JP2014079790A - 熱間プレス成形方法及び金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱されたワーク20を金型10によってプレス成形するとともに、金型10とワーク20との間に冷媒を流して当該ワーク20を冷却する熱間プレス成形方法において、ワーク20のうち高強度にする部分23と低強度にする部分24との境界22における金型10とワーク20との密着度を、高強度にする部分23における金型10とワーク20との密着度より高くする構成とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でワークに強度差をつけることが可能な熱間プレス成形方法及び金型を提供することを目的とする。
上記構成によれば、ワークのうち高強度にする部分と低強度にする部分との境界における金型とワークとの密着度を、高強度にする部分における金型とワークとの密着度より高くしたため、密着性を高めた部分によって、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
上記構成によれば、ワークの境界に凸部を設けるという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
上記構成によれば、境界における金型とワークの間に密着性を高める部材を配置するという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
上記構成によれば、ワークのうち高強度にする部分と低強度にする部分との境界における金型とワークとの密着度を、高強度にする部分における金型とワークとの密着度より高くしたため、密着性を高めた部分によって、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
上記構成によれば、上型及び下型の少なくとも一方に凸部を設けるという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
上記構成によれば、上型及び下型の両方に位置をずらして凸部を設けるという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制できる。
また、ワークの境界に凸部を設けるという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制でき、ワークに強度差をつけることができる。
また、境界における金型とワークの間に密着性を高める部材を配置するという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制でき、ワークに強度差をつけることができる。
また、上型及び下型の両方に位置をずらして凸部を設けるという簡単な構成で、低強度にする部分のワークに冷媒が流れることを抑制でき、ワークに強度差をつけることができる。また、ワークの境界が薄くなるのを防止できる。
図1は、本実施形態に係る金型を備えたプレス成形装置を模式的に示す断面図である。図2は、型締めしたプレス成形装置を模式的に示す断面図である。なお、図1、図2及び以下に示す図では、ワークと金型との間の隙間を強調して図示している。
プレス成形装置1は、金型10と、この金型10によって成形するワーク20を保持するブランクホルダ2とを備えて構成されている。金型10は、設置面Sに配置される下型11と、下型11の上方に配置される上型12とを有している。下型11は固定の凸型であり、上型12は可動の凹型である。下型11及び上型12には、冷媒(例えば、水等の液体)を流す冷媒路13が設けられるとともに、下型11及び上型12の成形面に冷媒路13に連通する複数の供給口14が設けられ、これらの供給口14から冷媒がワーク20に直接供給されるようになっている。
ブランクホルダ2には設置面Sを下から貫通してブランクホルダ2を押すクッションピン3が接続され、クッションピン3は油圧シリンダ(不図示)に支持されており、油圧シリンダの作用でクッションピン3は、常にブランクホルダ2を押し上げている。
ワーク20は、鋼板を熱間プレス成形によって断面ハット状に成形され、幅方向両端部にフランジ21を有する。本実施形態のワーク20は、例えば自動車の車体を補強する補強部材に使用され、高強度となる高張力鋼板を用いて形成されている。補強部材としてのワーク20は、フランジ21の延出方向略中央に位置する境界22を境に、車内空間を確保する強度の高い高強度部23と、車体への衝撃を吸収する強度の低い低強度部24とを備えている。なお、境界22の位置は、適宜変更可能である。
冷却方法としては、複数の供給口から冷媒をワークに直接供給する直接水冷方法があるが、冷却したい部分に供給口を設けるといった従来の直接水冷方法では、冷媒の流れを制御することが難しく、その結果焼き入れ位置を制御することができない。
以下、本実施形態に係る高強度部23及び低強度部24を一体に形成するための構成について詳細に説明する。
本実施形態では、図4に示すように、冷媒路13及び供給口14をワーク20の高強度部23側だけに設けており、上型12には、ワーク20の境界22に対応して直線状に延びる凸部(ビード)16を形成している。この凸部16は下型11に向けて突出する突起状に形成されており、凸部16の高さは、型締めした金型10内に冷媒を供給した際に低強度部24側に冷媒が入り込まない程度の高さに設定される。
本実施形態では、低強度部24を冷媒で直接冷却していないが、焼き入れが完了し、ワーク20の形状が変化しない温度までワーク20の温度が低下した段階で、ワーク20を金型10から取り出すことが可能なので、ワーク20を製造するサイクルタイムが極端に長くなることはない。
例えば、上記実施形態では、加熱したワーク20を下型11に配置したが、金型10に加熱手段を設け、ワーク20を下型11に配置した後に加熱し、その後、プレス成形してもよい。
また、上記実施形態では、冷却時間を短縮するため、冷媒路13及び供給口14は、下型11及び上型12の両側に設けていたが、下型11及び上型12の一方に設けてもよい。
また、上記実施形態では、凸部16の高さは、当該凸部16に押されたワーク20に跡25が残る程度に設定されていたが、凸部16に押された部分のワーク20が弾性変形により戻って跡25が残らない程度に設定されてもよい。
また、上記実施形態では、凸部16を上型12に設けていたが、下型11に設けてもよく、下型11及び上型12の両方に設けてもよい。下型11及び上型12の両方に凸部を設ける場合には、上型12及び下型11の凸部の位置を一致させてもよいし、ワーク20の境界22が薄くなるのを防止するため、図9に示すように、凸部416を上型12及び下型11にずらして設けてもよい。
また、図10では、高強度部23と低強度部24とで厚さが同じになるように段状の凸部516を設けたが、高強度部23と低強度部24とで厚さが異なるように段状の凸部を設けてもよい。図12の例では、高強度部23側が厚くなるように段状の凸部716を設けているが、低強度部24側が厚くなるように段状の凸部を設けてもよい。
なお、図8中の符号325、図9中の符号425、図10中の符号525、図11中の符号625、及び、図12中の符号725は、それぞれ凸部416,516,616,716によって形成された跡である。
また、凸部は、ワーク20に一体でなくともよく、図15に示すように、ワーク20の境界22に対応する位置に別体の凸部226を設けてもよい。別体の凸部226の材料は、ワーク20と同一でもよいし、例えばシリコン等の耐熱性を有する材料であってもよい。これにより、ワーク自体を加工する必要がないので、ワークに凸部を設ける場合に比べ、ワークの製造が容易となる。
なお、ワーク20側に設ける凸部の全体形状は直線状に限られるものではなく、図6及び図7に示したように、断続的な形状であってもよい。
また、上記実施形態では、冷媒として水を用いていたが、冷媒は液体に限らず気体であってもよい。
また、上記実施形態では、ワークを自動車の車体を補強する補強部材として説明したが、本発明は、高強度部と低強度部を有する種々のワークに適用可能である。
10 金型
11 下型
12 上型
16,116…716 凸部(密着性を高める部材)
20 ワーク
22 境界
23 高強度部(高強度にする部分)
24 低強度部(低強度にする部分)
26,126,226 凸部
Claims (6)
- 加熱されたワークを金型によってプレス成形するとともに、前記金型と前記ワークとの間に冷媒を流して当該ワークを冷却する熱間プレス成形方法において、
前記ワークのうち高強度にする部分と低強度にする部分との境界における前記金型と前記ワークとの密着度を、高強度にする部分における前記金型と前記ワークとの密着度より高くしたことを特徴とする熱間プレス成形方法。 - 前記ワークの前記境界に凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
- 前記境界における前記金型と前記ワークの間に密着性を高める部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
- 加熱されたワークをプレス成形するとともに、前記ワークとの間に冷媒を流して当該ワークを冷却する金型において、
前記ワークのうち高強度にする部分と低強度にする部分との境界における前記金型と前記ワークとの密着度を、高強度にする部分における前記金型と前記ワークとの密着度より高くしたことを特徴とする金型。 - 上型及び下型を備え、
前記上型及び下型の少なくとも一方の前記境界に対応する位置に前記凸部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の金型。 - 上型及び下型を備え、
前記上型及び下型の両方に位置をずらして前記凸部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の金型。
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