JP2014084263A - Iii族窒化物膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に成長させた構成元素の組成が基板と同じIII族窒化物膜を歩留まりよく分離することができるIII族窒化物膜の製造方法を提供する。
【解決手段】III族窒化物膜の製造方法は、III族窒化物基板10上に、構成元素の組成が同じでSiの濃度が1×1017cm-3以上の第1のIII族窒化物膜11を成長させる工程と、第1のIII族窒化物膜11上に、構成元素の組成が同じで不純物の濃度がいずれも1〜2×1016cm-3以下の第2のIII族窒化物膜12を成長させる工程と、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1に、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lを照射することにより、第1のIII族窒化物膜11を分解させてIII族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する工程と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】III族窒化物膜の製造方法は、III族窒化物基板10上に、構成元素の組成が同じでSiの濃度が1×1017cm-3以上の第1のIII族窒化物膜11を成長させる工程と、第1のIII族窒化物膜11上に、構成元素の組成が同じで不純物の濃度がいずれも1〜2×1016cm-3以下の第2のIII族窒化物膜12を成長させる工程と、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1に、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lを照射することにより、第1のIII族窒化物膜11を分解させてIII族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する工程と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、歩留まりのよいIII族窒化物膜の製造方法に関する。
III族窒化物膜は、高価な膜であり、また、半導体デバイスの基板および半導体層として好適に用いられるものであるため、歩留まりよく製造することが求められている。
特開2002−222773号公報(特許文献1)は、窒化物半導体ウエハの製造方法に関して、母材基板上に母材基板とは異なる材料によりなる窒化物半導体膜を成長する第1の工程の後、1照射面積が母材基板主面の面積の20%以上である光を用いて母材基板と窒化物半導体膜を分離する第2の工程を有することにより、母材基板から分離する際の窒化物半導体膜の割れを防止するとともに分離の際の時間を短くできることを開示する。
また、特開2007−084435号公報(特許文献2)は、単結晶GaN基板の製造方法に関して、成長させたGaN単結晶をスライス加工することにより単結晶GaN基板を得ることを開示する。
特開2002−222773号公報(特許文献1)に開示された紫外線波長領域のレーザ光による母材基板からの窒化物半導体膜の分離方法は、母材基板とその上に成長させる窒化物半導体膜とが異なる材料である場合には適用できるが、母材基材と窒化物半導体膜とが同じ材料すなわち構成元素が同じである場合には両者の光吸収係数が同じであるため適用できない。
また、特開2007−084435号公報(特許文献2)に開示されたスライス加工による単結晶GaN基板の分離方法は、スライス加工に用いられるワイヤーソーなどのカーフロス分の無駄が生じるため、歩留まりが低下する。
本発明は、上記の問題を解決して、基板上に成長させた構成元素の組成が基板と同じIII族窒化物膜を歩留まりよく分離することができるIII族窒化物膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、III族窒化物基板上に、III族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板と同じであり、不純物として含まれるSiの濃度が1×1017cm-3以上である第1のIII族窒化物膜を成長させる工程と、第1のIII族窒化物膜上に、III族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板と同じであり不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下である第2のIII族窒化物膜を成長させる工程と、III族窒化物基板上に第1のIII族窒化物膜および第2のIII族窒化物膜がこの順に成長された積層板に、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光を照射することにより、第1のIII族窒化物膜を分解させてIII族窒化物基板から第2のIII族窒化物膜を分離する工程と、を含むIII族窒化物膜の製造方法である。
本発明にかかるIII族窒化物膜の製造方法において、第1のIII族窒化物膜の厚さを0.5μm以上50μm以下とすることができる。また、III族窒化物基板は、不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度を2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度を1×1016cm-3以下とすることができる。
本発明によれば、基板上に成長させた構成元素の組成が基板と同じIII族窒化物膜を歩留まりよく分離することができるIII族窒化物膜の製造方法を提供することができる。
図1を参照して、本発明の一実施形態であるIII族窒化物膜の製造方法は、III族窒化物基板10上に、不純物以外の構成元素であるIII族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板10と同じであり、不純物として含まれるSiの濃度が1×1017cm-3以上である第1のIII族窒化物膜11を成長させる工程(図1(A))と、第2のIII族窒化物膜11上に、不純物以外の構成元素であるIII族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板10と同じであり不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下である第2のIII族窒化物膜12を成長させる工程(図1(A))と、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1に、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lを照射することにより、第1のIII族窒化物膜11を分解させてIII族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する工程(図1(B))と、を含む。
本実施形態のIII族窒化物膜の製造方法において、第2のIII族窒化物膜12は、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光の透過率が高いため、かかるレーザ光を透過する。これに対し、第1のIII族窒化物膜11は、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光の透過率が低いため、かかるレーザ光を吸収して発熱により高温となって分解するため、III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を歩留まりよく分離することができる。ここで、第2のIII族窒化物膜12を分離する際、第1のIII族窒化物膜11およびその近傍領域が高温となるが、III族窒化物基板10、第1のIII族窒化物膜11、および第2のIII族窒化物膜12は、それらの不純物以外の構成元素であるIII族元素および窒素の組成が同じであることからそれらの熱膨張係数が同じであるため、III族窒化物基板10および第2のIII族窒化物膜12に割れが発生するのが防止される。
(III族窒化物基板上に、第1のIII族窒化物膜を成長させる工程)
図1(A)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11を成長させる工程において、第1のIII族窒化物膜11を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高い第1のIII族窒化物膜11をエピタキシャル成長させる観点から、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MBE(分子線成長)法などが好ましく、さらに膜厚の調整がし易く薄い膜を高い膜厚精度で形成できる観点から、MOCVD法がより好ましい。
図1(A)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11を成長させる工程において、第1のIII族窒化物膜11を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高い第1のIII族窒化物膜11をエピタキシャル成長させる観点から、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MBE(分子線成長)法などが好ましく、さらに膜厚の調整がし易く薄い膜を高い膜厚精度で形成できる観点から、MOCVD法がより好ましい。
III族窒化物基板10は、不純物以外の構成元素がIII族窒化物元素および窒素であれば特に制限はないが、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光の透過率を高くする観点から、不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下であることが好ましい。
第1のIII族窒化物膜11は、その不純物以外の構成元素であるIII族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板10と同じであることから、その熱膨張係数がIII族窒化物基板10と同じであるため、その成長の際の温度変化による割れの発生を防止できる。
また、第1のIII族窒化物膜11は、不純物として含まれるSiの濃度が1×1017cm-3以上であることから、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光の透過率が低いため、かかるレーザ光を吸収して発熱により高温となって分解する。かかるレーザ光の透過率を低減する観点から、第1のIII族窒化物膜11に不純物として含まれるSiの濃度は2×1017cm-3以上が好ましい。なお、第1のIII族窒化物膜11の成膜がし易い観点から、第1のIII族窒化物膜11に不純物として含まれるSiの濃度は5×1018cm-3以下が好ましい。ここで、第1のIII族窒化物膜11に含まれるSiの濃度を1×1017cm-3以上に調整する方法は、特に制限はなく、シラン(SiH4)ガス、ジメチルシラン(SiH2(CH3)2)などのSiを含むドーピングガスのガス量を調整することにより行なうことができる。
また、第1のIII族窒化物膜11の厚さは、特に制限はないが、後述の第1のIII族窒化物膜11の分解によるIII族窒化物基板10からの第2のIII族窒化物膜の分離を容易にする観点から、好ましくは0.5μm以上でありより好ましくは1μm以上であり、分離の際の第1のIII族窒化物膜11の分解によるロスを低減する観点から、好ましくは50μm以下でありより好ましくは10μm以下である。
(第1のIII族窒化物膜上に、第2のIII族窒化物膜を成長させる工程)
図1(A)を参照して、第1のIII族窒化物膜11上に第2のIII族窒化物膜12を成長させる工程において、第2のIII族窒化物膜12を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高い第2のIII族窒化物膜12をエピタキシャル成長させる観点から、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法などが好ましく、さらに厚い膜を効率よく形成する観点から、HVPE法がより好ましい。
図1(A)を参照して、第1のIII族窒化物膜11上に第2のIII族窒化物膜12を成長させる工程において、第2のIII族窒化物膜12を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高い第2のIII族窒化物膜12をエピタキシャル成長させる観点から、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法などが好ましく、さらに厚い膜を効率よく形成する観点から、HVPE法がより好ましい。
第2のIII族窒化物膜12は、その不純物以外の構成元素であるIII族元素および窒素の組成がIII族窒化物基板10および第1のIII族窒化物膜11と同じであることから、その熱膨張係数がIII族窒化物基板10および第1のIII族窒化物膜11と同じであるため、その成長の際の温度変化による割れの発生を防止できる。
また、第2のIII族窒化物膜11は、不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下であることから、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光の透過率が高いため、かかるレーザ光を透過する。ここで、第2のIII族窒化物膜12に含まれる不純物の濃度を所定濃度以下に調整する方法は、特に制限はなく、たとえば、成膜炉内の部材をSiC被覆されたカーボン部材を用いたり、成膜温度を900℃以上1030℃以下程度に低くしたりすることにより行なうことができる。
(III族窒化物基板から第2のIII族窒化物膜を分離する工程)
図1(B)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1の第1のIII族窒化物膜11を分解させてIII族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する工程は、上記の積膜板1に波長が8μm以上12μm以下のレーザ光を照射することにより行なう。
図1(B)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1の第1のIII族窒化物膜11を分解させてIII族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する工程は、上記の積膜板1に波長が8μm以上12μm以下のレーザ光を照射することにより行なう。
たとえば、積膜板1にその第2のIII族窒化物膜12側から波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lを照射すると、第2のIII族窒化物膜12は図2に示すように透過率が高いためレーザ光Lを透過し、第1のIII族窒化物膜11は図2に示すように透過率が低いためレーザ光Lを吸光して発熱により高温となり分解することにより、III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する。
図2のチャートは、第1のIII族窒化物膜F1および第2のIII族窒化物膜F2の光の透過率を示したものである。ここで、第1のIII族窒化物膜F1および第2のIII族窒化物膜F2の厚さは、いずれも0.3mmとした。第1のIII族窒化物膜F1および第2のIII族窒化物膜F2の光の透過率の測定は、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度)法により行なった。FTIR法とは、具体的には、グローバ光源(炭化珪素)から放出した光を、KBrのビームスプリッタで分離し、一方は可動式のミラーで反射させ、もう一方は試料を透過させて、液体窒素温度に冷却したMCT(水銀カドミウムテルル)検出器で光を検出する。可動式ミラーの距離を変化させることで検出する光の量が変化し、それをフーリエ変換させることで波数成分を表示させる方法である。
また、III族窒化物基板10が不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下である場合は、かかるIII族窒化物基板10は、第2のIII族窒化物膜12と同様に波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lの透過率が高いためレーザ光Lを透過する。したがって、かかる場合には、積膜板1のIII族窒化物基板10側から波長が8μm以上12μm以下のレーザ光Lを照射することによっても、III族窒化物基板10は透過率が高いためレーザ光Lを透過し、第1のIII族窒化物膜11は透過率が低いためレーザ光Lを吸光して発熱により高温となり分解することにより、III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離することができる。
III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12を分離する際に、第1のIII族窒化物膜11およびその近傍が高温になるが、分解せずに残るIII族窒化物基板10および第2のIII族窒化物膜12と、分解して除去される第1のIII族窒化物膜11とは、それらのIII族元素および窒素の組成が互いに同じであることから、それらの熱膨張係数が互いに同じであるため、III族窒化物基板10および第2のIII族窒化物膜12に割れが発生するのを防止できる。
(実施例1)
1.III族窒化物基板上への第1のIII族窒化物膜の成長
図1(A)を参照して、III族窒化物基板10として、主面が(0001)面でその主面の貫通転位密度が2.3×106cm-2である直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN基板を準備した。次いで、III族窒化物基板10のその主面上に、MOCVD法により、第1のIII族窒化物膜11として不純物としてSiが含まれる厚さ10μmの第1のGaN膜を成長させた。ここで、第1のIII族窒化物膜11にSiを添加するためのドーピングガスとしてシラン(SiH4)ガスを用いた。得られた第1のIII族窒化物膜11の主面の貫通転位密度は、カソードルミネッセンス法により測定したところ、2.3×106cm-2であった。また、第1のIII族窒化物膜11に不純物として含まれるSiの濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)法により測定したところ、1×1018cm-3であった。
1.III族窒化物基板上への第1のIII族窒化物膜の成長
図1(A)を参照して、III族窒化物基板10として、主面が(0001)面でその主面の貫通転位密度が2.3×106cm-2である直径2インチ(5.08cm)で厚さ300μmのGaN基板を準備した。次いで、III族窒化物基板10のその主面上に、MOCVD法により、第1のIII族窒化物膜11として不純物としてSiが含まれる厚さ10μmの第1のGaN膜を成長させた。ここで、第1のIII族窒化物膜11にSiを添加するためのドーピングガスとしてシラン(SiH4)ガスを用いた。得られた第1のIII族窒化物膜11の主面の貫通転位密度は、カソードルミネッセンス法により測定したところ、2.3×106cm-2であった。また、第1のIII族窒化物膜11に不純物として含まれるSiの濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)法により測定したところ、1×1018cm-3であった。
2.第1のIII族窒化物膜上への第2のIII族窒化物膜の成長
図1(A)を参照して、次に、第1のIII族窒化物膜11の主面上に、HVPE法により、第2のIII族窒化物膜12として、厚さ400μmの第2のGaN膜を成長させた。ここで、第2のIII族窒化物膜12の成長の際には、第2のIII族窒化物膜12に不純物が混入するのを抑制するために、HVPE炉内の部材にはSiCで被覆されたカーボン部材を用いて、成膜温度を1000℃とした。得られた第2のIII族窒化物膜12の主面の貫通転位密度は、カソードルミネッセンス法により測定したところ、1.6×106cm-2であった。また、第2のIII族窒化物膜11に含まれる不純物の種類および濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)法により測定したところ、Siが2×1016cm-3以下、Cが2×1016cm-3以下、Oが2×1016cm-3、Mgが2×1016cm-3以下、遷移金属元素であるFe、Ni、およびCrのそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下であった。
図1(A)を参照して、次に、第1のIII族窒化物膜11の主面上に、HVPE法により、第2のIII族窒化物膜12として、厚さ400μmの第2のGaN膜を成長させた。ここで、第2のIII族窒化物膜12の成長の際には、第2のIII族窒化物膜12に不純物が混入するのを抑制するために、HVPE炉内の部材にはSiCで被覆されたカーボン部材を用いて、成膜温度を1000℃とした。得られた第2のIII族窒化物膜12の主面の貫通転位密度は、カソードルミネッセンス法により測定したところ、1.6×106cm-2であった。また、第2のIII族窒化物膜11に含まれる不純物の種類および濃度は、SIMS(二次イオン質量分析)法により測定したところ、Siが2×1016cm-3以下、Cが2×1016cm-3以下、Oが2×1016cm-3、Mgが2×1016cm-3以下、遷移金属元素であるFe、Ni、およびCrのそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下であった。
3.III族窒化物基板からの第2のIII族窒化物膜の分離
図1(B)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1の第2のIII族窒化物膜12側から、波長が9.3μmで照射エネルギーが1J/cm2のCO2レーザ光Lを照射した。第2のIII族窒化物膜12はCO2レーザ光Lの透過率が高いため、CO2レーザ光Lは第2のIII族窒化物膜12を透過して第1のIII族窒化物膜11に達した。第1のIII族窒化物膜11は、CO2レーザ光Lの透過率が低いため、CO2レーザ光Lを吸収して発熱し高温となって分解した。こうして、III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12が分離された。
図1(B)を参照して、III族窒化物基板10上に第1のIII族窒化物膜11および第2のIII族窒化物膜12がこの順に成長された積膜板1の第2のIII族窒化物膜12側から、波長が9.3μmで照射エネルギーが1J/cm2のCO2レーザ光Lを照射した。第2のIII族窒化物膜12はCO2レーザ光Lの透過率が高いため、CO2レーザ光Lは第2のIII族窒化物膜12を透過して第1のIII族窒化物膜11に達した。第1のIII族窒化物膜11は、CO2レーザ光Lの透過率が低いため、CO2レーザ光Lを吸収して発熱し高温となって分解した。こうして、III族窒化物基板10から第2のIII族窒化物膜12が分離された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 積膜板、10 III族窒化物基板、11 第1のIII族窒化物膜、12 第2のIII族窒化物膜、L レーザ光。
Claims (3)
- III族窒化物基板上に、III族元素および窒素の組成が前記III族窒化物基板と同じであり、不純物として含まれるSiの濃度が1×1017cm-3以上である第1のIII族窒化物膜を成長させる工程と、
前記第1のIII族窒化物膜上に、III族元素および窒素の組成が前記III族窒化物基板と同じであり不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下である第2のIII族窒化物膜を成長させる工程と、
前記III族窒化物基板上に前記第1のIII族窒化物膜および前記第2のIII族窒化物膜がこの順に成長された積膜板に、波長が8μm以上12μm以下のレーザ光を照射することにより、前記第1のIII族窒化物膜を分解させて前記III族窒化物基板から前記第2のIII族窒化物膜を分離する工程と、を含むIII族窒化物膜の製造方法。 - 前記第1のIII族窒化物膜の厚さは、0.5μm以上50μm以下である請求項1に記載のIII族窒化物膜の製造方法。
- 前記III族窒化物基板は、不純物として含まれるSi、C、OおよびMgのそれぞれの濃度が2×1016cm-3以下かつ遷移金属元素のそれぞれの濃度が1×1016cm-3以下である請求項1または2に記載のIII族窒化物膜の製造方法。
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