JP2014077687A - 配管検査装置 - Google Patents

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将大 石丸
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Abstract

【課題】高所にある断熱材で覆われた配管の検査に有用であり、検査対象の配管の肉厚または内壁付着物の厚さを検査作業と同時に提示することができる配管検査装置を提供すること。
【解決手段】断熱材で覆われた配管の検査装置であって、前記断熱材の外側からγ線を放射する線源、前記配管を挟んで前記線源と対向する位置で透過γ線強度を検出する検出部、および前記配管の表面に載置し、前記線源と前記検出部とを、前記配管の直径方向に位置づけるための支持部、を有してなる測定部と;前記検出部で検出された前記配管の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づいて前記配管の肉厚または内壁付着物の厚さを求め、表示させるための演算表示部と;前記測定部に付加された、当該測定部を前記配管位置に移動させるための伸縮アームと;を備えた、配管検査装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、化学プラントなどに用いられる断熱材で覆われた配管を検査するための配管検査装置に関する。
化学プラントや石油精製プラントなどの高温流体の配管は一般に、熱の放散を防ぐため、保温材などの断熱材で覆われている。かかる配管では、たとえば、内面部において、流体による摩擦などにより配管の減肉が生じたり、流体に由来する付着物が内壁に付着したりすることがある。化学プラントなどの安定な運転のためには、そのような配管の腐食などを検出し、適宜メンテナンスを行うことが必要となる。
しかしながら、断熱材で覆われた配管の検査を効率的に行うには、断熱材を取り外すことが必要となり、検査のための期間、手間が多くかかる。化学プラントなどでは、数百m以上の配管があり、断熱材を取り外して検査することは実用的ではない。また、配管は、高所に敷設されている場合が多く、1回の検査のたびに配管までの足場を設置する必要がある。
このような問題に対処すべく、これまでに種々の装置が考案されている。たとえば、特許文献1には、断熱材の外側から放射線を鉛直方向に放射する線源、配管を挟んで該線源と対向する位置で放射線強度を検出する検出部、前記線源および/または前記検出部を配管の長さ方向に移動させる移動手段、および、移動した距離に対する前記検出部の検出出力の変化を出力する測定出力部を含む、断熱材を外すことなく、断熱材で覆われた配管の検査を効率的に行うことができる配管の検査装置が開示されている。また、特許文献2には、コリメータ、及び被検査配管の放射線透過像を記録する放射線感光体からなる測定部、および該測定部を被検査配管に近づける移動手段を有する、高所の配管においても簡便に検査することが可能な軽量かつ取り扱いが容易な配管検査装置が開示されている。
特開平9−229655号公報 特開2004−125450号公報
しかしながら、前記特許文献に開示される装置では、検査対象である配管の状態把握に留まり、精度よく配管メンテナンスを行うのに有用な、配管の肉厚や内壁付着物の厚さといった情報を検査作業と同時に得ることはできなかった。
本発明の目的は、高所にある断熱材で覆われた配管の検査に有用であり、検査対象の配管の肉厚または内壁付着物の厚さを検査作業と同時に提示することができる配管検査装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、
〔1〕断熱材で覆われた配管の検査装置であって、前記断熱材の外側からγ線を放射する線源、前記配管を挟んで前記線源と対向する位置で透過γ線強度を検出する検出部、および前記配管の表面に載置し、前記線源と前記検出部とを、前記配管の直径方向に位置づけるための支持部、を有してなる測定部と;前記検出部で検出された前記配管の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づいて前記配管の肉厚または内壁付着物の厚さを求め、表示させるための演算表示部と;前記測定部に付加された、当該測定部を前記配管位置に移動させるための伸縮アームと;を備えた、配管検査装置、ならびに
〔2〕前記支持部が、前記測定部を前記配管の長さ方向に移動させるための移動手段をさらに有するものである、前記〔1〕記載の配管検査装置、
を、提供する。
本発明の配管検査装置は、高所にある断熱材で覆われた配管の検査に有用であり、検査対象の配管の肉厚または内壁付着物の厚さを検査と同時に提示することができる。したがって、当該装置によれば、化学プラントなどでの配管検査を非常に効率的に行うことができる。
本発明の配管検査装置の一実施態様における測定部を拡大して示す概略図である。 本発明の配管検査装置の一実施態様における測定部を拡大して示す概略図である。 図1にかかる本発明の配管検査装置の一実施態様の全体を示す概略図である。
本発明の配管検査装置(以下、本発明の装置という。)は、断熱材で覆われた配管の検査装置であって、前記断熱材の外側からγ線を放射する線源、前記配管を挟んで前記線源と対向する位置で透過γ線強度を検出する検出部、および前記配管の表面に載置し、前記線源と前記検出部とを、前記配管の直径方向に位置づけるための支持部、を有してなる測定部と;前記検出部で検出された前記配管の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づいて前記配管の肉厚または内壁付着物の厚さを求め、表示させるための演算表示部と;前記測定部に付加された、当該測定部を前記配管位置に移動させるための伸縮アームと;を備えてなる。なお、本発明において「配管の直径方向」とは、配管の直径の延長方向をいう。
以下、図1〜3に示す、本発明の装置の一実施態様にかかる概略図に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1および2は、本発明の装置の一実施態様における測定部を拡大して示す概略図である。当該測定部は、線源3、検出部4および支持部5からなり、支持部5は、固定部材6および固定部材6の高さ調節手段7を有してなる。また、それらの図には、検査対象である、断熱材1で覆われた配管2(以下、単に配管2という場合がある。)が示されている。図1の態様では配管2の垂直方向で、図2の態様では配管2の水平方向で、それぞれ検査が行われ、各方向での配管2の肉厚または内壁付着物の厚さが求められる。なお、それらの図では、配管2の内壁付着物は示されていない。
断熱材1で覆われた配管2は、化学プラントや石油精製プラントなどで高温流体の配送に使用されるものであれば、特に限定されない。
線源3はγ線を放射するものであり、通常、60Coや137Csなどの同位体元素が用いられる。γ線は、線源3から、線源3と対向する位置にある検出部4に向かって放射される。
検出部4は、特に限定されないが、その後のデータ処理の簡便さから、検出された透過γ線強度を電気信号として取り出せる機能を有するものが好ましい。検出部4としては、通常、シンチレータが好適に用いられる。
支持部5は、U字状の躯体に固定部材6および高さ調節手段7を有してなる。支持部5において、U字状の躯体の一方の略末端には線源3が、他方の略末端には、検出部4が装着されている。固定部材6を介して支持部5を配管2の表面上に載置することで、配管2の円周方向における支持部5の位置が決まり、線源3と検出部4とが、配管2の直径方向に位置づけられる。図1では、支持部5が、固定部材6を介して配管2の表面に載置され、それにより、線源3と検出部4とが、配管2に対し垂直方向かつ直径方向に位置付けられている。図2では、支持部5が、固定部材6を介して配管2の表面に載置され、それにより、線源3と検出部4とが、配管2に対し水平方向かつ直径方向に位置付けられている。
検査対象である配管の腐食や内壁付着物の状態を精度よく把握するには、当該配管が線源と検出部との間にあり、線源および検出部が当該配管の直径方向に位置するように位置合わせすることが必要となる。本発明の装置によれば、断熱材で覆われた配管の表面に支持部を載置することで、前記位置合わせを容易に行うことができる。
固定部材6は、配管2の円周方向において支持部5を固定するための部材である。図1と2に示す固定部材6は、配管2の長さ方向に測定部を移動させるための移動手段をさらに有してなる。それゆえ、配管2の長さ方向で検査位置を変える都度、配管2に対し線源3および検出部4を改めて位置合わせする必要がなくなり、配管2の長さ方向において連続的にまたは断続的に容易に検査を行うことができる。なお、移動手段としては、たとえば、車輪等を利用したものなどが挙げられる。検査位置を把握する観点から、移動手段は移動距離を検出する手段を備えていてもよい。
また、固定部材6は、U字状の躯体に沿って任意の位置に移動可能に設けられている。U字状の躯体における固定部材6の位置を変えることで、線源3および検出部4の位置を、配管2の円周方向の任意の位置に変えることができる。
さらに、固定部材6は、高さ調節手段7により、その高さ位置を調節可能である。それにより、配管2の直径が大小変化しても、配管2の垂直方向断面の中心と線源3および検出部4との相対位置を一定に保つことができ、安定に検査を行うことができる。図1および2に示す高さ調節手段7は、ねじ式機構によるものであるが、ゴムやバネ等の弾性部材で構成されていてもよい。
図3は、図1にかかる本発明の配管検査装置の一実施態様の全体を示す概略図である。測定部8(図1に示す測定部に相当)には、可動手段9を介して伸縮アーム10が付加されている。演算表示部11は、測定部8の検出部2と有線で接続されている。
測定部8は、可動手段9により、上下方向に首振り自在(角度可変)に動かすことができる。支持部5の固定部材6は、U字状の躯体に沿って任意の位置に移動可能に設けられているため、固定部材6を配管2の円周方向の任意の位置に合わせ、適宜、測定部8の角度を変えることで、配管2の円周方向の任意の位置で容易に検査を行うことができ、その肉厚または内壁付着物の厚さを求めることができる。たとえば、配管2の垂直方向と水平方向の2方向で検査を行うことで、検査の精度を高めることができる。
伸縮アーム10は、内部を中空にしたアーム内部に、外周がやや小さい同形状のアームAを内蔵した構造を有し、手動により内蔵されたアームAを引き出すことで、その長さを調節することができる。したがって、伸縮アーム10を伸ばすことで、測定部8を、高所にある配管位置に容易に移動させることができる。伸縮アーム10の伸縮は自動で行ってもよく、その場合、たとえば、圧縮空気などを利用可能である。
演算表示部11は、通常、コンピュータからなる。当該コンピュータとしては、配管検査をより効率的に行う観点から、検出部4で検出された配管2の透過γ線強度のデータを無線で取り込むことができるタブレット型PCが好ましい。演算表示部11では、検出部4で検出された配管2の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づいて、配管2の肉厚または内壁付着物の厚さが求められ、結果がその画面に表示される。
演算表示部11には、検査対象である配管2と同じ構造であって未使用の対比配管につき、配管2を検査する場合と同様にして予め検査を行い、得られた透過γ線強度のデータを事前に入力しておく。配管2が腐食して減肉した場合、その肉厚が小さくなるため、対比配管と比較して、透過γ線強度は大きくなる。一方、配管2の内壁に付着物が付着した場合、γ線は、配管2に加え、内壁付着物も透過するため、対比配管と比較して、透過γ線強度は小さくなる。演算表示部11では、かかる原理に従い、検出部4で検出された透過γ線強度が対比配管と比較して大きい場合、配管2に減肉が生じたと判定し、配管2の肉厚が求められ、一方、小さい場合、配管2の内壁に付着物が付着したと判定し、配管2の内壁付着物の厚さが求められる。なお、前者においては、配管2に内壁付着物の付着がないと仮定して、後者においては、配管2に減肉がないと仮定して、配管2の肉厚または内壁付着物の厚さが求められる。
一般に、物質中の放射線の吸収は、吸収係数μを用いてI=I−μdと表せる。なお、式中、Iは入射強度、Iは距離d進んだ後の強度である。γ線では、吸収係数を密度ρで割った質量吸収係数が用いられる。したがって、γ線の入射強度I0、γ線が透過する物質の密度ρ、および物質透過後のγ線強度Iが分かれば、γ線の透過距離dを求めることができる。
本発明の装置において、γ線の入射強度Iは線源3により調整可能である。γ線強度Iは、検出部4で検出された透過γ線強度として得られる。演算表示部11では、上記判定の下、それらのデータと、配管2の構成材料の比重または配管2を流れる流体の比重とにより、上記式に従って演算が行われ、配管2の肉厚または内壁付着物の厚さが求められ、推定値として画面に表示される。なお、配管2の構成材料の比重および配管2を流れる流体の比重は、配管検査に際し、予め演算表示部11に入力しておけばよい。配管検査において線源3から放射されたγ線は、通常、線源3側では、鉄製カバー、断熱材1、配管2、および内壁付着物の順に、検出部4側ではその逆の順に、各層を透過することになり、各層でγ線の吸収が生じうるため、その影響を考慮し測定精度を高める観点からは、鉄製カバーおよび断熱材1それぞれの比重および厚さを、予め演算表示部11にさらに入力しておくのが好ましい。
本発明の装置によれば、たとえば、以下の方法により、高所にある断熱材1で覆われた配管2の検査を行うことができる。
本発明の装置で配管検査を行うに当たり、まず検査対象の配管2の構成材料および当該配管2を流れる流体の比重を演算表示部11に入力する。次いで、本発明の装置の測定部8を、伸縮アーム10を利用して高所にある断熱材1で覆われた配管2の位置に移動させる。測定部8の支持部5を配管2の表面に載置し、線源3と検出部4とを配管2の直径方向に位置づけた後、線源3からγ線を放射させて、配管検査を実施する。演算表示部11では、得られた配管2の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づき、配管2の肉厚または内壁付着物の厚さが検査作業と同時に求められ、推定値としてその画面に表示されることになる。その際、配管2の長さ方向における検査ポイントの位置が同時に表示されてもよい。配管検査の精度を高める観点からは、支持部5の移動手段を利用し、測定部8を配管2の長さ方向に沿って移動させ、最初の検査ポイント周辺で検査ポイントを1〜5点変えてさらに検査を繰り返して行うのが好ましい。
本発明の装置によれば、高所にある断熱材で覆われた配管の検査を容易に行うことができ、検査対象の配管の肉厚または内壁付着物の厚さを検査作業と同時に求めることができる。したがって、配管の減肉や内壁付着物の付着などを単なる配管の状態として把握するに留まらず、検査作業と同時にそれらの状態を精度よく数値で把握できるため、簡便かつ正確に配管の腐食箇所や詰まり箇所を発見することができ、化学プラントなどでの配管検査を非常に効率的に行うことができる。
以上、図1〜3に基づいて本発明の装置について説明したが、当該説明にかかる実施態様は一例であって、それらに限定されるものではなく、本発明の所望の効果が奏される範囲での変形や改良等は本発明に含まれる。
1 断熱材
2 配管
3 線源
4 検出部
5 支持部
6 固定手段
7 高さ調節手段
8 測定部
9 可動手段
10 伸縮アーム
11 演算表示部

Claims (2)

  1. 断熱材で覆われた配管の検査装置であって、前記断熱材の外側からγ線を放射する線源、前記配管を挟んで前記線源と対向する位置で透過γ線強度を検出する検出部、および前記配管の表面に載置し、前記線源と前記検出部とを、前記配管の直径方向に位置づけるための支持部、を有してなる測定部と;前記検出部で検出された前記配管の透過γ線強度と既知の対比配管の透過γ線強度とに基づいて前記配管の肉厚または内壁付着物の厚さを求め、表示させるための演算表示部と;前記測定部に付加された、当該測定部を前記配管位置に移動させるための伸縮アームと;を備えた、配管検査装置。
  2. 前記支持部が、前記測定部を前記配管の長さ方向に移動させるための移動手段をさらに有するものである、請求項1記載の配管検査装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018185151A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 富士電機株式会社 配管選別装置及び配管選別方法

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