JP2014049652A - 光起電力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光起電力装置の変換効率を更に向上させる技術を提供する。
【解決手段】光起電力装置は、ナノワイヤ状の光起電力素子を複数備える。光起電力素子は、ヘテロ接合構造を有する。光起電力素子は、i型単結晶シリコン層20と、i型単結晶シリコン層20の受光面側に形成された第1導電型非晶質シリコン層24と、i型単結晶シリコン層20の、受光面と反対側に形成された第2導電型非晶質シリコン層16と、を有していてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】光起電力装置は、ナノワイヤ状の光起電力素子を複数備える。光起電力素子は、ヘテロ接合構造を有する。光起電力素子は、i型単結晶シリコン層20と、i型単結晶シリコン層20の受光面側に形成された第1導電型非晶質シリコン層24と、i型単結晶シリコン層20の、受光面と反対側に形成された第2導電型非晶質シリコン層16と、を有していてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、光起電力装置に関する。
近年、無尽蔵の太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池とも称される光起電力装置の開発が精力的に行われている。例えば、半導体基板上に成長された、pn接合を構成する複数のナノワイヤ状の半導体を備えるナノワイヤ太陽電池が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、光起電力装置は、シリコン系、化合物半導体系、有機材料系など、光起電力を生じる材料により大別されるが、各光起電力装置の変換効率は、各材料の禁制帯幅によってその上限が制限される。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光起電力装置の変換効率を更に向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光起電力装置は、ナノワイヤ状の光起電力素子を複数備える。光起電力素子は、ヘテロ接合構造を有する。
本発明によれば、光起電力装置の変換効率を更に向上できる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
光起電力装置は、前述のように、シリコン系、化合物半導体系、有機材料系など、光起電力を生じる材料により大別されるが、その中でもシリコン系光起電力装置が世界の生産量の主流を占めている。特に、単結晶、または多結晶シリコンウエハを光起電力材料とする結晶シリコン系光起電力装置では、20%以上の高い変換効率を有する光起電力素子も実現されている。しかしながら、現在の結晶シリコン系光起電力装置の変換効率は、結晶シリコンの禁制帯幅で制限されており、30%以上の変換効率を得るためには、禁制帯幅の制御が必要となる。
半導体材料は、例えば、粒の大きさをナノメートルサイズまで小さくすると、量子サイズ効果によって、禁制帯幅が拡大することが知られている。そこで、以下では、ナノメートルサイズの径を有するシリコンナノワイヤによって光起電力装置を形成し、シリコンの禁制帯幅を制御する方法について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態における光起電力装置100の構造を示す断面図である。第1の実施の形態における光起電力装置100は、図1に示すように、支持基板10、金属層12、第2の透明電極層14、第2導電型非晶質シリコン層16、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24、透明絶縁部材26、第1の透明電極層28を含んで構成される。
図1は、第1の実施の形態における光起電力装置100の構造を示す断面図である。第1の実施の形態における光起電力装置100は、図1に示すように、支持基板10、金属層12、第2の透明電極層14、第2導電型非晶質シリコン層16、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24、透明絶縁部材26、第1の透明電極層28を含んで構成される。
第2導電型非晶質シリコン層16の一部、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、及び第1導電型非晶質シリコン層24からなる積層体は、ワイヤ状のナノワイヤ部30を構成する。ナノワイヤ部30を構成するi型単結晶シリコン層20が光起電力装置100のキャリア発生部(起電力部)となる。本実施の形態では、ナノワイヤ部30が光起電力素子の少なくとも一部を構成している。
支持基板10は、絶縁性表面を有するとともに、ナノワイヤ部30を含む光起電力素子を機械的に支持する強度を有する。例えば、支持基板10は、約1mm〜約5mmの厚みを有するガラスとする。
金属層12は、金属等の導電性の材料から構成され、例えば、銀(Ag)やアルミニウム(Al)を含む材料とする。第2の透明電極層14は、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム錫酸化物(ITO)等に、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)等をドープした透明導電性酸化物(TCO)のうち、少なくとも一種類又は複数種を組み合わせて用いることが好適である。特に、酸化亜鉛(ZnO)は、透光性が高く、抵抗率が低い等の利点を有している。
第2の透明電極層14と金属層12との積層構造体によりナノワイヤ部30の一方の電極部が構成される。なお、第2の透明電極層14及び金属層12は、合わせて1000nm程度の膜厚とすることが好適である。
第2導電型非晶質シリコン層16及び第2のi型非晶質シリコン層18は、水素を含有するアモルファスシリコンである。第2のi型非晶質シリコン層18は、実質的に真性のアモルファスシリコンである。第2導電型非晶質シリコン層16は、n型のドーパントが添加されたアモルファスシリコンであり、第2のi型非晶質シリコン層18よりもドーパント濃度が高いシリコン層である。
例えば、第2のi型非晶質シリコン層18には意図的にドーピングを行わず、第2導電型非晶質シリコン層16のドーパント濃度は1018/cm3程度とすればよい。第2のi型非晶質シリコン層18の厚さは、後述するi型単結晶シリコン層20の表面が十分にパッシベーションされる程度にするとよい。具体的には、第2のi型非晶質シリコン層18の厚さは1nm以上とすればよく、例えば10nmとする。また、第2導電型非晶質シリコン層16の厚さは、ナノワイヤ部30を含む光起電力素子の開放電圧が十分に高くなるような程度にするとよい。第2導電型非晶質シリコン層16の厚さは1nm以上とすればよく、例えば200nmとする。
i型単結晶シリコン層20は、実質的に真性の単結晶シリコンである。i型単結晶シリコン層20は、光起電力素子のキャリア発生部(起電力部)となる。i型単結晶シリコン層20の厚さは、発電層として十分にキャリアを発生できる程度とすることが好ましく、例えば1μm以上100μm以下とすればよい。
第1導電型非晶質シリコン層24及び第1のi型非晶質シリコン層22は、水素を含有するアモルファスシリコンである。第1のi型非晶質シリコン層22は、実質的に真性のアモルファスシリコンである。第1導電型非晶質シリコン層24は、p型のドーパントが添加されたアモルファスシリコンである。第1導電型非晶質シリコン層24は、第1のi型非晶質シリコン層22よりもドーパント濃度が高いシリコンとされる。
例えば、第1のi型非晶質シリコン層22には意図的にドーピングを行わず、第1導電型非晶質シリコン層24のドーパント濃度は1018/cm3程度とすればよい。第1のi型非晶質シリコン層22の厚さは、光の吸収をできるだけ抑えるためにはできるだけ薄くするとよい。一方で、第1のi型非晶質シリコン層22の厚さは、i型単結晶シリコン層20の表面が十分にパッシベーションされる程度にすることが好ましい。具体的には、第1のi型非晶質シリコン層22の厚さは、1nm以上50nm以下とすればよく、例えば10nmとする。
また、第1導電型非晶質シリコン層24の厚さは、光の吸収をできるだけ抑えられるためにはできるだけ薄くするとよい。一方で、第1導電型非晶質シリコン層24の厚さは、ナノワイヤ部30を含む光起電力素子の開放電圧が十分に高くなるような程度にすることが好ましい。具体的には、第1導電型非晶質シリコン層24の厚さは、例えば、1nm以上50nm以下とすればよく、例えば10nmとする。
透明絶縁部材26は、ナノワイヤ部30の間を充填するように設けられている。透明絶縁部材26は透光性を有し、i型単結晶シリコン層20の表面の未結合手(ダングリングボンド)を終端させる等の役割を果たす。
第1の透明電極層28は、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム錫酸化物(ITO)等に、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等をドープした透明導電性酸化物(TCO)のうち少なくとも一種類又は複数種を組み合わせて用いることが好適である。特に、酸化亜鉛(ZnO)は、透光性が高く、抵抗率が低い等の利点を有している。第1の透明電極層28は、10Ω/□程度のシート抵抗を有する。
本実施の形態では、光起電力装置100の第1の透明電極層28側が受光面となる。ここで、受光面とは、光起電力素子において主に光(太陽光)Lが入射される主面を意味し、具体的には、光起電力素子に入射される光Lの大部分が入射される面である。
ナノワイヤ部30は、前述のように、第2導電型非晶質シリコン層16の一部、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24により構成されている。ナノワイヤ部30は、受光面に対して垂直な方向に延びるように形成されている。ナノワイヤ部30の径は、量子サイズ効果によって禁制帯幅の増大が発現する程度に細くされている。具体的には10nm以下とすることが好適である。なお、本実施の形態では、ナノワイヤ部30を構成するi型単結晶シリコン層20が光起電力装置100のキャリア発生部(起電力部)となる。
次に、光起電力装置100の製造方法について説明する。図2〜図7は、第1の実施の形態における光起電力装置100の製造方法を示す断面図である。
はじめに、i型単結晶シリコンウエハ200を準備する。そして、i型単結晶シリコンウエハ200の一主面側に水素脆化層200aが形成される(図2)。これにより、i型単結晶シリコンウエハ200の表面にi型単結晶シリコン層20に相当する領域が区分される。水素脆化層200aは高濃度の水素原子を含む層である。水素原子濃度は、具体的には1021/cm3程度とすればよい。水素脆化層200aは、水素イオンビームをi型単結晶シリコンウエハ200の表面に照射することによって形成することができる。水素脆化層200aが形成される深さは、起電力部(i型単結晶シリコン層20)の厚さとなるため、十分に光を吸収することができる厚さとすることが好ましい。水素脆化層200aが形成される深さは、水素イオンの照射エネルギーによって制御することができ、例えば10μmとする。
i型単結晶シリコンウエハ200の水素イオンを照射した主面上に、第2のi型非晶質シリコン層18、第2導電型非晶質シリコン層16、第2の透明電極層14、及び金属層12が形成される(図3)。第2のi型非晶質シリコン層18及び第2導電型非晶質シリコン層16は、シラン(SiH4)等のケイ素含有ガスを用いたプラズマCVD(PECVD)により形成することができる。シラン(SiH4)等のケイ素含有ガスを供給しつつ、高周波電源から高周波電極へ高周波電力を供給することによって原料ガスのプラズマが生成され、プラズマからi型単結晶シリコンウエハ200上に原料が供給されてシリコン薄膜が形成される。原料ガスには、必要に応じてホスフィン(PH3)等のドーパント含有ガスを混合する。第2の透明電極層14及び金属層12は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。
次に、図4に示すように、金属層12上に支持基板10が積層され、金属層12と支持基板10とが耐熱性を有する接着剤や常温接合などによって接合される。そして、水素脆化層200aを利用してi型単結晶シリコンウエハ200が分離される。i型単結晶シリコンウエハ200は、400℃以上600℃以下の加熱状態とすることで、水素脆化層200aを境に分離される。i型単結晶シリコンウエハ200のうち、支持基板10側へ分離された部分が、i型単結晶シリコン層20となる。また、i型単結晶シリコンウエハ200の分離は、剃刀の刃を挿入するなど、機械的な処理によって分離してもよい。
なお、図5〜図7では、説明を分かり易くするために図2〜図4とは図の上下を逆にして示す。
図5に示すように、i型単結晶シリコン層20の表面上に、第1のi型非晶質シリコン層22及び第1導電型非晶質シリコン層24が形成される。第1のi型非晶質シリコン層22及び第1導電型非晶質シリコン層24は、シラン(SiH4)等のケイ素含有ガスを用いたPECVDにより形成することができる。原料ガスには、必要に応じてジボラン(B2H6)等のドーパント含有ガスを混合する。
第1導電型非晶質シリコン層24、第1のi型非晶質シリコン層22、i型単結晶シリコン層20、第2のi型非晶質シリコン層18、第2導電型非晶質シリコン層16の一部は、図6に示すように、ワイヤ状に加工され、シリコンナノワイヤからなるナノワイヤ部30が形成される。ナノワイヤ部30は、例えば、銀粒子を触媒としたエッチングによって形成することができる。例えば、支持基板10上に貼り替えられた光起電力素子を、HF/AgNO3溶液中に浸漬して、無電解メッキによって第1導電型非晶質シリコン層24の表面に銀粒子を析出させ、更にHF/Fe(NO3)3溶液に浸漬することで、銀粒子が接触している部分のみが選択的にエッチングされ、ナノワイヤ部30を形成することができる。最後にナノワイヤ部30の間の領域に残留するAg粒子を、例えば、NH4OHとH2O2の混合溶液等に浸漬することで除去する。
なお、本実施の形態では、第2導電型非晶質シリコン層16の表面側の一部がワイヤ状に加工されるように、第2導電型非晶質シリコン層16の途中の状態でエッチングを停止させているが、第2導電型非晶質シリコン層16をエッチング除去して第2の透明電極層14の表面が露出するまでエッチングを行ってもよい。
なお、ナノワイヤ部30の間の領域にAg粒子を残留させてもよい。ただし、この場合には、Ag粒子が第2のi型非晶質シリコン層18に接触しないように制御する必要がある。これにより、光が第2導電型非晶質シリコン層16に入射する前にAg粒子によって反射することができる。
ナノワイヤ部30の径は、量子サイズ効果によって禁制帯幅の増大が発現する程度に細くされる。具体的には10nm程度とすることが好適である。ナノワイヤ部30の径は、ワイヤ表面の酸化とエッチングを繰り返すことによって更に細くすることができる。また、ナノワイヤ部30と隣接するナノワイヤ部30との間隔は、析出させる銀粒子の分布密度によって制御することができ、具体的には15nm程度とすることが好適である。
次に、図7に示すように、ナノワイヤ部30の間の領域(空間)を充填するように透明絶縁部材26が形成される。透明絶縁部材26は、原子層堆積法(ALD)を用いて、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiOx)、酸化アルミニウム(Al1−xOx)などの絶縁膜を形成した後、絶縁膜表面の一部をエッチング除去することで形成することができる。なお、エッチング処理では、ナノワイヤ部30の先端部(第1導電型非晶質シリコン層24の表面)が少なくとも露出するように制御することが好適である。
次に、第1の透明電極層28が、第1導電型非晶質シリコン層24及び透明絶縁部材26を被覆するようにスパッタリング法などによって形成される(図1)。この際、第1の透明電極層28はナノワイヤ部30(第1導電型非晶質シリコン層24)に接合するように形成する。
その後、必要に応じて、第1の透明電極層28の表面上に透明保護膜(図示せず)を形成する。このようにして、本実施の形態におけるナノワイヤ部30を起電力部とする光起電力装置100が形成される。
本実施の形態における光起電力装置100では、ナノワイヤ部30の内部にi型単結晶シリコン層20が形成され、キャリア発生部となるi型単結晶シリコン層20が、内部電界を形成する第1導電型非晶質シリコン層24及び第2導電型非晶質シリコン層16の両方と、ナノワイヤ部30の内部においてヘテロ接合構造を構成している。このため、光起電力装置100の開放電圧は、ナノワイヤ化によって拡大された禁制帯幅によって大きくなるので、従来の光起電力装置に比べて変換効率(発電効率)を向上させることができる。
また、ナノワイヤ部30の内部に第1導電型非晶質シリコン層24全体が形成され、第1導電型非晶質シリコン層24自体もナノワイヤ化されている。このため、光起電力装置100の開放電圧は、第1導電型非晶質シリコン層24のナノワイヤ化によって拡大された禁制帯幅によって更に大きくなるので、従来の光起電力装置に比べて変換効率(発電効率)を更に向上させることができる。
また、ナノワイヤ部30の内部に第2導電型非晶質シリコン層16全体を形成した場合には、第2導電型非晶質シリコン層16自体もナノワイヤ化されることになるので、従来の光起電力装置に比べて光起電力装置100の変換効率(発電効率)を更に向上させることができる。
<第2の実施の形態>
図8は、第2の実施の形態における光起電力装置300の構造を示す断面図である。
図8は、第2の実施の形態における光起電力装置300の構造を示す断面図である。
第2の実施の形態における光起電力装置300は、図8に示すように、金属層12、第2の透明電極層14、第2導電型非晶質シリコン層16、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24、透明絶縁部材26、第1の透明電極層28、支持基板32を含んで構成される。
第2導電型非晶質シリコン層16の一部、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、及び第1導電型非晶質シリコン層24からなる積層体は、ワイヤ状のナノワイヤ部34を構成する。
第2の実施の形態における光起電力装置300は、第1の透明電極層28に透光性を有する支持基板32が接合されている点が、第1の実施の形態における光起電力装置100と大きく異なる。支持基板32は、例えば、約1mm〜約5mmの厚みを有するガラス基板とする。なお、以下では、第1の実施の形態と同様の構成や作用については説明を適宜省略する。
次に、光起電力装置300の製造方法について説明する。図9〜図13は、第2の実施の形態における光起電力装置300の製造方法を示す断面図である。
はじめに、i型単結晶シリコンウエハ200を準備する。そして、i型単結晶シリコンウエハ200の一主面側に水素脆化層200aが形成される(図2)。その後、i型単結晶シリコンウエハ200の水素イオンを照射した主面上に、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24、及び第1の透明電極層28が形成される(図9)。第1のi型非晶質シリコン層22、及び第1導電型非晶質シリコン層24は、シラン(SiH4)等のケイ素含有ガスを用いたプラズマCVD(PECVD)により形成することができる。原料ガスには、必要に応じてジボラン(B2H6)等のドーパント含有ガスを混合する。第1の透明電極層28は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。
次に、図10に示すように、第1の透明電極層28上に透光性を有する支持基板32が配置され、第1の透明電極層28と透光性を有する支持基板32とが耐熱性と透光性を有する接着剤や常温接合などによって接合される。そして、水素脆化層200aを利用してi型単結晶シリコンウエハ200が分離される。i型単結晶シリコンウエハ200は、400℃以上600℃以下の加熱状態とすることで、水素脆化層200aを境に分離される。i型単結晶シリコンウエハ200のうち、支持基板32側へ分離された部分が、i型単結晶シリコン層20となる。また、i型単結晶シリコンウエハ200の分離は、剃刀の刃を挿入するなど、機械的な処理によって分離してもよい。
なお、図11〜図13では、説明を分かり易くするために図9〜図10とは図の上下を逆にして示す。
図11に示すように、i型単結晶シリコン層20の表面上に、第2のi型非晶質シリコン層18及び第2導電型非晶質シリコン層16が形成される(図11)。第2のi型非晶質シリコン層18及び第2導電型非晶質シリコン層16は、シラン(SiH4)等のケイ素含有ガスのPECVDにより形成することができる。原料ガスには、必要に応じてホスフィン(PH3)等のドーパント含有ガスを混合する。
第2導電型非晶質シリコン層16、第2のi型非晶質シリコン層18、i型単結晶シリコン層20、第1のi型非晶質シリコン層22、第1導電型非晶質シリコン層24の一部は、図12に示すように、ワイヤ状に加工され、シリコンナノワイヤからなるナノワイヤ部34が形成される。ナノワイヤ部34は、例えば、銀粒子を触媒としたエッチングによって形成することができる。ナノワイヤ部34の間の領域に残留するAg粒子は、例えば、NH4OHとH2O2の混合溶液等に浸漬することで、取り除かれる。
なお、第2の実施の形態では、第1導電型非晶質シリコン層24の表面側の一部がワイヤ状に加工されるように、第1導電型非晶質シリコン層24の途中の状態でエッチングを停止させているが、第1導電型非晶質シリコン層24をエッチング除去して第1の透明電極層28の表面が露出するまでエッチングを行ってもよい。
次に、図13に示すように、ナノワイヤ部34の間の領域(空間)を充填するように透明絶縁部材26が形成される。透明絶縁部材26は、原子層堆積法(ALD)を用いて、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiOx)、酸化アルミニウム(Al1−xOx)などの絶縁膜を形成した後、絶縁膜表面の一部をエッチング除去することで形成することができる。なお、エッチング処理では、ナノワイヤ部34の先端部(第2導電型非晶質シリコン層16の表面)が少なくとも露出するように制御することが好適である。
次に、第2の透明電極層14及び金属層12が、第2導電型非晶質シリコン層16及び透明絶縁部材26を被覆するようにスパッタリング法などによって形成される(図14)。この際、第2の透明電極層14はナノワイヤ部34(第2導電型非晶質シリコン層16)に接合するように形成する。
その後、必要に応じて、金属層12の表面上に保護膜(図示せず)を形成する。このようにして、本実施の形態におけるナノワイヤ部34を起電力部とする光起電力装置300が形成される。
第2の実施の形態における光起電力装置300によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
なお、以下の組合せによる光起電力装置についても本発明の範囲に含まれうる。
(1)光起電力装置は、ナノワイヤ状の光起電力素子を複数備える。光起電力素子は、ヘテロ接合構造を有する。これにより、ナノワイヤ状の光起電力素子において、量子サイズ効果によって禁制帯幅が拡大し、変換効率の向上が期待できる。また、ヘテロ接合構造による変換効率の向上も期待できる。
(2)光起電力素子は、単結晶半導体層と、単結晶半導体層の受光面側に形成された第1導電型半導体層と、単結晶半導体層の、受光面と反対側に形成された第2導電型半導体層と、を有している(1)に記載の光起電力装置であってもよい。
(3)単結晶半導体層は、単結晶シリコン層であり、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層は、非晶質シリコン層である(2)に記載の光起電力装置であってもよい。
(4)第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層の少なくとも一方は、層全体が光起電力素子の内部に形成されている(2)または(3)に記載の光起電力装置であってもよい。これにより、量子サイズ効果による禁制帯幅の拡大が、第1導電型半導体層及び第2導電型半導体層の少なくとも一方にも及び、光起電力装置において変換効率の向上が期待できる。
(5)光起電力素子は、直径が10nm以下である(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の光起電力装置であってもよい。これにより、光起電力素子における量子サイズ効果によって、禁制帯幅が拡大し、光起電力装置の変換効率が向上する。
10 支持基板、 12 金属層、 14 第2の透明電極層、 16 第2導電型非晶質シリコン層、 18 第2のi型非晶質シリコン層、 20 i型単結晶シリコン層、 22 第1のi型非晶質シリコン層、 24 第1導電型非晶質シリコン層、 26 透明絶縁部材、 28 第1の透明電極層、 30 ナノワイヤ部、 32 支持基板、 34 ナノワイヤ部、 100 光起電力装置、 200 i型単結晶シリコンウエハ、 200a 水素脆化層、 300 光起電力装置。
Claims (5)
- ナノワイヤ状の光起電力素子を複数備え、
前記光起電力素子は、ヘテロ接合構造を有することを特徴とする光起電力装置。 - 前記光起電力素子は、
単結晶半導体層と、
前記単結晶半導体層の受光面側に形成された第1導電型半導体層と、
前記単結晶半導体層の、受光面と反対側に形成された第2導電型半導体層と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置。 - 前記単結晶半導体層は、単結晶シリコン層であり、
前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層は、非晶質シリコン層である、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力装置。 - 前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層の少なくとも一方は、層全体が前記光起電力素子の内部に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光起電力装置。
- 前記光起電力素子は、直径が10nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光起電力装置。
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