以下、本発明の実施形態を図1〜図14を用いて説明する。以下の実施形態の説明では、電子写真方式のタンデム型のプリンター100(画像形成装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、各実施形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
まず、図1、図2を用いて、実施形態に係るプリンター100の概略を説明する。図1はプリンター100の構成を示す断面図である。図2は、画像形成ユニット30の断面図である。
まず、プリンター100の上部には使用者に対し、表示により報知を行い、使用者による設定入力を受け付ける操作パネル1が設けられる(破線で図示)。操作パネル1には、プリンター100の状態や生じたエラーを表示により報知する複数のインジケーター11や液晶表示部12が設けられる。又、操作パネル1には、設定入力用の複数の設定キー13が設けられる。
又、図1に示すように、プリンター100は本体内に給紙部2a、搬送部2b、画像形成部3a、中間転写部4a、2次転写部4b、定着部3b等を含む。
給紙部2aは普通紙、再生紙、OHPシート、ラベル用紙のような各種用紙を収容する。給紙部2aには、モーターなどの駆動機構(不図示)により回転し、1枚ずつ用紙を搬送部2bに送り出す給紙ローラー21が設けられる。そして、搬送部2bは給紙部2aから供給されたシートを、中間転写部4a、定着部3bを経て排出トレイ22まで導く。搬送部2bには、搬送ローラー対23やガイド24及び搬送されてくるシートを中間転写部4aの手前で待機させ、タイミングをあわせて送り出すレジストローラー対25や排出ローラー対26等が設けられる。
形成すべき画像の画像データに基づき、画像形成部3aはトナー像を形成する。そして、画像形成部3aは4色分の画像形成ユニット30Bk、30M、30C、30Yと、露光装置31を含む。具体的に、画像形成部3aはブラックの画像を形成する画像形成ユニット30Bkと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット30M、シアンの画像を形成する画像形成ユニット30Cと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット30Yと、を含む。
ここで、図2に基づき、各画像形成ユニット30Bk〜30Yを説明する。尚、各画像形成ユニット30Bk〜30Yは形成するトナー像の色が異なるが、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、以下では画像形成ユニット30Bkを例に挙げて説明するが、以下の説明では、色の区別を示すBk、M、C、Yの符号は特に説明する場合を除き省略する。又、共通する部材には、各画像形成ユニット30で共通の符号を付して説明する。
画像形成ユニット30は感光体ドラム32、帯電装置33、現像装置5、クリーニング装置34等を含む。そして、感光体ドラム32は回転可能に支持される。感光体ドラム32はモーター3M(図3参照)の駆動力を受け、所定の周速度で回転駆動される。そして、感光体ドラム32は帯電、露光、現像のプロセスを経て周面にトナー像を担持する。そして、各感光体ドラム32に対向して、1次転写ローラー41Bk〜41Yが配される。各感光体ドラム32と各1次転写ローラー41は中間転写ベルト42を挟み込む。
帯電装置33は感光体ドラム32の表面を一定の電位で帯電させる。露光装置31は画像データをカラー色分解した画像信号に基づいたレーザー光(破線で図示)を、帯電後の感光体ドラム32に照射する。これにより、露光装置31は各色の感光体ドラム32の走査露光を行い各色の感光体ドラム32の周面に静電潜像を形成する。そして、画像データに併せた静電潜像が各色の感光体ドラム32上に形成される。
現像装置5はトナーを収納する(画像形成ユニット30Bkのものはブラック、画像形成ユニット30Mのものはマゼンタ、画像形成ユニット30Cのものはシアン、画像形成ユニット30Yのものはイエローのトナーを収納)。現像装置5内の現像ローラー51は回転しつつ、周面に帯電するトナーの薄層を担持する。現像ローラー51には、感光体ドラム32に向けてトナーを飛翔させて静電潜像を現像するための電圧が印加される。
ここで、図1に示すように、本実施形態のプリンター100には、各現像装置5にトナーを補給するためのトナーコンテナ6(トナー収容体に相当)が設けられる。図1では、左から順にブラックのトナーを収容するトナーコンテナ6Bk、マゼンタのトナーを収容するトナーコンテナ6M、シアンのトナーを収容するトナーコンテナ6C、イエローのトナーを収容するトナーコンテナ6Yを配する例を示している。いずれの色のトナーコンテナ6も同様の構成であり、同様に説明できるので、以下の説明では、特に説明する場合を除きトナーコンテナ6に対しての色の区別を示すBk、M、C、Yの符号は省略する。
そして、空になったトナーコンテナ6の交換のため、プリンター100の正面カバー(不図示)は開閉可能となっている。あるいは、トナーコンテナ6の交換のため、プリンター100の上面カバー101(排出トレイ22)が開閉可能とされてもよい。そして、いずれかのカバーを開けて、空になったトナーコンテナ6を取り外し、新しい(トナーが満杯の)トナーコンテナ6を取り付けることができる。
クリーニング装置34は感光体ドラム32の清掃を行う。又、クリーニング装置34の上方に感光体ドラム32に対し光を照射して除電を行う除電装置35(例えば、アレイ状のLED)が設けられる。
図1に戻り説明を続ける。中間転写部4aは感光体ドラム32からトナー像の1次転写を受ける。2次転写部4bはシートに対し中間転写ベルト42上のトナー像を2次転写する。中間転写部4aは複数の1次転写ローラー41Bk〜41Y、中間転写ベルト42、駆動ローラー43、従動ローラー44、45、46、ベルトクリーニング装置48等を含む。
中間転写ベルト42は誘電体樹脂等で構成され、1次転写ローラー41Bk〜41Y、駆動ローラー43、従動ローラー44、45、46に張架される。そして、モーター3Mのような駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラー43の回転駆動により、中間転写ベルト42は図1の紙面時計方向に周回する。各1次転写ローラー41Bk〜41Yと対応する感光体ドラム32は無端状の中間転写ベルト42を挟む。各1次転写ローラー41Bk〜41Yには、1次転写を行うための電圧が印加される。画像形成ユニット30で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)はずれなく順次重畳されつつ中間転写ベルト42に1次転写される。
又、2次転写ローラー47と駆動ローラー43と中間転写ベルト42を挟み、ニップ(2次転写部4b)を形成する。2次転写部4bの2次転写ローラー47には所定の電圧が印加される。そして、各色重ね合わされた中間転写ベルト42上のトナー像はシートに2次転写される。尚、2次転写後の中間転写ベルト42上の残トナー等はベルトクリーニング装置48で除去されて回収される。
定着部3bは2次転写ローラー47よりもシート搬送方向下流側に配される。定着部3bは発熱源を内蔵する定着ローラー36と、これに圧接される加圧ローラー37を含む。定着部3bは定着ローラー36と加圧ローラー37のニップに、トナー像が転写されたシートを通過させる。ニップを通過するとトナー像は加熱・加圧され、その結果、トナー像がシートに定着する。定着後のシートは排出トレイ22に排出され、1枚の用紙の印刷が完了する。
(プリンター100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、プリンター100のハードウェア構成を説明する。図3はプリンター100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プリンター100は主制御部10を有する。主制御部10は装置の各部を制御する。主制御部10はCPU10a、画像処理部10bのような処理を行うための回路、素子を含む。又、プリンター100には、記憶部10cが設けられる。記憶部10cはROM、RAM、フラッシュROMのような不揮発性と揮発性の記憶装置の組み合わせである。尚、本説明では主制御部10が印刷の制御を行う例を説明するが、印刷を行う部分を制御するエンジン制御部や、全体制御や画像処理を行うメイン制御部等、主制御部10は機能、役割に応じて制御を行う部分(基板)を複数に分割されていてもよい。
記憶部10cはプリンター100の制御プログラム、制御用のデータ、制御に用いるパラメータを示すデータなど、各種データを記憶する。CPU10aは記憶部10cに格納され展開される制御プログラムやデータに基づきプリンター100の各部の制御や演算を行う。
そして、主制御部10は給紙部2a、搬送部2b、画像形成部3a、中間転写部4a、2次転写部4b、定着部3b等と接続され、記憶部10cの制御プログラムやデータに基づき適切に画像形成が行われるように各部の動作を制御する。又、主制御部10はプリンター100内に1又は複数個設けられるモーター3Mを制御する。主制御部10は印刷のとき、モーター3Mを回転させて感光体ドラム32、現像ローラー51、中間転写ベルト42などの各種回転体を回転させる。
又、主制御部10は操作パネル1と通信可能に接続される。主制御部10は操作パネル1の設定キー13による設定内容を認識する。又、主制御部10はインジケーター11や液晶表示部12の表示を制御する。
又、主制御部10には、通信部10d(通信インターフェイス)を介し、コンピューター200(パーソナルコンピューターやサーバー等)が接続される。コンピューター200はプリンター100に印刷を行わせる内容を含む印刷用データの送信元である。印刷用データには、印刷の設定データや画像データなどが含まれる。主制御部10は受信した印刷用データに基づき画像処理部10bに画像処理を行わせて、露光装置31での走査、露光用の画像データを生成する。露光装置31はその画像データを受信し、感光体ドラム32に静電潜像を形成する。
(トナーコンテナ6から現像装置5へのトナーの補給)
次に、図4、図5を用いて、トナーコンテナ6から現像装置5へのトナーの補給について説明する。図4はトナーコンテナ6から現像装置5へのトナーを補給する構成の一例を示すブロック図である。図5はトナーコンテナ6の断面図である。
上述のように、本実施形態のプリンター100にはブラックのトナーを収容するトナーコンテナ6Bk、マゼンタのトナーを収容するトナーコンテナ6M、シアンのトナーを収容するトナーコンテナ6C、イエローのトナーを収容するトナーコンテナ6Yが取り付けられる。
そして、それぞれのトナーコンテナ6に対し、現像装置5や補給部7が設けられる。具体的に、トナーコンテナ6Bkに対し、ブラック用の感光体ドラム32に形成された静電潜像をブラックのトナーで現像するブラック用の現像装置5Bkが設けられる。又、トナーコンテナ6Bkや現像装置5Bkに対し、補給部7Bkが設けられる。
又、ブラックと同様に、マゼンタのトナーを補給するトナーコンテナ6Mに対し、現像装置5M、トナーコンテナ6M、補給部7Mが設けられる。又、シアンのトナーを補給するトナーコンテナ6Cに対し、現像装置5C、トナーコンテナ6C、補給部7Cが設けられる。又、イエローのトナーを補給するトナーコンテナ6Yに対し、現像装置5Y、トナーコンテナ6Y、補給部7Yが設けられる。
尚、各トナーコンテナ6や各現像装置5や各補給部7は対応するトナーの色が異なるが、いずれも基本的に同様の構成である。そこで、以下の説明では、色の区別を示すBk、M、C、Yの符号は特に説明する場合を除き省略する。又、共通する部材には、共通の符号を付して説明する。
次に、図5を用いて、トナーコンテナ6の構成を説明する。各トナーコンテナ6は内部に現像装置5への補給用のトナーを収容する。そして、各トナーコンテナ6内には、トナーコンテナ6内のトナーを攪拌してほぐす攪拌部材61(補給用回転体に相当)と、回転してトナーを現像装置5に向けて送り出す補給スクリュー62(補給用回転体に相当)が設けられる。攪拌部材61には、フィルム状の樹脂(例えば、PET)などからなる可撓性の羽61aが設けられる。攪拌部材61を回転させ、羽61aによりトナーコンテナ6内のトナーを攪拌し、トナーの凝固を防ぐ。
トナーコンテナ6の下方、かつ、補給スクリュー62の下方には開口部63が設けられる。そして、開口部63の下方には現像装置5につながる補給管64が接続される。補給スクリュー62が回転することにより、開口部63からトナーが補給管64に送り出される(吐き出される)。この補給管64を介して、現像装置5にトナーが送り込まれる。
そして、各補給部7はトナーコンテナ6内の攪拌部材61や補給スクリュー62を回転させる駆動力を生じさせるブラシモーター71(DCブラシモーター)や、攪拌部材61や補給スクリュー62にブラシモーター71が生じさせた駆動力を伝達し、回転させるギア72などが設けられる。そして、補給部7には、1つブラシモーター71に対し1つ、ブラシモーター71が生じさせる駆動力により回転する回転板73(検知用回転体に相当)が取り付けられる(詳細は後述)。
そして、各色のトナーコンテナ6(各補給部7)に設けられたブラシモーター71の回転のON/OFFの制御を行うモーター制御部8(認識部に相当)が設けられる。例えば、モーター制御部8は各ブラシモーター71の回転のON/OFFを制御するコントローラー81を含む。又、例えば、モーター制御部8は各ブラシモーター71への電力供給のON/OFFを行うスイッチ部82(半導体スイッチなど)をブラシモーター71に対し1つ含む。尚、図4では、モーター制御部8は一体的に図示しているが、ブラシモーター71ごとに(色ごと、補給部7ごと)に基板を複数設けるようにして設けられてもよい(複数の基板に分割してモーター制御部8を構成してもよい)。
具体的に、モーター制御部8には、ブラックのトナーコンテナ6Bk内の攪拌部材61や補給スクリュー62を回転させるためのブラシモーター71Bkへの電力供給のON/OFFを行うスイッチ部82Bk設けられる。又、ブラックと同様に、マゼンタのブラシモーター71Mにはスイッチ部82Mが、シアンのブラシモーター71Cにはスイッチ部82Cが、イエローのブラシモーター71Yにはスイッチ部82Yが設けられ、ブラックと同様に、モーター制御部8は各色の補給スクリュー62等を回転させ得る。そして、コントローラー81は主制御部10からの指示に基づき、各スイッチ部82を制御して、各ブラシモーター71への電力供給(電圧印加)のON/OFFを行う。
各スイッチ部82には、プリンター100内に設けられる電源部10e(図3参照)からの電圧が印加される。図3に示す電源部10eは商用電源と接続され、整流や平滑化や昇降圧などを行い、各ブラシモーター71の駆動用の電圧(例えば、DC24V)や主制御部10やモーター制御部8などの基板に設けられる各種回路の駆動電圧(例えば、DC5V、3.3V、1.8Vなど)を生成する。各スイッチ部82はコントローラー81からの指示に基づき、ブラシモーター71に対する電圧の印加(電源部10eからの電力供給)のON/OFFを行う。
例えば、各現像装置5には、それぞれ、現像装置5内のトナーの量が予め定められた一定量以下となったか否かを検知するための残量検知センサー52(検知部に相当)が設けられる。図4に示すように、具体的には、ブラックの現像装置5Bkには残量検知センサー52Bkが設けられる。又、マゼンタの現像装置5Mには残量検知センサー52Mが設けられる。又、シアンの現像装置5Cには残量検知センサー52Cが設けられる。又、イエローの現像装置5Yには残量検知センサー52Yが設けられる。
各残量検知センサー52はトナーの残量を検知できるセンサーであればよい。一成分現像剤を用いる場合、各残量検知センサー52には光センサーなどが用いられる。又、二成分現像剤を用いる場合、各残量検知センサー52には磁気センサーなどが用いられる。この場合、主制御部は磁気センサーの出力に基づき、現像装置5内の現像剤中のトナーと磁性キャリアの割合を求める。そして、各残量検知センサー52の出力は主制御部10に入力される。そして、印刷によるトナー消費により、主制御部10は内部のトナーが一定量以下となった現像装置5(トナー補給が必要になった現像装置5)を認識する。
主制御部10はトナーの残量が一定量以下の現像装置5にトナーを補給するため、トナー補給が必要になった現像装置5をモーター制御部8に指示する。この指示を受け、モーター制御部8は補給が必要な現像装置5にトナーを補給するブラシモーター71を回転させる。これにより、トナーの残量が一定量以下の現像装置5に対してトナーが補給され、現像装置5内のトナー量が回復する。
(各ブラシモーター71からの駆動伝達)
次に、図6を用いて、各ブラシモーター71からトナーコンテナ6に含まれる回転体への駆動伝達の一例を説明する。図6はトナーコンテナ6の回転体への駆動伝達部分を正面左斜上方向からみた斜視図である。
図6に示すように、各ブラシモーター71は、ブラシモーター71のローターとつながり、回転するシャフト711(ウォームギア)を含む。そして、シャフト711にはギア72(ウォームホイール)が接続される。そして、図6に示すように、ギア72の歯は回転板73と接続される。ブラシモーター71を回転させることにより、シャフト711、ギア72が回転し、回転板73が回転する。
回転板73の回転軸にはジョイント部73aが設けられる。ジョイント部73aはトナーコンテナ6に設けられる駆動伝達軸(不図示)と接続される。トナーコンテナ6の駆動伝達軸からの駆動力は攪拌部材61や補給スクリュー62に伝達される。これにより、ジョイント部73a(駆動伝達軸)が回転することにより、攪拌部材61や補給スクリュー62が回転する。
(回転板73とパルス信号発生部9)
次に、図6〜図8を用いて、補給部7に含まれる回転板73とパルス信号発生部9の一例を説明する。図7は回転板73とパルス信号発生部9の一例を示す斜視図である。図8はパルス信号発生部9が出力するパルス信号の波形の一例である。
複数の歯板74が回転板73の縁部分に立つように設けられる(便宜上、図6、図7では、複数の歯板74のうち1つのみに符号を付す)。複数の歯板74と歯板74の間には、隙間が設けられる。各歯板74の大きさ、高さは等しく、また、歯板74と歯板74の間の間隔は等しくなるように、回転板73に複数の歯板74が立設される。
そして、図6、図7に示すように、パルス信号発生部9が設けられる。パルス信号発生部9は透過型の光センサー91を含む。光センサー91の発光部と受光部は歯板74を挟む。歯板74を挟む面のうち、一方には発光部が、他方には受光部が設けられる。発光部と受光部間に歯板74が存在しているとき、発光部から受光部に向けての光が歯板74に遮られ、発光部と受光部間に歯板74と歯板74の隙間が存在しているとき、受光部は発光部からの光を受光できる。
パルス信号発生部9の出力(光センサー91の受光部の出力)はモーター制御部8に入力される(図4参照)。図8に示すように、受光部の受光量の変化に応じ、パルス信号発生部9は回転板73の回転により、パルス信号を生成する。図8の例では、出力レベルがLowのとき、受光部の受光量が少ないとき(歯板74により遮光されているとき)であり、出力レベルがHighのとき、受光部の受光量が多いとき(歯板74により遮光されていないとき)である。このように、受光部は受光量(回転板73の回転状態)によって、Highレベル又はLowレベルを出力する。尚、HighとLowの論理は逆でもよい。
このパルス信号に基づき、モーター制御部8はパルス信号の周波数を認識することができる。具体的に、モーター制御部8はパルス信号のエッジ間の時間を計測する(例えば、コントローラー81に内蔵されたタイマーが計時)。そして、図8に破線で示すように、モーター制御部8はパルス信号の1つ分のパルスのエッジ間の時間(周期)の計測結果に基づいてパルス信号の周波数を求めてもよい。あるいは、図8に2点鎖線で示すように、モーター制御部8は複数個分のパルスのエッジ間の時間(周期)の計測し、1パルス分の時間の平均を求め、パルス信号の周波数を求めてもよい。
パルス信号の周波数はブラシモーター71や回転板73の回転速度と対応している。パルス信号の周波数が高いほど、ブラシモーター71の回転速度が速く(回転数が高く)、回転板73の回転速度が速い(回転数が高い)。一方、パルス信号の周波数が低いほど、ブラシモーター71の回転速度が遅く(回転数が低く)、回転板73の回転速度が遅い(回転数が低い)。
(トナーの補給の開始時点と終了時点)
次に、図4を用いて、トナーの補給を開始する時点と終了する時点を説明する。
印刷により、現像装置5内のトナーは消費される。そして、主制御部10は残量検知センサー52によりいずれかの現像装置5でトナーの残量が一定量以下となったと認識したとき、モーター制御部8は残量が一定量以下となった現像装置5へのトナー補給を開始する。
複数の現像装置5のうち、1色のみの現像装置5に対してトナー補給が行われることもあれば、複数の現像装置5に対し、トナー補給が並行して行われることもある。複数の現像装置5に対して並行してトナー補給を行うとき、同時にトナーの補給を開始することもあれば、ある現像装置5に対するトナー補給を開始した後、別の現像装置5でトナー補給が開始されることもある。
そして、トナー補給により、主制御部10は残量検知センサー52によりいずれかの現像装置5でトナーの残量が一定量に達したと認識したとき、モーター制御部8にトナー補給を完了させる現像装置5(色)を指示する。これにより、モーター制御部8は指示された現像装置5へのトナー補給を終了する。
このように、現像装置5内のトナーが一定量以下となったか否かを検知するための残量検知センサー52の出力に基づき、モーター制御部8は検知部によりトナーが一定量以下となったことが検知された現像装置5に対する補給部7のブラシモーター71をスイッチ部82に回転させてトナーの補給を行わせ、残量検知センサー52によりトナーが一定量に達したことが検知された後、現像装置5に対する補給部7のブラシモーター71をスイッチ部82に停止させてトナーの補給を終了させる。
(パルス信号の周波数に応じたブラシモーター71の回転制御)
次に、図9〜図13を用いて、パルス信号の周波数に応じたブラシモーター71の回転制御について説明する。具体的には、プリンター100から生ずる音の音量を抑えるために、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えるような速度で回転しているブラシモーター71(以下、「軽負荷モーター」と称する)への電力供給と停止の制御の一例を説明する。
図9は軽負荷モーターでは無いブラシモーター71に対する電力供給の一例を示すタイミングチャートである。図10はトナー補給のため動作させる軽負荷モーターが1つのときの軽負荷モーターに対する電力供給の一例を示すタイミングチャートである。図11は同時に動作させる軽負荷モーターが2つのときのブラシモーター71に対する電力供給の一例を示すタイミングチャートである。図12は同時に動作させる軽負荷モーターが3つのときのブラシモーター71に対する電力供給の一例を示すタイミングチャートである。図13は同時に動作させる軽負荷モーターが4つのときのブラシモーターに対する電力供給の一例を示すタイミングチャートである。
上述のように、各トナーコンテナ6に対し1つのブラシモーター71が設けられる。しかし、DCブラシモーターは一定の電圧を印加しているとき、負荷が軽くなると(トルクが小さくなると)、回転速度が速くなる(回転数が大きくなる)という特性がある。回転速度が速くなると、DCブラシモーターの駆動音は大きくなる。
トナーコンテナ6の各補給用回転体(攪拌部材61や補給スクリュー62)を回転させるとき、トナーコンテナ6内のトナー量が多いときとよりも、少ないときの方が負荷は軽くなる。そのため、トナーコンテナ6内のトナーの残量が少なくなるほど、ブラシモーター71の回転速度が速くなり駆動音が大きくなる。そのため、補給開始から完了まで残量が少なくなった複数のトナーコンテナ6に対応するブラシモーター71に電圧印加を続けると、ブラシモーター71の駆動音が大きい状態が続くことになる。
そこで、本実施形態のプリンター100では、現像装置5へのトナー補給のためブラシモーター71を回転させるとき、パルス信号発生部9からのパルス信号の周波数に基づき、ブラシモーター71への電力供給と停止を制御して、ブラシモーター71の駆動音の音量を抑える。
〈1.軽負荷モーターが無いとき〉
まず、図9を用いて、トナー補給のために回転させる複数のブラシモーター71のうち軽負荷モーターが無いときについて説明する。
まず、トナーの補給を現像装置5に対して行うとき、モーター制御部8はトナー補給を行う現像装置5に対応するブラシモーター71への電力供給をスイッチ部82に開始させる。ブラシモーター71の回転の初期段階では、モーター制御部8はスイッチ部82にブラシモーター71に対する電圧印加を続けさせる。そして、モーター制御部8はパルス信号発生部9の出力に基づき、パルス信号の周波数を認識する。更に、モーター制御部8はパルス信号発生部9が生ずるパルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えるような速度で回転しているブラシモーター71があるか否かを認識する(軽負荷モーターがあるか否かを認識する)。
ここで、予め定められた周波数はこの周波数を超えるとブラシモーター71の駆動音によって、使用者にうるさいと感じさせてしまう可能性があるとして設定された周波数である。予め定められた周波数はブラシモーター71の特性に応じて任意に定めることができる。例えば、1個あたりのブラシモーター71の最大音量として抑えるべき目標値のときのパルス信号の周波数を基準として、予め定められた周波数を設定してもよい。
トナー補給のため、1又は複数(最大4つ)のブラシモーター71に電圧印加を開始し、回転中の回転板73に基づくパルス信号のうち、全てのパルス信号の周波数が予め定められた周波数以下のとき(軽負荷モーターが1つもないとき)、トナー補給によりプリンター100から生ずる音は大きくない。
この場合、図9に示すように、モーター制御部8は補給を行う現像装置5に対応する補給部7のブラシモーター71に対して電力供給を開始し、スイッチ部82に予め定められた通常電力供給時間T0で電力供給を継続させる。ここで、通常電力供給時間T0はトナーの補給開始から終了までとしてもよい。言い換えると、モーター制御部8は軽負荷モーターではない場合、トナー補給を開始した後、残量検知センサー52に基づきトナーの残量が一定量に達したと認識されるまで、ブラシモーター71への電力供給をスイッチ部82に継続させる。
〈2.軽負荷モーターが1つのとき〉
次に、図10を用いて、トナー補給のために回転させるブラシモーター71のうち、軽負荷モーターが1つ含まれる場合を説明する。
モーター制御部8はトナー補給を行う色のブラシモーター71への電圧印加をスイッチ部82に開始させ、一定の電圧印加を継続させる(電力供給を継続させる)。そして、モーター制御部8はスイッチ部82に電力供給を継続させているブラシモーター71のうち、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えてしまうような回転速度のブラシモーター71があるか否か(軽負荷モーターがあるか否か)を認識する。
トナー補給のため1又は複数(最大4つ)のブラシモーター71に電圧印加を開始し、回転中の回転板73に基づくパルス信号のうち、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を上回るような回転速度のブラシモーター71(軽負荷モーター)に対して、そのまま電力供給を継続すると(通常電力供給時間T0で電力供給を継続すると)、ブラシモーター71の回転速度(回転数)が大きく上がり、駆動音が大きくなる可能性がある。
この場合、図10に示すように、電力供給開始から回転速度が上昇した結果、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えた軽負荷モーターに対して、モーター制御部8はトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止をスイッチ部82に繰り返させる。ここで、軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1(ON/OFFの周期)は任意に定めることができる。例えば、軽負荷モーターに対する電力供給と停止の周期T1は軽負荷モーターの回転板73の1周に要する時間や1パルス又は複数パルス分の時間とできる。
周期T1中のデューティ比(軽負荷モーターに電力を供給する時間)は確保したいトナーの補給能力(現像装置5へのトナーの単位時間あたりの送り量)との兼ね合いで任意に定めることができる(例えば、デューティ比50%程度)。又、ブラシモーター71から生ずる音を抑えることを重視してデューティ比を定めてもよい。
尚、トナー補給のため、スイッチ部82が電力を供給している複数のブラシモーター71のうち、軽負荷モーターでないブラシモーター71については、モーター制御部8は予め定められた通常電力供給時間T0でスイッチ部82に電力供給を継続させ、複数の現像装置5に対するトナー補給を並行して実行させる。
〈3.軽負荷モーターが2つのとき〉
次に、図11を用いて、トナー補給のために回転させる複数のブラシモーター71のうち、軽負荷モーターが2つ含まれる場合を説明する。
まず、モーター制御部8は軽負荷モーターが1つのとき同様に、モーター制御部8はトナー補給のため回転させたブラシモーター71のうち、軽負荷モーターがあるか否かを認識する)。
パルス信号の周波数が予め定められた周波数を上回るような回転速度のブラシモーター71(軽負荷モーター)が2つあるのに、2つの軽負荷モーターともにそのまま電力供給を継続すると(通常電力供給時間T0で電力供給を継続すると)、ブラシモーター71の回転速度(回転数)が高いブラシモーター71が2つとなり、駆動音の合計音量が大きくなる可能性がある。
この場合、図11に示すように、電力供給開始から回転速度が上昇した結果、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えた軽負荷モーターに対して、モーター制御部8はトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。具体的には、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが2つであるとき、モーター制御部8は一方の軽負荷モーターに電力供給する時間帯と他方の軽負荷モーターに電力供給する時間帯が重ならないようにして、スイッチ部82にそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。
このように、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが2つであるとき、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点と終了時点(時間帯)をずらすことにより、軽負荷モーターの駆動音の音量のピークが各軽負荷モーターで重ならないようにして、軽負荷モーターへの電力供給と停止をスイッチ部82に繰り返させる。
ここで、軽負荷モーターが1つの場合と同様に、軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1(ON/OFFの周期)は任意に定めることができる。そして、2つの軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1は同じである。例えば、軽負荷モーターに対する電力供給と停止の周期T1はいずれか一方の軽負荷モーターの回転板73の1周に要する時間や1パルス又は複数パルス分の時間とできる。言い換えると、いずれかの軽負荷モーターにより回転させられる回転板73の1周又は複数パルス分の時間の時間を基準として周期T1を定めてもよい。又、周期T1は予め定められた時間としてもよい。
又、周期T1中に、2つの軽負荷モーターに電力供給を行う累積時間(ONデューティ)は同じとする。一方で、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点をずらすようにしてスイッチ部82に電力供給を行わせる。
尚、一定のトナーの補給能力を確保するため(一定速度以上で軽負荷モーターを回転させるため)、周期T1中の電力供給を行う期間(ONデューティ)は軽負荷モーターの平均の回転速度が一定以上(パルス信号の周波数が一定以上)となる長さとなるように定めてもよい。そのため、軽負荷モーターを回転させたい平均の回転速度に応じ、図11に示すように、完全に時間帯が重ならないようにするのではなく、2つの軽負荷モーターに同時に電力供給を行う時間帯の一部が重なるようにしてもよい。但し、モーター制御部8は電力供給を開始する時点と終了する時点がずれるように、軽負荷モーターに対する電力供給をスイッチ部82に行わせる。例えば、周期的に電力供給と停止を繰り返すとしても、軽負荷モーターに対して電圧印加を続けたときの最大の回転速度の60%を確保するのであれば、例えば、デューティ比は60%程度とする。
尚、トナー補給のためスイッチ部82に電力を供給させている複数のブラシモーター71のうち、軽負荷モーターでないブラシモーター71については、モーター制御部8は予め定められた通常電力供給時間T0でスイッチ部82に電力供給を継続させ、複数の現像装置5に対するトナー補給を並行して実行させる。
〈4.軽負荷モーターが3つあるとき〉
次に、図12を用いて、トナー補給のために回転させる複数のブラシモーター71のうち、軽負荷モーターが3つ含まれる場合を説明する。
まず、モーター制御部8は軽負荷モーターが1つや2つのとき同様に、モーター制御部8はトナー補給のため回転させたブラシモーター71のうち、軽負荷モーターがあるか否かを認識する)。
パルス信号の周波数が予め定められた周波数を上回るような回転速度のブラシモーター71(軽負荷モーター)が3つあるのに、3つの軽負荷モーターともにそのまま電力供給を継続すると(通常電力供給時間T0で電力供給を継続すると)、ブラシモーター71の回転速度(回転数)が高いブラシモーター71が3つとなり、駆動音が大きくなる可能性がある。
この場合、図12に示すように、電力供給開始から回転速度が上昇した結果、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えた軽負荷モーターに対して、モーター制御部8はトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。具体的には、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが3つであるとき、モーター制御部8は1つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯と、2つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯と、3つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯とが重ならないようにして、スイッチ部82にそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。
このように、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが3つであるとき、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点と終了時点をずらすことにより、軽負荷モーターの駆動音の音量のピークが各軽負荷モーターで重ならないようにして、軽負荷モーターへの電力供給と停止をスイッチ部82に繰り返させる。
ここで、軽負荷モーターが1つや2つの場合と同様に、軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1(ON/OFFの周期)は任意に定めることができる。そして、3つの軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1は同じである。例えば、軽負荷モーターに対する電力供給と停止の周期T1はいずれかの軽負荷モーターの回転板73の1周に要する時間や1パルス又は複数パルス分の時間とできる。言い換えると、いずれかの軽負荷モーターにより回転させられる回転板73の1周又は複数パルス分の時間の時間を基準として周期T1を定めてもよい。又、周期T1は予め定められた時間としてもよい。
又、周期T1中に、電力供給を行う累積時間(ONデューティ)は3つの軽負荷モーターのそれぞれで同じとする。一方で、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点をずらすようにしてスイッチ部82に電力供給を行わせる。具体的には、軽負荷モーターが3つのとき、図12に示すように、モーター制御部8は電力供給開始時点の位相を1/3ずつずらしながら周期T1中、順番に軽負荷モーターへの電力供給をスイッチ部82に行わせる。
尚、一定のトナーの補給能力を確保するため(一定速度以上で軽負荷モーターを回転させるため)、周期T1中の電力供給を行う期間(ONデューティ)は軽負荷モーターの平均の回転速度が一定以上(パルス信号の周波数が一定以上)となる長さとなるように定めてもよい。そのため、軽負荷モーターを回転させたい平均の回転速度に応じ、図12に示すように、完全に時間帯が重ならないようにするのではなく、3つの軽負荷モーターに同時に電力供給を行う時間帯の一部が重なるようにしてもよい。但し、モーター制御部8は電力供給を開始する時点と終了する時点がずれるように、軽負荷モーターに対する電力供給をスイッチ部82に行わせる。例えば、周期的に電力供給と停止を繰り返すとしても、軽負荷モーターに対して電圧印加を続けたときの最大の回転速度の40%を確保するのであれば、1つの軽負荷モーターでのデューティ比は40%とする。
尚、トナー補給のためスイッチ部82に電力を供給させている複数のブラシモーター71のうち、軽負荷モーターでないブラシモーター71については、モーター制御部8は予め定められた通常電力供給時間T0でスイッチ部82に電力供給を継続させ、複数の現像装置5に対するトナー補給を並行して実行させる。
〈4.軽負荷モーターが4つあるとき〉
次に、図13を用いて、トナー補給のために回転させる複数のブラシモーター71が4つとも軽負荷モーターである場合を説明する。
まず、モーター制御部8は軽負荷モーターが1つや2つや3つのとき同様に、モーター制御部8はトナー補給のため回転させたブラシモーター71のうち、軽負荷モーターがあるか否かを認識する)。
パルス信号の周波数が予め定められた周波数を上回るような回転速度のブラシモーター71(軽負荷モーター)が4つあるのに、4つの軽負荷モーターともにそのまま電力供給を継続すると(通常電力供給時間T0で電力供給を継続すると)、ブラシモーター71の回転速度(回転数)が高いブラシモーター71が4つとなり、駆動音の合計音量が大きくなる可能性がある。
この場合、図13に示すように、電力供給開始から回転速度が上昇した結果、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えた軽負荷モーターに対して、モーター制御部8はトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。具体的には、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが4つであるとき、モーター制御部8は1つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯と、2つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯と、3つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯と、4つめの軽負荷モーターに電力供給する時間帯とが重ならないようにして、スイッチ部82にそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。
このように、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが4つであるとき、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点と終了時点をずらすことにより、軽負荷モーターの駆動音の音量のピークが各軽負荷モーターで重ならないようにして、軽負荷モーターへの電力供給と停止をスイッチ部82に繰り返させる。
ここで、軽負荷モーターが1つや2つや3つの場合と同様に、軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1(ON/OFFの周期)は任意に定めることができる。そして、4つの軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期T1は同じである。例えば、軽負荷モーターに対する電力供給と停止の周期T1はいずれかの軽負荷モーターの回転板73の1周に要する時間や1パルス又は複数パルス分の時間とできる。言い換えると、いずれかの軽負荷モーターにより回転させられる回転板73(例えば、ブラック)の1周又は複数パルス分の時間の時間を基準として周期T1を定めてもよい。又、周期T1は予め定められた時間としてもよい。
又、周期T1中に、電力供給を行う累積時間(ONデューティ)は4つの軽負荷モーターのそれぞれで同じとする。一方で、モーター制御部8はそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給開始時点をずらすようにしてスイッチ部82に電力供給を行わせる。具体的には、軽負荷モーターが4つのとき、図13に示すように、モーター制御部8は電力供給開始時点の位相を1/4ずつずらしながら周期T1中、順番に軽負荷モーターへの電力供給をスイッチ部82に行わせる。
尚、一定のトナーの補給能力を確保するため(一定速度以上で軽負荷モーターを回転させるため)、周期T1中の電力供給を行う期間(ONデューティ)は軽負荷モーターの平均の回転速度が一定以上(パルス信号の周波数が一定以上)となる長さとなるように定めてもよい。そのため、軽負荷モーターを回転させたい平均の回転速度に応じ、図12に示すように、完全に時間帯が重ならないようにするのではなく、3つの軽負荷モーターに同時に電力供給を行う時間帯の一部が重なるようにしてもよい。但し、モーター制御部8は電力供給を開始する時点と終了する時点がずれるように、軽負荷モーターに対する電力供給をスイッチ部82に行わせる。例えば、周期的に電力供給と停止を繰り返すとしても、軽負荷モーターに対して電圧印加を続けたときの最大の回転速度の40%を確保するのであれば、1つの軽負荷モーターでのデューティ比は40%とする。
(第1変形例)
次に、図14を用いて第1変形例を説明する。図14は第1変形例での回転板73の歯板74の並びの一例を示す説明図である。
上記実施形態では、回転板73に設ける歯板74の高さを均等とする例を説明した。本変形例では、回転板73に設ける歯板74の高さを4種類設ける。図14に示すように、最も高い歯板74はブラックに対応し、2番目に高い歯板74はマゼンタに対応し、3番目に高い歯板74はイエローに対応し、4番目に高い歯板74はシアンに対応する。尚、歯板74の高さと色の対応関係は上記の例に限られない。
例えば、受光部の前面を通過しているときの受光量は、最も低い歯板74(例えば、シアン)>3番目に高い歯板74(例えば、イエロー)>2番目に高い歯板74(例えば、マゼンタ)>最も高い歯板74(例えば、ブラック)の順となる。そのため、歯板74の高さが異なるので、パルス信号発生部9(光センサー91)が生成するパルス信号の振幅は受光部の前面を通過中の歯板74の高さに応じて異なる。
そして、モーター制御部8はパルス信号発生部9の光センサー91の出力に基づき、どの高さの歯板74が受光部の前面を通過中かを認識できる。そこで、モーター制御部8は複数の軽負荷モーターに対して電力供給を行うとき、複数の軽負荷モーターに対応するパルス信号発生部9の出力のうち、1つのパルス信号発生部9から生ずるパルス信号に着目し、パルス信号の振幅が回転させる軽負荷モーターの色の振幅になったとき、スイッチ部82に電力供給を開始させるようにしてもよい。これにより、パルス信号発生部9の出力に基づき、正確なタイミングで各軽負荷モーターへの電力供給開始タイミングをずらすことができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例を説明する。第2変形例では、回転板73を用いてパルス信号の周波数を認識し、ブラシモーター71の負荷が軽くなっているか否かを確認した。第2変形例では、回転板73を用いず、各トナーコンテナ6内のトナー量を推測して、ブラシモーター71の負荷が軽くなっているか否かを判断する。
主制御部10は各トナーコンテナ6が取り付けられてから消費されたトナー量を計算する。例えば、主制御部10は各色のトナーコンテナ6について、各ページの印刷画像(画像データ)の画像面積率(全画素に対しトナーをのせるドットの割合)を計算し、各ページのトナー消費量を演算する。更に、主制御部10は各色のトナーコンテナ6について、トナーコンテナ6が取り付けられてから現在までの各ページのトナー消費量を積算する。
又、主制御部10は満杯時のトナーコンテナ6のトナー量に対する各トナーコンテナ6の累積トナー消費量の比率を求めたり、満杯時のトナーコンテナ6のトナー量から各トナーコンテナ6の累積トナー消費量を減じて残量を求めたりして、各トナーコンテナ6のトナーの残量を推測する(求める)。
主制御部10は求めた比率が予め定められた比率以下となった色のトナーコンテナ6、あるいは、求めた残量が予め定められた量以下となった色のトナーコンテナ6を回転させるブラシモーター71が軽負荷モーターと判断する。
そして、上記の実施形態で説明したように、主制御部10の判断結果に基づき、モーター制御部8はトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(プリンター100)は、色ごとに設けられ、トナーにより感光体ドラム32に形成された静電潜像の現像を行う複数の現像装置5と、現像装置5への補給用のトナーを収容し、現像装置5に向けてトナーを送るための補給用回転体(攪拌部材61、補給スクリュー62など)を含み、1つの現像装置5に対し1つ設けられるトナー収容体(トナーコンテナ6)と、補給用回転体を回転させるためのブラシモーター71と、ブラシモーター71の駆動により回転する検知用回転体(回転板73)と、検知用回転体を読み取り検知用回転体の回転速度に応じた周期のパルスを発生させるパルス信号発生部9を含み、1つのトナー収容体に対し1つ設けられる補給部7と、パルス信号発生部9が生成するパルス信号に基づき、パルス信号の周波数を認識する認識部(モーター制御部8)と、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するとき、補給を行う現像装置5に対応する補給部7のブラシモーター71に対して電力供給を開始し、パルス信号の周波数が予め定められた周波数以下の補給部7のブラシモーター71に対しては予め定められた通常電力供給時間T0で電力供給を継続し、パルス信号の周波数が予め定められた周波数を超えた補給部7のブラシモーター71である軽負荷モーターに対してはトナーの補給開始から終了まで通常電力供給時間T0よりも電力供給を継続する時間を短くして軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返すスイッチ部82と、を含む。
これにより、トナー収容体(トナーコンテナ6)内のトナーが少なくなり、負荷が重いときよりもブラシモーター71の駆動音が大きくなっていることを認識したうえで、駆動音が大きいブラシモーター71への電力供給を継続する時間を減らしてブラシモーター71の回転速度を抑えることができる。従って、トナー補給時の画像形成装置(プリンター100)から生ずる音の音量を抑えることができる。又、負荷が軽くなっているので、電力供給時間を短くしてもブラシモーター71を十分な速さで回転させられる。又、安価なブラシモーター71を用いるので、画像形成装置の製造コストを抑えることもできる。又、パルス信号の周波数が予め定められた周波数以下である回転速度のブラシモーター71と軽負荷モーターとを同時に回転させて、複数の現像装置5に対するトナー補給が並行して実行されるので、トナー補給を速やかに行うことができる。
又、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが複数あるとき、スイッチ部82は軽負荷モーターの駆動音の音量のピークが各軽負荷モーターで重ならないようにして、軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返す。これにより、複数の軽負荷モーターの駆動音のピーク時点(最も回転速度が速くなる時点)がずれる。従って、複数の軽負荷モーターの駆動音のピーク時が重ならないので(最も駆動音が大きい状態で2つ以上の軽負荷モーターを同時に駆動させないので)、合計音量を抑えることができ、使用者にうるさいと感じさせることを避けることができる。また、各モーターの補給スタートをできるだけ早くし、軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返すので、補給をできるだけ速く完了することができる。
ここで、ブラシモーターは回転速度が速くなるほど、発生音が大きくなる。そのため、「軽負荷モーターの駆動音の音量がピーク」となるのは、電力供給開始により回転を開始したブラシモーター71(軽負荷モーター)の回転速度が安定した状態(最も回転速度が速くなっている状態)である。あるいは、軽負荷モーターの回転速度が安定した状態となる前に電力供給が終了するとき、軽負荷モーターへの電力供給が終了する時点である。
又、複数の現像装置5に対して同時にトナーを補給するときであって、軽負荷モーターが複数あるとき、スイッチ部82はそれぞれの軽負荷モーターに電力供給する時間帯が重ならないようにして、それぞれの軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返す。
この構成によれば、スイッチ部82はそれぞれの軽負荷モーターに電力供給する時間帯が重ならないようにして、スイッチ部82にそれぞれの軽負荷モーターへの電力供給と停止を繰り返させる。これにより、複数の軽負荷モーターに対して同時に電力供給がなされず、軽負荷モーターの駆動音のピーク時(最も回転速度が速くなる時))を最大限ずらすことができる。又、軽負荷モーターが多くなるほど、軽負荷モーターへの電力供給と停止の周期中での1台あたりの電圧印加時間(デューティ比)が小さくなるので、同時に回転させる複数の軽負荷モーターが多くなるに従い、軽負荷モーターの回転速度が抑えられ、常時、画像形成装置(プリンター100)から生ずる音を抑えた状態とすることができる。
又、軽負荷モーターに対する電力供給と停止の周期は軽負荷モーターを含むいずれかの補給部7の検知用回転体(回転板73)の1周に要する時間であり、1周期中、電力供給を行う累積時間は全ての軽負荷モーターで同じであり、軽負荷モーターに電力供給を開始する時点がずれている。これにより、1つの軽負荷モーターの回転を基準とし、時間的なずれを設けつつ、一定の周期でそれぞれの軽負荷モーターで電力供給と停止が繰り返されるようにすることができる。従って、複数の軽負荷モーターの駆動音のピーク時が重ならず、合計音量を抑えることができる。
又、現像装置5内のトナーが一定量以下となったか否かを検知するための検知部(残量検知センサー52)が設けられ、スイッチ部82は検知部によりトナーが一定量以下となったことが検知された現像装置5に対する補給部7のブラシモーター71を回転させてトナーの補給を行わせ、検知部によりトナーが一定量に達したことが検知された後、現像装置5に対する補給部7のブラシモーター71を停止させてトナーの補給を終了させる。これにより、印刷により、現像装置内のトナーが一定量以下となっても、それぞれの現像装置5に対して速やかにトナーが補給され、各現像装置5のトナー量が一定量を保つように維持される。
又、通常電力供給時間T0はトナーの補給開始から終了まででとする。これにより、駆動音が小さい補給部7のブラシモーター71は通常通り回転させ続けて、速やかに現像装置5へのトナー補給を終わらせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。