JP5513041B2 - 保護層形成用組成物およびそれを用いた平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
本発明の保護層形成用組成物は、さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステル界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明は、また、支持体上に、感光層と、前記保護層形成用組成物から形成され、前記感光層を保護するための保護層とを備えた平版印刷版原版を提供する。
スルホン酸変性ポリビニルアルコールの製造方法としては特に限定されないが、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の共重合成分を、ビニルエステル系化合物と共重合した後、ケン化する方法、ビニルスルホン酸もしくはその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはその塩等をポリビニルアルコールにマイケル付加させる方法等により合成することができる。
マット剤及びコロイダルシリカの平均粒径は、レーザー回折散乱法によって測定される。
前記赤外線吸収色素としては、シアニン系色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、アントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、分子間CT色素等が好ましい。
(m1)フェノール性水酸基を有するモノマー。例えば、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートである。
(m2)スルホンアミド基を有するモノマー。例えば、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミドである。
(m3)活性イミド基を有するモノマー。例えばN−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミドである。
(m4)脂肪族水酸基を有するモノマー。例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートである。
(m5)α,β−不飽和カルボン酸。例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(m6)アリル基を有するモノマー。例えば、アリルメタクリレート、N−アリルメタクリルアミドである。
(m7)アルキルアクリレート類またはアルキルメタクリレート類。例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、グリシジルメタクリレートである。
(m8)アクリルアミド類またはメタクリルアミド類。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−へキシルアクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−へキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミドである。
(m9)スチレン類。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン等である。
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾ−ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
ロイコ色素の添加量は、感光層の0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。添加量が0.01質量%以上、特に0.05質量%以上では、感光層の着色が充分となり、可視性が優れ、10質量%以下、特に5質量%以下では、非画像部(露光部)の現像性が特に向上するので好ましい。
上記可塑剤が、感光層の全固形分に占める割合は、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%である。
<支持体(アルミニウム板)の準備>
厚さ0.24mmのアルミニウム(材質1050)をアルカリ脱脂した後、パーミストンの水懸濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し、よく水洗した。次いで、70℃、15質量%水酸化ナトリウム水溶液を5秒間かけ流し、表面を3g/m2エッチングした後、さらに水洗を行い、次いで、1N塩酸浴中で200クーロン/dm2で電解粗面化処理を行った。引き続き水洗した後、15質量%水酸化ナトリウム水溶液で表面を再度エッチングし、水洗を行った後、20質量%の硝酸水溶液に浸漬して、デスマットした。次いで、15質量%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行って、2.0g/m2の酸化皮膜を形成し、水洗の後、50℃の1質量%のフッ化カリウムと10質量%のリン酸一ナトリウムの混合溶液で後処理し、水洗・乾燥した。
下記の組成を有する感光液を、上記アルミニウム板上に乾燥後の膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で5分間乾燥することによって、感光層を形成した。
(感光液)
重合性化合物(D−1)(0.6g)
アルカリ可溶性樹脂(C−1)(2.0g)
赤外線吸収剤:赤外線吸収剤(1)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤1:有機ホウ素塩(B−6)(0.05g)
ラジカル重合性開始剤2:トリアジン化合物(T−7)(0.05g)
染料:オイルブルー613:(オリエント化学工業社製)(0.15g)
溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル/テトラヒドロフラン=30ml/20ml
上記感光層の上に、下記保護層形成用塗布液イを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(保護層形成用塗布液イ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度95モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−PC70H):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度8μm、SSX−110):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記保護層形成用塗布液ロを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(保護層形成用塗布液ロ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度96モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−ホワイトH):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記保護層形成用塗布液ハを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(保護層形成用塗布液ハ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度91モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−PC92H):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記保護層形成用塗布液ニを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(保護層形成用塗布液ニ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度91モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−ホワイトH):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度8μm、SSX−108):1.5g
・コロイダルシリカ(扶桑化学工業社製 PL−1 平均粒度10nm):20g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記比較用塗布液ホを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(比較用塗布液ホ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度96モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−ホワイトH):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤:なし
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記比較用塗布液ヘを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(比較用塗布液ヘ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度99モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・合成雲母化合物(コープケミカル社製):24g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記比較用塗布液トを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(比較用塗布液ト)
・対照ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度88モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−ホワイトH):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記比較用塗布液チを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(比較用塗布液チ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度95モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・水素添加レシチン(辻製油社製 SLP−ホワイトH):10.0g
・界面活性剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル):なし
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
上記感光層の上に、下記比較用塗布液リを膜厚が1.6g/m2になるように塗布し、90℃で3分間乾燥し平版印刷版を得た。
(比較用塗布液リ)
・特定ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 ケン化度95モル%、スルホン酸変性率1%以下):100g
・対照レシチン(辻製油社製 水素未添加レシチン SLPホワイト):10.0g
・界面活性剤(竹本油脂社製、D−2510−GL、デカグリセリンオレイン酸エステル):0.2g
・界面活性剤(日本エマルジョン社製、エマレックス710):0.1g
・特定マット剤(積水化成品工業社製平均粒度6、8μm混合、SSX−108):1.5g
・蒸留水 :1kg
得られた平版印刷版原版を以下のように評価した。
1.感度評価
得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギーを変化させて露光した。露光後、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。網点濃度測定機(グレタグマクベス社製iC plate II)で50.3±0.3%を示す露光量を最適感度とした。この時、照射エネルギーが低いほど、高感度を示す。
得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmでFM staccato 36の高精細画像を照射エネルギー60mJ/cm2で露光した。露光後、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。版面内16箇所の網点濃度のバラツキが、網点濃度測定機(グレタグマクベス社製iC plate II)で50.3±0.3%ならば合格とした。
得られた平版印刷版原版上に合紙を挟み、分銅加重(100、200g)をかけて意図的に傷をつける。その後、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギー70mJ/cm2で全面ベタ画像を露光する。その後、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。この時、意図的に傷をつけた部位に感光層残りが確認されなければ合格とした。
得られた平版印刷版原版を、照度800 lux、蛍光灯下で5分間ごとに遮光部をずらし平版印刷版原版を最大60分間被爆させた。その後、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。評価方法は、新聞用インク(トヨーバンティアンエコー墨インク、東洋インキ工業社製)で被爆部位にインク盛し、非画像部位のインクが汚れなければ合格とした。
得られた平版印刷版原版(10x10cm)を、30℃、70%湿度下の恒温槽に1週間、合紙なしで平版印刷版原版を重ね、10kg加重をした。その後、取り出した際に平版印刷版原版に張付きがなければ合格とした。
得られた平版印刷版原版を、30℃、70%湿度下と45℃、20%湿度下の両条件に3日間、合紙を挟まないで平版印刷版原版を重ね保存した。その後、得られた平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter 800QTMにて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数360rpmで照射エネルギーを変化させて露光した。露光後、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で現像処理した。この時、低温保存品(25℃ 40%湿度)と比較し感度低下しなければ合格とした。
得られた平版印刷版原版(800x1100mm)を露光せず、岡本化学社製現像液(DJN)を4倍希釈し、PK−1310II自動現像機を用いて30℃ 12秒で4000版現像処理した。その後、処理液を抜き、現像槽内の堆積物が少なければ合格とした。
Claims (2)
- 平版印刷版原版の感光層を保護する保護層を形成するための組成物であって、
けん化度91モル%以上でスルホン酸変性率1%以下のポリビニルアルコールと、水素添加レシチンと、平均粒径が1〜10μmのマット剤と、ポリグリセリン脂肪酸エステル界面活性剤とを少なくとも含有する保護層形成用組成物。 - 支持体上に、感光層と、請求項1に記載の保護層形成用組成物から形成され、前記感光層を保護するための保護層とを備えた平版印刷版原版。
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