JP2014072502A - マイクロ構造体、貫通電極付基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属材料からなる貫通電極を有する基板を平坦性よく作製することを可能にするマイクロ構造体及びこのマイクロ構造体を用いた貫通電極付基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板10と、基板10に複数設けられる有底穴11と、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13と、有底穴11の側壁部に充填される第二の材料14と、を有し、第一の材料13の破壊じん性が、第二の材料14の破壊じん性よりも小さく、基板10と第一の材料13とにおける破壊じん性の差が、基板10と第二の材料14とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする、マイクロ構造体1。
【選択図】図1
【解決手段】基板10と、基板10に複数設けられる有底穴11と、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13と、有底穴11の側壁部に充填される第二の材料14と、を有し、第一の材料13の破壊じん性が、第二の材料14の破壊じん性よりも小さく、基板10と第一の材料13とにおける破壊じん性の差が、基板10と第二の材料14とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする、マイクロ構造体1。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体基板の表面に形成される素子・回路と基板の裏面に形成される回路等との間を電気的に接続する貫通電極を備えた貫通電極付基板の製造方法及びこの製造方法で用いられるマイクロ構造体に関する。
LSI等の集積回路をより高密度化にする方法として三次元実装がある。三次元実装とは、半導体基板の所定の位置に貫通電極を形成し、半導体基板の表面及び裏面の少なくともいずれかにおいて所定の層や部材を積層あるいは設置する方法である。ここで三次元実装を行う際に、半導体基板に設けられる集積回路の集積度を向上させるには、多数枚の層・部材の積層を実現しなければならない。この積層を実現させるためには、基板の薄板化及び平坦性の向上が求められている。
ところで、三次元実装を行う際に必要となる貫通電極は、半導体基板の表面と裏面とを貫通している細い電極がチップ同士を接続している構成である。この貫通電極を作製する方法として、例えば、ウエハ(半導体基板)の表面側から有底穴を形成し、この有底穴の内部に電極を形成した後、ウエハの裏面側を研削して電極の表面を露出させることで貫通電極を形成する方法がある。
この方法を採用する場合、ウエハ(半導体基板)の表面側から有底穴を開けた後、有底穴の内部には絶縁用の酸化膜とバリア層とが順次成膜され、その後めっき用電極となるシード層を形成した後、めっきにて有底穴の内部に銅を充填する。この後、ウエハを裏面側から研削し、CMPにてウエハを薄板化することで電極の表面を露出させる。そして電極面には半田等を付けてバンプを形成する。一方、研削後のウエハの裏面は保護膜を形成する。以上の工程を経て作製した貫通電極付基板を複数積層し、バンプを用いて各基板を電気接続することにより三次元実装が実現する。
特許文献1には、ウエハの裏面側を研削研磨する具体的な方法が記載されている。
しかし貫通電極は、シリコン基板等のウエハ内に銅等の導体が埋め込まれている構成である。またウエハの基材であるシリコン基板やウエハ内に埋め込まれている銅等の導体といったように、材料特性が異なる2種類以上の材料からなる複合材料を研削する際には、各材料における機械的性質や化学的性質が違うことから各材料における切削性も当然に異なる。その結果、研削砥石の偏摩耗が発生したり、材料による研磨速度の相違から加工形状に凹凸が発生したりする。
上述した研削に関する課題を解決する方法として、特許文献2にて提案された方法がある。具体的には、金属ボンド系の研削砥石を用いて研削を行っている最中にドレッシングも同時に行い、砥石の形状を修正しつつ、複合材料を所定の形状に加工する方法が提案されている。
ところで、貫通電極を形成するために、基板の表面からボッシュ法によるドライエッチングで有底穴を開けることになるが、有底穴を開ける際に底の断面形状(エッチング形状)が半球状となることがある。底部の断面形状が半球状である有底穴に銅を埋込み基板の裏面側より基板を薄板化することで電極を露出させる場合、有底穴の底部にある半球状の金属部材を除去する必要がある。基板の裏面側において貫通電極の直径が小さくなるからである。ここで貫通電極の直径が小さいと、抵抗値が大きくなり複数の基板を積層したときのばらつきや性能低下の原因となることがある。
また研削にて半球状の金属部材を除去するには、シリコンと銅とを同時に除去することとなる。このときに研削砥石のドレッシングを行っても、材料による研磨速度の違いにより研削面に凹凸が発生してしまう。凹凸が発生する一因として、各材料の破壊じん性値が大きく異なる(シリコン:0.8MPa・m1/2、Cu等の金属材料:100MPa・m1/2)ことが挙げられる。複数の材料がそれぞれ有する材料の破壊じん性値が大きく異なると研削速度に明確な差が出る。ここで銅はシリコンに比べ破壊じん性値が大きいため、銅をシリコンと同時に加工するときにシリコンと比較して研削速度が低くなるので銅が残存し基板の裏面から突き出た状態となる。その結果、基板の平坦度の指標の一つであるTotal Thickness Variation(以下、TTVと略す。)が悪化することとなる。
また銅等の導体を露出する前に研削砥石による研削を終了しCMPにて半球状の金属部材を除去しようとすると、CMPによる研磨量が増えTTVの悪化やコストアップに繋がった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、金属材料からなる貫通電極を有する基板を平坦性よく作製することを可能にするマイクロ構造体及びこのマイクロ構造体を用いた貫通電極付基板の製造方法を提供することにある。
本発明のマイクロ構造体は、基板と、
前記基板に複数設けられる有底穴と、
前記有底穴の底面部に充填される第一の材料と、
前記有底穴の側壁部に充填される第二の材料と、を有し、
前記第一の材料の破壊じん性が、前記第二の材料の破壊じん性よりも小さく、
前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が、前記基板と前記第二の材料とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする。
前記基板に複数設けられる有底穴と、
前記有底穴の底面部に充填される第一の材料と、
前記有底穴の側壁部に充填される第二の材料と、を有し、
前記第一の材料の破壊じん性が、前記第二の材料の破壊じん性よりも小さく、
前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が、前記基板と前記第二の材料とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、金属材料からなる貫通電極を有する基板を平坦性よく作製することを可能にするマイクロ構造体及びこのマイクロ構造体を用いた貫通電極付基板の製造方法を提供することができる。
即ち、本発明では、貫通電極付基板の前駆体であるマイクロ構造体を構成する有底穴の底面部に破壊じん性が小さい第一の材料(金属材料等の導体以外の材料)が充填されている。このため、本発明のマイクロ構造体は、基板の裏側を研削する際に、第一の材料が充填された部分を基板(の裏面側の部分)と共に研削で除去すればよい。これにより、基板の裏面側を研削する際に、破壊じん性が大きい第二の材料(金属材料等の導体)が充填されている部材を研削する必要がない。またこれにより破壊じん性の差に起因して基板の裏面側に発生し得る凹凸の発生を防止することができる。従って、本発明のマイクロ構造体は、貫通電極を有する基板を平坦性よく、かつ安価で作製することが可能である。また本発明のマイクロ構造体を用いて作製された貫通電極付基板は、多数枚積層したとしても高さばらつきが低減され、かつ精度良く積層が可能である。
本発明のマイクロ構造体は、基板と、この基板に複数設けられる有底穴と、当該有底穴の底面部に充填される第一の材料と、当該有底穴の側壁部に充填される第二の材料と、を有する。また本発明において、第一の材料の破壊じん性は、第二の材料の破壊じん性よりも小さく、基板と第一の材料とにおける破壊じん性の差は、基板と第二の材料とにおける破壊じん性の差よりも小さい。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[マイクロ構造体]
図1は、本発明のマイクロ構造体における実施形態の例を示す断面模式図である。本発明のマイクロ構造体1は、基板10と、基板10内に設けられる有底穴11と、有底穴11の壁面に形成される絶縁膜12と、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13と、有底穴11の側壁部に充填される第二の材料14と、を有する。
図1は、本発明のマイクロ構造体における実施形態の例を示す断面模式図である。本発明のマイクロ構造体1は、基板10と、基板10内に設けられる有底穴11と、有底穴11の壁面に形成される絶縁膜12と、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13と、有底穴11の側壁部に充填される第二の材料14と、を有する。
図1のマイクロ構造体1において、有底穴11は、基板10の所定の領域に設けられる底部を有する開口である。本発明において、基板10に設けられる有底穴11は、通常、一枚の基板10に対して複数設けられている。また有底穴11の配置位置(又は配置領域)は、図1のマイクロ構造体1を加工することによって作製される貫通電極付基板を構成する貫通電極の配置位置(又は配置領域)に相当する。
図1のマイクロ構造体1において、有底穴11の壁面(側壁面、底面)に設けられる絶縁膜12は、基板10と貫通電極を構成する第二の材料14とが導通するのを防ぐ目的で設けられる。このため、基板10が絶縁性の基板である場合には、絶縁膜12は必ずしも設ける必要はない。つまり、基板10として絶縁性の基板を用いる場合は、有底穴11の側壁に直接接するように第二の材料14を充填してもよい。尚、絶縁膜12と第二の材料14との密着性が不十分である場合は、絶縁膜12と第二の材料14との間に、第二の材料14との密着性が良好な材料からなるシード層をさらに設けてもよい。尚、シード層の詳細については、後述する。
図1のマイクロ構造体1において、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13は、第二の材料14が有底穴11の底面部に充填されないようにする目的で設けられている。本発明において、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13は、基板10が有する破壊じん性とほぼ同じ破壊じん性を有する材料であることが好ましい。基板10と第一の材料13との破壊じん性がほぼ同じであれば基板10の裏面側、即ち、第二の材料14が視認できない側の面からマイクロ構造体1を研削加工する際にその加工面が平坦になり易くなる。本発明において、有底穴11の底面部に充填される第一の材料13は、有底穴11の壁面に設けられる絶縁膜12の構成材料と同じ材料であってもよいし異なる材料であってもよい。また本発明においては、有底穴11の側壁に充填される部材が第二の材料14の充填方法によっては、必ずしも有底穴11の底面部に第一の材料13を充填させる必要がない場合がある。
図1のマイクロ構造体1において、有底穴11の側壁部に充填される第二の材料14は、金属材料等の導体である。尚、第二の材料14の詳細に関しては、後述する。
[貫通電極付基板の製造方法]
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の貫通電極付基板の製造方法について説明する。図2は、本発明の貫通電極付基板の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の貫通電極付基板の製造方法について説明する。図2は、本発明の貫通電極付基板の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。
<第一の実施形態>
(1−1)基板(図2(a))
本実施形態に基づいて貫通電極付基板を製造する際には、貫通電極付基板の前駆体である本発明のマイクロ構造体を作製する必要がある。ここでマイクロ構造体を作製する際に用意する基板10としては、シリコン、ガラス、セラミックス等が好適である。
(1−1)基板(図2(a))
本実施形態に基づいて貫通電極付基板を製造する際には、貫通電極付基板の前駆体である本発明のマイクロ構造体を作製する必要がある。ここでマイクロ構造体を作製する際に用意する基板10としては、シリコン、ガラス、セラミックス等が好適である。
(1−2)レジスト層の形成工程(図2(b))
次に、基板10上に、レジスト材料を塗布し、露光・現像を行って所望のパターン形状を有するレジスト層20を形成する(図2(b))。尚、レジスト層20は、有底穴11を設ける領域に開口20aを備えるパターン形状を有している。またレジスト層20を形成する際に用いられるレジスト材料として、公知のレジスト材料を用いることができる。
次に、基板10上に、レジスト材料を塗布し、露光・現像を行って所望のパターン形状を有するレジスト層20を形成する(図2(b))。尚、レジスト層20は、有底穴11を設ける領域に開口20aを備えるパターン形状を有している。またレジスト層20を形成する際に用いられるレジスト材料として、公知のレジスト材料を用いることができる。
(1−3)有底穴の形成工程(図2(c))
次に、エッチング等により、基板10を表面から加工して、表面から所望深さまで有底穴11を形成する(図2(c))。
次に、エッチング等により、基板10を表面から加工して、表面から所望深さまで有底穴11を形成する(図2(c))。
基板10の加工方法としては、ドライエッチング、サンドブラスト等が挙げられる。ここで基板10として、シリコン製の基板を用いる場合には、ドライエッチングが好適に用いられる。また基板10として、ガラス製やセラミックス製の基板を用いる場合には、サンドブラストが好適に用いられる。
ドライエッチングにより基板10を加工する際には、エッチングに使用するガスとしては、フッ素系ガス(例えば、SF6ガス、CF4ガス等)、塩素系ガス(例えば、Cl2ガス、SiCl4ガス等)、臭素系ガス(HBrガス等)等が挙げられる。尚、エッチングに使用するガスとして、同種系統のガスを二種類以上混合してなる混合ガスを用いてもよい。例えば、フッ素系ガスとして列挙されたSF6ガスとCF4ガスとを混合したガスをエッチングガスとして用いてもよい。
またドライエッチングで用いる装置としては、ICP−RIE、マグネトロンRIE、ECR、マイクロ波、ヘリコン波等の放電方式を用いたドライエッチング装置がある。
ところで、ドライエッチングやサンドブラストを用いて基板10を加工する場合では、有底穴11の深さが深くなると底の形状は半球形状になる。これはエッチングガスもしくはエッチング粒子の入射角の幅の差異に起因する。
図3は、本工程(有底穴の形成工程)にて形成された有底穴の形状を示す断面図である。図3に示される有底穴11は、ドライエッチングを用いて基板10を加工することで得られる底を有する開口であり、底面部11aと側壁部11bとをそれぞれ有している。また図3に示される有底穴11の底面部11aの断面形状は、半球状形状である。
(1−4)絶縁膜の形成工程(図2(d))
次に、基板10上に設けられていたレジスト層20を除去した後、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する。
次に、基板10上に設けられていたレジスト層20を除去した後、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する。
絶縁膜12の成膜方法として、CVD、スパッタ等の方法が挙げられる。尚、絶縁膜12は、基板10が導電性を有する場合に、後の工程で有底穴11に充填する導体と基板とが短絡するのを防ぐために設けられる。基板10として、シリコン基板を用いた場合では、シリコンが導電性材料であるため絶縁膜12の形成が必須である。
ただし基板10として絶縁性の基板を使用した場合では、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する必要がない(後の工程で有底穴11に充填する導体と基板とが短絡する可能性がないため)ので、本工程(絶縁膜の形成工程)を省略することはできる。
(1−5)第一の材料の充填工程(図2(e))
次に、第一の材料13を、有底穴11の底面部11aに充填する(図2(e))。第一の材料13は、印刷法、ディスペンサー、インクジェット等を用いて充填する。有底穴11の底面部11aに充填する第一の材料13としては、破壊じん性が基板10と近い材料が挙げられる。尚、第一の材料13の詳細については、後述する。
次に、第一の材料13を、有底穴11の底面部11aに充填する(図2(e))。第一の材料13は、印刷法、ディスペンサー、インクジェット等を用いて充填する。有底穴11の底面部11aに充填する第一の材料13としては、破壊じん性が基板10と近い材料が挙げられる。尚、第一の材料13の詳細については、後述する。
(1−6)第二の材料の充填工程(図2(f))
次に、第二の材料14を、有底穴11の側壁部11bに充填する(図2(f))。第二の材料14は、ペースト状にした金属材料(導電性ペースト)の充填埋込み、化学めっき法、電気めっき法等を用いて充填する。これによりマイクロ構造体が得られる。有底穴11の側壁部11bに充填する第二の材料14としては、金属材料等の導体が挙げられる。尚、基板10の表面側に第二の材料14が付着している場合は、次の工程(研削工程)を行う前に、基板10の表面側に付着した第二の材料を除去しておくのが好ましい。基板10の表面側に第二の材料14以外の材料(絶縁層12等の構成材料)が付着している場合も同様である。また第二の材料14となる導体の詳細については、後述する。
次に、第二の材料14を、有底穴11の側壁部11bに充填する(図2(f))。第二の材料14は、ペースト状にした金属材料(導電性ペースト)の充填埋込み、化学めっき法、電気めっき法等を用いて充填する。これによりマイクロ構造体が得られる。有底穴11の側壁部11bに充填する第二の材料14としては、金属材料等の導体が挙げられる。尚、基板10の表面側に第二の材料14が付着している場合は、次の工程(研削工程)を行う前に、基板10の表面側に付着した第二の材料を除去しておくのが好ましい。基板10の表面側に第二の材料14以外の材料(絶縁層12等の構成材料)が付着している場合も同様である。また第二の材料14となる導体の詳細については、後述する。
(1−7)研削工程(図2(g))
次に、基板10の裏面側、即ち、前工程(第二の材料の充填工程)を行った段階で基板10が有する二つの面のうち第二の材料14が視認できない方の面から研削を行う。本工程(研削工程)では、基板10の一部、具体的には、基板10の裏面側部分が除去される。また有底穴11の底面部11aに設けられている絶縁層12及び第一の材料13も同時に除去される。尚、本工程(研削工程)は、基板10の裏面側から第二の材料14が視認できるようになった時点で終了する(図2(g))。
次に、基板10の裏面側、即ち、前工程(第二の材料の充填工程)を行った段階で基板10が有する二つの面のうち第二の材料14が視認できない方の面から研削を行う。本工程(研削工程)では、基板10の一部、具体的には、基板10の裏面側部分が除去される。また有底穴11の底面部11aに設けられている絶縁層12及び第一の材料13も同時に除去される。尚、本工程(研削工程)は、基板10の裏面側から第二の材料14が視認できるようになった時点で終了する(図2(g))。
ところで、基板10の裏面側は、研削を終了した時点で研削によるダメージ(傷等)が生じていることがある。このダメージが生じていた場合、このダメージを除去するために、化学機械的研磨(CMP)を用いて基板10の裏面を基板10の裏面側にて表出する第二の材料14と同時に研磨して上記ダメージを除去する工程(鏡面化工程)を追加して行う。
以上の工程により、第二の材料14からなる貫通電極を有する貫通電極付基板が得られる。
(1−8)構成材料の破壊じん性について
次に、基板10、第一の材料13及び第二の材料14についてそれぞれ要求される構成材料の破壊じん性の観点から説明する。
次に、基板10、第一の材料13及び第二の材料14についてそれぞれ要求される構成材料の破壊じん性の観点から説明する。
基板10として想定される材料として、シリコン、ガラス、セラミックス等が挙げられるが、シリコン及びガラスの破壊じん性は、約0.8(MPa・m1/2)であり、セラミックスでは2〜10(MPa・m1/2)である。
第一の材料13としては、研削工程にて基板10(の裏面側部分)と同時に研削されることを考慮して、破壊じん性が基板10と近い材料、好ましくは、破壊じん性が基板10とほぼ同じ材料を選択する必要がある。破壊じん性が基板10と近い材料を選択することで、TTVを小さく抑えることができるからである。具体的には、窒化シリコン(4MPa・m1/2)等の窒化物、酸化シリコン、酸化マグネシウム等の酸化物(約0.5〜5MPa・m1/2)、エポキシ、ポリスチレン、アクリル等樹脂材料(約0.5〜8MPa・m1/2)、炭化シリコン、窒化シリコン、アルミナ等のセラミックス(2〜10MPa・m1/2)等が挙げられる。
第二の材料14は、貫通電極付基板を作製する際に、基板10が有する貫通電極として機能する。このため、第二の材料14として、導体が挙げられ、好ましくは、金属材料である。第二の材料14として使用され得る金属材料として、銅、ニッケル、すず、金、銀等が挙げられる。尚、上述した金属材料の破壊じん性は、およそ50〜200である。このため、金属材料は、基板10と比較して破壊じん性が明らかに大きいといえる。
ここで、有底穴11の側壁部11bだけでなく底面部11aに至るまでCuを充填した場合について、特に、基板10の裏面側から基板10を加工したときの問題点について、実験結果を基に説明する。
シリコン基板(基板10)として、6インチ単結晶Siウエハ(P型シリコン基板、比抵抗:0.1Ω・cm〜0.2Ω・cm、厚さ:625μm)を用意し、このシリコン基板に有底穴11(口径:50μmΦ、深さ:160μm)を形成した。このとき有底穴11の断面形状は、図3に示されるように底面部11aが断面略半球形状であり、側壁近傍の深さは中央部と比較して約5μm浅かった。この有底穴11にCuを充填した後、基板10の裏面から475μmシリコン基板を研削し、次いでシリコン基板及びシリコン基板の裏面側から表出したCuについてCMPを5μm以上行った。その結果、シリコン基板、特に、シリコン基板の裏面の平坦性は不良であった。また研削の範囲をシリコン基板の裏面側から480μm以上とした(その後行うCMPの範囲は、5μm以上)場合には、平坦性はさらに悪化して数μmのTTVが観察された。
以上の説明からすると、基板10の裏面から研削する際に基板10の裏面側に凹凸が発生することがある。この凹凸は、基板10と基板10内に充填されている材料(第二の材料14)との研削速度の差が大きいことによって発生するものと考えられる。またこの研削速度の差は、研削工程(又は研削工程後に行われるCMP)によって加工される材料の破壊じん性の違いに原因があると考えられる。このため本発明において、基板10の裏面側から研削する際に基板10の裏面側に発生し得る凹凸を低減するためには、基板10、第一の材料13及び第二の材料14には、下記(i)及び(ii)に示す関係が必要である。
(i)有底穴11の底面部11aに充填される第一の材料13の破壊じん性が、側壁部11bに充填される第二の材料14の破壊じん性よりも小さいこと
(ii)基板10と第一の材料13との破壊じん性の差が、基板10と第二の材料14との破壊じん性の差よりも小さいこと
(i)有底穴11の底面部11aに充填される第一の材料13の破壊じん性が、側壁部11bに充填される第二の材料14の破壊じん性よりも小さいこと
(ii)基板10と第一の材料13との破壊じん性の差が、基板10と第二の材料14との破壊じん性の差よりも小さいこと
(i)及び(ii)に示す関係を満たすことで、基板10と有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13との研削速度の差は、有底穴11の底面部11aにCu等の金属材料を充填するときと比べて小さくなる。このため、基板10の破壊じん性に基づいて基板10の裏面側を研削する際に、有底穴11の底面部11aに充填される第一の材料13も基板10と同時に除去される。従って、基板10の裏面側に発生し得る凹凸は緩和される。基板10と第一の材料13との破壊じん性の差は、好ましくは、10MPa・m1/2以下である。また第一の材料13として、好ましくは、非金属材料である。
尚、基板10の研削においては、切削砥石の目づまり等により、基板10の裏面側を平滑に研削することができない場合があり、その結果、製造される貫通電極付基板の性能が低下することがある。本発明においては、切削砥石の目づまり等をも考慮した上で、第一の材料13を適宜選択することが望ましい。
また第一の材料13を充填した後にさらにレベリングにより充填されている第一の材料13の表面を平坦化した後に、第一の材料13の上に第二の材料14を充填してもよい。これにより、有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13の深さばらつきが緩和されるため、研削後の基板10の裏面の平坦度はより向上する。
以上により、研削工程において除去が必要な有底穴11の底面部11aに、基板10との破壊じん性の差が小さい材料、具体的には、基板10との破壊じん性の差が10MPa・m1/2以下の材料を第一の材料13として充填させる。こうすれば基板10と第一の材料13との間における研削速度の差がさほどないので、研削工程において基板10の裏面側を研削して基板10を薄板化する際に、平坦性を維持しながら薄板化することができる。
よって、本実施形態の製造方法にて製造された貫通電極付基板は、平坦性が高く、複数枚積層したとしても高さばらつきが小さくなる。
<第二の実施形態>
図4は、本発明の貫通電極付基板の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。以下、本実施形態の具体的な内容について、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
図4は、本発明の貫通電極付基板の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。以下、本実施形態の具体的な内容について、第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
(2−1)基板(図4(a))
本実施形態においても第一の実施形態と同様にマイクロ構造体を作製する必要があるが、このマイクロ構造体を作製する際に用意する基板10としては、シリコン、ガラス、セラミックス等が好適である。以下、具体例としてシリコン基板を用いた場合について説明していくが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態においても第一の実施形態と同様にマイクロ構造体を作製する必要があるが、このマイクロ構造体を作製する際に用意する基板10としては、シリコン、ガラス、セラミックス等が好適である。以下、具体例としてシリコン基板を用いた場合について説明していくが、本発明はこれに限定されるものではない。
(2−2)レジスト層の形成工程(図4(b))
次に、基板10上に、レジスト材料を塗布し、露光・現像を行って所望のパターン形状を有するマスクパターン20を形成する(図4(b))。尚、マスクパターン20は、有底穴11を設ける領域に開口を備えるパターン形状を有している。
次に、基板10上に、レジスト材料を塗布し、露光・現像を行って所望のパターン形状を有するマスクパターン20を形成する(図4(b))。尚、マスクパターン20は、有底穴11を設ける領域に開口を備えるパターン形状を有している。
(2−3)有底穴の形成工程(図4(c))
次に、エッチング等により、基板10を表面から加工して、表面から所望深さまで有底穴11を形成する(図4(c))。尚、有底穴11の形成方法としては、第一の実施形態と同様の方法を用いることができる。
次に、エッチング等により、基板10を表面から加工して、表面から所望深さまで有底穴11を形成する(図4(c))。尚、有底穴11の形成方法としては、第一の実施形態と同様の方法を用いることができる。
(2−4)絶縁膜の形成工程(図4(d))
次に、基板10上に設けられていたレジスト層20を除去した後、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する(図4(d))。
次に、基板10上に設けられていたレジスト層20を除去した後、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する(図4(d))。
絶縁膜12の成膜方法としては、第一の実施形態と同様の方法を用いることができる。尚、絶縁膜12は、基板10が導電性を有する場合に、後の工程で有底穴11に充填する導体と基板とが短絡するのを防ぐために設けられる。基板10として、シリコン基板を用いた場合では、シリコンが導電性材料であるため絶縁膜12の形成が必須である。
ただし基板10として絶縁性の基板を使用した場合では、有底穴11の側壁及び底面に絶縁膜12を成膜する必要がない(後の工程で有底穴11に充填する導体と基板とが短絡する可能性がないため)ので、本工程(絶縁膜の形成工程)を省略することはできる。
(2−5)めっきシードの形成工程(図4(e))
次に、有底穴11の底面部以外の領域(基板10の表面、有底穴11の側壁部11b)にめっきシード21を形成する(図4(e))。めっきシード21の構成材料としては、
次の工程で、有底穴11の側壁部11bに充填される第二の材料14と密着性がよく電気抵抗が低い材料が選択される。例えば、TaN等の遷移金属の窒化物が挙げられる。また電気抵抗を下げる為にTaN等の遷移金属の窒化物からなる膜と銅等の金属材料からなる膜とを積層してなる積層体も、めっきシード21として好適に使用することができる。めっきシード21の形成方法としては、斜方スパッタ、斜方蒸着等を用いることができる。尚、めっきシード21を形成する際には、有底穴11の側壁部11bに成膜され、かつ有底穴11の底面部11aに成膜されないように選択的に成膜する。
次に、有底穴11の底面部以外の領域(基板10の表面、有底穴11の側壁部11b)にめっきシード21を形成する(図4(e))。めっきシード21の構成材料としては、
次の工程で、有底穴11の側壁部11bに充填される第二の材料14と密着性がよく電気抵抗が低い材料が選択される。例えば、TaN等の遷移金属の窒化物が挙げられる。また電気抵抗を下げる為にTaN等の遷移金属の窒化物からなる膜と銅等の金属材料からなる膜とを積層してなる積層体も、めっきシード21として好適に使用することができる。めっきシード21の形成方法としては、斜方スパッタ、斜方蒸着等を用いることができる。尚、めっきシード21を形成する際には、有底穴11の側壁部11bに成膜され、かつ有底穴11の底面部11aに成膜されないように選択的に成膜する。
(2−6)第二の材料の充填工程(図2(f))
次に、第二の材料14を、有底穴11の側壁部11bに充填する(図2(f))。第二の材料14は、化学めっき、電気めっき等のめっき法を用いて充填する。これによりマイクロ構造体が得られる。有底穴11の側壁部11bに充填する第二の材料14としては、Cu、Au、Ag,Ni、Sn等の導体が挙げられる。めっき法は、めっき液に浸漬された部分においてめっき液に含まれる金属成分を成膜することができる。このため本実施形態においては、有底穴11の側壁部11bをめっき液に浸漬させつつ底面部11aにはめっき液を浸漬させないようにすれば、有底穴11の側壁部11bに選択的に第二の材料14を充填させることができる。
次に、第二の材料14を、有底穴11の側壁部11bに充填する(図2(f))。第二の材料14は、化学めっき、電気めっき等のめっき法を用いて充填する。これによりマイクロ構造体が得られる。有底穴11の側壁部11bに充填する第二の材料14としては、Cu、Au、Ag,Ni、Sn等の導体が挙げられる。めっき法は、めっき液に浸漬された部分においてめっき液に含まれる金属成分を成膜することができる。このため本実施形態においては、有底穴11の側壁部11bをめっき液に浸漬させつつ底面部11aにはめっき液を浸漬させないようにすれば、有底穴11の側壁部11bに選択的に第二の材料14を充填させることができる。
(2−7)研削工程(図2(g))
次に、基板10の裏面側、即ち、前工程(第二の材料の充填工程)を行った段階で基板10が有する二つの面のうち第二の材料14が視認できない方の面から研削を行う。本工程(研削工程)では、基板10の一部、具体的には、基板10の裏面側部分が除去される。本工程(研削工程)は、研削工程で使用される研削刃は第二の材料14に当たる直前の時点で終了する(図2(g))。ここで基板10の裏面側部分が研削される際に、有底穴11の底面部11aは空洞となっているので、有底穴11の底面部11aの状態を考慮することなく本工程を行うことができる。
次に、基板10の裏面側、即ち、前工程(第二の材料の充填工程)を行った段階で基板10が有する二つの面のうち第二の材料14が視認できない方の面から研削を行う。本工程(研削工程)では、基板10の一部、具体的には、基板10の裏面側部分が除去される。本工程(研削工程)は、研削工程で使用される研削刃は第二の材料14に当たる直前の時点で終了する(図2(g))。ここで基板10の裏面側部分が研削される際に、有底穴11の底面部11aは空洞となっているので、有底穴11の底面部11aの状態を考慮することなく本工程を行うことができる。
尚、基板10の表面側に存在し得る不要な第二の材料14及びめっきシード21は、本工程を行う前あるいは後において除去しておくのが好ましい。
一方、本工程を行った後、研削時にて生じた基板10の裏面に生じたダメージを除去するために、さらに化学機械的研磨(CMP)を行う。この化学機械的研磨によって基板10を構成するシリコンの一部と銅(第二の材料14)の一部を同時に除去して基板10の裏面を鏡面化することができる。尚、化学機械研磨は、化学反応を制御することにより、導体である第二の材料14と基板10との研磨速度をほぼ等価に制御することができる。
以上に説明した方法により製造された本実施形態の貫通電極付基板は、平坦性が高く、複数枚積層したとしても高さばらつきが小さくなる。
[実施例1]
図5は、本実施例(実施例1)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図5を適宜参照しながら本実施例について説明する。
図5は、本実施例(実施例1)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図5を適宜参照しながら本実施例について説明する。
(1)基板(図5(a))
基板10(図5(a))として、シリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、比抵抗0.1Ω・cm〜0.2Ω・cm、厚さ625μmのP型の単結晶Siウエハである。
基板10(図5(a))として、シリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、比抵抗0.1Ω・cm〜0.2Ω・cm、厚さ625μmのP型の単結晶Siウエハである。
(2)レジスト層の形成工程(図5(b))
次に、基板10上に、レジスト(AZ1500)を塗布し、露光・現像を行うことで、Φ50μmの開口20aを有するレジスト層20を形成した(図5(b))。
次に、基板10上に、レジスト(AZ1500)を塗布し、露光・現像を行うことで、Φ50μmの開口20aを有するレジスト層20を形成した(図5(b))。
(3)有底穴の形成工程(図5(c))
次に、ICP−RIE法を用いて、基板10の表面側のうち開口20aを介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ50μmの有底穴11を形成した(図5(c))。このとき基板10の加工においてCl2/O2系のガスを使用し、有底穴11の深さは160μmであった。尚、有底穴11の側壁の近傍には、エッチングイオンが見込角の違いにより届きにくく、エッチング速度が遅くなる。このため、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、中央部よりも周縁部の深さが浅くなる半球状の形状となった。尚、図3に示される有底穴11の底面部11aの形態(半球状)は、有底穴11の深さや、有底穴11の口径によっても変化するが、周縁部と中央部との深さの差は、有底穴11の深さが深いほど、あるいは有底穴11の口径が小さいほど顕著になる。本実施例にて形成された有底穴11(Φ:50μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約5μmであった。
次に、ICP−RIE法を用いて、基板10の表面側のうち開口20aを介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ50μmの有底穴11を形成した(図5(c))。このとき基板10の加工においてCl2/O2系のガスを使用し、有底穴11の深さは160μmであった。尚、有底穴11の側壁の近傍には、エッチングイオンが見込角の違いにより届きにくく、エッチング速度が遅くなる。このため、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、中央部よりも周縁部の深さが浅くなる半球状の形状となった。尚、図3に示される有底穴11の底面部11aの形態(半球状)は、有底穴11の深さや、有底穴11の口径によっても変化するが、周縁部と中央部との深さの差は、有底穴11の深さが深いほど、あるいは有底穴11の口径が小さいほど顕著になる。本実施例にて形成された有底穴11(Φ:50μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約5μmであった。
次に、剥離液を用いてレジスト層20を除去した。
(4)絶縁膜の形成工程(図5(d))
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は5μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する。尚、BPSG膜は、図6(a)に示されるように、有底穴11の側壁及び底面に成膜されていた。
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は5μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する。尚、BPSG膜は、図6(a)に示されるように、有底穴11の側壁及び底面に成膜されていた。
次に、基板10を900℃で加熱処理した(レベリング)。この加熱処理によって、材料自体の粘度が低下するので、BPSG膜(絶縁膜12)の一部が流動して有底穴11の底面部11aに充填された。これにより、加熱処理前では、図6(a)に示されるように平坦ではなかったBPSG膜は、有底穴11の底面部11aを充填し、膜の表面が平坦化された(図5(d)、図6(b))。つまり、この熱処理によって、前工程(有底穴の形成工程)においてBPSG膜を成膜した際に生じた有底穴11の周縁部と中央部との深さの差(深さばらつき)は改善されていた。
尚、本実施例においては、ガラス転移点の低い絶縁性材料で絶縁層12を形成すれば、より低温で有底穴11の底面部11aを充填するBPSG膜の面を平坦化することができる。例えば、AsSG(Arsenosilicate―Glass)膜やAsPSG(Arseno−Phosphosilicate―Glass)膜が挙げられる。
(5)第二の材料の充填工程(図5(e)〜(f))
次に、スパッタ法により、基板10の表面にTaNとCuとを順次成膜して、TaN膜及びCu膜を形成した。このときTaN膜は10nmであり、Cu膜は100nmであった。尚、TaN膜とCu膜とからなる積層膜は、本工程(第二の材料の充填工程)において金属導体からなる第二の材料14を充填する際に使用されるめっきシード21として機能する(図5(e))。
次に、スパッタ法により、基板10の表面にTaNとCuとを順次成膜して、TaN膜及びCu膜を形成した。このときTaN膜は10nmであり、Cu膜は100nmであった。尚、TaN膜とCu膜とからなる積層膜は、本工程(第二の材料の充填工程)において金属導体からなる第二の材料14を充填する際に使用されるめっきシード21として機能する(図5(e))。
次に、電気めっきにて有底穴11にCu(第二の材料14)を充填した(図5(f))。このときめっき液内に含まれる硫酸銅、硫酸及び塩素の含有量は、それぞれ200g/L、50g/L、50mg/Lであり、電流密度は2ASDとし、めっき処理に要した時間を90分とした。
次に、基板10の表面側を加工処理して、基板10の表面側に存在する第二の材料(Cu膜)、めっきシード21及び絶縁膜12(BPSG膜)を除去した。
(6)研削工程(図5(g))
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている絶縁層12も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている絶縁層12も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、CMPを行い、基板10(シリコン基板)の裏面側と第二の材料14(Cu)とを同時に3μm研磨して鏡面化を行った(図5(g))。これにより、基板10の研削の際に、基板10の裏面に生じた傷(破砕層)は、除去された。尚、CMP(化学機械研磨)による鏡面化を行う際には、化学反応を制御することにより、第二の材料14(Cu)と基板10(シリコン基板)との研磨速度をほぼ等価に制御することができる。
最後に、基板10の裏面側に絶縁膜を形成する(不図示)ことにより、TTVが1.5μm以下であって銅導体の貫通電極を有する基板10(シリコン基板)を作製することができた。
(7)マイクロ構造体の構成材料の破壊じん性について
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表1に示される通りである。
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表1に示される通りである。
上記表1より、シリコン基板(基板10)とBPSG(第一の材料13)との破壊じん性の差は2.2(MPa・m1/2)であり、これは、シリコン基板(基板10)とCu(第二の材料14)との破壊じん性の差(97MPa・m1/2)よりも小さい。また基板10と第一の材料13との破壊じん性の差が10(MPa・m1/2)以下となった。以上より、基板10の裏面側に凹凸が生じることなく基板10を薄くすることができた。
以上により、本実施例にて作製された形成した貫通電極基板は、貫通電極を有するシリコンインターポーザとして使用できる。
[実施例2]
図7は、本実施例(実施例2)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図7を適宜参照しながら本実施例について説明する。
図7は、本実施例(実施例2)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図7を適宜参照しながら本実施例について説明する。
(1)基板(図7(a))
基板10(図7(a))として、回路が含まれるシリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、厚さ625μmの単結晶Siウエハである。
基板10(図7(a))として、回路が含まれるシリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、厚さ625μmの単結晶Siウエハである。
(2)有底穴の形成工程(図7(b))
次に、実施例1と同様の方法により、基板10の所定の部位を部分的に除去して、Φ100μmの有底穴11を形成した(図7(b))。このとき有底穴11の深さは160μmであった。尚、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。また本実施例にて形成された有底穴11(Φ:100μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約9μmであった。
次に、実施例1と同様の方法により、基板10の所定の部位を部分的に除去して、Φ100μmの有底穴11を形成した(図7(b))。このとき有底穴11の深さは160μmであった。尚、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。また本実施例にて形成された有底穴11(Φ:100μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約9μmであった。
(3)絶縁膜の形成工程(図7(c))
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は1μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する(図7(c))。
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は1μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する(図7(c))。
(4)第一の材料の充填工程(図7(d))
次に、ディスペンサーを用いて、有底穴11の内部に、第一の材料13であるエポキシ樹脂系のレジスト(商品名:SU−8)を滴下した。ここで使用したレジスト(SU―8)は粘度が低いため、滴下後にレベリング作用が発生し表面が平坦化した(図7(d))。尚、絶縁膜12を形成した後、有低穴11の側壁面についてフッ素系撥液材等で撥液処理を行うと、さらにレベリング性を増加させることが可能である。次に、150℃で10分間ベークしてこのレジストを硬化させた。これにより、有底穴11の底面部11aに第一の材料13(エポキシ樹脂系のレジスト)を充填させた。
次に、ディスペンサーを用いて、有底穴11の内部に、第一の材料13であるエポキシ樹脂系のレジスト(商品名:SU−8)を滴下した。ここで使用したレジスト(SU―8)は粘度が低いため、滴下後にレベリング作用が発生し表面が平坦化した(図7(d))。尚、絶縁膜12を形成した後、有低穴11の側壁面についてフッ素系撥液材等で撥液処理を行うと、さらにレベリング性を増加させることが可能である。次に、150℃で10分間ベークしてこのレジストを硬化させた。これにより、有底穴11の底面部11aに第一の材料13(エポキシ樹脂系のレジスト)を充填させた。
(5)第二の材料の充填工程(図7(e)〜(f))
次に、実施例1と同様の方法により、めっきシード21を形成した(図5(e))。次に、実施例1と同様の方法により、有底穴11にCu(第二の材料14)を充填した(図7(f))。
次に、実施例1と同様の方法により、めっきシード21を形成した(図5(e))。次に、実施例1と同様の方法により、有底穴11にCu(第二の材料14)を充填した(図7(f))。
次に、基板10の表面側を加工処理して、基板10の表面側に存在する第二の材料(Cu膜)、めっきシード21及び絶縁膜12(BPSG膜)を除去した。
(6)研削工程(図7(g))
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、CMPを行い、基板10(シリコン基板)の裏面側と第二の材料14(Cu膜)とを同時に3μm研磨して鏡面化を行った(図7(g))。これにより、基板10の研削の際に、基板10の裏面に生じた傷(破砕層)は、除去された。尚、CMP(化学機械研磨)による鏡面化を行う際には、化学反応を制御することにより、第二の材料14(Cu膜)と基板10(シリコン基板)との研磨速度をほぼ等価に制御することができる。
最後に、基板10の裏面側に絶縁膜を形成する(不図示)ことにより、TTVが1.5μm以下であって銅導体の貫通電極を有する基板10(シリコン基板)を作製することができた。
(7)マイクロ構造体の構成材料の破壊じん性について
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表2に示される通りである。
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表2に示される通りである。
上記表1より、シリコン基板(基板10)とBPSG(第一の材料13)との破壊じん性の差は0.2(MPa・m1/2)であり、これは、シリコン基板(基板10)とCu(第二の材料14)との破壊じん性の差(99MPa・m1/2)よりも小さい。
また基板10と第一の材料13との破壊じん性の差が10(MPa・m1/2)以下となった。以上より、基板10の裏面側に凹凸が生じることなく基板10を薄くすることができた。
[比較例1]
実施例2において、第一の材料の充填工程を省略したことを除いては、実施例2と同様の方法により貫通電極を有する基板10を作製した。
実施例2において、第一の材料の充填工程を省略したことを除いては、実施例2と同様の方法により貫通電極を有する基板10を作製した。
本比較例では、研削工程後の基板10の裏面側において平均5μmの凹凸が現れた。これは、研削工程において、破壊じん性の差が大きい二つの材料、即ち、シリコン基板(基板10、破壊じん性:0.8MPa・m1/2)と、Cu(第二の材料14、破壊じん性:100MPa・m1/2)を同時に研削したからである。つまり、本比較例では、研削工程では、シリコン基板とCuとを同時に研削することになるが、破壊じん性が高いCuの研削速度が遅くなるため、基板10の表面には凸形状のCuが現れた。尚、研削工程において生じた凹凸については、その後のCMPでの鏡面化を行っても平坦化することはできなかった。
[実施例3]
図8は、本実施例(実施例3)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図8を適宜参照しながら本実施例について説明する。
図8は、本実施例(実施例3)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図8を適宜参照しながら本実施例について説明する。
(1)基板
基板10として、ガラス基板を用意した。尚、このガラス基板は、直径4インチ、厚さ300μmのソーダガラス製基板である。
基板10として、ガラス基板を用意した。尚、このガラス基板は、直径4インチ、厚さ300μmのソーダガラス製基板である。
(2)保護フィルムの貼り付け工程
次に、基板10上に、ドライフェルムを貼り付けた後、露光現像を行い、Φ100μmの開口を有するマスクパターンを形成した(不図示)。
次に、基板10上に、ドライフェルムを貼り付けた後、露光現像を行い、Φ100μmの開口を有するマスクパターンを形成した(不図示)。
(3)有底穴の形成工程(図8(a))
次に、サンドブラストを用いて、基板10の表面のうちマスクパターンが有する開口を介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ100μm、深さ150μmの有底穴11を形成した(図8(a))。このとき形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。
次に、サンドブラストを用いて、基板10の表面のうちマスクパターンが有する開口を介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ100μm、深さ150μmの有底穴11を形成した(図8(a))。このとき形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。
次に、ドライフィルムを除去した。
(4)第一の材料の充填工程(図8(b)〜(c))
次に、スクリーン印刷により、有底穴11の内部に、第一の材料13であるアクリル樹脂と溶剤とからなる樹脂ペースト13aを滴下した(図8(b))。尚、本工程におけるスクリーン印刷の条件は、以下の通りである。
第一の材料を溶解するために使用した溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソボルニルシクロヘキサノール
スキージ速度:20mm/sec
クリアランス:5mm
押し込み量:4mm
印圧:5Kg
次に、スクリーン印刷により、有底穴11の内部に、第一の材料13であるアクリル樹脂と溶剤とからなる樹脂ペースト13aを滴下した(図8(b))。尚、本工程におけるスクリーン印刷の条件は、以下の通りである。
第一の材料を溶解するために使用した溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソボルニルシクロヘキサノール
スキージ速度:20mm/sec
クリアランス:5mm
押し込み量:4mm
印圧:5Kg
次に、150℃で15分間熱処理を行い、溶剤を揮発させると共に、ペーストの平坦化を行った。ところで、樹脂ペースト13aに含有しているイソボルニルシクロヘキサノールは、テルペン系の有機溶媒で常温では非常に高粘度(常温で1000Pa・s)であるが、温度の上昇とともに急激に粘度が減少する。具体的には、100℃以上になると0.1Pa・s以下の極めて低い粘度になる。このため、樹脂ペースト13aは、上記熱処理工程において粘度が大きく減少し、さらに体積も減少した。その結果、乾燥した樹脂ペースト13aは、有底穴11の底面部11aを充填すると共に、その表面はレベリング作用により平坦化した(図8(c))。尚、樹脂ペースト13aを充填する前に有底穴11の側壁面にフッ素系撥液材等で撥液処理を行ってもよい。この撥液処理を行うことにより、さらに第一の材料13の表面のレベリング性を増加させることが可能である。
(5)第二の材料の充填工程(図8(d))
次に、スクリーン印刷により、平坦化した第一の材料13の上に、金属材料(第二の材料14)であるAgペーストを埋め込んだ。次に、Agペーストを乾燥硬化することにより、有底穴11の側壁に11bに第二の材料14(Ag)を充填させた(図8(d))。
次に、スクリーン印刷により、平坦化した第一の材料13の上に、金属材料(第二の材料14)であるAgペーストを埋め込んだ。次に、Agペーストを乾燥硬化することにより、有底穴11の側壁に11bに第二の材料14(Ag)を充填させた(図8(d))。
次に、基板10の表面側を加工処理して、基板10の表面側に存在する第二の材料(Cu膜)、めっきシード21及び絶縁膜12(BPSG膜)を除去した。
(6)研削工程(図8(e))
次に、実施例2と同様の方法で基板10の裏面側を研削して、基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(ソーダガラス製基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、実施例2と同様の方法で基板10の裏面側を研削して、基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(ソーダガラス製基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている第一の材料13も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、実施例2と同様の方法でCMPを行い、基板10(ソーダガラス製基板)の鏡面化を行った(図8(e))。尚、CMP(化学機械研磨)による鏡面化を行う際には、化学反応を制御することにより、第二の材料14(Ag)と基板10(ソーダガラス製基板)との研磨速度をほぼ等価に制御することができる。
(7)マイクロ構造体の構成材料の破壊じん性について
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表3に示される通りである。
ところで、本実施例にて使用し、マイクロ構造体を構成する材料の破壊じん性は、下記表3に示される通りである。
上記表1より、ソーダガラス製基板(基板10)とアクリル樹脂(第一の材料13)との破壊じん性の差は1.3(MPa・m1/2)である。これは、ソーダガラス製基板基板(基板10)とAg(第二の材料14)との破壊じん性の差(98MPa・m1/2)よりも小さい。
また基板10と第一の材料13との破壊じん性の差が10(MPa・m1/2)以下となった。以上より、基板10の裏面側に凹凸が生じることなく(TTV=1.5μm以下)基板10を薄くすることができた。
以上より、本実施例に基づいて作製された貫通電極付基板は高さばらつきが低減されているので、複数枚積層した場合においても精度良く積層することができ高精度の三次元実装が可能となる。
[実施例4]
図9は、本実施例(実施例4)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図9を適宜参照しながら本実施例について説明する。
図9は、本実施例(実施例4)における貫通電極付基板の製造プロセスを示す断面図である。以下、図9を適宜参照しながら本実施例について説明する。
(1)基板(図9(a))
基板10(図9(a))として、シリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、比抵抗0.1Ω・cm〜0.2Ω・cm、厚さ625μmのP型の単結晶Siウエハである。
基板10(図9(a))として、シリコン基板を用意した。尚、このシリコン基板は、直径6インチ、比抵抗0.1Ω・cm〜0.2Ω・cm、厚さ625μmのP型の単結晶Siウエハである。
(2)レジスト層の形成工程(図9(b))
次に、基板10上に、レジスト(AZ1500)を塗布し、露光現像を行うことで、Φ50μmの開口20aを有するレジスト層20を形成した(図9(b))。
次に、基板10上に、レジスト(AZ1500)を塗布し、露光現像を行うことで、Φ50μmの開口20aを有するレジスト層20を形成した(図9(b))。
(3)有底穴の形成工程(図9(c))
次に、ICP−RIE法を用いて、基板10の表面のうち開口20aを介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ50μmの有底穴11を形成した(図9(c))。このとき基板10の加工においてCl2/O2系のガスを使用し、有底穴11の深さは160μmであった。尚、有底穴11の側壁の近傍には、エッチングイオンが見込角の違いにより届きにくく、エッチング速度が遅くなる。このため、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。尚、図3に示される有底穴11の底面部11aの形態(半球状)は、有底穴11の深さや、有底穴11の口径によっても変化するが、周縁部と中央部との深さの差は、有底穴11の深さが深いほど、あるいは有底穴11の口径が小さいほど顕著になる。本実施例にて形成された有底穴11(Φ:50μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約5μmであった。
次に、ICP−RIE法を用いて、基板10の表面のうち開口20aを介して露出している領域について基板10を部分的に除去して、Φ50μmの有底穴11を形成した(図9(c))。このとき基板10の加工においてCl2/O2系のガスを使用し、有底穴11の深さは160μmであった。尚、有底穴11の側壁の近傍には、エッチングイオンが見込角の違いにより届きにくく、エッチング速度が遅くなる。このため、形成された有底穴11は、図3に示されるように、底面部11aが、周縁部が中央部より深さが浅くなる半球状の形状となった。尚、図3に示される有底穴11の底面部11aの形態(半球状)は、有底穴11の深さや、有底穴11の口径によっても変化するが、周縁部と中央部との深さの差は、有底穴11の深さが深いほど、あるいは有底穴11の口径が小さいほど顕著になる。本実施例にて形成された有底穴11(Φ:50μm、深さ:160μm)の場合、有底穴11の周縁部と中央部との深さの差は約5μmであった。
次に、剥離液を用いてレジスト層20を除去した。
(4)絶縁膜の形成工程(図9(d))
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は1μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する。
次に、PE−CVDにより、BPSG膜を成膜した。このときBPSG膜の膜厚は1μmであった。尚、BPSG膜は、絶縁膜12として機能する。
(5)めっきシードの形成工程(図9(e))
次に、斜方蒸着により、基板10の表面にTaNとCuとを順次成膜して、TaN膜及びCu膜を形成した。このときTaN膜は10nmであり、Cu膜は100nmであった。尚、TaN膜とCu膜とからなる積層膜は、本工程(第二の材料の充填工程)において金属導体からなる第二の材料14を充填する際に使用されるめっきシード21として機能する(図4(e))。ところで、斜方蒸着とは、有底穴11の鉛直方向より斜方に蒸着粒子が入射するように基板10を傾斜させた状態で蒸着を行う方法である。この方法を用いれば、めっきシード21を構成する材料が、有底穴11の側壁部11bにのみ成膜されるように(有底穴11の底面部11aに付かないように)成膜することができる。具体的には、蒸着粒子の入射方向が有底穴11の鉛直方向より18°となるように基板10を傾けた上で蒸着粒子を入射させ、有底穴11の表面より150μm深さの範囲において有底穴11の側壁部11bにめっきシード21が形成された(図9(d))。
次に、斜方蒸着により、基板10の表面にTaNとCuとを順次成膜して、TaN膜及びCu膜を形成した。このときTaN膜は10nmであり、Cu膜は100nmであった。尚、TaN膜とCu膜とからなる積層膜は、本工程(第二の材料の充填工程)において金属導体からなる第二の材料14を充填する際に使用されるめっきシード21として機能する(図4(e))。ところで、斜方蒸着とは、有底穴11の鉛直方向より斜方に蒸着粒子が入射するように基板10を傾斜させた状態で蒸着を行う方法である。この方法を用いれば、めっきシード21を構成する材料が、有底穴11の側壁部11bにのみ成膜されるように(有底穴11の底面部11aに付かないように)成膜することができる。具体的には、蒸着粒子の入射方向が有底穴11の鉛直方向より18°となるように基板10を傾けた上で蒸着粒子を入射させ、有底穴11の表面より150μm深さの範囲において有底穴11の側壁部11bにめっきシード21が形成された(図9(d))。
図10は、本実施例(実施例4)において、めっきシードを形成した有底穴を示す断面模式図である。本工程において形成されためっきシード21は、有底穴11の深さばらつきに左右されず表面からの一定の深さ範囲において形成される。また各有底穴11の側壁部11bに形成されるめっきシード21は、形成される深さの範囲(図10中のd)が各有底穴11において均一である。このため、次の工程で充填される第二の材料(Cu等の導体)厚さのばらつきが小さくなり、基板10の裏面を研削した際に有底穴11の深さばらつきの影響がなくなる。
(6)第二の材料の充填工程(図9(f))
次に、電気めっきにて有底穴11にCu(第二の材料14)を充填した(図9(f))。このときめっき液内に含まれる硫酸銅、硫酸及び塩素の含有量は、それぞれ200g/L、50g/L、50mg/Lであり、電流密度は2A/dm2とし、めっき処理に要した時間を少なくとも90分とした。尚、電気めっきを行う際に有底穴11の底面部にめっき液が浸らないように基板10の位置を制御した。その結果、第二の材料は、図9(f)に示されるように、有底穴11の側壁部11b(めっきシード21が設けられている場所)に選択的に充填された。
次に、電気めっきにて有底穴11にCu(第二の材料14)を充填した(図9(f))。このときめっき液内に含まれる硫酸銅、硫酸及び塩素の含有量は、それぞれ200g/L、50g/L、50mg/Lであり、電流密度は2A/dm2とし、めっき処理に要した時間を少なくとも90分とした。尚、電気めっきを行う際に有底穴11の底面部にめっき液が浸らないように基板10の位置を制御した。その結果、第二の材料は、図9(f)に示されるように、有底穴11の側壁部11b(めっきシード21が設けられている場所)に選択的に充填された。
次に、基板10の表面側を加工処理して、基板10の表面側に存在する第二の材料(Cu膜)及びめっきシード21を除去した。
(7)研削工程(図9(g))
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている絶縁層12も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、基板10の裏面側を研削して、基板10(シリコン基板)の裏面側部分を475μm除去して基板10の裏面側から第二の材料14を露出させた。尚、この研削の際に、基板10(シリコン基板)と共に、有底穴11の底面部11aに充填されている絶縁層12も除去された。また研削の際に研削速度の違いは発生せず平坦に薄板化することができた。
次に、CMPを行い、基板10(シリコン基板)の裏面側と第二の材料14(Cu膜)とを同時に3μm研磨して鏡面化を行った(図9(g))。これにより、基板10の研削の際に、基板10の裏面に生じた傷(破砕層)は、除去された。尚、CMP(化学機械研磨)による鏡面化を行う際には、化学反応を制御することにより、第二の材料14(Cu膜)と基板10(シリコン基板)との研磨速度をほぼ等価に制御することができる。
最後に、基板10の裏面側に絶縁膜を形成する(不図示)ことにより、TTVが1.5μm以下であって銅導体の貫通電極を有する基板10(シリコン基板)を作製することができた。
[比較例2]
実施例4(6)(第二の材料の充填工程)において、第二の材料を有底穴11の底面部11aまで充填したことを除いては、実施例4と同様の方法により貫通電極を有する基板10を作製した。
実施例4(6)(第二の材料の充填工程)において、第二の材料を有底穴11の底面部11aまで充填したことを除いては、実施例4と同様の方法により貫通電極を有する基板10を作製した。
本比較例では、研削工程後の基板10の裏面側において平均5μmの凹凸が現れた。これは、研削工程において、破壊じん性の差が大きい二つの材料、即ち、シリコン基板(基板10、破壊じん性:0.8MPa・m1/2)と、Cu(第二の材料14、破壊じん性:100MPa・m1/2)を同時に研削したからである。つまり、本比較例では、研削工程では、シリコン基板とCuとを同時に研削することになるが、破壊じん性が高いCuの研削速度が遅くなるため、基板10の表面には凸形状のCuが現れた。この凸形状のCuを除去する為にシリコンとCuとのCMPは5μm以上必要になり、CMP量が増加した。その結果、ウエハ全面の平坦性が実施例4に比べて約2倍悪化した。また本比較例において研磨時間及び消耗品も実施例4と比較して約2倍となりコストが増大する結果となった。
1:マイクロ構造体、10:基板、11:有底穴、12:絶縁膜、13第一の材料、14:第二の材料、20:レジスト層、21:めっきシード層
Claims (18)
- 基板と、
前記基板に複数設けられる有底穴と、
前記有底穴の底面部に充填される第一の材料と、
前記有底穴の側壁部に充填される第二の材料と、を有し、
前記第一の材料の破壊じん性が、前記第二の材料の破壊じん性よりも小さく、
前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が、前記基板と前記第二の材料とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする、マイクロ構造体。 - 前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が10(MPa・m1/2)以下であることを特徴とする、請求項1記載のマイクロ構造体。
- 前記基板が、シリコン、ガラス又はセラミックスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のマイクロ構造体。
- 前記第一の材料が非金属材料であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ構造体。
- 前記非金属材料が、セラミックス、酸化物又は樹脂材料であることを特徴とする、請求項4に記載のマイクロ構造体。
- 前記第二の材料が金属材料であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ構造体。
- 前記第二の材料が、ペースト状の金属材料であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマイクロ構造体。
- 基板の表面側から所定の深さで有底穴を形成する工程と、
前記有底穴の底面部に第一の材料を充填する工程と、
前記有底穴の側壁部に第二の材料を充填する工程と、
前記基板の裏面側を研削する工程と、を有し、
前記基板の裏面側を研削する工程が、前記有底穴に充填された前記第二の材料が露出するまで前記基板の裏面側を研削する工程であり、
前記第一の材料の破壊じん性が、前記第二の材料の破壊じん性よりも小さく、
前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が、前記基板と前記第二の材料とにおける破壊じん性の差よりも小さいことを特徴とする、貫通電極付基板の製造方法。 - 前記基板と前記第一の材料とにおける破壊じん性の差が10(MPa・m1/2)以下であることを特徴とする、請求項8に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記基板が、シリコン、ガラス又はセラミックスであることを特徴とする、請求項8又は9に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記第一の材料が非金属材料であることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記非金属材料が、セラミックス、酸化物又は樹脂材料であることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記第二の材料が金属材料であることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記第二の材料がめっき法により充填されることを特徴とする、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記第二の材料が、ペースト状の金属材料であることを特徴とする、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の貫通電極付基板の製造方法
- 基板の表面側から所定の深さで有底穴を形成する工程と、
前記有底穴の側壁部に導体を充填する工程と、
前記基板の裏面側を研削する工程と、を有することを特徴とする、貫通電極付基板の製造方法。 - 前記導体が、銅、ニッケル、すず、金又は銀であることを特徴とする、請求項16に記載の貫通電極付基板の製造方法。
- 前記基板が、シリコン、ガラス、セラミックスであることを特徴とする、請求項16又は17に記載の貫通電極付基板の製造方法。
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KR101546190B1 (ko) | 2014-06-26 | 2015-08-20 | 성균관대학교산학협력단 | 관통형 전극을 포함하는 기판 구조체 및 이의 제조 방법 |
WO2018088468A1 (ja) * | 2016-11-14 | 2018-05-17 | 旭硝子株式会社 | 非貫通孔を有する基板 |
JP7543004B2 (ja) | 2020-06-19 | 2024-09-02 | キヤノン株式会社 | 基板および液体吐出ヘッドの製造方法 |
-
2012
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