JP2018202626A - 深絞り成形用積層体および深絞り成形容器 - Google Patents

深絞り成形用積層体および深絞り成形容器 Download PDF

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口 誠 江
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Abstract

【課題】深絞り成形容器を製造する際の成形性に優れた深絞り成形用積層体の提供。【解決手段】本発明による深絞り成形用積層体は、基材層と、バリア層と、ヒートシール層と、をこの順に含んでなる深絞り成形用積層体であって、基材層が、ポリブチレンテレフタレートを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、深絞り成形用積層体に関し、さらに詳細には、基材層と、バリア層と、ヒートシール層と、をこの順に含んでなる深絞り成形用積層体に関する。また、該深絞り成形用積層体からなる深絞り成形容器に関する。
複数種のフィルムが積層された積層体を深絞り成形することにより製造される深絞り成形容器が、レトルト食品を包装するレトルト容器などに幅広く利用されている。積層体の深絞り成形は、該積層体を伸ばし、真空や空圧などを利用して該積層体を所定の金型に密着させ、所定の形状に成形することにより行われる。
従来、深絞り成形容器の製造には、バリア層としてアルミ箔を樹脂フィルムで挟んだ深絞り成形用積層体が利用されているが、コストダウンを図るために、深絞り成形用積層体に利用するアルミ箔の厚さを30μm〜50μm程度の厚さに薄くすると、深絞り成形時に、品質的に問題となる割れがアルミ箔に発生してしまう問題があった。
深絞り成形用積層体に利用するアルミ箔の厚さを30μm〜50μm程度の厚さに薄くしても、深絞り成形時にアルミ箔の割れが発生しない発明として、例えば、炭酸カルシウムのような無機フィラーを混入した150μm〜300μmのプラスチックシートをヒートシール層に、40μm〜50μmのアルミ箔をバリア層に、バランス型ポリプロピレンフィルムを基材層に用いた発明が提案されている(特許文献1参照)。
また、深絞り成形容器の要求仕様に応じて、深絞り用積層体の基材層は決定しなければならない。深絞り成形容器の要求仕様として、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを深絞り用積層体の基材層に用い、かつ汎用的なヒートシート性のあるフィルムをヒートシール層に用いる場合、深絞り成形時に品質的に問題となる割れが、バリア層に用いるアルミ箔に発生してしまい、深絞り成形容器の製造が困難であった。そこで、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを深絞り用積層体の基材層に用い、かつ汎用的なヒートシート性のあるフィルムをヒートシール層に用いる場合、バリア層にAl−Fe系アルミ合金箔を用いることが提案されている(特許文献2参照)。しかし、依然として、深絞り成形時にアルミ箔の割れが発生しない、深絞り成形用積層体の開発が要求されている。
特公平6−002367号公報 特開2011−51120号公報
本発明は上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、深絞り成形容器を製造する際の成形性に優れた深絞り成形用積層体を提供することにある。また、該深絞り成形用積層体からなる深絞り成形用積層体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、基材層に特定の樹脂を含有させることによって、上記の課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材層と、バリア層と、ヒートシール層と、をこの順に含んでなる深絞り成形用積層体であって、
基材層が、ポリブチレンテレフタレートを含む、深絞り成形用積層体が提供される。
本発明の態様においては、成形用積層体のMD方向の引張破断伸度と、TD方向の引張破断伸度との比(MD方向の引張破断伸度/TD方向の引張破断伸度)が、0.85以上、1.15以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、基材層におけるポリブチレンテレフタレートの含有量が80質量%以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、基材層の厚さが、5μm以上、40μm以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、バリア層が、無機物または無機酸化物を含む金属箔であることが好ましい。
本発明の態様においては、バリア層が、Al−Fe系アルミ合金箔であることが好ましい。
また、本発明の他の態様によれば、上記の深絞り成形用積層体からなる、深絞り成形容器が提供される。
本発明による深絞り成形用積層体は、深絞り成形容器を製造する際の成形性に優れ、深絞り成形時にバリア層に割れが発生するのを防ぐことができる。
本発明による深絞り成形用積層体の一実施形態を示した概略断面図である。 本発明による深絞り成形用積層体の一実施形態を示した概略断面図である。 本発明による深絞り成形容器の製造に用いる深絞り成形用金型の一例を示す図である。
<深絞り成形用積層体>
本発明による深絞り成形用積層体は、特定の樹脂を含む基材層と、バリア層と、ヒートシール層と、をこの順に備えてなる。さらに、一実施形態において、深絞り成形用積層体は、任意の層間に、接着層および/またはその他の樹脂層をさらに含んでもよいし、他の樹脂層をさらに含んでもよい。
深絞り成形用積層体のMD方向の引張破断伸度とTD方向の引張破断伸度との比(MD方向の引張破断伸度/TD方向の引張破断伸度)は、0.85以上、1.15以下であることが好ましく、0.90以上、1.10以下であることがより好ましい。深絞り成形用積層体のMD方向の引張破断伸度とTD方向の引張破断伸度との比を上記数値範囲とすることにより、深絞り成形時に積層体がMD方向とTD方向に同等に伸びるため、バリア層に割れが発生するのを防ぐことができる。
なお、本発明において引張破断伸度は、JIS―Z1702に準拠した試験片を用いて、チャック間距離を80mmおよび試験速度を300m/minとして、テンシロン万能試験機を用いて23℃で測定した値である。
深絞り成形用積層体の引張破断伸度は、MD方向で30%以上であることが好ましく、35%以上、200%以下であることがより好ましく、40%以上、100%以下であることがさらに好ましく、45%以上、80%以下であることが特に好ましい。また、TD方向で30%以上であることが好ましく、35%以上、200%以下であることがより好ましく、40%以上、100%以下であることがさらに好ましく、45%以上、80%以下であることが特に好ましい。
本発明による深絞り成形用積層体の実施形態について、模式断面図を参照しながら説明する。図1に示される深絞り成形用積層体10は、基材層11と、バリア層12と、ヒートシール層13と、をこの順に含んでなる。また、図2に示される深絞り成形用積層体10は、基材層11と、接着層14と、バリア層12と、接着層14と、その他の樹脂層15と、接着層14と、ヒートシール層13と、をこの順に含んでなる。
以下、深絞り成形用積層体を構成する各層について詳細に説明する。
(基材層)
本発明による深絞り成形用積層体の基材層は、ポリブチルテレフタレートを含むものである。基材層が、ポリブチレンテレフタレートを含むことにより、深絞り成形用積層体の深絞り成形性を向上させることができる。
基材層は、単層構造を有するものあっても、多層構造を有するものであってもよく、多層構造を有する場合、その各層がポリブチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
基材層が多層構造を有する場合、基材層は、10層以上有することが好ましく、60層以上有することがより好ましく、1000層以上有することがさらに好ましい。
通常、ポリブチレンテレフタレートとは、テレフタル酸とブチレングリコールとの共重合体であるが、本発明においては、これら以外の構成単位を含むものであってもよい。
ポリブチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。グリコール成分として1,4−ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上であり、最も好ましくは、重合時に1,4−ブタンジオールのエーテル結合により生成する副生物以外は含まれないことである。
ポリブチレンテレフタレートの融点は、200℃以上、250℃以下であることが好ましく、215℃以上、225℃以下であることがより好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレートのIV値は、1.10dl/g以上、1.35dl/g以下であることが好ましく、1.15dl/g以上、1.30dl/g以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、IV値は、JIS K 7367−5:2000に基づいて粘度数を測定した後、JIS K 7367−1:2002に基づいて算出され得る。
基材層におけるポリブチレンテレフタレートの含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。基材層におけるポリブチレンテレフタレートの含有量を上記数値範囲とすることにより、深絞り成形用積層体の成形性をより向上させることができ、深絞り成形時におけるバリア層の割れをより効果的に防ぐことができる。また、基材と、バリア層とのラミネート性を向上させることができると共に耐突き刺し性および耐屈曲性等の耐ピンホール性を向上させることができる。さらに、基材層への印刷適性を向上させることもできると共に、耐熱性を向上させることができ、本発明の積層体を用いて作製した容器のレトルト処理適性およびボイル処理適性を向上させることができる。
基材層は、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリブチレンテレフタレート以外にも樹脂を含んでいてもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩酸ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂などが挙げられる。
基材層は、柔軟なポリエーテル成分、ポリカーボネート成分、ポリエステル成分の少なくともいずれかを共重合したポリエステル系またはポリアミド系エラストマーを含んでいてもよい。これにより、屈曲時の耐ピンホール性を改善することができる。
ポリエステル系またはポリアミド系エラストマーの含有量は、基材層の透明性という観点からは、20質量%以下であることが好ましい。
また、基材層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤および着色顔料などが挙げられる。
また、隣接する層とのラミネート性向上のため、基材層表面には、コロナ処理やプラズマ処置などの表面処理が施されていることが好ましい。
基材層の厚さは、成形性および透明性の観点から、5μm以上、40μm以下であることが好ましく、7μm以上、35μm以下であることが好ましく、10μm以上、30μm以下であることがさらに好ましい。
基材層は、上記樹脂などを用い、従来公知の方法、例えば、Tダイ製膜法(キャスト製膜法)、インフレーション製膜法などにより作製することができる。
また、基材層は、無延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸フィルムであってもよいが、寸法安定性、耐熱性、機械的強度の向上という観点からは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。なお、上記のようにして作製されたものに限定されず、市販されるフィルムを使用してもよい。
延伸方法は、特には限定されない。例えば、チューブラー法又はテンター法により、縦方向及び横方向を同時に延伸してもよく、若しくは、縦方向及び横方向を逐次延伸してもよい。このうち、チューブラー法は、周方向の物性バランスが良好な延伸フィルムを得ることができ、特に好ましく採用される。
チューブラー法において、延伸空間に導かれた未延伸原反は、一対の低速ニップロール間に挿通された後、中に空気を圧入しながら延伸用ヒーターで加熱される。延伸終了後、延伸フィルムには、冷却ショルダーエアーリングによりエアーが吹き付けられる。延伸倍率は、延伸安定性や延伸フィルムの強度物性、透明性、および厚み均一性を考慮すると、MD方向およびTD方向それぞれ2.7倍以上、4.5倍以下であることが好ましい。延伸倍率を2.7倍以上にすることにより、延伸フィルムの引張弾性率や衝撃強度を十分に確保することができる。また、延伸倍率を4.5倍以下にすることにより、延伸により過度な分子鎖のひずみが発生することを抑制し、延伸加工時に破断やパンクが発生することを抑制できるので、延伸フィルムを安定に作製することができる。
延伸温度は、40℃以上、80℃以下であることが好ましく、45℃以上、65℃以下であることがより好ましい。
上述の高い冷却速度で製造した未延伸原反は、結晶性が低いため、延伸温度が比較的に低温の場合であっても、安定して未延伸原反を延伸することができる。また、延伸温度を80℃以下にすることにより、延伸バブルの揺れを抑制し、厚み精度の良好な延伸フィルムを得ることができる。また、延伸温度を40℃以上にすることにより、低温延伸による過度な延伸配向結晶化が発生することを抑制して、フィルムの白化等を防ぐことができる。
(バリア層)
深絞り成形用積層体がバリア層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を阻止するガスバリア性を向上させることができる。また、必要に応じて、可視光および紫外線などの透過を阻止する遮光性を付与することもできる。なお、深絞り成形用積層体は、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明による深絞り成形用積層体のバリア層としては、例えば、無機物もしくは無機酸化物の金属箔または蒸着膜等が挙げられる。
無機物としては、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、珪素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)およびこれらの合金などが挙げられる。無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
ガスバリア性を有する樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6などのポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリグリコ−ル酸などが挙げられる。
バリア層の特に好ましい態様として、Al−Fe系アルミ合金箔が挙げられる。
Al−Fe系アルミ合金箔中のFeの含有量は、0.7%以上、1.7%以下であることが好ましく、1.3%以上、1.7%以下であることがより好ましい。なお、Al−Fe系アルミ合金箔には、AlおよびFe以外の金属が含まれていてもよい。Al−Fe系アルミ合金箔は純アルミニウム箔よりも伸び易いため、Al−Fe系アルミ合金箔をバリア層に用いると、深絞り成形時にバリア層の割れが発生するのを防ぐことができる。
バリア層の厚さは、深絞り成形時の成形性やコストダウンの観点から、20μm以上、50μm以下であることが好ましく、30μm以上、40μm以下であることがより好ましい。
金属箔の作製方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、インゴットなどの塊を圧延する方法などが挙げられる。
蒸着膜は、上記無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)などを挙げることができる。
なお、バリア層は、上記した作製方法により作製されたものに限らず、市販される金属箔を使用してもよい。
(ヒートシール層)
本発明による深絞り成形用積層体のヒートシール層は、ヒートシール性を有する樹脂を用いて形成することができる、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。ヒートシール層は、上記した樹脂を2種以上含むものであってもよい。
また、ヒートシール層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤および着色顔料などが挙げられる。
ヒートシール層の厚さは、深絞り成形時の成形性やコストダウンの観点から、60μm以上、110μm以下であることが好ましく、70μm以上、100μm以下であることがより好ましい。
ヒートシール層は、上記樹脂などを用い、従来公知の方法、例えば、Tダイ製膜法(キャスト製膜法)、インフレーション製膜法などにより作製することができる。また、ヒートシール層は、無延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸フィルムであってもよいが、ヒートシール性の向上という観点からは、無延伸フィルムであることが好ましい。また、一実施形態において、ヒートシール層は、上記した樹脂などを適当な溶媒に溶解または分散させ、これをバリア層上に塗布し、乾燥させることによっても形成させることができる。なお、上記のようにして作製されたものに限定されず、市販されるフィルムを使用してもよい。
(接着層)
本発明による深絞り成形用積層体の接着層は、深絞り成形用積層体を構成する任意のフィルム間をラミネートするために所望により形成される、接着剤層または接着樹脂層である。
接着層が、接着剤層である場合、接着層は、ラミネート用接着剤により形成されるものであってもよい。ラミネート用接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などのラミネート用接着剤を使用することができる。
また、接着層が、接着樹脂層である場合、接着層は、熱可塑性樹脂層により形成されるものであってもよい。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィンとの共重合体、エチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂などが挙げられる。これらの材料は、1種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
接着層の厚さは、深絞り成形時の成形性及びコストダウンの観点から、2μm以上、10μm以下であることが好ましく、3μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
接着層は、例えば、上記接着剤を、基材上に塗布し、乾燥させることにより形成させることができる。
(その他の樹脂層)
本発明による深絞り成形用積層体は、本発明の特性を損なわない範囲において、任意の層間にその他の樹脂層を備えていてもよい。
その他の樹脂層に含まれる樹脂としては、深絞り成形用積層体に付与したい特性に応じ適宜選択することができ、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
例えば、二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムを深絞り成形用積層体に設けることにより、耐突き刺し性および耐屈曲性等の耐ピンホール性を向上させることができる。
その他の樹脂層を構成する樹脂フィルムは、例えば、Tダイ製膜法(キャスト製膜法)、インフレーション製膜法などにより作製することができる。また、樹脂フィルムは、無延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸フィルムであってもよい。
また、一実施形態において、その他の樹脂層は、ガスバリア性を有する樹脂を適当な溶媒に溶解または分散させ、これを任意の層上に塗布し、乾燥させることによっても形成させることができる。
<深絞り成形容器>
本発明による深絞り成形容器は、本発明による深絞り成形用積層体からなるものである。一実施形態において、基材層が外側に、ヒートシール層が内容物側に配置される。
深絞り成形容器は、深絞り成形用積層体を深絞り成形して製造することができるが、その製造方法は特に限定されない。例えば、図3に示す深絞り成形用金型(寸法の数値はmm)に、空圧や真空などを利用して深絞り成形用積層体を密着させて、所定の形状の深絞り容器を製造することができる。
(用途)
本発明による深絞り成形容器は、バリア性を要する様々な内容物を収容することができるが、その内容物は特に限定されない。例えば、深絞り成形容器は、食品、医薬品、医療器具などの包装容器として用いることができる。
一実施形態において、本発明による深絞り成形容器には、内容物が収容された後、蓋材がヒートシールされる。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
<深絞り成形用積層体の作製>
基材層として、チューブラー法により、厚さ15μmの単層二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムを作製した。二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムにおけるポリブチレンテレフタレートの含有量は、99質量%であり、融点は224℃であり、IV値は1.26dl/gであった。
上記のようにして作製した基材層に、バリア層としてAl−Fe系アルミ合金箔(厚さ:40μm、Fe含有量:0.7〜1.3%、東洋アルミニウム(株)製、商品名:8079)を、接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:RU−004/H−1(配合比15:2)、乾燥後塗布量:3.5g/m)を介して貼り合わせた。
次に、バリア層と、その他の樹脂層として二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ:15μm、ユニチカ(株)製、商品名:ONM−BRT)とを接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:RU−004/H−1(配合比15:2)、乾燥後塗布量:3.5g/m)を介して貼り合わせた。
次に、その他の樹脂層と、ヒートシール層として無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ:100μm、東レフィルム加工(株)製、商品名:ZK−99S)とを、接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:RU−004/H−1(配合比15:2)、乾燥後塗布量:3.5g/m)を介して貼り合わせて、深絞り成形用積層体を得た。実施例1の深絞り成形用積層体の層構成は、図2に示す通りであった。
[比較例1]
<深絞り成形用積層体の作製>
二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ:25μm、サン・トックス(株)製、商品名:MF20)に変更した以外は、実施例1と同様にして、深絞り成形用積層体を得た。
[比較例2]
<深絞り成形用積層体の作製>
二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ:25μm、東洋紡(株)製、商品名:P2171)に変更した以外は、実施例1と同様にして、深絞り成形用積層体を得た。
<深絞り成形用積層体の性能評価>
上記の実施例および比較例で作製した深絞り成形用積層体を用いて、以下の評価を行った。
(引張破断伸度の測定)
上記の実施例および比較例で作製した深絞り成形用積層体を用いて、JIS―Z1702に準拠した試験片を作成した。作成した試験片を用いて、23℃において、チャック間距離を80mmおよび試験速度を300mm/minとして、テンシロン万能試験機を用いて引張破断伸度を測定した。測定結果を表1に示す。

(破断深さの測定)
定速伸長型破壊試験器を用いて、23℃において、上記の実施例および比較例で作製した深絞り成形用積層体の破断深さを測定した。直径25mmの押棒を使用すると共に、絞り速度は10mm/minとした。測定結果を表2に示す。
(ラミネート強度の測定)
上記の実施例および比較例で作製した深絞り成形用積層体における、基材層とバリア層とのラミネート強度をテンシロン万能試験機を用いて測定した。
・測定条件
試験速度:50mm/min
剥離角度:180度
幅:15mm
また、下記の条件でスプレー式レトルト処理した後の基材層とバリア層とのラミネート強度を同様に測定した。これらの測定結果を表3に示す。
・レトルト処理の条件
温度:121℃
時間:60分
<包装容器の作製>
上記実施例および比較例で作製した深絞り成形用積層体を用い、下記の条件で深絞り成形容器を作成した。
・深絞り成形条件
深絞り型:図3に示す金型。
成形条件:0.45MPa、10秒間、冷間成形(23℃)。
二軸延伸PET(12μm)/接着剤/Al−Fe系アルミ合金箔(9μm)/接着剤/無延伸ポリプロピレンフィルム(70μm)からなる構成の蓋材を用意し、蓋材の無延伸ポリプロピレンフィルム側を、上記のようにして作製した深絞り成形容器へ下記の条件でヒートシールした。
・ヒートシール条件
ヒートシール温度:210℃
シール幅:15mm
圧力:0.1MPa
時間:1秒
<成形容器の性能評価>
上記のようにして作製した蓋材をヒートシールした成形容器(以下、単に「蓋材付き成形容器」という)を用いて、以下の評価を行った
(耐レトルト性試験)
上記のようにして作製した蓋材付き成形容器を、上記した条件でレトルト処理し、層間剥離発生の有無を目視により評価した。層間剥離が生じていない場合をA、層間剥離が生じた場合をNGとして、表4に示す。

[参考例]
二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルムを、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:16μm、東洋紡(株)製、商品名:T4100)に変更した以外は、実施例1と同様にして、深絞り成形用積層体を得た。この深絞り成形用積層体を用いて、上記の深絞り成形条件にて、深絞り成形容器を作製しようとしたが、バリア層に割れが発生した。
10 深絞り成形用積層体
11 基材層
12 バリア層
13 ヒートシール層
14 接着層
15 その他の樹脂層

Claims (7)

  1. 基材層と、バリア層と、ヒートシール層と、をこの順に備えてなる深絞り成形用積層体であって、
    前記基材層が、ポリブチレンテレフタレートを含む、深絞り成形用積層体。
  2. 前記成形用積層体のMD方向の引張破断伸度と、TD方向の引張破断伸度との比(MD方向の引張破断伸度/TD方向の引張破断伸度)が、0.85以上、1.15以下である、請求項1に記載の深絞り成形用積層体。
  3. 前記基材層におけるポリブチレンテレフタレートの含有量が80質量%以上である、請求項1または2に記載の深絞り成形用積層体。
  4. 前記基材層の厚さが、5μm以上、40μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の深絞り成形用積層体。
  5. 前記バリア層が、無機物または無機酸化物を含む金属箔である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の深絞り成形用積層体。
  6. 前記バリア層が、Al−Fe系アルミ合金箔である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の深絞り成形用積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の深絞り成形用積層体からなる、深絞り成形容器。
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