JP2014077158A - 銅めっき槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅めっき液中への銅イオンの供給率を大幅に向上させ、被めっき物に対して効率的かつ高純度の銅めっき皮膜の形成を可能にし、経済性や操業性も良好な銅めっき槽を提供する。
【解決手段】上記課題を解決し、酸性電解液を含有し、不溶性陽極を有する陽極室と、銅めっき液を含有し、陰極を有する陰極室と、該陽極室と該陰極室との間に設けられ、該陽極室と陰イオン交換膜及び該陰極室と陽イオン交換膜でそれぞれ分画され、銅イオン含有溶液を含有する脱塩室とを備えたことを特徴とする銅めっき槽を採用する。
【選択図】図1
【解決手段】上記課題を解決し、酸性電解液を含有し、不溶性陽極を有する陽極室と、銅めっき液を含有し、陰極を有する陰極室と、該陽極室と該陰極室との間に設けられ、該陽極室と陰イオン交換膜及び該陰極室と陽イオン交換膜でそれぞれ分画され、銅イオン含有溶液を含有する脱塩室とを備えたことを特徴とする銅めっき槽を採用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、銅めっき槽に関し、詳しくは銅めっき液中への銅イオン供給率を大幅に向上させ、被めっき物に対して効率的かつ高純度の銅めっき皮膜を形成することを可能にした銅めっき槽に関する。
電気銅めっきは、プリント配線板のスルーホール銅めっきやポリイミドフイルム表面の銅めっき等種々の用途に用いられている。
電気銅めっきの方法としては、対象とする被めっき物を陰極とするもので、陽極として金属銅等からなる可溶性陽極を用い、可溶性陽極の溶解によって銅イオンを銅めっき液に供給する方法と不溶性陽極を用い、銅めっき液中に銅イオンを外部より供給する方法がある。
このうち可溶性陽極を用いる方法は、例えば可溶性陽極として銅ボールや含燐銅ボール等を用いるもので、陰極への銅の析出に伴い銅イオンが低下した銅めっき液中に、可溶性陽極を溶解させて銅イオンを供給するものである。
しかし、銅ボール等の可溶性陽極を用いた場合には、可溶性陽極から発生するアノードスライムが銅イオンと共に溶出する。このアノードスライムは、銅めっき槽中に堆積するのみならず、被めっき物の表面に付着する懸念を生じる。また、陽極である銅ボールや含燐銅ボールは、溶解に際してCu+イオンが形成されるため、このCu+イオンが不均化反応によって銅や亜酸化銅の微粒子を形成し、これが銅めっき皮膜中に混入する恐れが生じる。
また、含燐銅ボールは、銅の溶解性が高く、めっき性を向上させるが、燐の存在によって陰極に形成される銅めっき皮膜の特性を低下させる恐れがある。しかも、含燐銅は高価であり、経済性にも難点がある。
また、可溶性陽極の溶解によって、陽極の形状、面積が変化し、さらには陰極に対する配置も変わるため、被めっき物に対する電流分布が一定とならず、被めっき物に均一な厚みのめっき皮膜が形成できないという問題があった。
一方、不溶性陽極を用いる方法は、不溶性陽極としてステンレス、イリジウム等の白金属族元素又はその酸化物被覆チタン、カーボン、フェライト等を用い、陰極として被めっき物を用いるものである。この不溶性陽極を用いた場合には、可溶性陽極を用いた場合のアノードスライムの発生等の問題は生じない。しかし、この不溶性陽極を用いる場合には、銅めっき槽中に銅イオンを供給することが必要である。
特許文献1(特開2003−328199号公報)には、銅イオン供給手段としてイオン発生槽を用い、イオン発生槽を水素イオン交換膜で陽極室と陰極室に分画し、陰極室において陰極表面から水素ガスを放出し、陽極室において可溶性陽極から銅イオンを陽極室内に放出し、この陽極室とめっき槽の間でめっき液を循環させ、陽極室から高濃度の銅イオンをめっき槽に供給し、めっき槽中の銅イオン濃度を維持するものである。
しかし、この特許文献1では、イオン発生槽に用いられる水素イオン交換膜は高価であるのみならず、機械的強度に劣り、液圧によっては延伸や破断の恐れがある。
一方、特許文献2(特開平10−121297号公報)には、不溶性陽極を用いためっき槽に加えて、陰イオン交換膜で陽極室と陰極室に分画された銅イオン補給槽とこの陽極室に拡散透析膜を介して設けられた硫酸イオン回収槽を有する電気銅めっき装置が記載されている。
この特許文献2に記載の電気銅めっき装置を用いることにより、不足した銅イオンの補給をめっき液の組成等に影響を与えることなく、容易に、かつ安価に行うことができると共に、全体の銅めっき系統の管理が容易になるとされている。
しかし、特許文献2の電気銅めっき装置は、上述のように、銅イオン補給槽に加えて、硫酸イオンが陽極室に流入するため、これを処理する硫酸イオン回収槽が必要となるため、電気銅めっき装置が大型化され、製造コスト等に難点がある。
特許文献3(特開2009−185383号公報)には、銅めっき槽に銅めっき液を溶解する銅イオン溶解槽を有する銅めっき液供給機構に関する提案がなされ、銅イオン溶解槽は陽極室と陰極室とが少なくとも2枚以上のカチオン交換膜を介して隣接され、陽極室には硫酸銅めっき液に通電することによって溶解する可溶性銅陽極が浸漬され、陰極室には電解液に陰極が浸漬され、カチオン交換膜は、互いに膜面同士を対向させて、間隔を開けて配設されることが記載されている。
この特許文献3に記載の銅めっき液供給機構によって、硫酸銅めっき液に溶解した銅イオンが陰極室に流出してしまうことを抑制して、硫酸銅めっき液を効率的に銅めっき槽に供給することができるとされている。
この特許文献3においても、銅めっき槽に加えて、2枚以上のカチオン交換膜を有する銅イオン溶解槽を必要とするため、銅めつき液供給機構が大型化され、製造コスト等に難点がある。
これら特許文献1〜3は、銅イオン補給槽等の銅イオン供給に対する提案であり、効率的に硫酸銅めっき液を銅めっき槽に供給することを意図したものであるが、銅めっき槽そのものに関する提案ではない。
銅めっき槽に関する提案としては、特許文献4(特開2004−269955号公報)には、カチオン交換膜でめっき液から隔てた陽極室内に不溶性陽極を設置した銅めっき槽と酸化銅を溶解するための循環式溶解槽を備えためっき装置が記載されている。
しかし、溶解槽に酸化銅を用いた場合には、酸化銅が高価であることから経済性に問題がある。その結果、電気めっきにより得られる銅めっき製品が高価なものとなる。また、酸化銅は一般的に低純度であるため、不純物が銅めっき液中に混入する恐れがあり、得られる銅めっき製品の品質低下が懸念される。さらには、酸化銅は塩素を含有するため、銅めっき製品の品質管理の点からめっき液中の塩素濃度の厳密な管理が必要となる。
さらに、特許文献5(特表2007−523996号公報)には、陽極液コンパートメントと陰極液コンパーメントとをポリテトラフルオロエチレンをベースとするアイオノマーを備えるイオン膜で区画する電気化学セルが開示されている。
特許文献5に示されるような陽イオン交換膜を用いた銅めっき槽の概略側面図を一例を図3に示す。図3では、銅めっき槽1は、2つの陽極室2とその間に陽イオン交換膜10を介して分画された陰極室3から構成される。陽極室2は銅イオン含有溶液(硫酸銅溶液)6を含有し、陽極5は酸化イリジウム被覆チタン等の不溶性陽極からなる。また、陰極室3は銅めっき液8を含有し、陰極7は被めっき物からなる。
この特許文献5に記載の銅めっき槽は、陽イオン交換膜で陽極室と陰極室とを分画し、陽極室には銅イオン含有溶液(硫酸銅溶液)、陰極室には銅めっき液を配するものであるが、不溶性陽極で発生する水素イオンの陽イオン交換膜を介した輸送が優先的になることから、銅イオンの膜透過が妨げられるため、めっき液への銅イオン供給が充分ではなく、被めっき物に対して効率的、かつ高純度の銅めっき皮膜を形成することが困難であった。
従って、本発明の目的は、銅めっき液中への銅イオンの供給率を大幅に向上させ、被めっき物に対して効率的かつ高純度の銅めっき皮膜の形成を可能にし、しかも経済性や操業性も良好な銅めっき槽を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、銅めっき槽の陽極室と陰極室との間に、陽極室と陰イオン交換膜及び陰極室と陽イオン交換膜でそれぞれ分画され、銅イオン含有溶液を含有する脱塩室を設けることによって、陽極室で発生する水素イオンの銅めっき液中への輸送が防止され、銅めっき液中への銅イオン供給率が大幅に向上することを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、酸性電解液を含有し、不溶性陽極を有する陽極室と、銅めっき液を含有し、陰極を有する陰極室と、該陽極室と該陰極室との間に設けられ、該陽極室と陰イオン交換膜及び該陰極室と陽イオン交換膜でそれぞれ分画され、銅イオン含有溶液を含有する脱塩室とを備えたことを特徴とする銅めっき槽を提供するものである。
本発明の前記銅めっき槽において、前記銅めっき液は硫酸及び硫酸銅溶液を基本成分とする溶液、前記酸性電解液は硫酸、前記銅イオン含有溶液は硫酸銅溶液であることが望ましい。
本発明の前記銅めっき槽の前記脱塩室には、銅イオン含有溶液を供給する循環式銅イオン供給手段が付設されている。
本発明に係る銅めっき槽は、銅めっき液中への銅イオンの供給率を大幅に向上させることができるので、被めっき物に対して効率的かつ高純度の銅めっき皮膜の形成が可能である。また、銅イオン供給手段として特別な設備や材料も必要としないので、経済性や操業性も良好である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る銅めっき槽>
図1は、本発明の銅めっき槽の一実施形態を示す概略断面図である。図1において、銅めっき槽1は陽極室2、陰極室3及び脱塩室4から構成されている。
<本発明に係る銅めっき槽>
図1は、本発明の銅めっき槽の一実施形態を示す概略断面図である。図1において、銅めっき槽1は陽極室2、陰極室3及び脱塩室4から構成されている。
陽極室2は、不溶性陽極5を有し、酸性電解液6を含有する。不溶性陽極5としては、特に限定されないが、ステンレス、イリジウム等の白金属族元素又はその酸化物被覆チタン、カーボン、フェライト等が例示されるが、特にイリジウム酸化物被覆チタンが好ましく用いられる。皮膜の密着性を考慮すると、酸化イリジウムに加えて、酸化タンタル等の混合酸化物でチタンを被覆することが好ましい。また、酸性電解液6としては硫酸等が挙げられるが、作業性、めっき効率等を考慮すると硫酸が望ましく用いられる。硫酸濃度は10〜120g/Lが一般的である。
陰極室3は、被めっき物からなる陰極7を有し、銅めっき液8を含有する。陰極7として用いられる被めっき物としては、例えば両面銅張積層板や表面に銅スパッタ膜を形成したポリイミドフイルム等が挙げられる。銅めっき液8は硫酸及び硫酸銅溶液(銅イオン)を基本成分とし、これに塩素イオン等のハロゲンイオンや光沢剤等を含有する溶液が好ましく用いられる。硫酸銅溶液濃度はCuSO4・5H2Oとして40〜250g/L、硫酸濃度は70〜260g/Lがそれぞれ好ましい。
脱塩室4は、陰イオン交換膜9で陽極室2と分画され、陽イオン交換膜10で陰極室3と分画され、銅イオン含有溶液11を含有する。
陰イオン交換膜9は硫酸イオンを透過し、水素イオンを透過しないものであれば特に制限はないが、耐熱性、耐酸性等に優れたものが好ましく用いられ、セレミオンAHT(旭硝子(株)社製)等が例示される。
陽イオン交換膜10は銅イオンを透過するものであればよく、上記と同様に耐熱性、耐薬品性等に優れたものが好ましく用いられ、セレミオンCMV(旭硝子(株)社製)等が例示される。
脱塩室4中に含有される銅イオン含有溶液は、銅めっき液に銅イオンを供給するもので、硫酸銅溶液が一般的に用いられる。この脱塩室4には、銅イオン含有溶液を供給する循環式銅イオン供給手段(図示せず)が付設されている。循環式銅イオン供給手段は、特に限定されないが、例えば銅イオン供給槽を有し、硫酸銅等の易溶性銅塩化合物を投入、溶解させて銅イオンの供給を行う。この銅イオン供給槽と銅めっき槽1の脱塩室4とを配管により連結し、銅イオン含有溶液を循環させる。
この銅めっき槽1は、陽極室2の陽極6と陰極室3の陰極7とが直流電源を介して接続されており、マグネチックスターラー等の攪拌手段(図示せず)を備えている。
次に、この銅めっき槽1を用いためっき方法について説明する。この説明では、銅めっき液8は硫酸及び硫酸銅溶液を基本成分とする溶液、酸性電解液6は硫酸、銅イオン含有溶液11は硫酸銅溶液である。
陽極5と陰極7との間に直流電源を印加し、電解により銅めっき液8中の銅イオンは、被めっき物である陰極7に析出する(Cu2++2e−→Cu)。脱塩室4では硫酸銅溶液11中の銅イオンが陽イオン交換膜10を透過して銅めっき液8中に供給され、銅めっき液8中の銅イオン濃度を維持する。不溶性陽極5では、水素イオンと酸素が発生する(H2O→2H++1/2O2+2e−)。水素イオンは陰イオン交換膜9のために脱塩室4へ透過できないため、脱塩室4から銅めっき液8への銅イオン供給が優先的に維持されることになる。
図2は、本発明の銅めっき槽の他の実施形態を示す概略断面図である。図2おいて、図1と同一の符号は同様のものを示す。図2においては、銅めっき槽1は両端に2つの陽極室2、中央に陰極室3及び2つの脱塩室4から構成されている。このような銅めっき槽を用いることによって、両側から電解が行われるため、陰極7として両面銅張積層板の両面銅めっきに適している。この銅めっき槽を用いた銅めっき方法は、図1で示した銅めっき方法と基本的に同一である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
図2に示す銅めっき槽を用いて、下記に示す電極、イオン交換膜及び各液(酸性電解液、銅イオン含有液及びめっき液)組成を用い、下記電解条件で電気銅めっきを行った。
図2に示す銅めっき槽を用いて、下記に示す電極、イオン交換膜及び各液(酸性電解液、銅イオン含有液及びめっき液)組成を用い、下記電解条件で電気銅めっきを行った。
(使用電極、イオン交換膜)
陽極:酸化イリジウムコーティングチタン電極
陰極:両面銅張積層板
陽イオン交換膜:セレミオンCMV(旭硝子(株)製)
陰イオン交換膜:セレミオンAHT(旭硝子(株)製)
陽極:酸化イリジウムコーティングチタン電極
陰極:両面銅張積層板
陽イオン交換膜:セレミオンCMV(旭硝子(株)製)
陰イオン交換膜:セレミオンAHT(旭硝子(株)製)
(使用電極、イオン交換膜)
電解液:1mol/L硫酸 130mL
銅イオン含有溶液:1mol/L硫酸銅 240mL
銅めっき液:600mL
銅イオン(硫酸銅にて添加) 19.0g/L
硫酸 190g/L
塩素イオン(塩酸にて添加) 50mg/L
添加剤(光沢剤等) 適量
電解液:1mol/L硫酸 130mL
銅イオン含有溶液:1mol/L硫酸銅 240mL
銅めっき液:600mL
銅イオン(硫酸銅にて添加) 19.0g/L
硫酸 190g/L
塩素イオン(塩酸にて添加) 50mg/L
添加剤(光沢剤等) 適量
(電解条件)
浴温:25℃
陰極電流密度:2A/dm2(陰極面積0.8dm2)
陽極電流密度:2A/dm2(陽極面積0.8dm2)
膜電流密度:2A/dm2(膜面積0.8dm2)
攪拌:マグネチックスターラー
電解時間:4時間
浴温:25℃
陰極電流密度:2A/dm2(陰極面積0.8dm2)
陽極電流密度:2A/dm2(陽極面積0.8dm2)
膜電流密度:2A/dm2(膜面積0.8dm2)
攪拌:マグネチックスターラー
電解時間:4時間
電解前後の銅めっき液変化、銅イオン供給率をそれぞれ下記に示す。
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.0g/L 17.7g/L
めっき液容量 600mL 630mL
銅イオン量 11.4g 11.2g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.0g/L 17.7g/L
めっき液容量 600mL 630mL
銅イオン量 11.4g 11.2g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(銅イオン供給率)
銅イオン損失量 11.4g−11.2g=0.2g
陰極銅析出量 7.7g
銅イオン膜透過量 7.7g−0.2g=7.5g
銅イオン供給率 (7.5g/7.7g)×100=97.4%
銅イオン損失量 11.4g−11.2g=0.2g
陰極銅析出量 7.7g
銅イオン膜透過量 7.7g−0.2g=7.5g
銅イオン供給率 (7.5g/7.7g)×100=97.4%
[比較例1]
図3に示す銅めっき槽を用いて、実施例1に準じて電気銅めっきを行った。但し、図3に示されるように、陽イオン交換膜のみを用いて、銅めっき槽を陽極室と陰極室のみに区分した。また、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を18.7g/Lに変更した。
図3に示す銅めっき槽を用いて、実施例1に準じて電気銅めっきを行った。但し、図3に示されるように、陽イオン交換膜のみを用いて、銅めっき槽を陽極室と陰極室のみに区分した。また、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を18.7g/Lに変更した。
電解前後の銅めっき液変化、銅イオン供給率をそれぞれ下記に示す。
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 18.7g/L 15.3g/L
めっき液容量 600mL 625mL
銅イオン量 11.2g 9.6g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 18.7g/L 15.3g/L
めっき液容量 600mL 625mL
銅イオン量 11.2g 9.6g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(銅イオン供給率)
銅イオン損失量 11.2g−9.6g=1.6g
陰極銅析出量 7.6g
銅イオン膜透過量 7.6g−1.6g=6.0g
銅イオン供給率 (6.0g/7.6g)×100=78.9%
銅イオン損失量 11.2g−9.6g=1.6g
陰極銅析出量 7.6g
銅イオン膜透過量 7.6g−1.6g=6.0g
銅イオン供給率 (6.0g/7.6g)×100=78.9%
[実施例2]
図2に示す銅めっき槽を用いて、実施例1に準じて電気銅めっきを行った。但し、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を19.4g/L、電解時間を8時間に変更した。
図2に示す銅めっき槽を用いて、実施例1に準じて電気銅めっきを行った。但し、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を19.4g/L、電解時間を8時間に変更した。
電解前後の銅めっき液変化、銅イオン供給率をそれぞれ下記に示す。
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.4g/L 14.4g/L
めっき液容量 600mL 650mL
銅イオン量 11.6g 9.4g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.4g/L 14.4g/L
めっき液容量 600mL 650mL
銅イオン量 11.6g 9.4g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(銅イオン供給率)
銅イオン損失量 11.6g−9.4g=2.2g
陰極銅析出量 15.3g
銅イオン膜透過量 15.3g−2.2g=13.1g
銅イオン供給率 (13.1g/15.3g)×100=85.6%
銅イオン損失量 11.6g−9.4g=2.2g
陰極銅析出量 15.3g
銅イオン膜透過量 15.3g−2.2g=13.1g
銅イオン供給率 (13.1g/15.3g)×100=85.6%
[比較例2]
図3に示す銅めっき槽を用いて、実施例2に準じて電気銅めっきを行った。但し、図3に示されるように、陽イオン交換膜のみを用いて、銅めっき槽を陽極室と陰極室のみに区分した。また、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を19.0g/Lに変更した。
図3に示す銅めっき槽を用いて、実施例2に準じて電気銅めっきを行った。但し、図3に示されるように、陽イオン交換膜のみを用いて、銅めっき槽を陽極室と陰極室のみに区分した。また、銅めっき液中の銅イオン(硫酸銅にて添加)の濃度を19.0g/Lに変更した。
電解前後の銅めっき液変化、銅イオン供給率をそれぞれ下記に示す。
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.0g/L 8.3g/L
めっき液容量 600mL 650mL
銅イオン量 11.4g 5.4g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(電解前後の銅めっき液変化)
電解前 電解後
銅イオン濃度 19.0g/L 8.3g/L
めっき液容量 600mL 650mL
銅イオン量 11.4g 5.4g
(銅イオン量=銅イオン濃度×めっき液容量)
(銅イオン供給率)
銅イオン損失量 11.4g−5.4g=6.0g
陰極銅析出量 15.6g
銅イオン膜透過量 15.6g−6.0g=9.6g
銅イオン供給率 (9.6g/15.6g)×100=61.5%
銅イオン損失量 11.4g−5.4g=6.0g
陰極銅析出量 15.6g
銅イオン膜透過量 15.6g−6.0g=9.6g
銅イオン供給率 (9.6g/15.6g)×100=61.5%
4時間電解を行った実施例1と比較例1を対比すると、銅イオン供給率は実施例1が97.4%であったのに対し、比較例1は78.9%であった。また、8時間電解を行った実施例2と比較例2を対比すると、銅イオン供給率は実施例2が85.6%であったのに対し、比較例2は61.5%であった。このことから、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜で区画した脱塩室を設けることにより、陽イオン交換膜のみを用いた場合に比較して、銅イオン供給率が20%前後増加することが判る。
本発明に係る銅めっき槽は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜で分画した脱塩室を設けることにより、銅イオン供給率が大幅に向上する。このため、被めっき物に対して効率的かつ高純度の銅めっき皮膜の形成が可能となる。また、銅イオン供給手段として特別な設備や材料も必要としないので、経済性や操業性も良好である。
従って、本発明の銅めっき槽は、種々の被めっき物の電気銅めっきに好適に使用することができる。
Claims (3)
- 酸性電解液を含有し、不溶性陽極を有する陽極室と、銅めっき液を含有し、陰極を有する陰極室と、該陽極室と該陰極室との間に設けられ、該陽極室と陰イオン交換膜及び該陰極室と陽イオン交換膜でそれぞれ分画され、銅イオン含有溶液を含有する脱塩室とを備えたことを特徴とする銅めっき槽。
- 前記銅めっき液が硫酸及び硫酸銅溶液を基本成分とする溶液、前記酸性電解液が硫酸、前記銅イオン含有溶液が硫酸銅溶液である請求項1に記載の銅めっき槽。
- 前記脱塩室には、銅イオン含有溶液を供給する循環式銅イオン供給手段が付設されている請求項1又は2に記載の銅めっき槽。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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