JP2014076749A - 車両制御システムおよび車両制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】それぞれが車載機器を制御するバス型ネットワーク(8)で接続された複数のECU(1〜7)の1つに、走行予定先に関する交通環境情報に従い省電力状態へ切り換え可能なECUを選定し、該ECUにおける算出した削減可能な電力消費量と再起動時に必要な電力消費量との比較結果に基づいて該ECUを省電力状態に切り換える省電力状態切り換え処理部(10)を設けた車両制御システム。
【選択図】図1
Description
図1はこの発明の実施の形態1による車両制御システムの構成を示す図である。図1において、車両制御システムは、それぞれに車載機器を制御する自らも車載機器であるECU1,ECU2(エンジン制御ECU),ECU3(シート制御ECU),ECU4(ヘッドライト制御ECU),ECU5(ナイトビジョン制御ECU),ECU6(ワイパー制御ECU),ECU7(パワーウィンドウ制御ECU)、これらのECU1〜7間で信号を送受信するためのバス型ネットワーク8(CAN)から構成される。各ECU1〜7は、通信部11,21,31,41,51,61,71を有する。複数のECUのうち、ECU1に関しては、ECUの省電力状態の切り換えに関する処理を行う省電力状態切り換え処理部10を備えている。この省電力状態切り換え処理部10は、他のECU2〜7のいずれかに設けられてもよい。
ナビゲーション装置CNは、渋滞情報90,時刻情報91,天気情報92のうちの少なくとも1つを含む交通環境情報9を取得する。取得方法としては、例えばアンテナ等を含む無線通信部(図示省略)を介して行うものとする。また、ナビゲーション装置CNは、少なくとも自車両の現在地及び走行予定先(走行予定区間)を含む自車両情報(自車両ナビ情報)を取得する。そして、ナビゲーション装置CNは、交通環境情報9と自車両情報を基に、取得した交通環境情報9から走行予定先に関する交通環境情報9のみを選別し、その選別結果(走行予定先に関する交通環境情報9)を後述する交通環境情報取得部101に送信するものとする。
なお、本選別処理には、現在地から各交通環境区間(渋滞区間、雨区間など)までの距離を算出する処理も含まれる。
すなわち、ナビゲーション装置CNから交通環境情報取得部101に送信される走行予定先に関する交通環境情報9には後述する図6,図8,図10示すような、自車両の走行予定先(走行予定区間)と交通環境区間(渋滞区間、雨区間など)との重なる区間の距離である交通環境区間距離、各交通環境区間の位置(自車両の現在地から各交通環境区間の手前端までの距離)である交通環境区間位置、時刻情報(日没時刻等)等が含まれる。交通環境区間距離、交通環境区間位置等はナビゲーション装置CNで予め算出される。
対象ECU選定部102は、交通環境情報取得部101で取得した交通環境情報9から省電力状態に切り換え可能なECUを選定する。
交通環境予測部103は、交通環境情報取得部101の交通環境情報9より現在の交通環境がどの程度継続するのか予測する。
電力消費量算出部104は、対象ECU選定部102のECU選定結果と交通環境予測部103の交通環境継続予測結果から選定したECUの削減可能な電力消費量を算出する。
省電力状態切り換え判定部105は、対象ECU選定部102の選定したECUの削減可能な電力消費量と再起動時に必要な電力消費量の大小関係を比較して求め、選定したECUを省電力状態に切り換えるべきか否かを判定する。
省電力状態切り換え指示部106は、省電力状態切り換え判定部105の判定結果に従って、バス型ネットワーク8を介して、選定したECUに省電力状態に切り換える信号を送る。
なお、省電力状態切り換え処理部10のECU動作状態監視部107、ECU4(ヘッドライト制御ECU)に接続されたON/OFFスイッチ42については実施の形態2で説明する。
渋滞区間に到達するまでの時間は、渋滞区間の位置(自車両の現在地から渋滞区間の手前端までの距離)と車両の所定の平均走行速度より求まる。
自車両情報の走行予定先(走行予定区間)と渋滞区間との重なる区間の距離である渋滞距離、渋滞区間の位置(自車両の現在地から渋滞区間の手前端までの距離)はナビゲーション装置CNにて算出されて交通環境情報9として送られてくる。
日の入までの残り時間と、日の出までの残り時間は、それぞれ日の入時刻と現在時刻の差、日の出時刻と現在時刻の差より求まる。なお、現在時刻はナビゲーション装置CNからの交通環境情報9に含めて、交通環境情報9から得てもよい。
雨である区間に到達するまでの時間は、雨区間の位置(自車両の現在地から雨区間の手前端までの距離)と、車両の所定の平均走行速度より求まる。
自車両情報の走行予定先(走行予定区間)と雨である区間の経路の重なる区間である雨区間の距離、雨区間の位置(自車両の現在地から雨区間の手前端までの距離)はナビゲーション装置CNにて算出されて交通環境情報9として送られてくる。
まず、動作例1の初期条件を説明する。動作例1を説明するために用いる車両は、ハイブリッド車(モータのみで走行できるストロングハイブリッド車)とする。上記ハイブリッド車は、モータのみで走行している際はエンジンを停止するものとする。このエンジンを停止した状態とは、エンジン制御ECU2は動作中ではないが電源が供給されている起動状態である。上記ハイブリッド車の車両制御システムは図1に示す構成と同じとする。
本ハイブリッド車は、上記で挙げた構成機器以外にも必要な機器を有しているが、本動作例とは直接関係ないので、説明を省略する。
動作例1によれば、車外より渋滞距離に関する情報を取得することで、渋滞区間の通過に要する時間を予測できる。このようにすることで、渋滞区間において起動状態でいる必要のないECUを、効果的に省電力状態へ切り換えることができる。
動作例2の初期条件を説明する。動作例2の初期条件は動作例1と同じとする。
動作例2によれば、車外より渋滞位置に関する情報を取得することで、渋滞区間に到達するまでに要する時間を予測できる。このようにすることで、非渋滞区間であっても、対象となるECUを効果的に省電力状態へ切り換えることができる。
動作例3の初期条件を説明する。動作例3の初期条件は動作例1と同じとする。
日没までの時間T3は(日没までの時刻T3=日没(日の入)時刻−現在時刻)で求める。
雨(道路)区間到達所要時間T5は、雨(道路)区間到達所要時間T5=雨(道路)区間の位置(自車両の現在地から雨(道路)区間の手前端までの距離)÷平均走行速度、で求める。
雨(道路)区間通過所要時間T6は、雨(道路)区間通過所要時間T6=雨(道路)区間の距離÷平均走行速度、で求める。
動作例3によれば、車外より時刻情報または天気情報に関する情報を取得することで、日没までの時間、雨である区間を通過するのに要する時間や雨である区間に到達するまでの時間を予測できる。このようにすることで、日中や晴れの天気であっても、対象となるECUを効果的に省電力状態へ切り換えることができる。
上記実施の形態1の車両制御システムによれば、車外より受信した交通環境情報(渋滞情報、時刻情報、天気情報の少なくともいずれか1つ)から、現在の交通環境がどの程度継続するのか予測し、その予測結果に基づいて、省電力状態に切り換え可能な起動状態でいるECUの選定と、該ECUの削減可能な電力消費量を算出し、再起動時に必要な電力消費量と比較することで、省電力状態に切り換えて省電力効果が得られるのか否かを判定できる。その判定結果から、省電力効果が得られる場合は、該ECUに対して省電力状態への切り換え指示を実施し、省電力状態に切り換えても省電力効果が得られない場合は、該ECUに対して省電力状態への切り換え指示を実施しないようにすることができる。このように、交通環境情報から予測する交通環境を用いて、起動状態にある必要がないECUの電源状態を省電力状態に適切に切り換えるか否かを判断することで、電力消費量を抑えることができる。
この発明の実施の形態2による車両制御システムの構成は、図1で省電力状態切り換え処理部10のECU動作状態監視部107、ECU4(ヘッドライト制御ECU)に接続されたON/OFFスイッチ42を追加したものである。ECU4に関しては、ドライバーを含むユーザー(以下ユーザーとする)の操作できるON/OFFスイッチ42を備えている。ON/OFFスイッチ42の状態を切り換えることで、接続先であるヘッドライト制御ECU4の機能を使用すること(ヘッドライトの点灯/消灯)ができる。
なお、ECU4のON/OFFスイッチ42は一例であり、実際には走行に必ずしも必要でないECU3〜7にそれぞれON/OFFスイッチ42が設けられている。ON/OFFスイッチ42は、接続されたECUが制御する車載機器を制御するスイッチである。
例えば、ON/OFFスイッチをOFFからONにすることで、ECUは動作停止状態(スリープ状態も含む)または起動状態(動作中ではないが電源が供給されている状態)から動作中状態になり、車載機器は動作を開始する。またON/OFFスイッチをONからOFFにすることで、ECUは動作中状態から起動状態(動作中ではないが電源が供給されている状態)になり、車載機器は動作を停止する。
また、ECUはON/OFFスイッチの切り換えにより変更された動作状態を示す動作状態信号をバス型ネットワーク8を介して省電力状態切り換え処理部10へ送る。ECU動作状態監視部107は動作状態信号から各ECUの動作状態を監視する。
例えば、ヘッドライト制御ECU4であれば、ユーザーの運転している車両がトンネルに入り暗くなったので、ヘッドライトを点灯しようと思い、ON/OFFスイッチ42をOFFからONに切り換える(ヘッドライト制御ECU4は省電力状態から動作中状態に切り換わる)。そして、ユーザーの運転している車両がトンネルを抜けたので、ON/OFFスイッチ42をONからOFFに切り換える(ヘッドライト制御ECU4は動作中状態から起動状態に切り換わる)ことで、ヘッドライト制御ECU4を対象とした省電力状態切り換え処理が実施される。
したがって、実施の形態1で用いた図2に示す処理フローとの併用が前提条件である。
したがって、この実施の形態ではECU1がON/OFFスイッチ42がONからOFF状態に切り換え完了した情報を受信してから本処理を起動するものとする。
上述のように各ECUが、上述の処理の終了を示す信号とは別に、動作停止状態(スリープ状態を含む)、起動状態(動作中ではないが電源が供給されている状態)、動作中状態等の状態のうちの、ON/OFFスイッチ42の操作により起動状態になったこと示す信号を少なくとも含む動作状態信号をバス型ネットワーク8(CAN)を介して少なくともECU1に送信するように構成することで、ECU1のECU動作状態監視部107にて各ECUの動作状態が把握できる。
動作例4の初期条件を説明する。動作例4を説明するために用いる車両は、動作例3と基本的に同じ構成とするが、ヘッドライト制御ECU4はユーザーの操作により起動できるON/OFFスイッチ42を有する。ON/OFFスイッチ42を操作することで、ユーザーは任意のタイミングでヘッドライトのON/OFFができる。
動作例2によれば、ユーザーの操作により省電力状態であるECUが動作中状態を経て起動状態になった場合でも、日没までの時間を再度予測することで、ヘッドライト制御ECU4を省電力状態に切り換えて実際に省電力効果が得られるのか否かを判定する。このようにすることで、ユーザーの操作によりECUの省電力状態が中断された場合でも、対象となるECUを効果的に省電力制御へ切り換えることができる。
上記実施の形態2の車両制御システムによれば、車外より交通環境情報(渋滞情報、時刻情報、天気情報の少なくともいずれか1つ)を受信し、かつユーザーのスイッチ操作によって省電力状態であったECUが動作中状態を経て起動状態に切り換わった場合でも、その時点から削減できる電力消費量を算出し、再起動時に必要な電力消費量と比較することで、省電力状態に切り換えて省電力効果が得られるのか否かを判定できる。その判定結果から、省電力効果が得られる場合は、該ECUに対して省電力状態への切り換え指示を実施し、省電力状態に切り換えても省電力効果が得られない場合は、該ECUに対して省電力状態への切り換え指示を実施しないようにすることができる。このように、ユーザーの操作によりECUの省電力状態が中断されて場合でも、中断される毎に、取得した交通環境情報から交通環境を再度予測し、動作中状態を経て起動状態に切り換わったECUの電源状態を省電力状態に切り換えるか否かを判定することで、電力消費量を抑えることができる。
また、天気情報は雨に限定されず、雪、晴れ、曇、等のその他の天気であってもよい。
Claims (11)
- それぞれが車載機器を制御するバス型ネットワークで接続された複数のECUの1つに、走行予定先に関する交通環境情報に従い省電力状態へ切り換え可能なECUを選定し、該ECUにおける算出した削減可能な電力消費量と再起動時に必要な電力消費量との比較結果に基づいて該ECUを省電力状態に切り換える省電力状態切り換え処理部を設けたことを特徴とする車両制御システム。
- それぞれに車載機器を制御する前記複数のECUと、
前記複数のECUのうちの1つに設けられ各ECUの省電力状態への切り換え処理を行う前記省電力状態切り換え処理部と、
前記複数のECU間の通信を行う前記バス型ネットワークと、
自車両の現在地及び走行予定先を少なくとも含む自車両ナビ情報、及び渋滞情報、時刻情報、天気情報の少なくとも1つを含む交通環境情報を取得するナビゲーション装置と、
を備え、
前記省電力状態切り換え処理部は、
前記ナビゲーション装置が前記自車両ナビ情報から判断した走行予定先の渋滞情報、時刻情報、天気情報の少なくとも1つを含む走行予定先の交通環境情報を取得する交通環境情報取得部と、
走行予定先の前記交通環境情報に従い省電力状態へ切り換え可能なECUを選定する対象ECU選定部と、
選定されたUCUに対して走行予定先の前記交通環境情報に基づいて交通環境の継続時間を予測する交通環境予測部と、
前記交通環境予測結果と前記ECU選定結果から該ECUの削減可能な電力消費量を算出する電力消費量算出部と、
該ECUの算出された削減可能な電力消費量と再起動時に必要な電力消費量を比較して、該ECUを省電力状態に切り換えるか否かを判定する省電力状態切り換え判定部と、
前記バス型ネットワークを介して、前記判定結果に従って該ECUに省電力状態に切り換える信号を送る省電力状態切り換え指示部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。 - 前記省電力状態切り換え処理部を有さないECUは、該ECUが制御している車載機器をユーザーが操作して制御するON/OFFスイッチを有し、
前記ECUは前記ON/OFFスイッチの切り換えにより動作状態が切り換わると共に動作状態を示す動作状態信号を前記省電力状態切り換え処理部に送り、
前記省電力状態切り換え処理部が前記動作状態信号から各ECUの起動状態を監視するECU動作状態監視部を含み、
前記交通環境予測部は、前記ON/OFFスイッチがONからOFFになったことによりECUが動作中状態から起動状態になった場合に、起動状態になった時点からの交通環境の継続時間の予測を行うことを特徴とする請求項2記載の車両制御システム。 - 前記省電力状態切り換え処理部を有さないECUは、動作状態を示す動作状態信号を前記省電力状態切り換え処理部に送り、
前記省電力状態切り換え処理部が、前記動作状態信号から各ECUの動作状態を監視するECU動作状態監視部を含み、
前記対象ECU選定部が、動作中状態から起動状態になったECU及び所定時間以上起動状態にあるECUを対象に省電力状態へ切り換え可能なECUを選定することを特徴とする請求項2に記載の車両制御システム。 - 前記対象ECU選定部が、動作中状態から起動状態になったECU及び所定時間以上起動状態にあるECUを対象に省電力状態へ切り換え可能なECUを選定することを特徴とする請求項3に記載の車両制御システム。
- 前記渋滞情報が、渋滞区間の渋滞距離を含み、
前記交通環境予測部は、走行予定先の前記渋滞情報に関し、前記渋滞区間の通過所要時間を予測することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の車両制御システム。 - 前記渋滞情報は、渋滞区間の渋滞位置を含み、
前記交通環境予測部は、走行予定先の前記渋滞情報に関し、前記渋滞区間までの到達所要時間を予測することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の車両制御システム。 - 前記時刻情報は、日の入時刻を含み、
前記交通環境予測部は、走行予定先の前記時刻情報に関し、日の入までの時間を予測することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の車両制御システム。 - 前記天気情報は、道路区間の天候と区間距離を含み、
前記交通環境予測部は、走行予定先の前記天気情報に関し、前記天気情報による天候の道路区間の通過所要時間を予測することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の車両制御システム。 - 前記天気情報は、道路区間の天候と区間位置を含み、
前記交通環境予測部は、走行予定先の前記天気情報に関し、前記天気情報による天候の道路区間までの到達所要時間を予測することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の車両制御システム。 - それぞれに車載機器を制御する複数のECUがバス型ネットワークで接続された車両制御システムにおいて、前記複数のECUの1つに省電力状態切り換え処理部を設け、自車両ナビ情報に基づいてナビゲーション装置の判断した走行予定先に関する交通環境情報に従い省電力状態へ切り換え可能なECUを選定し、該ECUにおける算出した削減可能な電力消費量と再起動時に必要な電力消費量との比較結果に基づいて該ECUを省電力状態に切り換えることを特徴とする車両制御方法。
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