JP2014080456A - 導電性ゴム組成物、現像ローラ、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性ゴム組成物は、SBR、エピクロルヒドリンゴム、CRの総量中に占めるSBRの割合が40〜80質量部であるゴム分100質量部に、1.0〜1.5質量部の硫黄系架橋剤、0.2〜0.6質量部のチオウレア系促進剤、0.1〜0.5質量部のチウラム系促進剤、1.0〜2.0質量部のチアゾール系促進剤を配合した。現像ローラ1は、前記導電性ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2を備える。画像形成装置は、前記現像ローラを備える。
【選択図】図1
Description
例えばレーザープリンタでは、今後のさらなる普及を目指して、より一層の小型化とメンテナンスフリー化とを図るために研究開発が続けられている。そしてこの流れに沿って、前記レーザープリンタの現像部に組み込んで、感光体の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像するために用いられる現像ローラについても、さらなる小型化が求められている。
また前記導電性ゴム組成物は、例えば共重合成分としてエチレンオキサイドを含みイオン導電性を有する共重合ゴム(イオン導電性ゴム)と、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等とを少なくとも含むゴム分に、当該ゴム分を架橋させるための架橋剤、架橋促進剤等の各種添加剤を配合する等して調製される。
そのため現像ローラには、
・ 現状よりも小径化すること、
・ 小径化しても従来と同等程度のニップ厚を維持した状態で感光体の表面に圧接させるとともに、トナーへの負担を低減するべく、ローラ本体を低硬度化して柔軟性を高めること、
・ 同じくトナーへの負担を低減するべく、ローラ本体の外周面の摩擦係数をできるだけ低くすること、
・ 低硬度化しても圧縮永久歪みが小さい状態を維持することで、圧接により変形したのち前記圧接を解除しても元の状態になかなか復元されない、いわゆる「ヘタリ」を生じにくくして、前記ヘタリにより形成画像に画像ムラが生じるのを防止できること、
等が求められている。
すなわち1回の画像形成には、カートリッジ内に収容したトナーのごく一部しか使用されず、残りの大部分のトナーは前記カートリッジ内を繰り返し循環する。そのためカートリッジ内に設けられてトナーと繰り返し接触する現像ローラ等が、前記トナーにどれだけの負担(ダメージ)を与えるか、あるいは与えないかが、同じトナーを繰り返し画像形成に使用した際に、形成画像の画質をどれだけの間、良好な状態で維持し続けることができるか否かを決定する上での大きな鍵となる。
例えば特許文献1に記載されているように、前記トナーへの負担を低減するべく、ローラ本体の柔軟性を高めるためには、例えば前記イオン導電性ゴムと併用するゴム分として、従来のNBRに比べて柔軟な架橋物を形成しうるスチレンブタジエンゴム(SBR)を用いるのが有効である。
またローラ本体の外周面の摩擦係数を低下させるためには、架橋後のローラ本体の外周面に、例えば酸化性雰囲気中で紫外線を照射し、それによって前記外表面を構成する導電性ゴム組成物の架橋物それ自体を酸化させて酸化膜を形成するのが有効である。
しかも塗剤等を別に用意することなく、前記のように紫外線を照射してローラ本体の外周面を構成する導電性ゴム組成物の架橋物を酸化させるだけで簡単に形成できるため、現像ローラの生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを極力抑制することもできる。
そして、できるだけ厚みが大きくかつ緻密で、摩擦係数の低減効果に優れた酸化膜を形成するには、紫外線の照射時間を大幅に延長するか、または架橋条件を調整することで、架橋後のローラ本体中に、紫外線の照射による酸化膜形成の起点となる炭素−炭素二重結合を意図的に多く残して、前記紫外線の照射による酸化膜形成の効率を向上することが考えられる。
そのため前者の、紫外線の照射時間を大幅に延長する方法を採用した場合には、低圧水銀ランプの消耗が増加して頻繁に交換しなければならなくなって、現像ローラの生産性が低下したり製造コストが高くついたりするのを抑制するという、酸化膜を形成することの本来の利点が失われてしまう問題がある。
さらに現像ローラには、前記のようにカートリッジに組み込んでローラ本体を感光体と圧接させた状態で長期間経過しても、前記ローラ本体中に含まれる成分が感光体に移行する、いわゆる感光体の汚染を生じたり、それによって形成画像の画質が低下したりしにくいことも求められる。
すなわち本発明は、ゴム分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含む導電性ゴム組成物であって、
前記ゴム分は、SBR、エピクロルヒドリンゴム、およびCRの3種で、かつ前記ゴム分の総量100質量部中に占めるSBRの割合が40質量部以上、80質量部以下であるとともに、
前記架橋成分としては、前記ゴム分の総量100質量部あたり、1.0質量部以上、1.5質量部以下の硫黄系架橋剤、0.2質量部以上、0.6質量部以下のチオウレア系促進剤、0.1質量部以上、0.5質量部以下のチウラム系促進剤、および1.0質量部以上、2.0質量部以下のチアゾール系促進剤を含んでいることを特徴とするものである。
すなわち、ゴム分のうちSBRの配合割合が40質量部未満であるか、架橋成分のうち硫黄系架橋剤の配合割合が1.5質量部を超えるか、あるいはチウラム系促進剤の配合割合が0.5質量部を超える場合には、このいずれにおいても架橋後、紫外線を照射する前のローラ本体中に残存する炭素−炭素二重結合の量が不足するため、できるだけ短時間の紫外線の照射によって、前記ローラ本体の外周面に、厚みが大きくかつ緻密で、摩擦係数の低減効果に優れた良好な酸化膜を形成する効果が得られない。
さらにSBRの配合割合が80質量部を超えるか、チアゾール系促進剤の配合割合が2.0質量部を超えるか、あるいはチオウレア系促進剤の配合割合が0.2質量部未満では、このいずれにおいても感光体の汚染を生じやすくなる。
また本発明は、前記本発明の現像ローラを備えることを特徴とするレーザープリンタ等の画像形成装置である。
そのため本発明の現像ローラによれば、当該現像ローラを組み込む特に高耐久向けのレーザープリンタのカートリッジや、当該カートリッジを着脱自在に装着するレーザープリンタ等の画像形成装置を、現状よりも一層小型化することが可能となる。
本発明の導電性ゴム組成物は、ゴム分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含むものであって、
前記ゴム分は、スチレンブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、およびクロロプレンゴムの3種で、かつ前記ゴム分の総量100質量部中に占めるスチレンブタジエンゴムの割合が40質量部以上、80質量部以下であるとともに、
前記架橋成分としては、前記ゴム分の総量100質量部あたり、1.0質量部以上、1.5質量部以下の硫黄系架橋剤、0.2質量部以上、0.6質量部以下のチオウレア系促進剤、0.1質量部以上、0.5質量部以下のチウラム系促進剤、および1.0質量部以上、2.0質量部以下のチアゾール系促進剤を含んでいることを特徴としている。
(SBR)
SBRとしては、スチレンと1,3−ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRがいずれも使用可能である。またSBRとしては伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
特にSBRとしては、前記スチレン含量が20〜40%で、かつムーニー粘度が30〜60ML1+4(100℃)であるものなどが好ましい。
SBRの配合割合は、前記のようにゴム分の総量100質量部中の40質量部以上、80質量部以下に限定される。SBRの配合割合を前記範囲内とすることで、後述する架橋成分の量規定と相まって、先に説明した本願発明の効果を奏することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、SBRの配合割合は、前記範囲内でも、ゴム分の総量100質量部中の50質量部以上であるのが好ましい。
またSBRとして油展タイプのものを用いる場合、前記配合割合は、当該油展SBR中に含まれる固形分としてのSBRの配合割合である。
エピクロルヒドリンゴムとしては、繰り返し単位としてエピクロルヒドリンを含む種々の重合体が挙げられる。
前記エピクロルヒドリンゴムとしては、例えばエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
エチレンオキサイドは電気抵抗値を下げる働きがあるが、エチレンオキサイド含量が前記範囲未満であると、かかる電気抵抗値の低減効果が小さい。一方、エチレンオキサイド含量が前記範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に電気抵抗値が上昇する傾向がある。また、架橋後のローラ本体の硬度が上昇したり、架橋前の導電性ゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
前記ECOにおけるエチレンオキサイド含量は30〜80モル%、特に50〜80モル%であるのが好ましい。またエピクロルヒドリン含量は20〜70モル%、特に20〜50モル%であるのが好ましい。
前記GECOにおけるエチレンオキサイド含量は30〜95モル%、特に60〜80モル%であるのが好ましい。またエピクロルヒドリン含量は4.5〜65モル%、特に15〜40モル%以上であるのが好ましい。さらにアリルグリシジルエーテル含量は0.5〜20モル%、特に2モル%以上であるのが好ましい。
特にエピクロルヒドリンゴムとしては、アリルグリシジルエーテル含量が2〜20モル%で、かつムーニー粘度が40〜80ML1+4(100℃)であるGECOなどが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、現像ローラのローラ抵抗値が上昇し、現像に使用した際にトナー帯電量が低下して、形成画像の画像濃度が低下するおそれがある。一方、前記範囲を超える場合にはローラ本体にトナーが付着しやすくなって、却って形成画像の画像濃度が低下するおそれがある。またローラ本体の柔軟性が低下して、トナーへの負担が増加するおそれもある。
CRは、例えばクロロプレンを乳化重合させて合成され、その際に用いる分子量調整剤の種類によって硫黄変性タイプと非硫黄変性タイプに分類される。
このうち硫黄変性タイプのCRは、クロロプレンと、分子量調整剤としての硫黄とを共重合させたポリマをチウラムジスルフィド等で可塑化し、所定の粘度に調整して得られる。
このうちメルカプタン変性タイプのCRは、例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を分子量調整剤として使用して、前記硫黄変性タイプのCRと同様にして合成される。またキサントゲン変性タイプのCRは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調整剤として使用して、前記と同様にして合成される。
さらにCRとしては、クロロプレンと他の共重合成分との共重合ゴムを用いてもよい。前記他の共重合成分としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、ブタジエン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
CRの配合割合は、前記SBR、およびエピクロルヒドリンゴムの残量である。SBR、エピクロルヒドリンゴム、およびCRの総量が100質量部となるように、前記CRの配合割合を設定すればよい。
前記ゴム分を架橋させるための架橋成分として、本発明では、硫黄系架橋剤、チオウレア系促進剤、チウラム系促進剤、およびチアゾール系促進剤を用いる。
(硫黄系架橋剤)
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。また有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に硫黄が好ましい。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、硫黄系架橋剤の配合割合は、前記範囲内でも、ゴム分の総量100質量部あたり1.2質量部以上であるのが好ましく、1.3質量部以下であるのが好ましい。
チオウレア系促進剤としては、例えばテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、(CnH2n+1NH)2C=S〔式中、nは1〜10の整数を示す。〕で表されるチオウレア等の1種または2種以上が挙げられる。
前記チオウレア系促進剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、0.6質量部以下に限定される。チオウレア系促進剤の配合割合を前記範囲内とすることで、先に説明したSBRや、他の架橋成分の量規定と相まって、先に説明した本願発明の効果を奏することができる。
(チウラム系促進剤)
チウラム系促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等の1種または2種以上が挙げられる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、チウラム系促進剤の配合割合は、前記範囲内でも、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上であるのが好ましく、0.4質量部以下であるのが好ましい。
チアゾール系促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の1種または2種以上が挙げられる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、チアゾール系促進剤の配合割合は、前記範囲内でも、ゴム分の総量100質量部あたり1.3質量部以上であるのが好ましく、1.7質量部以下であるのが好ましい。
架橋成分として、前記硫黄系架橋剤と3種の促進剤を併用することにより、本発明の効果が得られているため、基本的に、さらに他の架橋成分を配合する必要はないが、前記架橋剤、促進剤の反応を補助する促進助剤を併用することは可能である。
促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
〈その他〉
導電性ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。前記添加剤としては、例えば受酸剤、可塑成分(可塑剤、加工助剤等)、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、気泡防止剤、共架橋剤等が挙げられる。
前記受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、分散性に優れていることからハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
前記受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤やワックス等が挙げられる。
これら可塑成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。例えばローラ本体の外周面に、必要に応じて酸化膜を形成する際にブリードを生じたり、画像形成装置への装着時や運転時に感光体の汚染を生じたりするのを防止するためである。かかる目的に鑑みると、可塑成分としては極性ワックスを使用するのが特に好ましい。
このうち酸化防止剤は、現像ローラのローラ抵抗値の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値の上昇を抑制する働きをする。前記酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いて、ローラ本体に電子導電性を付与することもできる。
充填剤の配合割合は、例えば非多孔質のローラ本体に良好な柔軟性を付与することを考慮すると、ゴム分の総量100質量部あたり50質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
前記共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、ジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) 前記(a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) 前記(a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
前記モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
《現像ローラおよび画像形成装置》
図1は、本発明の現像ローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
ローラ本体2は、現像ローラ1をできるだけ生産性良く、かつ低コストで製造するとともに、前記ローラ本体2の耐久性や圧縮永久ひずみ等を向上するために、非多孔質でかつ、基本的には図に示すように単層構造に形成するのが好ましい。
シャフト4は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。ローラ本体2とシャフト4とは、例えば導電性を有する接着剤等により電気的に接合されると共に機械的に固定されて一体に回転される。
前記現像ローラ1は、先に説明した各成分を含む本発明の導電性ゴム組成物を用いて、従来同様に製造することができる。
次いで前記筒状体を冷却して固化させたのち、通孔3に架橋用の仮のシャフトを挿通して加硫缶内で加熱して架橋させる。
そして必要に応じてローラ本体2の外周面5を所定の表面粗さになるように研磨したのち、さらに前記外周面5を酸化膜6によって被覆すると、図1に示す現像ローラ1が製造される。
この際、ローラ本体2が前記本発明の導電性ゴム組成物からなり、架橋後、紫外線を照射する前の前記ローラ本体2中には炭素−炭素二重結合が適度に残存していることから、先に説明したように、できるだけ短時間の紫外線の照射によって、前記ローラ本体2の外周面に、厚みが大きくかつ緻密で、摩擦係数の低減効果に優れた良好な酸化膜を形成することができる。
前記現像ローラ1は、例えばレーザープリンタ等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで、感光体の表面に形成される静電潜像を、帯電させたトナーによってトナー像に現像するために好適に使用することができる。
そのため前記現像ローラ1によれば、当該現像ローラ1を組み込む特に高耐久向けのレーザープリンタのカートリッジや、当該カートリッジを着脱自在に装着するレーザープリンタ等の画像形成装置を、現状よりも一層小型化することが可能となる。
本発明の現像ローラを組み込む画像形成装置としては、例えばレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置が挙げられる。そのいずれにおいても、現像ローラ1の小径化、並びにカートリッジの小型化が可能であることから、画像形成装置の全体での小型化が可能となる。
(導電性ゴム組成物の調製)
ゴム分としては、SBR〔非油展タイプ、JSR(株)製のJSR1502〕60質量部、GECO〔ダイソー(株)製のエピオン(登録商標)ON301、EO/EP/AGE=73/23/4(モル比)〕20質量部、およびCR〔昭和電工(株)製のショウプレン(登録商標)WRT〕20質量部を配合した。
硫黄系架橋剤:粉末硫黄
チオウレア系促進剤:エチレンチオウレア〔2−メルカプトイミダゾリン、川口化学工業(株)製のアクセル(登録商標)22−S〕
チウラム系促進剤:テトラメチルチウラムモノスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TS〕
チアゾール系促進剤:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM〕
促進助剤:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
充填剤:導電性カーボンブラック〔電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標)〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A(登録商標)−2〕
表中の質量部は、前記ゴム分の総量100質量部あたりの質量部である。
前記ゴム組成物を押出成形機に供給して外径φ16mm、内径φ5〜5.5mmの筒状に押出成形した後、前記筒状体を、外径φ3mmの架橋用の仮のシャフトに装着して加硫缶内で160℃×1時間架橋させた。
次いで前記筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ6mmのシャフトに装着し直して、オーブン中で160℃に加熱して前記シャフトに接着したのち両端をカットし、外周面を、円筒研磨機を用いてトラバース研磨したのち仕上げとして鏡面研磨をして外径がφ13mm(公差0.05)になるように仕上げて、前記シャフトと一体化されたローラ本体を形成した。
ゴム分として、前記SBR40質量部、GECO30質量部、およびCR30質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
〈実施例3〉
ゴム分として、前記SBR80質量部、GECO10質量部、およびCR10質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
ゴム分として、前記SBR35質量部、GECO32.5質量部、およびCR32.5質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
〈比較例2〉
ゴム分として、前記SBR85質量部、GECO7.5質量部、およびCR7.5質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
硫黄系架橋剤としての硫黄の配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり0.9質量部(比較例3)、1.0質量部(実施例4)、1.5質量部(実施例5)、1.6質量部(比較例4)としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
チアゾール系促進剤の配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり0.9質量部(比較例5)、1.0質量部(実施例6)、2.0質量部(実施例7)、2.1質量部(比較例6)としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
チウラム系促進剤の配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり0.05質量部(比較例7)、0.1質量部(実施例8)、0.5質量部(実施例9)、0.55質量部(比較例8)としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
チオウレア系促進剤の配合割合を、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部(比較例9)、0.2質量部(実施例10)、0.6質量部(実施例11)、0.7質量部(比較例10)としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。
ゴム分として、前記SBR50質量部、GECO20質量部、およびCR30質量部を配合するとともに、ゴム分の総量100質量部あたりの各成分の配合割合を、硫黄0.75質量部、チアゾール系促進剤0.5質量部、チウラム系促進剤1.0質量部、チオウレア系促進剤0.85質量部、充填剤としての導電性カーボンブラック5.0質量部、受酸剤3.0質量部とし、かつグアニジン系促進剤としての1,3−ジ−o−トリルグアニジン〔大内新興化学工業(株)製のノクセラーDT〕0.8質量部を配合するとともに、促進助剤としての酸化亜鉛を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電性ゴム組成物を調製し、現像ローラを作製した。このものは、特許文献1の実施例3を再現したものに相当する。
架橋後、紫外線を照射する前のローラ本体中に残存する炭素−炭素二重結合の量は、トルエンによる質量変化率によって評価することができる。
すなわち前記各実施例、比較例で形成した、紫外線を照射する前のローラ本体から、日本工業規格JIS K6258:2003「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐液性の求め方」に規定された試験片を切り出し、当該試験片をトルエンに浸漬して、温度23℃の条件で、前記規格に所載の測定方法に則って測定した質量変化率が大きいほど、ローラ本体中に残存する炭素−炭素二重結合の量が多いと評価することができる。
〈圧縮永久ひずみ率測定〉
前記各実施例、比較例で調製したゴム組成物を用いて、日本工業規格JIS K6262:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−常温,高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方」に規定された大型試験片を作製し、前記試験片を用いて、試験温度70±1℃、試験時間22時間の条件で圧縮試験を実施し、圧縮する前の試験片の厚みt0、圧縮時に使用したスペーサの厚みt1、および圧縮を解除して30分後の試験片の厚みt2から、下記式(1):
○:圧縮永久ひずみ率CSが10%以下であった。合格。
×:圧縮永久ひずみ率CSが10%を超えた。不合格。
〈摩擦係数測定〉
温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下、表面が水平となるように設置したアルミニウム製のプレートの前記表面上にテフロン(登録商標)シートを敷き、その上に、前記各実施例、比較例で作製した現像ローラを、前記テフロンシートとの間にPETシートを挟んで回転しないように固定した状態で、その自重によって前記PETシートに圧接させた。
N=[現像ローラの質量(g)]×0.001×9.8
から、式(2):
PETシートは、前記試験中に現像ローラのローラ本体がはみ出してテフロンシートの表面に直接に接触しない大きさとした。
そして摩擦係数μが0.10以下であったものを合格(○)、0.10を超えたものを不合格(×)とした。
前記各実施例、比較例で作製した現像ローラを、市販のレーザープリンタ用のカートリッジに、純正の現像ローラの代わりに組み込んで、前記レーザープリンタに装着した。
そして温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下でモノクロのベタ画像とハーフトーン画像とを形成したのち、前記カートリッジをレーザープリンタから取り出して温度50℃、相対湿度90%の環境下で1週間静置したのち、再びレーザープリンタに装着して、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下でモノクロのベタ画像とハーフトーン画像とを形成して、形成画像に汚染ラインが発生していなかったものを感光体の汚染なし(○)、汚染ラインが発生していたものを感光体の汚染あり(×)として評価した。
また表2、表4、表5の実施例1、4、5、比較例3、4、11の結果より、ゴム分の総量100質量部あたりの硫黄系架橋剤の配合割合は1.0質量部以上、1.5質量部以下である必要があり、中でも特に1.2質量部以上であるのが好ましく、1.3質量部以下であるのが好ましいことが判った。
また表2、表3、表5の実施例1、8、9、比較例7、8、11の結果より、ゴム分の総量100質量部あたりのチウラム系促進剤の配合割合は0.1質量部以上、0.5質量部以下である必要があり、中でも特に0.2質量部以上であるのが好ましく、0.4質量部以下であるのが好ましいことが判った。
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 酸化膜
Claims (3)
- ゴム分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含む導電性ゴム組成物であって、
前記ゴム分は、スチレンブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、およびクロロプレンゴムの3種で、かつ前記ゴム分の総量100質量部中に占めるスチレンブタジエンゴムの割合が40質量部以上、80質量部以下であるとともに、
前記架橋成分としては、前記ゴム分の総量100質量部あたり、1.0質量部以上、1.5質量部以下の硫黄系架橋剤、0.2質量部以上、0.6質量部以下のチオウレア系促進剤、0.1質量部以上、0.5質量部以下のチウラム系促進剤、および1.0質量部以上、2.0質量部以下のチアゾール系促進剤を含んでいることを特徴とする導電性ゴム組成物。 - 前記請求項1に記載の導電性ゴム組成物を筒状に成形し、架橋させるとともに、その外周面に、紫外線照射による酸化膜が形成されたローラ本体を備えることを特徴とする現像ローラ。
- 前記請求項2に記載の現像ローラを備えることを特徴とする画像形成装置。
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