JP2014081205A - C−反応性タンパク質測定用の測定試薬および測定方法 - Google Patents

C−反応性タンパク質測定用の測定試薬および測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラテックス凝集比濁法により被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定できる測定試薬、測定キットおよび測定方法を提供する。
【解決手段】ラテックス凝集比濁法によるC−反応性タンパク質測定用の測定試薬であって、C−反応性タンパク質と特異的に反応する基を表面に有する粒子を含有し、前記粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸とした粒度分布曲線が、x<200の領域に少なくとも1つのピーク、200≦xの領域に少なくとも1つのピークを有し、当該測定試薬に含まれる前記粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸にとった粒度分布曲線が、前記粒度分布曲線にて、座標P1(x1、y1)、V1(x3、ymin)、V2(x4、ymin)、P2(x2、y2)、前記P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上である、測定試薬。
【選択図】図1

Description

本発明は、C−反応性タンパク質測定用の測定試薬および測定方法に関する。
臨床検査の分野では、生体試料(血液、尿など)を用いて種々の疾患の診断を行っている。該診断における判定基準の一つとして、C−反応性タンパク質(以下「CRP」ともいう。)がある。CRPは、正常な状態ではほとんど血中に含まれないが、炎症や組織の破壊が起こると急速に増加することが知られている。
CRPの測定方法としては、抗原抗体反応を利用した免疫測定法が一般的で、特にラテックス凝集比濁法が汎用されている。ラテックス凝集比濁法では、CRPに特異的に反応する抗体またはそのフラグメントを担持させたラテックス粒子が分散したラテックスが測定試薬として用いられる。この測定試薬に被験試料を加え、CRPと抗体またはそのフラグメントとの反応によるラテックス粒子の凝集の程度を光学的に測定することにより、測定対象物質であるCRPを検出、定量する。
ラテックス凝集比濁法で、被験試料中のCRPを測定する場合に使用する抗体としては、通常、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体が用いられている。また、ラテックス粒子としては、安価で、大量同品質に入手できるポリマー粒子(例えばポリスチレン、又はスチレンとスチレンスルホン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル等との共重合体等からなる粒子)が使用されている。
被験試料中のCRP濃度は疾患の状態によりまちまちであることから、CRPの測定においては、幅広い測定濃度を測定できることが求められる。
しかし、ラテックス凝集比濁法では、含まれるラテックス粒子の粒径が単一である場合、幅広い測定範囲をカバーすることは難しい。そこで、粒径の異なるラテックス粒子を併用したり、遊離状態のモノクローナル抗体またはその断片を含有させることが提案されている(たとえば特許文献1)。
しかし、単純に大小の粒子を併用しただけでは、必ずしも、被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定することはできない。たとえば、CRPの低濃度域において小粒径粒子が先に凝集してしまい、凝集粒子の成長を進めるために必要な大粒径の粒子がCRPの低濃度域で凝集しない問題等が有る。
一方、正常範囲の血清中CRPが測定で、迅速で感度が高いCRPの測定方法として、蛍光物質等で標識したホスホリルコリンを使用する方法が提案されている(特許文献2)。該方法では、ホスホリルコリンとCRPとの特異的結合性を利用して、サンドイッチ型測定法による測定が行われる。しかしこの方法は、標識したホスホリルコリンを使用するため、ラテックス凝集比濁法に比べて試薬が高価になる。
特開2004−191332号公報 特開2000−249703号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ラテックス凝集比濁法により被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定できる測定試薬および測定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]ラテックス凝集比濁法によるC−反応性タンパク質測定用の測定試薬であって、
C−反応性タンパク質と特異的に反応する基を表面に有する粒子を含有し、
前記粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸とした粒度分布曲線が、x<200の領域に少なくとも1つのピーク、200≦xの領域に少なくとも1つのピークを有し、
前記粒度分布曲線にて、座標P1(x1、y1)、V1(x3、ymin)、V2(x4、ymin)、P2(x2、y2)、前記P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上である、測定試薬。
ただし、x1およびy1はそれぞれ、x<200の領域に有るピークのうち、粒径が最も大きいピークの粒径および頻度を示す。
x2およびy2はそれぞれ、200≦xの領域に有るピークのうち、粒径が最も小さいピークの粒径および頻度を示す。
minは、x1<x<x2の領域内でのyの最小値を示す。
x3は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最小値を示す。
x4は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最大値を示す。
[2]前記C−反応性タンパク質と特異的に反応する基が、ホスホリルコリン基である、[1]に記載の測定試薬。
[3]分子構造内に、置換基が結合していてもよいステロイド骨格の炭化水素基と、下記一般式(2)で表される基とを有する界面活性剤をさらに含む、[2]に記載の測定試薬。
Figure 2014081205
[式中、Xは、水酸基が結合していてもよい炭素数3〜5の直鎖アルキレン基を示す。]
[4]前記粒子が分散した粒子分散液である第一液と、前記界面活性剤を含む第二液とを備えるキットである、[3]に記載の測定試薬。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の測定試薬を用いて、ラテックス凝集比濁法により、被験試料中のCRP濃度を測定する測定方法。
[6]被験試料と、請求項3または4に記載の測定試薬とを混合して反応液を調製し、該反応液の吸光度を測定する工程を含み、
前記反応液中の前記界面活性剤の濃度が0.15〜0.40質量%である、請求項5に記載の測定方法。
本発明によれば、ラテックス凝集比濁法により被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定できる測定試薬および測定方法を提供できる。
本発明の測定試薬に含まれる粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸とした粒度分布曲線における座標P1、V1、V2、P2、およびそれらの座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積について説明するグラフである。 [実施例]で製造したRA1〜RA15の粒度分布曲線である。 [実施例]の例1〜27の吸光度変化量Absの測定結果を縦軸、被験試料のCRP濃度(mg/dL)を横軸としたグラフ(CRP濃度が0〜30mg/dL)である。 [実施例]の例1〜27の吸光度変化量Absの測定結果を縦軸、被験試料のCRP濃度(mg/dL)を横軸としたグラフ(CRP濃度が0〜0.94mg/dL)である。
<測定試薬>
本発明の測定試薬は、ラテックス凝集比濁法によるCRP測定用の測定試薬であって、
CRPと特異的に反応する基(以下、CRP反応性基ともいう。)を表面に有する粒子(以下、ラテックス粒子ともいう。)を含む。
ラテックス粒子としては、公知のもの、たとえば抗CRP抗体やそのフラグメントを担体粒子表面に担持させた粒子を用いることができる。
しかし、抗CRP抗体は生体由来であり、抗CRP抗体やそのフラグメントを表面に担持させた粒子は高価になる。
そこで、本発明者らは、CRP反応性基としてホスホリルコリン基を表面に有する粒子を用いることに想到した。該粒子は、後述するように、分子内にホスホリルコリン基を有する単量体を用いて安価に製造することができる。そのため、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子をラテックス粒子として用いることで、安価な測定試薬を実現できる。
ホスホリルコリン基は、下記化学式(1)で表される基であり、CRPと特異的に反応する。
Figure 2014081205
ホスホリルコリン基を表面に有する粒子の製造方法は特に限定されないが、たとえば、分子内にホスホリルコリン基を有する単量体を単独で、または該単量体と共重合可能な他の単量体と共に、懸濁重合または乳化重合することによって該粒子を得ることができる。
分子内にホスホリルコリン基を有する単量体としては、たとえば、分子内にホスホリルコリン基と重合性二重結合とを有する化合物(たとえば2−(メタ)アクリロイルオキシホスホリルコリン等)が挙げられる。
前記他の単量体としては、たとえば分子内に重合性二重結合を有し、ホスホリルコリン基を有しない任意の単量体を用いることができ、その種類に特に制限はない。具体例としては、たとえばスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のビニル系単量体が挙げられる。中でも、表面に存在するホスホリルコリン基の反応性を阻害しにくい点で、スチレン、ビニルトルエン、メタアクリル酸メチルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ホスホリルコリン基を有する単量体と他の単量体とを共重合させる場合、ホスホリルコリン基を有する単量体の比率は、他の単量体100質量部に対して1.5〜7.5質量部の範囲にあることが好ましい。1.5質量部以上であれば、CRPに対する充分な反応性を確保できる。7.5質量部以内であれば、ホスホリルコリン基同士の立体障害等によって反応性が阻害されることが無い。
本発明の測定試薬においては、当該測定試薬に含まれる前記ラテックス粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸とした粒度分布曲線が、x<200の領域に少なくとも1つのピーク、200≦xの領域に少なくとも1つのピークを有する。
前記粒度分布曲線は、当該ラテックス粒子を水等の分散媒に分散させた粒子分散液を動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)により分析することで求められる。通常、サブミクロン以下の粒子は分散媒中でブラウン運動をしており、レーザー光を照射すると散乱光強度が時間的に変化する(ゆらぐ)。この散乱光強度のゆらぎを、例えば、光子相関法(JIS Z8826)を用いて自己相関関数を求め、キュムラント(Cumulant)法解析により、ブラウン運動速度を示す拡散係数を算出し、さらにアインシュタイン・ストークスの式を用い、平均粒径を求めることができる。また、該散乱光強度のゆらぎを、例えばキュムラント法による多分散性指数(PI:Polydispersity Index)を用いて解析することで、粒径分布を求めることができる。
前記粒度分布曲線が、x<200の領域に少なくとも1つのピークを有することにより、高濃度域でのCRPの検出を安定に行うことができる。
前記粒度分布曲線において、x<200の領域に存在するピークの数は、1または2が好ましく、1がより好ましい。
x<200の領域に存在するピークの粒径は、100nm以上200nm未満の範囲内であることが好ましい。
なお、ピークの粒径とは、当該ピークのピークトップに対応する粒径(頻度が最大となる粒径)を示す。
前記粒度分布曲線が、200≦xの領域に少なくとも1つのピークを有することにより、低濃度域でのCRPの検出を安定に行うことができる。
前記粒度分布曲線において、200≦xの領域に存在するピークの数は、1または2が好ましく、1がより好ましい。
200≦xの領域に存在するピークの粒径は、200nm以上350nm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明においては、前記粒度分布曲線にて、座標P1(x1、y1)、V1(x3、ymin)、V2(x4、ymin)、P2(x2、y2)、前記P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上であり、500〜2000が好ましく、1000〜2000がより好ましい。
x1およびy1はそれぞれ、x<200の領域に有るピークのうち、粒径が最も大きいピーク(以下、ピーク1ともいう。)の粒径および頻度を示す。
x2およびy2はそれぞれ、200≦xの領域に有るピークのうち、粒径が最も小さいピーク(以下、ピーク2ともいう。)の粒径および頻度を示す。
minは、x1<x<x2の領域内でのyの最小値を示す。
x3は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最小値を示す。
x4は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最大値を示す。
つまり、座標P1は、ピーク1のピークトップの位置を示し、座標P2は、ピーク2のピークトップの位置を示す。また、yminは、ピーク1とピーク2との間の谷の底の部分で、座標V1は、谷の底の最もピーク1に近い位置、座標V2は、谷の底の最もピーク2に近い位置を示す。
前記粒度分布曲線上、P1からP2までの間で、y=yminとなるxの値が1つでない場合、V1とV2とは異なる。V1とV2が異なる場合(x3≠x4である場合)、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域は四角形となる。
前記粒度分布曲線上、P1からP2までの間で、y=yminとなるxの値が1つである場合、V1とV2とは同じである。V1とV2が同じである場合(x3=x4である場合)、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域は三角形となる。
前記領域の面積が大きいほど、粒径200nm前後で最も近接する2つのピーク1、2が明確に分かれていることを示す。該面積が300以上であれば、被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定できる。該面積が300以上であることで、被験試料中のCRPを低濃度域から高濃度域まで安定して測定できる理由としては、明確ではないが、P1付近の粒径を持った粒子とP2付近の粒径持った粒子の複合凝集塊が発生することによりCRPの低濃度域でも効率良く大きい凝集塊が発生することと、P1付近の粒径を持った粒子単独の凝集塊の成長は遅いため、高濃度域でも濃度に比例した凝集塊が作られることとが相乗的に作用していると考えられる。
一方、該面積が2000以下であると、CRPの低濃度域において、表面積の広さから抗原抗体反応しやすく凝集しやすいP1付近の粒径を持った粒子と、粒径の大きさから凝集した時に吸光度を上昇させやすいP2付近の粒径を持った粒子との複合凝集が起こりやすく、低濃度域で効率よく大きい凝集塊が発生し、吸光度の変化が観察しやすい。
座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積は、四角形、三角形のいずれの場合でも、各座標の値から下記の式により求めることができる。
領域の面積=
{(x2−x1)×(y1およびy2のうち大きい方の値−ymin)}
−{(x3−x1)×(y1−ymin)/2}
−{(x2−x4)×(y2−ymin)/2}
−{(x2−x1)×(|y1−y2|)/2}
図1を用い、具体例を示して、座標P1、V1、V2、P2、およびそれらの座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積について説明する。図1は、後述する[実施例]で製造したRA1、RA4に含まれるラテックス粒子の粒度分布曲線(横軸:粒径x(nm)、縦軸:質量換算の頻度y(%))である。
RA1に含まれるラテックス粒子の粒度分布曲線は、x<200の領域に1つのピーク、200≦xの領域に1つのピークを有する。P1は(100、14.57)であり、P2は(300、5.77)である。P1とP2との間での頻度yの最小値yminは0であり、V1は(126.519、0)、V2は(193.604、0)である。したがって、P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた四角形の領域の面積は、約1420となる。
RA4に含まれるラテックス粒子の粒度分布曲線は、x<200の領域に1つのピーク、200≦xの領域に1つのピークを有する。P1は(180、14.69)であり、粒径200nm以上の領域のピークのピークトップのP2は(300、3.93)である。P1とP2との間での頻度yの最小値yminは0.44であり、V1とV2とは一致し、いずれも(229.412、0.44)である。したがって、P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域は三角形であり、その面積は約489となる。
前記粒度分布曲線において、ピーク1の粒径x1と、ピーク2の粒径x2との比は、x1:x2=1:1.3〜1:3.5が好ましく、1:1.5〜1:3.5がより好ましい。
x2がx1の1.3倍以上であると、前記領域の面積が300以上となりやすい傾向がある。x2がx1の3.5倍以下であると、大きな凝集塊が効率よく発生し、CRPの低濃度域での吸光度の変化が観察しやすくなる。
前記粒度分布曲線において、ピーク1の頻度y1と、ピーク2の頻度y2との比は、y1:y2=8:2〜5:5が好ましい。
y2がy1と同じかそれよりも小さいと、CRPの高濃度域での吸光度の変化が観察されやすくなる。y1がy2の4倍以下であるとCRPの低濃度域での吸光度の変化が観察されやすくなる。
前記ラテックス粒子は、通常、水等に分散させて粒子分散液として用いられる。
前記ラテックス粒子またはこれが分散した粒子分散液の調製方法は特に限定されないが、たとえば、測定試薬調製用の粒子分散液として、平均粒径が異なる複数の粒子分散液を用意し、それらを混合することにより、前記ラテックス粒子が分散した粒子分散液を調製できる。この後、必要に応じて乾燥、希釈等を行ってもよい。
このとき混合する複数の粒子分散液のうち、少なくとも1つは、平均粒径が200nm未満の粒子分散液であり、少なくとも1つは、平均粒径が200nm以上の粒子分散液である。平均粒径は、上述したように、粒子分散液を動的光散乱法により分析することにより求められる。測定試薬調製用の粒子分散液においては、前記と同様にして測定される粒度分布曲線が有するピークは1つであることが好ましい。
前述した、分子内にホスホリルコリン基と重合性二重結合とを有する単量体等を懸濁重合または乳化重合して得られた反応液を、測定試薬調製用の粒子分散液として用いることができる。該懸濁重合または乳化重合を、重合条件を変えて複数回行うことで、平均粒径がそれぞれ異なる複数の粒子分散液を得ることができる。
測定試薬調製用の粒子分散液の平均粒径、粒度分布等を調整することにより、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積を調整できる。たとえば、2つの粒子分散液を混合する場合、それぞれの平均粒径の差が大きいほど、前記領域の面積が大きくなる。また、平均粒径の差が同じでも、それぞれの粒子分散液の粒度分布が狭いほど、前記領域の面積が大きくなる。
本発明の測定試薬は、前記ラテックス粒子が、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子である場合、分子構造内に、置換基が結合していてもよいステロイド骨格の炭化水素基と、下記一般式(2)で表される基とを有する界面活性剤(以下、界面活性剤(A)という。)をさらに含むことが好ましい。
Figure 2014081205
[式中、Xは、水酸基が結合していてもよい炭素数3〜5の直鎖アルキレン基を示す。]
上述したように、ラテックス粒子としてはホスホリルコリン基を表面に有する粒子が好ましい。しかし、本発明者らの検討によれば、ラテックス凝集比濁法によるCRP測定に、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子を適用する場合、抗CRP抗体やそのフラグメントを表面に担持させた粒子を用いる場合に比べて、CRPの測定効率が低くなる。そこで、さらに検討を重ねた結果、ラテックス粒子として、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子を用いる場合、界面活性剤(A)と組み合わせることで、抗CRP抗体やそのフラグメントを表面に担持させた粒子を用いなくても、ラテックス凝集比濁法によるCRPの測定を、低濃度域から高濃度域まで安定して効率よく行うことができることを見出した。
なお、界面活性剤(A)を、ラテックス凝集比濁法によるCRP測定に汎用されている抗体やそのフラグメントを表面に固定した粒子と組み合わせても、上記の効果は得られない。
界面活性剤(A)は、分子構造内に、置換基が結合していてもよいステロイド骨格の炭化水素基と、前記一般式(2)で表される基とを有する化合物である。
界面活性剤(A)が有する、ステロイド骨格の炭化水素基におけるステロイド骨格の炭化水素基は、下記式(3)で表される。
Figure 2014081205
前記ステロイド骨格の炭化水素基に結合していてもよい置換基としては、たとえば、水酸基、アルキル基等が挙げられ、水酸基が好ましい。
界面活性剤(A)としては、分子構造の一端に前記置換基が結合していてもよいステロイド骨格の炭化水素基を有し、他端に前記一般式(2)で表される基を有する化合物が好ましく、下記一般式(4)に表せられる化合物が特に好ましい。
Figure 2014081205
[式中、Rは、炭素数1〜9の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、下記一般式(I)で表される基、水素原子、または炭素数1〜9のアルキル基を示し、RおよびRのいずれか一方または両方は、前記一般式(I)で表される基である。]
Figure 2014081205
[式中、Xは前記と同じであり、Rは、炭素数1〜9の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を示す。]
式(4)で表される化合物の代表的なものとしては、下記式(4−1)〜(4−5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2014081205
式(4)で表される化合物は、市販のものを用いることができる。たとえば前記式(4−1)で表される化合物(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホネート)の市販品として、株式会社同仁化学研究所製のCHAPS(製品名)が挙げられる。前記式(4−2)で表される化合物(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート)の市販品として、株式会社同仁化学研究所製のCHAPSO(製品名)が挙げられる。
本発明の測定試薬には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ラテックス粒子および界面活性剤(A)以外の他の成分をさらに含有させてもよい。該他の成分としては、既知の添加剤を用いることができる。
たとえば、反応性、安定性等を高めるために、界面活性剤、アジ化ナトリウム等の防腐剤、スクロース、ウシ血清アルブミン等の安定剤、酢酸ナトリウム等の緩衝剤などを含有させることができる。
ラテックス粒子として、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子を用いる場合、ホスホリルコリン基はCa2+の存在下でCRPと特異的に結合しやすいため、塩化カルシウム等のカルシウムイオン源をさらに含有させることが好ましい。
本発明の測定試薬が、前記ラテックス粒子以外の他の成分を含む場合、本発明の測定試薬は、全成分を1剤中に含む1剤型の測定試薬であってもよく、ラテックス粒子を含む剤のほかに、他の成分の一部または全部を含む1以上の剤をさらに備える多剤型の測定試薬であってもよい。
他の成分として界面活性剤を含む場合は、界面活性剤がラテックス粒子表面へ吸着して保存安定性が損なわれることがあることから、ラテックス粒子と界面活性剤とは異なる剤に配合することが好ましい。
本発明の測定試薬は、前記ラテックス粒子が分散した粒子分散液である第一液と、界面活性剤を含む第二液とを備えるキットであることが好ましい。かかるキットは、そのままラテックス凝集比濁法によるCRP測定に用いることができる。たとえば、被験試料に、第二液、第一液を順次または同時に添加、混合したものを、そのまま吸光度の測定に供することができる。
該キットにおいて、第一液は、界面活性剤を含まないことが好ましい。第二液は、前記ラテックス粒子を含まないことが好ましい。
第一液におけるラテックス粒子についての説明は前記と同様である。
該ラテックス粒子としては、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子であることが好ましい。
第一液中のラテックス粒子の含有量は、第二液と混合した時の濃度が、得られる混合液の総質量に対し、1質量%以下となる量が好ましい。1質量%以下であると、既存の多くの測定機器に対応できる。該含有量の下限は特に限定されず、0質量%超であればよい。
第一液は、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性、安定性等を高めるために、アジ化ナトリウム等の防腐剤、スクロース等の安定剤、酢酸ナトリウム等の緩衝剤を含有してもよい。
第二液における界面活性剤としては前記と同様のものが利用できる。
第一液に含まれるラテックス粒子が、ホスホリルコリン基を表面に有する粒子である場合、界面活性剤は界面活性剤(A)であることが好ましい。
第二液における界面活性剤(A)の含有量は、第二液の総質量に対し10質量%以下が好ましい。10質量%を超えると、溶解しきらない可能性が有る。該含有量の下限は特に限定されず、0質量%超であればよい。
第二液は、本発明の効果を損なわない範囲で、反応性、安定性等を高めるために、アジ化ナトリウム等の防腐剤、ウシ血清アルブミン等の安定剤、酢酸ナトリウム等の緩衝剤を含有してもよい。
ラテックス粒子が、CRP反応性基としてホスホリルコリン基を有する粒子である場合、第二液が、塩化カルシウム等のカルシウム源を含有することが好ましい。カルシウム源を第一液ではなく第二液に含有させることで、保存安定性が向上する。
第二液は、各成分を水等に溶解または分散させることにより調製できる。
<測定方法>
本発明の測定方法では、前記本発明の測定試薬を用いて、ラテックス凝集比濁法により、被験試料中のCRP濃度を測定する。
被験試料としては、従来、ラテックス凝集比濁法によるCRP測定対象となっている任意の被験試料を用いることができ、たとえばヒト血清検体等が挙げられる。
被験試料中のCRP濃度の測定は、通常のラテックス凝集比濁法と同様の手順で実施できる。
たとえば、被験試料と測定試薬とを混合して反応液を調製し、該反応液の吸光度を測定する方法が挙げられる。
該反応液をラテックス粒子表面のCRP反応性基とCRPとが特異的に反応する条件下に放置すると、被験試料にCRPが含まれている場合は、反応液中でラテックス粒子の凝集が生じて反応液の濁度が高まり、吸光度が大きくなる。被験試料中のCRP濃度が高いほど、吸光度の変化量が大きい。あらかじめCRP濃度既知の標準試料を用いて検量線を作成しておき、被験試料と測定試薬との混合直後と、混合後、ラテックス粒子表面のCRP反応性基とCRPとが特異的に反応する条件下で任意の時間放置した後の反応液の吸光度を測定することで、それらの吸光度の変化量から、被験試料中のCRP濃度を定量することができる。
測定試薬の使用量は、吸光度測定時の反応液中の所望のラテックス粒子濃度、界面活性剤(A)濃度等を考慮して設定される。
吸光度測定時の反応液中のラテックス粒子濃度は、反応液の総質量に対し、1.0質量%以下が好ましい。1.0質量%以下であると、多くの測定機器に対応できるほか、凝集による吸光度差が十分に検出できる。該含有量の下限は特に限定されず、0質量%超であればよい。
測定試薬が界面活性剤(A)を含む場合、吸光度測定時の反応液中の界面活性剤(A)濃度は、反応液の総質量に対し、0.15〜0.40質量%の範囲内が好ましい。測定時の界面活性剤(A)濃度が0.15質量%以上であると、界面活性剤(A)を含有することによる効果が充分に得られる。0.40質量%以下であると、界面活性剤の分散安定作用による凝集阻害が起こらない。
本発明の測定試薬が前記キットである場合、被験試料と本発明の測定試薬との混合は、被験試料に、第二液および第一液を順次または同時に混合することにより実施できる。好ましくは、被験試料と第二液とを混合し、任意の時間静置した後、そこに第一液を添加することにより行うか、または、被験試料と第二液と第一液とを一括混合することにより行う。特に、被験試料と第二液とを混合し、任意の時間静置した後、そこに第一液を添加することが好ましい。あらかじめ被験試料と第二液とをなじませておくことで、被験試料中のCRPが可溶化し、反応性が良好となる。
被験試料と第二液とを混合した後の静置は、15〜40℃の条件下で行うことが好ましい。静置時間は、特に限定されないが、通常、1〜15分間程度である。
被験試料と本発明の測定試薬とを混合した後の放置条件(ラテックス粒子表面のCRP反応性基とCRPとが特異的に反応する条件)は、ラテックス粒子表面のCRP反応性基に応じて設定できる。たとえばCRP反応性基がホスホリルコリン基である場合、放置温度は、15〜40℃が好ましく、放置時間は1〜15分間が好ましい。
混合液の吸光度は、常法により測定でき、たとえば後述する[実施例]に示す条件で測定できる。
これらの一連の操作は、ラテックス凝集比濁法による測定に用いられている汎用の自動測定装置を用いて実施することができる。手動により行ってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において、粒度分布、平均粒径は以下の手順で測定した。
(粒度分布および平均粒径)
ラテックス粒子の粒度分布と平均粒径は、ラテックス粒子分散液を、濃度10mMのNaCl水溶液で、ラテックス粒子の濃度が1質量%となるように希釈し、特濃系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子株式会社製)にて分析することで求めた。
<ラテックス(粒子分散液)の製造>
純水69.4g、スチレン20g、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン0.6g、エタノール10g、p−スチレンスルホン酸ナトリウム0.2gを、200mLセパラブルフラスコに投入し、撹拌下で窒素を液中に流しながら72℃まで加熱昇温した後、過硫酸カリウム0.06gを添加し、3.5時間重合反応を行った。その後、93℃まで昇温し、該温度で3時間の熱処理を行ってラテックス1を得た。
得られたラテックス1に含まれるラテックス粒子の平均粒径を前記の手順により測定したところ、100nmであった。
製造例1で使用した各原料の使用量(g)を表1に示す配合に従って変化させた以外は製造例1と同様にしてラテックス2〜9を得た。
各ラテックス2〜9に含まれるラテックス粒子の平均粒径を前記の手順により測定した。結果を表1に示す。
Figure 2014081205
<測定試薬の製造>
[測定試薬第一液の調製]
前記で得たラテックス1〜9を、表2に示す配合比率(質量比)に従って混合し、さらに、アジ化ナトリウムと、スクロースと、酢酸ナトリウムと、純水とを混合、溶解、希釈して、表3に示す組成(単位:質量%)の測定試薬第一液RA1〜RA15を得た。
RA1〜RA12、RA15の調製に用いたラテックスのうち、平均粒径が200nm未満の小粒径ラテックスと、平均粒径が200nm以上の大粒径ラテックスとの平均粒径比(大粒径ラテックスの平均粒径/小粒径ラテックスの平均粒径)を表2に併記する。
RA1〜RA15の粒度分布を測定した。
図2にRA1〜RA15の粒度分布曲線を示す。2種のラテックスを混合したRA1〜RA12、RA15の粒度分布曲線が有するピークは2つであり、各ピークのピークトップの粒径は、2種のラテックスそれぞれの平均粒径に対応していた。1種のラテックスを単独で使用したRA13、RA14の粒度分布曲線が有するピークは1つであった。
RA1〜RA15の粒度分布曲線が有する2つのピークのうち、粒径xの小さい方のピーク(ピーク1)の頻度の最大値y1(%)とこれに対応する粒径x1(nm)、粒径の大きい方のピーク(ピーク2)の頻度の最大値y2(%)とこれに対応する粒径x2(nm)、ピーク1とピーク2との間での頻度の最小値ymimと、x1<x<x2の領域内でy=yminであるxの最小値x3と、x1<x<x2の領域内でy=yminであるxの最大値x4とを表4に示す。また、それらの値から、座標P1(x1、y1)、V1(x3、ymin)、V2(x4、ymin)、P2(x2、y2)、前記P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積を算出した。結果を表4に示す。
Figure 2014081205
Figure 2014081205
Figure 2014081205
[測定試薬第二液の調製]
界面活性剤として、CHAPS(製品名、株式会社同仁化学研究所製、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパンスルホネート)、CHAPSO(製品名、株式会社同仁化学研究所製、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート)、ラウリルスルホベタイン、コール酸を用いた。
これらの界面活性剤と、塩化カルシウムと、酢酸ナトリウムと、ウシ血清アルブミンと、アジ化ナトリウムと、純水とを混合、溶解して、表5に示す組成(単位:質量%)の測定試薬第二液1−1〜1−12を得た。
Figure 2014081205
[CRP測定性能の評価]
被験試料用のCRPとして、大腸菌の組み換えタンパク質であるC.REACTIVE PROTEIN(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を用い、CRP濃度を30mg/dLから生理食塩水を加えて段階的に濃度を半減させた被験試料を調製し測定に用いた。
CRP測定は、前記で調製した測定試薬第一液、測定試薬第二液を表6〜8に示す組み合わせで使用し、以下の手順で行った。
(例1〜4、6〜12、14、16〜27)
2.1μLの被験試料を、120μLの測定試薬第二液と混合したのち5分間静置し、そののち、120μLの測定試薬第一液を添加し、測定試薬第一液の添加直後の吸光度(0.00時の吸光度)と、測定試薬第一液を添加してから5分経過後の吸光度とを測定した。
吸光度の測定は、自動汎用測定機日立7170E(日立製作所(株)製)を使用し、測定波長570nm、測定温度37℃で行った。
上記の測定結果から、5分経過後の吸光度の、0.00時の吸光度との差(5分経過後の吸光度−0.00時の吸光度)を算出し、その値を吸光度変化量Absとした。結果を表6〜8に示す。
(例5、13、15)
2.1μLの被験試料と、120μLの測定試薬第二液と、120μLの測定試薬第一液とを一度に混合し、混合直後の吸光度(0.00時吸光度)と、混合してから5分経過後の吸光度とを前記と同様に測定した。
上記の測定結果から、5分経過後の吸光度の0.00時時吸光度との差(5分経過後の吸光度−0.00時時吸光度)を算出し、その値を吸光度変化量Absとした。結果を表6〜8に示す。
例1〜27の吸光度変化量Absの測定結果を縦軸、被験試料のCRP濃度(mg/dL)を横軸にとったグラフを作成した。該グラフを図3〜4に示す。図3は、測定領域全域(CRP濃度が0〜30mg/dL)のグラフ、図4は、低濃度域(CRP濃度が0〜0.94mg/dL)のグラフである。
(評価)
上記の吸光度変化量Absの測定結果から、下記式により、低濃度域変化率、高濃度域変化率を算出した。
低濃度域変化率=[CRP濃度0.5mg/dL時の吸光度変化量Abs]−[CRP濃度0.0mg/dL時の吸光度変化量Abs]
高濃度域変化率=[CRP濃度30.0mg/dL時の吸光度変化量Abs]−[CRP濃度0.0mg/dL時の吸光度変化量Abs]
低濃度域変化率の値が大きいほど、低濃度領域でのCRP測定を良好に実施できることを示す。つまり、低濃度域変化率の値が大きいほど、低濃度領域でグラフの立ち上がりがよく、CRP濃度のわずかな変化が吸光度変化量Absに反映される。低濃度域変化率は、30以上が好ましく、50以上がより好ましい。
高濃度域変化率の値が大きいほど、高濃度領域でのCRP測定を良好に実施できることを示す。高濃度域変化率は、3000以上が好ましく、4000以上がより好ましい。
本発明においては、特に、以下の条件1および条件2を満たすことが好ましい。
条件1:低濃度域変化率≧30
条件2:高濃度域変化率≧3000
Figure 2014081205
Figure 2014081205
Figure 2014081205
上記結果に示すとおり、
測定試薬第一液として、粒度分布曲線が有するピークが、x<200nmの領域に1つのみのRA13を使用した例22は、低濃度域変化率が低かった。
測定試薬第一液として、粒度分布曲線が有するピークが、x≧200nmの領域に1つのみのRA14を使用した例23は、高濃度域変化率が低かった。
測定試薬第一液として、粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有していても、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300未満のRA15を使用した例27は、低濃度域においても高濃度域においても変化率が低かった。
粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有し、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上の測定試薬第一液と、界面活性剤(A)を含む測定試薬第二液とを併用し、測定時の界面活性剤(A)濃度を0.15〜0.40質量%とした例1〜18は、低濃度域変化率、高濃度域変化率ともに高く、条件1、2を満たしていた。
粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有し、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上の測定試薬第一液を使用したが、界面活性剤(A)を含まない測定試薬第二液と併用した例19は、高濃度域変化率が例22、23よりも向上し、低濃度域変化率も例22より改善したが、低濃度域変化率が条件1を満たさなかった。
粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有し、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上の測定試薬第一液と、界面活性剤(A)を含む測定試薬第二液とを併用したが、測定時の界面活性剤(A)濃度が0.1質量%の例20は、高濃度域変化率が例22、23よりも向上し、低濃度域変化率も例22より改善したが、低濃度域変化率が条件1を満たさなかった。
粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有し、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上の測定試薬第一液と、界面活性剤(A)を含む測定試薬第二液とを併用したが、測定時の界面活性剤(A)濃度が0.45質量%の例21は、高濃度域変化率が例22、23よりも向上し、低濃度域変化率も例22より改善したが、低濃度域変化率が条件1を満たさなかった。
粒度分布曲線が、x<200nmの領域と、x≧200nmの領域に1つずつピークを有し、座標P1、V1、V2、P2、P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上の測定試薬第一液と、測定試薬第二液の界面活性剤としてラウリルスルホベタインとコール酸を用いた例24は、低濃度域変化率が例22より改善したが、高濃度域変化率が例22、23より低くなった。測定試薬第二液の界面活性剤としてラウリルスルホベタイン、コール酸をそれぞれ単独で用いた例25、例26は、低濃度域変化率、高濃度域変化率ともに例22、23より低くなった。
これらの結果から、スルホベタイン構造を有してもステロイド骨格を有さないラウリルスルホベタインや、ステロイド骨格を有してもスルホベタイン構造を有さないとコール酸では、低濃度域変化率や高濃度域変化率の改善効果は得られないことが確認できた。

Claims (6)

  1. ラテックス凝集比濁法によるC−反応性タンパク質測定用の測定試薬であって、
    C−反応性タンパク質と特異的に反応する基を表面に有する粒子を含有し、
    前記粒子の粒径x(nm)を横軸、質量換算の頻度y(%)を縦軸とした粒度分布曲線が、x<200の領域に少なくとも1つのピーク、200≦xの領域に少なくとも1つのピークを有し、
    前記粒度分布曲線にて、座標P1(x1、y1)、V1(x3、ymin)、V2(x4、ymin)、P2(x2、y2)、前記P1を順次結ぶ直線で囲まれた領域の面積が300以上である、測定試薬。
    ただし、x1およびy1はそれぞれ、x<200の領域に有るピークのうち、粒径が最も大きいピークの粒径および頻度を示す。
    x2およびy2はそれぞれ、200≦xの領域に有るピークのうち、粒径が最も小さいピークの粒径および頻度を示す。
    minは、x1<x<x2の領域内でのyの最小値を示す。
    x3は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最小値を示す。
    x4は、x1<x<x2の領域内で、y=yminであるxの最大値を示す。
  2. 前記C−反応性タンパク質と特異的に反応する基が、ホスホリルコリン基である、請求項1に記載の測定試薬。
  3. 分子構造内に、置換基が結合していてもよいステロイド骨格の炭化水素基と、下記一般式(2)で表される基とを有する界面活性剤をさらに含む、請求項2に記載の測定試薬。
    Figure 2014081205
    [式中、Xは、水酸基が結合していてもよい炭素数3〜5の直鎖アルキレン基を示す。]
  4. 前記粒子が分散した粒子分散液である第一液と、前記界面活性剤を含む第二液とを備えるキットである、請求項3に記載の測定試薬。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の測定試薬を用いて、ラテックス凝集比濁法により、被験試料中のC−反応性タンパク質濃度を測定する測定方法。
  6. 被験試料と、請求項3または4に記載の測定試薬とを混合して反応液を調製し、該反応液の吸光度を測定する工程を含み、
    前記反応液中の前記界面活性剤の濃度が0.15〜0.40質量%である、請求項5に記載の測定方法。
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