凍結融解性能向上等のための成分であるPVA、PVB等の樹脂の粉末が挙げられる。
また、リサイクルのために回収原料(本発明の建築材料または本発明の製造方法によって製造された建築材料の粉砕品、従来の窯業系サイディング等の建築材料の粉砕品、等)を25%まで含有してもよい。25%超では曲げ破壊荷重が小さくなる。好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
また、後述する炭酸化収縮量低減のために水酸化アルミニウム粉末をたとえば10%まで含有してもよい。ただし、その場合高炉セメントは含有しないことが好ましい。
また、エフロレッセンスを防止または抑制したい等の場合にはステアリン酸カルシウム粉末を含有することが好ましい。ステアリン酸カルシウム粉末を含有する場合その含有量は0.5〜5%であることが好ましい。0.5%未満ではエフロレッセンスを防止または抑制する効果が小さくなるおそれがある。5%超では前記効果が飽和するおそれがある。より好ましくは3%以下である。
本発明の水硬性組成物は石綿を含有しない。
また、エフロレッセンスを防止または抑制したい等の場合にはステアリン酸カルシウム粉末を含有することが好ましい。ステアリン酸カルシウム粉末を含有する場合その含有量は0.5〜5%であることが好ましい。0.5%未満ではエフロレッセンスを防止または抑制する効果が小さくなるおそれがある。5%超では前記効果が飽和するおそれがある。より好ましくは3%以下である。
本発明の水硬性組成物は石綿を含有しない。
表のガラス(250μm)から回収原料までの欄に質量百分率表示で示す組成(例1〜15)を有する水硬性組成物2016g(ただし、例1は2113g、例11、16〜164は1920g、例165は120kg。)と水からなるスラリー(水硬性組成物含有量:24.5質量%。例165は27質量%。)を次のようにして作製した(例165については後記)。例1〜15、19〜165は実施例、例16〜18は比較例である。なお、表中の「明礬石」は明礬石含有ケイ石粉末の含有量に明礬石含有割合を乗じて、「微粉ケイ石」は明礬石含有ケイ石粉末またはケイ石粉末の含有量に粒径が5μm未満であるものの質量割合を乗じて、「非微粉ケイ石」は明礬石含有ケイ石粉末またはケイ石粉末の含有量に粒径が5μm以上であるものの質量割合を乗じてそれぞれ算出したものである。
まず、パルプと水を日本調理器社製高速度ミキサーMX−40に入れて15分間解繊処理を行いパルプ水(パルプ含有量:3.5質量%)を作製した。
次に、パルプ以外の原料を調合、混合し、これに前記パルプ水、およびスラリー中の水硬性組成物含有量を24.5質量%とするのに必要な水(混練水)を加えてカワタ社製SMV−20Aで3分間攪拌/混練してスラリーを作製した。
次に、パルプ以外の原料を調合、混合し、これに前記パルプ水、およびスラリー中の水硬性組成物含有量を24.5質量%とするのに必要な水(混練水)を加えてカワタ社製SMV−20Aで3分間攪拌/混練してスラリーを作製した。
原料としては以下に示すものを用いた。
ガラス(250μm):質量百分率表示組成がSiO2 70.9%、Al2O3 2.0%、CaO 9.3%、MgO 3.5%、Na2O 12.8%、K2O 0.8%、Fe2O3 0.2%、SO3 0.2%、であるソーダライムシリカガラスからなり、粒径が250μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
ガラス(105μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が105μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
ガラス(74μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が74μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.3%以下。
ガラス(44μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が44μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は3%以下。
ガラス(250μm):質量百分率表示組成がSiO2 70.9%、Al2O3 2.0%、CaO 9.3%、MgO 3.5%、Na2O 12.8%、K2O 0.8%、Fe2O3 0.2%、SO3 0.2%、であるソーダライムシリカガラスからなり、粒径が250μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
ガラス(105μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が105μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
ガラス(74μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が74μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.3%以下。
ガラス(44μm):前記ソーダライムシリカガラスからなり、粒径が44μm以下である粉末。粒径が5μm未満であるものの質量割合は3%以下。
ポルトランドセメント:普通ポルトランドセメント。
アルミナセメント:太平洋マテリアル社製アサノアルミナセメント1号。
高炉セメント:宇部三菱セメント社製高炉セメントB種。
シリカヒューム:SKWイーストアジア社製シリカヒューム(1次粒子平均粒径:0.1μm)。
ケイ石:秩父鉱業社製ケイ石粉末(質量平均粒径は6μm。粒径が5μm未満であるものの質量割合は40%。)
雲母:三井化学ファイン社製白雲母C−60(平均粒径:140μm、平均アスペクト比:60)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は1%未満。
ワラストナイト:NYCO Minerals社製NYAD−G(平均粒径=平均繊維長:600μm、平均繊維径:40μm、平均アスペクト比:15)。粒径(繊維長)が5μm未満であるものの質量割合は5%未満。
ステアリン酸カルシウム:堺化学工業社製ステアリン酸カルシウム
せっこう:吉野石膏販売社製食品添加物用硫酸カルシウム(二水せっこう純度=99.87%)
明礬石含有ケイ石:東海工業社製明礬石含有ケイ石粉末(質量平均粒径は20μm。明礬石とケイ石の質量含有割合は0.3:0.7。粒径が5μm未満であるものの質量割合は25%。)
パーライト:東興パーライト工業社製トプコパーライト・グレード52S(かさ比重:0.18〜0.22)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は5%以下。
フライアッシュバルーン:ユニオン化成社製CFビーズ(かさ比重:0.35〜0.55)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
バージンパルプ:針葉樹系バージンパルプ。
故紙パルプ:回収故紙パルプ。
水酸化アルミニウム:昭和電工社製水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−43M)
AG−WALL粉砕品:旭硝子社製窯業系サイディング(商品名:AG−WALL)オートクレーブ処理品の粉砕品。粒径は2mm以下。
回収原料:例13においては例12によって、例15においては例14によって、例96〜101、107〜122、153〜164においては例16によって、それぞれ作製された建築材料の粉砕品。粒径は2mm以下。
アルミナセメント:太平洋マテリアル社製アサノアルミナセメント1号。
高炉セメント:宇部三菱セメント社製高炉セメントB種。
シリカヒューム:SKWイーストアジア社製シリカヒューム(1次粒子平均粒径:0.1μm)。
ケイ石:秩父鉱業社製ケイ石粉末(質量平均粒径は6μm。粒径が5μm未満であるものの質量割合は40%。)
雲母:三井化学ファイン社製白雲母C−60(平均粒径:140μm、平均アスペクト比:60)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は1%未満。
ワラストナイト:NYCO Minerals社製NYAD−G(平均粒径=平均繊維長:600μm、平均繊維径:40μm、平均アスペクト比:15)。粒径(繊維長)が5μm未満であるものの質量割合は5%未満。
ステアリン酸カルシウム:堺化学工業社製ステアリン酸カルシウム
せっこう:吉野石膏販売社製食品添加物用硫酸カルシウム(二水せっこう純度=99.87%)
明礬石含有ケイ石:東海工業社製明礬石含有ケイ石粉末(質量平均粒径は20μm。明礬石とケイ石の質量含有割合は0.3:0.7。粒径が5μm未満であるものの質量割合は25%。)
パーライト:東興パーライト工業社製トプコパーライト・グレード52S(かさ比重:0.18〜0.22)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は5%以下。
フライアッシュバルーン:ユニオン化成社製CFビーズ(かさ比重:0.35〜0.55)。粒径が5μm未満であるものの質量割合は0.1%以下。
バージンパルプ:針葉樹系バージンパルプ。
故紙パルプ:回収故紙パルプ。
水酸化アルミニウム:昭和電工社製水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−43M)
AG−WALL粉砕品:旭硝子社製窯業系サイディング(商品名:AG−WALL)オートクレーブ処理品の粉砕品。粒径は2mm以下。
回収原料:例13においては例12によって、例15においては例14によって、例96〜101、107〜122、153〜164においては例16によって、それぞれ作製された建築材料の粉砕品。粒径は2mm以下。
得られたスラリーを用いて脱水プレス法により厚さ12mm、大きさ500mm×320mmのボード状グリーンシートを作製した。
このグリーンシートを60℃で8時間蒸気養生を行い、その後170℃で9時間オートクレーブ養生を行ってボード状建築材料を作製した。
得られたボード状建築材料について、ρ、E(単位:N/mm2)、および曲げ破壊荷重(単位:N)を、例1〜15についてはγ(単位:%)を、例16〜164については後記γ´(単位:%)を、また例16〜121、135〜165については炭酸化収縮量ΔL(単位:%)および耐凍結融解性試験・体積膨張率ΔV(単位:%)も測定した(なお、「−」は測定しなかったことを示す)。結果を表に示す。
このグリーンシートを60℃で8時間蒸気養生を行い、その後170℃で9時間オートクレーブ養生を行ってボード状建築材料を作製した。
得られたボード状建築材料について、ρ、E(単位:N/mm2)、および曲げ破壊荷重(単位:N)を、例1〜15についてはγ(単位:%)を、例16〜164については後記γ´(単位:%)を、また例16〜121、135〜165については炭酸化収縮量ΔL(単位:%)および耐凍結融解性試験・体積膨張率ΔV(単位:%)も測定した(なお、「−」は測定しなかったことを示す)。結果を表に示す。
γ´は次のようにして測定される。なお、γ´=γ×1.1であり、例16〜164のγの欄にはγ´/1.1の値を示す。
(1)厚さが12mm、長辺が110mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを作製する。
(2)サンプルを60℃で24時間乾燥後、アルミナ製陶板(厚さ15mm、長辺1200mm、短辺500mm)の上に平置きし、台車式電気炉に入れる。
(3)電気炉の雰囲気温度がγの測定に係る前記式で表されるTとなるように昇温する。
(4)昇温開始後60分が経過し電気炉の雰囲気温度が945℃となったときに加熱を停止し、炉内温度が200℃以下になるまで自然冷却する。
(5)冷却後、電気炉から取り出したサンプルの長辺中央部の長さLを測定し、γ´=(110−L)×100/110を算出する。
(1)厚さが12mm、長辺が110mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを作製する。
(2)サンプルを60℃で24時間乾燥後、アルミナ製陶板(厚さ15mm、長辺1200mm、短辺500mm)の上に平置きし、台車式電気炉に入れる。
(3)電気炉の雰囲気温度がγの測定に係る前記式で表されるTとなるように昇温する。
(4)昇温開始後60分が経過し電気炉の雰囲気温度が945℃となったときに加熱を停止し、炉内温度が200℃以下になるまで自然冷却する。
(5)冷却後、電気炉から取り出したサンプルの長辺中央部の長さLを測定し、γ´=(110−L)×100/110を算出する。
ΔLは次のようにして測定される。
(1)含水率が10%に調整された、厚さが12mm、長辺が130mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを用意する。
(2)サンプル表面に測定用評点を取り付け、テスコ社製マイクロコンタクトゲージを用いて初期評点間距離L0を測定する。
(3)サンプルを、温度5℃、相対湿度50%、炭酸ガス濃度10%の恒温恒湿槽に入れ2時間保持後、1時間かけて60℃まで昇温し、60℃、相対湿度50%に2時間保持後、1時間かけて5℃まで降温する昇降温サイクル(周期:6時間)を50回繰り返す。
(4)昇降温サイクルを50回繰り返したサンプルの評点間距離LEを測定し、ΔL=(L0−LE)×100/L0を算出する。
ΔLは0.3%以下であることが好ましい。0.3%超では、ボード形状としたときに反りが大きくなる、釘打ち部分にクラックが発生する等のおそれがあり、建築ボードとして使用することが困難になる。より好ましくは0.2%以下である。
(1)含水率が10%に調整された、厚さが12mm、長辺が130mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを用意する。
(2)サンプル表面に測定用評点を取り付け、テスコ社製マイクロコンタクトゲージを用いて初期評点間距離L0を測定する。
(3)サンプルを、温度5℃、相対湿度50%、炭酸ガス濃度10%の恒温恒湿槽に入れ2時間保持後、1時間かけて60℃まで昇温し、60℃、相対湿度50%に2時間保持後、1時間かけて5℃まで降温する昇降温サイクル(周期:6時間)を50回繰り返す。
(4)昇降温サイクルを50回繰り返したサンプルの評点間距離LEを測定し、ΔL=(L0−LE)×100/L0を算出する。
ΔLは0.3%以下であることが好ましい。0.3%超では、ボード形状としたときに反りが大きくなる、釘打ち部分にクラックが発生する等のおそれがあり、建築ボードとして使用することが困難になる。より好ましくは0.2%以下である。
ΔVは次のようにして測定される。
(1)厚さが12mm、長辺が130mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを用意する。
(2)ΔLの測定に際して行ったと同様の昇降温サイクルを20回繰り返す。
(3)昇降温サイクルを20回繰り返したサンプルを24時間水に浸漬後、直ちにアルキメデス法によりその体積V0を測定する。
(4)V0測定後、直ちにサンプルをステンレス鋼製バット(長辺130mm、短辺100mm、深さ20mm)に入れ、サンプル上面から1mm上の位置に達するまで水を入れる。
(5)サンプルを水に浸漬させたこのバットを恒温恒湿槽に入れ、ASTM C666に規定されている凍結融解サイクルを40回繰り返す。
(6)凍結融解サイクルを40回繰り返したサンプルの体積VEをアルキメデス法により測定し、ΔV=(V0−LE)×100/V0を算出する。
(1)厚さが12mm、長辺が130mm、短辺が80mmのボード形状サンプルを用意する。
(2)ΔLの測定に際して行ったと同様の昇降温サイクルを20回繰り返す。
(3)昇降温サイクルを20回繰り返したサンプルを24時間水に浸漬後、直ちにアルキメデス法によりその体積V0を測定する。
(4)V0測定後、直ちにサンプルをステンレス鋼製バット(長辺130mm、短辺100mm、深さ20mm)に入れ、サンプル上面から1mm上の位置に達するまで水を入れる。
(5)サンプルを水に浸漬させたこのバットを恒温恒湿槽に入れ、ASTM C666に規定されている凍結融解サイクルを40回繰り返す。
(6)凍結融解サイクルを40回繰り返したサンプルの体積VEをアルキメデス法により測定し、ΔV=(V0−LE)×100/V0を算出する。
前記凍結融解サイクルは次のようなものである。すなわち、ボード状サンプルの内部温度を4.4±1.7℃から−17.8±1.7℃まで冷却後、4.4±1.7℃まで加熱する冷却加熱サイクルを周期2〜4時間で繰り返す。
なお、内部温度が0℃以上である時間は1周期中の25%以上となるようにする。また、内部温度が2.8℃から−16.1℃まで低下する時間は前記冷却に要する時間の1/2以上となるようにし、内部温度が−16.1℃から2.8℃まで上昇する時間は前記加熱に要する時間の1/2以上となるようにする。
さらに、内部温度が1.7℃から−12.2℃まで低下する時間のサンプル毎のばらつきは前記冷却に要する時間の1/6以下となるようにし、内部温度が−12.2℃から1.7℃まで上昇する時間のサンプル毎のばらつきは前記加熱に要する時間の1/3以下となるようにする。
なお、内部温度が0℃以上である時間は1周期中の25%以上となるようにする。また、内部温度が2.8℃から−16.1℃まで低下する時間は前記冷却に要する時間の1/2以上となるようにし、内部温度が−16.1℃から2.8℃まで上昇する時間は前記加熱に要する時間の1/2以上となるようにする。
さらに、内部温度が1.7℃から−12.2℃まで低下する時間のサンプル毎のばらつきは前記冷却に要する時間の1/6以下となるようにし、内部温度が−12.2℃から1.7℃まで上昇する時間のサンプル毎のばらつきは前記加熱に要する時間の1/3以下となるようにする。
ΔVは18%以下であることが好ましい。18%超では、寒冷地において起こる凍結融解現象にともなう体積膨張が大きくなり建築ボードとして使用することが困難になる。
例2、3、4の結果から、雲母によるγ低減効果が認められる。
また、例2、8、9の結果から、ワラストナイトによるγ低減効果が認められる。
例5、6,7の結果から、ガラス粉末最大粒径が44〜105μmの範囲でガラス粉末最大粒径が大きいほどγが小さいことがわかる。
ガラス粉末最大粒径は、44μm超1000μm以下であることが好ましく、74μm超または74μmであることがより好ましい。
また、例2、8、9の結果から、ワラストナイトによるγ低減効果が認められる。
例5、6,7の結果から、ガラス粉末最大粒径が44〜105μmの範囲でガラス粉末最大粒径が大きいほどγが小さいことがわかる。
ガラス粉末最大粒径は、44μm超1000μm以下であることが好ましく、74μm超または74μmであることがより好ましい。
バージンパルプの代わりに故紙パルプを用いると曲げ破壊荷重は若干低下する。ただし、故紙パルプが8%以上の場合、曲げ破壊荷重の顕著な低下を抑制するためにはガラス粉末を35%以上とすることが好ましい。また、故紙パルプが7.2%以上の場合、ガラス粉末は23%以上とすることが好ましい。
例16〜19と例20〜23を比較すると、せっこう粉末含有量を増加させるとΔVが低減することがわかる。
例28〜30から、せっこう粉末と水酸化アルミニウム粉末の併用によりγ´およびΔLが低減することがわかる。
例31〜42から、せっこう粉末と雲母粉末の併用によりγ´およびΔLが低減することがわかる。
例43〜50から、せっこう粉末とフライアッシュバルーンの併用によりγ´、ΔLおよびΔVが低減することがわかる。
例16〜19と例20〜23を比較すると、せっこう粉末含有量を増加させるとΔVが低減することがわかる。
例28〜30から、せっこう粉末と水酸化アルミニウム粉末の併用によりγ´およびΔLが低減することがわかる。
例31〜42から、せっこう粉末と雲母粉末の併用によりγ´およびΔLが低減することがわかる。
例43〜50から、せっこう粉末とフライアッシュバルーンの併用によりγ´、ΔLおよびΔVが低減することがわかる。
例51〜54から、せっこう粉末とアルミナセメントの併用によりγ´、ΔLおよびΔVが低減することがわかる。
例55〜62から、せっこう粉末、アルミナセメントおよび雲母粉末の併用によりγ´がより低減することがわかる。
例87〜94ではセメントとして高炉セメントを使用したが、ポルトランドセメントを使用する場合に比べΔLが低減することがわかる。
例123〜125を例122と比較することにより、明礬石添加によりγ´が低減することがわかる。
例55〜62から、せっこう粉末、アルミナセメントおよび雲母粉末の併用によりγ´がより低減することがわかる。
例87〜94ではセメントとして高炉セメントを使用したが、ポルトランドセメントを使用する場合に比べΔLが低減することがわかる。
例123〜125を例122と比較することにより、明礬石添加によりγ´が低減することがわかる。
また、例165の水硬性組成物120kgと水からなるスラリー(水硬性組成物含有量:27質量%)を次のようにして作製した。
まず、パルプと水をリファイニングパルパーに入れて15分間解繊処理を行いパルプ水(パルプ含有量:3.5質量%)を作製した。
次に、パルプ以外の原料を調合、混合し、これに前記パルプ水、およびスラリー中の水硬性組成物含有量を27質量%とするのに必要な水(混練水)を加えて流送式パルパーで3分間攪拌/混練してスラリーを作製した。
まず、パルプと水をリファイニングパルパーに入れて15分間解繊処理を行いパルプ水(パルプ含有量:3.5質量%)を作製した。
次に、パルプ以外の原料を調合、混合し、これに前記パルプ水、およびスラリー中の水硬性組成物含有量を27質量%とするのに必要な水(混練水)を加えて流送式パルパーで3分間攪拌/混練してスラリーを作製した。
得られたスラリーを用いて脱水プレス法により厚さ12mm、大きさ550mm×2000mmのボード状グリーンシートを作製した。
このグリーンシートについて60℃で8時間蒸気養生を行い、その後170℃で9時間オートクレーブ養生を行ってボード状材料を作製した。このボード状材料から厚さ12mm、大きさ465mm×905mmのボード状建築材料を2枚ずつ切り出し、長辺については相抉り加工を施して働き幅を455mmとし、その後105℃で16.5時間乾燥しJIS含水率を1.9%とした。
このグリーンシートについて60℃で8時間蒸気養生を行い、その後170℃で9時間オートクレーブ養生を行ってボード状材料を作製した。このボード状材料から厚さ12mm、大きさ465mm×905mmのボード状建築材料を2枚ずつ切り出し、長辺については相抉り加工を施して働き幅を455mmとし、その後105℃で16.5時間乾燥しJIS含水率を1.9%とした。
このようにして得られたボード状建築材料8枚を用いて試験体(1820mm×1820mm)を作製し準耐火試験B(試験体下面で載荷)を行ったところ、昇温開始後60分経過した時点でボード状建築材料には目立ったクラック発生は認められず、試験体の脱落もなく、また、非加熱側のせっこうボードには火炎の噴出や火炎が通るような亀裂等の損傷は認められず、前記準耐火試験B基準(3)を満足した。
また、準耐火試験Bにおける試験体について最大軸方向収縮量および最大軸方向収縮速度はそれぞれ4.2mm、0.2mm/分でありいずれも前記準耐火試験B基準(1)を満足した。
また、せっこうボードの室内側表面の温度上昇は、60分間昇温する間において6箇所での平均で136K、最高で159Kであり、いずれも前記準耐火試験B基準(2)を満足した。
また、準耐火試験Bにおける試験体について最大軸方向収縮量および最大軸方向収縮速度はそれぞれ4.2mm、0.2mm/分でありいずれも前記準耐火試験B基準(1)を満足した。
また、せっこうボードの室内側表面の温度上昇は、60分間昇温する間において6箇所での平均で136K、最高で159Kであり、いずれも前記準耐火試験B基準(2)を満足した。
Claims (12)
- 石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5かつヤング率が1×104N/mm2以下である建築材料であって、下記熱収縮率が5.5%以下であることを特徴とする建築材料。
(熱収縮率)
ボード(厚さ12mm、長辺220mm、短辺110mm)形状の建築材料を60℃に24時間保持して乾燥後、その一方の面を厚さ10mmのセラミックファイバ製ボード(600〜1000℃における熱伝導率:0.1〜0.25W/(m・K)、かさ密度:150〜250kg/m3)で被覆し、他の面を、時間t(単位:分)によって下記式で表される温度T(単位:℃)に60分間保持後冷却してサンプル中央部短辺の長さL(単位:mm)を測定し、百分率表示の熱収縮率すなわち(110−L)×100/110を算出する。
(式)T=345×log10(8t+1)+20 - 石綿を含有せず、かさ比重が0.6〜1.5かつヤング率が1×104N/mm2以下である建築材料であって、下記準耐火試験Bに合格することを特徴とする建築材料。
(準耐火試験B)
試験体は大きさを1820×1820mmとし、木造在来軸組み工法にて次のように作製する。すなわち、柱(105mm×105mm)および間柱(45mm×105mm)として杉材を用い、柱と間柱の中心線の間隔が455mm幅になるようにする。
柱と間柱の室内側(非加熱側)には厚さ9.5mmのせっこうボードを取り付ける。取り付けにはせっこうボードくぎを用い、柱に対しては150mm間隔で、間柱に対しては200mm間隔でそれぞれくぎ止めを行う。
柱と間柱の間のせっこうボード室外側の面には厚さ50mmのグラスウールを取り付ける。
柱と間柱の室外側(加熱側)には、厚さ0.09〜0.25mmの透湿防水シートを張り、その上から柱および間柱に胴縁をくぎ止めする。
胴縁は、柱に対するものは厚さ15mm、幅90mmのものを、間柱に対するものは厚さ15mm、幅45mmのものを使用する。また、くぎ止めは455mm間隔で行う。
胴縁の室外側に厚さ12mmのボード状外装材をその長辺が水平となるように取り付ける。取り付けはくぎを用いて210mm間隔で行う。
試験体の室外側中央には、ボード状外装材の膨張代として幅10mmの鉛直方向の隙間を形成する。その隙間下部にはハット型ジョイナを取り付け、その上から変成シリコーン系シーリング材を打ち込む。
このようにして作製した試験体を、幅2010mm×高さ2150mmの開口部を有する加熱炉の当該開口部に取り付け、炉内雰囲気温度が下記式で表されるTとなるように60分間昇温する。
この際、試験体上面または下面の左右端部から470mm内側の位置2ヶ所の加圧点でそれぞれ36.6kNを載荷する。
試験体が下記基準(1)〜(3)のいずれも満足する場合を準耐火試験B合格という。
(1)試験体の最大軸方向収縮量が18.2mm以下かつ最大軸方向収縮速度が5.5mm/分以下であること。
(2)せっこうボードの室内側表面の温度上昇が、前記60分間昇温する間において平均で140K以下、最高で180K以下であること。
(3)非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がなく、非加熱面で10秒を超えて継続する発煙がなく、かつ、火炎が通る亀裂等の損傷が生じないこと。
(式)T=345×log10(8t+1)+20 - 厚さ12mmにおける曲げ破壊荷重が690N以上である請求項1または2に記載の建築材料。
- 質量百分率表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末1〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物。
- 質量百分率表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜57%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜1%未満、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物。
- 質量百分率表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜20%、せっこう粉末2〜30%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物。
- 質量百分率表示で、粒径が5μm以上であるケイ酸塩ガラス粉末20〜88%、セメント10〜55%、粒径が5μm未満であるケイ酸質粉末0〜10%、雲母またはワラストナイトの粉末であって粒径が5μm以上である粉末0〜20%、せっこう粉末0〜30%、硫酸アルミニウム系化合物粉末(MAlx(SO4)y(OH)z。ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、xは3〜6、yは2〜4、zは0〜12。)0.5〜20%、かさ比重が0.05〜0.6であり粒径が5μm以上である軽量骨材1〜20%、繊維質原料1〜20%、から本質的になる水硬性組成物。
- 硫酸アルミニウム系化合物が明礬石である請求項7に記載の水硬性組成物。
- 前記ケイ酸塩ガラス粉末が、質量百分率表示でSiO2を50%以上含有するガラスの粉末である請求項4〜8のいずれかに記載の水硬性組成物。
- 前記ケイ酸塩ガラス粉末が、質量百分率表示でSiO2 50〜90%、Al2O3 0〜30%、B2O3 0〜30%、アルカリ金属酸化物 0〜30%、アルカリ土類金属酸化物 1〜40%から本質的になる請求項4〜8のいずれかに記載の水硬性組成物。
- ステアリン酸カルシウム粉末を含有することを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の水硬性組成物。
- 請求項4〜11のいずれかに記載の水硬性組成物および水を含有するスラリーからグリーンシートを作製し、このグリーンシートについて、40〜98℃に保持する一次養生後130〜200℃でオートクレーブ養生を行うことを特徴とする建築材料の製造方法。
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