JP2023070804A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】二成分現像剤の劣化度合いに応じてトナーまたは現像剤の排出量を調整可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、現像装置を含む画像形成部と、現像電圧電源と、濃度検知装置と、電流検出部と、制御部と、を備える。現像装置は、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を貯留する現像容器を有し、トナーまたは現像剤を強制的に排出する強制排出動作を実行可能である。制御部は、累積印字枚数と平均印字率とに基づいて算出されるトナーの帯電量理論値と、基準画像の濃度から算出されるトナー現像量と基準画像の形成時に流れる現像電流とに基づいて算出されるトナーの帯電量推定値と、を比較し、帯電量推定値が帯電量理論値を下回るとき、強制排出動作の実行時における現像装置からのトナーまたは現像剤の排出量を増加させる。【選択図】図7
Description
本発明は、像担持体を備えた複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置に関するものである。
磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を用いた現像方式においては、印字枚数、環境(温湿度)変動、印字モード、画像上の印字率(画像形成可能な面積に対する印字される面積の割合)等の影響を受けて現像剤が劣化し、現像剤中のトナーの帯電特性が変化する。その結果、トナーが十分に帯電できなくなり、画像かぶりやトナー飛散等の問題が発生する。
従来は、現像装置内のトナーを強制的に排出し、新しいトナーを補給するトナーの入れ替えを行うことで、トナーの劣化による画像濃度の低下、画像かぶりやトナー飛散等を抑制する方法がとられていた。例えば特許文献1には、トナー帯電量を検知し、検知したトナー帯電量に基づいてトナーの強制排出を制御する画像形成装置が開示されている。
ところで、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するCASS(Carrier Auto Streaming System)を備え、余剰となった現像剤を排出することで、帯電性能の低下を抑制するようにした現像装置が提案されている。CASS方式の現像装置では、トナーと共にキャリアの入れ替えも行われる。
しかし、特許文献1の方法では、劣化したトナーを強制的に排出して新たなトナーに入れ替えることは記載されているが、キャリア度合いの劣化の検知およびキャリアの入れ替えについては何ら記載されていない。耐久印字による劣化はトナーだけでなくキャリアについても進行するため、現像性能を回復するにはキャリアの劣化度合いも考慮する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、二成分現像剤の劣化度合いに応じてトナーまたは現像剤の排出量を調整可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、像担持体と、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、を含む画像形成部と、現像電圧電源と、濃度検知装置と、電流検出部と、制御部と、を備えた画像形成装置である。像担持体は、表面に感光層が形成される。帯電装置は、像担持体を帯電させる。露光装置は、帯電装置により帯電された像担持体を露光することにより静電潜像を形成する。現像装置は、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を貯留する現像容器と、現像容器に回転可能に支持され、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、像担持体に対向配置され、現像剤を担持する現像剤担持体と、を有し、像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。現像電圧電源は、現像剤担持体に現像電圧を印加する。濃度検知装置は、現像装置により形成されたトナー像の濃度を検知する。電流検出部は、現像剤担持体に現像電圧を印加したときに像担持体と現像剤担持体との間に流れる現像電流を検出する。制御部は、画像形成部および現像電圧電源を制御する。現像装置は、現像容器内に貯留されたトナーまたは現像剤を強制的に排出する強制排出動作を実行可能である。制御部は、累積印字枚数と平均印字率とに基づいて算出されるトナーの帯電量理論値と、濃度検知装置により検知された基準画像の濃度から算出されるトナー現像量と、電流検出部によって検出された基準画像の形成時に流れる現像電流とに基づいて算出されるトナーの帯電量推定値と、を比較し、帯電量推定値が帯電量理論値を下回るとき、強制排出動作の実行時における現像装置からのトナーまたは現像剤の排出量を増加させる。
本発明の第1の構成によれば、帯電量推定値が帯電量理論値を下回る場合はトナーおよびキャリアの劣化が想定以上であると判定して現像装置内のトナーまたは現像剤の排出量を増加させ、トナーおよびキャリアの入れ替えを促進する。これにより、トナー帯電量の低下に起因する画像かぶり、トナー飛散等の不具合を効果的に抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(イエロー、シアン、マゼンタおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dが配設されており、さらにベルト駆動モーター(図示せず)により図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。さらに、トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a~1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a~1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a~1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a~1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a~1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a~1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a~1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a~3dには、それぞれイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーおよびキャリアを含む現像剤が補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a~1d上のイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等がクリーニング装置7a~7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されている。ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11と、これに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のトナー像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
さらに、中間転写ベルト8を挟んで駆動ローラー11と対向する位置には画像濃度センサー40が配置されている。画像濃度センサー40としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサーが用いられる。中間転写ベルト8上のトナー付着量を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上に形成された各基準画像に対し測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、およびベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーおよびベルト表面からの反射光には正反射光と乱反射光とが含まれる。この正反射光および乱反射光は、偏光分離プリズムで分離された後、それぞれ別個の受光素子に入射する。各受光素子は、受光した正反射光と乱反射光を光電変換して主制御部80(図4参照)に出力信号を出力する。そして、正反射光と乱反射光の出力信号の特性変化からトナー量を検知し、予め定められた基準濃度と比較して現像電圧の特性値などを調整することにより、各色について濃度補正(キャリブレーション)が行われる。
図2は、画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図である。なお、以下の説明では図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb~Pdに配置される現像装置3b~3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
図2に示すように、現像装置3aは、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)が収納される現像容器20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21および供給搬送室22には、コンテナ4a(図1参照)から供給される新たなトナーおよびキャリアを現像容器20内の現像剤と混合して攪拌し、トナーを帯電させるための攪拌搬送スクリュー25および供給搬送スクリュー26がそれぞれ回転可能に配設されている。
そして、攪拌搬送スクリュー25および供給搬送スクリュー26によって現像剤が攪拌されつつ軸方向(図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された上流側連通部20eおよび下流側連通部20f(図3参照)を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、現像剤通過路によって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
現像容器20は図2の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー26の右斜め上方には現像ローラー30が配置されている。そして、現像ローラー30の外周面の一部が現像容器20の開口部20bから露出し、感光体ドラム1aに対向している。現像ローラー30は、図2において反時計回り方向に回転する。
現像ローラー30は、図2において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された複数の磁極を有するマグネット(図示せず)とで構成されている。なお、ここでは表面がローレット加工された現像スリーブを用いているが、表面に多数の凹形状(ディンプル)を形成したものや、表面がブラスト加工された現像スリーブ、更には、ローレット加工や凹形状の形成に加えてブラスト加工を施したものや、メッキ処理を施したものを用いることもできる。
現像ローラー30には、現像電圧電源43(図4参照)により直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧が印加される。
また、現像容器20には規制ブレード27が現像ローラー30の長手方向(図2の紙面と垂直な方向)に沿って取り付けられている。規制ブレード27の先端部と現像ローラー30の表面との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
攪拌搬送室21の側面には、攪拌搬送スクリュー25と対向してトナー濃度センサー29が配置されている。トナー濃度センサー29は、現像容器20内の現像剤中のトナー濃度(現像剤中のキャリアに対するトナーの混合比率;T/C)を検知する。トナー濃度センサー29としては、例えば、現像容器20内におけるトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。トナー濃度センサー29で検知されるトナー濃度に応じてコンテナ4a(図1参照)内のトナーがキャリアと共に現像容器20内に補給される。
次に、現像装置3aの攪拌部の構成について詳細に説明する。図3は、現像装置3aの攪拌部を示す平面断面図(図2のAA′矢視断面図)である。
現像容器20には、前述のように、攪拌搬送室21と、供給搬送室22と、仕切壁20aと、上流側連通部20e、および下流側連通部20fが形成され、その他に、現像剤補給口20gと、現像剤排出部20hと、上流側壁部20iおよび下流側壁部20jとが形成されている。なお、攪拌搬送室21において、図3の左側を上流側、図3の右側を下流側とし、また、供給搬送室22において、図3の右側を上流側、図3の左側を下流側とする。従って、連通部および壁部は、供給搬送室22を基準として、上流および下流と呼称している。
仕切壁20aは、現像容器20の長手方向に延びて攪拌搬送室21と供給搬送室22を並列させるように区画している。仕切壁20aの長手方向の右側端部は、上流側壁部20iの内壁部とともに上流側連通部20eを形成し、一方、仕切壁20aの長手方向の左側端部は、下流側壁部20jの内壁部とともに下流側連通部20fを形成している。現像剤は、攪拌搬送室21、上流側連通部20e、供給搬送室22、および下流側連通部20fを順次通過して現像容器20内を循環する。
現像剤補給口20gは、現像容器20の上部に設けられたコンテナ4a(図1参照)から新たなトナーおよびキャリアを現像容器20内に補給するための開口であり、攪拌搬送室21の上流側(図3の左側)に配置される。
現像剤排出部20hは、現像剤の補給によって、攪拌搬送室21および供給搬送室22内で余剰となった現像剤を排出する部分であり、供給搬送室22の下流側で供給搬送室22の長手方向に連続して設けられる。
攪拌搬送スクリュー25は、回転軸25aと、回転軸25aの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1搬送羽根25bと、回転軸25aの軸方向に第1搬送羽根25bと同じピッチで形成される第1搬送羽根25bとは逆巻き(逆位相)の第2搬送羽根25cとを有する。また、第1搬送羽根25bおよび第2搬送羽根25cは、攪拌搬送室21の長手方向の両端部側まで延び、上流側および下流側連通部20e、20fにも対向して設けられている。回転軸25aは現像容器20の上流側壁部20iと下流側壁部20jに回転可能に軸支されている。第1搬送羽根25b、第2搬送羽根25cは合成樹脂によって回転軸25aと一体に成型される。
供給搬送スクリュー26は、回転軸26aと、回転軸26aの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1搬送羽根26bと、回転軸26aの軸方向に第1搬送羽根26bと同じピッチで形成される第1搬送羽根26bとは逆巻き(逆位相)の第2搬送羽根26cとを有する。第1搬送羽根26bは、攪拌搬送スクリュー25の第1搬送羽根25bと同じピッチで第1搬送羽根25bとは逆巻き(逆位相)である。また、第1搬送羽根26b、第2搬送羽根26cは、現像ローラー30の軸方向長さ以上の長さを有し、更に、上流側連通部20eに対向する位置まで延びて設けられている。回転軸26aは、回転軸25aと平行に配置され、現像容器20の上流側壁部20iと下流側壁部20jに回転可能に軸支されている。
また、供給搬送スクリュー26の回転軸26aには、第1搬送羽根26b、第2搬送羽根26cとともに、規制部52、排出羽根53が一体形成されている。
規制部52は、供給搬送室22内で下流側に搬送された現像剤を塞き止め、且つ、所定量以上になった現像剤を現像剤排出部20hに搬送する。規制部52は、回転軸26aに設けられる第1搬送羽根26bと逆巻き(逆位相)、且つ外径が第1搬送羽根26bと略同じであって、ピッチが第1搬送羽根26bより小さい螺旋羽根からなる。また、下流側壁部20j等の現像容器20の内壁部と規制部52の外周部との間には所定の隙間が形成されている。この隙間を介して余剰の現像剤が現像剤排出部20hに排出される。
回転軸26aは現像剤排出部20h内まで延びている。現像剤排出部20h内の回転軸26aには排出羽根53が設けられている。排出羽根53は、第1搬送羽根26bと巻き方向が同方向(同位相)の螺旋羽根からなるが、第1搬送羽根26bよりピッチおよび外径が小さくなっている。従って、回転軸26aが回転すると排出羽根53も回転し、規制部52を乗り越えて現像剤排出部20h内に搬送された余剰現像剤は、図3の左側に送られて、現像剤排出口(図示せず)から現像容器20の外部に排出される。
現像容器20の外壁には、歯車61~64が配設されている。歯車61、62は回転軸25aに固着され、歯車64は回転軸26aに固着され、歯車63は、現像容器20に回転可能に保持されて、歯車62、64に噛合している。
現像駆動モーター(図示せず)によって歯車61が回転すると、攪拌搬送スクリュー25が回転する。攪拌搬送室21内の現像剤は第1搬送羽根25bによって主搬送方向(矢印P方向)に搬送され、その後、上流側連通部20eを通って供給搬送室22内に搬送される。更に、歯車62~64を介して供給搬送スクリュー26が回転すると、供給搬送室22内の現像剤が第2搬送羽根26bによって主搬送方向(矢印Q方向)に搬送される。新たに現像剤を補給していない現像時には、現像剤はその嵩を大きく変動させながら攪拌搬送室21から上流側連通部20eを通って供給搬送室22内に搬送され、規制部52を乗り越えることなく、下流側連通部20fを通って攪拌搬送室21に搬送される。
このように現像剤は、攪拌搬送室21から、上流側連通部20e、供給搬送室22、および下流側連通部20fと循環しながら攪拌されて、攪拌された現像剤が現像ローラー30に供給される。
次に、現像剤補給口20gから現像剤が補給される場合について説明する。現像によってトナーが消費されると、コンテナ4aから現像剤補給口20gを介して攪拌搬送室21内にトナーおよびキャリアを含む現像剤が補給される。
補給された現像剤は、現像時と同様に、攪拌搬送スクリュー25によって攪拌搬送室21内を主搬送方向(矢印P方向)に搬送され、その後、上流側連通部20eを通って供給搬送室22内に搬送される。更に、供給搬送スクリュー26によって、現像剤は供給搬送室22内の現像剤を主搬送方向(矢印Q方向)に搬送される。回転軸26aの回転に伴って規制部52が回転すると、規制部52によって、主搬送方向とは逆方向の搬送力が現像剤に付与される。この規制部52によって現像剤が塞き止められて嵩高となり、余剰の現像剤(現像剤補給口20gから補給された現像剤と同量)が規制部52を乗り越えて、現像剤排出部20hを介して現像容器20の外部に排出される。
図4は、現像装置3aの制御経路を含む画像形成部Pa周辺の部分拡大図である。以下の説明では画像形成部Paの構成および現像装置3aの制御経路について説明するが、画像形成部Pb~Pdの構成および現像装置3b~3dの制御経路についても同様であるため説明を省略する。
現像ローラー30は、直流電圧と交流電圧が重畳された振動電圧を生成する現像電圧電源43に接続されている。現像電圧電源43は、交流定電圧電源43aと、直流定電圧電源43bとを備える。交流定電圧電源43aは、昇圧トランス(図示せず)を用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を出力する。直流定電圧電源43bは、昇圧トランスを用いてパルス状に変調した低圧直流電圧から発生させた正弦波の交流電圧を整流した直流電圧を出力する。
現像電圧電源43は、画像形成時には交流定電圧電源43aおよび直流定電圧電源43bから直流電圧に交流電圧を重畳させた現像電圧を出力する。電流検出部44は、現像ローラー30と感光体ドラム1aの間に流れる直流電流値を検出する。
帯電電圧電源45は、帯電装置2aの帯電ローラー34に直流電圧に交流電圧が重畳された帯電電圧を印加する。帯電電圧電源45の構成は現像電圧電源43と同様である。転写電圧電源47は、一次転写ローラー6a~6d、二次転写ローラー9(図1参照)に、それぞれトナーと逆極性(負極性)の一次転写電圧、二次転写電圧を印加する。
クリーニング装置7aは、感光体ドラム1a表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード32と、感光体ドラム1a表面の残留トナーを除去するとともに感光体ドラム1a表面を摺擦して研磨する摺擦ローラー33と、クリーニングブレード32および摺擦ローラー33によって感光体ドラム1aから除去された残留トナーをクリーニング装置7aの外部に排出する搬送スパイラル35と、を含む。
次に、画像形成装置100の制御システムについて図4を参照して説明する。画像形成装置100には、CPU等で構成される主制御部80が設けられている。主制御部80は、ROMやRAM等からなる記憶部70に接続される。主制御部80は、記憶部70に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて画像形成装置100の各部(帯電装置2a~2d、現像装置3a~3d、露光装置5、一次転写ローラー6a~6d、クリーニング装置7a~7d、二次転写ローラー9、定着部13、現像電圧電源43、電流検出部44、帯電電圧電源45、転写電圧電源47、電圧制御部50等)を制御する。
電圧制御部50は、現像ローラー30に現像電圧を印加する現像電圧電源43、帯電ローラー34に帯電電圧を印加する帯電電圧電源45、一次転写ローラー6a~6dおよび二次転写ローラー9に転写電圧を印加する転写電圧電源47を制御する。なお、電圧制御部50は、記憶部70に記憶される制御プログラムで構成されていてもよい。
主制御部80には液晶表示部90、送受信部91が接続されている。液晶表示部90は、ユーザーが画像形成装置100の各種設定を行うためのタッチパネルとして機能するとともに、画像形成装置100の状態、画像形成状況や印字枚数等を表示する。送受信部91は、電話回線やインターネット回線を用いて外部との通信を行う。
前述したように、現像装置3a~3d内の現像剤が劣化すると、現像剤中のトナーの帯電能力およびトナーに対するキャリアの帯電付与能力が低下する。その結果、画像かぶりやトナー飛散等の問題が発生する。本実施形態の画像形成装置100では、画像形成装置100の使用状況から想定される現像剤中のトナー帯電量の理論値(帯電量理論値)と、実際のトナー帯電量の推定値(帯電量推定値)とを算出する。そして、算出された帯電量理論値と帯電量推定値に基づいて現像剤の劣化度合いを判定し、現像装置3a~3dにおけるトナーまたは現像剤の排出量を制御する。以下、本発明の特徴部分である帯電量理論値、帯電量推定値の算出方法、およびそれに基づくトナーまたは現像剤の排出量制御について説明する。
(帯電量理論値の算出)
トナーに対するキャリアの帯電付与能力は、現像容器20内におけるキャリアの滞留時間によって変化する。即ち、キャリアの滞留時間が長くなるほどキャリアの劣化が進行し、帯電付与能力が低下する。そこで、キャリアの帯電付与能力は、現像容器20内におけるキャリアの滞留時間から算出することができる。キャリアの滞留時間は累積印字枚数が増加するほど長くなる。
トナーに対するキャリアの帯電付与能力は、現像容器20内におけるキャリアの滞留時間によって変化する。即ち、キャリアの滞留時間が長くなるほどキャリアの劣化が進行し、帯電付与能力が低下する。そこで、キャリアの帯電付与能力は、現像容器20内におけるキャリアの滞留時間から算出することができる。キャリアの滞留時間は累積印字枚数が増加するほど長くなる。
コンテナ4a~4dにトナーおよびキャリアを含む現像剤を貯留し、トナーの消費に応じて現像装置3a~3dにキャリアを含むトナーを供給するとともに余剰の現像剤を排出するCASS方式においては、キャリアの滞留時間はキャリアの混入率(補給量)によって変化する。キャリアの補給量はトナーの消費量(画像の印字率)によって変化するため、所定の印字枚数におけるキャリアの帯電付与能力は平均印字率によって異なる。
図5は、平均印字率を変化させたときの印字枚数とキャリアの帯電付与能力との関係を示すグラフである。図5の横軸は累積印字枚数、縦軸は未使用キャリアに対する帯電付与能力の割合[%]を示す。また、図5および後述する図6では、平均印字率が0%、1%、3%、5%、10%、20%の場合の帯電付与能力、帯電能力の推移を、それぞれ○、●、△、▲、◇、◆のデータ系列で示す。
平均印字率の算出は、先ず送受信部91において受信した画像データに基づいて画像毎の印字率Pを算出する。算出された印字率Pは記憶部70に記憶される。そして、画像毎の印字率を加算した累積印字率ΣPを印字枚数で除算して平均印字率を算出する。
キャリアの帯電付与能力の算出方法は、累積印字枚数が所定枚数に到達する毎に現像装置3a~3d内の現像剤をサンプリングし、現像剤中のキャリアのみを分離する。そして、分離したキャリアと新たなトナーとを混合、攪拌したときのトナー帯電量を測定し、未使用キャリアを用いた場合のトナー帯電量と比較して帯電付与能力を算出する。
図5に示すように、キャリアの帯電付与能力は印字枚数が増加するにつれて低下することがわかる。また、同一の印字枚数で比較すると、平均印字率が低くなるほど帯電付与能力の低下が顕著となる。即ち、現像装置3a~3d内のキャリアの滞留時間が長くなるほど帯電付与能力が低下する。
また、現像装置3a~3d内のトナーの滞留時間が長くなるほどトナーの劣化が進行し、帯電能力が低下する。そこで、トナーの帯電付与能力についても、現像容器20内におけるトナーの滞留時間から算出することができる。トナーの滞留時間は累積印字枚数が増加するほど長くなる。また、トナーの滞留時間はトナー補給量によって変化し、トナー補給量は画像の印字率によって変化するため、所定の印字枚数におけるトナーの帯電能力は平均印字率によって異なる。
図6は、平均印字率を変化させたときの印字枚数とトナーの帯電能力との関係を示すグラフである。図6の横軸は累積印字枚数、縦軸は未使用トナーに対する帯電能力の割合[%]を示す。図6に示すように、トナーの帯電能力は印字枚数が増加するにつれて低下することがわかる。また、同一の印字枚数で比較すると、平均印字率が低くなるほど帯電能力の低下が顕著となる。なお、トナーの帯電能力はトナー外添剤の剥離等によって50%付近まで低下した後は一定となる。
このように、累積印字枚数および平均印字率に基づいてキャリアの帯電付与能力およびトナーの帯電能力が算出されるため、トナーの初期帯電量に、キャリアの帯電付与能力およびトナーの帯電能力の減少率を乗算して、或る累積印字枚数での帯電量理論値を算出することができる。例えば、平均印字率10%の場合、図5から累積印字枚数80k枚でのキャリアの帯電付与能力が81%、図6からトナーの帯電能力が72%であるため、トナーの初期帯電量を40[μC/g]とすると、帯電量理論値は40×0.81×0.72≒23[μC/g]と算出される。
図5に示したキャリアの帯電付与能力の変化曲線、および図6に示したトナーの帯電能力の変化曲線は、予め画像形成装置100の製造時に実験やシミュレーションによって求めておき、記憶部70に記憶してもよいし、画像形成装置100の実使用時における印字評価によって求めてもよい。
(帯電量推定値の算出)
帯電量推定値の算出方法としては、例えば感光体ドラム1a~1d上に画像濃度(印字率)の異なる複数の測定パターン(基準画像)を形成し、各測定パターンの形成時に感光体ドラム1a~1dと現像ローラー30との間に流れる現像電流を電流検出部44によって検知する。
帯電量推定値の算出方法としては、例えば感光体ドラム1a~1d上に画像濃度(印字率)の異なる複数の測定パターン(基準画像)を形成し、各測定パターンの形成時に感光体ドラム1a~1dと現像ローラー30との間に流れる現像電流を電流検出部44によって検知する。
次に、各測定パターンを中間転写ベルト8上に転写し、転写された各測定パターンの画像濃度を画像濃度センサー40により検知する。そして、現像電流に基づいて算出されるトナー像の総電荷量と、画像濃度から得られる測定パターンのトナー現像量(トナー重量)とに基づいて帯電量推定値を算出する。
なお、トナー現像量の算出精度を高めるために、測定パターンの形成回数(n数)を増加させるか、或いは測定パターンの濃度を複数段階に変化させることが好ましい。測定パターンの濃度を変化させる際は、露光装置5によって感光体ドラム1a~1dの表面を全面露光するとともに、感光体ドラム1a~1dの表面電位V0と現像ローラー30に印加される現像電圧(直流電圧)Vdcとの電位差V0-Vdcを一定に維持してV0およびVdcを変更することが好ましい。
これにより、測定パターンの端部(エッジ部)におけるキャリア現像を抑制できる。また、印字率を変化させてドット状の画像を形成する場合はドット周縁部に濃度の高い部分が生じるが、露光装置5によって全面露光することでドット周縁部の濃度の高い部分がなくなるため、測定パターンの濃度をトナー現像量に換算する際の誤差を小さくすることができる。
なお、トナー帯電量の測定方法は上述した方法に限らず、同一の測定パターンの静電潜像を現像電圧の交流成分の周波数を切り替えてトナー像に現像して2種類の測定パターンを形成し、各測定パターンのトナー現像量差(濃度差)と各測定パターンの形成時に流れる現像電流の差との関係に基づいてトナー帯電量を測定する方法を用いることもできる。
(トナーまたは現像剤の排出量制御)
以上のようにして算出された帯電量理論値、帯電量推定値に基づいてトナーまたは現像剤の排出量を制御することにより、トナー帯電量の低下が著しい場合はトナーまたは現像剤を強制排出して、現像装置3a~3d内のトナーおよびキャリアを積極的に入れ替えることができる。これにより、トナーおよびキャリアの劣化によるトナー帯電量の低下を抑制することができ、画像かぶりやトナー飛散等を効果的に抑制することができる。
以上のようにして算出された帯電量理論値、帯電量推定値に基づいてトナーまたは現像剤の排出量を制御することにより、トナー帯電量の低下が著しい場合はトナーまたは現像剤を強制排出して、現像装置3a~3d内のトナーおよびキャリアを積極的に入れ替えることができる。これにより、トナーおよびキャリアの劣化によるトナー帯電量の低下を抑制することができ、画像かぶりやトナー飛散等を効果的に抑制することができる。
現像剤を強制排出する方法としては、非画像形成時に攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を逆回転させるか、或いは回転速度を速くする現像剤強制排出動作が挙げられる。
攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を逆回転させると、規制部52の螺旋羽根が逆回転して排出方向の搬送力を発生させる。このとき、排出羽根53も逆回転し、排出方向と逆方向の搬送力を発生させるが、排出羽根53の搬送力は規制部52の螺旋羽根よりも小さいため、規制部52に存在する現像剤が現像剤排出部20hに搬送される。その結果、現像剤を強制排出させることができる。なお、規制部52に存在する現像剤のみでは排出量が不十分である場合は、攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26の逆回転および正回転を複数回繰り返すことで排出量を調整することができる。
攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を高速回転させると、供給搬送室22から規制部52および下流側連通部20fへ移動する現像剤面の波立ち(変動)が大きくなり、円板55および規制部52を乗り越えて排出羽根53に搬送される現像剤量が多くなる。その結果、現像剤を強制排出させることができる。現像剤の排出量は、攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を高速回転させる時間によって調整することができる。
攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を逆回転させる方法では、規制部52に存在する現像剤のみが現像剤排出部20hから排出されるため、攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を高速回転させる方法に比べて現像剤の排出量を精度よく管理することができる。
上述した現像剤強制排出動作を現像剤の補給前に実行することにより、現像容器20内の現像剤の嵩が低下するため、補給可能な現像剤量が増加する。従って、現像容器20内のトナーおよびキャリアの入れ替え効率を高めることができる。
トナーを強制排出する方法としては、非画像形成時に現像装置3a~3dの現像ローラー30上のトナーを感光体ドラム1a~1d側に移動させるトナー強制排出動作が挙げられる。
具体的には、感光体ドラム1a~1dの表面をトナーと同極性(正)に一様に帯電させる。これと同時に現像ローラー30にトナーと同極性(正)の現像電圧を印加する。次に、露光装置5による光照射(露光)によって、感光体ドラム1a~1dの表面の帯電を部分的に減衰させる。
この露光領域(帯電減衰領域)が感光体ドラム1a~1dの回転により現像ローラー30に対向する位置に来ると、現像ローラー30上のトナーは現像電圧に反発して露光領域に付着する。これにより、感光体ドラム1a~1d上にトナー像が形成される。
感光体ドラム1a~1dに吐出されるトナー像の形状(トナー吐出パターン)は、特に限定するものでないが、例えば、感光体ドラム1a~1dの周方向に所定の幅を有する帯状に供給される。トナー吐出量は、トナー像の周方向長さによって調整可能である。
トナー強制排出動作を実行することにより、現像容器20内のトナー量(トナー濃度)が減少する。その結果、トナー濃度センサー29(図3参照)により検知されたトナー濃度に応じてコンテナ4a(図1参照)内のトナーがキャリアと共に現像容器20内に補給される。従って、現像容器20内のトナーおよびキャリアの入れ替え効率を高めることができる。
なお、上述した帯電量理論値と帯電量推定値の算出タイミングは、所定の印字枚数(例えば1k~数k枚)に到達する毎に算出すればよい。また、画像形成装置100の設置環境(温湿度)の変化が大きい場合は算出頻度を高くしてもよい。
図7は、本発明の画像形成装置100における現像装置3a~3dからの現像剤の排出制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1~図6を参照しながら、図7のステップに沿って現像剤の排出量の制御手順について説明する。
先ず、主制御部80は印字命令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。印字命令を受信した場合は(ステップS1でYes)通常の画像形成動作によって印字を実行する(ステップS2)。印字命令が送信されない場合は(ステップS1でNo)、主制御部80はトナー帯電量の算出タイミングであるか否かを判定する(ステップS3)。トナー帯電量の算出タイミングとしては、例えば前回の算出時からの累積印字枚数が所定枚数(1k~数k枚)以上となっている場合等が挙げられる。
トナー帯電量の算出タイミングである場合は(ステップS3でYes)、累積印字枚数と平均印字率とに基づいて帯電量理論値Csを算出する(ステップS4)。具体的には、図5および図6に示したキャリアの帯電付与能力、トナーの帯電能力と累積印字枚数、平均印字率との関係を用いて、現時点の累積印字枚数での帯電量理論値Csを算出する。
また、帯電量理論値Csと共に帯電量推定値Cpを算出する(ステップS5)。具体的には、帯電装置2a~2dにより感光体ドラム1a~1dの表面を帯電させた後、露光装置5によって感光体ドラム1a~1d上に測定パターンの静電潜像を形成する。そして、現像電圧電源43によって現像ローラー30に現像電圧を印加して静電潜像をトナー像に現像することにより、感光体ドラム1a~1d上に測定パターンを形成するとともに、電流検出部44によって感光体ドラム1a~1dと現像ローラー30との間に流れる現像電流を検出する。
次に、一次転写ローラー6a~6dに所定の一次転写電圧を印加して基準画像を中間転写ベルト8上に転写する。そして、画像濃度センサー40により各基準画像の濃度を検出する。主制御部80は、検出された基準画像の濃度に基づいてトナー現像量を算出し、現像電流に基づいて算出されるトナー像の総電荷量とトナー現像量とを用いて帯電量推定値Cpを算出する。
次に、主制御部80は帯電量推定値Cpが帯電量理論値Csを下回っているか否かを判定する(ステップS6)。Cs>Cpである場合は(ステップS6でYes)、現像剤の劣化が想定以上に進んでいるため、コンテナ4a~4dから現像装置3a~3dに新たなトナーおよびキャリアを補給して現像剤の入れ替わりを促進することで、現像性能を回復させる必要がある。
そこで、現像装置3a~3dからの現像剤の強制排出を実行する(ステップS7)。具体的には、例えばトナーおよびキャリアの補給前に、攪拌搬送スクリュー25、供給搬送スクリュー26を逆回転させるか、或いは回転速度を速くする現像剤強制排出動作を実行する。
一方、Cs≦Cpである場合は(ステップS6でNo)、現像剤の劣化は想定よりも進んでいないため、現像剤の強制排出を実行せずに処理を終了する。
図7に示した制御例によれば、帯電量推定値Cpが帯電量理論値Csを下回る場合はトナーおよびキャリアの劣化が想定以上であると判定して現像剤強制排出動作を実行し、現像装置3a~3d内の現像剤の排出量を増加させてトナーおよびキャリアの入れ替えを促進する。これにより、トナー帯電量の低下に起因する画像かぶり、トナー飛散等の不具合を効果的に抑制することができる。
なお、図7に示した制御例では、Cs>Cpである場合に現像剤強制排出動作を実行しているが、現像剤強制排出動作に代えてトナー強制排出動作を実行してもよい。さらに、平均印字率が所定の閾値よりも低いとき、現像装置3a~3d内のトナー残量が、平均印字率が閾値であるときのトナー残量となるまでトナー強制排出動作を実行する制御を採用している場合は、平均印字率の閾値を大きくすることでトナーの排出量を増やすことも可能である。
また、帯電量理論値Csと帯電量推定値Cpとの差分Cs-Cpが大きいほど、現像容器20内の現像剤の劣化が進行していると推定できる。そこで、Cs-Cpが大きいほどトナーまたは現像剤の排出量を増加させて現像剤の入れ替えを促進することが望ましい。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明は図2に示したような現像ローラー30を備えた現像装置に限定されるものではなく、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いる種々の現像装置に適用可能である。例えば、外周面に現像剤を担持する磁気ローラー(トナー供給ローラー)を備え、磁気ローラーに担持された現像剤中のトナーのみを現像ローラー30に供給することにより現像ローラー30の外周面にトナー層を形成して感光体ドラム1a~1dの静電潜像を現像する現像装置にも全く同様に適用可能である。
また、上記実施形態では、現像剤補給口20gと、余剰の現像剤が排出される現像剤排出部20hとを備え、現像剤補給口20gから補給された新たな現像剤と同量の現像剤が現像剤排出部20hから排出されるCASS方式の現像装置3a~3dについて説明したが、CASS方式以外の現像装置についても同様に本発明を適用可能である。CASS方式以外の現像装置では、現像ローラー上のトナーを感光体ドラム側に移動させるトナー強制排出動作を行うか、或いは現像容器に現像剤の補給量に関係なく現像剤を強制排出する排出口を設ける等してトナーまたは現像剤の強制排出動作を行うことができる。
また、上記実施形態では、画像形成装置100として図1に示したようなカラープリンターを例に挙げて説明したが、カラープリンターに限らず、モノクロおよびカラー複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
本発明は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いる画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、現像剤の劣化度合いに応じてトナーまたは現像剤の排出量を調整可能な画像形成装置を提供することができる。
1a~1d 感光体ドラム(像担持体)
2a~2d 帯電装置
3a~3d 現像装置
5 露光装置
20 現像容器
20g 現像剤補給口
20h 現像剤排出部
25 攪拌搬送スクリュー(搬送部材)
26 供給搬送スクリュー(搬送部材)
30 現像ローラー(現像剤担持体)
40 画像濃度センサー(濃度検知装置)
43 現像電圧電源
44 電流検出部
50 電圧制御部
70 記憶部
80 主制御部(制御部)
100 画像形成装置
2a~2d 帯電装置
3a~3d 現像装置
5 露光装置
20 現像容器
20g 現像剤補給口
20h 現像剤排出部
25 攪拌搬送スクリュー(搬送部材)
26 供給搬送スクリュー(搬送部材)
30 現像ローラー(現像剤担持体)
40 画像濃度センサー(濃度検知装置)
43 現像電圧電源
44 電流検出部
50 電圧制御部
70 記憶部
80 主制御部(制御部)
100 画像形成装置
Claims (8)
- 表面に感光層が形成された像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置により帯電された前記像担持体を露光することにより静電潜像を形成する露光装置と、
磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を貯留する現像容器と、前記現像容器に回転可能に支持され、前記現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材と、前記像担持体に対向配置され、前記現像剤を担持する現像剤担持体と、を有し、前記像担持体に形成された前記静電潜像に前記トナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、
を含む画像形成部と、
前記現像剤担持体に現像電圧を印加する現像電圧電源と、
前記現像装置により形成された前記トナー像の濃度を検知する濃度検知装置と、
前記現像剤担持体に前記現像電圧を印加したときに前記像担持体と前記現像剤担持体との間に流れる現像電流を検出する電流検出部と、
前記画像形成部および前記現像電圧電源を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置において、
前記現像装置は、前記現像容器内に貯留された前記トナーまたは前記現像剤を強制的に排出する強制排出動作を実行可能であり、
前記制御部は、
累積印字枚数と平均印字率とに基づいて算出される前記トナーの帯電量理論値と、前記濃度検知装置により検知された基準画像の濃度から算出されるトナー現像量と、前記電流検出部によって検出された前記基準画像の形成時に流れる前記現像電流とに基づいて算出される前記トナーの帯電量推定値と、を比較し、
前記帯電量推定値が前記帯電量理論値を下回るとき、前記強制排出動作の実行時における前記現像装置からの前記トナーまたは前記現像剤の排出量を増加させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記帯電量理論値と前記帯電量推定値の差分が大きくなるほど前記トナーまたは前記現像剤の排出量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記強制排出動作として、非画像形成時に前記搬送部材の回転速度を増加させるか、或いは前記搬送部材を逆回転させて前記現像剤を強制排出する現像剤強制排出動作を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記強制排出動作として、非画像形成時に前記現像剤担持体から前記像担持体へトナーを強制吐出するトナー強制排出動作を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記平均印字率が所定の閾値よりも低いとき、前記現像装置内のトナー残量が、前記平均印字率が前記閾値であるときの前記トナー残量となるまで前記トナー強制排出動作を実行し、
前記帯電量推定値が前記帯電量理論値を下回るとき、前記閾値を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記累積印字枚数と前記平均印字率に基づいて決定される前記キャリアの帯電付与能力および前記トナーの帯電能力を用いて前記帯電量理論値を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記トナーの初期帯電量に、前記キャリアの帯電付与能力および前記トナーの帯電能力の減少率を乗算して前記帯電量理論値を算出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記現像装置は、前記現像容器に前記現像剤を補給する現像剤補給口と、前記現像容器内の余剰の前記現像剤が排出される現像剤排出部と、を有し、
前記強制排出動作を実行しない場合、前記現像剤補給口から補給された前記現像剤と同量の前記現像剤が前記現像剤排出部から排出されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
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JP2021183149A JP2023070804A (ja) | 2021-11-10 | 2021-11-10 | 画像形成装置 |
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JP2023070804A true JP2023070804A (ja) | 2023-05-22 |
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ID=86395390
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2021
- 2021-11-10 JP JP2021183149A patent/JP2023070804A/ja active Pending
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