JP2014188317A - ベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】静粛性が高く、睡眠中でも安眠を妨げることなくベッドを動作可能なベッド用リニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】リニアアクチュエータ1はモータ34を動力源とし、コントローラ81にて駆動制御される。リニアアクチュエータ1には、ウォーム36及びウォームホイール41を介してモータによって正逆回転されるシャフト26と、シャフト26に螺合装着されたスクリューナット29と、スクリューナット29に固定されシャフト26の回転に伴って進退するピストンチューブ10が配されている。コントローラ81は、作動音による安眠妨害及びスパイクノイズによるノイズ障害を防止し、タイムディレーによる応答遅れを無くすべく、モータ34に対する電源供給系としてFET83を使用したモータドライバ82を有する。モータドライバ82は、モータ34が被動側から回動されると回生制動を行いピストンチューブ10の動きにブレーキをかける。
【選択図】図7

Description

本発明は、電動式ベッドの駆動源として使用されるベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置及び制御方法に関する。
医療・介護の分野では、患者や要介護者の寝食等の負担を軽減するため、ベッドの背ボトムや膝ボトムを傾斜・昇降可能に構成した電動式ベッドが広く使用されている。このような電動式ベッドでは、小型で大きな駆動力が得られることから、電動送りねじ式のリニアアクチュエータが用いられている。例えば、特許文献1には、電動モータの回転をウオーム・ウオームホイールにて減速しつつ駆動シャフトに伝達し、その回転をボールねじ機構を用いて直線運動に変換してピストンを伸縮させるリニアアクチュエータが記載されている。
特許文献1のリニアアクチュエータは、ベッドの背ボトムのリクライニングに使用され、ベッドのリンク機構に接続される。そして、アクチュエータのピストンが伸びると、リンク機構が広がり、ベッドの背ボトムが起き上がって傾斜状態となる(図1(b)参照)。一方、ピストンが縮むと、リンク機構が畳まれ、背ボトムが水平位置に倒されてベッドが平面状態となる(図1(a)参照)。
特開2007-187279号公報
一方、従来のベッド用リニアアクチュエータでは、モータの電源供給にリレーが使用されており、リレーのON/OFFによってモータの駆動制御が行われている。しかしながら、このようなリレーを用いた駆動制御装置では、モータ動作の際にリレー作動音が生じるため、使用者の就寝中にベッド操作を行うとその睡眠を妨げるおそれがあるという問題があった。この場合、覚醒中に使用者自らが背ボトム等を動作させる場合は、リレー作動音もさほど気にならないとも考えられるが、介護者等の第三者が背ボトムを動作させる場合、特に、使用者が就寝中にそれを行う場合は、リレー作動音が気になる可能性があり、その対策が求められていた。
また、リレーを用いたモータ駆動の場合、リレーのチャタリングにより、スパイクノイズが発生するという問題もあった。このようなスパイクノイズが発生すると、テレビやラジオなどに雑音が入るおそれがあり、背ボトムを作動させるたびに発生するこのようなノイズ障害は使用者にとってストレスとなる可能性がある。
さらに、リレー駆動のため、正転−制動−逆転のように駆動モードを移行する場合、接点バウンスやチャタリング等があり、接点溶着を考慮すると、それぞれの切り換え時にタイムディレーが必要となる。このため、ベッド角度(背ボトムと膝ボトムで挟まれる角度)を制御する場合、ベッド(モータ)動作中にディレー分の応答遅れを考慮しなければならない。このような応答遅れは、ベッドシステムにおける応答性を劣化させ、スイッチの応答性が良くないという印象を使用者に与え、使い勝手の点で問題があった。
加えて、ベッド用リニアアクチュエータでは、ピストンに対しベッドの自重や使用者の体重が掛かっている。そこで、これらの荷重によってナットが回動し、ベッドが水平方向に倒れてしまうことを防止するため、装置内にナットの回動を規制するブレーキ機構が設けられている。この場合、ボールねじ機構には、リード角が大きく伝達効率の高いものが使用され、モータトルクの有効活用が図られているが、その反面、ピストンに荷重が加わると、ナットが容易に回動するため、ベッドを所定位置にて維持したり、等速度でベッドを水平方向に倒したりするには、何らかのブレーキが必要となる。このため、アクチュエータの部品点数が増加し、その分、製品コストが増大してしまうという問題もあった。
また、電動式ベッドの場合、ベッドの自重や使用者の体重がアクチュエータに掛かるため、負荷の大小によって、モータ停止後の惰走特性が変わる。電動式ベッドでは、操作スイッチOFF後は、モータの回転数を徐々に低下させるソフトストップ制御が実行されるが、負荷条件によって、惰走が長くなる場合がある。前述のように、アクチュエータ自体は、内蔵ブレーキ機構により、ベッドや使用者の荷重では動かないような静止保持能力を有する設計が為されるが、惰走特性の変化や環境温度変化、耐久等を考慮し、ブレーキ性能を高めておく必要があった。
本発明の目的は、静粛性が高く、睡眠中でも安眠を妨げることなくベッドを動作可能なベッド用リニアアクチュエータを提供することにある。また、本発明の他の目的は、ブレーキ構造をより簡素化し、製品コストの低減を図ることにある。
本発明のベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置は、電動式ベッドの駆動源として使用されるベッド用リニアアクチュエータの動作を制御する駆動制御装置であって、前記ベッド用リニアアクチュエータは、電動モータと、雄ねじ部を有し、前記電動モータによって駆動されるシャフトと、前記雄ねじ部に螺合し、前記シャフトの正逆回転によって軸方向に移動するスクリューナットと、前記スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って、前記スクリューナットと共に進退するピストンチューブと、を備え、前記駆動制御装置は、電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを有することを特徴とする。この場合、前記モータドライバに、作動音による安眠妨害及びスパイクノイズによるノイズ障害を防止し、タイムディレーによる応答遅れを無くすべく、電界効果トランジスタを使用するようにしても良い。
前記駆動制御装置において、前記モータドライバにより、前記電動モータに対しPWM制御を行い、前記電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、予め設定された理論減衰電圧値Vtに基づいてPWMDuty値を徐々に落として行くソフトストップ制御を行うようにしても良い。また、前記モータドライバにより、前記電動モータの制御電圧Vmが、予め設定されたブレーキ開始閾値電圧Vsを下回ったとき、前記電動モータに対するPWM出力を停止し、PWM出力停止時点における前記制御電圧Vmが前記理論減衰電圧値Vtよりも大きいとき、前記電動モータに対しブレーキ処理を行うようにしても良い。さらに、前記ブレーキ処理として、前記電動モータが被動側から回動されることにより生じる回生電力を受け、前記電動モータに対し回生制動を行うようにしても良く、その際、前記回生制動の出力電圧値と、前記回生制動の実行時間を設定して前記ブレーキ処理を実行するようにしても良い。
本発明のベッド用リニアアクチュエータの制御方法は、電動モータと、雄ねじ部を有し、前記電動モータによって駆動されるシャフトと、前記雄ねじ部に螺合し、前記シャフトの正逆回転によって軸方向に移動するスクリューナットと、前記スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って、前記スクリューナットと共に進退するピストンチューブと、を備えてなる電動式ベッドの駆動源として使用されるベッド用リニアアクチュエータの制御方法であって、電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを使用して前記電動モータに対しPWM制御を行い、前記電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、予め設定された理論減衰電圧値Vtに基づいてPWMDuty値を徐々に落として行くソフトストップ制御を行うことを特徴とする。
前記リニアアクチュエータ制御方法において、前記電動モータの制御電圧Vmが、予め設定されたブレーキ開始閾値電圧Vsを下回ったとき、前記電動モータに対するPWM出力を停止し、PWM出力停止時点における前記制御電圧Vmが前記理論減衰電圧値Vtよりも大きいとき、前記電動モータに対しブレーキ処理を行うようにしても良い。また、前記ブレーキ処理として、前記電動モータが被動側から回動されることにより生じる回生電力を受け、前記電動モータに対し回生制動を行うようにしても良く、その際、前記回生制動の出力電圧値と、前記回生制動の実行時間を設定して前記ブレーキ処理を実行するようにしても良い。
本発明のベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置によれば、電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを設けたので、リレーを用いた従来の駆動制御装置に比して、作動やノイズを低減し、応答遅れを低減させることが可能となる。また、電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、回生制動を行うことにより、リニアアクチュエータのブレーキ構造を簡素化し、装置の小型化や低コスト化を図ることが可能となる。
本発明のベッド用リニアアクチュエータの制御方法によれば、電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを使用するので、リレーを用いた従来の制御方法に比して、作動やノイズを低減し、応答遅れを低減させることが可能となる。また、電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、回生制動を行うことにより、リニアアクチュエータのブレーキ構造を簡素化し、装置の小型化や低コスト化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態であるリニアアクチュエータの使用状態を示す説明図である。 図1のリニアアクチュエータの全体構造を示す平面図である。 図1のリニアアクチュエータの正面図である。 図2のA−A線に沿った拡大断面図である。 スクリューナットとピストンチューブを固定する構成を示す説明図である。 動力伝達機構の構成を示す分解斜視図である。 リニアアクチュエータのコントローラ(駆動制御装置)の回路構成を示す説明図である。 逆回転動作時の制御処理のフローチャートである。 逆回転動作時におけるモータ制御形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態であるリニアアクチュエータ1の使用状態を示す説明図、図2はリニアアクチュエータ1の全体構造を示す平面図、図3は同正面図、図4は図2のA−A線に沿った拡大断面図である。本発明によるリニアアクチュエータ1は、電動モータを用いた送りねじ式のアクチュエータであり、医療・介護用ベッド2(以下、ベッド2と略記する)の背部の寝床(背ボトム3)を起立・倒伏させるための駆動源として使用される。リニアアクチュエータ1は、ベッド2のフレーム4に取り付けられ、ベッド下に配置される。
図2に示すように、リニアアクチュエータ1は、本体ハウジング5と、モータユニット6、及び、ピストンユニット7を備えた構成となっている。リニアアクチュエータ1は、図1に示すように、本体ハウジング5が固定側、ピストンユニット7が自由端側となった状態でベッド2に取り付けられる。本体ハウジング5は、クレビス8を介してフレーム4に取り付けられる。クレビス8は、アクチュエータ支持軸9(以下、支持軸9と略記する)を中心として、フレーム4に対し回転自在に取り付けられている。ピストンユニット7には、ピストンチューブ10が出没自在に取り付けられている。ピストンチューブ10は、背ボトム3を起立・倒伏させるためのリンク11に接続されている。ピストンチューブ10は、リンク接続軸12を中心として、リンク11に対し回転自在に取り付けられている。
図1(a)に示すように、ベッド2は、ピストンチューブ10が縮んだ状態では、背ボトム3が水平に倒伏されている。一方、ピストンチューブ10が伸びると、背ボトム3は、図1(b)に示すように、背ボトム3は起立した状態となる。背ボトム3は、ピストンチューブ10の伸長量に応じて起立傾斜角度が変化する。リニアアクチュエータ1を適宜制御することにより、背ボトム3は任意の角度にて停止・保持可能となっている。ベッドの使用者や介護者は、図示しないスイッチを操作することにより、背ボトム3を所望の角度に調整できる。
図2,3に示すように、本体ハウジング5の側面には、動力源であるモータユニット6が取り付けられている。また、本体ハウジング5の図中右端側には、ピストンユニット7が取り付けられている。さらに、本体ハウジング5の図中左端側には、クレビス8が取り付けられている。クレビス8には軸孔13が設けられており、この軸孔13には支持軸9が挿入される。これにより、本体ハウジング5は、フレーム4に回転自在に取り付けられる。また、ピストンチューブ10の先端部には軸孔14が設けられている。軸孔14には、リンク接続軸12が挿入される。リンク接続軸12により、ピストンユニット7は、リンク11に対し回転自在に取り付けられる。
本体ハウジング5は直方体状に形成されている。図3,4に示すように、本体ハウジング5は、ピストンチューブ10の中心軸方向に沿って、図3において上下方向に二分割されており、本体ハウジング5の下側はモータ側フレーム15、上側はカバー側フレーム16となっている(以下、それぞれフレーム16,フレーム15と略記する)。本体ハウジング5は、フレーム15,16を組み合わせた構造となっている。フレーム15,16は共に合成樹脂にて形成されており、ねじ18によって締結されている。両フレーム15,16の円筒部には、フレーム15,16が分離しないように、金属製のフレームリング37が装着されている。
クレビス8は、両フレーム15,16に挟み込まれる形でクレビス取付部17に取り付けられている。クレビス8は、正方形状に形成されたフランジ部8aを有しており、クレビス取付部17には、このフランジ部8aが挿入・挟持される。リニアアクチュエータ1では、フランジ部8aの取付方向を変えることにより、軸孔13を垂直方向・水平方向の何れにも設定でき、取付自由度の向上が図られている。
図4に示すように、本体ハウジング5内には、ピストンユニット収容部19と機構収容部20が設けられている。ピストンユニット収容部19内には、ピストンユニット7の左端側が収容・固定されている。ピストンユニット7は、金属製の補強パイプ22と、合成樹脂製の支持パイプ23、及び、ピストンチューブ10を有している。機構収容部20には、モータユニット6からの回転動力をピストンチューブ10に伝達するための動力伝達機構21が収容されている。動力伝達機構21は、ウォームホイール41と、カップリング42、クラッチケース43、ワンウエイクラッチ44(以下、クラッチ44と略記する)、及び、ブレーキユニット45を備えている。
ピストンユニット7の補強パイプ22は円筒状に形成されている。補強パイプ22の一端側は、両フレーム15,16の間に挟み込まれる形で支持・固定されている。補強パイプ22内には、円筒形の支持パイプ23が挿入されている。支持パイプ23の先端部には、合成樹脂製のプラグ24が装着されている(一体に設けても良い)。プラグ24の外側には、金属製のキャップ25が取り付けられている。支持パイプ23内には、円筒状に形成されたピストンチューブ10とシャフト26が収容されている。シャフト26の左端部には、ベアリングアダプタ27が取り付けられている。シャフト26は、ベアリングアダプタ27を介して、ベアリング28に取り付けられる。ベアリング28は、本体ハウジング5内に取り付けられている。シャフト26は、ベアリング28によって、本体ハウジング5内に回転自在に支持される。シャフト26には、ベアリングアダプタ27の抜け止めとして、ワッシャ72及びナット73が取り付けられている。これにより、ピストンチューブ10が外力で引っ張られても抜け出ない構造となる。
シャフト26には雄ねじ部26aが形成されている。この雄ねじ部26aにはスクリューナット29が取り付けられている。雄ねじ部26aの長さは、従来のアクチュエータと同様の長さになっている。従って、リニアアクチュエータ1は、アクチュエータとしては、従来と同様の機能(背ボトム3の起立・倒伏)を発揮し得るようになっている。スクリューナット29の内側には、雄ねじ部26aと螺合する雌ねじ部33が形成されている。スクリューナット29は、シャフト26の雄ねじ部26aに、進退自在に螺合装着される。
図5に示すように、スクリューナット29は、軸方向から装着されるスクリューナットアダプタ30(以下、アダプタ30と略記する)によって、ピストンチューブ10に固定される。アダプタ30は合成樹脂にて形成されており、同じく合成樹脂製のスクリューナット29に回り止めされた状態で取り付けられる。アダプタ30は、リング部31と、リング部31から軸方向に突出形成された爪部32とから構成されている。リング部31には、アダプタ30−ピストンチューブ10間、アダプタ30−スクリューナット29間、アダプタ30−支持パイプ23間の3つの回り止め部(アダプタ30−ピストンチューブ10間の抜け止め部も含む)が一体に形成されている。つまり、アダプタ30は、アダプタ30とピストンチューブ10の間などの回り止めを図りつつ、抜け止めも同時に行えるようになっている。
スクリューナット29は、フランジ部29aとボス部29bを備えている。フランジ部29aの外周には凸部81が形成されている。スクリューナット29は、フランジ部29aがピストンチューブ10の端部に当接した状態となるように、ピストンチューブ10内に挿入される。アダプタ30は、ピストンチューブ10に取り付けられた状態のスクリューナット29に軸方向から装着される。リング部31内周には、凹部82が形成されている。スクリューナット29の凸部81をこの凹部82に嵌合させることにより、スクリューナット29の図5中左端部にアダプタ30が回り止め固定される。
爪部32の先端には、突起32aが径方向内側に向けて突設されている。これに対し、ピストンチューブ10の端部には貫通孔10aが形成されている。スクリューナット29にアダプタ30を装着する際には、貫通孔10aに突起32aを嵌合させる。これにより、アダプタ30は、スクリューナット29に回り止めされつつ、軸方向に抜け止めされる。従って、スクリューナット29は、アダプタ30によって、ピストンチューブ10に回り止め・抜け止めされた状態で接続される。このように、リニアアクチュエータ1では、ピストンチューブ10とアダプタ30との間は突起32aと貫通孔10aによって、また、スクリューナット29とアダプタ30との間は凸部81と凹部82によって、それぞれ軸方向にずれた位置で別個に固定される。
爪部32の基部には嵌合溝38が形成されている。嵌合溝38は、支持パイプ23
の内周に形成され軸方向に延びる突条部83と嵌合している。突条部83は、嵌合溝38及び爪部32の外周面32bと摺接する。これにより、アダプタ30は、支持パイプ23内に回り止めされた状態で、軸方向に移動自在に配置される。この場合、アダプタ30は、スクリューナット29に回り止め固定されている。従って、スクリューナット29は、アダプタ30を介して支持パイプ23内に摺動自在に保持される。
シャフト26の回転に伴って、スクリューナット29とピストンチューブ10は一体となって軸方向に移動する。ここでは、ピストンチューブ10が伸びる(前進する)方向にシャフト26が回転する場合を「正回転」と称する。また、ピストンチューブ10が縮む(後退する)方向に回転する場合を「逆回転」と称する。従って、シャフト26が正回転方向に回転するとピストンチューブ10が伸長し、シャフト26が逆回転方向に回転するとピストンチューブ10が縮小する。
前述のように、本体ハウジング5の側面には、モータ34が内蔵されたモータユニット6が取り付けられている。モータ34のアーマチュアシャフト(回転軸)35は、本体ハウジング5の内部に挿入されており、機構収容部20内に延びている。アーマチュアシャフト35の外周にはウォーム36が形成されている。ウォーム36は、動力伝達機構21のウォームホイール41に噛合している。
図6は、動力伝達機構21の構成を示す分解斜視図である。前述のように、動力伝達機構21は、ウォームホイール41と、カップリング42、クラッチケース43、クラッチ44、及び、ブレーキユニット45とから構成されている。動力伝達機構21では、ウォーム36からの回転入力は、ウォームホイール41からカップリング42を介してシャフト26に伝達される。そして、シャフト26が正回転するとピストンチューブ10が押し出され、背ボトム3が起立する。このとき、動力伝達機構21内のクラッチ44はフリー状態(OFF状態)となっており、ピストンチューブ10は、ブレーキユニット45によるブレーキ作用を伴うことなく前進する。
一方、シャフト26が逆回転するとピストンチューブ10が引き込まれ、背ボトム3が倒伏する。この場合は、正回転時と異なり、クラッチ44はロック状態(ON状態)となる。すなわち、シャフト26の回転がブレーキユニット45内の部材に伝達され、ブレーキ作用が生じる。このため、ピストンチューブ10は、ブレーキ作用を伴いつつ後退する。このブレーキ作用により、背ボトム3を水平側に倒す際(ピストン短縮時)、背ボトム3の自重や使用者の体重(以下、使用者の体重等と略記する)によって動きが増速してしまうのを防止できる。また、モータ34をOFFし、背ボトム3を傾斜状態で停止させたとき、使用者の体重等によって、背ボトム3が倒れてしまうことも防止できる。
図6に示すように、ウォームホイール41は有底円筒形状に形成されている。ウォームホイール41の一端側はカップ状に開口し、他端側には小ギヤ46が形成されている。小ギヤ46は、図示しないリダクションギヤ等を介して、回転検出用のポテンショセンサ(図示せず)に接続されている。ウォームホイール41の開口端側は、円筒孔状のカップリング嵌合部47となっている。カップリング嵌合部47の内周部には、嵌合凹部48が周方向に沿って複数個等分に形成されている。カップリング嵌合部47には、金属製(例えば、鉄系焼結合金)のカップリング42が挿入状態で取り付けられる。カップリング42内には、クラッチケース43とクラッチ44が収容されている。
このように、リニアアクチュエータ1では、ウォームホイール41の形状をカップ状とし、その内部にクラッチ44等を収容した構成を採用している。これにより、ウォームホイール41とクラッチ44を軸方向に直列配置した従来のアクチュエータに比して、装置全体の長さを短縮することが可能となる。従って、前述同様、装置の小型化を図りつつ、ピストンストロークを確保することが可能となる。
カップリング42の内周側には、ボス部51が突出形成されている。ボス部51には、シャフト孔52が軸方向に貫通形成されている。シャフト孔52の内周面には、セレーション53が形成されている。図4に示すように、シャフト26の左端側外周にもセレーション54が形成されている。カップリング42は、両セレーション53,54が噛合した状態でシャフト26に取り付けられる。これにより、カップリング42は、シャフト26に回り止めされた状態で取り付けられ、ウォームホイール41は、カップリング42を介してシャフト26と一体化される。
本発明のリニアアクチュエータ1では、このようにウォームホイール41とシャフト26との間に金属製のカップリング42を内蔵配置し、カップリング42を介して、ウォームホイールの回転力をシャフト26に伝達する。このため、カップリング42によってウォームホイール41の強度を確保することができ、ウォームホイール41の厚さ(軸方向長)を薄くすることができる。従来のアクチュエータでは、合成樹脂製のウォームホイールとシャフトをセレーション結合しているため、結合強度を確保すべく、結合部を長く取る必要がある。これに対し、本発明のリニアアクチュエータ1では、金属製のカップリング42とシャフト26をセレーション結合するため、従来に比して結合部の長さを短くすることができ、装置全体の長さを短縮することが可能となる。従って、装置の小型化を図りつつ、ピストンストロークも確保できる。
また、ウォームホイール41内にカップリング42を配することにより、ウォームホイール41の歯部41aの内側が金属部材によって補強される。このため、ウォームホイール41の外径を大きくしなくとも歯部41aの強度を確保でき、ウォームホイール41の小径化が可能となり、装置の厚みを小さくすることができる。ベッド用のリニアアクチュエータは、通常、ベッド下に配置されるため、ベッドの低床化に応じて装置の薄型化も求められており、本発明のリニアアクチュエータ1によれば、このような要求にも応えることが可能となる。
さらに、従来のアクチュエータでは、全体が合成樹脂にて形成されたウォームホイールを使用しているため、軸方向長を小さくすると、シャフトとの結合強度が落ちるのみならず、ギヤ歯の噛み合いによってウォームホイールが歪み、噛み合いが浅くなってしまうおそれがある。噛み合いが浅くなると、動作時に異音が生じたり、歯部の摩耗が大きくなったりするなどの問題が生じる。この点、リニアアクチュエータ1では、内側に金属部材が配されているため、ウォームホイールが歪みにくく、ウォーム36とウォームホイール41との間の噛み合いも安定する。従って、動作時の異音や異常摩耗が抑えられ、ベッドの使用感向上や、アクチュエータの耐久性向上を図ることが可能となる。
カップリング42の内筒部55には、金属製(例えば、アルミダイカスト製)のクラッチケース43が挿入されている。クラッチケース43は、両端が開口した円筒形状となっている。クラッチケース43の一端側には、フランジ状のリング部56が拡径形成されている。リング部56の外周には、突起部57が径方向外側に向かって突出形成されている。突起部57は、フレーム15,16に設けられた図示しない係止部(凹部)と係合しており、フレーム15,16に対して回り止めされた状態で配置される。クラッチケース43の内側には、クラッチ44の外周(外輪側)が圧入固定されている。クラッチ44には、複数本のローラ(図示せず)を備えたワンウエイクラッチが使用され、内外輪間にて一方向の回転のみ他方に伝達する。クラッチ44は、シャフト26が正回転している場合はフリー状態、シャフト26が逆回転している場合はロック状態となるよう設定されている。
クラッチ44の内周側(内輪側)には、ブレーキユニット45のブレーキプレートホルダ61の円筒部62が挿入されている。円筒部62は、カップリング42のボス部51と共に、クラッチ内輪とシャフト26との間に配された介在部材となっている。クラッチ44は、ボス部51と円筒部62を介してシャフト26上に配置される。リニアアクチュエータ1では、ボス部51や円筒部62の径を調整することにより、クラッチ44のサイズを変更でき、所望のロック力に応じてクラッチ44を選択可能となっている。
ブレーキユニット45は、金属製のブレーキプレートホルダ61と、合成樹脂製(例えば、ポリアミド)のブレーキプレート63、金属製のブレーキワッシャ64a,64b(2枚)とから構成されている。ブレーキワッシャ64a,64bの軸孔65a,65bには、セレーション66が形成されている。セレーション66は、シャフト26のセレーション54に噛合し、ブレーキワッシャ64a,64bは、シャフト26に回り止めされた状態で取り付けられる。ブレーキワッシャ64a,64bは、ブレーキプレート63の軸方向両側に、ブレーキプレート63を挟むように配置される。
ブレーキプレートホルダ61は、両端が開口した円筒形状となっている。ブレーキプレートホルダ61の一端側には、フランジ部67が形成されている。フランジ部67には、軸方向沿って4個の凸部68が等分に突設されている。凸部68の間はホルダ凹部69となっている。ホルダ凹部69には、ブレーキプレート63の外周に形成されたプレート凸部70(4個)が嵌合する。この嵌合により、ブレーキプレート63とブレーキプレートホルダ61は一体となって回転する。ブレーキプレート63の両端面には、凹凸形状の圧接部71が形成されている。圧接部71は、ブレーキワッシャ64a,64bと摺接可能な状態で圧接される。ブレーキワッシャ64a,64bと圧接部71との間には、異種材摺接による異音防止も兼ね、グリスが塗布される。
このようなブレーキユニット45では、シャフト26が正回転するとき、クラッチ44がフリー状態となるように設定されている。ブレーキユニット45では、シャフト26と共にブレーキワッシャ64a,64bが回転する。ブレーキワッシャ64a,64bが回転すると、圧接部71に生じる摩擦力により、ブレーキプレート63も連れ回りする。ブレーキプレート63とブレーキプレートホルダ61は、プレート凸部70とホルダ凹部69の嵌合により一体となって回転する。この際、ブレーキユニット45は、シャフト正回転時にクラッチがフリーとなる設定のため、ブレーキプレートホルダ61は、クラッチ44内にて空転状態となる。すなわち、ブレーキプレートホルダ61の回転はクラッチケース43側には伝わらず、ブレーキユニット45全体がクラッチケース43内にて空転する。従って、シャフト26が正回転するときは、ブレーキプレートホルダ61とブレーキプレート63が正回転し、それと共にブレーキワッシャ64a,64bやベアリング内輪28aも正回転するため、ブレーキユニット45にはブレーキ作用は生じない。
これに対し、シャフト26が逆回転すると、クラッチ44がロック状態となる。すなわち、ブレーキプレートホルダ61の回転がクラッチケース43側に伝わり、クラッチケース43が回転しようとする。ところが、前述のように、クラッチケース43は回り止めされた状態でフレーム15,16内に配置されているため、クラッチケース43自体は回転しない。つまり、シャフト26の回転に対し、クラッチ44を介して回転力が伝わるクラッチケース43が非回転状態となる。このため、摩擦力によって結合しているブレーキプレート63とブレーキワッシャ64a,64bの間にすべりが生じ、圧接部71の摩擦力によって回転抵抗力が生じる。すなわち、シャフト26が逆回転するときは、ブレーキプレートホルダ61とブレーキプレート63が非回転状態となる一方、ブレーキワッシャ64a,64bやベアリング内輪28aは逆回転する。従って、逆回転時には、圧接部71の摩擦力により、ブレーキユニット45にブレーキ作用(制動力)が生じる。
なお、リニアアクチュエータ1では、シャフト26とクラッチ44は直接結合しておらず、クラッチ44の内側には、ブレーキプレートホルダ61が配されている。また、ブレーキプレートホルダ61の内側には、カップリング42のボス部51が配されている。さらに、カップリング42のボス部51の内側には、シャフト26が配されている。一般に、ワンウエイクラッチでは、クラッチ径が大きいほどロック力が大きく、従来のアクチュエータのように、クラッチをシャフトに直接取り付けると、クラッチ径が小さくなり、ロック力が不足するおそれがある。これに対し、本発明によるリニアアクチュエータ1では、シャフト26とクラッチ44の間に他の介在部材が存在しているため、シャフト径に関係なく、クラッチ44のサイズを調整することができる。従って、所望のロック力に合わせてクラッチ44を選択することができ、設計の自由度が増大すると共に、製品信頼性の向上も図られる。
次に、本発明によるリニアアクチュエータ1の動作について説明する。リニアアクチュエータ1では、操作者が背ボトム3を起立させるべく操作ボタンを押すと、モータ34が正回転する。図7は、リニアアクチュエータ1のコントローラ(駆動制御装置)81における回路構成を示す説明図である。コントローラ81では、モータ34の電源供給系であるモータドライバ82として、従来のリレーに代えてFET(電界効果トランジスタ)83が使用されており、モータ34は、コントローラ81によってPWM(Pulse Width Modulation)制御される。モータドライバ82は、4個のFET83を使用したブリッジ回路となっており、チャージポンプ84を備えたプリドライバIC85によって制御される。プリドライバIC85は、CPU86からの制御信号を受け、FET83を適宜ON/OFFさせることにより、モータ34を所望の方向・速度に駆動させる。
ボタン操作によりモータ34が正回転すると、この回転は、ウォーム36から、ウォームホイール41、カップリング42と伝わり、シャフト26が正方向に回転する。シャフト26が正回転すると、スクリューナット29が前進し、スクリューナット29に連結されたピストンチューブ10が押し出されて行く。そして、ピストンチューブ10の前進に伴い、背ボトム3は、図1(b)に示すように起立状態となる。なお、正回転時には、クラッチ44がフリー状態となるため、シャフト26のみが正回転し、ブレーキユニット45によるブレーキ作用は生じない。
シャフト26の正回転は、小ギヤ46から回転検出用のポテンショセンサ87(図6参照)に伝達される。ポテンショセンサ87は、シャフト26の回転角度に応じた電圧値を出力し、当該ベッド2の動作を制御するコントローラ81に送信される。コントローラ81のCPU86は、所定の上限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、プリドライバIC85に対し指令を発し、モータ34を自動的に停止させる。なお、モータ34の駆動に際しては、従来のリレー制御による単純なON/OFFと異なり、モータ34への供給電流量を任意に制御できるため、モータ34を極低速にて駆動することも可能である。
このような一連の動作において、コントローラ81には機械的な接点が無いため、リレーのような作動音は発生しない。このため、使用者が就寝中に背ボトム3を動作させても、リレー作動音によって睡眠を妨げてしまうことがなく、使用者の快適性が保たれると共に、介護者等の第三者も安心してベッド操作を行うことができる。特に、前述のような極低速にてモータ34を駆動することにより、背ボトム3を見た目では分からない程にゆっくり動かせるようになり、使用者が睡眠中でも安眠を妨げることなくベッドを作動させることが可能となる。
また、コントローラ81にスパイクノイズが発生することもないため、テレビやラジオなどに雑音が入るおそれがなく、背ボトムを作動させるたびに発生する不快なノイズ障害を防止することができ、この点においても使用者の快適性が確保される。さらに、コントローラ81は無接点構成のため、接点溶着を考慮する必要がなく、動作切り換え時にタイムディレーを入れる必要がない。このため、ディレーによる応答遅れがなく、ボタン操作に応じてタイムラグなく背ボトム3が作動し、スイッチの応答性が改善され、使用感の向上が図られる。
モータ34が停止すると、背ボトム3の荷重(使用者の体重等)がピストンチューブ10に作用し、スクリューナット29にもそれを後退させる方向の力が加わる。この後退方向の力は、シャフト26を逆回転させる力であり、シャフト26は、背ボトム3の荷重によって逆回転される。一方、シャフト26が逆回転すると、クラッチ44がロック状態となり、ブレーキユニット45にブレーキ作用が生じる。すなわち、ブレーキプレート63に対し、ブレーキワッシャ64a,64bが荷重を受けたまま回転し、圧接部71の摩擦力によって制動力が生じる。これにより、シャフト26の逆回転が阻止され、背ボトム3は、荷重を受けた状態にて静止・保持される。
操作者が背ボトム3を倒伏させるべく操作ボタンを押すと、モータ34が逆回転する。モータ34の回転は前述同様に伝わり、シャフト26は逆回転する。シャフト26が逆回転すると、スクリューナット29が後退し、ピストンチューブ10が引き込まれて行く。そして、ピストンチューブ10の後退に伴い、背ボトム3は、図1(a)に示すように倒伏状態となる。シャフト26の逆回転もまた、小ギヤ46から回転検出用のポテンショセンサ87に伝達され、ピストンチューブ10の位置を検出する。そして、コントローラ81が、所定の下限位置に対応するポテンショ電圧、又は、所定の上限位置に対応するポテンショ電圧を検出すると、モータ34を自動的に停止させる。
このような逆回転動作の際は、クラッチ44がロック状態となり、シャフト26の回転はクラッチケース43側に伝達される。前述のように、このときブレーキユニット45では、圧接部71に滑りが生じ、その摩擦力によって制動力が発生する。但し、この制動力は、モータ34によるシャフト26の駆動力よりも小さく設定されている。このため、シャフト26は、ブレーキユニット45による制動力を受けつつ逆回転する。そして、ピストンチューブ10の縮小と共に、背ボトム3が倒されて行く。この際、シャフト26には前述の制動力が働くため、使用者の体重等によって倒伏動作が増速してしまうのを防止でき、操作の安全性も確保される。
一方、背ボトム3を倒伏させる場合(逆回転動作)、コントローラ81は、PWMDuty制御下にあるモータ34のDutyを徐々に落として行きモータ停止させるが、モータ停止の前にブレーキ出力処理(回生制動出力)を行う。図8は、逆回転動作時の制御処理のフローチャート、図9は、逆回転動作時におけるモータ制御形態を示す説明図である。図8に示すように、ここでは、操作スイッチがOFFされると(ステップS1)、ソフトストップ制御が開始され、PWMDuty値を徐々に低下させる減衰処理が実行される(ステップS2:図9の点P)。
前述のように、倒伏動作時は、ベッドの自重や使用者の体重がアクチュエータに掛かるため、負荷の大小によって、モータ停止後の惰走特性が変わる。このため、モータが理論値通りに減速せず、図9の破線のように惰走する場合がある。そこで、本発明による制御処理では、ステップS3にて、まず、モータ制御電圧Vm(以下、モータ電圧Vmと略記する)とブレーキ開始閾値電圧Vsとを比較する。そして、モータ電圧Vmがブレーキ開始閾値電圧Vsを下回ったところで(Vs>Vm)、ステップS4に進み、モータ34へのPWM出力を停止する。ブレーキ開始閾値電圧Vsは、停止直前の低い値が設定されている。
ステップS4にてPWM出力を停止したところで、ステップS5に進み、モータ電圧Vmと、予め設定されたモータ電圧の理論減衰値(理論減衰電圧)値Vtとを比較する。このとき、理論減衰値Vtよりモータ電圧Vmが低い場合(Vm≦Vt)は、想定通りモータ34が減速していると判断し、そのままルーチンを抜ける。これに対し、理論減衰値Vtよりモータ電圧Vmが高い場合(Vm>Vt)は、想定よりも惰走状態にあると判断し、ステップS6に進んでブレーキ処理を行う(図9の点Q)。ブレーキ処理に際しては、モータ34の回転に伴う回生電力によるブレーキ出力(回生制動の出力電圧値)と、回生制動を行うブレーキ時間tBrakeが設定される。この場合、ブレーキ時間tBrakeは、理論減衰値Vtと実際のモータ電圧Vmとの差をパラメータとしたマップに基づいて設定される。
また、ベッド起立動作(正回転動作)の場合と同様に、かかるベッド倒伏動作(逆回転動作)においても、コントローラ81には作動音は生ぜず、スパイクノイズも発生しない。また、タイムディレーによる応答遅れもなく、ボタン操作に応じてタイムラグなく背ボトム3が作動する。従って、正転動作の場合と同様に、作動音やノイズの問題が生ぜず、スイッチ応答性も良くなるため、使用者の快適性や操作性が向上する。
さらに、当該コントローラ81では、前述のように、静止状態や逆回転動作の際に、使用者の体重等によってベッドを倒伏させる方向に力が加わり、モータ34が回転されたり、増速したりすると、モータ34にて回生電力が発生する。この回生電力は、モータ34が被動側から回動されると、モータドライバ82側に逆流する形で返され、これにより、モータ34の動作に対して回生制動がかかる。すなわち、ピストンチューブ10の動きにブレーキがかかる。このため、前述のような小型内蔵タイプのブレーキユニット45にてブレーキ力を十分に確保でき、装置の小型化を図ることが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、ベッド2は、リニアアクチュエータ1のピストンチューブ10の伸長によって背ボトム3が起立するような、いわゆる押し勝手の構成には限られず、ピストンチューブ10の短縮によって背ボトム3が起立するようないわゆる引き勝手の構成のものでも良い。また、前述の実施例では、リニアアクチュエータ1を背ボトム3の駆動に使用した場合について説明したが、リニアアクチュエータ1を膝ボトムの駆動に使用したり、ベッドボトムの高さを調整したりするために使用することも可能である。さらに、リニアアクチュエータ1における動力伝達機構21の構成も前述のものには限定されない。
加えて、倒伏動作時の制御に際し、モータ34に回転センサや位置センサを設け、これらのセンサからの入力値をフィードバックし、モータ逆転出力を瞬時あるいは一定時間行っても良い。このような制御形態は、ブレーキ時間tBrake終了後も依然としてモータ34が惰走している場合に有効である。
1 リニアアクチュエータ
2 医療・介護用ベッド
3 背ボトム
4 フレーム
5 本体ハウジング
6 モータユニット
7 ピストンユニット
8 クレビス
8a フランジ部
9 アクチュエータ支持軸
10 ピストンチューブ
10a 貫通孔
11 リンク
12 リンク接続軸
13 軸孔
14 軸孔
15 モータ側フレーム
16 カバー側フレーム
17 クレビス取付部
18 ねじ
19 ピストンユニット収容部
20 機構収容部
21 動力伝達機構
22 補強パイプ
23 支持パイプ
24 プラグ
25 キャップ
26 シャフト
26a 雄ねじ部
26b 段部
27 ベアリングアダプタ
28 ベアリング
28a 内輪
28b 外輪
29 スクリューナット
29a フランジ部
29b ボス部
30 スクリューナットアダプタ
31 リング部
32 爪部
32a 突起
32b 外周面
33 雌ねじ部
34 モータ
35 アーマチュアシャフト(回転軸)
36 ウォーム
37 フレームリング
38 嵌合溝
41 ウォームホイール
41a 歯部
42 カップリング
43 クラッチケース
44 ワンウエイクラッチ
45 ブレーキユニット
46 小ギヤ
47 カップリング嵌合部
48 嵌合凹部
49 嵌合凸部
51 ボス部
52 シャフト孔
53 セレーション
54 セレーション
55 内筒部
56 リング部
57 突起部
61 ブレーキプレートホルダ
62 ボス部
63 ブレーキプレート
64a,64b ブレーキワッシャ
65a,65b 軸孔
66 セレーション
67 フランジ部
68 凸部
69 ホルダ凹部
70 プレート凸部
71 圧接部
72 ワッシャ
73 ナット
74 凸部
75 凹部
76 突条部
81 コントローラ(駆動制御装置)
82 モータドライバ
83 FET(電界効果トランジスタ)
84 チャージポンプ
85 プリドライバ
86 CPU
87 ポテンショセンサ
Vm モータ制御電圧
Vt 理論減衰値
Vs ブレーキ開始閾値電圧

Claims (9)

  1. 電動式ベッドの駆動源として使用されるベッド用リニアアクチュエータの動作を制御する駆動制御装置であって、
    前記ベッド用リニアアクチュエータは、
    電動モータと、
    雄ねじ部を有し、前記電動モータによって駆動されるシャフトと、
    前記雄ねじ部に螺合し、前記シャフトの正逆回転によって軸方向に移動するスクリューナットと、
    前記スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って、前記スクリューナットと共に進退するピストンチューブと、を備え、
    前記駆動制御装置は、
    電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを有することを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置。
  2. 請求項1記載の駆動制御装置において、
    前記モータドライバは、前記電動モータに対しPWM制御を行い、前記電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、予め設定された理論減衰電圧値Vtに基づいてPWMDuty値を徐々に落として行くソフトストップ制御を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置。
  3. 請求項2記載の駆動制御装置において、
    前記モータドライバは、前記電動モータの制御電圧Vmが、予め設定されたブレーキ開始閾値電圧Vsを下回ったとき、前記電動モータに対するPWM出力を停止し、
    PWM出力停止時点における前記制御電圧Vmが前記理論減衰電圧値Vtよりも大きいとき、前記電動モータに対しブレーキ処理を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置。
  4. 請求項3記載の駆動制御装置において、
    前記モータドライバは、前記ブレーキ処理として、前記電動モータが被動側から回動されることにより生じる回生電力を受け、前記電動モータに対し回生制動を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置。
  5. 請求項4記載の駆動制御装置において、
    前記モータドライバは、前記回生制動の出力電圧値と、前記回生制動の実行時間を設定して前記ブレーキ処理を実行することを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの駆動制御装置。
  6. 電動モータと、
    雄ねじ部を有し、前記電動モータによって駆動されるシャフトと、
    前記雄ねじ部に螺合し、前記シャフトの正逆回転によって軸方向に移動するスクリューナットと、
    前記スクリューナットに固定され、前記シャフトの回転に伴って、前記スクリューナットと共に進退するピストンチューブと、を備えてなる電動式ベッドの駆動源として使用されるベッド用リニアアクチュエータの制御方法であって、
    電動モータに対する電源供給系として、電界効果トランジスタを使用したモータドライバを使用して前記電動モータに対しPWM制御を行い、
    前記電動式ベッドの背ボトムを倒伏させる際、予め設定された理論減衰電圧値Vtに基づいてPWMDuty値を徐々に落として行くソフトストップ制御を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの制御方法。
  7. 請求項6記載のリニアアクチュエータ制御方法において、
    前記電動モータの制御電圧Vmが、予め設定されたブレーキ開始閾値電圧Vsを下回ったとき、前記電動モータに対するPWM出力を停止し、
    PWM出力停止時点における前記制御電圧Vmが前記理論減衰電圧値Vtよりも大きいとき、前記電動モータに対しブレーキ処理を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの制御方法。
  8. 請求項7記載のリニアアクチュエータ制御方法において、
    前記ブレーキ処理として、前記電動モータが被動側から回動されることにより生じる回生電力を受け、前記電動モータに対し回生制動を行うことを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの制御方法。
  9. 請求項8記載のリニアアクチュエータ制御方法において、
    前記回生制動の出力電圧値と、前記回生制動の実行時間を設定して前記ブレーキ処理を実行することを特徴とするベッド用リニアアクチュエータの制御方法。
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