JP2014086361A - 二次電池外装材用アルミニウム箔積層シートおよび二次電池外装材 - Google Patents

二次電池外装材用アルミニウム箔積層シートおよび二次電池外装材 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の容器または外装材用材料として使用する耐振動性、密着性や耐電解液性に優れ、成形性に優れた二次電池外装材用アルミニウム箔積層シート及びそれを用いた二次電池外装材を提供する。
【解決手段】アルミニウム箔(A)、変性ポリオレフィン層(B)、シーラントフィルム(C)がこの順に積層され、AのB側表面にニッケルクロム、ニッケル、銀、白金、金、銅、鉛から選ばれた1種以上の金属が厚さ10〜500nmの膜状に形成されていることを特徴とする二次電池外装材用アルミニウム箔積層シート。
【選択図】なし

Description

本発明は二次電池外装材に使用する積層材、詳しくは二次電池の外装材として使用する密着性、耐電解液性に優れたアルミニウム箔積層シートおよびそれを用いた二次電池外装材に関する。
環境保護運動の高まりを背景として電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自動二輪車等の導入が促進されている。これらには、リチウムイオン二次電池の利用が進んでいる。
リチウムイオン二次電池には、電池としての形状を保持し、電池機能を保護し保持するための外装材が重要な役割を果たす。リチウムイオン二次電池用外装材には、アルミニウム箔をバリア材とするラミネート材が使用されつつある。
リチウムイオン電池外装材用積層シートへの要求性能としては、(1)水蒸気透過率が極めて小さいこと、(2)製袋し内部に電解液を注入した後、経時においても内部電解液のもれがないこと、(3)耐電解液特性にすぐれ経時後、構成材料の剥離がないこと、(4)プレス成形でき、成形後アルミニウム箔のピンホールやクラックができないこと、(5)成形後、構成材料にクラックが生じず、電池作成時リード線とラミネート材中のアルミニウム箔との導通がないこと、(6)110℃程度の高温にも一時的に耐える耐熱性を有すること等が挙げられる。
これらを満足する積層シートとしては、特許文献1には アルミニウム箔と内層との間にアミノ化フェノール重合体、三価クロム化合物及びリン化合物を含有する樹脂膜層を介在させたことを特徴とする電池外装用積層体の開示があり、アルミニウム箔の処理については、3価クロム化合物を含有した水溶性処理剤をアルミ箔上に塗布し、この事によって加水分解によって生じるフッ酸による腐食性の耐性を付与させていた。
特許文献2には、金属箔本体と、該金属箔本体の少なくとも片面全面にクロメート処理により、クロム化成皮膜が設けられ、皮膜側全面に酸変成ポリオレフィンフィルムからなる熱封緘層が設けられていることを特徴とする二次電池用外装材料の開示がある。
また特許文献3には、プラスチック製ベースフィルムと金属箔と機能性プラスチック層を重ね合せた、プラスチックラミネートフィルムにおいて、物理気相蒸着法によって成膜された例えばクロム層のような金属製保護層が、金属箔と機能性プラスチック層の間の金属箔上、機能性プラスチック層上、または機能性プラスチック層内の少なくとも一つに設けられたことを特徴とするリチウムイオンポリマー電池やリチウム電池のクラッディングに使用されるプラスチックラミネートフィルムが開示されている。
国際公開第2002/063703号パンフレット 特許第3496090号公報 特表2009−544492号公報
しかし、3価クロム化合物を含有した水溶性処理剤を使用すると、廃液処理に手間が掛かる、環境汚染に繋がる等の懸念される事項があった。
また特許文献3のプラスチックフィルムでは金属箔と機能性プラスチック層とが剥離しやすい問題があった。このため、本材料からなる二次電池容器用ラミネートフィルムを電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自動二輪車に用いた場合、道路走行中の振動によりラミネートフィルムが剥離したり、また内部の電池の振動によりラミネートフィルムが剥離したり、自動車等が衝突したときの衝撃により、中の発電要素がラミネートフィルムを破壊し外に飛び出すおそれがあった。
本発明の課題は、液体ではなく固体金属を用いる事により、環境への影響を最小限に抑えた方法での、耐食性付与し、剥離のしにくい二次電池外装材用のアルミニウム箔積層シートを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルミニウム箔(A)、変性ポリオレフィン層(B)、シーラントフィルム(C)がこの順に積層され、Aの少なくともB側表面にニッケルクロム、ニッケル、銀、白金、金、銅、鉛から選ばれた1種以上の金属が厚さ10〜500nmの膜状に形成された二次電池外装用のアルミニウム箔積層シートを発明した。
本発明によれば、環境影響を最小限に抑えた方法で、二次電池外装材用のアルミニウム箔積層シートを製造することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の二次電池外装材用アルミニウム箔積層シートは、アルミニウム箔(A)、変性ポリオレフィン層(B)、シーラントフィルム(C)が積層された積層シートである。Aは外面から水分が電池内部に侵入するのを防ぐ機能を有する。Cは二次電池外装材用積層シートのC側同士を重ね合わせシール(熱接着)し、外装材として成形する機能を有する。AとCとは直接的に接着させることができず、BはAともCとも接着性があり、AとCとを強固に接着させる役割をもつ。
本発明におけるアルミニウム箔(A)の少なくともB側の表面はニッケルクロム、ニッケル、銀、白金、金、銅、鉛から選ばれた1種以上の金属層を有する。ニッケルクロム、ニッケル、銀、銅はアルミニウムよりもフッ酸に侵食される速度が遅く、アルミニウムのフッ酸に対する侵食性を改良する。白金、金はフッ酸に対する耐食性を有し、アルミニウムの侵食性を防ぐことができる。鉛は表面だけが侵食されて不動態化しアルミニウムの耐食性を改善する。
金属層は、10nm以上、500nm以下の膜状である事が好ましく、10nm以上ある事で電解液に耐える事が出来る。また、500nmを超えても密着力は向上せず、コストの面においても好ましくない。
金属層は、合金でも良い。合金にする事によって単一金属では有さない特長を付与させる事ができる。
金属層を形成する方法としては、蒸着法及びスパッタ法が挙げられる。
本発明におけるアルミニウム箔(A)は、Feを200〜1000ppm、Siを200〜2000ppm、Cuを200〜3000ppm含む合金アルミニウム箔を使用できる。
また、箔の厚さは10〜100μmのものが好ましい。10μm以上では二次電池外装材に成型する際の絞り加工によりアルミニウム箔が破れ難く、100μm以下では積層シートとしての腰の強さの程度が好適で扱いやすく、成形性にも優れるため好ましい。より好ましくは20〜50μmの厚さである。
また、Aの水蒸気透過度(JIS K7129:2008)は40℃、90%RHの雰囲気下で0.05g/(m・24h)以下であることが、水分が二次電池内部に侵入し、二次電池の性能を劣化させることを防止する観点から、より好ましい。
シーラントフィルム(C)は、公知の高圧法低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができ、無延伸フィルムである事が望ましい。無延伸フィルムであると、延伸フィルムに比べてヒートシール温度が低くなり、二次電池用容器を熱シールにより成形し易くなり好ましい。無延伸の場合、シール時にポリエチレン分子若しくはポリプロピレン分子の絡み合いが進みやすいからである。
Cのフィルム厚さについては、厚さが25μm以上であると、二次電池の外装材を成形するためのシール強度が向上し、シールがはがれにくくなり、液漏れが起こりにくくなり、厚さが100μm以下であると、当該厚みの無延伸ポリプロピレンフィルムは市場で入手しやすいので、厚さは、25〜100μmであることがより好ましい。
本発明において、アルミニウム箔(A)とシーラントフィルム(C)との間に変性ポリオレフィン層(B)が設けられる。
ここで変性ポリオレフィンとは官能基成分を有するポリオレフィンであるが、変性ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンにアミノ基、カルボキシル基、水酸基、無水マレイン酸基、シラン基、アクリル酸基、アクリル酸エステル基等のアルミニウムと結合性を有する官能基が導入されたもの、あるいは、主モノマーとしてのエチレン、プロピレン等のオレフィンとアクリル酸、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート、アクリル酸メチル等のコモノマーを重合して得られるオレフィン共重合体等、公知のものを用いることができる。特に、官能基がグラフト結合された、融点が110〜130℃のグラフト変性ポリエチレンと、融点が140〜170℃のグラフト変性ポリプロピレンがアルミニウム箔との密着性の点から好ましい。これらは、主骨格を構成するポリエチレンあるいはポリプロピレンの全部または一部に不飽和カルボン酸またはその無水物がグラフト共重合してなるグラフト共重合体である。
変性ポリオレフィンは、Cのシーラントフィルムとの密着性の点で、グラフト変性ポリプロピレンであることがさらに好ましい。
グラフト変性ポリプロピレンの主骨格を構成するポリプロピレンとしては、プロピレンのホモ重合体、またはプロピレンと他の単量体とからなるブロック共重合体またはランダム共重合体が例示される。他の単量体としては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン等が挙げられ、これらはポリプロピレン中に1種または2種以上の組合せが含まれていてもよい。ポリプロピレン中の他の単量体の含有量は、通常10重量%以下が好ましい。これらの中でも、コストの面から、プロピレンホモ重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体が好ましい。変性ポリプロピレンにすべくポリプロピレンにグラフト共重合される不飽和カルボン酸またはその無水物(以下、「グラフト単量体」という)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸無水物などが挙げられる。グラフト変性ポリプロピレンは、これらのグラフト単量体を1種単独または2種以上の組合せを含んでいてもよい。これらの中でも、コスト面および物性面から、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸、無水ナジック酸が好ましい。この変性ポリプロピレンにおけるグラフト単量体の含有量は、アルミニウム箔との接着性、および無延伸ポリロピレンフィルムとの接着性に優れる接着剤組成物が得られる点で、0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
変性ポリオレフィンは、アルミニウム箔(A)とシーラントフィルム(C)の両方と結合しやすく、変性ポリオレフィン層により自動車等の走行時の振動によるAとCの剥離しやすさが低減される。
変性ポリオレフィン層は、厚さが10μm以上では、AとCの剥離がしにくくなり、厚さが50μm以下であると、振動により変性ポリオレフィン層が破れにくくなるので、変性ポリオレフィン層の厚さは10μmから50μmの範囲であることがより好ましい。
変性ポリオレフィン層は、変性ポリオレフィン樹脂を用いて押出ラミネートによるラミネーション法によりAとCの間に設けることができる。又、変性ポリオレフィン層を事前にC上に設けて形成させることもできる。
本発明の積層シートの製造方法は、特に限定されるものではないが、次の方法によって形成できる。
アルミニウム箔(A)とシーラントフィルム(C)とを、前述の変性ポリオレフィンを溶融押出した層(B)をAとC間のサンドイッチ層として用い、ラミネートしてA/B/C積層シートを作成することができる。あるいは、前述の変性ポリオレフィンからなるフィルム(B)を事前にシーラントフィルム(C)上に設けて、蒸着法及びスパッタ法での金属形成の際の同一真空槽内でAとB/C積層体を熱圧着し、積層することでA/B/C積層シートを得ることができる。なお、この後、「Bの融点」から「Bの融点より20℃高い温度」範囲で0.1〜1.0MPaの条件下で加圧圧着することが好ましい。
Bの融点以上で加圧圧着することは、密着力が向上するため好ましい。「Bの融点+20℃」を超える温度で加圧圧着した場合は、変色や分解等の不具合が発生する為、好ましく無い。
二次電池外装材は、本発明のアルミニウム箔積層シートのシーラントフィルムを貼合した面とは逆面のアルミニウム箔上に、例えばナイロンフィルム、その上にポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した積層材により作成される。また、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム単独で本発明のアルミニウム箔積層シートに積層することもできる。これら積層材から2枚(長方形)を切り出し、 (C)が内側になるように重ね、長方形の三辺をヒートシールによりシーラントフィルム同士を熱融着して袋を作成することにより作成できる。また積層材を1枚(長方形)切り出し、長方形の一端をシーラントフィルム(C)が内側になるように折り曲げ、長方形の側面の二辺をヒートシールにより前述と同様にシーラントフィルム同士を熱融着する事により袋状の外装材を作成する事ができる。
また、二次電池外装材は、前記積層材から積層材片を2枚切り出し、1枚の積層材をナイロンフィルムもしくはポリエチレンテレフタレートフィルムが外側になるように金型により絞り成形し、二次電池のための発電要素を収めるための絞り成型部を設けた成形材と、他の1枚の積層材とをシーラントフィルム(C)側に重ね合わせ、ヒートシールにより融着して外装材を作成することができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム、アルミニウム箔厚さ
電子マイクロメータ(アンリツ株式会社製K−312A型)を用いて針圧30gにてフィルム厚さ、アルミニウム箔の厚さを測定した。
(2)AとCの間の変性ポリオレフィン層(B)の厚さ
A/B/C積層シートの小片(2mm×2mm)をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製の商品名「エポマウント」)中に包埋し、ミクロトームを用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型光学顕微鏡(株式会社ニコンインスツルメントカンパニー製“エクリプスE100”)により倍率500倍で観察して求めた。
(3)密着性
積層シートをB層とA間で5cm程度剥離し、引張り試験機(テンシロン)の上下チャックにセットし、クロスヘッドスピード50mm/分、巾15mm、試料長15cm、T型剥離にて密着強度(N/15mm)を求め、密着性を以下の基準で評価した(JIS−K6854−3:1999に準拠)。なお測定はサンプル数5で行い、その平均値で評価した。
A:平均値が15N/15mm以上であり、評価サンプルの全てが15N/15mm以上である場合
A〜B:平均値は15N/15mm以上であるが、評価サンプルの1以上が15N/15mm未満である場合
B:平均値が10N/15mm以上15N/15mm未満
C:平均値が10N/15mm未満。
(4)耐電解液性
積層シートの耐電解液性確認評価として、巾15mm、試料長15cmに切り出した積層シートをエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1/1(重量比)に六フッ化リン酸リチウム塩(濃度1mol/L)を加えたものに浸漬し、85℃雰囲気下で1週間保管した後に、5cm程度剥離し、引張り試験機(テンシロン)を用い、クロスヘッドスピード50mm/分、T型剥離にて密着強度(N/15mm)を求め、以下の基準で耐電解液性の評価を行った。(JIS−K6854−2に準拠)
A:平均値が15N/15mm以上であり、評価サンプルの全てが15N/15mm以上である場合
A〜B:平均値は15N/15mm以上であるが、評価サンプルの1以上が15N/15mm未満である場合
B:平均値が10N/15mm以上15N/15mm未満
C:平均値が10N/15mm未満
(5)変性ポリオレフィンの融点
変性ポリオレフィンの融点は、示差走査型熱量計(DSC)により、JIS−K7121:1987に準じた融点測定により求める。
(6)成形性
ロックペイント(株)製接着剤ロックボンドJRU−80/H−5を固形分厚さ3.5μmで、25μmのユニチカ(株)製ナイロンフィルム“エンブレム”(登録商標)ONに塗布し、加熱乾燥後、ドライラミネート法でアルミニウム箔積層シートのアルミニウム箔側と貼り合わせた。40℃雰囲気下で72時間保管し、硬化促進させた後、ナイロンフィルムが凸側になるように絞り成形を行った。成形の大きさは30mm×50mmのサイズ(金型の凹部の形状:コーナーR、底R、フランジRいずれも3mm)として、成形時の絞り深さを4mmから1mmずつ深くして成形を行い、積層材が破損しない最大絞り深さにより評価を行った。
A:絞り深さ6mmにおいて、破れは発生しなかった。
A〜B:絞り深さ6mmにおいて、透過光において、点状のピンホールが確認された。
B:絞り深さ6mmにおいて、破れが発生した。
C:絞り深さ5mm以下において、破れが発生した。
(7)容器評価
ロックペイント(株)製接着剤ロックボンドJ RU−80/H−5を固形分厚さ3.5μmで、25μmのユニチカ(株)製ナイロンフィルム“エンブレム”(登録商標)ONに塗布し、加熱乾燥後、ドライラミネート法でアルミニウム箔積層シートのアルミニウム箔側と貼り合わせた。硬化促進を目的として40℃雰囲気下で72時間保管した後、ナイロンフィルムが凸側になるように絞り成形を行った。成形の大きさは30mm×50mmのサイズ(金型の凹部の形状:コーナーR、底R、フランジRいずれも3mm)として、成形時の絞り深さを4mmとして成形を実施した。成形後の積層材を2枚、シーラントフィルム側同士が容器の内側になるように重ね、インパルスシーラーにて、熱封止温度210℃にて三方シールを実施した。その後、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1/1(重量比)に六フッ化リン酸リチウム塩(濃度1mol/L)を5ml注液し、残りの一方のシールを実施し、容器を作製した。その容器を60℃条件下で120時間保管し、保管後の外観観察を実施した。
A:液漏れ等不具合がなかった。
A〜B:液漏れはなかったが、保管後の液において、変色が見られた。
B:液漏れはなかったが、透過光において、点状のピンホールが確認された。
C:液漏れ等不具合があった。
(8)容器の耐振動性
前記(7)の容器作成にあたり、容器内に、電池構成体模擬体としてアルミニウム板(3mm厚さ×20mm×40mm)を入れた。
本電池構成体模擬体、電解液封入容器を用いて振動試験機(アイデックス株式会社製 “BF−50UD”)に固定し、室温で、振幅0.75mm(縦方向)、10Hz→55Hz→10Hzを60秒で掃引、これを1サイクルとして8時間行った後の、容器の破れ、液漏れの状態を目視で観察し、以下の基準で評価し、○、○〜△および△は実用範囲、×および××は実用範囲外とした。
○: 破れ、液漏れ変化が観察されず。
○〜△:容器に液漏れはないが、わずかに亀裂が見られる。
△: 容器に目視できる亀裂、破れはないが、液もれが、わずかに観察される。
×:容器に亀裂が明らかに見られ、そこから液漏れが発生している。
××:容器が破れて液の大部分が漏れている。
(9)容器耐衝撃性
上記(8)で作成した試験液・アルミニウム板封入容器をヒートシール側面を下側にして、大理石の試験台に5メートルの高さから繰り返し落下させた(時速35kmの衝突に相当)。
100回繰り返して落下させた後の、容器の破れ、液漏れの状態を目視で観察し、以下の基準で評価し、○、○〜△および△は実用範囲、×および××は実用範囲外とした。
○: 破れ、液漏れ変化が観察されず。
○〜△:容器に液漏れはないが、わずかに亀裂が見られる。
△: 容器にわずかに亀裂が見られ、液もれが、わずかに観察される。
×:容器に亀裂が明らかに見られ、そこから液漏れが発生している。
××:容器が破れて液の大部分が漏れている。
[実施例1]
厚さ40μmのアルミニウム箔(住軽アルミ箔株式会社製“BESPA”8021)(A)の片面上に0.2Pa雰囲気下でスパッタリング法によって、NiCr層を形成した。厚みは250 nmとした。NiCr層を形成したアルミニウム箔のNiCr面と、厚さ70μmのシーラントフィルム(東洋紡績株式会社製“パイレン”フィルム-CT P1146)(C)を、30μmの厚みで押し出したポリプロピレンを主成分とする変性ポリオレフィン(三菱化学株式会社製グラフト変性ポリプロピレン“モディック”P553A、融点143℃)(B)をAとC間のB層に用い、ラミネートした後に、145℃、0.2MPaの条件下で加熱圧着し、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、NiCr層の厚みを約10nmとした以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、NiCr層の厚みを約500nmとした以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにNiのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにAgを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例6]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにPtを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例7]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにAuを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例8]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにCuを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例9]
実施例1において、NiCrを用いず、代わりにPbを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[実施例10]
実施例1において、変性ポリオレフィンとして三井・デュポン・ポリケミカル株式会社製エチレン・酢酸ビニル共重合体“エバフレックス”EV550に変えたこと以外は同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、NiCr層を設けず、アルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、NiCr層の厚みを5nmとした以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、形成する層をAlにした以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、変性ポリオレフィンを用いず、かわりに、低密度ポリエチレン(宇部興産株式会社製“UBEポリエチレン”L719、融点108℃)を用いて、ラミネート後の温度を110℃とした以外は、実施例1と同様にして、本発明のアルミニウム箔積層シートを作製した。また、容器を作製した。特性は表1に示す。
Figure 2014086361
本発明の積層材は加工性が良く、本発明のアルミニウム箔積層シートから作成した外装体は密着性、耐電解液性、耐振動性、耐衝撃性に優れるので、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自動二輪車に搭載される二次電池用外装体用の積層シートとして好適に用いられる。

Claims (3)

  1. アルミニウム箔(A)、変性ポリオレフィン層(B)、シーラントフィルム(C)がこの順に積層され、AのB側表面にニッケルクロム、ニッケル、銀、白金、金、銅、鉛から選ばれた1種以上の金属が厚さ10〜500nmの膜状に形成されていることを特徴とする二次電池外装材用アルミニウム箔積層シート。
  2. 前記変性ポリオレフィン層がグラフト変性ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1記載の二次電池外装材用アルミニウム箔積層シート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の二次電池外装材用アルミニウム箔積層シートのアルミニウム箔(A)のB層が積層されていない面にナイロンフィルム及び/またはポリエステルフィルムを積層してなる積層シートを形成した二次電池外装材。
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