JP2014078798A - Pwm制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合であっても、より確実に電源変動を抑制することのできるPWM制御装置を提供する。
【解決手段】同時に通電する負荷の組合せ(通電パターンA〜E)を変えながら、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子Qa〜Qdを、共通する周期T0を持ったそれぞれのPWM信号Sa〜SdでON/OFFし、PWM信号Sa〜Sdのデューティ比で負荷La〜Ldに供給する電流を制御するPWM制御装置であって、前記組合せ毎に、該組合せを構成するPWM信号の周期T0内における立ち上りまたは立ち下りの位相が設定されてなるPWM制御装置10とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数の負荷にそれぞれ接続されたスイッチング素子(以下、SW素子と略記)を共通する周期のPWM信号でON/OFFする、PWM制御装置に関する。
複数の負荷にそれぞれ接続されたSW素子を共通する周期のPWM信号でON/OFFするPWM制御装置が、例えば、特開平9−331696号公報(特許文献1)と特開2004−274975号公報(特許文献2)に開示されている。
図11は、特許文献1,2と同様の従来のPWM制御装置による制御例を説明する図で、PWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートである。
図11に示す4つのPWM信号Sa〜Sdは、電源とグランドの間に並列接続された4本のソレノイド(負荷)をそれぞれ駆動するSW素子の制御信号で、共通する周期T0を有しており、該周期T0でそれぞれのSW素子をON/OFFしている。一方、各負荷に供給する電流は、それぞれの負荷で異なっており、図中に括弧付きで示したPWM信号Sa〜Sdのデューティ比(パルス幅)Da〜Ddで制御する。
図11に示す4つのPWM信号Sa〜Sdは、一番上のPWM信号Saを基準にして、残りのPWM信号Sb〜Sdの周期T0内における立ち上りの位相が、順に、決められた一定の位相差U0だけ遅れた設定となっている。これによれば、4つのPWM信号Sa〜Sdのうち、いずれかの立ち上りの位相が重なる場合に較べて、PWM信号Sa〜Sdの急激な立ち上りに伴って発生する電磁ノイズを抑制することが可能である。また、図11の位相差U0を90°に設定すれば、例えばデューティ比Da〜Ddが0.5で等しい場合、PWM信号Sa〜Sdのそれぞれのパルスを、周期T0内で均一に分散させることができる。従って、これによれば、PWM信号Sa〜Sdによる各SW素子のON/OFFに伴った、電源電圧の変動を抑制することができる。
特開平9−331696号公報 特開2004−274975号公報
電源とグランドの間に並列接続された複数の負荷に対して、各負荷にそれぞれ接続されたSW素子を共通する周期のPWM信号でON/OFFする場合、複数の負荷の全てを同時に通電させて駆動する用途だけでなく、同時に通電する負荷の組合せを変えながら、該複数の負荷を駆動する用途が多数ある。従って、図11に示した従来のPWM制御装置で、例えば上の2つのPWM信号Sa,SbでSW素子をON/OFFする場合、それらのパルスは、周期T0内で片寄って存在することになる。また、4つのPWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddは、必ずしも等しくない。従ってこの場合には、図11に示したPWM信号Sa〜Sdのように一定の位相差U0だけ遅れた設定としても、必ずしもPWM信号Sa〜Sdのそれぞれのパルスが周期T0内で均一に分散するわけではない。例えば、PWM信号Sa〜Scのデューティ比Da〜Dcが1に近く、PWM信号Sdのデューティ比Ddが0.1に近い場合である。従って、上記した同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合には、電源変動を抑える上で、図11に示した従来のPWM制御装置による制御が最適であるとは言えない。
そこで本発明は、同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合であっても、より確実に電源変動を抑制することのできるPWM制御装置を提供することを目的としている。
本発明に係るPWM制御装置は、N個(N≧2)の負荷が、電源とグランドの間に並列接続され、同時に通電する負荷の組合せを変えながら、各負荷にそれぞれ接続されたSW素子を、共通する周期を持ったそれぞれのPWM信号でON/OFFし、PWM信号のデューティ比(パルス幅)で、負荷に供給する電流を制御するPWM制御装置で、前記組合せ毎に、該組合せを構成するPWM信号の前記周期内における立ち上りまたは立ち下りの位相が設定されている。
電源とグランドの間に並列接続された複数の負荷に対して、各負荷にそれぞれ接続されたSW素子を共通する周期のPWM信号でON/OFFする場合、複数の負荷の全てを同時に通電させて駆動する用途だけでなく、同時に通電する負荷の組合せを変えながら、該複数の負荷を駆動する用途が多数ある。
上記した本発明に係るPWM制御装置は、後者の用途にも最適に適用できるように構成されたものであり、同時に通電する負荷の組合せ毎に、該組合せを構成するPWM信号の周期内における立ち上りまたは立ち下りの位相が設定されている点に特徴がある。すなわち、従来のPWM制御装置のようにN個(N≧2)の複数の負荷を駆動する各PWM信号に対して一定の位相差を一律に設定するのではなく、同時に通電するn個(2≦n≦N)の負荷の組合せ(従って、該負荷を駆動するPWM信号の組合せ)毎に、PWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を予め細かく設定する構成としている。これによって、従来のPWM制御装置では行われていなかった、電源変動を抑制するための後述する種々の設定が可能となる。
上記PWM制御装置において、同時に通電する負荷の組合せ毎に位相を設定する効果は、特に、電源とグランドの間に並列接続される負荷の数Nが3以上で、並列接続される負荷の数Nが多くなるほど有効である。
上記PWM制御装置は、前記組合せにおいて、前記周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数が最小となるように、前記PWM信号の位相が設定されてなることが好ましい。
これによれば、同時に通電する負荷の各組合せにおいて、同時にON状態となるSW素子の重なり数が最小となるため、電源の最大電流負荷能力を抑制できると共に、電源電圧および負荷電流の最大変動幅も小さくすることができる。
また、例えば、フェールセーフのためN個の負荷への通電を一括してON/OFFするように、共通スイッチング素子(以下、共通SW素子と略記)が、N個の負荷とグランド間または電源間に挿入されている場合がある。この場合には、該共通SW素子への電力集中および該共通SW素子での損失や発熱を抑えることができ、該共通SW素子の小型化や信頼性の向上を図ることができる。
同時に通電する負荷の各組合せにおいて、上記した周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数を最小とする位相設定は、言わば、組合せを構成するPWM信号の各時刻における瞬間的な規定である。電源電圧や負荷電流の変動幅を抑制するためには、上記した各時刻における瞬間的な規定に加えて、組合せを構成するPWM信号の各パルスが周期内で均一に分散して、周期内においても電源電圧や負荷電流の変動幅が平均化されていることが好ましい。
例えばデューティ比が0.2の4つのPWM信号で上記組合せが構成される場合は、デューティ比の合計が0.8(<1)であり、いずれのPWM信号のパルスも重ならないように周期内に分散配置できる。従って、一つのPWM信号がOFFした後、0.05×周期の間隔を開けて次のPWM信号がONすれば、4つのPWM信号のONパルスを周期内に均一に分散させることができる。位相間隔で表せば、0.05×360°=18°である。
逆に、例えばデューティ比が0.3の4つのPWM信号で上記組合せが構成される場合は、デューティ比Da〜Ddの合計が1.2(>1)であり、PWM信号の各パルスを周期内に配置したとき、必ず重なりが生じる。この場合には、一つのPWM信号がOFFする前に、0.05×周期だけ重なるように次のPWM信号を先行してONすれば、4つのPWM信号の重なりを周期内に均一に分散させることができる。
そこで、上記した各時刻における瞬間的な規定に加えて、組合せを構成するPWM信号の各パルスを周期内でできるだけ均一に分散し、周期内において電源電圧や負荷電流の変動幅が平均化するためには、組合せを構成するPWM信号を、次のように定式化しておくことが好ましい。
すなわち、前記組合せを構成する負荷をn個(2≦n≦N)とした時、該組合せを構成するPWM信号のいずれか1つを基準のPWM信号S1として選択し、前記PWM信号S1のデューティ比をDとし、残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)のデューティ比をDとして、前記PWM信号S1の立ち上りの位相Uを0°とした時、前記PWM信号Sjの立ち上りの位相Uが、
(数1) U=s〈ΣDk−1+(j−1)×α0〉×360°、(但し、s〈x〉は、xの小数部。Σは、kが2〜jまでの和。α0は、互いに隣接するPWM信号のONパルスの間隔または重なり期間の周期に対する比率で、−1<α0<1で、一定の値。)
に設定されてなる構成を採用する。
上記数式1による位相の定式化は、任意デューティ比Dのn個のPWM信号Si(i=1,・・・,n)で組合せが構成されているとき、α0>0の場合には、一つのPWM信号がOFFした後で、一定のα0の期間を開けて次のPWM信号がONするように、立ち上りの位相を設定するものである。また、α0<0の場合には、一つのPWM信号がOFFする前に、一定のα0の重なり期間を設けて次のPWM信号がONするように、立ち上りの位相を設定するものである。言い換えれば、上記数式1による位相の定式化は、任意デューティ比を持つn個のPWM信号の組合せについて、n個のPWM信号のONパルスを、一定のα0の期間を開けてまたは一定のα0の期間を重ねて、順に周期内に配置する設定である。
また、α0が0に設定される場合には、一つのPWM信号がOFFすると同時に次のPWM信号がONする設定で、任意デューティ比のn個のPWM信号が、間隔を置かずに、重なりなく周期内で順にONしていく設定である。
この設定は、各PWM信号のパルスの重なりが最小限に抑えられる設定であり、周期内の任意の時刻で、同時にONするSW素子の数を最小とする位相設定となっている。尚、一般的には、この設定において、任意デューティ比を持つ各PWM信号の立ち上りの位相が一致することはほとんどない。しかしながら、特定のPWM信号で立ち上りの位相がたまたま一致する場合には、α0を0とわずかに異なる値に設定することで、PWM信号の立ち上りが重なることに起因した大きな電磁ノイズの発生を防止することができる。
また、例えば、前記組合せを構成するPWM信号のデューティ比D〜Dが、一定の値D0である場合において、n×D0≦1の時には、数式1による位相の定式化で、前記α0が、
(数2) α0=(1−n×D0)/n
に設定されてなり、n×D0>1の時には、数式1による位相の定式化で、前記α0が、
(数3) α0=−(n×D0−1)/n
に設定されてなることが好ましい。
組合せを構成するn個のPWM信号のデューティ比D〜Dが全て等しく、一定の値D0である場合において、n×D0≦1の時には、n個のPWM信号のONパルスを重ならないように周期内に配置することができる。数式2は、一周期内における全てのPWM信号のOFF期間を合計した比率をn等分した値である。前述したように、α0>0の場合には、各PWM信号のONパルスをα0の比率の期間を開けて順に周期内に配置する設定であり、各PWM信号のデューティ比は一定の値D0であるため、数式2の設定によれば、各PWM信号のOFF期間を周期内で均一に分散配置することができる。
逆に、n×D0>1の時には、n個のPWM信号のONパルスを周期内に配置したとき、必ず重なりが生じる。数式3は、一周期内に収まらない全てのPWM信号のON期間の重なりを合計した比率をn等分した値である。前述したように、α0<0の場合には、各PWM信号のONパルスをα0の比率の期間を重ねて順に周期内に配置する設定であり、各PWM信号のデューティ比は一定の値D0であるため、数式3の設定によれば、各PWM信号のON期間の重なりを周期内で均一に分散配置することができる。
以上のようにして、n個のPWM信号のデューティ比が一定の値D0である場合には、数式1と数式2または数式1と数式3により、組合せを構成するPWM信号の各パルスを周期内で均一に分散し、周期内において電源電圧や負荷電流の変動幅を平均化することが可能である。
上記PWM制御装置においては、同時に通電する負荷の組合せ毎にPWM信号の位相が設定されるが、該組合せを構成するPWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相は、前記周期内で、互いに異なる値に設定されることが好ましい。これによれば、PWM信号の立ち上りまたは立ち下りが重なって、大きな電磁ノイズが発生しないようにすることができる。
また、上記したPWM制御装置では、前記組合せを変更する場合において、変更の前後で通電を継続する負荷が有る場合には、該負荷のPWM信号を基準にして、変更後の組合せにおける残りのPWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を設定することが好ましい。
通電パターンを変化させる場合において、上記のように通電を継続するPWM信号がある場合には、該PWM信号を基準にすることで、他のPWM信号の位相設定を1周期内で完了することができる。
以上のようにして、上記したPWM制御装置は、同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合であっても、より確実に電源変動を抑制することのできるPWM制御装置とすることができる。
本発明に係るPWM制御装置の回路構成の一例を示した図で、車載用のPWM制御装置10の要部を示した図である。 図1に示したPWM制御装置10による、4個の負荷La〜Ldに対する通電パターン(同時に通電する負荷の組合せ)の一例と、各通電パターンA〜Eを構成するPWM信号の位相差の設定例を示した図である。 (a),(b)は、図2に示した通電パターンA,Bと位相差について、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子を駆動するPWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。 (a),(b)は、図2に示した通電パターンC,Dと位相差について、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子を駆動するPWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。 図2に示した通電パターンEと位相差について、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子を駆動するPWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。 図3〜5に示した各通電パターンA〜Eを順に切り替えた場合の例について、PWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。 4つの負荷La〜Ldを同時に通電する場合において、(a)は、周期T0内で同時にONするSW素子の数が最大となる位相設定であり、(b)は、周期T0内で同時にONするSW素子の数が最小となる位相設定である。 PWM信号Sa〜Sdの各パルスを周期T0内で均一に分散する位相設定条件を説明する図で、(a)は、PWM信号Sa〜Sdのデューティ比が一定の0.2であり、(b)は、PWM信号Sa〜Sdのデューティ比が0.3である。 PWM信号Sa〜Sdのデューティ比がそれぞれ異なっており、数式1のα0が0に設定される場合の位相設定例を示した図で、(a)は、デューティ比の合計が1以下となる場合の例で、(b)は、デューティ比の合計が1より大きい場合の例である。 同時に通電する負荷の組合せを変更する場合において、数式1〜3により新たな組合せを構成する各PWM信号の位相を設定する際のフローチャートの一例である。 従来のPWM制御装置による制御例を説明する図で、PWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートである。
本発明に係るPWM制御装置は、N個(N≧2)の負荷が、電源とグランドの間に並列接続され、同時に通電する負荷の組合せを変えながら、各負荷にそれぞれ接続されたSW素子を、共通する周期を持ったそれぞれのPWM信号でON/OFFし、PWM信号のデューティ比(パルス幅)で、負荷に供給する電流を制御するPWM制御装置に関する。
以下、本発明を実施するための形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るPWM制御装置の回路構成の一例を示した図で、車載用のPWM制御装置10の要部を示した図である。図2は、図1に示したPWM制御装置10による、4個の負荷La〜Ldに対する通電パターン(同時に通電する負荷の組合せ)の一例と、各通電パターンA〜Eを構成するPWM信号の位相差の設定例を示した図である。図3〜図5は、図2に示した通電パターンA〜Eと位相差について、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子を駆動するPWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。また、図6は、図3〜5に示した各通電パターンA〜Eを順に切り替えた場合の例について、PWM信号Sa〜Sdのタイミングチャートを示した図である。
図1では、4個の負荷La〜Ldが、電源(+B、車載バッテリ)とグランドの間に並列接続されている。一点鎖線で囲ったPWM制御装置10は、同時に通電する負荷La〜Ldの組合せを変えながら、各負荷La〜Ldにそれぞれ接続されたSW素子Qa〜Qdを、共通する周期T0を持ったそれぞれのPWM信号Sa〜SdでON/OFFする。また、各負荷La〜Ldに供給する電流は、それぞれ、PWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddで制御する。
各PWM信号Sa〜Sdは、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記)1から出力され、ゲート駆動回路2を介して、各SW素子Qa〜Qdのゲートに入力される。各負荷La〜Ldに流れる電流は、電流検出用のシャント抵抗3と差動アンプ4を介して、マイコン1にフィードバックされる。また、各SW素子Qa〜Qdの下流側には、PWM信号Sa〜SdのOFF時において負荷La〜Ldに流れていた電流を還流するダイオード5が、各負荷La〜Ldと並列に接続されている。
負荷La〜Ldは、例えば、オートマチックトランスミッション(AT)制御用油圧ソレノイド、可変バルブタイミング装置(VCT)の制御用油圧ソレノイドなどであり、これらの負荷La〜Ldに通電する目標電流は互いに異なる。このため、マイコン1が、負荷La〜Ld毎に独立してPWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddを設定し、これらの設定条件に合わせてSW素子Qa〜Qd(負荷La〜Ld)を駆動制御する。
また、図1のPWM制御装置10では、フェールセーフのため、4個の負荷La〜Ldへの通電を一括してON/OFFするように、共通SW素子QXが、4個の負荷La〜Ldとグランド間に挿入されている。
図1に示したPWM制御装置10のように、電源とグランドの間に並列接続された複数の負荷に対して、各負荷にそれぞれ接続されたSW素子を共通する周期のPWM信号でON/OFFする場合、複数の負荷の全てを同時に通電させて駆動する用途だけでなく、同時に通電する負荷の組合せを変えながら、該複数の負荷を駆動する用途が多数ある。
本発明に係る図1のPWM制御装置10は、後者の用途にも最適に適用できるように構成されたものであり、図2〜図6でその制御を例示するように、同時に通電する負荷La〜Ldの組合せを変えながらSW素子Qa〜QdをON/OFFする場合において、同時に通電する組合せ毎に、PWM信号Sa〜Sdの位相を設定して制御する点に特徴がある。
一方、図11の制御例で説明した従来のPWM制御装置も、図1に例示したPWM制御装置10と同様の回路構成からなる。しかしながら、先に課題欄で説明したように、従来のPWM制御装置では、図11に示したように、上記した2種類の用途とは無関係に、4個の負荷La〜Ldをそれぞれ駆動するPWM信号Sa〜Sdの周期T0内における立ち上りの位相が、決められた一定の位相差U0を持つように、一律に設定されていた。このように、従来のPWM制御装置では位相差U0によって各PWM信号Sa〜Sdの立ち上りまたは立ち下りの位相が重ならないように設定されているため、PWM信号Sa〜Sdの立ち上りまたは立ち下りが重なりに起因する大きな電磁ノイズが発生しないようになっている。しかしながら、上記のように位相差U0が設定された従来のPWM制御装置では、前述した後者の用途に適用する場合、次のような問題点がある。
図1と同様の回路構成を持ち、4つの負荷La〜Ldを駆動できる従来のPWM制御装置において、例えば2つの負荷La,Lbだけを駆動する場合には、該2つの負荷La,Lbを駆動するSW素子Qa,Qbの図11に示したPWM信号Sa,Sbのパルスが、周期T0内で片寄って存在する。また、図11に示した4つの負荷La〜Ldをそれぞれ駆動するPWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddは、上述したように、必ずしも等しくない。従ってこの場合には、4つのPWM信号Sa〜Sdが一定の位相差U0を持つ設定としても、必ずしもPWM信号Sa〜Sdのそれぞれのパルスが周期T0内で均一に分散するわけではない。例えば、3つのPWM信号Sa〜Scのデューティ比Da〜Dcが1に近く、残る1つのPWM信号Sdのデューティ比Ddが0.1に近い場合である。従って、上記した同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合には、一定の位相差を一律に設定する従来のPWM制御装置は、電源変動を抑える上で最適とは言えない。
以下、上記問題点を解決する本発明のPWM制御装置による制御を、図2〜図6に示した制御例で、具体的に説明する。尚、図2〜図6の制御例では、理解し易いように簡単化して、各PWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddを、一定の0.5としている。
図2では、4個の負荷La〜Ldに対する通電パターン(同時に通電する負荷の組合せ)の例として、通電パターンA〜Eが示されている。通電パターンAは、2つの負荷La,Lbを同時に通電する組合せである。通電パターンBは、2つの負荷Lb,Lcを同時に通電する組合せである。通電パターンCは、3つの負荷La,Lc,Ldを同時に通電する組合せである。通電パターンDは、3つの負荷Lb,Lc,Ldを同時に通電する組合せである。通電パターンEは、4つの負荷La〜Ldを同時に通電する組合せである。
図1のPWM制御装置10では、図6で例示したように、通電パターンA〜Eを切り替えて、同時に通電する負荷La〜Ldの組合せを変えながら、SW素子Qa〜QdをON/OFFする。
また、本発明に係るPWM制御装置では、同時に通電する組合せ毎に、PWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を設定する。図1のPWM制御装置10では、図2〜図5に例示したように、通電パターン(同時に通電する負荷の組合せ)A〜E毎に、PWM信号Sa〜Sdの立ち上りの位相を設定している。図2〜図5の制御例において、図3(a)に示す2つの負荷La,Lbを同時に通電する通電パターンAでは、PWM信号Sa,Sbの立ち上りの位相差を180°としている。図3(b)に示す2つの負荷Lb,Lcを同時に通電する通電パターンBでは、PWM信号Sb,Scの立ち上りの位相差を180°としている。図4(a)に示す3つの負荷La,Lc,Ldを同時に通電する通電パターンCでは、PWM信号Sa,Sc,Sdの立ち上りの位相差を120°としている。図4(b)に示す3つの負荷Lb,Lc,Ldを同時に通電する通電パターンDでは、PWM信号Sb,Sc,Sdの立ち上りの位相差を120°としている。図5に示す4つの負荷La〜Ldを同時に通電する通電パターンEでは、PWM信号Sa〜Sdの立ち上りの位相差を90°としている。
上記したように、本発明に係るPWM制御装置は、同時に通電する負荷の組合せ毎に、該組合せを構成するPWM信号の周期内における立ち上りまたは立ち下りの位相が設定されている点に特徴がある。すなわち、従来のPWM制御装置のようにN個(N≧2)の複数の負荷を駆動する各PWM信号に対して一定の位相差を一律に設定するのではなく、同時に通電するn個(2≦n≦N)の負荷の組合せ(従って、該負荷を駆動するSW素子のPWM信号の組合せ)毎に、PWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を予め細かく設定する構成としている。これによって、従来のPWM制御装置では行われていなかった、電源変動を抑制するための後述する種々の設定が可能となる。
本発明に係るPWM制御装置において、同時に通電する負荷の組合せ毎に位相を設定する効果は、特に、電源とグランドの間に並列接続される負荷の数Nが3以上で、並列接続される負荷の数Nが多くなるほど有効である。
本発明に係るPWM制御装置においては、上記したように同時に通電する負荷の組合せ毎にPWM信号の位相が設定されるが、該組合せを構成するPWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相は、周期内で、互いに異なる値に設定されることが好ましい。これによれば、図11の制御例でも説明したように、PWM信号の立ち上りまたは立ち下りが重なって、大きな電磁ノイズが発生しないようにすることができる。図2〜図6に例示した制御では、この設定条件が満たされている。すなわち、図3〜図5に例示した通電パターンA〜Eのいずれにおいても、PWM信号Sa〜Sdの立ち上りの位相は、周期T0内で、互いに異なる値に設定されている。
また、本発明に係るPWM制御装置は、同時に通電する負荷の前記した各組合せにおいて、周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数が最小となるように、PWM信号の位相が設定されていることが好ましい。
図7は、図1の4つの負荷La〜Ldを同時に通電する場合において、上記した周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数を最小とする位相設定条件を説明する図である。図7(a)は、周期T0内で同時にONするSW素子の数が最大となる位相設定であり、図7(b)は、周期T0内で同時にONするSW素子の数が最小となる位相設定である。尚、図7の制御例では、理解し易いように簡単化して、各PWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddを、一定の0.25としている。
図7(a)に示す位相設定は、PWM信号Sa〜Sdを全て同時に立ち上げる位相設定で、この場合には、周期T0内で同時にONするSW素子の数が4となる期間がある。一方、図7(b)に示す位相設定は、PWM信号Sa〜Sdを位相差90°で順に立ち上げる位相設定で、この場合には、周期T0内で同時にONするSW素子の数が1となる期間がある。尚、(a)と(b)の中間の位相設定で、PWM信号Sa〜Sdを位相差45°で順に立ち上げる位相設定では、周期T0内で同時にONするSW素子の数が2となる期間がある。従って、上記した周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数が最小となるPWM信号の位相設定条件は、(b)の位相設定で実現されており、この場合には、周期T0内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数1が最小となっている。
上記した位相設定条件によれば、同時に通電する負荷の各組合せにおいて、同時にON状態となるSW素子の重なり数が最小となるため、図1に示す電源(+B)の最大電流負荷能力を抑制できると共に、電源電圧および負荷電流の最大変動幅も小さくすることができる。
また、例えば、図1のPWM制御装置10で例示したように、フェールセーフのためN個の負荷への通電を一括してON/OFFするように、共通SW素子が、N個の負荷とグランド間または電源間に挿入されている場合がある。図1のPWM制御装置10では、4個の負荷La〜Ldへの通電を一括してON/OFFする共通SW素子QXが、負荷La〜Ldとグランド間に挿入されている。この場合には、上記した位相設定条件により、該共通SW素子への電力集中および該共通SW素子での損失や発熱を抑えることができ、該共通SW素子の小型化や信頼性の向上を図ることができる。
同時に通電する負荷の各組合せにおいて、上記した組合せを構成するPWM信号の立ち上りまたは立ち下りを周期内で互いに異なる値にする位相設定や、周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数を最小とする位相設定は、言わば、組合せを構成するPWM信号の各時刻における瞬間的な規定である。電源電圧や負荷電流の変動幅を抑制するためには、上記した各時刻における瞬間的な規定に加えて、組合せを構成するPWM信号の各パルスが周期内で均一に分散して、周期内においても電源電圧や負荷電流の変動幅が平均化されていることが好ましい。
図8は、図1の4つの負荷La〜Ldを同時に通電する場合において、上記したPWM信号Sa〜Sdの各パルスを周期T0内で均一に分散する位相設定条件を説明する図である。図8(a)は、各PWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddが一定の0.2で、PWM信号Sa〜Sdの各パルスを周期T0内で互いに重ならないように配置できる場合である。図8(b)は、各PWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddが一定の0.3で、PWM信号Sa〜Sdの各パルスを周期T0内に配置したとき、必ず重なりが生じる場合である。
図8(a)に示すように、デューティ比Da〜Ddが0.2の4つのPWM信号Sa〜Sdで組合せが構成される場合は、デューティ比Da〜Ddの合計が0.8(<1)であり、いずれのPWM信号Sa〜Sdのパルスも重ならないように周期T0(1)内に分散配置できる。従って、一つのPWM信号がOFFした後、0.05×周期の間隔を開けて次のPWM信号がONすれば、4つのPWM信号のONパルスを周期内に均一に分散させることができる。位相間隔で表せば、0.05×360°=18°である。
逆に、デューティ比Da〜Ddが0.3の4つのPWM信号Sa〜Sdで組合せが構成される場合は、デューティ比Da〜Ddの合計が1.2(>1)であり、PWM信号Sa〜Sdの各パルスを周期T0内に配置したとき、必ず重なりが生じる。この場合には、図8(b)に示すように、一つのPWM信号がOFFする前に、0.05×周期だけ重なるように次のPWM信号を先行してONすれば、4つのPWM信号の重なりを周期T0内に均一に分散させることができる。位相間隔で表せば、−0.05×360°=−18°である。
上記した各時刻における瞬間的な規定に加えて、組合せを構成するPWM信号の各パルスを周期内でできるだけ均一に分散し、周期内において電源電圧や負荷電流の変動幅が平均化するためには、組合せを構成するPWM信号を、次のように定式化しておくことが好ましい。
すなわち、電源とグランドの間に並列接続される負荷がN個(N≧2)で、期間毎に同時に通電する負荷の組合せを変えながら、負荷に電流を供給する場合において、ある期間の同時に通電する組合せを構成する負荷をn個(2≦n≦N)とした時、該組合せを構成するPWM信号のいずれか1つを基準のPWM信号S1として選択する。この基準とするPWM信号S1のデューティ比をDとし、立ち上りの位相Uを0°とする。
残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)のデューティ比をDとして、各PWM信号Sjの立ち上りの位相Uを、
(数1) U=s〈ΣDk−1+(j−1)×α0〉×360°、(但し、s〈x〉は、xの小数部。Σは、kが2〜jまでの和。α0は、互いに隣接するPWM信号のONパルスの間隔または重なり期間の周期に対する比率で、−1<α0<1で、一定の値。)
に設定する。
上記数式1による位相の定式化は、任意デューティ比Dのn個のPWM信号Si(i=1,・・・,n)で組合せが構成されているとき、α0>0の場合には、一つのPWM信号がOFFした後で、一定のα0の期間を開けて次のPWM信号がONするように、立ち上りの位相を設定するものである。また、α0<0の場合には、一つのPWM信号がOFFする前に、一定のα0の重なり期間を設けて次のPWM信号がONするように、立ち上りの位相を設定するものである。言い換えれば、上記数式1による位相の定式化は、任意デューティ比を持つn個のPWM信号の組合せについて、n個のPWM信号のONパルスを、一定のα0の期間を開けてまたは一定のα0の期間を重ねて、順に周期内に配置する設定である。
また、数式1のα0が0に設定される場合には、一つのPWM信号がOFFすると同時に次のPWM信号がONする設定で、任意デューティ比Dのn個のPWM信号Si(i=1,・・・,n)が、間隔を置かずに、重なりなく周期T0内で順にONしていく設定である。
図9は、図1の4つの負荷La〜Ldを同時に通電する場合において、4つのPWM信号Sa〜Sdのデューティ比Da〜Ddがそれぞれ異なっており、数式1のα0が0に設定される場合の位相設定例を示した図である。
図9(a)は、デューティ比の合計が1以下となる場合の一例で、デューティ比(0.1,0.2,0.3,0.4)の4つの信号で通電パターンEの組合せが構成されている。デューティ比の合計は1であり、この場合には、いずれのPWM信号のパルスも重ならないように周期T0(1)内に配置できる。この例では、デューティ比0.1の信号を基準のPWM信号S1として選択し、数式1によって、残ったPWM信号S2〜S3の図中に示した立ち上りの位相36°,108°,216°を設定している。
図9(b)は、デューティ比の合計が1より大きい場合の一例で、デューティ比(0.5,0.6,0.7,0.8)の4つの信号で通電パターンEの組合せが構成されている。デューティ比の合計は2.6であり、この場合にはどのように配置しても、最小で3つのPWM信号のONパルスが重なる時刻が周期T0(1)内で存在する。この例では、デューティ比0.5の信号を基準のPWM信号S1として選択し、数式1によって、残ったPWM信号S2〜S3の図中に示した立ち上りの位相180°,36°,288°を設定している。
尚、(a)と(b)のどちらにおいても、基準のPWM信号S1の選択は、いずれのデューティ比を持った信号でもよく、残ったPWM信号S2〜S3の立ち上げの順序も、任意である。
図9(a),(b)の例からわかるように、数式1においてα0を0にする設定は、各PWM信号のパルスの重なりが最小限に抑えられる設定であり、周期T0(1)内の任意の時刻で、同時にONするSW素子の数を最小とする位相設定となっている。尚、一般的には、この設定において、任意デューティ比を持つ各PWM信号の立ち上りの位相が一致することはほとんどない。しかしながら、特定のPWM信号で立ち上りの位相がたまたま一致する場合には、α0を0とわずかに異なる値に設定することで、PWM信号の立ち上りが重なることに起因した大きな電磁ノイズの発生を防止することができる。
また、図8(a),(b)に例示した組合せを構成するPWM信号のデューティ比が等しい場合で、各PWM信号のパルスを周期T0内で均一に分散する設定も、数式1の位相設定で可能である。
すなわち、組合せを構成するPWM信号のデューティ比D〜Dが、一定の値D0である場合において、n×D0≦1の時には、数式1による位相の定式化で、前記α0を、
(数2) α0=(1−n×D0)/n
に設定する。図8(a)の例では、n=4で、D0=0.2であり、数式2より、α0=0.05となり、18°の位相間隔に相当する。
また、n×D0>1の時には、数式1による位相の定式化で、前記α0を、
(数3) α0=−(n×D0−1)/n
に設定する。図8(b)の例では、n=4で、D0=0.3であり、数式3より、α0=−0.05となり、−18°の位相間隔に相当する。
組合せを構成するn個のPWM信号のデューティ比D〜Dが全て等しく、一定の値D0である場合において、n×D0≦1の時には、n個のPWM信号のONパルスを重ならないように周期内に配置することができる。数式2は、一周期内における全てのPWM信号のOFF期間を合計した比率をn等分した値である。前述したように、α0>0の場合には、各PWM信号のONパルスをα0の比率の期間を開けて順に周期内に配置する設定であり、各PWM信号のデューティ比は一定の値D0であるため、数式2の設定によれば、各PWM信号のOFF期間を周期内で均一に分散配置することができる。
逆に、n×D0>1の時には、n個のPWM信号のONパルスを周期内に配置したとき、必ず重なりが生じる。数式3は、一周期内に収まらない全てのPWM信号のON期間の重なりを合計した比率をn等分した値である。前述したように、α0<0の場合には、各PWM信号のONパルスをα0の比率の期間を重ねて順に周期内に配置する設定であり、各PWM信号のデューティ比は一定の値D0であるため、数式3の設定によれば、各PWM信号のON期間の重なりを周期内で均一に分散配置することができる。
以上のようにして、n個のPWM信号のデューティ比が一定の値D0である場合には、数式1と数式2または数式1と数式3により、組合せを構成するPWM信号の各パルスを周期内で均一に分散し、周期内において電源電圧や負荷電流の変動幅を平均化することが可能である。
尚、数式1による位相の定式化は、基準とするPWM信号S1の立ち上りの位相Uを0°として、残りのPWM信号Sjの立ち上りの位相Uを記述するものである。各PWM信号の立ち下がりの位相は、デューティ比D〜Dが与えられているので、一意的に定まる。逆に、基準とするPWM信号S1の立ち下りの位相Vを0°として、残りのPWM信号Sjの立ち下りの位相Vを記述することもできる。この場合には、各PWM信号を逆向きに並べ、数式1の符号を反転することで記述可能となる。
次に、本発明に係るPWM制御装置において、同時に通電する負荷の組合せを変更する場合の好ましい方法について説明する。
図6に例示したが、組合せの変更の前後で通電を継続する負荷が有る場合には、該負荷のPWM信号を基準にして、変更後の組合せにおける残りのPWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を設定することが好ましい。
通電パターンを変化させる場合において、上記のように通電を継続するPWM信号がある場合には、該PWM信号を基準にすることで、他のPWM信号の位相設定を1周期内で完了することができる。
図6では、一点鎖線で示した各通電パターンの切替時点において、丸印で示した変更の前後で通電を継続するPWM信号(負荷)を基準にして、残りのPWM信号の立ち上り位相を設定している。前述した数式1で位相設定する場合には、丸印で示した変更の前後で通電を継続するPWM信号(負荷)を、基準のPWM信号S1とする。
図10は、同時に通電する負荷の組合せ(通電パターン)を変更する場合において、上記した数式1〜3により新たな組合せを構成する各PWM信号の位相を設定する際のフローチャートの一例である。
図10に示すフローでは、通電パターンを変更する際に、最初のステップP1で、同時に通電する負荷の数nが、2以上であるかどうかを判定する。nが1であれば、該負荷のPWM信号は任意の位相に設定してよい。また、nが0であれば、全ての負荷の通電を停止する。従って、nが2より小さい場合は、位相の設定を終了する。nが2以上であれば、次のステップP2に進む。
ステップP2では、2以上の同時に通電される負荷のそれぞれのPWM信号から、基準のPWM信号S1を選択し、その立ち上りの位相Uを0°に設定する。基準とするPWM信号は、n個のPWM信号から任意の信号を選択可能であり、図6に示したように変更の前後で通電を継続する負荷がある場合には、そのPWM信号を選択することが好ましい。
次に、ステップP3では、全てのPWM信号のデューティ比D〜Dが、一定の値D0であるかどうかを判定する。全てのPWM信号のデューティ比が同じであれば、次のステップP4に進み、異なるデューティ比のPWM信号がある場合には、ステップP7に進む。
ステップP4では、全PWM信号のデューティ比の合計n×D0が、1以下であるかどうかを判定する。n×D0が1以下であれば、ステップP5へ進み、n×D0が1より大きければ、ステップP6へ進む。
n×D0が1以下である場合のステップP5では、PWM信号S1を基準として、残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)の立ち上りの位相Uを、数式1と数式2で計算し、位相の設定を終了する。このフローでは、例えば図8(a)に示したように、全てのPWM信号のONパルスを周期内に均一に分散させる位相設定が得られる。
また、n×D0が1より大きい場合のステップP6では、残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)の立ち上りの位相Uを、数式1と数式3で計算し、位相の設定を終了する。このフローでは、例えば図8(b)に示したように、各PWM信号の重なりを周期内に均一に分散させる位相設定が得られる。
一方、異なるデューティ比のPWM信号がある場合のステップP7では、数式1において、最初にα0=0に設定して、残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)の立ち上りの位相Uを計算する。これによって、例えば図9(a),(b)に示したように、一つのPWM信号がOFFすると同時に次のPWM信号がONする位相設定が得られる。
次に、ステップP8では、ステップP7で位相設定した各PWM信号について、立ち上りまたは立ち下りの位相が互いに一致するものがあるかどうかを判定する。一致するものがあれば、次のステップP9に進み、一致するものがなければ、ステップP7で計算された値で位相の設定を終了する。
また、最初に計算された各PWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相で、互いに一致するものがある場合のステップP9では、α0を別の値に変更して、数式1により立ち上りの位相Uを再計算し、再びステップP8での判定を実施する。このサイクルを繰り返し、最終的に一致するものがなくなった時点で、ステップP9で計算された値で位相の設定を終了する。
以上の図10に示したフローで、図2〜図9の各例で説明した、本発明に係るPWM制御装置の位相設定が可能である。
以上のようにして、上記した本発明に係るPWM制御装置は、同時に通電する負荷の組合せを変えながら複数の負荷を駆動する場合や、PWM信号のデューティ比が各負荷(SW素子)で異なる場合であっても、より確実に電源変動を抑制することのできるPWM制御装置とすることができる。
10 PWM制御装置
Qa〜Qd SW素子
Sa〜Sd PWM信号
1 マイクロコンピュータ(マイコン)
La〜Ld 負荷
QX 共通スイッチング素子(共通SW素子)

Claims (9)

  1. N個(N≧2)の負荷が、電源とグランドの間に並列接続され、
    同時に通電する前記負荷の組合せを変えながら、各負荷にそれぞれ接続されたスイッチング素子(以下、SW素子と略記)を、共通する周期を持ったそれぞれのPWM信号でON/OFFし、
    前記PWM信号のデューティ比(パルス幅)で、前記負荷に供給する電流を制御するPWM制御装置であって、
    前記組合せ毎に、該組合せを構成する前記PWM信号の前記周期内における立ち上りまたは立ち下りの位相が設定されてなることを特徴とするPWM制御装置。
  2. 前記Nが、3以上であることを特徴とする請求項1に記載のPWM制御装置。
  3. 前記組合せにおいて、
    前記周期内の任意の時刻で同時にONするSW素子の数が最小となるように、前記PWM信号の位相が設定されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のPWM制御装置。
  4. 前記組合せを構成する負荷をn個(2≦n≦N)とした時、該組合せを構成するPWM信号のいずれか1つを基準のPWM信号S1として選択し、
    前記PWM信号S1のデューティ比をDとし、残りのPWM信号Sj(j=2,・・・,n)のデューティ比をDとして、
    前記PWM信号S1の立ち上りの位相Uを0°とした時、
    前記PWM信号Sjの立ち上りの位相Uが、
    (数1) U=s〈ΣDk−1+(j−1)×α0〉×360°、(但し、s〈x〉は、xの小数部。Σは、kが2〜jまでの和。α0は、互いに隣接するPWM信号のONパルスの間隔または重なり期間の周期に対する比率で、−1<α0<1で、一定の値。)
    に設定されてなることを特徴とする請求項3に記載のPWM制御装置。
  5. 前記α0が、0に設定されてなることを特徴とする請求項4に記載のPWM制御装置。
  6. 前記組合せを構成するPWM信号のデューティ比D〜Dが、一定の値D0である場合において、
    n×D0≦1の時には、前記α0が、
    (数2) α0=(1−n×D0)/n
    に設定されてなり、
    n×D0>1の時には、前記α0が、
    (数3) α0=−(n×D0−1)/n
    に設定されてなることを特徴とする請求項4に記載のPWM制御装置。
  7. 前記組合せにおいて、
    前記立ち上りまたは立ち下りの位相が、前記周期内で、互いに異なる値に設定されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のPWM制御装置。
  8. 前記組合せを変更する場合において、
    変更の前後で通電を継続する負荷が有る場合には、該負荷のPWM信号を基準にして、変更後の組合せにおける残りのPWM信号の立ち上りまたは立ち下りの位相を設定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のPWM制御装置。
  9. 前記N個の負荷への通電を一括してON/OFFする一つの共通スイッチング素子が、前記N個の負荷とグランド間または前記N個の負荷と電源間に挿入されてなることを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項に記載のPWM制御装置。
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