JP2014075162A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱揺らぎ耐性が高く、また書き込み特性に優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性基板の上に、少なくとも、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して垂直に配向した、1層又は2層以上の磁性層からなる垂直磁性層とを、この順で具備する磁気記録媒体であって、前記垂直磁性層を構成する少なくとも1層の前記磁性層が、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金を含み、前記Rhの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】図4

Description

本発明は、磁気記録媒体及び磁気記録再生装置に関する。
磁気記録再生装置の一種であるハードディスク装置(HDD)は、現在その記録密度が年率50%以上増えており、今後も増加傾向が続くと言われている。ハードディスク装置の記録密度の増加に伴って、高記録密度化に適した磁気記録媒体の開発が進められている。
現在市販されている磁気記録再生装置には、磁気記録媒体として、磁性膜内の磁化容易軸が垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体が搭載されているものがある。垂直磁気記録媒体は、高記録密度化した際にも記録ビット間の境界領域における反磁界の影響が小さく、鮮明なビット境界が形成されるため、ノイズの増加が抑えられる。しかも、垂直磁気記録媒体は、高記録密度化に伴う記録ビット体積の減少が少なくて済むため、熱揺らぎ特性に優れている。
また、垂直磁気記録媒体の記録再生特性および熱揺らぎ特性を向上させるために、配向制御層を用い、その上部に多層の磁性層を形成して、それぞれの磁性層の結晶粒子を連続した柱状晶とし、これにより磁性層の垂直配向性を高めることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明に関連する特許文献2には、コバルト、白金、ルテニウムよりなる3元系合金であって、その組成がCo Pt Ru 、20≦a≦70、10≦b≦70、10≦c≦60、a+b+c=100 (ただしa、b、cは原子%による組成比)であり、かつ膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有する磁気記録膜が開示されている。
特開2004−310910号公報 特開平06−12713号公報
現在、磁気記録媒体に用いられる磁気記録膜(以下、垂直磁性層とも称する。)としてはCoCrPt系の磁性合金が用いられている。
CoCrPt系の磁性合金は、CoPt系の磁性合金をベースとして、書き込み特性の最適化、具体的には飽和磁化(Ms)を低減する目的でCrを添加している。
一方で、CoPt系合金にCrを添加すると合金の磁気異方性定数(Ku)が低下し、これによって熱揺らぎ特性が悪化する問題があった。すなわち、熱揺らぎ特性は、(Ku・V)/(k・T)、(Vは磁性合金の体積、Tは温度、kは定数)で示され、Kuの低下により熱揺らぎ特性も低下する。
このような問題は、CoPt系合金にCrを添加する場合に限らず、特許文献2に記載のように、CoPt系合金にRuを添加する場合にも同様の問題が生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みて提案されたものであり、MsとKuを適度にバランスさせた磁性合金、具体的には、CoPt系合金において、Kuが高く、一方でMsを適度に調整した磁性合金を提供し、もって熱揺らぎ耐性が高く、また書き込み特性に優れた磁気録媒体及び磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、垂直磁性層を構成する磁性層としてCoPtRh系磁性合金を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の手段を提供する。
(1)非磁性基板の上に、少なくとも、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して垂直に配向した、1層又は2層以上の磁性層からなる垂直磁性層とを、この順で具備する磁気記録媒体であって、前記垂直磁性層を構成する少なくとも1層の前記磁性層が、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金を含み、前記Rhの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)前記Ptの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする上記(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)前記磁性合金が、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Crの中から選ばれる1種類以上の元素を合計で1〜10原子%の範囲内で含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)前記磁性合金の磁気異方性定数は8×10erg/cm以上であり、飽和磁化は700〜1200emu/cmの範囲内であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載の磁気記録媒体。
(5)上記(1)〜(4)の何れか一項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁性合金を有する垂直磁性層を用いた磁気記録媒体は、書き込み特性、熱揺らぎ耐性に優れるため、記録再生特性(信号/ノイズ比(S/N))に優れ高記録密度に適した磁気記録媒体および磁気記録再生装置を提供可能となる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示した断面模式図である。 図2は、図1に示す磁気記録媒体における配向制御層と垂直磁性層の積層構造を説明するための拡大模式図であり、各層の柱状晶が基板面に対して垂直に成長した状態を示した断面図である。 図3は、本発明の磁気記録再生装置の一例を示した斜視図である。 図4は、CoPtRh系合金、CoPtCr系合金、CoPtRu系合金における磁気異方性定数(Ku)の組成比依存性を説明するためのグラフであり、(a)は、CoPtRh系合金の結果、(b)は、CoPtCr系合金の結果、(c)は、CoPtRu系合金の結果である。 図5は、CoPtRh系合金、CoPtCr系合金、CoPtRu系合金における飽和磁化(Ms)の組成比依存性を説明するためのグラフであり、(a)は、CoPtRh系合金の結果、(b)は、CoPtCr系合金の結果、(c)は、CoPtRu系合金の結果である。 図6は、CoPtRh系合金のキュリー温度(Tc)と一軸結晶磁気異方性(Ku)との相関を示すグラフである。
本願発明の磁気記録媒体は、非磁性基板の上に、少なくとも、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して垂直に配向した、1層又は2層以上の磁性層からなる垂直磁性層とを、この順で具備する磁気記録媒体であって、垂直磁性層を構成する少なくとも1層の磁性層が、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金を含み、当該Rhの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする。
なお、本発明における垂直磁性層の構造は、磁性層単層であってもよく、複数の磁性層からなる積層構造としてもよい。垂直磁性層が複数の磁性層からなる場合、そのうちの1層以上がCo、Pt、Rhを含有する磁性合金を含めばよい。
以下、本発明における磁性合金について、本発明者らの検討を併せて説明する。
図4は、本願発明者が見出したCoPtRh系合金、CoPtCr系合金、CoPtRu系合金におけるKuの組成比依存性である。
本結果は、ガラス基板の上に、5nmのTa薄膜、6nmのPt薄膜、20nmのRu薄膜を形成後、CoPtRh系合金、CoPtCr系合金、CoPtRu系合金それぞれの磁性合金薄膜をスパッタリング法を用いて、アルゴンガス圧0.6Pa、成膜速度1nm/秒、膜厚20nmで形成し、その後、炭素膜を7nm成膜し、そのKuを測定して得た。図4(a)は本願発明の磁性合金であるCoPtRh系合金の結果、図4(b)はCoPtCr系合金の結果、図4(c)はCoPtRu系合金の結果である。
図4(a)と、図4(b)(c)との対比から明らかなように、CoPt系合金にCrまたはRuを加えるとKuが著しく減少するのに対し、本願発明のCoPtRh系合金はRh添加によってもKuの減少が極めて少ない。
また図5は、本願発明者が見出したCoPtRh系合金、CoPtCr系合金、CoPtRu系合金におけるMsの組成比依存性である。
本結果は、ガラス基板の上に、5nmのTa薄膜、6nmのPt薄膜、20nmのRu薄膜を形成後、上記CoPtRh系合金等の磁性合金薄膜をスパッタリング法を用いて、アルゴンガス圧0.6Pa、成膜速度1nm/秒、膜厚20nmで形成し、その後、炭素膜を7nm成膜し、そのMsを測定して得た。図5(a)は本願発明の磁性合金であるCoPtRh系合金の結果、図5(b)はCoPtCr系合金の結果、図5(c)はCoPtRu系合金の結果である。
図5(a)と、図5(b)(c)との対比から明らかなように、CoPt系合金にCrまたはRuを加えるとMsが著しく減少するのに対し、本願発明のCoPtRh系合金はRh添加によってもMsの減少が少ない。この結果は、本願発明者の検討によると、Cr、Ru原子はCo原子と隣接した場合において分極が生じないのに対し、Rh原子はCo原子と隣接した場合に分極を生じ、これによってMsの減少が緩やかになるものと考えられる。
以上の図4(a)、図5(a)の結果から明らかなように、Co、Pt、Rhを含む磁性合金において、磁性合金のPtの含有量を10〜40原子%(10原子%以上40原子%以下)の範囲内とし、Rhの含有量は10〜40原子%(10原子%以上40原子%以下)の範囲内とし、残部をCoとすることにより、Kuを8×10erg/cm以上とし、Msを700〜1200emu/cmの範囲内とした磁性合金を得ることができる。そしてこの合金は、従来のCoPtCr系合金、または、CoPtRu系合金に比べ、Kuが高く、一方で適度にMsを低下させることができるため、MsとKuが適度にバランスし、このような磁性合金を用いた磁気記録媒体は、熱揺らぎ耐性が高く、また書き込み特性に優れたものとなる。
また本願発明の磁性合金は、結晶組織の微細化のため、微量の添加物として、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Crの中から選ばれる1種類以上の元素を合計で1原子%〜10原子%(1原子%以上10原子%以下)の範囲内で含有させることができる。
また図6は、本願発明者が見出したCoPtRh系合金のキュリー温度(Tc)と一軸結晶磁気異方性(Ku)との相関を示す図である。
本結果は、ガラス基板の上に、5nmのTa薄膜、6nmのPt薄膜、20nmのRu薄膜を形成後、CoPtRh系合金の磁性合金薄膜をスパッタリング法を用いて、アルゴンガス圧0.6Pa、成膜速度1nm/秒、膜厚20nmで形成し、その後、炭素膜を7nm成膜し、その飽和磁化(Ms)、Kuを測定して得た。なお、キュリー温度は得られたMsから算出した。
図6中の太線は、それぞれ、CoRh合金、CoPt合金のKuおよびTcを示し、CoRh合金に示されたプロットは、左からRh=50、40、35、30、25、20原子%、CoPt合金に示されたプロットは、左からPt=50、40、35、30、25原子%の場合のKuおよびTcを示す。また、×は純CoのKuおよびTcを示す。
CoRh合金、CoPt合金の太線それぞれの各プロット同士を結ぶ細い線は、CoPtRh合金のKuおよびTcを示し、プロットに付された数字は、PtとRhの合計におけるRhの比率(y原子%:Pt100−yRh)を示す。例えば、2点破線(プロット“○”:x=50(at.%))は、Co50(Pt100−yRh50合金のKuおよびTcの変化を示し、各プロットは、左からy=80,60,40,20,10の値を示す。
従来のCoPt系の材料の場合、70Co30Ptの組成領域にてKuの最大値を発現するが、一方でこの時のキュリー温度は900℃付近と高温である。そして、Ptの添加量を増すと、Tcは低下するが、Kuも大きく変化する。
ここで、CoRh系合金の場合、Rh添加によりTcが低下するが、Kuはそれほど変化せず、磁気特性の変動が少ない。そして、Tcは500℃以下まで下げることが可能である。このような磁性合金の組成変化におけるTcやKuの挙動は、将来有望な熱アシスト媒体用途の合金の磁気特性に適している。
次に、本発明の磁性合金を用いた磁気記録媒体及び磁気記録再生装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、例えば、非磁性基板の上に、少なくとも、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して垂直に配向した垂直磁性層とを、この順で有する。
そして、本発明における垂直磁性層は、1層又は2層以上の磁性層からなり、垂直磁性層を構成する少なくとも1層の磁性層が、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金を含むことを特徴とする。
以下、本発明の磁気記録媒体の一例として、図1および図2に示す磁気記録媒体を詳細に説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示した断面模式図である。また、図2は、図1に示す磁気記録媒体における配向制御層と垂直磁性層の積層構造を説明するための拡大模式図であり、各層の柱状晶が基板面に対して垂直に成長した状態を示した断面図である。なお、図2においては、配向制御層3を構成する第1配向制御層3aおよび第2配向制御層3bと垂直磁性層4以外の部材の記載を省略して示している。図1では、第2配向制御層3bと垂直磁性層4との間に非磁性下地層8を設けているが、この非磁性下地層8も基板面に対して垂直に成長した柱状晶によって構成され、この柱状晶は第2配向制御層3b、垂直磁性層4の柱状晶と連続して形成される。
図1に示す磁気記録媒体は、非磁性基板1の上に、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、非磁性下地層8と、垂直磁性層4と、非磁性層7と、保護層5と、潤滑層6とが積層された構造を有している。
「非磁性基板」
非磁性基板1としては、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料からなる金属基板を用いてもよいし、ガラスや、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。また、非磁性基板1としては、これら金属基板や非金属基板の表面に、例えばメッキ法やスパッタ法などを用いて、NiP層又はNiP合金層が形成されたものを用いてもよい。
ガラス基板としては、例えば、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどを用いることができる。アモルファスガラスとしては、例えば、汎用のソーダライムガラスや、アルミノシリケートガラスなどを用いることができる。また、結晶化ガラスとしては、例えば、リチウム系結晶化ガラスなどを用いることができる。
また、非磁性基板1は、Co又はFeが主成分となる軟磁性下地層2と接することで、表面の吸着ガスや、水分の影響、基板成分の拡散などにより、腐食が進行する可能性がある。このため、非磁性基板1と軟磁性下地層2の間に密着層(不図示)を設けることが好ましい。密着層を設けることにより、腐食を抑制できる。密着層の材料としては、例えば、Cr、Cr合金、Ti、Ti合金など適宜選択することが可能である。また、密着層の厚みは2nm(30Å)以上であることが好ましい。
「軟磁性下地層」
図1に示す磁気記録媒体を製造するには、上記の非磁性基板1の上に、軟磁性下地層2を形成する。軟磁性下地層2の形成方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。なお、非磁性基板1と軟磁性下地層2の間に密着層を設ける場合には、軟磁性下地層2を形成する前に、例えば、スパッタリング法などを用いて密着層を形成する。
軟磁性下地層2は、磁気ヘッドから発生する磁束の基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、垂直磁性層4の磁化の方向を非磁性基板1に垂直な方向により強固に固定するために設けられている。この作用は、特に記録再生用の磁気ヘッドとして垂直記録用の単磁極ヘッドを用いる場合に、より顕著なものとなる。
軟磁性下地層2としては、例えば、Feや、Ni、Coなどを含む軟磁性材料を用いることができる。具体的な軟磁性材料としては、例えば、CoFe系合金(CoFeTaZr、CoFeZrNbなど)、FeCo系合金(FeCo、FeCoVなど)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCuなど)、FeTa系合金(FeTa、FeTaC、FeTaNなど)、FeMg系合金(FeMgOなど)、FeZr系合金(FeZrNなど)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金などを挙げることができる。
軟磁性下地層2は、2層の軟磁性膜から構成されていることが好ましく、2層の軟磁性膜の間にはRu膜が設けられていることがさらに好ましい。Ru膜の膜厚を0.4〜1.0nm、又は1.6〜2.6nmの範囲で調整することで、2層の軟磁性膜をAFC(反強磁性交換結合)構造とすることができる。軟磁性下地層2が、このようなAFC構造を採用したものである場合、いわゆるスパイクノイズを抑制できる。
「配向制御層」
次に、図2に示すように、軟磁性下地層2の上に配向制御層3を形成する。配向制御層3は、直上の層である垂直磁性層4の配向性を制御するものであり、垂直磁性層4の結晶粒を微細化し、記録再生特性を改善するものである。配向制御層3は、以下に示すように、第1配向制御層3aと、第2配向制御層3bによって形成することができる。
本願発明の第1配向制御層3aとしては、NiW合金を用いることができる。第1配向制御層3aにNiW合金を用いることで、その上にc軸配向性の高いhcp構造の磁性粒子を成長させて垂直磁性層を形成できる。その他、第1配向制御層3aとしては、fcc構造を有する層等を用いることができるが、具体的には、Ni、Cu、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、Alを含む層が例示できる。
なお、第1配向制御層3aは、図2に示すように、成長面S1aを有する柱状晶S1を有し、軟磁性下地層2(図2には不図示)上に形成されている。
本願発明の第1配向制御層3aの膜厚は、1〜5nmの範囲であることが好ましい。第1配向制御層3aの膜厚が1nm未満であると、本発明の効果が不十分となる。一方、第1配向制御層3aの膜厚が5nmを超えると、第2配向制御層3bの結晶サイズが大きくなるために好ましくない。
第2配向制御層3bは、垂直磁性層をc軸配向した柱状晶とするための層であり、その成長面S2aはドーム状の形状を有している。このような第2配向制御層3bは、Ru又はRu合金によって形成できる。Ru合金としては、例えば、RuCo、RuAl、RuMn、RuMo、RuFe合金を例示できる。Ru合金中のRu量は50原子%以上90原子%以下がよい。
なお、図2に示すように、第2配向制御層3bは、成長面S2aを有する、第2配向制御層3aの柱状晶S1と連続した柱状晶S2として形成されている。
また、第2配向制御層3bの膜厚は、30nm以下、好ましくは16nm以下であることが好ましい。第2配向制御層3bを薄くすることで、磁気ヘッドと軟磁性下地層2との間の距離が小さくなり、磁気ヘッドからの磁束を急峻にすることができる。その結果、軟磁性下地層の膜厚を更に薄くすることができ、生産性を向上させることが可能となる。
「非磁性下地層」
次に、図1に示すように、配向制御層3の上に非磁性下地層8を形成する。非磁性下地層8の形成方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。
非磁性下地層8は、配向制御層3の第1配向制御層3aおよび第2配向制御層3bの柱状晶S1,S2と連続した柱状晶として、配向制御層3の第2配向制御層3b上にエピタキシャル成長されている。
非磁性下地層8は、配向制御層3と垂直磁性層4の間に設けられていることが好ましいが、設けられていなくてもよい。配向制御層3の直上の垂直磁性層4の初期部には、ノイズの原因となる結晶成長の乱れが生じやすい。非磁性下地層8を設けることで、ノイズの発生を抑制できる。
非磁性下地層8の厚みは、0.2nm以上3nm以下であることが好ましい。非磁性下地層8の厚さが3nmを超えると、保磁力Hc及び核形成磁界Hnの低下が生じるために好ましくない。
非磁性下地層8は、Crと酸化物とを含んだ材料からなるものであることが好ましい。Crの含有量は、25at%(原子%)以上50at%以下とすることが好ましい。酸化物としては、例えばCr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましく、その中でも特に、TiO、Cr、SiOなどを好適に用いることができる。酸化物の含有量としては、磁性粒子を構成する、例えばCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して、3mol%以上18mol%以下であることが好ましい。
また、非磁性下地層8は、酸化物を2種類以上添加した複合酸化物からなることが好ましい。その中でも特に、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを好適に用いることができる。さらに、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr−SiO、CoCr−TiO−Cr2O、CoCr−Cr−TiO−SiOなどを好適に用いることができる。また、結晶成長の観点からPtを添加してもよい。
「垂直磁性層」
次に、図1に示すように、非磁性下地層8の上に本願発明のCoPtRh系合金を含む垂直磁性層4を形成する。垂直磁性層4の形成方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。
なお、上述したように、本発明における垂直磁性層の構造は、磁性層単層であってもよく、複数の磁性層からなる積層構造としてもよいが、本実施形態では、図1に示すように、3層の磁性層4a〜4cから構成される垂直磁性層4について説明する。
垂直磁性層4は、磁化容易軸が非磁性基板1に対して垂直に配向したものである。図1に示す垂直磁性層4は、非磁性基板1側から、下層の磁性層4aと、中層の磁性層4bと、上層の磁性層4cとの3層を含むものである。
なお、図1に示す磁気記録媒体では、下層の磁性層4aと中層の磁性層4bとの間に下層の非磁性層7aを含み、中層の磁性層4bと上層の磁性層4cとの間に上層の非磁性層7bを含むことで、これら磁性層4a〜4cと非磁性層7a,7bとが交互に積層された構造を有している。
各磁性層4a〜4c及び各非磁性層7a,7bを構成する結晶粒子は、図2に示すように、配向制御層3の第1配向制御層3aおよび第2配向制御層3bそれぞれの柱状晶S1、S2と連続した柱状晶S3として、非磁性下地層8(図2には不図示)上にエピタキシャル成長されている。
本実施形態の磁性層4a〜4cにおいて、磁性層4a、4bはグラニュラー構造の磁性層、磁性層4cは非グラニュラー構造の磁性層とすることができる。
ここで、本願発明のCoPtRh系磁性合金は、グラニュラー構造の磁性層、非グラニュラー構造の磁性層の何れにも用いてもバランスの取れたKuおよびMs値を得ることができるが、図4(a)、図5(a)に示したKuおよびMsは非グラニュラー構造の磁性合金の結果である。そして、グラニュラー構造のCoPtRh系磁性合金の場合は、含有される酸化物等およびその含有量の影響により、図4(a)、図5(a)とは若干異なる特性となるが、本発明の効果は十分に享受できる。
本願発明におけるCo、Pt、Rhを含む磁性合金において、Rhの含有量は、10〜40原子%の範囲内である。
Co、Pt、Rhを含む磁性合金において、Rhの含有量を10〜40原子%の範囲内とすることにより、Kuを8×10erg/cm以上とし、Msを700〜1200emu/cmの範囲内とした磁性合金を得ることができる。より好ましくは、Rhの含有量を20〜30原子%の範囲内とする。
なお、上記のように、Rhの含有量を10〜40原子%とすれば、所望のMsとKuとをバランス良く得ることができるが、さらに、磁性合金のPtの含有量を10〜40原子%の範囲内とし、残部をCoとすることにより、磁気特性をより優れたものとすることができる。
Rhの含有量を40原子%以下とすると、Kuが向上し、より良好な熱揺らぎ特性を確保することが可能となる。また、Ptについても同様に、Kuを向上させることができるため上記範囲内とすることが好ましい。
本願発明において、垂直磁性層が複数の磁性層からなる場合、そのうちの1層以上がCo、Pt、Rhを含有する磁性合金を含めばよいが、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金は、本実施形態の磁性層4a〜4cにおける最上層、すなわち、非グラニュラー構造の磁性層4cに用いるのが好ましい。この層は、磁気記録媒体に対するリードライトするに際し、磁気ヘッドに最も近い層であるため、その層の電磁変換特性は磁気記録媒体の電磁変換特性に最も影響を及ぼすからである。
なお、本願発明において、垂直磁性層が複数の磁性層からなる場合、そのうちの1層以上がCo、Pt、Rhを含有する磁性合金を含めばよいため、それ以外の磁性層は、本願発明の磁性合金以外を含ませてもよい。磁性層4a〜4cにおいて本願発明の磁性合金以外を含ませる場合は、例えば下記の磁性合金を用いることができる。
すなわち、CoPtRh系以外のグラニュラー構造の磁性層としては、Co、Cr、Ptを含む磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)と、酸化物とを含むものであることが好ましい。そして、磁性層中のCrの含有量は、4at%以上19at%以下(さらに好ましくは6at%以上17at%以下)であることが好ましい。また、磁性層中のPtの含有量は、8at%以上20at%以下であることが好ましい。具体的な合金組成としては、例えば、90(Co14Cr18Pt)−10(SiO){Cr含有量14at%、Pt含有量18at%、残部Coからなる磁性粒子を1つの化合物として算出したモル濃度が90mol%、SiOからなる酸化物組成が10mol%}、92(Co10Cr16Pt)−8(SiO)、94(Co8Cr14Pt4Nb)−6(Cr)の他、(CoCrPt)−(Ta)、(CoCrPt)−(Cr)−(TiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)−(TiO)、(CoCrPtMo)−(TiO)、(CoCrPtW)−(TiO)、(CoCrPtB)−(Al)、(CoCrPtTaNd)−(MgO)、(CoCrPtBCu)−(Y)、(CoCrPtRu)−(SiO)などの組成物を挙げることができる。
CoPtRh系以外の非グラニュラー構造の磁性層としては、例えば、CoCrPt系では、Co14〜24Cr8〜22Pt{Cr含有量14〜24at%、Pt含有量8〜22at%、残部Co}、CoCrPtB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt0〜16B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、B含有量0〜16at%、残部Co}が好ましい。その他の系としては、CoCrPtTa系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、残部Co}、CoCrPtTaB系では、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta1〜10B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、B含有量1〜10at%、残部Co}の他にも、CoCrPtBNd系、CoCrPtTaNd系、CoCrPtNb系、CoCrPtBW系、CoCrPtMo系、CoCrPtCuRu系、CoCrPtRe系などの材料を挙げることができる。
また、本実施形態では、垂直磁性層4として3層の磁性層4a〜4cで構成されたものを例示して説明してきたが、本発明では、上記垂直磁性層4を4層以上の磁性層で構成することも可能である。例えば、上記磁性層4a,4bに加えて、さらにグラニュラー構造の磁性層を形成し、これら3層のグラニュラー構造の磁性層の上に、酸化物を含まない非グラニュラー構造の磁性層4cを設けた構成としてもよいし、酸化物を含まない非グラニュラー構造の磁性層4cを2層構造として、磁性層4a,4bの上に設けた構成としてもよい。
なお、本発明において、垂直磁性層を構成する磁性層の厚みは、1層当たり3nm以上20nm以下であることが好ましい。磁性層の厚さが20nmを超えると、磁性粒子が粗大化するために好ましくない。
また、本発明では、図1に示すように、垂直磁性層4を構成する複数の磁性層間に非磁性層7(図1では符号7a,7bで示す)を設けることが好ましい。非磁性層7の形成方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタリング法などを用いることができる。非磁性層7を適度な厚みで設けることで、個々の膜の磁化反転が容易になり、磁性粒子全体の磁化反転の分散を小さくすることができる。その結果、S/N比をより向上させることが可能である。
非磁性層7の厚みは、垂直磁性層4を構成する各磁性層の静磁結合を完全に切断しない範囲とされ、具体的には0.1nm以上2nm以下(より好ましくは0.1以上0.8nm以下)とすることが好ましい。
「保護層」
次に、垂直磁性層4上に、例えば、CVD(化学気相成長)法などを用いて保護層5を形成する。
保護層5は、垂直磁性層4の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが磁気記録媒体に偶発的に接触したときの媒体表面の損傷を防ぐためのものである。保護層5としては、従来公知の材料を使用することができ、例えばC、SiO、ZrOを含むものを使用することが可能である。保護層5の厚みは、1〜10nmとすることが、磁気ヘッドと磁気記録媒体との距離を小さくできるので高記録密度の点から好ましい。
「潤滑層」
次に、保護層5上に、例えば、ディッピング法などを用いて潤滑層6を形成する。
潤滑層6としては、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を用いることが好ましい。
以上の工程により、図1に示す磁気記録媒体が得られる。
(磁気記録再生装置)
図3は、本発明の磁気記録再生装置の一例を示した斜視図である。
この磁気記録再生装置は、上述した図1に示す磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50を回転駆動させる媒体駆動部51と、磁気記録媒体50に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッド52と、この磁気ヘッド52を磁気記録媒体50に対して相対運動させるヘッド駆動部53と、記録再生信号処理系54とを備えている。
記録再生信号処理系54は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド52に送り、磁気ヘッド52からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能なものである。
磁気ヘッド52には、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有する高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
図3に示す磁気記録再生装置は、図1に示す磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッド52とを備えるものであるので、書き込み特性(OW)、及び熱揺らぎ特性が得られる磁気記録媒体を備えた優れたものとなる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
以下に示す製造方法により、実施例1の磁気記録媒体を作製し、評価した。
まず、洗浄済みのガラス基板(コニカミノルタ社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3040)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気し、このガラス基板の上に、Crターゲットを用いて層厚10nmの密着層を成膜した。
このようにして得られた密着層の上に、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Fe含有量20at%、Zr含有量5at%、Ta含有量5at%、残部Co}のターゲットを用いて100℃以下の基板温度で、層厚25nmの軟磁性層を成膜し、この上にRu層を層厚0.7nmで成膜し、さらにCo−20Fe−5Zr−5Taの軟磁性層を層厚25nmで成膜し、これを軟磁性下地層とした。
次に、軟磁性下地層の上に、第1の配向制御層として、スパッタリング法を用いて0.8Paで膜厚60nmの90Ni10W膜を成膜した。
次に、第1配向制御層上に、Ruからなるターゲット、Arガスからなるスパッタリングガスを用い、スパッタリングガス圧0.8Paでスパッタリング法により、Ruからなる層を膜厚10nmで形成し、その上に、スパッタリングガス圧10PaでRuからなる層を膜厚13nmで形成し第2配向制御層とした。
その後、第1配向制御層及び第2配向制御層からなる配向制御層上に、垂直磁性層を形成した。
まず、配向制御層上に、91(Co15Cr16Pt)−6(SiO)−3(TiO){Cr含有量15at%、Pt含有量16at%、残部Coの合金を91mol%、SiOからなる酸化物を6mol%、TiOからなる酸化物を3mol%}の組成の磁性層を、スパッタリングガス圧を2Paとして層厚9nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、88(Co30Cr)−12(TiO)からなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、92(Co11Cr18Pt)−5(SiO)−3(TiO)からなる磁性層を、スパッタリングガス圧を2Paとして層厚6nmで成膜した。
次に、磁性層の上に、Ruからなる非磁性層を層厚0.3nmで成膜した。
次に、非磁性層の上に、50Co30Pt20Rh{Co含有量50at%、Pt含有量30at%、Rh含有量20at%}からなるターゲットを用いて、スパッタリングガス圧を0.6Paとして磁性層を層厚7nmで成膜した。なお、このRhを含む磁性層のKuは1.2×10erg/cm、Msは1000emu/cmであった。
次に、CVD法により層厚3.0nmの保護層を成膜し、次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を成膜し、実施例1の磁気記録媒体を得た。
(電磁変換特性の評価)
このようにして得られた実施例1の磁気記録媒体について、米国GUZIK社製のリードライトアナライザRWA1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性として信号/ノイズ比(S/N)、記録特性(OW)の各評価を行った。その結果、本実施例1の磁気記録媒体のS/Nは14.12dB、OWは44.43dBで電磁変換特性に優れていた。
なお、磁気ヘッドには、書き込み側にシングルポール磁極を用い、読み出し側にTMR素子を用いたヘッドを使用した。
また、信号/ノイズ比(S/N)については、記録密度750kFCIとして測定した。
記録特性(OW)については、先ず、750kFCIの信号を書き込み、次いで100kFCIの信号を上書し、周波数フィルターにより高周波成分を取り出し、その残留割合によりデータの書き込み能力を評価した。
(比較例)
上記実施例1の50Co30Pt20Rh磁性層を、65Co18Cr15Pt2B磁性層に変えたこと以外は同様にして磁気記録媒体を製造し電磁変換特性を評価した。その結果、本比較例の磁気記録媒体のS/Nは13.98dB、OWは43.88dBであった。
(実施例2)
実施例2では、本願発明の磁性合金を用いてビットパターンドメディアを製造した。
先ず、HD用ガラス基板をセットした真空チャンバを予め1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板は、LiSi、Al−KO、Al−KO、MgO−P、Sb−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径が65mm、内径が20mm、平均表面粗さ(Ra)が2オングストローム(単位:Å、0.2nm)である。
次に、このガラス基板にDCスパッタリング法を用いて、軟磁性下地層として層厚60nmのFeCoB膜、配向制御層として層厚10nmのRu膜と、垂直磁性層として、層厚15nmの50Co27Pt18Rh5B合金膜、層厚14nmの50Co30Pt20Rh合金膜とをこの順で積層した。なお、この垂直磁性層のKuは1.2×10erg/cm、Msは980emu/cmであった。
次に、この上に、レジストをスピンコート法により塗布し、層厚100nmのレジスト層を形成した。なお、レジストには、紫外線硬化樹脂であるノボラック系樹脂を用いた。そして、磁気記録ビットパターンのポジパターンを有するガラス製のスタンプを用いて、このスタンプを1MPa(約8.8kgf/cm)の圧力でレジスト層に押し付けた状態で、波長250nmの紫外線を、紫外線の透過率が95%以上であるガラス製のスタンプの上部から10秒間照射し、レジスト層を硬化させた。その後、スタンプをレジスト層から分離し、レジスト層に磁気記録パターンに対応した凹凸パターンを転写した。
なお、レジスト層に転写したビットパターンは、凸部が直径60nmの円周状であり、この凸部を30nm間隔で千鳥状に配置した。レジスト層の凸部の層厚は65nm、凹部の深さは約5nmであった。また、凹部の基板面に対する角度は、ほぼ90度であった。
次に、レジスト層の凹部の箇所をドライエッチングで除去した。ドライエッチングの条件は、Oガスを40sccm、圧力を0.3Pa、高周波プラズマ電力を300W、DCバイアスを30W、エッチング時間を10秒とした。
次に、垂直磁性層でマスク層に覆われていない箇所をイオンビームで加工した。イオンビームは、窒素ガス40sccm、水素ガス20sccm、ネオン20sccmの混合ガスを用いて発生させた。イオンの量は5×1016原子/cm、加速電圧は20keV、エッチング速度は0.1nm/秒とし、エッチング時間を90秒とした。なお、垂直磁性層の加工深さは15nmで、その加工位置の下の約14nmの厚さの垂直磁性層はイオンビームの注入により非晶質化し保磁力が約80%低下していた。
次に、この表面に、SOG膜をスピンコート法で形成した。スピンコートは、組成物0.5mlをスピンコーター内にセットした基板上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転、次いで3000rpmで2秒間、さらに5000rpmで20秒間回転させることにより行った。そして、このSOG膜を加熱により硬化させた。
次に、イオンビームによりSOG膜表面をエッチングし、垂直磁性層のビットパターンを表出させると共に、表面の平滑化を行った。イオンビームは、窒素ガス40sccm、水素ガス20sccm、ネオン20sccmの混合ガスを用いて発生させた。イオンの量は5×1016原子/cm、加速電圧は20keVとした。
次に、CVD法にてDLC膜を厚さ4nm形成し、潤滑剤を2nm塗布してビットパターンドメディア(磁気記録媒体)を作製した。
以上の方法により作製された磁気記録媒体について、電磁変換特性(SNR)を測定した。なお、電磁変換特性の評価はスピンスタンドを用いて実施した。また、評価用のヘッドには、記録には垂直記録ヘッド、読み込みにはTuMRヘッドを用いた。
その結果、本発明を適用して製造された磁気記録媒体は、SNRが12.8dBであり、電磁変換特性に優れていることが確認できた。
1…非磁性基板、2…軟磁性下地層、3…配向制御層、3a…第1配向制御層、3b…第2配向制御層、4…垂直磁性層、4a、4b、4c…磁性層、5…保護層、6…潤滑層、7、7a、7b…非磁性層、8…非磁性下地層、S1、S2、S3…柱状晶、S1a…凹凸面、50…磁気記録媒体、51…媒体駆動部、52…磁気ヘッド、53…ヘッド駆動部、54…記録再生信号処理系。

Claims (5)

  1. 非磁性基板の上に、少なくとも、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して垂直に配向した、1層又は2層以上の磁性層からなる垂直磁性層とを、この順で具備する磁気記録媒体であって、
    前記垂直磁性層を構成する少なくとも1層の前記磁性層が、Co、Pt、Rhを含有する磁性合金を含み、前記Rhの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記Ptの含有量が、10〜40原子%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記磁性合金が、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Crの中から選ばれる1種類以上の元素を合計で1〜10原子%の範囲内で含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁性合金の磁気異方性定数は8×10erg/cm以上であり、飽和磁化は700〜1200emu/cmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の磁気記録媒体。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行う磁気ヘッドとを備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
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