JP2014081528A - 保護層形成用組成物及びそれを用いた平版印刷版原版 - Google Patents

保護層形成用組成物及びそれを用いた平版印刷版原版 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、赤外線領域において高感度、高解像度で紫外・可視光領域でのセーフライト性に優れ、平版印刷版原版同士の耐傷性に優れたサーマルネガ版用平版印刷版原版を提供することである。
【解決手段】 ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと、アセチレングリコール系界面活性剤と、平均粒径0.05μm〜0.50μmの有機樹脂微粒子とを含有する平版印刷版原版の保護層形成用組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は保護層形成用組成物及びそれを用いた平版印刷版用原版に関するものであり、特にコンピュータなどのデジタル信号から直接製版できる、いわゆるダイレクト製版用のネガ型の平版印刷版原版に関するものである。
従来、平版印刷版原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するものが広く用いられている。その製版方法として通常はリスフィルムを介してマスク露光後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得る方法が用いられていた。
最近では、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理、蓄積、出力するデジタル化技術が広く普及している。そして、そのようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用化されるようになって来た。その結果レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフィルムを介することなく直接印刷版を製造するコンピューター・トゥ・プレート(CTP)技術が切望されており、これに適した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版原版としては、親水性支持体上にレーザー露光によりラジカル等の活性種を発生しうる感光性組成物を含有した感光層を設けた構成が提案され、上市されている。この平版印刷版原版をデジタル情報に基づきレーザー走査露光し活性種を発生させ、その作用によって感光層を物理的又は化学的な変化を起こし不溶化させ、引き続き現像処理することによってネガ型の平版印刷版原版を得ることができる。
感光層上に水溶性ポリマーを積層する平版印刷版原版の例としては、特許文献1が知られている。しかしながら特許文献1に記載されている保護層を用いた平版印刷版は、レーザー露光の後、水洗槽にて保護層を水洗して除去し、その後現像するため、水洗槽からの多量の廃液を回収しなければならず、環境対応の側面からも早期改良が必要であった。また、特許文献2には、特定ポリビニルアルコール樹脂に雲母化合物を含有する保護層が開示されている。この文献に記載されている特定高ケン化度ポリビニルアルコールは、高い酸素遮断性を示すため高感度になり光被りしやすくなるばかりでなく、水に対する溶解性も悪い。その為水洗槽内、又は現像槽内でのポリビニルアルコールの析出があり運用上問題がある。また、雲母化合物は紫外線カット効果はあるものの、水難溶性の無機化合物のため現像槽内に滞留し配管清掃に大きな負担を要した。
一方、現像処理が簡便である光重合型の平版版印刷版原版の製版作業における生産性としては、露光工程に掛かる時間短縮が重要となってくる。露光工程には、通常、原版と原版の間に原版同士の接着防止機能や、比較的軟らかい保護層の表面がアルミニウムの支持体と擦れて生じる傷防止機能を有する合紙が挿入されている積層体が供給される。その為露光工程での合紙除去時間が非効率の原因となっていた。この露光工程での効率化を図るためには、原版間に合紙を挿入しない積層体を用いることで、合紙除去の工程を省略すればよい。このことから平版印刷版原版同士の耐接着性と保護層表面がアルミニウム支持体と擦れて生じる傷についての改良が望まれていた。
特許文献3には、マット剤を保護層表面上に表面局在化させることで、マット剤がスペーサーとして機能し、上に重ねられる版との密着を防ぐ剥離性を与えることが記載されている。これにより、傷対策として重ねられるアルミ板裏面と保護層との直接接触を減らし傷の可能性を低減させている。
なお、紙コート材用の樹脂組成物として、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケン化物に、一官能ヒドラジン系化合物を配合させることや、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケン化物に、多官能ヒドラジド化合物及びマレイン酸共重合体を配合させることが報告されている。(特許文献4及び5)。
特開平11−38633号公報 特開2006−301565号公報 特開2011−215476号公報 特開2002−146141号公報 特開2003−313383号公報
本発明の目的は、赤外線領域において高感度、高解像度で紫外・可視光領域でのセーフライト性に優れ、平版印刷版原版の耐傷性に優れたサーマルネガ版用平版印刷版原版を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、感光層を保護するための保護層を以下の組成とすることにより、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと、下記一般式(I)
Figure 2014081528
(式中、R、R、R、及びRは、独立して炭素原子数1〜5のアルキル基であり、p及びqは同一であっても異なっていてもよい1〜3の整数であり、m及びnは同一であっても異なっていてもよい0又は正の整数であり、m+nは0〜60である)
で表されるアセチレングリコール系界面活性剤と、平均粒径0.05〜0.50μmの有機樹脂微粒子を含有する平版印刷版原版の保護層形成用組成物を提供する。
本発明は、その一形態において、更に水素添加レシチンを含有する保護層形成用組成物を提供する。
本発明は、別の側面で、支持体と、赤外線吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性開始剤、及び重合性化合物を少なくとも含有する画像形成用組成物を用いて形成された感光層と、前記感光層上に前記保護層形成用組成物を用いて形成された保護層とを備えるネガ型平版印刷版原版を提供する。
本発明によれば、赤外線領域において高感度、高解像度で紫外・可視光領域でのセーフライト性に優れ、平版印刷版原版同士の耐傷性に優れたサーマルネガ版用平版印刷版原版を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではない。
[保護層形成用組成物]
本発明に係る保護層形成用組成物は、平版印刷版の感光層を保護する保護層を形成するための組成物である。該保護層形成用組成物は、ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと、上記一般式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤と、平均粒径0.05μm〜0.50μmの有機樹脂微粒子とを含有する。
(1)ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコール
ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールは、ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%を含有するものであれば特に限定しないが、好ましくは0.1〜15mol%のジアセトンアクリルアミドと、85〜99.9mol%の脂肪酸ビニルエステルを重合させて共重合体をケン化したものである。ジアセトンアクリルアミド単位は、ジアセトンアクリルアミドモノマーに由来する共重合体中の繰り返し単位である。共重合体の好ましいケン化度は、85.0〜99mol%である。ケン化度は、JIS K 6726のポリビニルアルコール試験方法に準拠して測定される。脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、ピバリン酸等のビニルエステルが挙げられ、好ましくは酢酸ビニルである。脂肪酸ビニルエステル単位の一部を、例えば0.1〜20mol%の範囲で、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸又はそのエステル、塩、無水物、アミドもしくはニトリル類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類などのほかのモノマーで置き換えても良い。
ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールの製造方法は、例えば、酢酸ビニルとジアセトンアクリルアミドとを共重合して得た重合体をケン化するなどの公知の方法を用いることができる(特許文献4、特許文献5)。
ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールの粘度は、20℃で4質量%水溶液にて、好ましくは25〜150mPa・s、より好ましくは25〜60mPa・sである。粘度の測定は、B型粘度計(東機産業社製RB−80L)による。
ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールの含有量は、保護層形成用組成物中の固体成分中、即ち形成される保護層中に70〜95質量%であることが好ましい。70質量%以上とすることにより、感度、耐水性、耐傷性をより向上することができる。
(2)アセチレングリコール系界面活性剤
保護層形成用組成物は、下記一般式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤も含む。下記一般式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を含むことによって保護層塗布性能を向上し安定した膜厚を形成できる。また、ジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと互いに水素結合し、強靭な膜形成をすると考えられる。
Figure 2014081528
ここで、R及びRは、独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、好ましくは炭素原子数2〜5のアルキル基、特に好ましくはイソアミル基である。R及びRは、独立して炭素原子数1〜5のアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
pとqは、同一であっても異なっていてもよい1〜3の整数であり、好ましくは2〜3の整数であり、特に好ましくは2である。すなわち、アセチレングリコール系界面活性剤の合成のためにアセチレングリコールに付加するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが好ましく、特に好ましくはエチレンオキサイドである。
m及びnは同一であっても異なっていてもよい0又は正の整数であり、m+nは0〜60、好ましくは0〜30、更に好ましくは2〜20である。
一般式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤及びこれらを含有する界面活性剤は、例えば、日信化学工業社より市販されているオルフィンシリーズなどを挙げることができる。例えば、E.1004(式(1)においてR=R=イソブチル、R=R=メチル、p=q=2、m+n=3.5)、E.1010(m+n=10以外はE.1004と同じ)、PD−001、PD−002W、PD−004、PD−005、EXP.4001、EXP.4200、EXP.4123、WE−003、SPC、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、PD−003、PD−201、PD−301、B、P、A等の商品名にて市販されている。
一般式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、保護層中(保護層形成用組成物の固体成分量中)に好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.1〜5.0質量%である。
(3)有機樹脂微粒子
保護層形成用組成物は有機樹脂微粒子を含有する。有機樹脂微粒子の大きさは、保護層の膜厚よりも小さいものを用いる。すなわち、有機樹脂微粒子の平均粒子径は、0.05μm〜0.50μmであり、0.1μm〜0.40μmであることが好ましい。平均粒子径を0.05μm〜0.50μmとすることにより、膜層内に多量に均一に分散させ保護層そのものの強度を向上させるという効果がある。有機樹脂微粒子の平均粒子径が保護層の膜厚を超える場合、重ねて保管される板同士が張り付いたりせず、容易に剥離させるための微小な隙間を与えるスペーサーとして機能し、枚葉剥離性を向上する効果はあるものの、膜強化の効果は大きくない。微粒子径の分布は単分散でも多分散でもよいが、単分散がより好ましい。平均粒径は、粒度分布測定装置(コールター・カウンター)の測定に基づく。
有機樹脂微粒子は平版印刷版原版の積載時における保護層表面と平版印刷版原版のアルミニウム支持体の裏面との擦り傷を抑制するマット剤としても機能し得る。このようなマット剤として働く微粒子に望まれる基本的特性は、露光に用いる光の透過は阻害せず、空気中の湿度や温度によって軟化したりべとついたりする事が無く、保護層表面に適当な凹凸を付与し接着表面積を減少させるものが好ましい。またより良好な擦り傷抑制性の観点から有機樹脂微粒子は比較的柔らかく弾性があり、硬いアルミニウム面などと擦れた時に生じる応力を緩和できるものが望ましい。更に微粒子は保護層のバインダーであるポリビニルアルコールとの親和性が高く、膜中に良く混錬され、膜表面から脱離することが無いものが好ましい。
有機樹脂微粒子としては、好ましくは、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタアクリル酸エステル類、ポリスチレンとその誘導体、ポリアミド類、ポリイミド類、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、及びそれらとポバールとの共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル類などの合成樹脂粒子、並びにキチン、キトサン、セルロース、架橋澱粉、架橋セルロースなどの天然高分子微粒子が挙げられる。中でも、合成樹脂微粒子は粒子サイズ制御の容易さや表面改質により所望の表面特性を制御しやすいなどの利点がある。
有機樹脂微粒子の製造方法は、比較的硬い樹脂では破砕による微粒子化も可能であるが、乳化・懸濁重合法により粒子を合成する方法が、粒子サイズの制御の容易性、精度の観点から現在主流に採用されている。これらの微粒子粉体の製造方法は、「超微粒子と材料」(日本材料科学会編、裳華房1993年発刊)、「微粒子・粉体の作製と応用」(川口春馬監修、シーエムシー出版2005年発刊)などに詳細に記載されている。
これらの有機樹脂微粒子の市販品としては、綜研化学株式会社製MP−2040、MP−4540M、MP−1451、MP−5000、MP−1400、東洋紡績株式会社製F−120、F−167、株式会社日本触媒製エポスターS、S6、MX050W、MX100W、MX200W、三井化学株式会社製S100、S111、S120、S200、S300、S650、S75N、W4005、W900、W950などが挙げられる。
有機樹脂微粒子の保護層固形分中の含有量は、5質量%〜20質量%であることが好ましく、10質量%〜15質量%であることがより好ましい。有機樹脂微粒子の含有量が5質量%未満であると耐傷性効果が得られない場合があり、20質量%超であると画像劣化などの影響があり得る。
(4)水素添加レシチン
保護層形成用組成物は、水素添加レシチンをさらに含有することが好ましい。水素添加レシチンは、保護層の表面に局在化し、感光層には直接的な影響を与えず、耐傷性、耐接着性、酸素遮断性の向上及び外的湿気からの感光層保護を可能とすると考えられる。水素添加レシチンは、動物、植物より取り出された各種のリン脂質を原料に、レシチンの脂肪酸部位を水素添加することにより製造される。レシチンの脂肪酸部位のうち水素添加される割合は90〜100%であることが好ましい。レシチンは、動物及び植物より取り出された各種のリン脂質であり、ホスファチジルコリン(PC、L−α−レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(P1)、ホスファチジン酸(PA)等が挙げられる。
水素添加レシチンは、例えば辻製油株式会社より、SLP−ホワイトH、SLP−PC70H、SLP−PC92H、SLP−LPC70H、SLP−ホワイトリゾHの商品名にて市販されている。水素添加レシチンの平均粒径は、好ましくは10nm〜20μm、より好ましくは100nm〜10μm程度が分散性、塗布性に優れている。平均粒径は光散乱法によって測定される数平均粒径に基づく。
水素添加レシチンの含有量は、保護層中(保護層形成用組成物の固体成分量中)に0.01〜10質量%であることが好ましく、より好ましい下限は、3質量%である。この範囲であれば、水素添加レシチンが保護層表面に局在化されるが、10質量%を超えると、保護層の塗布性能が劣化する場合がある。
(4)その他の成分
本発明の保護層形成用組成物は、水溶性組成物であり、そのほかに更に必要に応じて公知の水溶性染料、アニオン系界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、マット剤、消泡剤を含有することができる。
本発明の保護層において塗布性、皮膜の物性改良のために水溶性の可塑剤などの公知の添加剤などを加えることができる。例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。これらの成分の含有量は、本発明の効果を損なわない限り、当業者が適宜決定することができる。
保護層形成用組成物は、固形分換算で、ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールを70〜95質量%、式(I)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を0.1〜12質量%、有機樹脂微粒子を5〜20質量%含有し、好ましくは水素添加レシチンを0.01〜10質量%及びその他の成分を適宜含有する。
本発明に係る保護層形成用組成物によれば、特定の共重合ポリビニルアルコールを用いることにより、膜面強度、酸素遮断性、高い水溶解性を示す保護層を得ることができると共に平版印刷版自体を高感度にすることができる。また、本発明に係る水溶性の保護層形成用組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤と平均粒径0.05μm〜0.50μmの有機樹脂微粒子を含有することにより、該水溶性組成物を塗布して形成される保護層内に均一に分散し、耐傷性を向上させるとともに、経時における保存性やセーフライト適正の向上が達成できる。
[画像形成用組成物]
本発明に係る平版印刷版原版は、支持体上に赤外線吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性開始剤、及び重合性化合物を含有する画像形成用組成物を塗布して形成される感光層を備えたものである。
(1)赤外線吸収剤
赤外線吸収剤は、画像露光光源の光を吸収して、そのエネルギーを熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの範囲に吸収極大を有し、好ましくは吸収極大でモル吸光係数εが10以上である赤外線吸収色素が特に有効である。赤外線吸収剤は、光の照射によって赤外線吸収剤から発生する熱、又は光電子移動を引き起こし、ラジカル発生を促進させるために用いられる。このため、感光層は更に赤外線吸収剤を含有することにより、レーザー露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が減少するネガ型感光層となる。
赤外線吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が好ましい。
赤外線吸収剤の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.6〜8.0%質量%である。含有量が0.6質量%以上では感度が特に高くなり、10質量%以下、特に8.0質量%以下では非画像部(未露後部)の現像性が特に向上するので好ましい。
(2)アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂は、サーマルネガ版において、露光部(画像部)での耐刷性や耐薬品性を向上させるために用いられる。アルカリ可溶性樹脂は、好ましくはpHが8.0〜13.0、温度が20〜30℃、溶解時間が12〜50秒でアルカリ水溶液に完全に溶解するものである。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ剤に対して可溶性又は膨潤性を持つことが望ましい。アルカリ剤とは、現像処理液に用いるアルカリ全てを示す。アルカリ可溶性樹脂として、好ましくはアクリル酸誘導体の共重合体、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。また、エチレン性二重結合を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂が特に好ましい。エチレン性二重結合は、アルカリ可溶性樹脂の側鎖カルボキシル基に、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、又はメタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等を付加反応させることにより導入することができる。また、エチレン性二重結合は、側鎖アルコール性水酸基に、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート又は1、1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等の末端に二重結合を有するイソシアネート化合物をウレタン結合を介して付加することにより導入してもよい。高感度でアルカリ性の現像液にも良好に溶解する感光層が得られるためである。
アクリル酸誘導体の共重合体は、例えば下記(m1)〜(m10)から選択される1種以上のモノマーを、従来知られているグラフト共重合方法、ブロック共重合法、例えば、ランダム共重合法等を用いて共重合させることにより得られる。
(m1)フェノール性水酸基を有するモノマー。たとえばN−(4―ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(m2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(m3)活性イミド基を有するモノマー。例えば、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(m4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(m5)α、β―不飽和カルボン酸。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(m6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリルアミドである。
(m7)アルキルアクリレート類又はアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(m8)アクリルアミド類又はメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(m9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
ポリウレタン樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリマーのガラス転移温度(Tg)が好ましくは50〜180℃、更に好ましくは70〜150℃の範囲にある。Tgが50℃未満であると、フィルム形成性、つまり均一な感光層表面が形成しづらくなる場合があり、また、表面のべた付きも発生しやすくなる場合がある。またTgが180℃を超えると、アルカリ可溶性が悪くなり、現像不良が起き易くなる場合がある。本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計DSC−60(島津製作所製)を用いて測定される値である。なお、上記ポリウレタン樹脂のGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではなく、従来用いられた任意のポリウレタン樹脂を用いることができる。
一般的に、アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂は、特開平2002−311579号公報に記載されているような側鎖カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂であって、当該カルボキシル基にグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、又はメタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等を付加反応させて、末端に重合性の二重結合を有するアルカリ可溶性ポリウレタン樹脂などが特に望ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、単独でも2種以上混合して用いても良い。アルカリ可溶性樹脂の含有量は画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは25〜90質量%である。含有量が20質量%未満の場合は、耐刷製が悪くなる場合があり、95質量%超では感度が悪くなる場合がある。
(3)ラジカル重合性開始剤
ラジカル重合性開始剤としては、公知の化合物を用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機化酸化物、オニウム塩(特開2003−114532号公報に記載のヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩)等が挙げられる。これらのラジカル重合性開始剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
ラジカル重合性開始剤の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、1〜40質量%の範囲が好ましく、更には1〜20質量%の範囲で含まれることが好ましい。
(4)重合性化合物
重合性化合物としては、分子量1000以下のモノマーから分子量1000以上のオリゴマー、ポリマー領域のものまで種々のものを用いることができる。重合性化合物を含有させることによって皮膜強度が向上し、高感度で支持体との密着性に優れ、耐刷性もアップした感光層が得られる。重合性化合物として、例えば、不飽和カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等、不飽和アルコールとイソシアネート化合物とのウレタン、不飽和カルボン酸とエポキシ化合物とのエステルなどを挙げることができる。
重合性化合物としてより具体的には例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルジオールジアクリレート、ネオペンチルジオールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
重合性化合物の含有量は画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは2〜70質量%である。含有量が1質量%以上の場合は感度がより高くなり、70質量%以下では、画像部(露光部)の耐傷性がより向上するので好ましい。
このように、画像形成用組成物は、固形分換算で、赤外線吸収剤を0.1〜10質量%、アルカリ可溶性樹脂を20〜95質量%、ラジカル重合性開始剤を1〜40質量%、重合性化合物を1〜70質量%を含有し、さらにその他の成分を含有しても良い。
(5)その他の成分
画像形成用組成物には前記の成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて着色剤、ロイコ色素、感脂性樹脂、重合禁止剤、界面活性剤、可塑剤等を添加することができる。
画像形成用組成物には画像を見やすくするために着色剤を用いることができる。着色剤としては油溶性染料及び塩基性染料が好ましい。具体的にはクリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業社製)、オイルブルー613(オリエント化学工業社製)、オイルグリーンなどを挙げることができる。これらの染料の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.05〜5.0質量%であり、より好ましくは0.1〜4.0質量%である。含有量が0.05質量%以上、特に0.1質量%以上では、感光層の着色が十分で画像が特に見やすくなり、5.0質量%以下、特に4.0質量%以下では現像後の非画像部に染料の残りが残り難くなり好ましい。
画像形成用組成物には、感光層の着色効果と現像液に対する溶解抑制効果を目的として、ロイコ色素を添加できる。本発明に使用されるロイコ色素は、従来の感熱記録材料に用いられているラクトン環を含む色素が好ましい。好ましい具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3、6―ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノー6−クロルフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−5、7−ジメチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7、8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(N−(3,−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3,6−ビス(ジエチルアミ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム等を挙げる事ができる。
ロイコ色素の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%である。0.01質量%以上、特に0.05質量%以上では、感光層の着色が十分となり、可視性が優れ、10質量%以下、特に5質量%以下では、非画像部(露光部)の現像性が特に向上するので好ましい。
さらに、画像形成用組成物には、感光層の感脂性(親油性)を向上させるために感脂性樹脂を添加することができる。感脂性樹脂としては、例えば、特開昭50−125806号公報に記載されているような、炭素数3〜15のアルキル基で置換されたフェノール類とアルデヒドの縮合物、又はt−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂などが使用可能である。上記感脂性樹脂が画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜10質量%である。
画像形成用組成物には重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また、必要に応じて酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体などを添加して、塗布後の乾燥の過程で層の表面に偏在させても良い。高級脂肪酸誘導体の含有量は画像形成用組成物の全固形分中、約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
画像形成用組成物には現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。非イオン界面活性剤の好適例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性界面活性剤の好適例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば商品名「アモーゲンK」:第一工業社製)等が挙げられる。上記非イオン界面活性剤及び両面活性剤の画像形成用組成物中の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.05〜15質量%以上、特に0.1質量%以上では現像性が特に良好であり、また15質量%以下では現像性が遅くなることがある。
画像形成用組成物には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加することもできる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブチル等が用いられる。可塑剤の含有量は、画像形成用組成物の全固形分中、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは、0.05〜10質量%である。
[支持体]
支持体としては、例えばアルミニウム、亜鉛、銅、もしくは鋼等の金属板や、クロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキもしくは蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム、もしくはガラス板や、樹脂が塗布された紙や、親水化処理されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性が良く、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金版であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでも良い。このようにアルミニウム板は、その組成が特定されるものでなく、従来より用いられている素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。アルミニウム板の厚みは、好ましくは凡そ0.1〜0.5mm、より好ましくは0.12〜0.4mmである。
アルミニウム板には、感光層の形成の前に次のような表面処理を施すことが好ましい。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、表面の圧延油を除去するための、例えば界面活性剤、又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行なわれるが、例えば機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行なわれる。機械的方法としてはブラシ研磨、ボール研磨、ブラスト研磨、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また電気化学的な粗面化方法としては、塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行なう方法がある。また、特開昭53−123204号公報に開示されている機械的方法と電気化学的な方法を組み合わせた方法も利用することができる。このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理液及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、一般的に硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜100質量%溶液、液温は5〜60℃、電流密度2〜50A/dm、電圧1〜100V、電解時間が5秒〜3分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は0.5〜5.0g/mが適当で、0.5g/m以上では耐磨耗性に特に良くなり、5.0g/m以下では陽極酸化の孔に染料などが特に染み込み難くなるので好ましい。
陽極酸化を施された後、アルミニウム板は更に、例えば珪酸アルカリ、リン酸ソーダ、フッ化ナトリウム、フッ化ジルコニウムアルキルチタネート、トリヒドロキシ安息香酸等の単独或いは混合液による化成処理や、熱水溶液への浸漬もしくは水蒸気浴などによる封孔処理や、酢酸ストロンチウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、もしくは安息香酸カルシウムなどの水溶液による皮膜処理や、ポリビニルピロリドン、ポリアミンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリル酸、もしくはポリメタクリル酸等による表面もしくは裏面の化成或いは被覆処理を後処理として行うこともできる。
更に、上記支持体として、特開平10−297130号公報に記載の表面処理を施したアルミニウム支持体なども使用できる。
[平版印刷版原版の作製]
平版印刷版原版は、支持体上に感光層と、保護層とを順に形成することにより製造することができる。
感光層は画像形成用組成物を溶媒に溶かして、適当な支持体上に感光層塗布液を塗布することにより製造することができる。ここに使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、メチレンクロライド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メツルセルソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら溶媒は単独或いは2種以上混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
感光層塗布液を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、回転塗布、押し出し塗布、バーコーター塗布、ロール塗布、エアーナイフ塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等を挙げることができる。感光層の塗布量は、用途により異なるが乾燥時で0.5〜5.0g/m2が好ましい。
保護層は、感光層の上に保護層形成用組成物を塗布し、乾燥することによって形成される。保護層は、好ましくは平版印刷版原版の最表面層を構成する。保護層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば回転塗布、押し出し塗布、バーコーター塗布等を挙げることができる。ここで保護層形成用組成物は、主に水を塗布溶媒とするが、水との親和力に優れた溶媒を混合しても良い。特にアルコール類が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールなどが望ましい。これらの溶媒は単独又は2種以上混合して使用される。また、保護層形成用組成物を塗布する濃度は、塗布方法に依存するが全固形分濃度を1〜50質量%とすることが望ましい。
感光層と保護層とは直に接触している必要は必ずしもなく、感光層と保護層との間に、両者を接着させる目的で中間層を形成してもよい。
[露光]
本発明の平版印刷版用原版に、照射するためのレーザー光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザー、半導体レーザーが好ましい。発光波長としては760〜1300nmが好ましい。また、UV露光用の光源としては、カーボンアーク等、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等がある。発光波長としては300〜500nmが好ましい。
次に本発明の保護層形成用組成物を、実施例及び比較例をもって更に具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<アルミニウム板の準備>
厚さ0.24mmのアルミニウム(材質1050)をアルカリ脱脂した後、パーミストンの水混濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し良く水洗した。次いで、70℃、15質量%水酸化ナトリウム水溶液を5秒間かけ流し、表面を3g/mエッチングした後、更に水洗を行い、次いで1N塩酸浴中で200クーロン/dmで電解粗面化処理を行った。引き続き水洗した後、20質量%の硫酸水溶液に浸漬して陽極酸化し、2.0g/mの酸化被膜を形成し、水洗の後、50℃の1質量%のフッ化カリウムと10質量%のリン酸一ナトリウムの混合溶液で後処理し、水洗・乾燥した。
<感光層の形成>
下記の組成を有する感光層塗布液を、上記アルミニウム板上に、乾燥後の膜厚が1.5g/mになるようにワイヤーバーで塗布し、125℃で30秒間乾燥することによって、感光層を形成した。
(感光層塗布液)
アルカリ可溶性樹脂1 :(A−1)(0.8g)
アルカリ可溶性樹脂2 :(M−1)(1.0g)
シランカップリング剤 :(S−1)(1.0g)
重合性化合物 :(E−1)(2.0g)
赤外線吸収剤 :赤外線吸収剤(1)(0.1g)
ラジカル重合性開始剤1 :有機ホウ素塩(B−1)(0.1g)
ラジカル重合性開始剤2 :トリアジン化合物(T−1)(0.1g)
染料:オイルブルー613:(オリエント化学工業社製)(0.15g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=10ml/10ml
Figure 2014081528
<特定ポリビニルアルコールの合成>
攪拌機、温度計、及び滴下ロート還流冷却機を取り付けたフラスコ内に、酢酸ビニル672g、ジアセトンアクリルアミド10g、及びメタノール178gを仕込み、系内の窒素置換を行なった後、内温を60℃まで昇温した。この系に2,2アゾビスイソブチロニトリル1gをメタノール50gに溶解した溶液を添加し、重合を開始した。重合を開始後、5時間かけてジアセトンアクリルアミド55gをメタノール35gに溶解した溶液を一定速度で滴下し、6時間後に重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼンを添加し、重合を停止した。重合収率は78%であった。得られた反応混合物にメタノール蒸気を加えながら残存する酢酸ビニルを留出し、ジアセトンアクリルアミド共重合成分を含有する酢酸ビニル系重合体の50%メタノール水溶液を得た。この混合物500gにメタノールケン化反応を行なった。得られたゲル状物を粉砕し、メタノールでよく洗浄した後に乾燥して、ジアセトンアクリルアミド共重合変性PVAを得た。また、元素分析測定によりこの樹脂中のジアセトンアクリルアミド単位の含有率は5.0mol%であることが判明した。この樹脂の20℃における4%水溶液の粘度は26.8mPa・s、ケン化度は98.4mol%であった。なお、この粘度はRB−80L(東機産業社製)で測定した。
[実施例1]
以下の組成の保護層形成用組成物イを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・有機樹脂微粒子 20g
(日本触媒株式会社製エポスターMX−030W、粒径0.05μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物イに、蒸留水300gを添加し、水溶性保護層塗布液イを調製した。上記のようにして形成した感光層表面に、水溶性保護層塗布液イをワイヤーバーで塗布し、乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥することによって保護層を形成し、平版印刷版原版イを得た。膜厚は1.0g/m2であった。
[実施例2]
以下の組成の保護層形成用組成物ロを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・有機樹脂微粒子 20g
(日本触媒株式会社製エポスターMX−050W、粒径0.10μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物ハに、蒸留水300gを添加し、水溶性保護層塗布液ハとした。水溶性保護層塗布液ハを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版ハを得た。
[実施例3]
以下の組成の保護層形成用組成物ハを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・有機樹脂微粒子 10g
(東洋紡績株式会社製F−120、粒径0.20μm、固形分20質量%)
保護層形成用組成物ハに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液ハとした。水溶性保護層塗布液ハを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版ハを得た。
[実施例4]
以下の組成の保護層形成用組成物ニを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・有機樹脂微粒子 10g
(東洋紡績株式会社製F−120、粒径0.2μm、固形分20質量%)
・水素添加レシチン(辻製油社製SLP−PC70H) 1g
保護層形成用組成物ニに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液ニとした。水溶性保護層塗布液ニを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版ニを得た。
[比較例1]
以下の組成の保護層形成法組成物ホを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・対照微粒子 10g
(扶桑化学PL−7、粒径0.10μm、固形分23質量%、ロイコダルシリカ)
保護層形成用組成物ホに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液ホとした。水溶性保護層塗布液ホを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版ホを得た。
[比較例2]
以下の組成の保護層形成法組成物ヘを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・対照微粒子 10g
(日本触媒株式会社製エポスターMX−020W、粒径0.03μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物ヘに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液ヘとした。水溶性保護層塗布液ヘを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版ヘを得た。
[比較例3]
以下の組成の保護層形成法組成物トを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・対照微粒子 10g
(日本触媒株式会社製エポスターS6、粒径0.60μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物トに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液トとした。水溶性保護層塗布液トを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版トを得た。
[比較例4]
以下の組成の保護層形成用組成物チを調製した。
・特定ポリビニルアルコール 15g
・対照界面活性剤(花王社製レオドールSP−L10) 2g
・有機樹脂微粒子 10g
(日本触媒株式会社製エポスターMX−050W、粒径0.10μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物チに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液チとした。水溶性保護層塗布液チを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版チを得た。
[比較例5]
以下の組成の保護層形成用組成物リを調製した。
・対照ポリビニルアルコール 15g
(日本酢ビポバール社製ASM−05X、ケン化度95mol%、重合度500)
・特定界面活性剤(日信化学社製EXP.4200) 2g
・有機樹脂微粒子 10g
(日本触媒株式会社製エポスターMX−050W、粒径0.10μm、固形分10質量%)
保護層形成用組成物リに、蒸留水を300g添加し、水溶性保護層塗布液リとした。水溶性保護層塗布液リを、実施例1と同様にして感光層上に保護層を形成し、平版印刷版原版リを得た。
[現像処理液]
・水溶性変性澱粉(星光PMC社製、DD−4280) 185g
・界面活性剤(日本乳化剤、エマレックス710) 0.1g
・珪酸ソーダ3号 5g
・トリポリリン酸ナトリウム 1g
・EDTA 1g
・蒸留水 310g
[評価方法]
得られた平版印刷版原版を以下のように評価した。
1.現像処理性能評価
得られた平版印刷版原版を、Kodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー80mJ/cmでAM200線の50%網点画像とベタ画像を露光した。これをKodak社製PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。画像と非画像部が明確にコントラストが取れ、砂目に残存する感光層がなく、シャープな画像が得られれば合格とした。
2.耐傷テスト
得られた平版印刷版原版上に合紙を挟み、分銅加重(100、200g)をかけて意図的に傷をつける。その後Kodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー80mJ/cmで全面ベタ画像を露光する。その後、PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。このとき、意図的に傷をつけた部位の画素が剥離していなければ合格とした。
3.光被りテスト
得られた平版印刷版原版を、Kodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー80mJ/cmでAM200線の50%網点画像を露光した。その後、露光部を照度800lux、蛍光灯下で5分毎に被曝させた。照射部をずらし平版印刷版原版を最大60分被曝させた。その後、PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。評価は30分被曝部位が、AM網点濃度計で被曝前と比較して±0.3%ならば合格とした。
4.耐薬品テスト
得られた平版印刷版原版上をKodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー80mJ/cmで全面ベタ画像を露光する。その後、PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。次にウルトラプレートクリーナーマイルド(エスケー液製造社製)を15分間滴下し、脱脂綿で拭き取った後、滴下部位をセロテープ(登録商標)(ニチバン社製)で完全に固定する。その後勢いよく剥がす。画像が剥がれなければ合格とした。
5.強制保存テスト
得られた平版印刷版原版を45℃、5%湿度下の条件に3日間、合紙を挟まないで平版印刷版原版を重ね保存した。その後、平版印刷版原版を、Kodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギーを変化させて露光した。その後、PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。評価はAM網点濃度計で保存前と比較して−1.5%までならば合格とした。
6.強制保存、点状抜けテスト
得られた平版印刷版原版を60℃、5%湿度下の条件に8時間、合紙を挟まないで平版印刷版原版を重ね保存した。その後、平版印刷版原版を、Kodak社製Trendsetter 800 Quantumにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー80mJ/cmで全面ベタ画像を露光する。その後、PK−1310 II自動現像機を用いて上記現像処理液にて30℃で25秒間現像処理した。ベタ画像上に点状抜けが発生していなければ合格とした。
実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた平版印刷版原版の評価結果を表1に示す。表1では、「○」は合格、「×」は不合格を示す。「△」は合格品と比較して差異が認められるが、使用上影響がないレベルを示す。
Figure 2014081528
表1から明らかなように、実施例1〜4の水溶性組成物は、特定ポリビニルアルコールと特定界面活性剤と特定の有機樹脂微粒子を適切量含有することによって、結果として得られたサーマルネガ版用平版印刷版原版は良好な感度、耐傷性、光被り性、耐薬品性、保存性、点状抜け低減を達成することが分かった。

Claims (4)

  1. ジアセトンアクリルアミド単位を0.1〜15mol%含有するジアセトンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコールと、
    下記一般式(I)
    Figure 2014081528
    (式中、R、R、R、及びRは、独立して炭素原子数1〜5のアルキル基であり、p及びqは同一であっても異なっていてもよい1〜3の整数であり、m及びnは同一であっても異なっていてもよい0又は正の整数であり、m+nは0〜60である)
    で表されるアセチレングリコール系界面活性剤と、
    平均粒径0.05〜0.50μmの有機樹脂微粒子と
    を含有する平版印刷版原版の保護層形成用組成物。
  2. 水素添加レシチンを更に含有する請求項1に記載の保護層形成用組成物。
  3. 支持体と、赤外線吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性開始剤、及び重合性化合物を少なくとも含有する画像形成用組成物を用いて形成された感光層と、前記感光層上に請求項1に記載の保護層形成用組成物を用いて形成された保護層とを備えるネガ型平版印刷版原版。
  4. 赤外線レーザーによる画像露光後、水溶性高分子化合物と界面活性剤とを少なくとも含有するpH8〜11の弱アルカリ性水溶液を用いて現像される請求項3に記載のネガ型平版印刷版原版。
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