JP2014074187A - グラフト共重合体及びその製造方法、難燃剤、熱可塑性樹脂組成物、並びに成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)40〜90質量%の存在下で、下記一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)を含むビニル単量体(b)10〜60質量%を重合して得られるグラフト共重合体。
【化1】
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。)
【選択図】なし
Description
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。)
本発明は、熱可塑性樹脂に配合することで、耐衝撃性及び難燃性に優れる成形体を与えるグラフト共重合体を提供することにある。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。)
また、本発明は、前記グラフト共重合体を含む難燃剤である。
また、本発明は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、前記グラフト共重合体0.1〜30質量部が配合された熱可塑性樹脂組成物である。
更に、本発明は、前記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体である。
れる。
尚、ここでいう「3員環のジメチルシロキサン系環状体」とは、「シロキサン単位(SiO)を3つ有するジメチルシロキサン系環状体」即ち「ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)」を示す。
これらの環状オルガノシロキサン(a1−1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
環状オルガノシロキサン(a1−1)の含有率としては、オルガノシラン(a1)100質量%中、得られる成形体の低温での耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、30〜99.8質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましい。
これらのビニル重合性官能基を有するオルガノシラン(a1−2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル重合性官能基を有するオルガノシラン(a1−2)の含有率としては、オルガノシラン(a1)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性の向上の観点から、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を示す。
これらの3官能以上のオルガノシラン(a1−3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
3官能以上のオルガノシラン(a1−3)の含有率としては、オルガノシラン(a1)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
基を有するオルガノシラン(a1−2)、3官能以上のオルガノシラン(a1−3)以外にもその他のシラン(a1−4)を含んでもよい。
その他のシラン(a1−4)としては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン等の2官能のオルガノシランが挙げられる。
これらのその他のシラン(a1−4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他のシラン(a1−4)の含有率としては、オルガノシラン(a1)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
これらのポリオルガノシロキサンゴム(A1)の製造方法の中でも、得られるポリオルガノシロキサンゴム(A1)の粒子径分布の制御の観点から、ホモジナイザーを用いてオルガノシラン(a1)のラテックスを微粒子化する方法が好ましい。
これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの酸触媒を添加する方法の中でも、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)の粒子径の制御の観点から、オルガノシラン(a1)、乳化剤及び水と共に混合する方法が好ましい。
これらの乳化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オルガノシラン(a1)の重合時間としては、酸触媒の添加方法としてオルガノシラン(a1)、乳化剤及び水と共に混合し微粒子化する方法を用いた場合、2〜15時間であることが好ましく、5〜10時間であることがより好ましい。
オルガノシラン(a1)の重合の停止方法としては、例えば、反応液を冷却した後、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)ラテックスを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム等のアルカリ性物質により酸を中和する方法が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンゴム(A1)の体積平均粒子径が10nm以上であると、得られる成形体の低温での耐衝撃性に優れる。また、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)の体積平均粒子径が800nm以下であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
尚、本発明における体積平均粒子径は、キャピラリー式粒度分布測定器で測定される。
ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のトルエン不溶分が10質量%以上であると、得られる成形体の耐衝撃性に優れる。
尚、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のトルエン不溶分は、以下の方法により測定される。
ポリオルガノシロキサンゴム(A1)ラテックスから、2−プロパノールを用いてポリオルガノシロキサンゴム(A1)を抽出し、それを25℃で乾燥させた後、真空乾燥機で2−プロパノール成分を完全に除去する。得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1)を0.5g精秤した後、25℃でトルエン80mLに24時間浸漬し、12,000rpmで60分間遠心分離した後、50℃で24時間真空乾燥し、得られた固形分を精秤することにより、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)トルエン不溶分の質量分率(質量%)を算出する。
ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のトルエン不溶分は、オルガノシラン(a1)中の3官能以上のオルガノシラン(a1−3)の含有率を調節することにより制御できる。オルガノシラン(a1)中の3官能以上のオルガノシラン(a1−3)の含有率が高いほど、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のトルエン不溶分が高くなる。
その他のゴムとしては、例えば、アクリルゴム(A2)、ジエン系ゴム、オレフィン系ゴムが挙げられる。これらのその他のゴムの中でも、複合化が容易であることから、アクリルゴム(A2)が好ましい。
これらのその他のゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのアルキル(メタ)アクリレート(a2−1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレート(a2−1)の含有率としては、ビニル単量体(a2)100質量%中、得られる成形体の難燃性及び耐衝撃性の向上の観点から、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99質量%であることがより好ましい。
これらの多官能性ビニル単量体(a2−2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能性ビニル単量体(a2−2)の含有率としては、ビニル単量体(a2)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性の向上の観点から、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。
単量体(a2)を添加する方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のラテックスと一括で混合する方法、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)ラテックス中に一定速度で滴下する方法が挙げられる。これらのビニル単量体(a2)を添加する方法の中でも、得られる成形体の耐衝撃性の向上の観点から、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)のラテックスと一括で混合する方法が好ましい。
これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオルガノシロキサンゴム(A1)の含有率が60質量%以上であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
その他のゴム(A2)の含有率が40質量%以下であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。)
一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)の含有率としては、ビニル単量体(b)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、10〜100質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることがより好ましい。
多官能性単量体(b2)としては、前記多官能性ビニル単量体(a2−2)の例示のものが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用することができる。
これらの多官能性単量体(b2)中でも、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、アリル(メタ)アクリレートが好ましい。
多官能性単量体(b2)の含有率としては、ビニル単量体(b)100質量%中、得られる成形体の難燃性の向上の観点から、0〜80質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
その他の単量体(b3)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、イタコン酸、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体が挙げられる。これらのその他の単量体(b3)の中でも、得られる成形体の耐衝撃性の向上の観点から、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートが好ましく、得られる成形体の難燃性の観点から、メチルメタクリレートが好ましい。
これらのその他の単量体(b3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の単量体(b3)の含有率としては、ビニル単量体(b)100質量%中、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、0〜80質量%であることが好まし
く、0〜60質量%であることがより好ましい。
多段重合の場合、ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の存在下で、多官能性ビニル単量体(b2)を含むビニル単量体(b)を重合した後に、下記一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)を含む残りのビニル単量体(b)を重合することが好ましい。グラフト共重合体の最外層となる該残りのビニル単量体(b)としては、配合する熱可塑性樹脂にもよるが、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、スチレンが好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の含有率が40質量%以上であると、得られる成形体の難燃性に優れる。また、ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の含有率が90質量%以下であると、得られる成形体の耐衝撃性に優れる。
ビニル単量体(b)の含有率が10質量%以上であると、得られる成形体の耐衝撃性に優れる。また、ビニル単量体(b)の含有率が60質量%以下であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のビニル単量体(b)の重合に用いる連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンが挙げられる。
本発明のビニル単量体(b)の重合に用いる乳化剤としては、例えば、カチオン系乳化剤、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が挙げられる。これらの乳化剤の中でも、スルホン酸塩乳化剤、硫酸塩乳化剤、カルボン酸塩乳化剤が好ましく、エステル結合を有する熱可塑性樹脂にグラフト共重合体を配合する場合には、加水分解を抑制する観点から、スルホン酸塩乳化剤が更に好ましい。
金属塩としては、エステル結合を有する熱可塑性樹脂にグラフト共重合体を配合する場合には、加水分解を抑制する観点から、塩化カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム
塩が好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の含有率が40質量%以上であると、得られる成形体の難燃性に優れる。また、ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の含有率が90質量%以下であると、得られる成形体の耐衝撃性に優れる。
ビニル単量体(b)単位の含有率が10質量%以上であると、得られる成形体の耐衝撃性に優れる。また、ビニル単量体(b)単位の含有率が60質量%以下であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
グラフト共重合体の体積平均粒子径が20nm以上であると、得られる成形体の低温での耐衝撃性に優れる。また、グラフト共重合体の体積平均粒子径が1000nm以下であると、得られる成形体の難燃性に優れる。
本発明の難燃剤は、本発明のグラフト共重合体単独でもよく、赤燐、リン酸エステル、リン酸塩等リン系難燃剤、アルカリ金属塩系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等の難燃剤;ポリテトラフルオロエチレン、変性ポリテトラフルオロエチレン等のアンチドリッピング剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤;後述する熱可塑性樹脂等を含んでもよい。
本発明の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、ABS、ASA、AES等のスチレン系樹脂(St系樹脂);ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂(Ac系樹脂);ポリカーボネート系樹脂(PC系樹脂);ポリアミド系樹脂(PA系樹脂);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂(PEs系樹脂);(変性)ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE系樹脂)、ポリオキシメチレン系樹脂(POM系樹脂)、ポリスルフォン系樹脂(PSO系樹脂)、ポリアリレート系樹脂(PAr系樹脂)、ポリフェニレン系樹脂(PPS系樹脂)、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PU系樹脂)等のエンジニアリングプラスチックス;スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレン等の熱可塑性エラストマー(TPE);PC/ABS等のPC系樹脂/St系樹脂アロイ、ポリ塩化ビニル(PVC)/ABS等のPVC系樹脂/St系樹脂アロイ、PA/ABS等のPA系樹脂/St系樹脂アロイ、PA系樹脂/TPEアロイ、PA/PP等のPA系樹脂/ポリオレフィン系樹脂アロイ、PBT系樹脂/TPE、PC/PBT等のPC系樹脂/PEs系樹脂アロイ、ポリオレフィン系樹脂/TPE、PP/PE等のオレフィン系樹脂同士のアロイ、PPE/HIPS、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂アロイ、PVC/PMMA等のPVC系樹脂/Ac系樹脂アロイ等のポリマーアロイ;硬質、半硬質、軟質塩化ビニル樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性の向上の観点から、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
グラフト共重合体の配合量が0.1質量部以上であると、得られる成形体の耐衝撃性及び難燃性に優れる。また、グラフト共重合体の配合量が30質量部以下であると、熱可塑性樹脂の本来の性質が損なわれない。
添加剤としては、例えば、顔料;染料;ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補強剤;充填剤;2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤;トリス(ミックスド、モノ及びジニルフェニル)ホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト等のホスファイト系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジアステリアルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤;2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等の光安定剤;ヒドロキシルアルキルアミン、スルホン酸塩等の帯電防止剤;エチレンビスステアリルアミド、金属石鹸等の滑剤;テトラブロムフェノールA、デカブロモフェノールオキサイド、テトラブロモビスフェノールA(TBA)エポキシオリゴマー、TBAポリカーボネートオリゴマー、三酸化アンチモン、トリフェニルホスファイト(TPP)、リン酸エステル等の難燃剤;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PTFEを含む有機重合体等のアンチドリッピング剤が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ペレット状にすることが好ましい。
成形方法としては、例えば、カレンダー成形、押出成形、押出ブロー成形、射出成形、等の公知の成形方法が挙げられる。
実施例における各測定は、以下のように行った。
得られた重合体のラテックスを蒸留水で希釈して、濃度約3%のラテックス0.1mLの試料を作製し、キャピラリー式粒度分布測定器(機種名「CHDF2000」、MATEC社製)、粒子分離用キャピラリー式カートリッジ及びキャリア液(液性はほぼ中性)を用いて、流速1.4mL/分、圧力約2.76MPa(約4000psi)、温度35℃の条件で、体積平均粒子径を測定した。
尚、測定前には、粒子径既知の単分散ポリスチレン(DUKE社製)を標準粒子径物質とし、20〜800nmの合計12点の粒子径を測定して、検量線を作成した。
得られた熱可塑性樹脂組成物を、ノッチ付き1/8インチバー、1/4インチバーに成形し、ASTM D−256に準拠して、23℃及び−30℃でのアイゾット衝撃試験を行った。
得られた熱可塑性樹脂組成物を、1/16インチの燃焼棒に成形し、UL−94V試験を行った。
オクタメチルシクロテトラシロキサン96部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部、テトラエトキシシラン2部を混合して、シロキサン混合物100部を得た。
得られたシロキサン混合物に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した脱イオン水150部を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、シロキサンラテックスを得た。
次いで、冷却管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、得られたシロキサンラテックスを投入し、硫酸0.2部と脱イオン水49.8部との混合物を3分間かけて滴下した。その後、80℃に加熱し7時間保持して重合を進行させた後、25℃に冷却し6時間保持し、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、ポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)ラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)ラテックスの固形分は29.8%、得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)の体積平均粒子径は435nmであった。
オクタメチルシクロテトラシロキサン96部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2部、テトラエトキシシラン2部を混合して、シロキサン混合物100部を得た。
得られたシロキサン混合物に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した脱イオン水200部を添加し、ホモミキサーにて10,000rpmで5分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で2回通し、シロキサンラテックスを得た。
次いで、冷却管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ドデシルベンゼンスルホン酸10部と脱イオン水90部を投入し、85℃に加熱し得られたシロキサンラテックスを2時間かけて滴下した。その後、85℃で3時間保持して重合を進行させた後
、25℃に冷却し6時間保持し、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、ポリオルガノシロキサンゴム(A1−2)ラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−2)ラテックスの固形分は17.7%、得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−2)の体積平均粒子径は70nmであった。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、製造例1で得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)ラテックス234.9部(固形分換算で70部)、脱イオン水200部を投入した後、アリルメタクリレート5部、クメンヒドロパーオキシド0.3部の混合液を添加した。
フラスコ内に窒素気流を通じて窒素置換を行い、攪拌しながら昇温させ、液温が50℃に達した時点で、下記還元剤水溶液を添加して1段目の重合を開始し、液温を70℃にし1時間保持した。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部
ロンガリット 0.24部
脱イオン水 10部
次いで、フェニルメタクリレート25部、クメンヒドロパーオキシド0.2部の混合液を、10分間かけて滴下した。滴下終了後、液温を70℃で1時間保持して2段目の重合を行い、グラフト共重合体のラテックスを得た。
酢酸カルシウムを5%溶解した水溶液500部を攪拌しながら60℃に加熱し、水溶液中にグラフト共重合体のラテックス340部を徐々に滴下し凝固させ、分離、水洗した後、乾燥してグラフト共重合体の粉体を得た。
熱可塑性樹脂としてポリカーボネート系樹脂(商品名:「ユーピロン2000F」、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールAタイプポリカーボネート、粘度平均分子量約22,000)100質量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(商品名:「イルガノックス245」、チバ・ジャパン(株)製)0.3部、リン系酸化防止剤(商品名:「アデカスタブPEP36」、(株)ADEKA製)0.3部、滴下防止剤としてアクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(商品名:「メタブレンA3800」、三菱レイヨン(株)製)1部、及び得られたグラフト共重合体5部を、30mmφ二軸押出機(機種名「PCM−30」、池貝製作所製)を用いて、280℃で溶融混練し、ペレット状に賦型し、熱可塑性樹脂組成物を得た。次いで、得られた熱可塑性樹脂組成物を、100t射出成形機(機種名「SE−100DU」、住友重機製作所製)を用いて、280℃で射出成形し、成形体(アイゾット衝撃試験及びUL−94V試験の試験片)を得た。
表2に示す組成比で重合を行った以外は、実施例1と同様の方法で、グラフト共重合体の粉体、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、製造例1で得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)ラテックス234.9部(固形分換算で70部)、脱イオン水200部を投入した後、n−ブチルアクリレート9部、アリルメタクリレート1部、クメンヒドロパーオキシド0.3部の混合液を添加した。
フラスコ内に窒素気流を通じて窒素置換を行い、攪拌しながら昇温させ、液温が50℃に達した時点で、下記還元剤水溶液を添加して重合を開始し、液温を70℃にして1時間保持し、ポリオルガノシロキサンゴム(A1)とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム(A2)から構成される複合ゴムのラテックスを得た。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部
ロンガリット 0.24部
脱イオン水 10部
次いで、アリルメタクリレート5部、クメンヒドロパーオキシド0.3部の混合液を添加して1段目の重合を行い、液温を70℃で1時間保持した。
更に、フェニルメタクリレート15部、クメンヒドロパーオキシド0.2部の混合液を、20分間かけて滴下した。滴下終了後、液温を70℃で1時間保持して2段目の重合を行い、グラフト共重合体のラテックスを得た。
これ以降の操作は実施例1と同様にして、グラフト共重合体の粉体、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、製造例1で得られたポリオルガノシロキサンゴム(A1−1)ラテックス234.9部(固形分換算で70部)、脱イオン水200部を投入した後、フラスコ内に窒素気流を通じて窒素置換を行い、攪拌しながら昇温させ、液温が70℃に達した時点で、下記還元剤水溶液を添加した。
還元剤水溶液:
硫酸第一鉄 0.001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003部
ロンガリット 0.24部
脱イオン水 10部
次いで、フェニルメタクリレート25部、クメンヒドロパーオキシド0.2部の混合液を、10分間かけて滴下した。滴下終了後、液温を70℃で1時間保持して重合を行い、グラフト共重合体のラテックスを得た。
これ以降の操作は実施例1と同様にして、グラフト共重合体の粉体、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
グラフト共重合体を配合しないこと以外は、実施例1と同様の方法で、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
表2に示す組成比で重合を行った以外は、実施例1と同様の方法で、グラフト共重合体の粉体、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
表2に示す組成比で重合を行った以外は、実施例6と同様の方法で、グラフト共重合体の粉体、熱可塑性樹脂組成物、成形体を得た。
表中の略号は、以下の化合物を示す。
BA :n−ブチルアクリレート
AMA :アリルメタクリレート
PhMA:フェニルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
AN :アクリロニトリル
St :スチレン
一方、グラフト共重合体を含まない比較例1で得られた成形体は、低温での耐衝撃性、難燃性に劣った。また、ビニル単量体(b1)を用いずに製造したグラフト共重合体を配合した比較例2〜6で得られた成形体は、低温での耐衝撃性、難燃性に劣った。
Claims (8)
- ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)40〜90質量%の存在下で、下記一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)を含むビニル単量体(b)10〜60質量%を重合して得られるグラフト共重合体。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。) - ビニル系単量体(b)が多官能性ビニル単量体(b2)を含む請求項1に記載のグラフト共重合体。
- ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)40〜90質量%の存在下で、下記一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)を含むビニル単量体(b)10〜60質量%を重合する請求項1に記載のグラフト共重合体の製造方法。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。) - ポリオルガノシロキサン系ゴム(A)の存在下で、多官能性ビニル単量体(b2)を含むビニル単量体(b)を重合した後に、下記一般式(1)で表されるビニル単量体(b1)を含む残りのビニル単量体(b)を重合する請求項2に記載のグラフト共重合体の製造方法。
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は置換基を有していてもよいアリール基又はベンジル基である。) - 請求項1又は2に記載のグラフト共重合体を含む難燃剤。
- 熱可塑性樹脂100質量部に対して、請求項1又は2に記載のグラフト共重合体0.1〜30質量部が配合された熱可塑性樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂である請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項6又は7に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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