JP2014076683A - ハイブリッド車の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速に伴う蓄電装置からの放電を制限して蓄電装置の耐久性の低下を防止するハイブリッド車の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】駆動力源として内燃機関と電動機とを備えるとともに、加速要求があった場合に蓄電装置から前記電動機に電力を供給して前記電動機に駆動力を発生させるハイブリッド車の駆動力制御装置において、前記加速要求があった場合にその加速要求を満たすように前記電動機の前記蓄電装置から電力を供給することにより前記蓄電装置の充電残量が所定値以下に低下することを判定する判定手段(ステップS3)と、前記蓄電装置の充電残量が予め定めた所定値以下に低下することの判定が前記判定手段によってなされた場合に前記加速要求に基づく前記電動機による駆動力の発生を制限する制限手段(ステップS10)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関と電動機とを駆動力源として備えたハイブリッド車の駆動力を制御する装置に関し、特に電動機に供給できる電力が制限される場合の駆動力を制御する装置に関するものである。
ハイブリッド車は、内燃機関に加えて電動機を駆動力源として備えた車両であり、電動機を多様に制御できるので、燃費を向上でき、また排ガスを低減できるなど、多くの利点がある。例えば、そのハイブリッドの形式として、いわゆるツーモータタイプが知られており、これは、発電機能のある電動機と内燃機関とを、差動機構を介して連結する一方、その差動機構における出力要素(出力部材)に第二の電動機を連結して構成される。したがって、この種のハイブリッド車では、第一の電動機によって内燃機関の回転数を適宜に制御できるので、内燃機関を燃費の良い運転点で駆動することができ、その際に第一の電動機が発電機として機能することにより得られた電力を第二の電動機に供給してこれを駆動することにより、その動力を内燃機関による駆動力に加えて駆動輪に出力する。このように内燃機関をいわゆる最適燃費運転点で運転でき、これに加えて減速時にはいずれかの電動機を発電機として機能させて、車両の有する運動エネルギーを電力として回生することができるので、車両の燃費を向上させることができる。
さらに、第二の電動機は走行のための動力を出力することができるから、発進時にいわゆるモータ走行を行ってスムースな発進を行うことが可能になる。そのために、車両が一時的に停止する場合に、内燃機関を停止してその間の燃料の消費を削減し、燃費を更に向上させることができる。このような一時的な停車時に内燃機関を停止する制御をエコラン制御と称することがある。そのエコラン制御において、エンジンの再始動の際に、スタータモータによらずに、ハイブリッド化のための電動機によってエンジンをクランキングすることが特許文献1に記載されている。これは、一時的にエンジンを停止した後、加速要求に応じてエンジンを再始動する際の加速感を十分なものとするための制御である。したがって、その際にはクランキングのための電動機のバッテリから給電することになる。その場合、バッテリの充電残量(SOC:State Of Charge)が低下している場合には、バッテリの過放電を招来してバッテリの寿命が低下する可能性があるので、特許文献1に記載された装置では、SOCが低下している場合には、エンジンの再始動のためのモータ・ジェネレータによるトルクアシストを禁止することとしている。
いわゆるツーモータタイプのハイブリッド車では、内燃機関の回転数制御に伴って第一の電動機で発生した電力で第二の電動機を駆動して必要十分な駆動力を得て走行していれば、各電動機による発電量と消費電力量とが均衡し、電力収支が成り立つ。しかしながら、アクセルペダルが大きく踏み込まれて大きい加速度が必要な場合には、内燃機関の出力を増大させることに加えて、バッテリから第二の電動機に電力を供給して、第二電動機による駆動力を一時的に増大させることも行われる。その場合、バッテリからの放電電力が制限されることもあるので、例えば特許文献2に記載されている装置では、アクセル操作されることによる要求トルクと蓄電装置の出力制限とに基づいて内燃機関の運転ポイントを設定している。
特開2006−325804号公報 特開2004−343838号公報
ハイブリッド車は、電動機を駆動力源の一部として備えているものの、電気自動車とは異なり、電力が枯渇もしくは不足しても燃料が残っている限り、内燃機関によって走行することができる。すなわち、通常は、ガソリンなどの燃料の残量をインストルメントパネルなどに表示するように構成されているので、燃料の欠乏は生じにくい。これに対して、バッテリなどの蓄電装置における充電量は、人為的に制御するのではなく、自動的に制御するように構成されている。そのため、加速やエンジン始動などのためのトルクアシストの要求が、充電残量が低下している際に生じることがあり、そのような場合に、上記の特許文献1に記載された装置は、トルクアシストを禁止し、また特許文献2に記載された装置は、低下している充電残量に合わせた運転ポイントを設定している。
これらいずれの装置も、充電残量が少ないなど、電力に制限がある場合に、制限がない場合とは異なる駆動力を設定するようになっている。したがって、運転者がアクセルペダルを踏み込むなどの加速要求があってそれに応じた制御を実行している過程で、充電残量が低下するなどの電力の制限条件が成立すると、駆動力の制御の内容が切り替わって駆動力が低下することになる。すなわち、特許文献1あるいは特許文献2に記載されているように構成された装置では、蓄電装置から過度に放電することは回避もしくは抑制することができるとしても、運転者の意図を外れて駆動力が変化するなどのことによって運転者に違和感を与えたり、ドライバビリティが低下するなどの可能性があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、ハイブリッド車における電力の制限に起因する違和感を可及的に回避もしくは抑制することのできる駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源として内燃機関と電動機とを備えるとともに、加速要求があった場合に蓄電装置から前記電動機に電力を供給して前記電動機に駆動力を発生させるハイブリッド車の駆動力制御装置において、前記加速要求があった場合にその加速要求を満たすように前記電動機に前記蓄電装置から電力を供給することにより前記蓄電装置の充電残量が所定値以下に低下することを判定する判定手段と、前記蓄電装置の充電残量が予め定めた所定値以下に低下することの判定が前記判定手段によってなされた場合に前記加速要求に基づく前記電動機による駆動力の発生を制限する制限手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ハイブリッド車は、回転数に応じて燃費効率が変化する内燃機関と、少なくとも三つの回転要素を有して差動作用を行いかつ前記回転要素のうちの第一回転要素に前記内燃機関から出力された動力が入力される動力分割機構と、前記回転要素のうちの第二回転要素に連結された発電機能のある第一電動機と、前記回転要素のうちの第三回転要素に連結された第二電動機と、前記第一電動機および第二電動機に電気的に接続された蓄電装置とを備え、かつ前記第一電動機によって前記内燃機関の回転数を燃費効率のよい回転数に制御することに伴って前記第一電動機で発生した電力を前記第二電動機に供給して前記第二電動機を駆動し、加速要求に応じて前記蓄電装置から前記第二電動機に電力を供給する制御を実行する車両を含み、前記制限手段は、加速要求に応じて前記蓄電装置から前記第二電動機に供給する電力を制限する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記制限手段は、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる制御を禁止する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記制限手段は、前記加速要求を満たすために前記蓄電装置から出力する必要のある電力量が前記蓄電装置から出力可能な電力量より多い場合に、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる制御を禁止する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1または2の発明において、前記制限手段は、前記加速要求に基づいて前記電動機が出力するトルクを、前記蓄電装置の充電残量が前記所定値以下に低下することがなくかつ前記加速要求を満たすトルクより小さいトルクに制限する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記制限手段は、前記加速要求を満たすために前記蓄電装置から出力する必要のある電力量が前記蓄電装置から出力可能な電力量より多い場合に、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる際に前記蓄電装置から出力する電力量を前記出力可能な電力量以下に制限する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記判定手段は、前記加速要求による加速中の前記充電残量を、前記加速要求による推定加速時間の間に前記蓄電装置から放電して消費することが予想される推定消費電力量を前記蓄電装置からの放電前の充電残量から減算して求める手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記判定手段は、前記推定加速時間を、アクセル開度もしくはアクセル開度の変化速度であるアクセル操作量と、車速と、前方車両との車間距離との少なくともいずれか一つに基づいて求めるとともに、前記アクセル操作量が大きいほど、もしくは車速が遅いほど、あるいは前記車間距離が長いほど、前記推定加速時間を長くするように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項9の発明は、請求項7または8の発明において、前記判定手段は、前記推定消費電力量を、前記加速要求によって車両に要求されている推定車両パワーと、前記加速要求に基づいて前記内燃機関が出力することが予想される推定エンジンパワーと、前記推定加速時間とに基づいて求めるように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記判定手段は、前記推定加速時間と前記推定車両パワーとから推定車両要求エネルギーを求め、前記推定加速時間と前記推定エンジンパワーとから推定エンジン消費エネルギーを求め、前記推定車両要求エネルギーと前記推定エンジン消費エネルギーと差として前記推定消費電力量を求めるように構成されていることを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置である。
この発明によれば、内燃機関と電動機とを動力源として走行している状態でアクセルペダルが踏み込まれるなどの加速要求があった場合、その加速要求を満たすように蓄電装置から前記電動機に電力を供給するにあたり、そのような給電を行った場合に蓄電装置の充電残量が、判断の基準値として予め設定した所定値以下になるか否かが判定される。蓄電装置の充電残量が所定値以下になることが判定された場合、この発明においては、加速要求に基づいて前記電動機に蓄電装置から電力が供給されることが制限される。その結果、蓄電装置の充電残量が過度に低下して加速途中に加速力が低下するなどの違和感を抑制でき、また蓄電装置の耐久性が低下することを防止もしくは抑制することができる。
この発明で対象とするハイブリッド車は、内燃機関の回転数を燃費効率のよい回転数に第一電動機で制御することに伴って第一電動機で発生する電力を第二電動機に供給するように構成されたハイブリッド車を含み、各電動機の間で電力を授受している定常的な走行状態では、発電電力と消費電力との収支がバランスし、蓄電装置の充電残量の変動がほとんど生じない。そして、加速要求によって蓄電装置から第二電動機に給電するとした場合、電力収支のバランスが崩れて蓄電装置の充電残量が所定値以下に低下することが判定されると、蓄電装置からの放電が制限されるので、蓄電装置の充電残量が過度に低下して加速途中に加速力が低下するなどの違和感を抑制でき、また蓄電装置の耐久性が低下することを防止もしくは抑制することができる。
加速要求があった場合の蓄電装置から前記電動機に対する電力の供給の制限は、電力の供給の禁止であってよく、このように構成した場合には、加速要求を要因として蓄電装置の充電残量が特に低下することが防止もしくは抑制される。
また、加速要求があった場合の蓄電装置から前記電動機に対する電力の供給の制限は、電力の供給量を、加速要求に基づいて定まる量より少なくすることであってもよく、このように構成した場合には、加速要求があった場合に、制限された電力が蓄電装置から前記電動機に供給されるので、加速を行うことができ、同時に蓄電装置の充電電力が所定値以下に低下することを回避し、蓄電装置の耐久性の低下などを防止もしくは抑制することができる。
そして、この発明では、推定加速時間の間に蓄電装置から放電される電力量を、その放電前の充電残量から差し引いて加速中の蓄電装置における充電残量を求めるので、加速中に充電残量が前記所定値以下になるか否かを確実に判定することができる。特に、その推定加速時間をアクセル開度やその変化速度などのアクセル操作量、車速、前方車両との車間距離の少なくともいずれか一つに基づいて求めるように構成し、かつアクセル操作量が大きいほど、もしくは低車速ほど、あるいは車間距離が長いほど推定加速時間を長くするように構成することにより、加速要求に基づく加速を行うとした場合の充電残量、あるいはその充電残量が前記所定値以下になるか否かを確実に判定することができる。
この発明に係る駆動力制御装置によって実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示す制御を行った場合と行わなかった場合とにおける加速度およびエンジン回転数ならびに充電残量(SOC)の変化を示すタイムチャートである。 この発明に係る駆動力制御装置によって実行される制御の他の例を説明するためのフローチャートである。 図3に示す制御を行った場合と行わなかった場合とにおける加速度およびエンジン回転数ならびに充電残量(SOC)およびバッテリ放電パワー上限値の変化を示すタイムチャートである。 この発明を適用できる車両の一例を模式的に示すブロック図である。
この発明は、ハイブリッド車の駆動力を制御するように構成された装置であり、特に加速要求があった場合に、加速のためのトルクやそのトルクを出力させるための電力を制御する装置である。そのハイブリッド車は、内燃機関と電動機とを駆動力源として備えた車両であり、より具体的には、加速要求があった場合に、蓄電装置から電動機に給電して電動機の出力するトルクを駆動輪に伝達することができるように構成されたハイブリッド車である。この発明で対象とすることのできるハイブリッド車の一例を図5に模式的に示してあり、ここに示す例は、いわゆるツーモータタイプのハイブリッド機構を備えた車両の例である。図5に即して説明すると、エンジン(E/G)1と第1モータ・ジェネレータ(MG1)2と第2モータ・ジェネレータ(MG2)3と動力分割機構4とを備えている。エンジン1はガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど、要は、燃料を燃焼して動力を出力する内燃機関である。特に、回転数や出力トルクに応じて燃料消費量もしくは燃料消費率(すなわち燃費効率)が変化する内燃機関である。したがって、エンジン1は、燃費を重視した運転を行う場合には、エンジン回転数NeおよびエンジントルクTeが個別に制御される内燃機関である。なお、ガソリンエンジンであれば、エンジントルクTeは、吸気量によって制御され、具体的には電子スロットルバルブ12によって制御される。また、ディーゼルエンジンであれば、燃料噴射量によってエンジントルクTeが制御される。
動力分割機構4は、互いに差動回転が可能な少なくとも三つの回転要素を備えた差動機構であり、図5に示す例では、シングルピニオン型遊星歯車機構によって構成されている。シングルピニオン型遊星歯車機構は従来知られている構成のものであって、サンギヤ4Sと、そのサンギヤ4Sと同心円上に配置されたリングギヤ4Rと、これらサンギヤ4Sおよびリングギヤ4Rに噛み合っているピニオンギヤを自転かつ公転できるように保持しているキャリヤ4Cとを回転要素として備えている。そのキャリヤ4Cがいわゆる入力要素となっていてこのキャリヤ4Cにエンジン1が出力した動力が入力されるようになっている。
図5に示す例では、キャリヤ4Cにエンジン1が連結されているが、これら両者の間にトルクコンバータや発進クラッチなどを配置してもよい。また、サンギヤ4Sがいわゆる反力要素となっていてこのサンギヤ4Sに、この発明における「第一電動機」に相当する第1モータ・ジェネレータ2が連結されている。さらに、リングギヤ4Rがいわゆる出力要素となっていてこのリングギヤ4Rに、この発明における「電動機」あるいは「第二電動機」に相当する第2モータ・ジェネレータ3が連結されている。したがって、エンジン1が出力した動力がキャリヤ4Cからサンギヤ4Sおよびリングギヤ4Rに分割して伝達されるから、サンギヤ4Sに連結されている第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させて負のトルクをサンギヤ4Sに与え、そのサンギヤ4Sの回転数を第1モータ・ジェネレータ2によって制御することにより、エンジン1の回転数を第1モータ・ジェネレータ2によって制御することができる。
また、リングギヤ4Rに出力軸5が連結され、その出力軸5はデファレンシャル6を介して左右の駆動輪7に動力を伝達するように構成されている。リングギヤ4Rと出力軸5との間、あるいは第2モータ・ジェネレータ3と出力軸5との間に減速機や変速機を配置することもできる。
第1モータ・ジェネレータ2と第2モータ・ジェネレータ3とは、いずれも、モータと発電機のいずれか一方もしくは両方の機能を有するものである。この第1モータ・ジェネレータ2は、エンジン回転数Neの制御のために発電機として機能するとともに、例えばエンジン1のモータリング(クランキング)のために電動機として機能させることも可能である。これらの機能もしくは動作の制御のために、第1モータ・ジェネレータ2はインバータ8を介してバッテリもしくはキャパシタなどの蓄電装置10に接続されている。また、第2モータ・ジェネレータ3は、出力軸5に付加するトルクを制御し、すなわち力行制御の際にモータとして機能し、またはエネルギー回生の際には発電機として機能する。これらの機能もしくは動作の制御のために、第2モータ・ジェネレータ3はインバータ9を介して蓄電装置10に接続されている。さらに、モータ・ジェネレータ2,3の間で電力を相互に授受できるようになっている。また、これら第1モータ・ジェネレータ2と第2モータ・ジェネレータ3はいずれも、ハイブリッドコントローラ11によりインバータ8,9を介して駆動制御される。
ハイブリッドコントローラ11は、エンジン1の出力トルクTeの制御すなわち電子スロットルバルブ12の開度の制御や、各インバータ8,9を介した各モータ・ジェネレータ2,3の駆動制御などを行う。このハイブリッドコントローラ11は、CPU(Central Processing Unit)を中心とするいわゆるマイクロコンピュータを主体として構成された電子制御装置であって、各種処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)や、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)や、データの送受信を可能にさせるインターフェイスなどを備えている。したがって、ハイブリッドコントローラ11は、入力されたデータおよび予め記憶部に記憶されたデータに基づいてプログラムを使用して演算処理を実行し、電子スロットルバルブ12や各インバータ8,9に指令信号を出力するように構成されている。また、ハイブリッドコントローラ11には、車速Vを示す車速検出信号や、車輪速センサ13によって検出した車輪速信号や、アクセルペダル14の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ15からのアクセル開度信号などがデータとして入力される。
上記のハイブリッド車においては、エンジン1の回転数を第1モータ・ジェネレータ2によって制御でき、またエンジントルクを電子スロットルバルブ12によって制御できるので、定常的な走行時には、このような機能を有効に生かして燃費効率が良好になるように制御される。例えば、スロットル開度および車速に基づいて、予め用意されたマップから要求駆動力が求められ、その要求駆動力と車速とから要求出力(もしくは目標出力)が求められる。その要求出力を最適燃費で達成する目標エンジン回転数がマップから求められ、エンジン1の回転数がその目標エンジン回転数になるように第1モータ・ジェネレータ2が制御される。また、その目標エンジン回転数と前記目標出力とに基づいて目標エンジントルクが算出され、その目標エンジントルクを達成するように電子スロットルバルブ12が制御される。このような定常的な走行時に実行される基本的な制御は、燃費を優先する制御であり、エンジン1の運転点は、出力毎の回転数とトルクとの関係を表した直交座標上で最適燃費を示す線上に設定される。
エンジン1の運転点を最適燃費線上に常時設定できることは、いわゆるツーモータタイプのハイブリッド車における利点の一つであるが、アクセルペダル14が大きく踏み込まれるなどの加速要求時にも同様の燃費優先制御を実行すると、駆動力増大に遅れが生じ、運転者の意図する加速感を得られない可能性がある。そこで、加速要求があった場合には、駆動力を一時的に増大させるなどの加速感向上制御が実行される。その制御は、例えば第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を低下させることに伴ってエンジントルクを増大させ、かつ蓄電装置10から第2モータ・ジェネレータ3に電力を供給して第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクを増大させる制御である。その場合の目標エンジン回転数および目標エンジントルクは、アクセル開度および車速に応じた値として予めマップの形で予め定められている。
このように、加速感向上制御では、第1モータ・ジェネレータ2の回転数が低下してその発電量が減少し、また第2モータ・ジェネレータ3に対して供給する電力量を増大させるから、蓄電装置10からの放電量が増大する。そこで、この発明に係る駆動力制御装置は、加速中に蓄電装置10から過剰な放電が生じて加速力が低下したり、それに伴って蓄電装置10の耐久性が低下したりすることを回避するために、以下に説明する制御を実行するように構成されている。
図1はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは予め定めた短時間毎に繰り返し実行される。先ず、ステップS1で、加速が開始されたか否か、すなわち加速要求があるか否かが判断される。この判断は、前述したアクセル開度センサ15からのアクセル開度信号に基づいて行うことができ、アクセルペダル14の踏み込み量すなわちアクセル開度の増大量が、予め定められている閾値を超えたか否かを判断することにより行うことができる。加速要求がないことによりこのステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンする。この場合、前述した図5に示す構成のハイブリッド車においては、燃費を優先した制御が実行され、エンジン1の運転点は最適燃費線上の運転点に設定される。
アクセルペダル14が踏み込まれるなどのことにより加速要求があり、それに伴ってステップS1で肯定的に判断された場合は、推定加速時間Tgestが算出される(ステップS2)。加速時間は、蓄電装置10から第2モータ・ジェネレータ3に電力を供給して駆動力を増大させる制御の継続時間であって、車速V、アクセル開度PAP、アクセル開度速度DPAP、前方車両(前車)との距離Lprevに基づいて、推定加速時間Tgestが求められる。具体的には、推定加速時間Tgestはマップとして予め用意しておくことができ、例えば車速Vが遅いほど、またアクセル開度PAPが大きいほど、アクセル開度速度DPAPが速いほど、前車との距離Lprevが長いほど、推定加速時間Tgestは長い時間に設定される。
図5に示す構成のハイブリッド車におけるエンジン回転数およびエンジントルクの基本的な制御は、前述したように、アクセル開度PAPおよび車速に基づいて目標駆動力ならびに目標出力を求め、その目標出力から目標エンジン回転数および目標エンジントルク(より具体的にはスロットル開度あるいは吸入空気量もしくは燃料供給量)が求められる。そこで、図1に示す制御例では、上記のステップS2の制御に続けて、あるいはそれと並行して、もしくは相前後して、目標エンジン回転数Netagと目標エンジントルクTetagとから推定エンジンパワーPeest(=Netag×Tetag)が算出される(ステップS3)。ついで、運転者による加速要求を充足するとした場合にエンジン1で消費するエネルギー(推定エンジン消費エネルギー)Eeestが算出される(ステップS4)。これは、上述した推定加速時間Tgestと推定エンジンパワーPeestとの積(Tgest×Peest)として算出される。結局、この推定エンジン消費エネルギーEeestは、加速要求に基づいて通常の制御を行った場合に消費が予想されるエネルギー量、言い換えれば、蓄電装置10から電力を持ち出すことになる加速感向上制御を実行しない場合に消費が予想されるエネルギー量である。
このような演算に続けて、もしくは並行して、あるいは相前後して、アクセルペダル14が上記のように踏み込まれたことによる加速の際に加速感向上制御を併せて実行した場合のエネルギー量が求められる。すなわち、加速感向上制御による目標駆動力Ftag と車速Vとから推定車両パワーPvest(=Ftag ×V)が算出される(ステップS5)。なお、目標駆動力Ftag は、その車両で発生させる加速度に対応する駆動力として予め設計上定められた駆動力であり、アクセル開度や車速をパラメータとして例えばマップとして定めておくことができる。また、この目標駆動力Ftag は、図5に示すハイブリッド車にあっては、第2モータ・ジェネレータ3に蓄電装置10から電力を供給してその出力トルクを増大させることにより達成される。このようにした求められた推定車両パワーPvestが前述した推定加速時間Tgest、継続して出力されたとした場合の推定車両要求エネルギーEvest(=Pvest×Tgest)が算出される(ステップS6)。結局、その推定車両要求エネルギーEvestは、加速要求があった場合に蓄電装置10から電力を持ち出す加速感向上制御を実行することにより消費することが予想されるエネルギーである。
上述したステップS4で算出された推定エンジン消費エネルギーEeestは、蓄電装置10から電力を持ち出すことがなく各モータ・ジェネレータ2,3での電力収支をバランスさせている場合のエネルギー量であり、これに対してステップS6で算出された推定車両要求エネルギーEvestは、加速感向上制御を行って蓄電装置10から電力を持ち出した場合のエネルギー量である。これらのエネルギー量の差として推定バッテリ消費エネルギー(推定消費電力量)SOCcomest(=Evest−Eeest)が算出される(ステップS7)。これは、加速感向上制御を実行することに起因して消費するエネルギー量である。
そして、この推定バッテリ消費エネルギーSOCcomestを蓄電装置10から放出したとした場合に蓄電装置10に残ることが推定される推定バッテリ残量SOCest が算出される(ステップS8)。すなわち、ハイブリッド車では蓄電装置10の充電残量(バッテリ残量)SOCpre が常時検出されており、そのバッテリ残量SOCpreと、ステップS7で算出された推定バッテリ消費エネルギーSOCcomestとの差として推定バッテリ残量SOCest (=SOCpre−SOCcomest)が求められる。
ハイブリッド車における蓄電装置10にはリチウムイオン電池やアルカリ電池などの二次電池が用いられているが、その充電残量が過度に減少すると耐久性が低下する。そこで、上記の推定バッテリ残量SOCest が予め定められている下限値SOClow を下回るか否かが判断される(ステップS9)。なお、この下限値SOClow は、一定値であってもよいが、温度などの所定の要件に応じて変化する値であってもよい。
推定バッテリ残量SOCest が上記の下限値SOClow を下回ることによりステップS9で肯定的に判断された場合には、蓄電装置10から電力を持ち出すことになる加速感向上制御が禁止される(ステップS10)。これに対して推定バッテリ残量SOCest が前記下限値SOClow 以上となることによりステップS9で否定的に判断された場合には、加速要求に基づいて加速する場合に加速感向上制御が実行され(ステップS11)、蓄電装置10から放電して加速のための駆動力が増大させられる。
図2は上記の図1に示す制御によって加速感向上制御を禁止する場合と、禁止しない場合とにおける加速度およびエンジン回転数ならびに充電残量(SOC)の変化を示すタイムチャートである。アクセル開度がほぼ「0」で定速走行もしくは減速走行している状態でアクセル開度が増大すると(T1 時点)、それに応じてエンジン出力が増大するので、加速度が増大し、またエンジン回転数が増大する。前述したように図5に示す構成のハイブリッド車では、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を燃費効率の良い回転数に制御し、それに伴って第1モータ・ジェネレータ2で発生する電力を第2モータ・ジェネレータ3に供給してこれをモータとして機能させる。したがって、このような通常の走行状態もしくは制御状態、言い換えれば加速感向上制御を実行していない状態では、第1モータ・ジェネレータ2で発生した電力を第2モータ・ジェネレータ3で消費するので、電力収支がバランスして充電残量SOCは一定に維持される。
T1 時点に加速要求があってそれに伴う加速感向上制御による蓄電装置10の電力の消費によって推定バッテリ残量SOCest が下限値SOClow を下回ることが判断されると、電力収支がバランスするように制御される。その結果、図2に実線で示すように加速度はアクセル開度に応じた値に設定され、またエンジン回転数は燃費効率が良くなる回転数に維持される。したがって、加速途中に蓄電装置10の充電残量が下限値SOClow を下回ったり、それに伴って加速度が低下したりすることがないので、違和感を防止でき、また蓄電装置10の耐久性が低下するなどの事態を回避もしくは抑制することができる。
これに対して加速感向上制御を実行するとすれば、図2に破線で示すようにエンジン回転数は当初、通常の制御によるよりも低回転数に制御され、その後、次第に増大させられる。エンジントルクを大きくして加速力を大きくするためである。このようにエンジン回転数を制御すると、第1モータ・ジェネレータ2の回転数が低回転数になることによりその発電量が少なくなるが、加速のための駆動力を発生する第2モータ・ジェネレータ3で必要とする電力は特に少なくなることはないので、その不足分を蓄電装置10から第2モータ・ジェネレータ3に供給することになる。すなわち、各モータ・ジェネレータ2,3による発電量と消費電力との電力収支がバランスしなくなり、充電残量SOCが低下し、加速要求が継続している間の所定時点T2 に蓄電装置10の充電残量が下限値を下回って(枯渇して)しまい、蓄電装置10から十分に放電できなくなって加速度が低下してしまう。アクセル開度が「0」に戻される(T3 時点)までは加速要求があるにも拘わらず、充電残量の不足が加速要求の生じている過程で発生し、加速要求を満たすことができなくなり、その結果、運転者に違和感を与えることになる。また、加速のために消費する電力量が、蓄電装置10の充電残量の下限値に低下するまでの量より多ければ、蓄電装置10の充電残量が過度に低下してしまって蓄電装置10の耐久性が低下する可能性が大きくなる。
このように、図1に示す制御を実行するこの発明に係る駆動力制御装置によれば、加速要求があった場合に蓄電装置10から電力を出力させて加速感を向上させるとしても、そのために消費する電力量が、蓄電装置10に放電が許容される範囲内で加速感向上制御を実行し、蓄電装置10の充電残量が下限値を下回る場合には、加速感向上制御すなわち蓄電装置10から放電させて駆動力を増大させ、あるいはエンジン回転数を低下させる制御が禁止される。その結果、蓄電装置10から過剰に放電させることがないために、蓄電装置10の耐久性を向上させ、あるいは耐久性の低下を防止もしくは抑制することができる。
上記の例は、加速要求があった場合に蓄電装置10から電力を持ち出すことになる加速感向上制御により蓄電装置10の充電残量が予め定めた下限値を下回ることが予測もしくは推定されると、加速感を向上させるために蓄電装置10から放電することを禁止するように構成した例である。したがって、上記の例は、蓄電装置10から放電することによる駆動力の発生をゼロにすることを、駆動力の発生の制限とした例である。この発明における駆動力の発生の制限は、蓄電装置10から放電することによる駆動力の発生をゼロにすることに替えて、蓄電装置10の充電残量が前述した下限値以上にとどまる範囲で、蓄電装置10から放電させることによる駆動力を制限して発生させることとしてもよい。
その制御例を図3にフローチャートで示してあり、ここに示すルーチンも前述した図1に示す例と同様に所定の短時間ごとに繰り返し実行される。先ず、加速が開始されたか否か、すなわち加速要求があるか否かが判断される(ステップS21)。これは、前述した図1に示すステップS1の制御と同様の制御である。このステップS21で否定的に判断された場合、すなわち加速要求がない場合には、特に制御を行うことなくリターンする。これに対して、加速要求があることによりステップS21で肯定的に判断された場合には、推定バッテリ残量SOCest が算出される(ステップS22)。このステップS22における推定バッテリ残量SOCest の算出は、前述した図1に示すステップS2ないしステップS8で示す演算によって行うことができる。
ついで、加速感向上制御を伴う加速中に蓄電装置10における充電残量(バッテリ残量)SOCest が予め定められている下限値SOClow 未満になるか否かが判断される(ステップS23)。このステップS23での判断は、前述した図1に示すステップS9での判断と同様のものであり、判断の結果が否定的な場合すなわち推定バッテリ残量SOCest が下限値SOClow 以上の場合には特に制御を行うことなくリターンする。すなわち、加速要求があった場合、その加速要求に応じた加速感向上制御を伴う加速制御が実行される。
推定バッテリ残量SOCest が下限値SOClow 未満になることによりステップS23で肯定的に判断された場合には、推定加速時間Tgestが読み込まれる(ステップS24)。図1を参照して説明したように、推定バッテリ残量SOCest を算出する過程で推定加速時間Tgestが求められており、ステップS24ではこれを読み込む。ついで、加速中に蓄電装置10から放出することが許容されるパワーすなわちバッテリ放電パワーWAが算出される(ステップS25)。すなわち、現在のバッテリ残量SOCpre と下限値SOClow との差が蓄電装置10から放電できる電力であり、これを推定加速時間Tgest中に放電するとすれば、許容されるバッテリ放電パワーWAは、現在のバッテリ残量SOCpre と下限値SOClow との差を推定加速時間Tgestで割った値(WA=(SOCpre −SOClow )/Tgest)となる。
こうして求められたバッテリ放電パワーWAがバッテリ放電パワー上限値Wout に置き換えられ(ステップS26)、またその新たな上限値Wout 以下で加速感が最適となるように目標駆動力Ftag および目標エンジン回転数Netagが再設定される(ステップS27)。その再設定は、例えば上記のバッテリ放電パワーWAによって、前記上限値Wout の制限割合を求め、その制限割合によって、設計上求まる目標駆動力Ftag および目標エンジン回転数Netagを変更することにより行うことができる。したがって、これら目標駆動力Ftag および目標エンジン回転数Netagは、設計上、加速要求に応じて定められた値とは異なる値であってバッテリ放電パワーWAによって制限された値に設定される。すなわち、設計上定められた加速感向上制御が完全には実行されないものの、加速感は幾分かは向上させられる。
上記の図3に示す制御を行った場合の加速度およびエンジン回転数ならびに充電残量(SOC)およびバッテリ放電パワー上限値の変化を図4にタイムチャートで示してある。アクセル開度がほぼ「0」で定速走行もしくは減速走行している状態でアクセル開度が増大すると(T11時点)、それに応じてエンジン出力が増大するので、加速度が増大し、またエンジン回転数が増大する。前述したように図5に示す構成のハイブリッド車では、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を燃費効率の良い回転数に制御し、それに伴って第1モータ・ジェネレータ2で発生する電力を第2モータ・ジェネレータ3に供給してこれをモータとして機能させる。したがって、このような通常の走行状態もしくは制御状態、言い換えれば加速感向上制御を実行していない状態では、エンジン回転数は図4に一点鎖線で示すように変化し、また第1モータ・ジェネレータ2で発生した電力を第2モータ・ジェネレータ3で消費するので、電力収支がバランスして充電残量SOCは一定に維持される。
これに対して、加速感向上制御が実行されると、エンジン回転数の目標値は、図4の「エンジン回転数」の欄に破線で示してあるように、その時点のアクセル開度などの加速要求量に応じて、通常制御の場合より低回転数に設定される。エンジントルクを大きくするためである。その場合、このような加速感向上制御を実行するとした場合の消費エネルギー量が多くてバッテリ残量が下限値を下回ることが推定されると、加速感向上制御が制限され、したがってエンジン回転数は「加速感最適値」より大きい回転数に制限される。これを図4の「エンジン回転数」の欄に実線で示してある。したがって、設計上設定した加速感を得られないとしても、幾分かは加速感が向上する。
このような制御は、蓄電装置10から放電できる上限値を低下させ(制限し)、その範囲で蓄電装置10から第2モータ・ジェネレータ3に電力を供給して実行されるから、充電残量SOCが次第に減少する。そして、推定された加速時間に到達した際すなわちアクセル開度が「0」に戻されるT13時点にエンジン回転数が、アクセルペダル14が踏み込まれて増大したアクセル開度に対応した回転数に達し、その後、アクセル開度が「0」に戻されることによりアイドル回転数などのその時点の走行状態に応じた回転数に低下する。また、加速度がアクセル開度に応じた値に低下する。さらに、バッテリ放電パワー上限値が制限のない値に戻される。このように制御される過程で加速が維持され、また加速感向上制御が制限を受けつつ継続されるので、蓄電装置10から放電されるが、その上限値Wout は、充電残量SOCが下限値SOClow を下回らないように制限されているので、加速の終了時点での充電残量SOCは下限値以上になっている。すなわち、蓄電装置10から過度に放電することが防止もしくは抑制される。
これに対して加速途中に充電残量SOCが下限値SOClow を超えて低下するにも拘わらずに加速感向上制御を実行するとすれば、エンジン回転数を図4の「エンジン回転数」の欄に破線で示すように、相対的に低回転数に制御することになるので、蓄電装置10から第2モータ・ジェネレータ3に対して放電する電力量が多くなり、加速の中のT12時点で充電残量SOCが下限値SOClow を下回る。その結果、それ以降では第2モータ・ジェネレータ3に供給できる電力が低下するために加速度が低下し、これが違和感となる可能性がある。また、蓄電装置10はいわゆる過放電状態となるので、その耐久性が低下する。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS3の制御や図3に示すステップS23の制御を実行する機能的手段が、この発明における判定手段に相当し、また図1に示すステップS10の制御や図3に示すステップS25ないしステップS27の制御を実行する機能的手段が、この発明における制限手段に相当する。
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、トルクアシストおよびエネルギー回生を行う単一の電動機を内燃機関と併用したタイプのハイブリッド車を対象とする駆動力制御装置に適用することができる。また、加速の際に必要とするエネルギー量やその際に蓄電装置から放出する電力量などの演算は、上記の具体例で示した演算式に限らず、ハイブリッドの形式に応じて他の適宜の演算式に基づいて行うこともできる。
1…エンジン(E/G)、 2…第1モータ・ジェネレータ(MG1)、 3…第2モータ・ジェネレータ(MG2)、 4…動力分割機構、 5…出力軸、 6…デファレンシャル、 7…駆動輪、 8,9…インバータ、 10…蓄電装置、 11…ハイブリッドコントローラ、 12…電子スロットルバルブ、 13…車輪速センサ、 14…アクセルペダル、 15…アクセル開度センサ。

Claims (10)

  1. 駆動力源として内燃機関と電動機とを備えるとともに、加速要求があった場合に蓄電装置から前記電動機に電力を供給して前記電動機に駆動力を発生させるハイブリッド車の駆動力制御装置において、
    前記加速要求があった場合にその加速要求を満たすように前記電動機に前記蓄電装置から電力を供給することにより前記蓄電装置の充電残量が所定値以下に低下することを判定する判定手段と、
    前記蓄電装置の充電残量が予め定めた所定値以下に低下することの判定が前記判定手段によってなされた場合に前記加速要求に基づく前記電動機による駆動力の発生を制限する制限手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド車の駆動力制御装置。
  2. 前記ハイブリッド車は、回転数に応じて燃費効率が変化する内燃機関と、少なくとも三つの回転要素を有して差動作用を行いかつ前記回転要素のうちの第一回転要素に前記内燃機関から出力された動力が入力される動力分割機構と、前記回転要素のうちの第二回転要素に連結された発電機能のある第一電動機と、前記回転要素のうちの第三回転要素に連結された第二電動機と、前記第一電動機および第二電動機に電気的に接続された蓄電装置とを備え、かつ前記第一電動機によって前記内燃機関の回転数を燃費効率のよい回転数に制御することに伴って前記第一電動機で発生した電力を前記第二電動機に供給して前記第二電動機を駆動し、加速要求に応じて前記蓄電装置から前記第二電動機に電力を供給する制御を実行する車両を含み、
    前記制限手段は、加速要求に応じて前記蓄電装置から前記第二電動機に供給する電力を制限する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  3. 前記制限手段は、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる制御を禁止する手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  4. 前記制限手段は、前記加速要求を満たすために前記蓄電装置から出力する必要のある電力量が前記蓄電装置から出力可能な電力量より多い場合に、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる制御を禁止する手段を含むことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  5. 前記制限手段は、前記加速要求に基づいて前記電動機が出力するトルクを、前記蓄電装置の充電残量が前記所定値以下に低下することがなくかつ前記加速要求を満たすトルクより小さいトルクに制限する手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  6. 前記制限手段は、前記加速要求を満たすために前記蓄電装置から出力する必要のある電力量が前記蓄電装置から出力可能な電力量より多い場合に、前記加速要求に基づいて前記電動機の出力トルクを増大させる際に前記蓄電装置から出力する電力量を前記出力可能な電力量以下に制限する手段を含むことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  7. 前記判定手段は、前記加速要求による加速中の前記充電残量を、前記加速要求による推定加速時間の間に前記蓄電装置から放電して消費することが予想される推定消費電力量を前記蓄電装置からの放電前の充電残量から減算して求める手段を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  8. 前記判定手段は、前記推定加速時間を、アクセル開度もしくはアクセル開度の変化速度であるアクセル操作量と、車速と、前方車両との車間距離との少なくともいずれか一つに基づいて求めるとともに、前記アクセル操作量が大きいほど、もしくは車速が遅いほど、あるいは前記車間距離が長いほど、前記推定加速時間を長くするように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  9. 前記判定手段は、前記推定消費電力量を、前記加速要求によって車両に要求されている推定車両パワーと、前記加速要求に基づいて前記内燃機関が出力することが予想される推定エンジンパワーと、前記推定加速時間とに基づいて求めるように構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
  10. 前記判定手段は、前記推定加速時間と前記推定車両パワーとから推定車両要求エネルギーを求め、前記推定加速時間と前記推定エンジンパワーとから推定エンジン消費エネルギーを求め、前記推定車両要求エネルギーと前記推定エンジン消費エネルギーと差として前記推定消費電力量を求めるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド車の駆動力制御装置。
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