JP2014078606A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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豊 牧野
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Abstract

【課題】半導体基板に形成される改質層の破断を容易に行う技術を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板に、線状に延在する改質層を形成する工程と、ダイシングテープの第1の面に前記半導体基板を張り付ける工程と、前記半導体基板を貼り付ける工程の後、前記ダイシングテープの前記第1の面の反対の第2の面に、一の方向に延在する押し上げ部を接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断する工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
半導体基板を粘着性のダイシングテープに貼り付け、ブレードダイシング又はステルスダイシング(登録商標)を用いて半導体基板を個片化することにより、半導体チップが得られる。ブレードダイシングは、ダイシングブレードによりスクライブラインに沿って半導体基板を切断し、半導体基板を個片化する技術である。スクライブラインは、ダイシングラインとも呼ばれ、半導体基板を個片化する場合の切断予定線である。ステルスダイシングは、半導体基板の内部にレーザーを照射して改質層(変質層)を形成し、外部応力を加えることにより改質層を起点として半導体基板を切断し、半導体基板を個片化する技術である。
ブレードダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、半導体基板に形成された各半導体チップの間に100μm程度のスクライブラインの幅を設けている。これに対して、ステルスダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、半導体基板に形成された各半導体チップの間に10μm程度のスクライブラインの幅を設けている。したがって、ステルスダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、半導体基板に対してより多くの半導体チップを配置することができる。また、ブレードダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、個片化された半導体チップの端部に欠損部分が発生する場合がある。これに対して、ステルスダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、個片化された半導体チップの端部における欠損部分の発生が少ない。
特開2006−66539号公報 特開2006−13000号公報
ステルスダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合、ブレードダイシングを用いて半導体基板の個片化を行う場合よりもメリットが多い。そのため、近年、半導体基板の個片化を行う場合、ステルスダイシングを用いる場合が増える傾向にある。
ここで、ステルスダイシングを用いて半導体基板を個片化する一例を以下に示す。図25に示すように、ウェハリング91の内側に半導体基板92を設置し、半導体基板92の裏面にダイシングテープ93を貼り付ける。次に、図26に示すように、半導体基板92を反転した後、レーザー94を半導体基板92のスクライブラインに沿って半導体基板92の内部に照射する。半導体基板92の内部にレーザー94が照射されることにより、半導体基板92の内部に改質層95が形成される。
次に、図27に示すように、ウェハリング91を押し下げることにより、ダイシングテープ93を面方向に拡張する。ダイシングテープ93を面方向に拡張することにより、半導体基板92に対して応力を加え、半導体基板92の内部に形成された改質層95を破断する。半導体基板92の内部に形成された改質層95を起点として半導体基板92が切断され、半導体基板92が個片化され、半導体チップ96が製造される。
しかしながら、図28に示すように、半導体基板92の内部に形成された改質層95において、破断されない箇所が発生する場合がある。半導体基板92に形成された半導体チップ96の数が多い場合、すなわち、スクライブラインの本数が多い場合、半導体基板92の内部に形成された改質層95において、破断されない箇所が発生しやすい傾向にある。
半導体基板92に形成された半導体チップ96の数が多い場合、半導体基板92の内部に形成された改質層95において破断されない箇所が発生する要因として、以下の様なことが挙げられる。半導体基板92に対して加える応力は、半導体基板92に形成された半導体チップ96の数が多くなるに従って大きくなる。したがって、半導体基板92の内部に形成された全部の改質層95を破断させるために、半導体基板92に対して加える応力は大きくなる。ダイシングテープ93を更に拡張することにより、半導体基板92に対して加える応力が大きくなる。しかし、ダイシングテープ93の拡張には限度があるため、半導体基板92に対して際限なく応力を加えることはできない。そのため、半導体基板92に形成された半導体チップの数が多い場合、半導体基板92の内部に形成された改質層95において、破断されない箇所が発生し易くなる。
本件は、半導体基板に形成される改質層の破断を容易に行う技術を提供することを目的とする。
本件の一観点による半導体装置の製造方法は、半導体基板に、線状に延在する改質層を形成する工程と、ダイシングテープの第1の面に前記半導体基板を張り付ける工程と、前記半導体基板を貼り付ける工程の後、前記ダイシングテープの前記第1の面の反対の第2の面に、一の方向に延在する押し上げ部を接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断する工程と、を備える。
本開示によれば、半導体基板に形成される改質層の破断を容易に行うことができる。
図1は、実施例1に係る半導体装置の製造方法のフローを示す図である。 図2は、半導体ウェハを示す図である。 図3は、半導体ウェハの表面に表面保護テープを貼り付ける工程を示す図である。 図4は、半導体ウェハの裏面を研磨する工程を示す図である。 図5は、ダイシングテープに半導体ウェハに貼り付ける工程を示す図である。 図6は、半導体ウェハ及びダイシングテープの上面図である。 図7は、半導体ウェハの表面に貼り付けた表面保護テープを剥がす工程を示す図である。 図8は、レーザーを半導体ウェハの内部に照射する工程を示す図である。 図9は、図8の点線A−A’における部分拡大断面図である。 図10は、ダイシングテープ及び破断部の上面図である。 図11は、半導体ウェハを切断する工程を示す図である。 図12は、ダイシングテープに対して引っ張り応力を加える工程を示す図である。 図13は、ダイシングテープに対して引っ張り応力を加える工程を示す図である。 図14は、ダイシングテープにウェハリングを貼り付ける工程を示す図である。 図15は、UV照射工程を示す図である。 図16は、チップピックアップ工程を示す図である。 図17は、図1のステップS104に示す工程から図1のステップS109に示す工程までの側面図である。 図18は、ダイシングテープ及び破断部の斜視図である。 図19は、半導体ウェハを切断する工程を示す図である。 図20は、実施例3に係る半導体装置の製造方法のフローである。 図21は、図20のステップS204に示す工程から図20のステップS209に示す工程までの側面図である。 図22は、半導体ウェハ及びダイシングテープの上面図である。 図23は、半導体ウェハを切断する工程を示す図である。 図24は、半導体ウェハを切断する工程を示す図である。 図25は、半導体基板を個片化する一例を示す図である。 図26は、半導体基板を個片化する一例を示す図である。 図27は、半導体基板を個片化する一例を示す図である。 図28は、半導体基板を個片化する一例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る半導体装置の製造方法及び製造装置について説明する。以下の実施例1から実施例4の構成は例示であり、実施形態に係る半導体装置の製造方法及び製造装置は実施例1から実施例4の構成に限定されない。
〈実施例1〉
実施例1に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1は、実施例1に係る半導体装置の製造方法のフローを示す図である。実施例1に係る半導体装置の製造方法では、まず、図1のステップS101において、半導体ウェハ1の表面に表面保護テープ2を貼り付ける工程を行う。
図1のステップS101に示す工程では、図2に示すように、半導体ウェハ1を用意する。図2は、半導体ウェハ1の上面図である。半導体ウェハ1は、例えば、シリコンウェハである。半導体ウェハ1は、半導体基板の一例である。半導体ウェハ1の表面(上面)には、トランジスタ等の機能素子、コンデンサ等の受動素子及び配線層等によって電子回路3が形成されている。半導体ウェハ1の表面には、X軸方向の複数の第1スクライブライン11と、Y軸方向の複数の第2スクライブライン12とが直交して設けられている。複数の第1スクライブライン11及び複数の第2スクライブライン12によって画定された複数の領域に電子回路3が形成されている。スクライブラインは、ダイシングラインとも呼ばれ、半導体ウェハ1を個片化する場合の切断予定線(分割予定線)である。X軸方向の第1スクライブライン11は、第1方向の第1切断予定線の一例である。Y軸方向の第2スクライブライン12は、第2方向の第2切断予定線の一例である。
図3に示すように、半導体ウェハ1の表面(上面)に表面保護テープ2を貼り付ける。表面保護テープ2は、半導体ウェハ1の裏面(下面)の研磨(Back Grind)の際に半導体ウェハ1の表面を保護するテープである。表面保護テープ2を半導体ウェハ1の表面に貼り付けることにより、半導体ウェハ1の表面の損傷、研磨水及び研磨屑の浸入による半導体ウェハ1の表面の汚染を抑止する。
次に、図1のステップS102において、表面保護テープ2を切り取る工程を行う。図
1のステップS102に示す工程では、半導体ウェハ1の表面に貼り付けた表面保護テープ2を、半導体ウェハ1の表面形状とほぼ同等の形状で切り取る。
次いで、図1のステップS103において、半導体ウェハ1の裏面を研磨する工程を行う。図1のステップS103に示す工程では、図4に示すように、半導体ウェハ1を反転し、砥石4を用いて、半導体ウェハ1の裏面を研磨することにより、半導体ウェハ1を所定の厚さにする。
次に、図1のステップS104において、半導体ウェハ1をダイシングテープ5の表面(上面)に貼り付ける工程を行う。ダイシングテープ5の表面は、ダイシングテープ5の第1の面の一例である。図1のステップS104に示す工程では、図5に示すように、供給ロール6から供給されるダイシングテープ5に半導体ウェハ1を貼り付ける。この場合、半導体ウェハ1の裏面をダイシングテープ5の表面に貼り付ける。
図5に示すように、ダイシングテープ5は、供給ロール6から供給される。図5に示すように、供給ロール6から供給されるダイシングテープ5は、巻き取りロール7に収容される。供給ロール6がダイシングテープ5を供給し、巻き取りロール7がダイシングテープ5を巻き取ることにより、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が、ダイシングテープ5が巻き取られる方向に移動する。
図6は、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5の上面図である。半導体ウェハ1の複数の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の縁辺(エッジ)5Aに対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。したがって、半導体ウェハ1の複数の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。半導体ウェハ1の複数の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の縁辺5Aに対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。したがって、半導体ウェハ1の複数の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。なお、図6では、表面保護テープ2の図示を省略している。
半導体ウェハ1の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ1(0°<θ1<90°)傾くようにして、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付けてもよい。この場合、半導体ウェハ1の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ2(θ2=θ1+90°)傾くようにして、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付けてもよい。
次いで、図1のステップS105において、表面保護テープ2を剥がす工程を行う。図1のステップS105に示す工程では、図7に示すように、半導体ウェハ1の表面に貼り付けた表面保護テープ2を剥がす。
次に、図1のステップS106において、レーザー9を照射する工程を行う。図1のステップS106に示す工程では、図8に示すように、レーザー9を、半導体ウェハ1の表面から半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1の内部に照射する。
図9は、図8の点線A−A’における部分拡大断面図である。図9に示すように、半導体ウェハ1にレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の内部に、線状に延在する改質層(変質層)8が形成される。
第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域及び第2切断予定領域に改質層8が形成される。半導体ウェハ1の第1切断予定領域は、第1スクライブライン11における半導体ウェハ1の内部領域である。半導体ウェハ1の第2切断予定領域は、第2スクライブライン12における半導体ウェハ1の内部領域である。
改質層8は、第1の方向に延在する第1の改質層8及び第1の方向と異なる第2の方向に延在する第2の改質層8を有する。第1の方向は、例えば、X軸方向である。第2の方向は、例えば、Y軸方向である。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11に沿って半導体ウェハ1に第1の改質層8が形成される。すなわち、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に第1の改質層8が形成される。第1の改質層8は、第1改質部の一例である。半導体ウェハ1の第2スクライブライン12に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1に第2の改質層8が形成される。すなわち、半導体ウェハ1の第2スクライブライン12に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に第2の改質層8が形成される。第2の改質層8は、第2改質部の一例である。
次いで、図1のステップS107において、半導体ウェハ1を切断する工程を行う。図1のステップS107に示す工程では、ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で、半導体ウェハ1が貼り付けられたダイシングテープ5を破断部20の上を通過させる。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1の内部に形成された改質層8が破断し、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1が切断される。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1を切断(分割)することにより、半導体ウェハ1が個片化される。
図10は、ダイシングテープ5及び破断部20の上面図である。図10に示すように、破断部20は、第1突起部材21及び第2突起部材22を有している。第1突起部材21及び第2突起部材22は、突起状の構造物である。第1突起部材21は、一の押し上げ部の一例である。第2突起部材22は、別の押し上げ部の一例である。第1突起部材21及び第2突起部材22の断面形状は、直角形状、鋭角形状及び鈍角形状の何れの形状であってもよい。第1突起部材21及び第2突起部材22は、ステンレス等の金属であってもよい。第1突起部材21及び第2突起部材22は、ステンレス等の金属の周囲に樹脂がコーティングされた部材であってもよい。
第1突起部材21は、ダイシングテープ5の縁辺5Aに対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾いた状態で配置されている。したがって、第1突起部材21は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾いた状態で延在している。第2突起部材22は、ダイシングテープ5の縁辺5Aに対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾いた状態で配置されている。したがって、第2突起部材22は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾いた状態で延在している。
半導体ウェハ1の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11に沿って半導体ウェハ1に第1の改質層8が形成されている。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と一致している。 ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第1の改質層8がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第1突起部材21が延在する方向がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。
半導体ウェハ1の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。半導体ウェハ1の第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1に第2の改質層8が形成されている。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と一致している。
ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第2の改質層8がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第2突起部材22が延在する方向がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。
図10に示す第1突起部材21及び第2突起部材22の配置は、例示である。第1突起部材21を、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ1(0°<θ1<90°)傾いた状態で配置してもよい。すなわち、第1突起部材21が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ1(0°<θ1<90°)傾いた状態で延在してもよい。また、第2突起部材22を、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ2(θ2=θ1+90°)傾いた状態で配置してもよい。すなわち、第2突起部材22が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ2(θ2=θ1+90°)傾いた状態で延在してもよい。 図10は、第1突起部材21を右上方向から左下方向に向かって傾いた状態で配置し、第2突起部材22を右下方向から左上方向に向かって傾いた状態で配置する例を示している。ただし、この配置例に限らず、第1突起部材21を右下方向から左上方向に向かって傾いた状態で配置し、第2突起部材22を右上方向から左下方向に向かって傾いた状態で配置してもよい。
図11は、破断部20を用いて半導体ウェハ1を切断する工程を示す図である。図11では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と一致している。図11では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と一致している。
図11に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1突起部材21の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取ら
れる方向である。また、所定方向は、第1突起部材21が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1突起部材21の上を通過する際、第1突起部材21がダイシングテープ5の裏面に接触する。ダイシングテープ5の裏面は、ダイシングテープ5の第1の面の反対の第2の面の一例である。
ダイシングテープ5の裏面に第1突起部材21を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と一致している。このため、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1突起部材21とが重なり合うようにして、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5には引っ張り応力が加えられている。したがって、第1突起部材21の上を通過する半導体ウェハ1の第1切断予定領域全体に曲げ応力が加えられ、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8が破断する。
図11に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2突起部材22の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第2突起部材22が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2突起部材22の上を通過する際、第2突起部材22がダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第2突起部材22を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と一致している。このため、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2突起部材22とが重なり合うようにして、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5には引っ張り応力が加えられている。したがって、第2突起部材22の上を通過する半導体ウェハ1の第2切断予定領域全体に曲げ応力が加えられ、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8が破断する。
図12に示すように、破断部20の前後に第1ローラー31及び第2ローラー32を設けることにより、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えるようにしてもよい。第1ローラー31は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、破断部20の前段に設けられている。第2ローラー32は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、破断部20の後段に設けられている。第1ローラー31及び第2ローラー32は、ダイシングテープ5を上下に挟むことによりダイシングテープ5を抑える。第2ローラー32によるダイシングテープ5を引っ張る力は、第1ローラー31によるダイシングテープ5を送る力よりも大きい。そのため、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力が加わる。
図12に示すように、第1ローラー31及び第2ローラー32は、ダイシングテープ5の両端部を抑えている。半導体ウェハ1は、ダイシングテープ5の中央部分に貼り付けられており、ダイシングテープ5の両端部には貼り付けられていない。したがって、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1と第1
ローラー31及び第2ローラー32とが接触することなく、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えることができる。
図13に示すように、破断部20の前後に第1ローラー41、42及び第2ローラー43、44を設けることにより、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えるようにしてもよい。第1ローラー41、42は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、破断部20の前段に設けられている。第2ローラー43、44は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、破断部20の後段に設けられている。第1ローラー41、42及び第2ローラー43、44は、ダイシングテープ5を上下に挟むことによりダイシングテープ5を抑える。第2ローラー43、44によるダイシングテープ5を引っ張る力は、第1ローラー41、42によるダイシングテープ5を送る力よりも大きい。そのため、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力が加わる。
半導体ウェハ1が第1ローラー41に接近すると、上側の第1ローラー41Aが上昇し、上側の第1ローラー41Aと下側の第1ローラー41Bとの間を半導体ウェハ1が通過する。上側の第1ローラー41Aと下側の第1ローラー41Bとの間を半導体ウェハ1が通過すると、上側の第1ローラー41Aが下降し、第1ローラー41は、ダイシングテープ5を再び抑える。第1ローラー42及び第2ローラー43、44についても、第1ローラー41と同様に動作する。
上側の第1ローラー41Aが上昇している場合、第1ローラー42によってダイシングテープ5は抑えられた状態となる。また、上側の第2ローラー43Aが上昇している場合、第2ローラー44によってダイシングテープ5は抑えられた状態となる。したがって、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1と第1ローラー41、42及び第2ローラー43、44とが接触することなく、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を常時加えることができる。
また、供給ロール6によるダイシングテープ5を送る力よりも、巻き取りロール7によるダイシングテープ5を巻き取る力を大きくすることにより、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えるようにしてもよい。
次に、図1のステップS108において、ダイシングテープ5にウェハリング(フレーム)51を貼り付ける工程を行う。図1のステップS108に示す工程では、図14に示すように、ウェハリング51の内側に半導体ウェハ1が配置されるように、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付ける。ウェハリング51は、環状形状をなしている。ウェハリング51は、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を支持する。すなわち、ウェハリング51の内側に半導体ウェハ1が配置されるように、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付けることにより、ウェハリング51により半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が支持される。ウェハリング51は、支持リングの一例である。ウェハリング51は、例えば、ステンレス等の金属を材料としてもよい。
図1のステップS108に示す工程は、ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で行ってもよい。図1のステップS107と同様の方法で、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えるようにしてもよい。
次いで、図1のステップS109において、ダイシングテープ5を切り抜く工程を行う。図1のステップS109に示す工程では、ダイシングテープ5を、ウェハリング51の外形サイズと同等のサイズで切り抜く。
次に、図1のステップS110において、UV(ultraviolet)照射工程を行う。図1
のステップS110に示す工程では、図15に示すように、紫外線ランプ(図示せず)を用いてダイシングテープ5の裏面からUVを照射する。UVタイプのダイシングテープ5を用いる場合、ダイシングテープ5にUVを照射すると、ダイシングテープ5の粘着力が低下し、次工程におけるピックアップが容易となる。
次いで、図1のステップS111において、チップピックアップ工程を行う。図1のステップS111に示す工程では、図16に示すように、個片化された半導体チップ61がピックアップされる。半導体チップ61は、半導体装置の一例である。
図17は、図1のステップS104に示す工程(半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付ける工程)から図1のステップS109に示す工程(ダイシングテープ5を切り抜く工程)までの側面図である。図17の(1A)から(6A)に示す側面図は、図1のステップS104〜S109に示す工程に対応している。図17に示すように、供給ロール6から引き出した1本のダイシングテープ5上において、図1のステップS104〜S109までの一連の工程を行うことが可能である。供給ロール6から引き出した1本のダイシングテープ5上において、図1のステップS104〜S109までの一連の工程を行う場合、各工程においてダイシングテープ5を支持部材(図示せず)によって支えるようにしてもよい。支持部材は、線状であってもよいし、メッシュ状であってもよい。
実施例1によれば、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が破断部20の上を通過する。半導体ウェハ1が破断部20の上を通過する際、2方向(例えば、X軸方向及びY軸方向)に延在する第1の改質層8及び第2の改質層8が破断する。すなわち、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1が2方向(例えば、X軸方向及びY軸方向)に切断(分割)される。したがって、半導体ウェハ1に形成される改質層8の破断を容易に行うことができる。
半導体ウェハ1が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1突起部材21とが重なり合うようにして、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。また、半導体ウェハ1が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2突起部材22とが重なり合うようにして、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。したがって、実施例1によれば、個片化される半導体チップ61の数が多くなる場合であっても、半導体ウェハ1に形成される改質層8の破断を容易に行うことができる。
図27に示す半導体基板92を個片化する一例のように、ダイシングテープ93を面方向に拡張させて、半導体基板92の内部に形成された改質層95を破断する場合、半導体基板92に対して加える応力が大きいと、ダイシングテープ93が弛む。図27に示すように、ダイシングテープ93にはウェハリング91が貼り付けられているため、半導体基板92に対して加える応力が大きいと、ダイシングテープ93が拡張された状態が維持され、ダイシングテープ93が弛む。また、ダイシングテープ93の下からスキージを押し当て、半導体基板92に形成された改質層95を破断する場合も、半導体基板92に対して加える応力が大きいと、ダイシングテープ93が弛む。ダイシングテープ93が弛む場合、弛んだダイシングテープ93を元に戻さないと、個片化された半導体チップ96同士が接触してしまう。
実施例1では、半導体ウェハ1に形成された改質層8を破断した後、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付けるため、ダイシングテープ5が弛むことが抑制される。
したがって、実施例1によれば、ダイシングテープ5が弛むことにより個片化された半導体チップ61同士が接触するという状態が抑止される。ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付けることにより、ダイシングテープ5が弛むことがより抑制される。
〈実施例2〉
実施例2に係る半導体装置の製造方法について説明する。実施例1と同一の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例1と実施例2との相違点は、図1のステップS107に示す工程において、破断部71を用いて半導体ウェハ1を切断する点であるので、実施例2では、当該相違点に着目して説明を行う。図1のステップS101〜S106に示す工程、及び、図1のステップS108〜S111に示す工程について、実施例2は、実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
実施例2において、図1のステップS107に示す工程では、ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で、半導体ウェハ1が貼り付けられたダイシングテープ5を破断部71の上を通過させる。実施例2において、実施例1と同様の方法で、ダイシングテープ5に対して引っ張り応力を加えるようにしてもよい。
半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が破断部71の上を通過する際、半導体ウェハ1の内部に形成された改質層8が破断し、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1が切断される。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1を切断することにより、半導体ウェハ1が個片化される。
図18は、ダイシングテープ5及び破断部71の斜視図である。図18に示すように、破断部71は、ダイシングテープ5の移動する方向と平行な平行面72と、ダイシングテープ5の移動する方向の反対方向に向かって傾斜する第1傾斜面73と、ダイシングテープ5の移動する方向に向かって傾斜する第2傾斜面74と、を有している。平行面72と第1傾斜面73との境界部分における第1縁部81は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾いた状態で延在している。第1縁部81は、一の押し上げ部の一例である。平行面72と第2傾斜面74との境界部分における第2縁部82は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾いた状態で延在している。第2縁部82は、別の押し上げ部の一例である。
半導体ウェハ1の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11に沿って半導体ウェハ1に第1の改質層8が形成されている。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と一致している。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第1縁部81が延在する方向がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。
半導体ウェハ1の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。半導体ウェハ1の第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1に第2の改質層8が形成されている。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ
5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と一致している。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向を基準として、第2縁部82が延在する方向がダイシングテープ5の平面方向に傾いている角度である。
図18に示す破断部71の形状は、例示である。第1縁部81は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ1(0°<θ1<90°)傾いた状態で延在してもよい。第2縁部82は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度θ2(θ2=θ1+90°)傾いた状態で延在してもよい。
図19は、破断部71を用いて半導体ウェハ1を切断する工程を示す図である。図19では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と一致している。また、図19では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と一致している。
図19に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1縁部81の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第1縁部81が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1縁部81の上を通過する際、第1縁部81が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第1縁部81を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を移動させると、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と一致している。このため、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1縁部81とが重なり合うようにして、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5には引っ張り応力が加えられている。したがって、第1縁部81の上を通過する半導体ウェハ1の第1切断予定領域全体に曲げ応力が加えられ、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8が破断する。
図19に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2縁部82の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第2縁部82が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2縁部82の上を通過する際、第2縁部82が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第2縁部82を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を移動させると、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と一致している。このため、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2縁部82とが重なり合うようにして、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシ
ングテープ5には引っ張り応力が加えられている。したがって、第2縁部82の上を通過する半導体ウェハ1の第2切断予定領域全体に曲げ応力が加えられ、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8が破断する。
実施例2によれば、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5が破断部71の上を通過する。半導体ウェハ1が破断部71の上を通過する際、2方向(例えば、X軸方向及びY軸方向)に延在する第1の改質層8及び第2の改質層8が破断する。すなわち、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1が2方向(例えば、X軸方向及びY軸方向)に切断(分割)される。したがって、半導体ウェハ1に形成される改質層8の破断を容易に行うことができる。
半導体ウェハ1が破断部71の上を通過する際、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1縁部81とが重なり合うようにして、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。また、導体ウェハ1が破断部71の上を通過する際、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2縁部82とが重なり合うようにして、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。したがって、実施例2によれば、半導体ウェハ1に形成された半導体チップ61の数が多くなる場合であっても、半導体ウェハ1に形成される改質層8の破断を容易に行うことができる。
実施例2では、半導体ウェハ1に形成された改質層8を破断した後、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付けるため、ダイシングテープ5が弛むことが抑制される。したがって、実施例2によれば、ダイシングテープ5が弛むことにより個片化された半導体チップ61同士が接触するという状態が抑止される。ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で、ダイシングテープ5にウェハリング51を貼り付けることにより、ダイシングテープ5が弛むことがより抑制される。
図18及び図19では、破断部71の形状について、第1縁部81が右上方向から左下方向に向かって傾いた状態で延在し、第2縁部82が右下方向から左上方向に向かって傾いた状態で延在している例を示している。ただし、図18及び図19に示す破断部71の形状に限らず、第1縁部81が右下方向から左上方向に向かって傾いた状態で延在してもよく、第2縁部82が右上方向から左下方向に向かって傾いた状態で延在してもよい。
〈実施例3〉
実施例3に係る半導体装置の製造方法について説明する。実施例1、2と同一の構成要素については、実施例1、2と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例1、2と実施例3との相違点は、ダイシングテープ5に半導体ウェハ1を貼り付ける工程の前に、レーザー9を照射する工程を行う点であるので、実施例3では、当該相違点に着目して説明を行う。
図20は、実施例3に係る半導体装置の製造方法のフローを示す図である。図20のステップS201〜S203に示す工程については、図1のステップS101〜S103に示す工程と同様であるのでその説明を省略する。
図20のステップS204において、レーザー9を照射する工程を行う。図20のステップS204に示す工程では、レーザー9を、半導体ウェハ1の裏面から半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1の内部に照射する。半導体ウェハ1にレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の内部に、線状に延在する改質層(変質層)8が形成される。
半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿ってレーザー9が照射されることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に第1の改質層8が形成され、第2切断予定領域に第2の改質層8が形成される。
次に、図20のステップS205において、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付ける工程を行う。図20のステップS205に示す工程については、図1のステップS104に示す工程と同様であるのでその説明を省略する。次いで、図20のステップS206において、表面保護テープ2を剥がす工程を行う。図20のステップS206に示す工程では、半導体ウェハ1の表面に貼り付けた表面保護テープ2を剥がす。図20のステップS207〜S211に示す工程については、図1のステップS107〜S111に示す工程と同様であるのでその説明を省略する。
図21は、図20のステップS204に示す工程(レーザー9を照射する工程)から図20のステップS209に示す工程(ダイシングテープ5を切り抜く工程)までの側面図である。図21の(1B)から(6B)に示す側面図は、図20のステップS204〜S209に示す工程に対応している。図21に示すように、供給ロール6から引き出した1本のダイシングテープ5上において、図20のステップS205〜S209までの一連の工程を行うことが可能である。供給ロール6から引き出した1本のダイシングテープ5上において、図20のステップS205〜S209までの一連の工程を行う場合、各工程においてダイシングテープ5を支持部材(図示せず)によって支えるようにしてもよい。支持部材は、線状であってもよいし、メッシュ状であってもよい。
実施例3では、ダイシングテープ5に半導体ウェハ1を貼り付ける工程の前に、レーザー9を照射する工程を行う。そのため、半導体ウェハ1にレーザー9を照射する照射装置と、図20のステップS205〜S209までの一連の工程を行う製造装置とを分離することができる。したがって、実施例1、2に係る半導体装置の製造方法と比較して、図20のステップS205〜S209までの一連の工程を行う製造装置を小型化することが可能となる。
実施例3に係る半導体装置の製造方法では、図20のステップS204〜S207に示す工程を以下の様に変更してもよい。図20のステップS204において、レーザー9を照射する工程を行うことに替えて、半導体ウェハ1の表面に貼り付けた表面保護テープ2を剥がす工程を行う。次いで、図20のステップS205において、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付ける工程に替えて、ハーフカットダイシング工程を行う。ハーフカットダイシング工程では、半導体ウェハ1の表面に対してハーフカットダイシングを行うことにより、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1に溝を形成する。次に、図20のステップS206において、表面保護テープ2を剥がす工程に替えて、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付ける工程を行う。
次いで、図20のステップS207において、半導体ウェハ1を切断する工程を行う。図20のステップS207に示す工程では、ダイシングテープ5に引っ張り応力を加えた状態で、半導体ウェハ1が貼り付けられたダイシングテープ5を破断部20の上を通過させる。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が破断部20の上を通過する際、半導体ウェハ1に形成された溝の直下部分が破断し、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1が切断される。半導体ウェハ1の第1スクライブライン11及び第2スクライブライン12に沿って半導体ウェハ1を切断することにより、半導体ウェハ1が個片化される。
〈実施例4〉
実施例4に係る半導体装置の製造方法について説明する。実施例1〜3と同一の構成要素については、実施例1〜3と同一の符号を付し、その説明を省略する。実施例1と実施例4との相違点は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度を、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と異なるようにする点である。実施例1と実施例4との相違点は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度を、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と異なるようにする点である。また、実施例2と実施例4との相違点は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度を、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と異なるようにする点である。実施例2と実施例4との相違点は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度を、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と異なるようにする点である。実施例4では、当該相違点に着目して説明を行う。
図22は、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5の上面図である。図22に示すように、半導体ウェハ1の第1スクライブライン11が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度43°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。図10を参照して説明したように、第1突起部材21は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度45°傾いた状態で延在している。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と異なっている。
図22に示すダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度の数値は例示であって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は他の値であってもよい。例えば、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度とダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度との差分が、1°以上5°以下となるように、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付けてもよい。
図22に示すように、半導体ウェハ1の第2スクライブライン12が、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度133°傾くようにして、半導体ウェハ1がダイシングテープ5に貼り付けられている。図10を参照して説明したように、第2突起部材22は、ダイシングテープ5の移動する方向に対して、ダイシングテープ5の平面方向において角度135°傾いた状態で延在している。したがって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と異なっている。
図22に示すダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度の数値は例示であって、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は他の値であってもよい。例えば、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度とダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度との差分が、1°以上5°以下となるように、半導体ウェハ1をダイシングテープ5に貼り付けてもよい。
図23は、破断部20を用いて半導体ウェハ1を切断する工程を示す図である。図23では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と異な
っている。また、図23では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と異なっている。
図23に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1突起部材21の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第1突起部材21が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1突起部材21の上を通過する際、第1突起部材21が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第1突起部材21を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1突起部材21が延在する方向の傾き角度と異なっている。このため、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1突起部材21とが交差するようにして、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。
半導体ウェハ1の第1切断予定領域が、第1突起部材21の上を通過する際、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8から押し上げられる。続いて、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の中央部に形成された第1の改質層8が押し上げられる。したがって、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1突起部材21とが交差するようにして、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力が集中する。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力が集中することにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8の破断が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の全体に広がることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8全体が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力をより集中させるため、一本の第1スクライブライン11(第1切断予定領域)と第1突起部材21とが交差するようにして、第1突起部材21が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げることが好ましい。
図23に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2突起部材22の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第2突起部材22が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2突起部材22の上を通過する際、第2突起部材22が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第2突起部材22を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2突起部材22が延在する方向の傾き角度と異なっている。このため、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2突起部材22とが交差するようにして、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の
改質層8を押し上げる。
半導体ウェハ1の第2切断予定領域が、第2突起部材22の上を通過する際、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8から押し上げられる。続いて、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の中央部に形成された第2の改質層8が押し上げられる。したがって、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2突起部材22とが交差するようにして、第2突起部材22が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げることにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力が集中する。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力が集中することにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8の破断が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の全体に広がることにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8全体が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力をより集中させるため、一本の第2スクライブライン12(第2切断予定領域)と第2突起部材22とが交差するようにして、第2突起部材22が半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げることが好ましい。
図24は、破断部71を用いて半導体ウェハ1を切断する工程を示す図である。図24では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と異なっている。また、図24では、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と異なっている。
図24に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1縁部81の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第1縁部81が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第1縁部81の上を通過する際、第1縁部81が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第1縁部81を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第1縁部81が延在する方向の傾き角度と異なっている。このため、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1縁部81とが交差するようにして、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げる。
半導体ウェハ1の第1切断予定領域が、第1縁部81の上を通過する際、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8から押し上げられる。続いて、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の中央部に形成された第1の改質層8が押し上げられる。したがって、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8と第1縁部81とが交差するようにして、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力が集中する。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力が集中することにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に形成された第1の改質層8の
破断が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域の全体に広がることにより、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8全体が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第1切断予定領域の端部に応力をより集中させるため、一本の第1スクライブライン11(第1切断予定領域)と第1縁部81とが交差するようにして、第1縁部81が、半導体ウェハ1の第1切断予定領域に形成された第1の改質層8を押し上げることが好ましい。
図24に示すように、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動することにより、半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2縁部82の上を通過する。所定方向は、例えば、巻き取りロール7によってダイシングテープ5が巻き取られる方向である。また、所定方向は、第2縁部82が延在する方向と異なる方向である。半導体ウェハ1を貼り付けたダイシングテープ5が第2縁部82の上を通過する際、第2縁部82が、ダイシングテープ5の裏面に接触する。
ダイシングテープ5の裏面に第2縁部82を接触させながら、半導体ウェハ1及びダイシングテープ5を所定方向に移動させると、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2の改質層8の傾き角度は、ダイシングテープ5の移動する方向に対する第2縁部82が延在する方向の傾き角度と異なっている。このため、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2縁部82とが交差するようにして、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げる。
半導体ウェハ1の第2切断予定領域が、第2縁部82の上を通過する際、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8から押し上げられる。続いて、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の中央部に形成された第2の改質層8が押し上げられる。したがって、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8と第2縁部82とが交差するようにして、第2縁部82が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げることにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力が集中する。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力が集中することにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に形成された第2の改質層8の破断が、半導体ウェハ1の第2切断予定領域の全体に広がることにより、半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8全体が破断し易くなる。半導体ウェハ1の第2切断予定領域の端部に応力をより集中させるため、一本の第2スクライブライン12(第2切断予定領域)と第2縁部82とが交差するようにして、第2縁部82が半導体ウェハ1の第2切断予定領域に形成された第2の改質層8を押し上げることが好ましい。
以上の実施例1〜4を含む実施形態に関し、更に以下の付記を示す。
(付記1)
半導体基板に、線状に延在する改質層を形成する工程と、
ダイシングテープの第1の面に前記半導体基板を張り付ける工程と、
前記半導体基板を貼り付ける工程の後、前記ダイシングテープの前記第1の面の反対の第2の面に、一の方向に延在する押し上げ部を接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記改質層は、それぞれ延在する方向の異なる第1改質部と第2改質部とを有し、
前記押し上げ部は、それぞれ延在する方向が異なって複数存在し、
前記改質層を破断する工程は、
一の前記押し上げ部を前記第2の面に接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、一の前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、一の前記押し上げ部が前記第1改質部を押し上げることにより前記第1改質部を破断する工程と、
一の前記押し上げ部とは別の前記押し上げ部を前記第2の面に接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、別の前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、別の前記押し上げ部が前記第2改質部を押し上げることにより前記第2改質部を破断する工程と、を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記半導体基板及び前記ダイシングテープを支持する支持リングを前記ダイシングテープに貼り付ける工程を備え、
前記支持リングを前記ダイシングテープに貼り付ける工程は、前記改質層を破断する工程の後に行われることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記改質層の傾き角度は、前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記押し上げ部が延在する方向の傾き角度と異なり、
前記改質層と前記押し上げ部とが交差するようにして、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断することを特徴とする付記1又は3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記改質層の傾き角度は、前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記押し上げ部が延在する方向の傾き角度と一致し、
前記改質層と前記押し上げ部とが重なり合うようにして、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断することを特徴とする付記1又は3に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記改質層を形成する工程は、前記半導体基板にレーザーを照射することにより前記半導体基板の一部を改質する工程を有し、
前記改質層を形成する工程は、前記半導体基板を前記ダイシングテープの前記第1の面に貼り付ける工程の前に行われることを特徴とする付記1から5の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記改質層を形成する工程は、前記半導体基板にレーザーを照射することにより前記半導体基板の一部を改質する工程を有し、
前記改質層を形成する工程は、前記半導体基板を前記ダイシングテープの前記第1の面に貼り付ける工程の後に行われることを特徴とする付記1から5の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記押し上げ部は、突起状の構造物であることを特徴とする付記1から7の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記押し上げ部は、前記ダイシングテープの移動する方向と平行な平行面と、前記ダイシングテープの移動する方向又は前記ダイシングテープの移動する方向の反対方向に向かって傾斜する傾斜面と、を有する破断部における前記平行面と前記傾斜面との境界部分であることを特徴とする付記1から8の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
1 半導体ウェハ
2 表面保護テープ
3 電子回路
4 砥石
5 ダイシングテープ
6 供給ロール
7 巻き取りロール
8 改質層
9 レーザー光
11 第1スクライブライン
12 第2スクライブライン
20、71 破断部
21 第1突起部材
22 第2突起部材
51 ウェハリング
61 半導体チップ
72 平行面
73 第1傾斜面
74 第2傾斜面
81 第1縁部
82 第2縁部

Claims (5)

  1. 半導体基板に、線状に延在する改質層を形成する工程と、
    ダイシングテープの第1の面に前記半導体基板を張り付ける工程と、
    前記半導体基板を貼り付ける工程の後、前記ダイシングテープの前記第1の面の反対の第2の面に、一の方向に延在する押し上げ部を接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断する工程と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記改質層は、それぞれ延在する方向の異なる第1改質部と第2改質部とを有し、
    前記押し上げ部は、それぞれ延在する方向が異なって複数存在し、
    前記改質層を破断する工程は、
    一の前記押し上げ部を前記第2の面に接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、一の前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、一の前記押し上げ部が前記第1改質部を押し上げることにより前記第1改質部を破断する工程と、
    一の前記押し上げ部とは別の前記押し上げ部を前記第2の面に接触させながら、前記ダイシングテープ及び前記半導体基板を、別の前記押し上げ部が延在する方向と異なる方向に移動させることで、別の前記押し上げ部が前記第2改質部を押し上げることにより前記第2改質部を破断する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体基板及び前記ダイシングテープを支持する支持リングを前記ダイシングテープに貼り付ける工程を備え、
    前記支持リングを前記ダイシングテープに貼り付ける工程は、前記改質層を破断する工程の後に行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記改質層の傾き角度は、前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記押し上げ部が延在する方向の傾き角度と異なり、
    前記改質層と前記押し上げ部とが交差するようにして、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断することを特徴とする請求項1又は3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記改質層の傾き角度は、前記ダイシングテープの移動する方向に対する前記押し上げ部が延在する方向の傾き角度と一致し、
    前記改質層と前記押し上げ部とが重なり合うようにして、前記押し上げ部が前記改質層を押し上げることにより前記改質層を破断することを特徴とする請求項1又は3に記載の半導体装置の製造方法。
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