JP2014086250A - 分析試料搬送装置及び分析試料搬送方法 - Google Patents

分析試料搬送装置及び分析試料搬送方法 Download PDF

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真治 松川
Hiroyuki Fujioka
寛之 藤岡
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Abstract

【課題】試料台及び蓋体を有する試料ホルダーを含む試料搬送装置であって、試料の搬入の際には、分析装置の外部からの操作を必要とせずに蓋体の取外しが可能であるとともに、試料を分析装置外に搬出する際にも、試料を大気へ曝すことがなく他の分析装置への搬送を可能にする分析試料搬送装置、及びこの分析試料搬送装置を使用する分析試料搬送方法を提供する。
【解決手段】試料台と、前記試料台と嵌合して試料を保持する密閉空間を形成することができる蓋体と、前記蓋体を上下方向に移動させる蓋体吊り上げ手段と、前記試料台を水平移動させる試料台スライド手段と、前記試料台の水平移動を前記蓋体の直下で係止させるための係止手段と、前記試料台と前記蓋体が嵌合されたとき前記密閉空間を外気と遮断するための気密材と、を有することを特徴とする分析試料搬送装置、及びこの分析試料搬送装置を使用する分析試料搬送方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空環境での分析(測定)を行う装置の分析室に、試料を搬送するための分析試料搬送装置に関する。より詳細には、分析装置に付随する試料搬送装置であって、試料台とその蓋体から構成される試料ホルダーと、試料台や蓋体の移動手段とを有し、分析に供せられた試料を、分析装置外部からの煩雑な操作を必要とせずに、大気から遮断された状態(気密状態)で分析装置外へ取り出すことができる分析試料搬送装置、及びこの分析試料搬送装置を使用する分析試料搬送方法に関する。
近年、走査電子顕微鏡(SEM)、X線マイクロアナライザ(EMPA、XMA)、2次イオン質量分析装置(SIMS)、X線光電子分光分析装置(XPS、ESCA)等の分析装置が、各種の検査、品質管理、研究等で広く用いられている。これらの装置を用いた分析や測定では、電子、イオン、X線等による試料の照射が真空中で行われる。そこで、分析の際、試料を真空の分析室に内置する必要がある。
大気中の酸素等と反応しやすい試料を真空の分析室に内置する場合は、試料が保持されている試料台に試料を大気から遮断する蓋体を被せてなる試料ホルダーが用いられる。このときは、試料台と蓋体により形成される空間を不活性ガスで充たしその中に試料を保持し、分析装置内又は分析装置の入口側に設置された試料導入室(以下、分析室を含めて「試料導入室」と記すことがある)にその試料ホルダーを導入する。そして、試料導入室内を真空にしてから蓋体を取外し、試料上部(試料の照射される側)を開放することにより試料を真空環境下に導入することができる。
この際用いられる試料ホルダーについては種々の提案がされている。例えば、特許文献1には、試料台と試料を大気から隔離する蓋体を備え、蓋体が試料導入室の外部からの操作により開閉もしくは着脱可能なものである搬送用試料容器(試料ホルダー)が開示されている。又、特許文献2にも、試料を露出可能に保持するホルダーと、前記ホルダーに被せられ試料を大気から隔離して密閉する蓋体等を備える試料搬送・分析キット(試料ホルダー)が開示されている。
さらに、特許文献3には、試料台及びこの試料台に被せられる蓋体を有し、前記試料台と蓋体により形成される密閉空間に不活性ガス及び試料を包含し、前記空間内と蓋体外部との圧力差が所定値以下では、前記空間内と蓋体外部間が雰囲気遮断状態となるように試料台と蓋体が嵌合しており、前記圧力差が前記所定値を超えたときその圧力差により蓋体が試料台上から取外されることを特徴とする試料ホルダーが開示されている。
この試料ホルダーは、試料導入室が減圧されるときに、試料台と蓋体間の空間に気密状態で封じられているガスにより蓋体を押上げる圧力が生じることを利用したものであり、この圧力により蓋体を試料台上から自発的に取外すことができる。特許文献1や2に記載の試料ホルダーでは、蓋体の除去は試料導入室の外部からの操作により行われるので、煩雑な操作やそのための部材を分析装置に設ける必要があったが、特許文献3の試料ホルダーによれば分析装置の外部からの煩雑な操作を必要とせずに簡単に蓋体を取外すことができる。
特開2001−153760号公報 特開2007−108149号公報 特開2011−237292号公報
特許文献3に記載の試料ホルダーを使用する分析試料搬送装置では、試料を大気と遮断した気密状態(雰囲気遮断状態)で分析装置内に搬入し、装置外部からの煩雑な操作を要せずに蓋体を取外し開封することは可能である。しかし分析後、取外された蓋体を試料台に被せることができない。従って装置から試料を取り出して他の分析装置へ搬送する際には、試料は一旦大気に曝されてしまう。
すなわち、この試料ホルダーを使用する分析試料搬送装置では、分析装置から試料を大気に暴露せずに搬出することができない。そこで、分析装置の外部からの煩雑な操作を要せずに蓋体の取外しが可能であるとともに、分析後も、分析装置内で蓋体を閉じることができ、分析装置から試料を取出す際にも試料を大気へ曝すことなく他の分析装置への搬送を可能にする分析試料搬送装置の開発が望まれていた。
本発明は、試料台及びその上に被せられる蓋体を有する試料ホルダーを含む試料搬送装置であって、試料の搬入の際には、分析装置の外部からの操作を必要とせずに蓋体の取外しが可能であるとともに、真空の分析室に内置されていた試料を分析装置外に搬出する際にも、試料を大気へ曝すことがなく他の分析装置への搬送を可能にする分析試料搬送装置、及びこの分析試料搬送装置を使用する分析試料搬送方法を提供することを課題とする。この課題は、以下に示す構成により解決される。
すなわち本発明は、試料台と、前記試料台と嵌合して試料を保持する密閉空間を形成することができる蓋体と、前記蓋体を上下方向に移動させる蓋体吊り上げ手段と、前記試料台を水平移動させる試料台スライド手段と、前記試料台の水平移動を前記蓋体の直下で係止させるための係止手段と、前記試料台と前記蓋体が嵌合されたとき前記密閉空間を外気と遮断するための気密材と、を有することを特徴とする分析試料搬送装置(請求項1)である。
この分析試料搬送装置は、真空環境になる分析室を有する分析装置に付随して設けられるものであり、通常、分析室(試料が分析に供せられる室)に接して設けられている試料導入室(試料交換室)を構成するものである。
試料台とは、分析に供せられる試料をその上に保持して分析室内に搬送するものである。試料台は、直接その上部に試料を載置する部材(以下、「試料載置部」と言う)を有する。試料台は、試料載置部のみから構成されていてもよいが、例えば、試料載置部とこの試料載置部を支持する支持部から構成されてもよい。試料載置部の上面には試料を保持するための窪み等が設けられてもよい。
蓋体は、試料台に被せたとき、試料台と嵌合して試料を保持する密閉空間を形成することができる形状を有するものである。密閉空間とは外気への開放部を有しない空間を意味し、試料を収納できる大きさと形状を有する。
試料台は、蓋体の直下から試料が分析に供せられる分析室内の位置(例えば、SEMの場合の、電子線が照射される位置)まで、水平方向の一方向に移動可能なように分析試料搬送装置に設けられている。一方、蓋体は、上下方向に移動可能なように分析試料搬送装置内に設けられている。ただし、通常、蓋体の水平方向の位置は固定されるように設けられている。なお、ここで、上下方向とは、重力の方向を意味し、水平方向とは、重力の方向に対し垂直な方向を意味する。
本発明の分析試料搬送装置は、蓋体吊り上げ手段と試料台スライド手段を有する。蓋体の上下方向への移動は、蓋体吊り上げ手段により行われる。試料台の水平方向への移動は、試料台スライド手段により行われる。試料台スライド手段が試料台に結合して設けられる場合であって、試料台が試料載置部と支持部から構成される場合、試料台スライド手段は支持部に結合されていてもよい。
試料台は、(通常、水平位置が固定されている)蓋体の直下に水平移動(スライド)が可能なように設けられる。蓋体の直下に試料台が水平移動(スライド)した後、蓋体吊り上げ手段により蓋体が下方に移動し、試料台に蓋体が被せられる。その結果、試料を収納する密閉空間が生じ、この密閉空間は気密材等の作用により気密状態となる。
蓋体を試料台に正確に被せ、密閉空間を確実に生じさせ、十分な気密状態を生じるように、試料台を正確に蓋体の直下に位置させることが望まれる。そこで、本発明の分析試料搬送装置は、試料台の水平移動を、正確にかつ容易に、蓋体の直下で係止させるための係止手段を有する。
本発明の分析試料搬送装置を使用したとき、分析終了後の試料の分析装置外への取出しは次のように行われる。なお、分析前、すなわち分析装置内に試料を搬入する前に、試料台と結合している蓋体は、試料搬送装置内の所定の水平位置にある(すなわち水平位置が固定されている)蓋体吊り上げ手段にセットされる。そして、後述のようにして、試料台からの蓋体の開放を行って、蓋体と試料台を分離し、試料台を分析の位置に移動させて分析を行う。
分析終了後は、分析室内及び試料搬送装置(試料導入室)内は真空であるが、真空の分析室内にある試料台を試料台スライド手段により試料搬送装置の蓋体(蓋体吊り上げ手段)の直下まで水平移動させる。試料台の水平移動は、係止手段により正確に蓋体の直下で係止される。
次に蓋体吊り上げ手段を作動させて蓋体を下方に移動させ試料台(試料載置部)に被せる。その結果、試料を包含する密閉空間が生じ気密材の作用により気密状態になる。試料搬送装置(試料導入室)内は真空であるので、このとき密閉空間内も真空である。
その後、試料搬送装置(試料導入室)内にガス(不活性ガス等)を導入する。密閉空間内は真空であるので、密閉空間の内外間に圧力差が生じ、この圧力差により蓋体を下方に押圧する。その結果、密閉空間をより確実な気密状態(大気との遮断状態)とすることができる。従って、この気密状態のまま試料ホルダーを装置から取り出すことができ、又この気密状態を保ったまま試料を他の装置に搬送することができる。
なお、本発明の分析試料搬送装置を使用して試料を装置内に搬入するときは、試料ホルダーの密閉空間内に試料を保持するとともに密閉空間を気密状態として不活性ガスで充たしてから、試料導入室に導入する。その後、試料台と結合している蓋体を吊り上げ手段にセットするが、このときは蓋体が自発的に上下に移動可能な状態にセットする。その後分析試料搬送装置(試料導入部)内を真空にすると、密閉空間の内外間に圧力差が生じ、密閉空間内の不活性ガスの圧力により蓋体が自発的に開放され、蓋体と試料台が分離する。
すなわち、本発明の分析試料搬送装置では、蓋体の開封は、特許文献3と同様の方式で試料ホルダーの内外圧差を利用して行う。それとともに、蓋体を封止する際にも試料ホルダーの内外圧差を利用して蓋体を封止し、確実な気密状態を形成するものである。このように本発明の分析試料搬送装置を使用すれば、装置の外部からの特別な操作や煩雑な操作を必要とせずに、蓋体の開封及び封止を行うことができる。
本発明は、又、前記の分析試料搬送装置であって、前記蓋体吊り下げ手段が、蓋体上部に設けられる磁性体又は磁石、及び装置内にその水平位置が固定されて設けられている電磁石を有することを特徴とする分析試料搬送装置を提供する(請求項2)。
蓋体吊り下げ手段は、蓋体を上下に移動させることができるものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、蓋体の上部に設けられた取っ手と先端に鉤を設けた棒又は紐からなるものでもよい。このときは、鉤で取っ手を引っ掛け、棒又は紐を操作することにより蓋体を上下に移動させる。又、蓋体の上部に結合して設けられる棒であってもよい。
しかし、上記の蓋体吊り下げ手段では、棒又は紐の操作を装置の外部より行う場合が多い。一方、蓋体上部に設けられる磁性体又は磁石、及び装置内にその水平位置が固定されて設けられている電磁石からなる吊り下げ手段によれば、電磁石へ印加する電圧を調整するだけ(又は、電圧の印加のオンオフだけ)で、蓋体を上下に移動させることができる。その操作は容易であり又設備的にも簡易なものとすることができるので好ましい。
又、蓋体は、分析装置内に試料を搬入する前に、試料搬送装置内の所定の水平位置にある蓋体吊り上げ手段に予めセットしておくが、電磁石を使用する場合はそのセットが容易であり、又その取り外しも容易である。なお、磁性体とは磁石に吸引される強磁性体を意味する。蓋体自体が鉄等の磁性体により形成されているときは、蓋体上部に他の磁性体を設けなくてもよい。
本発明は、又、前記の分析試料搬送装置であって、前記係止手段が、蓋体の縁部に設けられ、蓋体の下方に突出する突出部であることを特徴とする分析試料搬送装置を提供する(請求項3)。
試料台の水平移動を係止させるための係止手段は、試料台が水平移動する面上に設けられていてもよい。又、試料台スライド手段の動きを係止することにより、試料台の水平移動を係止する方法でもよく、この場合は、試料台スライド手段の動きを止める手段が係止手段となる。さらに、蓋体に設けた係止手段により試料台の水平移動を係止させることもできる。
特に、蓋体の縁部に蓋体の下方に突出する突出部(出っ張り)を設け、この突出部に試料台が引っかかるようにさせて、試料台の水平移動を係止させれば、簡易な構造の設備で、試料台を確実に蓋体の直下で係止できるので好ましい。この突出部により試料台が係止された(引っかかった)後、蓋体をさらに下方に移動させて、試料台に被せ、試料を収納する密閉空間を形成することができる。
本発明は、又、前記の分析試料搬送装置であって、前記試料台スライド手段が、試料台と結合させることができる試料導入棒であることを特徴とする分析試料搬送装置を提供する(請求項4)。
試料台スライド手段としては、試料導入棒のような簡易な手段を用いることができる。試料導入棒は、試料台と結合した棒であり、往復運動をさせることができるものである。試料導入棒の操作は装置外から行われるものの、試料導入棒を単に往復運動させるだけの簡単な操作で、試料台を、分析位置から蓋体直下まで水平方向にスライドさせることができる。従って、前記従来技術のような煩雑な操作を必要とせずに、蓋体の開封、封止を行うことができる。又、試料導入棒は簡易な手段であり、前記従来技術のような装置の大きな改造は不要である。なお、前記のように、試料台が試料載置部と支持部から構成される場合、試料台スライド手段は支持部に結合されていてもよい。試料導入棒についても、試料載置部と支持部のいずれに結合されていてもよいが、通常、試料台のスライドを安定的に行うために試料導入棒を支持部に結合させることが好ましい。
本発明は、又、前記の分析試料搬送装置であって、前記試料台が、その側面が傾斜した(いわゆるテーパー状の)角錐台又は円錐台形状の試料載置部を有し、前記側面に気密材が設けられていることを特徴とする分析試料搬送装置を提供する(請求項5)。
ここで使用される試料載置部は、上面(上底面)が下面(下底面)より小さい角錐台又は円錐台形状である。そして、蓋体は、角錐台又は円錐台形状と嵌合し、密閉空間を形成するような凹部を有する。角錐台又は円錐台形状の傾斜した側面には、その側面を囲むようにOリング等の気密材が設けられており、試料載置部と蓋体が嵌合する際には、この気密材により前記密閉空間の気密が保持される。試料台の試料載置部を、その側面が傾斜した角錐台又は円錐台形状とすることにより、試料載置部と蓋体が嵌合する際に、大きな外力(すなわち、密閉空間内外の大きな圧力差)を必要とせずに、前記密閉空間の気密を確実に保持することができるので好ましい。又、蓋体を開放する際にも、密閉空間内外の圧力差による蓋体の自動的な開放が確実となるので好ましい。
本発明は、又、前記の分析試料搬送装置であって、前記蓋体に、前記密閉空間と外部間を連通するためのリリーフ弁が設けられていることを特徴とする分析試料搬送装置を提供する(請求項6)。
リリーフ弁とは、蓋体に設けられ密閉空間と外部間を連通する弁である。リリーフ弁を開くことにより密閉空間と外部間を連通させることができ、一方、リリーフ弁を閉じることにより、密閉空間を確実に気密状態に保つことができる。
前記のように、分析終了後、蓋体を試料載置部に被せた後、分析試料搬送装置内の真空を解除することにより密閉空間内外の圧力差が生じ、この圧力差により蓋体が押されて確実な気密状態を得ることができる。このとき、密閉空間内は真空のままである。密閉空間内が真空のままの状態で試料ホルダーを取出し他の装置を搬送することも可能であるが、真空を解除する際に不活性ガスを分析試料搬送装置内に導入するとともに、リリーフ弁を開くことにより密閉空間内を不活性ガスで充たすことができる(閉空間内が真空のままの状態で試料ホルダーを取出し、不活性ガスで充たされたグローブボックス内でリリーフ弁を開くことにより密閉空間内を不活性ガスで充たすこともできる)。従って、不活性ガスで充たされた気密の雰囲気下で試料を他の装置に搬送できるので好ましい。
他の装置においても、前記の方法と同様にして、不活性ガスにより生じる密閉空間内外の圧力差により蓋体を自発的に取外すことができる。ここで「不活性ガス」とは、試料と化学反応をしないガスという意味であり、条件により窒素、アルゴン等の希ガスが用いられる。
すなわち、本発明の分析試料搬送装置では、蓋体の開封は、特許文献3と同様の方式で試料ホルダーの内外圧差を利用して行う。それとともに、蓋体を封止する際にも試料ホルダーの内外圧差を利用して蓋体を封止し、確実な気密状態を形成するものである。このように本発明の分析試料搬送装置を使用すれば、装置の外部からの特別な操作や煩雑な操作を必要とせずに、蓋体の開封及び封止を行うことができる。
本発明は、前記の分析試料搬送装置に加えて、前記の分析試料搬送装置を使用することを特徴とする分析試料搬送方法を提供する。すなわち、
前記の(請求項1〜6に記載の)分析試料搬送装置を使用し、
前記試料台と、前記試料台と嵌合して、試料を保持する密閉空間を形成する蓋体とからなり、前記密閉空間内に不活性ガスが充たされている試料ホルダーを、
前記蓋体吊り上げ手段にセットし、その後前記蓋体外を真空にして蓋体を取り外し、試料を分析に供する工程、及び、
試料を分析に供した後、蓋体が取り外された試料台を移動させ、前記係止手段により蓋体の直下で係止させ、
その後蓋体吊り上げ手段を下方に移動させて前記試料台に前記蓋体を被せた後、
蓋体外にガスを導入し、
さらにその後試料ホルダーを分析装置外に取り出す工程を有することを特徴とする分析試料搬送方法(請求項7)である。
この分析試料搬送方法における各工程は、前記の分析試料搬送装置についての説明のとおりである。前記蓋体外を真空にしての蓋体の取り外しは、蓋体内外の圧力差により行われる。試料台に蓋体を被せた後に蓋体外にガスを導入することにより、ガスの圧力(すなわち蓋体内外の圧力差)が生じ密閉空間の気密状態は確実となる。試料台に蓋体を被せた後、蓋体外に導入するガスとしては、大気(密閉空間内を真空のまま取り出す場合)や不活性ガス(リリーフ弁を開けて密閉空間内を不活性ガスで充たして取り出す場合)を挙げることができる。
本発明の分析試料搬送装置及び分析試料搬送によれば、試料を分析装置に搬入する際には、分析装置の外部からの煩雑な操作を必要とせずに蓋体の取外しが可能であるとともに、真空の分析室に内置されていた試料を分析装置外に搬出する際にも、試料を大気へ曝すことなく他の分析装置へ搬送することができる。
本発明の分析試料搬送装置の断面図である。 分析室に導入された試料を本発明の分析試料搬送装置により分析装置外に取り出す様子を示す説明図である。 本発明の分析試料搬送装置の断面図である。 本発明の分析試料搬送装置の断面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一及び均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
図1は、本発明の分析試料搬送装置の1形態を示す断面図である。図1においては、1は試料台を、3は蓋体を、4は蓋体吊り下げ手段を、5は試料台スライド手段である試料導入棒を、6は蓋体3の縁部に設けられ蓋体3の下方に突出する突出部(係止手段)を、7は気密材であるゴム製のOリングを、10は分析に供せられる試料を表す。
試料台1は、試料載置部11とそれを支持する支持部12からなる。又、蓋体吊り下げ手段4は、蓋体の上面に設けられた磁性体41と分析装置の入口側に設置された試料導入室内に設けられている電磁石42からなる。
試料10は、試料載置部11の上面側に載置されている。又、図が示すように、試料載置部11と蓋体3(の凹部)は、嵌合して密閉空間2を形成している。又、図が示すように、試料載置部11は、その上(底)面が下(底)面より小さいテーパー状である。Oリング7は、蓋体3の内側の凹部の内周に形成されたOリング用溝31内に設けられているが、試料載置部11と蓋体3が嵌合する際には、試料載置部11のテーパー状の側面と蓋体3の内側間に挟持されて押圧され、密閉空間2を確実に気密状態にする。なお、Oリング7、蓋体の内側の凹部に設ける代わりに試料載置部のテーパー状の側面の周囲に設けることも可能である。ただし、Oリング7の汚染を防ぐためには、蓋体の内側の凹部に設ける方が好ましい。
試料台1、蓋体3の材質としては、ステンレスが発錆しにくいこと、機械的強度が優れること等から好ましいが、他にも、アルミニウムやアルミニウム合金、銅や銅合金等、公知の試料導入用ホルダーに用いられている材質と同じ材質を用いることができる。なお、蓋体3の材質が強磁性体である場合は、磁性体41を設けなくてもよい。
この例では、試料導入棒5は試料台1の支持部12と結合している。支持部12は、図1(及び図3、4)では図示されていないスライドガイドに係合しており、試料導入棒5を図中の矢印のように往復運動させることによりスライドガイドに沿って水平移動する。
図中の8は、蓋体3に設けられたリリーフ弁を表す。リリーフ弁8を開くことにより、気密状態にある密閉空間2を外気と連通させることができる。
図2は、分析装置内で分析に供せられた試料を、本発明の分析試料搬送装置により、試料を気密状態に保ったまま、大気中に取り出す様子を示す説明図である。
図2中、符号1、3、5、7、10、41及び42は、図1の場合と同じ部材を表す。図2中の21は試料導入室を、22は分析室を、23及び24は圧力計を、25はスライドガイドを、26は試料が分析に供せられる分析位置(例えばSEMにおける電子線等が照射される位置)を、27は蓋体3の直下の位置を、28は試料導入室21と分析室22を仕切る試料搬送口を表す。図中では、圧力計23、24の針が(図中の)上を向いているときは、大気圧下を表し、針が(図中の)下を向いているときは、真空状態を表す。
図2(1)は、試料10が分析に供せられている状態を表す。このとき分析室22内は真空であり、試料10は分析位置26に位置している。一方、試料搬送口28は閉じられており、試料導入室21内は大気圧下にある。なお、蓋体3は、磁性体41が電磁石42により吸引されて、試料導入室21の所定位置に予めセットされている。
この蓋体3のセットは、通常、試料の分析装置内への搬入のときに行われる。分析の開始のとき、試料10は、図1に示すような状態、すなわち蓋体3と試料載置部11が形成する密閉空間2内に収納されて試料導入室21に搬入されるが、密閉空間2内は不活性ガスで充たされている。搬入後試料導入室21内を真空にすると不活性ガスの圧力で蓋体3が取外される。この取外された蓋体3(上の磁性体41)を電磁石42により吸引することにより、図2(1)で示すように蓋体3をセットすることができる。蓋体3が取外された後、試料搬送口28が開き、試料導入棒5の作用により、試料10及び試料台1は、スライドガイド25に沿って分析位置26まで移動して分析に供せられる。
試料10の分析が終了した後、試料導入室21内は真空にされ試料搬送口28が開く。図2(2)はこの状態を表す説明図である。次に図2(3)が示すように、試料導入棒5を支持部12と結合させて、試料導入棒5の作用により試料台1を分析位置26よりスライド(水平移動)させる。図3は、図2(3)における試料台1、蓋体3及びそれらの周辺部を表す拡大図であり、試料導入棒5の作用により試料台1が図中の矢印方向にスライド(水平移動)している様子を示している。
試料台1をさらにスライドさせると、試料載置部11は、蓋体3の下方に突出する突出部6に突き当たり係止される。このときの様子を、図2(4)に示すが、試料台1は、蓋体の直下の位置27にある。突出部6は、試料台1のスライド(水平移動)を蓋体3の直下で係止させるための係止手段である。図4は、図2(4)における試料台1、蓋体3及びそれらの周辺部を表す拡大図であり、試料台1の試料載置部11が蓋体3の下方に突出する突出部6に突き当たってスライド(水平移動)が係止されている様子を示している。
試料台1のスライド(水平移動)が突出部6により係止された後、電磁石42の電流を停止することにより磁性体41は電磁石42から離れ、蓋体3は、図4中の白抜き矢印が示すように下方に落下し、図1に示す状態となる。すなわち、気密材7により気密が保たれた密閉空間2内に試料10が保持された状態となる。この操作は試料導入室21内が真空の状態で行われるので密閉空間2内は真空である。
その後、試料導入室21内にガスを導入すると真空の密閉空間2内とガスが満たされている試料導入室21との間で圧力差が生じ、この圧力差により蓋体3は下方に押圧され、密閉空間2内は確実な気密状態となる。
試料導入室21内に導入されるガスとしては不活性ガスが好ましい。不活性ガスを試料導入室21内に導入した後リリーフ弁8を開けると、密閉空間2内は不活性ガスで充たされる。その後リリーフ弁8を閉める、試料導入室21内を大気に開放する、試料を試料導入室21より取出す、との操作を順に行うことにより、不活性ガスで充たされた空間内に、試料10を気密状態で保持した状態で、分析装置から搬出することができる。このようにして搬出された試料は、他の分析装置での分析にそのまま供することができる。
リリーフ弁8を開けることなく、密閉空間2内を真空状態に保ったまま、試料を試料導入室21より大気中に取出すことも可能である。この場合は、不活性ガスが封入されたグローブボックス内に試料を移し、そのグローブボックス内にてリリーフ弁8を開けて密閉空間2内を不活性ガスで充たし、その不活性ガス雰囲気で、試料を別の分析装置へ搬送することもできる。
本発明は、真空中で試料の観察をする各種の分析装置等に利用可能である。例えば、真空環境で、固体表面を電子やイオン又はX線で励起し、その表面から得られる2次電子、回折電子、散乱電子、オージェ電子、反射イオン、特性X線、光電子等の信号を検出することによって、固体表面にどのような元素が存在し、又、どのような化学結合状態にあるかを知る表面分析、すなわち、走査電子顕微鏡(SEM)、X線マイクロアナライザ(EPMA、XMA)、2次イオン質量分析装置(SIMS)、X線光電子分光分析装置(XPS、ESCA)等に利用可能である。これらの装置は、基礎研究用の分析のみならず、資源、エネルギー、公害などの検査、品質管理の広い分野に使用され、特に、金属固溶体の相、変態、粒界、析出物、介在物、地質鉱物の岩石、鉱石、隕石、セラミックス、セメント、ガラス、化学の触媒、塗料、プラスチック、ゴム、石油、生物医学の歯、骨、組織、葉、根、半導体材料、集積回路等の広い分野の非破壊微小領域元素分析、観察等に用いられているので、本発明は、産業上も非常に有用である。
1. 試料台
11.試料載置部
12.支持部
2. 密閉空間
3. 蓋体
4. 蓋体吊り下げ手段
41.磁性体
42.電磁石
5. 試料導入棒
6. 蓋体の下方に突出する突出部
7. Oリング
8. リリーフ弁
10.試料
21.試料導入室
22.分析室
23、24.圧力計
25.スライドガイド
26.(試料が分析に供せられる)分析位置
27.蓋体の直下の位置
28.試料搬送口

Claims (7)

  1. 試料台と、前記試料台と嵌合して試料を保持する密閉空間を形成することができる蓋体と、前記蓋体を上下方向に移動させる蓋体吊り上げ手段と、前記試料台を水平移動させる試料台スライド手段と、前記試料台の水平移動を前記蓋体の直下で係止させるための係止手段と、前記試料台と前記蓋体が嵌合されたとき前記密閉空間を外気と遮断するための気密材と、を有することを特徴とする分析試料搬送装置。
  2. 前記蓋体吊り下げ手段が、蓋体上部に設けられる磁性体又は磁石、及び装置内にその水平位置が固定されて設けられている電磁石を有することを特徴とする請求項1に記載の分析試料搬送装置。
  3. 前記係止手段が、蓋体の縁部に設けられ、蓋体の下方に突出する突出部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分析試料搬送装置。
  4. 前記試料台スライド手段が、試料台と結合させることができる試料導入棒であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の分析試料搬送装置。
  5. 前記試料台が、その側面が傾斜した角錐台又は円錐台形状の試料載置部を有し、前記側面に気密材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の分析試料搬送装置
  6. 前記蓋体に、前記密閉空間と外部間を連通するためのリリーフ弁が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の分析試料搬送装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の分析試料搬送装置を使用し、
    前記試料台と、前記試料台と嵌合して、試料を保持する密閉空間を形成する蓋体とからなり、前記密閉空間内に不活性ガスが充たされている試料ホルダーを、
    前記蓋体吊り上げ手段にセットし、その後前記蓋体外を真空にして蓋体を取り外し、試料を分析に供する工程、及び、
    試料を分析に供した後、蓋体が取り外された試料台を移動させ、前記係止手段により蓋体の直下で係止させ、
    その後蓋体吊り上げ手段を下方に移動させて前記試料台に前記蓋体を被せた後、
    蓋体外にガスを導入し、
    さらにその後試料ホルダーを分析装置外に取り出す工程を有することを特徴とする分析試料搬送方法。
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