JP2014083344A - トンネル消火栓装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、消火栓弁ユニットを自動弁装置収納空間内に配設し、消火用ホースと消火栓弁ユニットとをフレキシブル配管で接続し、据え付け作業性を高めることができるトンネル消火栓装置を得る。
【解決手段】トンネル消火栓装置10は、ホース収納空間13内に収納された消火用ホース16および消火栓弁開閉レバー17と、自動弁装置収納空間14内に収納された自動弁装置18およびパネルヒータ19と、を備え、配水本管5から分岐した一次側分岐配管34が自動弁装置収納空間14内に引き込まれて自動弁装置18の一次側流路に接続され、消火栓弁26を内蔵した消火栓弁ユニット25が、自動弁装置収納空間14内の一次側分岐配管34の部位から分岐する分岐管24に接続されて、自動弁装置収納空間14内に配設され、消火栓弁26の二次側がフレキシブル配管23を介して消火用ホース16に接続されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば高速自動車道等のトンネルに設置されて火災時に本体内部の消火用ホースを引き出して消火を行うトンネル消火栓装置に関するものである。
従来のトンネル消火栓装置は、トンネル内に形成されたダクト内に設置されている配水管から立ち上げられた給水配管が、本体の側面から本体内に引き込まれ、消火栓弁に接続されている(例えば、特許文献1参照)。そして、火災発生時には、取扱者は、消火栓扉を開けてノズルを取り出し、消火栓弁開閉レバーを手前に引く。これにより、消火栓弁が開放し、ノズルから消火水の放水が開始される。そこで、取扱者は、ノズルを持ちながら火災現場に向けて消火ホースを引き出し、消火を行う。
特開2001−9053号公報
従来のトンネル消火栓装置では、配水管から消火栓弁に至る給水配管には、高圧の消火水が給水されることから、金属配管(鋼管)が用いられる。そこで、装置の据え付け時、据え付け誤差が生じることから、給水配管を設置するに当たり、現場にて、寸法を測定し、鋼管を切断し、切断された鋼管に曲げ加工やねじ加工を施す作業などが必要となり、据え付け作業性が低下する。
この種のトンネル消火栓装置においては、冬場での消火水の凍結を防止するために、消火水が常時給水されている配水管から分岐する給水配管にテープヒータを巻き、さらに断熱材を巻く保温作業が必要であった。従来のトンネル消火栓装置では、配水管から消火栓弁に至る配管長さが長くなるので、その分、給水配管の保温作業が多大となり、据え付け作業性が低下する。
この不具合を解決するために、ダクト内の配水管からの分岐部に消火栓弁を内蔵した消火栓弁ユニットを設置し、消火栓弁ユニットの二次側と消火用ホースとをフレキシブル配管部材を用いて接続することも考えられる。この場合には、本体内に設置される消火栓弁開閉レバーと消火栓弁ユニットとを連結する連動ワイヤーが本体外に配線されることになり、かつ配線長さが長くなるので、連動ワイヤーの敷設・調整作業が煩雑となり、据え付け作業性が低下する懸念があった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、現場での鋼管の切断加工、曲げ加工およびねじ加工を不要とし、さらには配管にテープヒータや断熱材を巻く保温作業を低減するとともに、連動ワイヤーを本体内に配線するようにして、据え付け作業性を高めることができるトンネル消火栓装置を得ることを目的とする。
この発明によるトンネル消火栓装置は、ホース収納空間と自動弁装置収納空間が隔壁を介して分離されて幅方向に併設された本体と、上記ホース収納空間内に収納された消火用ホースと、上記ホース収納空間内に収納された消火栓弁開閉レバーと、上記自動弁装置収納空間内に収納された自動弁装置と、上記自動弁装置収納空間内に配設された凍結防止用ヒータと、を備え、配水本管から分岐した一次側分岐配管が上記自動弁装置収納空間内に引き込まれて上記自動弁装置の一次側流路に接続され、かつ先端に放水ヘッドを備えた二次側分岐配管が上記自動弁装置収納空間内に引き込まれて上記自動弁装置の二次側流路に接続されている。そして、消火栓弁を内蔵した消火栓弁ユニットが、上記自動弁装置収納空間内の上記一次側分岐配管の部位から分岐する分岐管に接続されて、該自動弁装置収納空間内に配設され、上記消火栓弁の二次側がフレキシブル配管を介して上記消火用ホースに接続されている。
この発明によれば、消火栓弁ユニットが、自動弁装置収納空間内に配設されているので、消火栓弁ユニットと消火用ホースとを接続するフレキシブル配管には、通常時、消火水が給水されていない。そこで、フレキシブル配管にテープヒータや断熱材を巻き付ける保温作業が不要となる。また、自動弁装置収納空間内には、凍結防止用ヒータが配設されているので、分岐管にテープヒータや断熱材を巻き付ける保温作業が不要となり、据え付け作業性が向上される。
また、消火用ホースと消火栓弁ユニットとを接続する配管には、消火栓弁ユニットを介して低圧の消火水が供給されるので、鋼管を用いる必要がなく、フレキシブル配管を用いることができる。そこで、現場にて、寸法を測定し、鋼管を切断し、切断された鋼管に曲げ加工やねじ加工を施す作業などを省略でき、据え付け作業性が向上される。
さらに、消火栓弁開閉レバーの駆動力を消火栓弁に伝達する連動ワイヤーが本体内に配線され、かつ配線長さが短くなるので、連動ワイヤーの敷設・調整作業が簡易となる。
この発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置の設置状態を示す正面図である。 この発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置における消火栓弁ユニットを示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置における消火栓弁ユニットを示す側面図である。
以下、本発明のトンネル消火栓装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置の設置状態を示す正面図、図2はこの発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置における消火栓弁ユニットを示す平面図、図3はこの発明の一実施の形態に係るトンネル消火栓装置における消火栓弁ユニットを示す側面図である。
図1において、コンクリート躯体1が車線(図示せず)に対して蒲鉾状に構築され、監視員通路2が路肩の一方に所定の高さに構築されている。監視員通路2の下部には、ダクト3が形成され、配水本管5などが敷設されている。トンネル消火栓装置10は、トンネルのコンクリート躯体1の監視員通路2から操作可能な壁面に凹設された箱抜き4内に設置され、例えば50m間隔に配置されている。
トンネル消火栓装置10は、前面に開口する直方体の箱形に作製された筐体11を備えている。筐体11の内部は、隔壁12により幅方向にホース収納空間13と自動弁装置収納空間14とに分離されている。
ホース収納空間13内には、先端に消火用ノズルを有し、内巻きに巻かれた消火用ホース16、消火栓弁26を開閉する消火栓弁開閉レバー17、消火器(図示せず)、各種電気機器(図示せず)などが収納されている。
自動弁装置収納空間14内には、自動弁装置18、凍結防止用ヒータとしてのパネルヒータ19、消火栓弁ユニット25などが収納されている。
筐体11の前面には、消火用ホース16および消火栓弁開閉レバー17などに面する、開口形状を長方形とする開口部15a、消火器に面する開口部15b、自動弁装置18および消火栓弁ユニット25に面する開口部15cを有する前面パネル15が設けられている。そして、消火栓扉20が開口部15aを開閉可能に、消火器扉21が開口部15bを開閉可能に、自動弁装置扉22が開口部15cを開閉可能に、それぞれ前面パネル15に取り付けられている。
なお、詳細には図示しないが、筐体11は、隔壁12を境界にして、その左側と右側とが、それぞれ個別の筐体で構成され、また、前面パネル15は、隔壁12を境界にして、その左側と右側とが、それぞれ個別の前面パネルで構成されるが、その他の分割範囲で複数に構成されてもよいし、また、一体で構成されてもよい。
また、消火栓弁開閉レバー17は、筐体11内に設置されているが、消火栓扉20の内面側に配置されることで、ホース収納空間13内に収納されてもよい。
消火栓弁ユニット25は、図2および図3に示されるように、ボール型の開閉弁である消火栓弁26と、消火栓弁26の二次側に配置されて所定圧の消火水を供給する自動調圧弁27と、消火栓弁26の二次側に配置されて、放水時ではない無加圧の消火水を排出する自動排水弁28、分岐管24に接続されるフランジ部29、フレキシブル配管23が接続される継ぎ手部30が一体に構成されている。
一次側分岐配管34が、配水本管5から分岐して筐体11の底板を貫通して自動弁装置収納空間14内に引き込まれ、自動弁装置18の自動弁の一次側流路に接続されている。先端に放水ヘッド(図示せず)が設けられた二次側分岐配管35が、筐体11の天板を貫通して自動弁装置収納空間14内に引き込まれ、自動弁装置18の自動弁の二次側流路に制水弁33を介して接続されている。この自動弁装置18は、火災発生時に自動弁が開いて放水ヘッドに加圧水を供給し、鎮火後閉じて放水ヘッドへの加圧水の供給を停止させるように動作する。
消火栓弁ユニット25が、フランジ部29を、一次側分岐配管34の自動弁装置収納空間14内の部位から分岐した分岐管24に接続して、自動弁装置収納空間14内に配設されている。そして、フレキシブル配管23が一端を継ぎ手部30に接続され、隔壁12を貫通してホース収納空間13内に引き込まれ、他端を消火用ホース16に接続されている。さらに、止水弁32が消火栓弁ユニット25の一次側に配設されている。消火栓弁26の弁体は、消火栓弁開閉レバー17の開閉力が連動ワイヤー37を介してボックス31内に配置されたプーリ(図示せず)に伝達され、開閉操作されるようになっている。
つぎに、このように構成されたトンネル消火栓装置10の設置作業について説明する。ここで、配水本管5がダクト3内に予め敷設され、分岐管24、一次側分岐配管34および二次側分岐配管35が予め設置され、箱抜き4が予め形成されている。さらに、一次側分岐配管34の筐体11までの部分には、テープヒータおよび断熱材が巻かれている。
まず、筐体11および前面パネル15からなる本体を箱抜き4内に設置する。このとき、一次側分岐配管34および二次側分岐配管35が自動弁装置収納空間14内に引き込まれる。また、本体内には、消火用ホース16、消火栓弁開閉レバー17、消火器、各種電気機器などが収納されている。
ついで、自動弁装置18の自動弁の一次側流路に一次側分岐配管34を接続し、自動弁の二次側流路に制水弁33を介して二次側分岐配管35を接続し、自動弁装置18を自動弁装置収納空間14内に設置する。また、一次側分岐配管34から分岐された分岐管24に、止水弁32を介して、消火栓弁ユニット25のフランジ部29を接続し、消火栓弁ユニット25を自動弁装置収納空間14内に設置する。
ついで、フレキシブル配管23を隔壁12に形成された挿通口(図示せず)に通し、その一端を消火栓弁ユニット25の継ぎ手部30に接続し、他端を消火用ホース16に接続する。さらに、連動ワイヤー37を隔壁12に形成された挿通口(図示せず)に通し、消火栓弁開閉レバー17とボックス31内のプーリとを連結し、トンネル消火栓装置10の設置が完了する。
つぎに、トンネル消火栓装置10の動作について説明する。トンネル内で火災が発生すると、自動弁装置18が作動する。そして、配水本管5から一次側分岐配管34を通って供給される消火水が、自動弁装置18により所定の圧力に加圧され、二次側分岐配管35を通って放水ヘッドから放水される。また、取扱者が、消火栓扉20を開けて消火用ノズルを取り出し、消火栓弁開閉レバー17を手前に引く。これにより、消火栓弁26が開放し、消火用ノズルから消火水の放水が開始される。そこで、取扱者は、消火用ノズルを持ちながら火災現場に向けて消火用ホース16を引き出し、消火を行う。
この実施の形態によるトンネル消火栓装置10では、消火栓弁ユニット25が、一次側分岐配管34の自動弁装置収納空間14内に位置する部分から分岐した分岐管24に接続されて自動弁装置収納空間14内に配設されている。
そこで、フレキシブル配管23には、作動時のみ、消火水が給水されるので、フレキシブル配管23に対する凍結防止用の保温対策が不要となる。一方、一次側分岐配管34の凍結防止用のパネルヒータ19が設置されている自動弁装置収納空間14に消火栓弁ユニット25を配設しているので、消火水が常時給水されている分岐管24に対する凍結防止用の保温対策も不要となる。したがって、据え付け時に、フレキシブル配管23および分岐管24にテープヒータおよび断熱材を巻き付ける保温作業が不要となり、据え付け作業性が向上され、据え付け作業時間を短縮できる。
消火用ホース16と消火栓弁ユニット25とを接続する配管には、消火栓弁ユニット25の自動調圧弁27により低圧に調圧された消火水が給水されるので、鋼管を用いる必要がなく、フレキシブル配管23を用いることができる。そこで、フレキシブル配管23を用いることで、据え付け誤差を吸収して、消火用ホース16と消火栓弁ユニット25とを接続することができる。これにより、配管として鋼管を用いることによる不具合、すなわち、鋼管を切断し、切断された鋼管に曲げ加工やねじ加工を施す作業などが不要となり、据え付け作業性が向上され、据え付け作業時間を短縮できる。特に、低コスト化の観点から、消火用ホース16と同じ材料で作製されたホース、つまり保形ゴム引布ホースをフレキシブル配管23に用いることが好ましい。
消火用ホース16と消火栓弁ユニット25との間の距離が、消火栓弁ユニット25を配水本管5側に設置する場合に比べ、短くなる。そこで、連動ワイヤー37が本体内に配線され、かつ配線長さが短くなるので、連動ワイヤー37の敷設・調整作業が簡易となり、据え付け作業性が向上され、据え付け作業時間を短縮できる。
また、フレキシブル配管23の長さが短くなるので、消火用ホース16と消火栓弁ユニット25とをフレキシブル配管23で接続した状態で、現地に搬入することが可能となる。そこで、工場出荷時に、消火用ホース16から消火栓弁ユニット25までの経路における漏水テストを完了でき、据え付け作業性が向上され、据え付け作業時間を短縮できる。つまり、現場での据え付け完了後、消火栓弁26を開放して、消火用ホース16から消火栓弁ユニット25までの経路における漏水テストを実施すると、消火水が消火用ホース16にまでも給水されるので、漏水テスト後に消火用ホース16内の消火水を排水するのに、多大な時間を要することになる。
止水弁32が消火栓弁ユニット25の一次側に配設されているので、止水弁32により消火水の消火栓弁ユニット25への給水を停止できる。そこで、消火栓弁ユニット25やフレキシブル配管23に不具合が生じたときには、消火栓弁ユニット25やフレキシブル配管23の交換が容易となる。なお、止水弁32は、消火栓弁ユニット25と分岐管24の一次側分岐配管34からの分岐部との間に配設されていればよい。
5 配水本管、10 トンネル消火栓装置、11 筐体(本体)、12 隔壁、13 ホース収納空間、14 自動弁装置収納空間、15 前面パネル(本体)、16 消火用ホース、17 消火栓弁開閉レバー、18 自動弁装置、19 パネルヒータ(凍結防止用ヒータ)、23 フレキシブル配管、24 分岐管、25 消火栓弁ユニット、26 消火栓弁、32 止水弁、34 一次側分岐配管、35 二次側分岐配管。

Claims (3)

  1. ホース収納空間と自動弁装置収納空間が隔壁を介して分離されて幅方向に併設された本体と、
    上記ホース収納空間内に収納された消火用ホースと、
    上記ホース収納空間内に収納された消火栓弁開閉レバーと、
    上記自動弁装置収納空間内に収納された自動弁装置と、
    上記自動弁装置収納空間内に配設された凍結防止用ヒータと、を備え、
    配水本管から分岐した一次側分岐配管が上記自動弁装置収納空間内に引き込まれて上記自動弁装置の一次側流路に接続され、かつ先端に放水ヘッドを備えた二次側分岐配管が上記自動弁装置収納空間内に引き込まれて上記自動弁装置の二次側流路に接続されているトンネル消火栓装置において、
    消火栓弁を内蔵した消火栓弁ユニットが、上記自動弁装置収納空間内の上記一次側分岐配管の部位から分岐する分岐管に接続されて、該自動弁装置収納空間内に配設され、上記消火栓弁の二次側がフレキシブル配管を介して上記消火用ホースに接続されていることを特徴とするトンネル消火栓装置。
  2. 上記フレキシブル配管が、上記消火用ホースと同等のホースで構成されていることを特徴とする請求項1記載のトンネル消火栓装置。
  3. 止水弁が、上記消火栓弁の一次側に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトンネル消火栓装置。
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