JP2014072343A - 光起電力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収量を高めた光起電力装置を提供する。
【解決手段】光起電力装置100は、受光面側に設けられる支持基板18と、支持基板18上に互いに離間して設けられる複数の光起電力素子70と、支持基板18上であって、光起電力素子70のそれぞれの間の領域に形成される金属部82と、光起電力素子70上に設けられる裏面電極80と、を備え、支持基板18と金属部82との間の領域および光起電力素子70と裏面電極80との接合部の界面には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成される。光起電力装置100は、裏面電極80に接合され屈折率nを有する第1層と、受光面18aと第1層との間に設けられ、第1層とは異なる屈折率nを有する第2層とを有し、凹凸構造は、その凹凸の周期がλ/nより小さい。凹凸構造は、その凹部の深さがλ/2nより小さい。
【選択図】図21

Description

本発明は、光起電力装置に関し、特に支持基板上に複数の光起電力素子を形成した光起電力装置に関する。
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力素子の開発が各方面で精力的に行われている。例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶質系シリコンを用いた光起電力素子または光起電力装置の研究および実用化が盛んに行われている。
近年、光入射面である受光面に対向する裏面にPN接合と集電極を形成したバックコンタクト型(裏面接合型)の光起電力素子の開発も進んでいる。このタイプの光起電力素子では、受光面側にはテクスチャ構造や反射防止、及びキャリアの再結合防止のためのパッシベーション層が形成されるのみで、素子の構造に起因する損失を極力除き、高い変換効率が得られることから、注目を集めている。
さらに、このようなタイプの光起電力素子を複数形成した光起電力装置として、例えば、ガラス基板である支持基板上に絶縁層を介して複数のバックコンタクト型光起電力素子を取り付ける構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−283339号公報
光起電力装置は、発電効率向上の観点から、受光面に入射した光を効率よく光起電力素子に吸収させ、光起電力素子の光吸収量を高める構造を用いることが望ましい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光吸収量を高めた光起電力装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光起電力装置は、受光面側に設けられる支持基板と、支持基板上に設けられる光起電力素子と、光起電力素子上に設けられる裏面電極と、を備える。光起電力素子と裏面電極との接合部の界面には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成される。
本発明によれば、光吸収量を高めた光起電力装置を提供することができる。
本実施の形態に係る光起電力装置の構造を示す断面図である。 図1の第1領域C1に形成される凹凸構造を示す断面図である。 図1の第2領域C2に形成される凹凸構造を示す断面図である。 図1の第3領域C3に形成される凹凸構造を示す断面図である。 光起電力素子の製造に用いる材料基板を示す図である。 第1導電型層及びベース層を形成した材料基板を示す図である。 パッシベーション層を形成した材料基板を示す図である。 図7に示す材料基板を支持基板上に配置した状態を示す図である。 図8に示す支持基板上の材料基板の配置を示す図である。 図8に示す材料基板と支持基板とを陽極接合する様子を示す図である。 陽極接合後に第1導電型層から材料基板を分離した状態を示す図である。 材料基板を分離した支持基板に絶縁層を形成した状態を示す図である。 図12の絶縁層及び第1導電型層がパターニングされた状態を示す図である。 図13のパターニングによって露出されたベース層及び絶縁層上にi型層、第2導電型層を形成した状態を示す図である。 図14のi型層、第2導電型層及び絶縁層をパターニングした状態を示す図である。 図15の第1領域C1に凹凸構造を形成した状態を示す図である。 図15の第2領域C2に凹凸構造を形成した状態を示す図である。 図15の第3領域C3に凹凸構造を形成した状態を示す図である。 図16〜図18で形成した凹凸構造の上に透明電極層及び金属層を形成した状態を示す図である。 図19で形成した透明電極層及び金属層を含む層の一部領域をパターニングした状態を示す図である。 本実施の形態に係る凹凸構造による光閉じ込め効果を示す模式図である。 本実施の形態に係る光起電力装置の光吸収量を計算した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本実施の形態に係る光起電力装置100の構造を示す断面図である。本実施の形態に係る光起電力装置100は、裏面接合型光起電力素子であり、光起電力素子70で発電された電力を外部へ取り出す裏面電極80が、太陽光が入射する受光面18aに対向する裏面側に設けられる。光起電力素子70と裏面電極80との接合部の界面には、受光面18aから入射した光を効果的に散乱させて光起電力素子70内部での光閉じ込め効果を高めるための周期的な凹凸構造84n、84p(後述する図2、3を参照)が形成される。
光起電力装置100は、支持基板18と、複数の光起電力素子70と、裏面電極80とを備える。支持基板18は、受光面18aを有し、受光面18aに対向する裏面には光起電力素子70と結合する結合部18bが設けられる。
支持基板18は、複数の光起電力素子70を機械的に支持し、光起電力素子70を外部環境から保護するとともに、光起電力素子70が発電のために吸収する波長帯域の光を透過する。支持基板18は、アルカリ金属元素を含有するガラス基板であり、例えば、アルカリ金属元素としてナトリウム(Na)を2×1018atoms/cm以上1×1020atoms/cm以下(3.5重量%以上15.0重量%以下)含む。なお、カリウム(K)などその他のアルカリ金属元素を含むガラス基板としてもよく、この場合にはその含有量を0.1重量%以上1.0重量%以下の範囲とすることが好ましい。また、支持基板18は、熱膨張係数が2×10−6/K以上1×10−5/K以下であることが好ましい。
光起電力素子70は、第1導電型層12、ベース層14、パッシベーション層16、絶縁層20、i型層22、第2導電型層24を有する。光起電力素子70の裏面側には、裏面電極80である透明電極層26、第1電極28n、第2電極28pが設けられる。
ベース層14は、結晶質の半導体層であり、例えば、単結晶の半導体層や、多数の結晶粒が集合した多結晶の半導体層である。ここでは、ベース層14として、n型のドーパントが添加されたn型結晶質シリコン層を用い、ドーピング濃度は1016/cm程度とする。ベース層14は、光起電力素子70の発電層となるため、発電層として十分にキャリアを発生できる膜厚とすることが好ましく、その膜厚は、例えば、1μm以上100μm以下である。
パッシベーション層16は、一方の面がベース層14の表面に共有結合し、ベース層14の未結合手(ダングリングボンド)を終端させる役割を果す。これにより、光起電力素子70の受光面側におけるキャリアの再結合による損失を抑制することができる。パッシベーション層16は、キャリアの再結合を抑制させるため窒化シリコン層(SiN)を含むことが好ましく、酸化シリコン層(SiOx)と窒化シリコンとの積層構造とすることがより好ましい。例えば、酸化シリコン層及び窒化シリコン層をそれぞれ30nm及び40nmの膜厚で順に積層した構造とする。
また、パッシベーション層16は、他方の面が支持基板18の結合部18bと結合される。したがって、支持基板18と光起電力素子70とはパッシベーション層16を介して接合される。なお、パッシベーション層16は必須ではなく、ベース層14と支持基板18とが直接接合されてもよい。
第1導電型層12は、結晶質の半導体層である。ここでは、第1導電型層12として、n型のドーパントが添加されたn型結晶質シリコン層を用い、ベース層14よりも高いドーピング濃度とする。例えば、第1導電型層12のドーピング濃度は1019/cm程度とする。第1導電型層12は、透明電極層26を介して第1電極28nに接合される層であり、接触抵抗を十分に低くできる範囲で薄くすることが好ましい。また第1導電型層12は、図2で後述する周期的な凹部86nが形成されるため、その膜厚は、凹部86nの深さより厚い必要がある。例えば、0.2μm以上2μm以下とする。
ベース層14と第1導電型層12とは結晶質同士がホモ接合された導電型コンタクト領域である第1領域C1を形成する。第1領域C1は、例えば、光起電力装置100の面上内においてフィンガー及びバスバーを含む櫛形に形成される。第1領域C1の面積は、ベース層14の主面上において第1導電型層12とホモ接合されている領域の面積を意味する。
絶縁層20は、第1導電型層12と後述するi型層22及び第2導電型層24とを電気的に絶縁する。絶縁層20は、電気的に絶縁性を有する材料により構成され、例えば、窒化シリコン(SiN)とすればよい。絶縁層20の膜厚は、例えば100nm程度とする。
i型層22及び第2導電型層24は、非晶質系の半導体層であり、アモルファス相又はアモルファス相内に微少な結晶粒が析出している微結晶相を含む半導体層である。ここでは、水素を含有するアモルファスシリコンとする。i型層22は、実質的に真性のアモルファスシリコン層であり、第2導電型層24は、p型のドーパントが添加されたアモルファスシリコン層である。第2導電型層24は、i型層22よりもドーピング濃度が高い半導体層であり、例えば、i型層22には意図的にドーピングを行わず、第2導電型層24のドーピング濃度を1018/cm程度とする。
i型層22の膜厚は、光の吸収が抑えられる程度に薄く、ベース層14の表面が十分にパッシベーションされる程度に厚くすることが好ましい。i型層22の膜厚は、1nm以上50nm以下とすればよく、例えば10nmとする。また、第2導電型層24の膜厚は、光の吸収が抑えられる程度に薄く、光起電力素子の開放電圧が十分に高くなる程度に厚くすることが好ましい。また第2導電型層24は、図3で後述する周期的な凹部86pが形成されるため、その膜厚は、凹部86pの深さより厚い必要がある。その膜厚は、50nm以上200nm以下とすればよく、例えば100nmとする。
ベース層14とi型層22及び第2導電型層24とは結晶質と非晶質とがヘテロ接合された導電型コンタクト領域である第2領域C2を形成する。第2領域C2は、例えば、光起電力装置100の面上内においてフィンガー及びバスバーを含み、第1領域C1と組み合わされた櫛形に形成される。第2領域C2の面積は、ベース層14の主面上においてi型層22及び第2導電型層24とヘテロ接合されている領域の面積を意味する。ここで、第1領域C1の面積を第2領域C2の面積より小さくするようにパターンを形成することが好適である。
透明電極層26は、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム錫酸化物(ITO)等に錫(Sn)、アンチモン(Sb)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)等をドープした透明導電性酸化物(TCO)のうち少なくとも一種類又は複数種を組み合わせて用いることが好適である。特に、酸化亜鉛(ZnO)は、透光性が高く、抵抗率が低い等の利点を有している。透明電極層26の膜厚は、10nm以上500nm以下とすればよく、例えば100nmとする。透明電極層26を設けることにより、光起電力素子70と金属層28との接触抵抗を下げることができる。なお、透明電極層26は設けられなくてもよく、光起電力素子70と金属層28とが直接接合されていてもよい。
金属層28は、光起電力素子70の裏面側に設けられる裏面電極80を構成し、第1領域C1において第1導電型層12に接続される第1電極28nと、第2領域C2において第2導電型層24に接続される第2電極28pとを含む。金属層28は、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)を含む導電性の材料である。なお、銅(Cu)や錫(Sn)等の電解メッキ層を含んでもよい。ただし、これに限定されるものでなく、金、銀等の他の金属、他の導電性材料、又はそれらの組み合わせとしてもよい。
複数の光起電力素子70のそれぞれの間の領域である第3領域C3には、支持基板18上にi型層22、第2導電型層24、透明電極層26、第3電極28aが設けられる。第3電極28aは、金属層28と同様、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)を含む導電性の材料であり、銅(Cu)や錫(Sn)等の電解メッキ層を含んでもよい。
並置された複数の光起電力素子70は、第1電極28n及び第2電極28pを図示しない導電性のタブでそれぞれ接続することで、直列又は並列に接続される。なお、第3電極28aは、光起電力素子70を並列接続する際に、第1電極28nおよび第2電極28pとは電気的な接続を行わず、発電された電力を外部へ取り出すための電極として用いない。
また、光起電力装置100は、充填材60と封止材62を備え、これらは光起電力素子70の裏面側に設けられる。充填材60及び封止材62は、EVA、ポリイミド等の樹脂材料である。これにより、光起電力装置100が備える光起電力素子70への水分の浸入等を防ぐことができ、光起電力素子全体の強度を向上させることができる。なお、封止材62は、支持基板18と同じガラスや、プラスチック等の透明基板としてもよい。
次に、光起電力装置100に形成される周期的な凹凸構造について説明する。
図2は、図1の第1領域C1に形成される凹凸構造84nを示す断面図である。凹凸構造84nは、受光面18aから入射した光を効果的に散乱させて光起電力素子70内部での光閉じ込め効果を高めるために設けられる。凹凸構造84nは、第1導電型層12と第1電極28nとの接合部の界面に形成されており、第1導電型層12の裏面側に、深さhを有する凹部86nが周期wの間隔で周期的に形成され、その凹部86nを埋めるように第1電極28nの凸部88nが周期的に形成される。なお、第1導電型層12と第1電極28nとの接合部とは、第1導電型層12と第1電極28nを電気的に接続する部分を意味する。また、図示するように第1導電型層12と第1電極28nとの間に透明電極層26による凹凸構造が設けられる。
凹凸構造84nは、櫛形に設けられる第1領域C1のフィンガーが延びる方向に垂直な一方向に対して周期的な凹凸が形成されており、凹部86nと凸部88nは、櫛形のフィンガーが延びる方向に平行して延びている。したがって、凹凸構造84nは、第1領域C1のフィンガーが延びる方向に平行な方向の縞状の周期的形状を有する。
凹凸構造84nは、周期的な凹凸構造を有するため、凹凸構造84nに入射した光X1に対して回折格子として機能し、入射光X1を特定の方向に強く散乱させる。このとき凹凸構造84nにより光が散乱される方向は、入射光X1の真空中の波長λ、第1導電型層12の屈折率n12、凹凸構造84nの凹凸の周期wにより決まり、例えば1次の散乱光X2の散乱角θに対して、sinθ=λ/(n12×w)の関係が成り立つ。その後、散乱光X2の一部は、第1導電型層12とベース層14の境界面で屈折し、ベース層14とパッシベーション層16の境界面に入射角θで入射する。このとき、ベース層14の屈折率をn14とすると、sinθ=λ/(n14×w)の関係が成立する。ここで、入射角θがベース層14とパッシベーション層16の境界面における臨界角を超える場合、つまり、パッシベーション層16の屈折率をn16としたときにsinθ≧n16/n14の条件を満たす場合、境界面で全反射した反射光X3はベース層14に閉じ込められる。
以上の関係式より入射光X1は、その波長λがλ≧w×n16の関係を満たすとき、凹凸構造84nにおいて1次の散乱光X2として散乱角θの方向に散乱し、ベース層14とパッシベーション層16との境界で全反射してベース層14に閉じ込められる。そうすると、凹凸構造84nが設けられない場合と比較して、ベース層14に光が閉じ込められやすくなるため、ベース層14における光の吸収量を増大させることができる。また、上記関係式を満たす波長λの入射光X1に対して、凹凸構造84nで散乱される2次および3次以上の散乱光についてもベース層14に閉じ込めることができ、ベース層14における光吸収量の増大に寄与できる。
このとき、凹凸構造84nの凹凸の深さhは、裏面電極80に接合する第1導電型層12における波長λ/n12の1/4程度とすると回折効率が高くなることから、λ/4n12付近の値とすると望ましい。なお、必ずしもその深さhをλ/4n12とする必要はなく、凹凸構造84nを形成する際の加工精度などに応じて、λ/2n12以下とすることが好ましい。特に深さhは、λ/4n12を中心に±λ/8n12の範囲、つまり、λ/8n12〜3λ/8n12であることがより好ましい。
本実施の形態では、ベース層14として結晶質シリコンを用いており、ベース層14は波長λが約1.2μm以下である光を吸収する。また、パッシベーション層16として用いられる窒化シリコン層は、波長λが1.2μm付近の光に対して約2.1の屈折率n16を有する。したがって、波長λ=1.2μmの入射光に対して上述の光閉じ込め効果を発揮するには、w≦λ/n16の関係から、凹凸構造84nの周期wを約600nm以下とすることが望ましい。その場合、波長λ=1.2μmの入射光に対して、周期wを350nm以上とすることが望ましい。
また、本実施の形態では、第1導電型層12として結晶質のシリコンを用いており、波長λが約1.2μmの光に対して約3.4の屈折率n12を有する。したがって、凹凸構造84nの凹凸の深さhは、h≦λ/2n12の関係から、180nm以下とすることが好ましく、h=λ/8n12〜3λ/8n12の関係から、50nm以上130nm以下とすることがより好ましい。例えば、凹凸深さhは、h=λ/4n12の関係を満たす90nmとすればよい。
なお、凹凸構造84nの周期wを狭くすることで、より波長λの短い入射光についてもベース層14に閉じ込めることができる。例えば、周期wを450nmとすると、波長λが900nm以上の入射光について、高い光閉じ込め効果を発揮させることができる。また、凹凸構造84nの深さhを小さくすることで、より波長λの短い入射光についても回折効率を高めることができる。例えば、深さhを80nmとすると、波長λが900nm付近の入射光について、高い回折効率を実現できる。
また、受光面に対して垂直に近い角度で入射した入射光X1は、凹凸構造84nが設けられていない場合、垂直に近い角度で反射することとなるが、凹凸構造84nが設けられている場合には、散乱光X2を斜めの方向に散乱させることできる。その結果、光が垂直に近い角度で反射した場合と比較して、散乱光X2および反射光X3がベース層14を通る光路長を長くすることができ、ベース層14における光の吸収量を増大させることができる。
図3は、図1の第2領域C2に形成される凹凸構造84pを示す断面図である。凹凸構造84pは、図2に示す凹凸構造84nと同様、受光面18aから入射した光を効果的に散乱させて光起電力素子70内部での光閉じ込め効果を高めるために設けられる。凹凸構造84pは、第2導電型層24と第2電極28pとの接合部の界面に形成されており、第2導電型層24の裏面側に、深さhを有する凹部86pが周期wの間隔で周期的に形成され、その凹部86pを埋めるように第2電極28pの凸部88pが周期的に形成される。なお、第2導電型層24と第2電極28pとの接合部とは、第2導電型層24と第2電極28pを電気的に接続する部分を意味する。また、図示するように第2導電型層24と第2電極28pとの間に透明電極層26による凹凸構造が設けられる。
図2に示した第1領域C1に形成される凹凸構造84nと同様、図3に示す凹凸構造84pは、凹凸構造84pに入射した入射光X1を特定の方向に強く散乱させる。凹凸構造84pにより散乱した散乱光X2がベース層14とパッシベーション層16の境界面で全反射すると、その反射光X3はベース層14に閉じ込められることとなる。このとき、第1領域C1に形成される凹凸構造84nと同様、w×n16≦λの関係を満たす波長λの入射光X1は、凹凸構造84pにおいて1次の散乱光X2として散乱角θの方向に散乱し、ベース層14とパッシベーション層16との境界で全反射してベース層14に閉じ込められる。このとき凹凸構造84pは、裏面電極80に接合する第2導電型層24の波長λに対する屈折率をn24とすると、凹凸の深さhをλ/4n24付近の値とすることで回折効率を高めることができる。
本実施の形態では、第2導電型層24として結晶質シリコンを用いており、第2導電型層24の屈折率n24は、同じく結晶質シリコンである第1導電型層12の屈折率n12とほぼ等しい。したがって、第1領域C1に形成される凹凸構造84nと、第2領域C2に形成される凹凸構造84pとは、同じ凹凸の周期wと深さhとすることで、同じ波長λの入射光に対して、より高い光閉じ込め効果を発揮させることができる。
なお、上述した周期的な凹凸構造は、複数の光起電力素子70のそれぞれの間の領域である第3領域C3に設けてもよい。
図4は、図1の第3領域C3に形成される凹凸構造84aを示す断面図である。凹凸構造84aは、受光面18aから入射した光を効果的に散乱させて支持基板18の受光面18aにおいて全反射させ、その反射光を光起電力素子70へ入射させるために設けられる。凹凸構造84aは、支持基板18と第3電極28aの間に形成されており、緩衝層90となる第2導電型層24の裏面側に、深さhを有する凹部86aが周期wの間隔で周期的に形成され、その凹部86pを埋めるように第3電極28aの凸部88aが周期的に形成される。緩衝層90を設けることで、支持基板18に凹部を設けることなく凹凸構造84aを形成することができる。また図示するように、金属部82として、第3電極28aの他に、第2導電型層24と第3電極28aとの間に透明電極層26が設けられる。したがって、凹凸構造84aは、支持基板18と金属部82との間の領域に設けらることとなる。
図2に示した第1領域C1に形成される凹凸構造84nと同様、図4に示す凹凸構造84aは、凹凸構造84pに入射した入射光X1を特定の方向に強く散乱させる。凹凸構造84aにより散乱した散乱光X2が支持基板18と外気との境界にあたる受光面18aで全反射すると、その反射光X3は光起電力素子70が設けられる裏面側へ進むこととなり、光起電力素子70における光吸収量を増大させることができる。このとき、外気の屈折率n=1とすると、w≦λの関係を満たす波長λを有する入射光X1は、凹凸構造84aにおいて1次の散乱光X2として散乱角θの方向に散乱し、受光面18aで全反射して光起電力素子70が設けられる裏面側へ進むこととなる。
仮に、第1領域C1及び第2領域C2に形成される凹凸構造84n、84pと同様、第3領域C3における支持基板18と金属部82との間の領域に形成される凹凸構造84aの凹凸の周期wを450nmとすると、波長λが450nm以上の入射光X1について、凹凸構造84aで散乱させ、受光面18aにおいて全反射させることができる。その結果、受光面18aにおいて全反射した光の少なくとも一部を、光起電力素子70へ導くことができる。これにより、波長450nm以上の入射光について、光起電力素子70の光吸収量を増大させることができる。
次に、光起電力装置100の製造方法について説明する。
図5は、光起電力素子70の製造に用いる材料基板10を示す図である。材料基板10は、結晶質の半導体材料であり、例えば、シリコン、多結晶シリコン、砒化ガリウム(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板である。
なお、本実施の形態では、材料基板10として単結晶シリコン基板を用いた例を示す。したがって、後述する第1導電型層12、ベース層14、i型層22及び第2導電型層24もシリコン層とする。ただし、材料基板10をシリコン以外の材料としてもよく、これらの層もシリコン層以外の材料としてもよい。
ポーラス層(脆化層)10aは、材料基板10を陽極酸化処理等することにより形成される。陽極酸化に用いる電解質は、例えば、フッ化水素酸及びエタノールの混合液又はフッ化水素酸及び過酸化水素水の混合液とすることができる。陽極酸化の電流密度は、5mA/cm以上600mA/cm以下とすればよく、例えば10mA/cm程度とする。
ポーラス層10aの厚さは、0.01μm以上30μm以下とすればよく、例えば10μm程度とする。ポーラス層10aの空孔径は、0.002μm以上5μm以下とすればよく、例えば0.01μm程度とする。ポーラス層10aの空孔率は、10%以上70%以下とすればよく、例えば20%程度とする。
図6は、第1導電型層12及びベース層14を形成した材料基板10を示す図である。材料基板10のポーラス層10a上に第1導電型層12、ベース層14が形成される。第1導電型層12及びベース層14は、化学気相成長法(CVD)で形成することができる。第1導電型層12及びベース層14は、ポーラス層10aをシード層としたエピタキシャル成長により形成され、結晶質の半導体層同士が接合されたホモ接合領域を形成する。例えば、材料基板10を950℃に加熱し、水素(H)で希釈されたジクロロシラン(SiHCl)を原料ガスとして供給することにより成膜することができる。水素(H)とジクロロシラン(SiHCl)の流量は、例えばそれぞれ0.5(l/min)及び180(l/min)とする。また、必要に応じてホスフィン(PH)をドーピングガスとして添加する。
図7は、パッシベーション層16を形成した材料基板10を示す図である。パッシベーション層16は、ベース層14上に形成される。パッシベーション層16は、シラン(SiH)に酸素(O)又は窒素(N)を混合した原料ガスをプラズマ化して供給するプラズマ化学気相成長法(PECVD)により形成することができる。
図8は、図7に示す材料基板10を支持基板18上に配置した状態を示す図である。図8に示す材料基板10は、図7に示す材料基板10と上下を逆さまにして描かれており、下を向いたパッシベーション層16の表面が支持基板18の結合部18bに接している。
図9は、裏面から見た支持基板18を示す概念図である。材料基板10は、それぞれが互いに間隔をあけて設けられており、本図では、矩形の材料基板10が縦4個、横6個、計24個並んでいる様子を示している。
図10は、図8に示す材料基板10と支持基板18を陽極接合する様子を示す図である。陽極接合は、材料基板10と支持基板18とを電極50、52により挟み込み、真空に排気した状態で200℃以上600℃以下の温度範囲で加熱し、電極50、52間に300Vから1kV程度の電圧を印加して行う。例えば、材料基板10と支持基板18とを400℃に加熱し、支持基板18側の電極52が負電圧となるように600Vの電圧を20分間印加することにより、パッシベーション層16と支持基板18とを陽極接合する。
支持基板18側の電極52が負電圧となるように電圧を印加すると、支持基板18に印加される電界により、支持基板18中に含まれるアルカリ金属元素であるナトリウムが結合部18bから電極52の方向に移動する。これにより、結合部18bのナトリウム濃度が、結合部18b以外の領域と比較して低くなる。具体的には、陽極接合前の支持基板18のナトリウム濃度が、3×1018atoms/cm程度であるのに対し、結合部18bのナトリウム濃度は、1×1018atoms/cm以下となる。そして、ナトリウム濃度が減少した結合部18bには、SiOイオンが残される。このSiOイオンがパッシベーション層16の主材料であるSiとSi−O−Si共有結合を形成することで、より強固な接合が形成される。
また、陽極接合することにより、パッシベーション層16である窒化シリコン層(SiN)から窒素(N)が抜け、パッシベーション層16と支持基板18との間にはSi−O共有結合が形成される。これにより、パッシベーション層16と支持基板18とが強固に接合される。なお、陽極接合を行う前に、パッシベーション層16と支持基板18との間に酸素プラズマを発生させて接合面を予め表面処理してもよい。
図11は、陽極接合後に第1導電型層12から材料基板10を分離した状態を示す図である。陽極接合の際に加熱された材料基板10が冷却されることによって、第1導電型層12とポーラス層10aの接合面から材料基板10が自然分離される。自然分離は、支持基板18と材料基板10との熱膨張係数の違いによる内部応力の発生により生じる。陽極接合による200℃以上600℃以下の加熱状態から室温程度の冷却状態へ移行することによって、支持基板18と材料基板10との熱膨張係数の違いによる内部応力が発生する。ガラスの熱膨張係数は9×10−6/K程度であり、シリコンの熱膨張係数は2.55×10−6/K程度であることから、支持基板18がベース層14より大きく収縮することによって内部応力が発生する。この内部応力がポーラス層10aに掛かり、脆弱であるポーラス層10aと第1導電型層12との間で剥離が生ずる。
なお、材料基板10の分離処理では、機械的な処理を適用してもよい。例えば、材料基板10及び支持基板18を真空チャックで吸着し、双方を引き離すように引っ張ることによって、ポーラス層10a部分から材料基板10を切り離すことができる。また、材料基板10の側面からポーラス層10aにウォータージェットを吹き付けることによって、ポーラス層10a部分から材料基板10を切り離すことができる。
以上のように、ポーラス層10aと第1導電型層12との間で材料基板10を分離することによって、支持基板18上に第1導電型層12、ベース層14、パッシベーション層16を含む分離層30を転写形成することができる。
図12は、材料基板10を分離した支持基板18に絶縁層20を形成した状態を示す図である。まず、第1導電型層12上に残留しているポーラス層10aの一部を除去するため、フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO)とを混合したフッ硝酸を用いて、支持基板18をエッチング洗浄する。この処理により、ポーラス層10aの一部がエッチング除去される。その後、第1導電型層12上に絶縁層20を形成する。絶縁層20は、シラン(SiH)に窒素(N)を混合した原料ガスをプラズマ化して供給するプラズマ化学気相成長法(PECVD)により形成することができる。
図13は、図12の絶縁層20及び第1導電型層12がパターニングされた状態を示す図である。絶縁層20及び第1導電型層12は、エッチングペーストを用いてパターニングを行う。例えば、燐酸を含むエッチングペーストをスクリーン印刷法等により所望のパターンに塗布することによって、絶縁層20と共に第1導電型層12を除去することができる。これにより、絶縁層20及び第1導電型層12が設けられる第1領域C1と、絶縁層20及び第1導電型層12が除去された第2領域C2が形成される。
また、所望のパターンとなるように絶縁層20をドライエッチングで除去し、絶縁層20をマスクとして第1導電型層12をドライエッチング又はウエットエッチングにより除去してもよい。絶縁層20のドライエッチングには、四フッ化炭素(CF)を用いた気相反応を適用すればよい。また、第1導電型層12のドライエッチングには、六フッ化硫黄(SF)を用いた反応イオンエッチング(RIE)を適用すればよい。第1導電型層12のウエットエッチングには、フッ化水素酸を含むエッチャントを用いればよい。
なお、第1導電型層12のパターニングの際には、第3領域C3を同時にエッチング除去してもよい。一方で、第3領域C3に膜が形成されないようにマスクを施しておいたり、膜が形成された後にエッチング等で選択的に除去したりしてもよい。後述する各膜の成膜時においても、同様である。
絶縁層20及び第1導電型層12は、光起電力素子の裏面からできるだけ均等に電力を集電できるようにパターニングすることが好ましい。例えば、光起電力素子に一般的に適用されているフィンガー及びバスバーを含む櫛形のパターンとすることが好ましい。ここで、第1領域C1の面積を第2領域C2の面積より小さくするようにパターンを形成することが好適である。
図14は、図13のパターニングによって露出されたベース層14及び絶縁層20上にi型層22、第2導電型層24を形成した状態を示す。i型層22及び第2導電型層24は、シラン(SiH)等のケイ素含有ガスのPECVDにより形成することができる。シラン(SiH)等のケイ素含有ガスを供給しつつ、高周波電源から高周波電極へ高周波電力を供給することによって原料ガスのプラズマが生成され、プラズマからベース層14及び絶縁層20上に原料が供給されてシリコン薄膜が形成される。原料ガスには、必要に応じてジボラン(B)等のドーパント含有ガスを混合する。
図15は、図14で形成されたi型層22、第2導電型層24及び絶縁層20をパターニングした状態を示す。パターニングは、エッチングペーストを用いて行うことができる。燐酸を含むエッチングペーストをスクリーン印刷法等により所望のパターンに塗布することによって、第1導電型層12が形成される第1領域C1の一部領域において、第2導電型層24、i型層22及び絶縁層20を選択的に除去する。ここで形成されるパターンは、光起電力素子70の裏面からできるだけ均等に電力を集電できるように設定する。例えば、第1導電型層12の櫛形のパターンと交互に組み合わされる櫛形のパターンとすることが好ましい。
図16〜18は、図15の光起電力素子70の裏面側に凹凸構造84を形成した状態を示す図である。図16は、図15の第1領域C1に凹凸構造84nを形成した状態を示す図である。凹凸構造84nを構成する複数の凹部86nは、ナノインプリントによって周期wの周期的な開口部を有する樹脂材料のマスクを形成し、マスクの開口部をフッ化水素酸(HF)を含むエッチャントを用いてエッチングすることで形成することができる。凹部86nの深さhは、エッチング処理の時間などを調整することにより、所望の深さの凹部86nを形成する。
図17は、図15の第2領域C2に凹凸構造84pを形成した状態を示す図であり、図18は、図15の第3領域C3に凹凸構造84aを形成した状態を示す図である。図16に示す第1領域C1の凹凸構造84nと同様、ナノインプリントによって樹脂材料からなるマスクを形成し、マスクの開口部をフッ化水素酸(HF)を含むエッチャントを用いてエッチングすることで形成することができる。
なお、第1領域C1、第2領域C2、第3領域C3に形成される凹凸構造84は、同じマスクを用いて周期wが同じ凹凸構造84を一度に形成してもよい。この場合、それぞれ異なるマスクを用いて凹凸構造84を形成する場合と比較して、処理を簡略化することができる。
図19は、図16〜図18で形成した凹凸構造84の上に透明電極層26及び金属層28を形成した状態を示す。透明電極層26及び金属層28は、スパッタリング法又はプラズマ化学気相成長法(PECVD)等の薄膜形成方法で形成することができる。
図20は、図19で形成した透明電極層26及び金属層28を含む層の一部領域をパターニングした状態を示す。第1領域C1上の中心32に位置するi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28を残したまま、その両端34に位置するi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28を除去する。これにより、金属層28が両端34の位置に形成された溝部により分断され、第1導電型層12に接続される第1電極28nと、第2導電型層24に接続される第2電極28pと、支持基板18上に配置される第3電極28aとが形成される。
なお、i型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28は、レーザーエッチングにより除去することができる。また、スクリーン印刷法等でレジストを塗布してパターニングされたマスクを形成し、マスクを利用してi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28をそれぞれ別々にエッチングしてもよい。金属層28が銅(Cu)であれば塩化第二鉄をエッチャントとし、金属層28がアルミニウム(Al)であれば燐酸をエッチャントとすればよい。また、透明電極層26のエッチングには、塩酸(HCl)を含むエッチャントを用いればよい。また、i型層22及び第2導電型層24のエッチングには、フッ化水素酸(HF)を含むエッチャントを用いればよい。
また、第1電極28n、第2電極28p及び第3電極28aにさらに電解メッキ等で金属層を積層してもよい。例えば、銅(Cu)や錫(Sn)を電解メッキにより形成する。第1電極28n、第2電極28p及び第3電極28aに電位を印加した電解メッキ法を適用することにより、第1電極28n、第2電極28p及び第3電極28aが残された領域上に金属層が積層される。
その後、並置された複数の光起電力素子70の第1電極28n及び第2電極28pを導電性のタブで接続し、光起電力素子の裏面側に充填材60を塗布し、封止材62で封止する。なお、第3電極28aは光起電力素子70を接続するための電極として用いず、第1電極28n及び第2電極28pとは電気的な接続を行わない。
このようにして、図1に示す光起電力装置100が形成される。以上の製造方法により、光起電力装置100は、支持基板18が受光面側となり、裏面電極80である第1電極28n及び第2電極28pが裏面側に設けられた裏面接合型となる。また、光起電力素子70と裏面電極80の界面には、周期的な凹凸構造が形成される。
図21は、本実施の形態に係る凹凸構造84による光閉じ込め効果を示す模式図である。図21では、説明をわかりやすくするため、支持基板18、パッシベーション層16、ベース層14、第1導電型層12、第2導電型層24、金属層28である裏面電極80及び金属部82を示し、凹凸構造84以外のパターニング部分を省略して示している。
光起電力素子70が設けられる第1領域C1及び第2領域C2に入射した入射光1は、光起電力素子70と裏面電極80の界面に形成される凹凸構造84n、84pにより散乱される。このとき凹凸構造84n、84pは、周期wの周期的な凹凸を有するため、w×n16≦λの関係を満たす波長λの入射光1は、凹凸構造84n、84pにより散乱された後にベース層14とパッシベーション層16との境界面で全反射し、光起電力素子70の内部に閉じ込められることとなる。また、凹凸構造84n、84pにより散乱された光はベース層14の内部を散乱角θの角度で斜めに進むため、入射光1が垂直に近い角度で入射し光起電力素子70と裏面電極80との界面で垂直に近い角度で反射される場合と比較して、光起電力素子70での光路長を長くすることができる。これにより、凹凸構造84を設けない場合と比較して、光起電力素子70の光吸収量を増大させることができる。
また、光起電力素子70が設けられていない第3領域C3に入射した入射光2は、支持基板18と金属部82の界面に形成される凹凸構造84aにより散乱される。このとき、w×n≦λの関係を満たす波長λの入射光2は、凹凸構造84aにより散乱された後に支持基板18と外気との境界面である受光面18aで全反射し、光起電力素子70の設けられる第1領域C1または第2領域C2の方向へ進む。したがって、凹凸構造84を設けない場合と比較して、光起電力素子70へ向かう入射光の割合を増やし、光起電力素子70の光吸収量を増大させることができる。
図22は、本実施の形態に係る光起電力装置100の光吸収量を計算した結果を示すグラフである。凹凸構造84を設けた本実施の形態に係る光起電力装置100と、凹凸構造84を設けていない従来の光起電力装置について、ベース層14の光吸収量をFDTD(Finite difference time domain)法により計算した結果である。計算に際して、光起電力装置100が有する凹凸構造84の凹凸の周期wを450nm、深さhを80nmとし、波長λを1100〜1250nmの範囲で計算した。本図に示すように、凹凸構造84を設けることで、ベース層14の光吸収量が増大していることがわかる。
以上、本発明を実施形態にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について述べる。
本実施の形態では、凹凸構造84を第1領域C1、第2領域C2及び第3領域C3に設けたが、これらのうち、いずれか一つの領域にのみ凹凸構造84を形成してもよいし、これら三つの領域のうち任意に組み合わせた二つの領域に凹凸構造84を形成してもよい。また、支持基板18上に設けられる複数の光起電力素子70のうち、一部の光起電力素子70に対して凹凸構造84を形成してもよい。
本実施の形態では、凹凸構造84を第1領域C1及び第2領域C2が設けられる櫛形のフィンガーが延びる方向に垂直な一方向に周期的な凹凸が形成される場合を説明したが、凹凸構造84が設けられる凹凸の周期の方向はこれに限られない。例えば、凹凸構造84として、第1領域C1及び第2領域C2が設けられる櫛形のフィンガーが延びる方向に平行な一方向に周期的な凹凸を形成してもよいし、櫛形のフィンガーが延びる方向に斜めな一方向に周期的な凹凸を形成してもよい。
本実施の形態では、凹凸構造84を縞状の周期的形状としたが、凹凸構造84は、格子状など異なる二方向に周期的な形状を有してもよい。例えば格子状の周期的形状を有する場合、その周期は異なる二方向に同じ値を設定してもよいし、異なる値を設定してもよい。同じ周期を設定した場合、波長λに対して特定の散乱角θの方向へ光を強く散乱させることができ、異なる周期を設定した場合、波長λに対して複数の散乱角θの方向へ光を散乱させることができる。
本実施の形態では、パッシベーション層16を設けることで、ベース層14とパッシベーション層16との間で散乱光を全反射させる構成としたが、パッシベーション層16を設けずにベース層14と支持基板18との間で全反射させる構成としてもよい。その場合、w×n18≦λの関係を満たす波長λの入射光に対して、その光を凹凸構造84で散乱させ、ベース層14と支持基板18との界面で全反射させることができる。このとき、凹凸構造84の周期wは、支持基板18の屈折率n18に応じて適宜設定することが望ましい。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の光起電力装置は、受光面側に設けられる支持基板と、支持基板上に設けられる光起電力素子と、光起電力素子上に設けられる裏面電極と、を備え、前記光起電力素子と前記裏面電極の界面には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成される。
この態様によれば、光起電力素子と裏面電極との接合部の界面に形成される凹凸構造により、受光面側から光起電力素子に入射した入射光を特定の方向に散乱させることができる。そうすると、光起電力素子を通る散乱光の光路長を長くすることができ、周期的な凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
本発明のある態様の光起電力装置は、前記光起電力素子は、前記支持基板上に互いに離間して複数設けられ、前記支持基板上であって、前記光起電力素子のそれぞれの間の領域に形成される金属部をさらに備え、前記支持基板と前記金属部との間の領域には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成されてもよい。
この態様によれば、支持基板と金属部との間の領域に形成される凹凸構造により、受光面側から光起電力素子の設けられていない間の領域に入射した光を特定の方向に散乱させ、その少なくとも一部を受光面で反射させて光起電力素子に向かわせることができる。これにより、光起電力素子を通る散乱光の光路長を長くするとともに、光起電力素子を通る光の割合を増やすことができ、周期的な凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
本発明のある態様の光起電力装置は、前記裏面電極に接合され、前記光起電力素子が吸収する波長λの光に対して屈折率nを有する第1層と、前記受光面と前記第1層との間に設けられ、前記波長λに対して前記第1層とは異なる屈折率nを有する第2層と、を有し、前記凹凸構造は、その凹凸の周期がλ/nより小さい。
この態様によれば、波長λの入射光は裏面電極との界面に形成される凹凸構造により散乱された後、第2層の裏面側の界面において全反射されるため、その反射光は光起電力素子の内部に閉じ込められることとなる。したがって、このような凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
前記凹凸構造は、その凹部の深さがλ/2nより小さい。
この態様によれば、凹凸構造により散乱される光の回折効率を高め、より多くの光を特定の散乱角の方向へ散乱させることができる。そうすると、より多くの光が第2層の裏面側の界面において全反射され、光起電力素子の内部に閉じ込められることから、このような凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
前記第1層は、結晶質シリコンを含む層であり、前記第2層は、窒化シリコンを含む層であり、前記凹凸構造は、その凹凸の周期が600nm以下であってもよい。
この態様によれば、結晶質シリコンを含む光起電力素子が吸収する波長λが1.2μm以下の入射光を、凹凸構造により効率的に散乱させ、その少なくとも一部を第2層の裏面側の界面で反射させることで、入射光を光起電力素子の内部に閉じ込めることができる。したがって、このような凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
前記凹凸構造は、その凹部の深さが180nm以下であってもよい。
この態様によれば、結晶質シリコンを含む光起電力素子が吸収する波長λが1.2μm以下の入射光を、凹凸構造により効率的に散乱させることができる。したがって、このような凹凸構造を設けない場合と比較して、光起電力素子の光吸収量を増大させることができる。
12…第1導電型層、14…ベース層、16…パッシベーション層、18…支持基板、18a…受光面、20…絶縁層、22…i型層、24…第2導電型層、26…透明電極層、28…金属層、70…光起電力素子、80…裏面電極、82…金属部、84、84a、84n、84p…凹凸構造、86…凹部、88…凸部、w…周期、h…深さ、100…光起電力装置。

Claims (6)

  1. 受光面側に設けられる支持基板と、
    前記支持基板上に設けられる光起電力素子と、
    前記光起電力素子上に設けられる裏面電極と、
    を備え、
    前記光起電力素子と前記裏面電極との接合部の界面には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成されることを特徴とする光起電力装置。
  2. 前記光起電力素子は、前記支持基板上に互いに離間して複数設けられ、
    前記支持基板上であって、前記光起電力素子のそれぞれの間の領域に形成される金属部
    をさらに備え、
    前記支持基板と前記金属部との間の領域には、少なくとも一方向に周期的な凹凸構造が形成されることを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。
  3. 前記裏面電極に接合され、前記光起電力素子が吸収する波長λの光に対して屈折率nを有する第1層と、前記受光面と前記第1層との間に設けられ、前記波長λに対して前記第1層とは異なる屈折率nを有する第2層と、を有する光起電力装置であって、
    前記凹凸構造は、その凹凸の周期がλ/nより小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置。
  4. 前記凹凸構造は、その凹部の深さがλ/2nより小さいことを特徴とする請求項3に記載の光起電力装置。
  5. 前記第1層は、結晶質シリコンを含む層であり、
    前記第2層は、窒化シリコンを含む層であり、
    前記凹凸構造は、その凹凸の周期が600nm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の光起電力装置。
  6. 前記凹凸構造は、その凹部の深さが180nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の光起電力装置。
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