JP2014074493A - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リニアアクチュエータにおけるモータのアーマチュア軸の取付精度を向上させ、騒音レベルの低下や、周期音・異音等の発生を抑える。
【解決手段】リニアアクチュエータ1は、ウォーム36及びウォームホイール41を介してモータによって正逆回転されるシャフト26と、シャフト26に螺合装着されたスクリューナット29と、スクリューナット29に固定されシャフト26の回転に伴って進退するピストンチューブ10とを有する。リニアアクチュエータ1のハウジング5は、モータ34のアーマチュアシャフト35に沿った方向で、かつ、ピストンチューブ10にも平行な方向に沿って分割されたフレーム15,16からなる。フレーム15にはモータ34が取り付けられると共に、アーマチュアシャフト35を回転自在に支持する軸受85,86が共に配置される。
【選択図】図6

Description

本発明は、直線的な駆動形態を有するリニアアクチュエータに関し、特に、電動モータを用いた送りねじ式のリニアアクチュエータに関する。
医療・介護の分野では、患者や要介護者の寝食等の負担を軽減するため、ベッドの背ボトムや膝ボトムを傾斜・昇降可能に構成した電動式ベッドが広く使用されている。このような電動式ベッドでは、小型で大きな駆動力が得られることから、電動送りねじ式のリニアアクチュエータが用いられている。例えば、特許文献1,2には、電動モータの回転をウォーム・ウォームホイールにて減速しつつ駆動シャフトに伝達し、その回転をボールねじ機構を用いて直線運動に変換してピストンを伸縮させる図9のようなリニアアクチュエータが記載されている。特許文献1のリニアアクチュエータは、ベッドの背ボトムのリクライニングに使用され、ベッドのリンク機構に接続される。そして、アクチュエータ101のピストン102が伸びると、リンク機構が広がり、ベッドの背ボトムが起き上がって傾斜状態となる(図1(b)参照)。また、ピストンが縮むと、リンク機構が畳まれ、背ボトムが水平位置に倒されてベッドが平面状態となる(図1(a)参照)。
一方、図9のようなリニアアクチュエータ101では、ピストン102等が収容されるハウジングが、モータ側フレーム103aと、カバー側フレーム103bに2分割されている。モータ側フレーム103aには、モータ104のアーマチュアシャフト105の中間部を支持する軸受106が収容され、カバー側フレーム103bには、同シャフトの一端側を支持する軸受107が収容されている。また、モータ104のアーマチュアシャフト105にはウォーム108が形成されている。これに対し、ピストン102を伸縮させるためのボールねじ機構のシャフト109には、図示しないウォームホイールが取り付けられている。ウォームホイールはウォーム108と噛合しており、モータ104の回転は、これらのギヤによってシャフト109に伝達される。
特開2007-187279号公報 特開2005-188534号公報
ところが、図9のようなリニアアクチュエータ101においては、2分割されたフレーム103a,103bのそれぞれに軸受106,107が配置される構造となっているため、各フレームの精度や組み付け時のズレなどにより、軸受106,107間に芯ズレが生じたり、アーマチュアシャフト105の平行度等が低下したりする、という問題があった。軸受間の芯ズレや軸精度の低下が生じると、ウォーム108とウォームホイールの間の噛み合せが悪化し、リニアアクチュエータの騒音レベルが悪化したり、周期音や異音等が発生したりするなどの問題があった。
また、ウォーム108とウォームホイールの噛合により、正逆回転するアーマチュアシャフト105には、軸方向にスラスト荷重が発生する。このため、モータ104では、ヨーク側の軸受部として、ヨーク端面にスラストプレート111を圧入固定すると共に、アーマチュアシャフト105の端面にスチールボール112を配置し、ヨーク側にかかるスラスト荷重を受けている。また、ウォームギヤ側にかかるスラスト荷重は、軸受106のウォームギヤ側に、ワッシャ113とスプリングワッシャ114を挿入してそれを受けている。しかしながら、各荷重受け部分には、アーマチュアの回転を確保するクリアランスを設けなければならず、正逆転するアーマチュアは回転方向によって荷重方向が変化し、このときに荷重受け部分の部材が当接し、叩き音が発生するという問題もあった。
本発明の目的は、リニアアクチュエータにおけるモータのアーマチュア軸の取付精度を向上させ、騒音レベルの低下や、周期音・異音等の発生を抑えることにある。また、本発明の他の目的は、モータのスラスト荷重を受ける部分の構成を簡素化し、製造コストの削減を図ると共に、荷重受け部分のクリアランスを小さくし、反転音不具合の発生を抑えることにある。
本発明のリニアアクチュエータは、雄ねじ部を有するシャフトと、該シャフトに対しモータの回転を減速して伝達するウォーム及びウォームホイールと、前記ウォーム及びウォームホイールを収容するハウジングと、前記雄ねじ部に螺合して前記シャフトの正逆回転によって進退するスクリューナットと、該スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って進退するピストンチューブと、を備え、前記シャフトの回転に伴い、前記ピストンチューブが前記スクリューナットと共に軸方向に移動し、該ピストンチューブが前記ハウジングに対して進退するリニアアクチュエータであって、前記ハウジングは、前記モータのアーマチュアシャフトに沿った方向で、かつ、前記ピストンチューブにも平行な方向に沿って該ハウジングを分割して設けられた第1及び第2フレームからなり、前記第1フレームには、前記モータが取り付けられると共に、前記モータによって回転駆動される回転軸を回転自在に支持する第1軸受と第2軸受が共に配置されることを特徴とする。
本発明にあっては、リニアアクチュエータのハウジングを、モータのアーマチュアシャフトに沿った方向で、かつ、ピストンチューブにも平行な方向に沿って分割して第1フレームと第2フレームを形成し、その第1フレームにモータを取り付けると共に、モータによって回転駆動される回転軸を回転自在に支持する第1軸受と第2軸受を共に第1フレームに配置する。これにより、回転軸は、同じフレーム内に配置される軸受によって支持される形となり、第1フレームと第2フレームを組み付ける際に生じる誤差等によって、軸受間に位置ズレが生ぜず、軸受間の芯ズレや軸精度の低下に伴う騒音レベルの悪化や周期音、異音等の発生が抑えられる。
前記リニアアクチュエータにおいて、前記第1フレームに、前記第1軸受を収容保持する第1軸受取付部と、前記第2軸受を収容保持する第2軸受取付部とを設け、前記第1軸受取付部に、前記第1軸受の軸方向への移動を規制するストッパを取り付けても良い。この場合、前記第1フレームの前記第2フレームとの分割面に、前記ストッパが取り付けられるストッパ取付部を設けても良い。また、前記第1軸受と前記第2軸受は、前記回転軸に形成された前記ウォームを挟んで、該ウォームの軸方向両側にそれぞれ配置される軸受であっても良い。
さらに、前記第1フレームに前記モータを取り付けたとき、前記回転軸に形成された前記ウォームが、前記第1及び第2フレームの分割面に臨んで配置されるウォーム開口部を前記第1フレームに設けても良い。
本発明のリニアアクチュエータによれば、電動モータを用いた送りねじ式のリニアアクチュエータにおいて、リニアアクチュエータのハウジングを、モータのアーマチュアシャフトに沿った方向で、かつ、ピストンチューブにも平行な方向に沿って分割して第1フレームと第2フレームを形成し、その第1フレームにモータを取り付けると共に、モータによって回転駆動される回転軸を回転自在に支持する第1軸受と第2軸受を共に第1フレームに配置するようにしたので、同じフレーム内の第1及び第2軸受によって回転軸を支持することが可能となる。このため、第1フレームと第2フレームの精度や、両フレームを組み付ける際に生じる誤差等によって、軸受間に位置ズレが生じるという事態を回避することができ、軸受間の芯ズレや軸精度の低下に伴う騒音レベルの悪化や周期音、異音等の発生を抑えることが可能となる。
ストッパでアーマチュアシャフトへ固定した軸受を第1フレームの軸受ハウジング端面に押し付ける構造とし、アーマチュアシャフトの軸方向への移動を規制することにより、従来のリニアアクチュエータのように、モータヨークの端面にスラストプレートを設けたり、アーマチュアシャフトの端面にスチールボールを配置したりする必要がなく、部品点数を削減できると共に、スラストプレート圧入のためヨークに施していた平面出し加工や、スチールボールを挿入するためのアーマチュアシャフトへの孔加工を省くことが可能となる。また、従来、スラスト荷重を受けるべく、軸受に隣接して挿入されていたワッシャやスプリングワッシャを廃止でき、スラスト方向のクリアランス調整も省くことができる。このため、部品点数やアクチュエータの組付工数を削減することができ、製品コストの低減を図ることが可能となる。さらに、従来よりもスラスト方向のクリアランスを詰めることもなくすこともでき、スラスト荷重に伴う反転音を低減させることも可能となる。
本発明の一実施形態であるリニアアクチュエータの使用状態を示す説明図である。 図1のリニアアクチュエータの全体構造を示す平面図である。 図1のリニアアクチュエータの正面図である。 図2のA−A線に沿った拡大断面図である。 スクリューナットとピストンチューブを固定する構成を示す説明図である。 図2のB−B線に沿った断面図である。 モータユニットの組み付け状態を示す説明図である。 動力伝達機構の構成を示す分解斜視図である。 従来のリニアアクチュエータの構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態であるリニアアクチュエータ1の使用状態を示す説明図、図2はリニアアクチュエータ1の全体構造を示す平面図、図3は同正面図、図4は図2のA−A線に沿った拡大断面図である。本発明によるリニアアクチュエータ1は、電動モータを用いた送りねじ式のアクチュエータであり、医療・介護用ベッド2(以下、ベッド2と略記する)の背部の寝床(背ボトム3)を起立・倒伏させるための駆動源として使用される。リニアアクチュエータ1は、ベッド2のフレーム4に取り付けられ、ベッド下に配置される。
図2に示すように、リニアアクチュエータ1は、本体ハウジング5と、モータユニット6、及び、ピストンユニット7を備えた構成となっている。リニアアクチュエータ1は、図1に示すように、本体ハウジング5が固定側、ピストンユニット7が自由端側となった状態でベッド2に取り付けられる。本体ハウジング5は、クレビス8を介してフレーム4に取り付けられる。クレビス8は、アクチュエータ支持軸9(以下、支持軸9と略記する)を中心として、フレーム4に対し回転自在に取り付けられている。ピストンユニット7には、ピストンチューブ10が出没自在に取り付けられている。ピストンチューブ10は、背ボトム3を起立・倒伏させるためのリンク11に接続されている。ピストンチューブ10は、リンク接続軸12を中心として、リンク11に対し回転自在に取り付けられている。
図1(a)に示すように、ベッド2は、ピストンチューブ10が縮んだ状態では、背ボトム3が水平に倒伏されている。一方、ピストンチューブ10が伸びると、背ボトム3は、図1(b)に示すように、背ボトム3は起立した状態となる。背ボトム3は、ピストンチューブ10の伸長量に応じて起立傾斜角度が変化する。リニアアクチュエータ1を適宜制御することにより、背ボトム3は任意の角度にて停止・保持可能となっている。ベッドの使用者や介護者は、図示しないスイッチを操作することにより、背ボトム3を所望の角度に調整できる。
図2,3に示すように、本体ハウジング5の側面には、動力源であるモータユニット6が取り付けられている。また、本体ハウジング5の図中右端側には、ピストンユニット7が取り付けられている。さらに、本体ハウジング5の図中左端側には、クレビス8が取り付けられている。クレビス8には軸孔13が設けられており、この軸孔13には支持軸9が挿入される。これにより、本体ハウジング5は、フレーム4に回転自在に取り付けられる。また、ピストンチューブ10の先端部には軸孔14が設けられている。軸孔14には、リンク接続軸12が挿入される。リンク接続軸12により、ピストンユニット7は、リンク11に対し回転自在に取り付けられる。
本体ハウジング5は直方体状に形成されている。図3,4に示すように、本体ハウジング5は、ピストンチューブ10の中心軸方向に沿って、図3において上下方向に二分割されており、本体ハウジング5の下側はモータ側フレーム15(第1フレーム)、上側はカバー側フレーム16(第2フレーム)となっている(以下、それぞれフレーム16,フレーム15と略記する)。本体ハウジング5は、フレーム15,16を組み合わせた構造となっている。フレーム15,16は共に合成樹脂にて形成されており、ねじ18によって締結されている。両フレーム15,16の円筒部には、フレーム15,16が分離しないように、金属製のフレームリング37が装着されている。
本発明によるリニアアクチュエータ1では、図9のような従来のリニアアクチュエータ101とは、フレームの分割方向が90°異なっている。すなわち、従来、図2において紙面と垂直な方向(図3においては紙面と平行な方向:図9参照)にハウジングを分割していたのに対し、リニアアクチュエータ1では、ハウジング5を紙面と平行な方向(図3においては紙面と垂直な方向)に分割する形で両フレーム15,16を設けている。
クレビス8は、両フレーム15,16に挟み込まれる形でクレビス取付部17に取り付けられている。クレビス8は、正方形状に形成されたフランジ部8aを有しており、クレビス取付部17には、このフランジ部8aが挿入・挟持される。リニアアクチュエータ1では、フランジ部8aの取付方向を変えることにより、軸孔13を垂直方向・水平方向の何れにも設定でき、取付自由度の向上が図られている。
図4に示すように、本体ハウジング5内には、ピストンユニット収容部19と機構収容部20が設けられている。ピストンユニット収容部19内には、ピストンユニット7の左端側が収容・固定されている。ピストンユニット7は、金属製の補強パイプ22と、合成樹脂製の支持パイプ23、及び、ピストンチューブ10を有している。機構収容部20には、モータユニット6からの回転動力をピストンチューブ10に伝達するための動力伝達機構21が収容されている。動力伝達機構21は、ウォームホイール41と、カップリング42、クラッチケース43、ワンウエイクラッチ44(以下、クラッチ44と略記する)、及び、ブレーキユニット45を備えている。
ピストンユニット7の補強パイプ22は円筒状に形成されている。補強パイプ22の一端側は、両フレーム15,16の間に挟み込まれる形で支持・固定されている。補強パイプ22内には、円筒形の支持パイプ23が挿入されている。支持パイプ23の先端部には、合成樹脂製のプラグ24が装着されている(一体に設けても良い)。プラグ24の外側には、金属製のキャップ25が取り付けられている。支持パイプ23内には、円筒状に形成されたピストンチューブ10とシャフト26が収容されている。シャフト26の左端部には、ベアリングアダプタ27が取り付けられている。シャフト26は、ベアリングアダプタ27を介して、ベアリング28に取り付けられる。ベアリング28は、本体ハウジング5内に取り付けられている。シャフト26は、ベアリング28によって、本体ハウジング5内に回転自在に支持される。シャフト26には、ベアリングアダプタ27の抜け止めとして、ワッシャ72及びナット73が取り付けられている。これにより、ピストンチューブ10が外力で引っ張られても抜け出ない構造となる。
シャフト26には雄ねじ部26aが形成されている。この雄ねじ部26aにはスクリューナット29が取り付けられている。雄ねじ部26aの長さは、従来のアクチュエータと同様の長さになっている。従って、リニアアクチュエータ1は、アクチュエータとしては、従来と同様の機能(背ボトム3の起立・倒伏)を発揮し得るようになっている。スクリューナット29の内側には、雄ねじ部26aと螺合する雌ねじ部33が形成されている。スクリューナット29は、シャフト26の雄ねじ部26aに、進退自在に螺合装着される。
図5に示すように、スクリューナット29は、軸方向から装着されるスクリューナットアダプタ30(以下、アダプタ30と略記する)によって、ピストンチューブ10に固定される。アダプタ30は合成樹脂にて形成されており、同じく合成樹脂製のスクリューナット29に回り止めされた状態で取り付けられる。アダプタ30は、リング部31と、リング部31から軸方向に突出形成された爪部32とから構成されている。リング部31には、アダプタ30−ピストンチューブ10間、アダプタ30−スクリューナット29間、アダプタ30−支持パイプ23間の3つの回り止め部(アダプタ30−ピストンチューブ10間の抜け止め部も含む)が一体に形成されている。つまり、アダプタ30は、アダプタ30とピストンチューブ10の間などの回り止めを図りつつ、抜け止めも同時に行えるようになっている。
スクリューナット29は、フランジ部29aとボス部29bを備えている。フランジ部29aの外周には凸部81が形成されている。スクリューナット29は、フランジ部29aがピストンチューブ10の端部に当接した状態となるように、ピストンチューブ10内に挿入される。アダプタ30は、ピストンチューブ10に取り付けられた状態のスクリューナット29に軸方向から装着される。リング部31内周には、凹部82が形成されている。スクリューナット29の凸部81をこの凹部82に嵌合させることにより、スクリューナット29の図5中左端部にアダプタ30が回り止め固定される。
爪部32の先端には、突起32aが径方向内側に向けて突設されている。これに対し、ピストンチューブ10の端部には貫通孔10aが形成されている。スクリューナット29にアダプタ30を装着する際には、貫通孔10aに突起32aを嵌合させる。これにより、アダプタ30は、スクリューナット29に回り止めされつつ、軸方向に抜け止めされる。従って、スクリューナット29は、アダプタ30によって、ピストンチューブ10に回り止め・抜け止めされた状態で接続される。このように、リニアアクチュエータ1では、ピストンチューブ10とアダプタ30との間は突起32aと貫通孔10aによって、また、スクリューナット29とアダプタ30との間は凸部81と凹部82によって、それぞれ軸方向にずれた位置で別個に固定される。
爪部32の基部には嵌合溝38が形成されている。嵌合溝38は、支持パイプ23
の内周に形成され軸方向に延びる突条部83と嵌合している。突条部83は、嵌合溝38及び爪部32の外周面32bと摺接する。これにより、アダプタ30は、支持パイプ23内に回り止めされた状態で、軸方向に移動自在に配置される。この場合、アダプタ30は、スクリューナット29に回り止め固定されている。従って、スクリューナット29は、アダプタ30を介して支持パイプ23内に摺動自在に保持される。
シャフト26の回転に伴って、スクリューナット29とピストンチューブ10は一体となって軸方向に移動する。ここでは、ピストンチューブ10が伸びる(前進する)方向にシャフト26が回転する場合を「正回転」と称する。また、ピストンチューブ10が縮む(後退する)方向に回転する場合を「逆回転」と称する。従って、シャフト26が正回転方向に回転するとピストンチューブ10が伸長し、シャフト26が逆回転方向に回転するとピストンチューブ10が縮小する。
前述のように、本体ハウジング5の側面には、モータ34が内蔵されたモータユニット6が取り付けられている。モータ34のアーマチュアシャフト(回転軸)35は、本体ハウジング5の内部に挿入されており、機構収容部20内に延びている。アーマチュアシャフト35の外周にはウォーム36が形成されている。ウォーム36は、動力伝達機構21のウォームホイール41に噛合している。図6は図2のB−B線に沿った断面図、図7はモータユニット6の組み付け状態を示す説明図である。図6に示すように、リニアアクチュエータ1では、ウォーム36を挟んで配置される軸受85,86が共にフレーム15内に設けられている。
ここで、図9のような従来のリニアアクチュエータ101では、前述のように、軸受106,107が異なるフレーム103a,103bに配置されている。これは、従来のリニアアクチュエータは、図2において紙面と垂直な方向にハウジングを切って2つのフレーム103a,103bを分割形成しているため、アーマチュアシャフト105の軸受を両フレームに分けて配置せざるを得ないからである。このため、フレーム精度や組み付け時のズレなどにより、軸受間に芯ズレが生じる場合があり、騒音や異音などの問題が生じていた。
これに対し、本発明によるリニアアクチュエータ1では、ハウジング5を図2において紙面と平行な方向に切っている。すなわち、アーマチュアシャフト35に沿った方向で、かつ、ピストンチューブ10にも平行な方向にハウジング5を切ってフレーム15,16を分割形成している。このため、軸受106,107に対応する軸受85,86を共にフレーム15内に配置することができ、両軸受85,86間に芯ズレが生じにくい。また、アーマチュアシャフト35が、同フレーム内の軸受85,86に両持ち状態で支持されるため、アーマチュアシャフト35の平行度等も精度良く確保される。
これにより、リニアアクチュエータ1では、軸受間の芯ズレや軸精度の低下を防止することが可能となる。従って、軸受間の芯ズレや軸精度の低下により、ウォーム36とウォームホイール41の噛み合せ等が悪化してしまうのを防止でき、アクチュエータの騒音レベルの向上が図られると共に、周期音や異音等の発生を抑えることが可能となる。また、噛み合い精度が向上するため、ウォームホイル(樹脂)の耐久性も向上する。
一方、フレーム15には、軸受取付部87,88が設けられている。軸受取付部87(第1軸受取付部)には軸受85(第1軸受;ベアリング)が挿入され、軸受取付部88(第2軸受取付部)には軸受86(第2軸受;メタル軸受)が圧入固定される。また、軸受取付部87のモータユニット6側には、ベアリングストッパ89が取り付けられている。図6に示すように、ベアリングストッパ89は、シャフト26の回転角度を検出するポテンショユニット(ポテンショセンサ+ポテンショステー)90の背後に配置され、図7に示すように、フレーム15の分割面15aに形成されたスリット(ストッパ取付部)91から圧入される。ベアリングストッパ89の挿入方向先端側には、凹溝状の凹溝部89aが形成されている。スリット91からベアリングストッパ89を挿入すると、凹溝部89aがアーマチュアシャフト35を避けて、ベアリング内輪端面へ接合する。
リニアアクチュエータ1では、このベアリングストッパ89により、軸受85の軸方向(モータ34方向)への移動が規制される。一方、軸受85の反対方向(軸受86方向)への移動は、軸受取付部87の底部87aによって規制される。これにより、軸受85は、軸方向への移動が規制された状態で軸受取付部87内に収容保持される。また、アーマチュアシャフト35にかかるモータ側へのスラスト荷重もベアリングストッパ89によって受け止められる。このため、リニアアクチュエータ1においては、従来のリニアアクチュエータ101のように、ヨーク端面にスラストプレートを設けたり、アーマチュアシャフトの端面にスチールボールを配置したりする必要がない。すなわち、モータ34のヨーク92には、アーマチュアシャフト35を回転自在に支持する軸受93(メタル軸受)を設ければ足りる。従って、部品点数そのものを少なくできると共に、スラストプレート圧入のためヨークに施していた平面出し加工や、スチールボールを挿入するためのアーマチュアシャフトへの孔加工を省くことが可能となる。
また、ベアリングストッパ89の採用により、従来、スラスト荷重を受けるべく、軸受に隣接して挿入されていたワッシャやスプリングワッシャを廃止できる。また、軸受のスラスト方向のクリアランスもベアリングストッパ89にて管理可能なため、その調整も省くことができる。このため、部品点数やアクチュエータの組付工数を削減することができ、製品コストの低減を図ることが可能となる。さらに、従来よりもスラスト方向のクリアランスを詰めることができるため、スラスト荷重に伴う反転音の低減も図られる。
このような構成を備えたリニアアクチュエータ1では、モータユニット6やピストンユニット7等の組み付けは以下の手順にて行われる(図6,7参照)。
(1)まず、図6において上方から軸受86をフレーム15内に入れ、軸受取付部88に圧入固定する。
(2)ブラシホルダ94をフレーム15のモータ取付部95に組み付ける。
(3)軸受85を備えたアーマチュア96を、モータ取付部95からフレーム15に挿入する。軸受85は、アーマチュアシャフト35に予め圧入され、シャフトをカシメて固定されており、軸受取付部87に挿入される。
(4)ベアリングストッパ89を図6のX方向からスリット91に圧入する。
(5)モータ取付部95のモータ取付面95aにヨーク92を取り付ける。モータユニット6は、モータ取付面95aに垂直に固定される。以上の状態でモータの特性・異音検査ができ早期組換え作業が可能となる。
(6)ポテンショユニット90を、X方向からベアリングストッパ89上に設置・固定する。ポテンショユニット90は、フレーム15に形成された図示しないポテンショユニット取付部に固定され、これにより、ベアリングストッパ89が抜け止めされる。
(7)ピストンユニット7と動力伝達機構21が一体となったアッセンブリをX方向からフレーム15に組み付ける。この場合、フレーム15にはウォーム開口部97が設けられており、アーマチュアシャフト35に形成されたウォーム36が、このウォーム開口部97を介して、フレーム16の分割面15aに臨んで配置されている。そこで、このウォーム開口部97を介して、動力伝達機構21のウォームホイール41をウォーム36に噛合させ、ピストンユニット7や動力伝達機構21を一体的にフレーム15に組み込む。
(8)フレーム16をX方向から組み付け、固定する。
ここで、リニアアクチュエータ1においては、フレーム15側に軸受取付部87,88や、ベアリングストッパ89を取り付けるためのスリット91が設けられており、それぞれが開口した状態となっている。このため、各部材を容易にフレーム15内に組み付けることができ、特に、ベアリングストッパ89やポテンショユニット90、ピストンユニット7、動力伝達機構21などは、全てX方向から分割面15aに取り付けることができる。すなわち、同一方向から複数の部材を組み付けることができるので、フレーム15を移動・回転させることなく、組み付け作業を行うことができ、作業効率の向上が図られる。
また、フレーム15側に全部品の取り付けを集約させ、モータユニット6やピストンユニット7等を組み付けた後にフレーム16を組み付ける構成のため、作業性が良く、生産性も向上する。特に、ウォーム36とウォームホイール41の組み付けに関しては、ウォーム36の歯面がウォーム開口部97に臨んで配置されているため、従来のアクチュエータのように、ウォームホイール41を回転させつつウォーム36を送り込むような作業が不要となり、両者を対向状態にて組み付けることができ、作業性が大幅に改善される。
さらに、リニアアクチュエータ1では、フレーム15,16を縦方向(図6のY方向:モータ取付面95aと垂直な方向)で分割する構成とし、フレーム15単体にてアーマチュアシャフト35を保持している。このため、アーマチュアシャフト35の先端を保持する軸受86と、アーマチュアシャフト35にカシメ固定された軸受85、及び、軸受85の抜け止めをするベアリングストッパ89を全てフレーム15上に配置できる。すなわち、軸受85や、ベアリングストッパ89、軸受86が同一のフレーム15上に配置される。従って、フレーム15,16を組み付ける際に生じる誤差等によって、軸受間に位置ズレが生ぜず、軸受間の芯ズレや軸精度の低下に伴う騒音レベルの悪化や周期音、異音等の発生を抑えることができる。
図8は、動力伝達機構21の構成を示す分解斜視図である。前述のように、動力伝達機構21は、ウォームホイール41と、カップリング42、クラッチケース43、クラッチ44、及び、ブレーキユニット45とから構成されている。動力伝達機構21では、ウォーム36からの回転入力は、ウォームホイール41からカップリング42を介してシャフト26に伝達される。そして、シャフト26が正回転するとピストンチューブ10が押し出され、背ボトム3が起立する。このとき、動力伝達機構21内のクラッチ44はフリー状態(OFF状態)となっており、ピストンチューブ10は、ブレーキユニット45によるブレーキ作用を伴うことなく前進する。
一方、シャフト26が逆回転するとピストンチューブ10が引き込まれ、背ボトム3が倒伏する。この場合は、正回転時と異なり、クラッチ44はロック状態(ON状態)となる。すなわち、シャフト26の回転がブレーキユニット45内の部材に伝達され、ブレーキ作用が生じる。このため、ピストンチューブ10は、ブレーキ作用を伴いつつ後退する。このブレーキ作用により、背ボトム3を水平側に倒す際(ピストン短縮時)、背ボトム3の自重や使用者の体重(以下、使用者の体重等と略記する)によって動きが増速してしまうのを防止できる。また、モータ34をOFFし、背ボトム3を傾斜状態で停止させたとき、使用者の体重等によって、背ボトム3が倒れてしまうことも防止できる。
図8に示すように、ウォームホイール41は有底円筒形状に形成されている。ウォームホイール41の一端側はカップ状に開口し、他端側には小ギヤ46が形成されている。小ギヤ46は、図示しないリダクションギヤ等を介して、回転検出用のポテンショセンサ(図示せず)に接続されている。ウォームホイール41の開口端側は、円筒孔状のカップリング嵌合部47となっている。カップリング嵌合部47の内周部には、嵌合凹部48が周方向に沿って複数個等分に形成されている。カップリング嵌合部47には、金属製(例えば、鉄系焼結合金)のカップリング42が挿入状態で取り付けられる。カップリング42内には、クラッチケース43とクラッチ44が収容されている。
このように、リニアアクチュエータ1では、ウォームホイール41の形状をカップ状とし、その内部にクラッチ44等を収容した構成を採用している。これにより、ウォームホイール41とクラッチ44を軸方向に直列配置した図10のような従来のアクチュエータに比して、装置全体の長さを短縮することが可能となる。従って、前述同様、装置の小型化を図りつつ、ピストンストロークを確保することが可能となる。
カップリング42の内周側には、ボス部51が突出形成されている。ボス部51には、シャフト孔52が軸方向に貫通形成されている。シャフト孔52の内周面には、セレーション53が形成されている。図4に示すように、シャフト26の左端側外周にもセレーション54が形成されている。カップリング42は、両セレーション53,54が噛合した状態でシャフト26に取り付けられる。これにより、カップリング42は、シャフト26に回り止めされた状態で取り付けられ、ウォームホイール41は、カップリング42を介してシャフト26と一体化される。
本発明のリニアアクチュエータ1では、このようにウォームホイール41とシャフト26との間に金属製のカップリング42を内蔵配置し、カップリング42を介して、ウォームホイールの回転力をシャフト26に伝達する。このため、カップリング42によってウォームホイール41の強度を確保することができ、ウォームホイール41の厚さ(軸方向長)を薄くすることができる。従来のアクチュエータでは、合成樹脂製のウォームホイールとシャフトをセレーション結合しているため、結合強度を確保すべく、結合部を長く取る必要がある。これに対し、本発明のリニアアクチュエータ1では、金属製のカップリング42とシャフト26をセレーション結合するため、従来に比して結合部の長さを短くすることができ、装置全体の長さを短縮することが可能となる。従って、装置の小型化を図りつつ、ピストンストロークも確保できる。
また、ウォームホイール41内にカップリング42を配することにより、ウォームホイール41の歯部41aの内側が金属部材によって補強される。このため、ウォームホイール41の外径を大きくしなくとも歯部41aの強度を確保でき、ウォームホイール41の小径化が可能となり、装置の厚みを小さくすることができる。ベッド用のリニアアクチュエータは、通常、ベッド下に配置されるため、ベッドの低床化に応じて装置の薄型化も求められており、本発明のリニアアクチュエータ1によれば、このような要求にも応えることが可能となる。
さらに、従来のアクチュエータでは、全体が合成樹脂にて形成されたウォームホイールを使用しているため、軸方向長を小さくすると、シャフトとの結合強度が落ちるのみならず、ギヤ歯の噛み合いによってウォームホイールが歪み、噛み合いが浅くなってしまうおそれがある。噛み合いが浅くなると、動作時に異音が生じたり、歯部の摩耗が大きくなったりするなどの問題が生じる。この点、リニアアクチュエータ1では、内側に金属部材が配されているため、ウォームホイールが歪みにくく、ウォーム36とウォームホイール41との間の噛み合いも安定する。従って、動作時の異音や異常摩耗が抑えられ、ベッドの使用感向上や、アクチュエータの耐久性向上を図ることが可能となる。
カップリング42の内筒部55には、金属製(例えば、アルミダイカスト製)のクラッチケース43が挿入されている。クラッチケース43は、両端が開口した円筒形状となっている。クラッチケース43の一端側には、フランジ状のリング部56が拡径形成されている。リング部56の外周には、突起部57が径方向外側に向かって突出形成されている。突起部57は、フレーム15,16に設けられた係止部74と係合しており、フレーム15,16に対して回り止めされた状態で配置される。クラッチケース43の内側には、クラッチ44の外周(外輪側)が圧入固定されている。クラッチ44には、複数本のローラ(図示せず)を備えたワンウエイクラッチが使用され、内外輪間にて一方向の回転のみ他方に伝達する。クラッチ44は、シャフト26が正回転している場合はフリー状態、シャフト26が逆回転している場合はロック状態となるよう設定されている。
クラッチ44の内周側(内輪側)には、ブレーキユニット45のブレーキプレートホルダ61の円筒部62が挿入されている。円筒部62は、カップリング42のボス部51と共に、クラッチ内輪とシャフト26との間に配された介在部材となっている。クラッチ44は、ボス部51と円筒部62を介してシャフト26上に配置される。リニアアクチュエータ1では、ボス部51や円筒部62の径を調整することにより、クラッチ44のサイズを変更でき、所望のロック力に応じてクラッチ44を選択可能となっている。
ブレーキユニット45は、金属製のブレーキプレートホルダ61と、合成樹脂製(例えば、ポリアミド)のブレーキプレート63、金属製のブレーキワッシャ64a,64b(2枚)とから構成されている。ブレーキワッシャ64a,64bの軸孔65a,65bには、セレーション66が形成されている。セレーション66は、シャフト26のセレーション54に噛合し、ブレーキワッシャ64a,64bは、シャフト26に回り止めされた状態で取り付けられる。ブレーキワッシャ64a,64bは、ブレーキプレート63の軸方向両側に、ブレーキプレート63を挟むように配置される。
ブレーキプレートホルダ61は、両端が開口した円筒形状となっている。ブレーキプレートホルダ61の一端側には、フランジ部67が形成されている。フランジ部67には、軸方向沿って4個の凸部68が等分に突設されている。凸部68の間はホルダ凹部69となっている。ホルダ凹部69には、ブレーキプレート63の外周に形成されたプレート凸部70(4個)が嵌合する。この嵌合により、ブレーキプレート63とブレーキプレートホルダ61は一体となって回転する。ブレーキプレート63の両端面には、凹凸形状の圧接部71が形成されている。圧接部71は、ブレーキワッシャ64a,64bと摺接可能な状態で圧接される。ブレーキワッシャ64a,64bと圧接部71との間には、異種材摺接による異音防止も兼ね、グリスが塗布される。
このようなブレーキユニット45では、シャフト26が正回転するとき、クラッチ44がフリー状態となるように設定されている。ブレーキユニット45では、シャフト26と共にブレーキワッシャ64a,64bが回転する。ブレーキワッシャ64a,64bが回転すると、圧接部71に生じる摩擦力により、ブレーキプレート63も連れ回りする。ブレーキプレート63とブレーキプレートホルダ61は、プレート凸部70とホルダ凹部69の嵌合により一体となって回転する。この際、ブレーキユニット45は、シャフト正回転時にクラッチがフリーとなる設定のため、ブレーキプレートホルダ61は、クラッチ44内にて空転状態となる。すなわち、ブレーキプレートホルダ61の回転はクラッチケース43側には伝わらず、ブレーキユニット45全体がクラッチケース43内にて空転する。従って、シャフト26が正回転するときは、ブレーキプレートホルダ61とブレーキプレート63が正回転し、それと共にブレーキワッシャ64a,64bやベアリング内輪28aも正回転するため、ブレーキユニット45にはブレーキ作用は生じない。
これに対し、シャフト26が逆回転すると、クラッチ44がロック状態となる。すなわち、ブレーキプレートホルダ61の回転がクラッチケース43側に伝わり、クラッチケース43が回転しようとする。ところが、前述のように、クラッチケース43は回り止めされた状態でフレーム15,16内に配置されているため、クラッチケース43自体は回転しない。つまり、シャフト26の回転に対し、クラッチ44を介して回転力が伝わるクラッチケース43が非回転状態となる。このため、摩擦力によって結合しているブレーキプレート63とブレーキワッシャ64a,64bの間にすべりが生じ、圧接部71の摩擦力によって回転抵抗力が生じる。すなわち、シャフト26が逆回転するときは、ブレーキプレートホルダ61とブレーキプレート63が非回転状態となる一方、ブレーキワッシャ64a,64bやベアリング内輪28aは逆回転する。従って、逆回転時には、圧接部71の摩擦力により、ブレーキユニット45にブレーキ作用(制動力)が生じる。
なお、リニアアクチュエータ1では、シャフト26とクラッチ44は直接結合しておらず、クラッチ44の内側には、ブレーキプレートホルダ61が配されている。また、ブレーキプレートホルダ61の内側には、カップリング42のボス部51が配されている。さらに、カップリング42のボス部51の内側には、シャフト26が配されている。一般に、ワンウエイクラッチでは、クラッチ径が大きいほどロック力が大きく、従来のアクチュエータのように、クラッチをシャフトに直接取り付けると、クラッチ径が小さくなり、ロック力が不足するおそれがある。これに対し、本発明によるリニアアクチュエータ1では、シャフト26とクラッチ44の間に他の介在部材が存在しているため、シャフト径に関係なく、クラッチ44のサイズを調整することができる。従って、所望のロック力に合わせてクラッチ44を選択することができ、設計の自由度が増大すると共に、製品信頼性の向上も図られる。
次に、本発明によるリニアアクチュエータ1の動作について説明する。リニアアクチュエータ1では、操作者が背ボトム3を起立させるべく操作ボタンを押すと、モータ34が正回転する。モータ34の回転は、ウォーム36から、ウォームホイール41、カップリング42と伝わり、シャフト26が正方向に回転する。シャフト26が正回転すると、スクリューナット29が前進し、スクリューナット29に連結されたピストンチューブ10が押し出されて行く。そして、ピストンチューブ10の前進に伴い、背ボトム3は、図1(b)に示すように起立状態となる。なお、正回転時には、クラッチ44がフリー状態となるため、シャフト26のみが正回転し、ブレーキユニット45によるブレーキ作用は生じない。
また、シャフト26の正回転は、小ギヤ46から回転検出用のポテンショセンサに伝達される。ポテンショセンサは、シャフト26の回転角度に応じた電圧値を出力し、当該ベッド2の動作を制御するコントローラ(図示せず)に送信される。コントローラは、所定の上限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、モータ34を自動的に停止させる。
モータ34が停止すると、背ボトム3の荷重(使用者の体重等)がピストンチューブ10に作用し、スクリューナット29にもそれを後退させる方向の力が加わる。この後退方向の力は、シャフト26を逆回転させる力であり、シャフト26は、背ボトム3の荷重によって逆回転される。一方、シャフト26が逆回転すると、クラッチ44がロック状態となり、ブレーキユニット45にブレーキ作用が生じる。すなわち、ブレーキプレート63に対し、ブレーキワッシャ64a,64bが荷重を受けたまま回転し、圧接部71の摩擦力によって制動力が生じる。これにより、シャフト26の逆回転が阻止され、背ボトム3は、荷重を受けた状態にて静止・保持される。
ここで、リニアアクチュエータ1では、図4,5に示すように、ベアリング28をナット73とブレーキワッシャ64aの間に配置している。また、ベアリングアダプタ27を使用することにより、ベアリング28には、シャフト26のスラスト荷重をも受け得るような大きめのサイズの深溝玉軸受が使用されている。このため、本発明のリニアアクチュエータ1においては、シャフト26に加わる軸方向の力をベアリング28の内輪28aにて受けることができる。つまり、リニアアクチュエータ1では、シャフト26に加わる軸方向の力は、シャフト26の段部26bから、カップリング42、ブレーキワッシャ64b、ブレーキプレート63、ブレーキワッシャ64a、そして、ベアリング28の内輪28aへと伝達される。このため、従来のアクチュエータで使用されていた荷重受け用のベースプレートを廃することができ、このベースプレートの厚みの分だけ、装置全体の長さを短縮することが可能となる。
また、構造上、シャフト26と共に回転するのはベアリング28の内輪28aであり、外輪28bは回転しない。このため、フレーム15,16とベアリング外輪28bが摺動することによる異音の発生も防止できる。従来のアクチュエータでは、ベアリング外輪の回転に伴う異音発生を防止するため、ベアリング外輪と本体ハウジングの間にグリスを塗布していた。しかしながら、本案のアクチュエータでは、ベアリング28の外輪28bが回転しないため、ベアリング外輪28bと本体ハウジング5の間にグリスを塗布する必要がなく、異音発生も抑えられる。
一方、操作者が背ボトム3を倒伏させるべく操作ボタンを押すと、モータ34が逆回転する。モータ34の回転は前述同様に伝わり、シャフト26は逆回転する。シャフト26が逆回転すると、スクリューナット29が後退し、ピストンチューブ10が引き込まれて行く。そして、ピストンチューブ10の後退に伴い、背ボトム3は、図1(a)に示すように倒伏状態となる。シャフト26の逆回転もまた、小ギヤ46から回転検出用のポテンショセンサに伝達され、ピストンチューブ10の位置を検出する。そして、コントローラが、所定の下限位置に対応するポテンショ電圧、又は、所定の上限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、モータ34を自動的に停止させる。
このような逆回転動作の際は、クラッチ44がロック状態となり、シャフト26の回転はクラッチケース43側に伝達される。前述のように、このときブレーキユニット45では、圧接部71に滑りが生じ、その摩擦力によって制動力が発生する。但し、この制動力は、モータ34によるシャフト26の駆動力よりも小さく設定されている。このため、シャフト26は、ブレーキユニット45による制動力を受けつつ逆回転する。そして、ピストンチューブ10の縮小と共に、背ボトム3が倒されて行く。この際、シャフト26には前述の制動力が働くため、使用者の体重等によって倒伏動作が増速してしまうのを防止でき、操作の安全性も確保される。
このように、リニアアクチュエータ1は、各部材間の距離(アクチュエータの構造部の長さ)を短くする構造となっており、ピストンストロークを短くすることなく、アクチュエータ全体の長さを短くすることが可能となる。従って、前述同様、装置の小型化を図りつつ、ピストンストロークを確保することが可能となる。また、各機能部品自体は小さくなっていないことから、部品強度も低下せず、アクチュエータの推力の低下もない。このため、装置の小型化を図りつつ、従来のアクチュエータと同様の機能を確保できる。さらに、装置の小型化に伴い、ベッドへの取り付けレイアウトの自由度も向上する。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施形態では、モータ34によって回転駆動される回転軸としてアーマチュアシャフト35のみを用いた例を示したが、アーマチュアシャフトとは別に回転軸を設けても良い。すなわち、例えば、アーマチュアシャフトによってギヤ駆動される回転軸を別途設け、この回転軸にウォームを形成した構成のリニアアクチュエータにも本発明は適用可能である。
一方、前述の実施形態では、本発明のリニアアクチュエータを医療・介護用ベッドの動作部に使用した例を示したが、その適用対象はベッドには限定されず、他の医療用機器や自動車、家電製品等、作動部位を有する各種機械・装置に広く適用可能である。また、ベッド2は、リニアアクチュエータ1のピストンチューブ10の伸長によって背ボトム3が起立するような、いわゆる押し勝手の構成には限られず、ピストンチューブ10の短縮によって背ボトム3が起立するようないわゆる引き勝手の構成のものでも良い。さらに、前述の実施形態では、リニアアクチュエータ1を背ボトム3の駆動に使用した場合について説明したが、リニアアクチュエータ1を膝ボトムの駆動に使用することも可能である。また、リニアアクチュエータ1を、ベッドボトムの高さを調整するために使用することも可能である。さらに、リニアアクチュエータ1における動力伝達機構21の構成も前述のものには限定されない。
1 リニアアクチュエータ
2 医療・介護用ベッド
3 背ボトム
4 フレーム
5 本体ハウジング
6 モータユニット
7 ピストンユニット
8 クレビス
8a フランジ部
9 アクチュエータ支持軸
10 ピストンチューブ
10a 貫通孔
11 リンク
12 リンク接続軸
13 軸孔
14 軸孔
15 モータ側フレーム(第1フレーム)
15a 分割面
16 カバー側フレーム(第2フレーム)
17 クレビス取付部
18 ねじ
19 ピストンユニット収容部
20 機構収容部
21 動力伝達機構
22 補強パイプ
23 支持パイプ
24 プラグ
25 キャップ
26 シャフト
26a 雄ねじ部
26b 段部
27 ベアリングアダプタ
28 ベアリング
28a 内輪
28b 外輪
29 スクリューナット
29a フランジ部
29b ボス部
30 スクリューナットアダプタ
31 リング部
32 爪部
32a 突起
32b 外周面
33 雌ねじ部
34 モータ
35 アーマチュアシャフト(回転軸)
36 ウォーム
37 フレームリング
38 嵌合溝
41 ウォームホイール
41a 歯部
42 カップリング
43 クラッチケース
44 ワンウエイクラッチ
45 ブレーキユニット
46 小ギヤ
47 カップリング嵌合部
48 嵌合凹部
49 嵌合凸部
51 ボス部
52 シャフト孔
53 セレーション
54 セレーション
55 内筒部
56 リング部
57 突起部
61 ブレーキプレートホルダ
62 ボス部
63 ブレーキプレート
64a,64b ブレーキワッシャ
65a,65b 軸孔
66 セレーション
67 フランジ部
68 凸部
69 ホルダ凹部
70 プレート凸部
71 圧接部
72 ワッシャ
73 ナット
74 係止部
81 凸部
82 凹部
83 突条部
85 軸受(第1軸受)
86 軸受(第2軸受)
87 軸受取付部(第1軸受取付部)
87a 底部
88 軸受取付部(第2軸受取付部)
89 ベアリングストッパ
89a 凹溝部
90 ポテンショユニット
91 スリット(ストッパ取付部)
92 ヨーク
93 軸受
94 ブラシホルダ
95 モータ取付部
95a モータ取付面
96 アーマチュア
97 ウォーム開口部
101 リニアアクチュエータ
102 ピストン
103a,103b フレーム
104 モータ
105 アーマチュアシャフト
106 軸受
107 軸受
108 ウォーム
109 シャフト
111 スラストプレート
112 スチールボール
113 ワッシャ
114 スプリングワッシャ

Claims (5)

  1. 雄ねじ部を有するシャフトと、
    該シャフトに対しモータの回転を減速して伝達するウォーム及びウォームホイールと、
    前記ウォーム及びウォームホイールを収容するハウジングと、
    前記雄ねじ部に螺合して前記シャフトの正逆回転によって進退するスクリューナットと、
    該スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って進退するピストンチューブと、を備え、
    前記シャフトの回転に伴い、前記ピストンチューブが前記スクリューナットと共に軸方向に移動し、該ピストンチューブが前記ハウジングに対して進退するリニアアクチュエータであって、
    前記ハウジングは、前記モータのアーマチュアシャフトに沿った方向で、かつ、前記ピストンチューブにも平行な方向に沿って該ハウジングを分割して設けられた第1及び第2フレームからなり、
    前記第1フレームには、前記モータが取り付けられると共に、前記モータによって回転駆動される回転軸を回転自在に支持する第1軸受と第2軸受が共に配置されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1フレームは、前記第1軸受を収容保持する第1軸受取付部と、前記第2軸受を収容保持する第2軸受取付部とを有し、
    前記第1軸受取付部には、前記第1軸受の軸方向への移動を規制するストッパが取り付けられることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  3. 請求項2記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1フレームは、前記第2フレームとの分割面に、前記ストッパが取り付けられるストッパ取付部を有することを特徴とするリニアアクチュエータ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1軸受と前記第2軸受は、前記回転軸に形成された前記ウォームを挟んで、該ウォームの軸方向両側にそれぞれ配置されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のリニアアクチュエータにおいて、
    前記第1フレームは、該第1フレームに前記モータを取り付けたとき、前記回転軸に形成された前記ウォームが、前記第1及び第2フレームの分割面に臨んで配置されるウォーム開口部を有することを特徴とするリニアアクチュエータ。
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