JP2014072050A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極とセパレータとを有する電極体と、非水電解質と、が、開口を有する有底筒状の電池ケースに収納され、前記電池ケースの開口が封口体により封口された非水電解質二次電池において、前記電池ケースの底面又は前記封口体に、前記電池ケース内部のガスを外部に排出する排気弁が設けられ、前記電極体の上部又は下部であって、前記排気弁と反対側には、絶縁板が配置されており、前記絶縁板は、前記電極体側の面に、その周縁部側から中心部側に向かう突起部を有し、前記非水電解質は、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の環状エーテル化合物を、前記非水電解質に対して0.1〜5.0質量%含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池の安全性の向上に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量である非水電解質二次電池が広く利用されている。
非水電解質二次電池は、ハイブリッド型自動車や電気自動車の駆動電源としても使用されるようになってきており、非水電解質二次電池のさらなる電池容量の向上が求められている。
ところで、このような非水電解質二次電池は、内部短絡または外部短絡が発生した場合、あるいは、異常加熱が発生した場合、電池内部で急激にガスが発生する。このガスが電池内にとどまると、破裂に至る危険性があるため、電池内部で生じたガスを速やかに電池外部に放出することが求められる。
このため、電池要素を収容する電池ケースや電池ケースを封口する封口体に、電池内圧上昇時に作動して電池ケース内部のガスを外部に放出するガス排出弁が設けられている。
ここで、非水電解質二次電池に関する技術としては、下記特許文献1,2がある。
特開2005−243521号公報 特開2007−287518号公報
特許文献1は、中心空隙部を有する巻回型電極体と、中心空隙部内に収納されたセンターピンと、巻回型電極体の両端を挟むように配置された一対の絶縁板と、巻回型電極体を収納する電池缶とを備え、一対の絶縁板の少なくとも一方が、中心空隙部に向けて突出する凸部を有する非水電解質二次電池を開示している。この技術によると、振動や衝撃に対する非水電解質二次電池の耐久性を向上できるとされる。
特許文献2は、ビニルエチレンカーボネート誘導体と、環状酸無水物と、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の環状エーテル誘導体と、を含有する非水系二次電池を開示している。この技術によると、充電負荷特性、室温及び高温におけるサイクル特性に優れ、しかも高温雰囲気下において充電状態で保存しても残存容量が大きく、しかもガス発生量の少ない非水系二次電池を提供できるとされる。
電池容量を高めるために、電極材料を高密度充填したり、充放電反応に直接寄与しない芯体やセパレータを薄膜化したりすると、電池内の余剰空間が減少するため、電池内で発生したガスの通り道が減少してしまい、排気弁を設けていても速やかに電池外部に排気することができない。このため、排気弁を有していない側で発生したガスが、排気弁側に移動できずに電極体を排気弁側に押し上げ、排気弁が電極体によって塞がれてしまい、速やかな排気が一層困難になる。上記特許文献1,2は、このような問題を考慮していない。
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、電池内部で発生したガスを電池外部に速やかに排気できる、安全性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極と負極とセパレータとを有する電極体と、非水電解質と、が、開口を有する有底筒状の電池ケースに収納され、前記電池ケースの開口が封口体により封口された非水電解質二次電池において、前記電池ケースの底面又は前記封口体に、前記電池ケース内部のガスを外部に排出する排気弁が設けられ、前記電極体の上部又は下部であって、前記排気弁と反対側には、絶縁板が配置されており、前記絶縁板は、前記電極体側の面に、その周縁部側から中心部側に向かう突起部を有し、前記非水電解質は、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の環状エーテル化合物を、前記非水電解質に対して0.1〜5.0質量%含有することを特徴とする。
電池の安全信頼性を向上させるためには、排気弁を有していない側で発生したガスを速やかに排気弁側に送って外部へと排気し、ガス発生速度を緩やかにして電極体がガスにより押し上がって排気弁を塞ぐ現象を抑制することが重要である。
ここで、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、またはこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の環状エーテル化合物は、2つの酸素原子と、2つの酸素原子に挟まれた炭素原子と、を環状構造内に有する環状エーテル化合物である。このような環状エーテル化合物を非水電解質に添加すると、環状エーテル化合物は高温環境下で熱分解して正極表面に保護皮膜を形成し、正極と非水電解質との反応を抑制させるように作用する。これにより、ガス発生を緩やかにすることができ、急速なガス発生による電極体の押し上げによって排気弁が塞がれることを抑制できる。
また、排気弁を有していない側に配置された絶縁板には、電極体側の面に突起部が設けられており、これによって、電極体と当該絶縁板との間に、ガスが移動可能な空間を確保することができる。よって、電極体の排気弁と反対側で発生したガスを、電極体と絶縁板との間の空間から電極体と電池ケースとの間の空間を経由して、排気弁側に速やかに送ることが可能となる。
以上の効果が相乗的に作用して、燃焼等の電池異常時の安全信頼性を飛躍的に向上させることができる。
ここで、1,3−ジオキサンの誘導体は、1,3−ジオキサンの2位、4位、6位の炭素原子に結合する水素原子の1つ以上が、炭素数4以下のアルキル基(直鎖状又は分枝状)で置換されたものを意味し、1,3−ジオキソランの誘導体は、1,3−ジオキソランの2位、4位、5位の炭素原子に結合する水素原子の1つ以上が、炭素数4以下のアルキル基(直鎖状又は分枝状)で置換されたものを意味する。
絶縁板は、耐熱性、耐電性、生産性の観点から、フェノール系樹脂やエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂からなるものとすることが好ましい。また、絶縁板の突起部は、絶縁板の材料と異なる材料であってもよく、同じ材料であってもよい。また、絶縁板の突起部は、絶縁板成型時に一体成型により形成してもよく、予め成型された突起部を、絶縁板に固定することにより形成してもよい。
ここで、絶縁板と電極体との間の空間(ガスの経路)をより確保し易くするために、絶縁板に設ける突起部を複数とすることが好ましく、複数の突起部は、間隔をおいて配置されていることが好ましい。また、複数の突起部は、等間隔に配置されていることがより好ましい。
本発明に係る電池の電池ケースとしては、たとえば、角形外装缶や円筒形外装缶を用いることができる。そして、スペース利用効率を高めるため、角形外装缶に収容する電極体は扁平形状とし、円筒形外装缶に収容する電極体は円筒形状とする。扁平形状の電極体としては、積層型電極体や扁平巻回型電極体を用いることができ、円筒形状の電極体としては、円筒巻回型電極体を用いることができる。
ここで、前記電池ケースは、有底円筒形状であり、前記電極体は、前記正極と前記負極と前記セパレータとが巻回されたものであって、その巻回中心部に空洞を有し、前記電極体の巻回軸と、前記電池ケースの底面とが垂直である電池に、本発明を適用することがより好ましい。
上記形態であると、図1に示すように、発生したガスを、円筒形外装缶5と巻回電極体4との間に存在する空間方向のみならず、巻回電極体4の中央部の空洞20方向にも送ることができ、空洞20を経由してガスをより速やかに排気弁側に送ることができる。また、円筒状の巻回電極体と、電池ケース又は封口体と、の絶縁信頼性を高めるために、絶縁板の平面形状は、円または穴あき円とすることが好ましい。なお、巻回電極体の中央部の空洞20は、たとえば、巻芯を用いて正負電極板とセパレータとを巻き取った後、巻芯を除くことにより形成できる。
ここで、上記構成において電極体の排気弁側にも絶縁板を設ける場合、この絶縁板の平面形状を穴あき円とし、空洞20からのガスをさえぎらない構成とすることが好ましい。
また、電極体の中央部の空洞の直径は、巻芯の強度を確保する観点から、2.5mm以上が好ましい。また、10mm以下とすることが好ましい。
また、ガス経路を確保する観点から、突起部の最も内側の部分は、絶縁板の外周縁から絶縁板の直径の15%以上25%以下の箇所に位置する構成とすることが好ましい。また、突起部の長さは、絶縁板の直径に対して、10%以上50%以下であることが好ましい。また、突起部の幅は絶縁板の直径に対して、10%以上50%以下である構成とすることができる。
ここで、電池ケースとして角形外装缶を用いる場合、絶縁板の平面形状を、円や穴あき円に代えて、長方形、角丸長方形、トラック形状やこれらの穴あき形状とすることが好ましい。また、絶縁板の直径に代えて対角線長さや長軸長さ等を用いて、上記と同様に絶縁板の突起部の位置、幅、長さ等を規定することが好ましい。
また、突起部の高さは、絶縁板厚の10%以上50%以下であることが好ましい。これにより、電池内のスペースの利用効率を低下させることなく、電極体との間の隙間を十分に確保できる。
絶縁板の全突起部の上面の合計面積は、突起部が設けられていないと仮定した場合の絶縁板上面の面積の1/2以下を満たすことが好ましい。これにより、ガス経路をより安定して確保できる。
また、中央部の空洞に、中空のピン(センターピン)を挿入すると、中央部の空洞における排気経路を安定して確保することができる。ここで、センターピンの直径は、中央部の空洞への挿入性の観点から、空洞直径の85%以下が好ましい。また、ガス排気経路を確保する観点から、センターピンの直径は、空洞直径の30%以上が好ましく、長さは電極体の高さの50〜120%であることが好ましい。また、センターピンの材料は、非水電解質に対する耐性があれば特に限定されることはなく、ステンレス、ニッケル、チタン、スチール等の金属材料や熱硬化性樹脂のポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
上記本発明によると、安全性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
図1は、実施の形態1に係る非水電解質二次電池の断面図である。 図2は、実施の形態1に係る非水電解質二次電池に用いる絶縁板を示す図であって、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図である。 図3は、絶縁板の変形例を示す図であって、図3(a)は斜視図、図3(b)は正面図である。 図4は、絶縁板のさらなる変形例を示す図であって、図4(a)は斜視図、図4(b)は正面図である。 図5は、本発明に用いる絶縁板の平面図である。
本発明を実施するための形態を、円筒形外装缶を電池ケースとした例を用いて、図面を参照して以下に説明する。本発明は下記例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る円筒形非水電解質二次電池の断面図であり、図2は、実施の形態1に係る非水電解質二次電池に用いる絶縁板を示す図であって、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図である。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池19は、図1に示すように、正極板1と負極板2とがセパレータ3を介して渦巻き状に巻回した巻回電極体4と、非水電解質とが、開口を有する電池ケースとしての円筒形外装缶5内に収容されている。外装缶5の開口部は、ガスケット15を介して封口体6で密閉されている。
封口体6は、巻回電極体4と正極リード16を介して接続された基板13と、そのフランジ部が基板13と電気的に接続された下側弁板12と、その中央部が下側弁板12と電気的に接続された上側弁板11と、その外周部が上側弁板11と電気的に接続されたPTCサーミスタ板10と、その鍔部がPTCサーミスタ板10と電気的に接続された、外部端子として機能する端子板9と、を備え、下側弁板12及び上側弁板11の外周部は、封口体ガスケット14により絶縁されている。基板13と端子板9には、それぞれ、ガス放出孔が設けられており、電池内圧上昇時には上側弁板11と下側弁板12の接続部が破れて、電池内部のガスが基板13のガス放出孔及び端子板9のガス放出孔を経由して電池外部に放出される。すなわち、この構造の封口体6は、排気弁を備えた構造である。
また、巻回電極体4は、上下にそれぞれ絶縁板7,8が配置されている。負極板2と接続された負極リード17は外装缶5の内側底部に溶接され、正極板1と接続された正極リード16は、封口体6の基板13の下面に溶接されている。これにより、外装缶5が負極外部端子、封口体6が正極外部端子としてそれぞれ機能する。
ここで、底面側の絶縁板8は、その巻回電極体4側の面に、突起部8aが形成されている。絶縁板8は、図2に示すように、中央部に穴が開いた円盤状であり、その周縁部から中央部に向けて、直線状の突起部8aが3つ形成されている。この突起部8aにより、巻回電極体4と絶縁板8との間に空間を確保することができ、巻回電極体4内又はその近傍で発生したガスが、巻回電極体4と電池ケース5の側面との間の空間や巻回電極体4の空洞20へと移動する経路を確保できる。
なお、絶縁板7、8には、それぞれ、中央部に穴が開いているが、これらの穴は必須の構成ではない。しかしながら、電池ケースや封口体が外部端子を兼ねる構成とする場合、絶縁板に穴を設けて電極体と接続されたタブがこの穴を通る構成とすることが好ましい。この場合、絶縁板の穴の直径はタブの幅以下であることが好ましい。
また、図2では、絶縁板8の突起部8aの数を3としているが、図3、図4に示すように、絶縁板8の突起部8aの数は、適宜変更できる。また、突起部8aが複数である場合、そのサイズは全て同一であることが好ましく、等間隔に配置されていることがより好ましい。
図5に、絶縁板の平面図を示す。同図では、説明の便宜上、突起部8aの数を2としている。ここで、絶縁板と電極体との間のガス経路を安定して確保するためには、円盤状の絶縁板8を用いる場合、絶縁板8の半径をR(直径を2R)とするとき、絶縁板8の外周縁から突起部8a最も内側の部分までの距離L3は、0.3R〜0.5R(絶縁板8の中心点から0.5R〜0.7R)の箇所に位置することが好ましい。また、突起部8aの長さ(周縁部側から中心部側に向かう長さ)L1は、0.2R〜1.0Rであることが好ましい。また、突起部8aの幅(周長さ方向に垂直な方向幅)L2は、0.2R〜1.0Rであることが好ましい。
また、突起部8aの高さは、絶縁板8の板厚(突起部を含まない厚さ)に対して、10%以上50%以下であることが好ましい。
実施例を用いて、本発明の内容をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
〈正極の作製〉
正極活物質として平均粒径が12μmのLi(Ni0.8Co0.15Al0.05)Oを100質量部と、結着剤としてポリビニリデンフルオライドを2.0質量部と、及び導電剤としてアセチレンブラックを2.0質量部と、を溶媒としてのN−メチル2ピロリドン(NMP)に混合させて正極活物質ペーストを調製した。
上記正極活物質ペーストを、アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に、正極リード16を取り付ける部分を除いて塗布し、乾燥して、正極活物質層を形成した。この乾燥極板を、厚みが128μmとなるように圧縮して正極を得た。また、正極集電体として使用したアルミニウム箔の長さは667mm、幅は57mm、厚さは15μmであった。また、正極リード16の接続部分は、正極の巻始めとなる部分に形成した。
〈負極の作製〉
負極活物質としての平均粒径が20μmの黒鉛を100質量部と、結着剤としてスチレンブタジエンゴム1.0質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.0質量部と、適量の水と、を混合し、負極活物質ペーストを得た。
上記負極活物質ペーストを、銅箔からなる負極集電体の両面に、負極リード17を取り付ける部分を除いて塗布し、乾燥して負極活物質層を形成した。この乾燥極板を、厚みが155μmとなるように圧縮し、負極を得た。また、負極集電体として使用した銅箔の長さは745mm、幅は58.5mm、厚さは8μmであった。また、負極リード17の接続部分は、負極の巻終わりとなる部分に形成した。
〈非水電解質の調製〉
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を体積比4:6(25℃、1気圧)で混合し、この混合溶媒に電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル濃度に溶かし、1,3−ジオキサンを2.0質量%となるように添加したものを非水電解質とした。
上記正極板1と、負極板2と、両電極板間に介在する厚さが16μmのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ3と、積層した。そして、正極板1の巻き始めとなる部分に正極リード16を接続し、負極板2の巻き終わりとなる部分に負極リード17を接続した。この後、巻芯を用いて巻回し、巻解け防止テープを張り付け、その後巻芯を除去することにより、中央部に直径4mmの空洞20を有する電極体4となした。
〈封口体の準備〉
公知の方法により、基板13と、下側弁板12と、上側弁板11と、PTCサーミスタ板10と、端子板9と、封口体ガスケット14と、を備える封口体6を作製した。
〈絶縁板の作製〉
また、ポリイミド樹脂を硬化成形して、中央部に穴が開いた円盤状の絶縁板7と、中央部に穴が開いた円盤状で、且つ、一方面に図2に示すような3つの突起部8aが設けられた絶縁板8を作製した。この絶縁板7、8の直径は16mm、厚みは0.2mm、中央の穴の直径は3mmとした。また、この絶縁板8の突起部8aの高さは0.1mm、幅は3mm、長さは5mm、中心からの距離は2.5mm、突起部を平面視したときの上面の合計面積は45mmとした。
巻回電極体4の上面に絶縁板7、下面に絶縁板8を突起部8aが巻回電極体4に面するように配置し、正極リード16を絶縁板7の穴を通して基板13と溶接した。この後、有底円筒状の外装缶の内部に巻回電極体4を挿入し、負極リード17と缶底とを溶接した。この後、非水電解質を注液し、外装缶5の開口をガスケット15を介して封口体6よりカシメ封口して、実施例1に係る定各容量が2750mAhの非水電解質二次電池を組み立てた。このカシメ封口時に、外装缶5には溝部18が形成される。
(比較例1)
1,3−ジオキサンを非水電解質に添加せず、巻回電極体4下面の絶縁板8に突起部を設けなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1にかかる電池を作製した。
(比較例2)
巻回電極体4下面の絶縁板8に突起部を設けなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2にかかる電池を作製した。
(比較例3)
1,3−ジオキサンを非水電解質に添加しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3にかかる電池を作製した。
〈安全性試験〉
以上で作製した電池に対して、以下の条件で充放電(いずれも25℃条件)を行った電池を、横向きにして網(φ0.43mmのスチールワイヤー製で、25.4mmあたり20の開口を有するもの)に置き、差し渡し610mm、高さ305mmで金属製スクリーン(φ0.25mmのAl線 縦横25.4mm当たり16〜18本の線から構成)が張られた籠で電池を覆った。網の下部38mmからガスバーナーで加熱した。この試験により排気弁が作動し、破裂に至らなかったものをOK、排気弁が作動したものの電池が破裂したものをNGと評価した。この結果を下記表1に示す。なお、表中例えば2/5NGとは、5個の電池を試験に供して、2個の電池が破裂したことを示す。また0/5NGとは、5個の電池を試験に供して、5個とも破裂に至らなかったことを示す。
(充放電条件)
放電:定電流2750mAで2.5Vまで、その後定電流550mAで2.5Vまで
放電休止:20分
充電:定電流1375mAで4.2Vまで、その後定電圧4.2Vで50mAまで
充電休止:20分
上記表1から、非水電解質に1,3−ジオキサンを添加し、且つ、排気弁が設けられていない側の絶縁板の電極体側の面に突起部を設けた実施例1は、試験結果がすべてOKと、非水電解質に1,3−ジオキサンの添加、突起部の形成の一方ないし双方を満たさない比較例1〜3の2/5〜5/5NGよりも優れていることがわかる。
この理由は、次のように考えられる。ここで、1,3−ジオキサンは、2つの酸素原子と、これに挟まれた炭素原子と、を環状構造内に有する環状エーテル化合物である。このような環状エーテル化合物を非水電解質に添加すると、環状エーテル化合物は高温環境下で熱分解して正極表面に保護皮膜を形成し、正極と非水電解質との反応を抑制することができる。これにより、ガス発生を緩やかにすることができ、急速なガス発生による電極体の押し上げによって排気弁が塞がれることを防止できる。
また、絶縁板に突起部を設けると、排気弁を有していない側(外装缶の底側)の絶縁板と電極体との間に空間を確保することができる。これにより、排気弁がない側で発生したガスを、電極体−絶縁板間の空間から、電極体と電池ケースとの間の空間や、電極体中央部の空洞を経由して、排気弁側に速やかに送ることが可能である。
実施例1では、環状エーテル化合物による効果と、突起部を有する絶縁板による効果と、が相乗的に作用して、燃焼等の電池異常時の安全信頼性を飛躍的する。なお、環状エーテル化合物及び突起部を有する絶縁板のいずれか一方のみを満たす構成(比較例2,3)であると、双方を満たさない構成(比較例1)よりも若干安全性は高まるものの、十分なものとはならない。
(追加事項)
なお、非水電解質に用いる非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、ケトン類、エーテル類、エステル類等を用いることができる。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ジメトキシエタン、テトロヒドロフラン、1,4−ジオキサン等を用いることができる。
また、非水電解質に用いる電解質塩としては、上記LiPF以外に、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiClO等の一種または複数種の混合物が使用できる。また、非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/リットルとすることが好ましい。
また、正極活物質としては、Li(NiCoMn)O(0.9≦a≦1.2、0≦b、0≦c、0≦d、b+c+d=1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物や、スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)、これらの複合酸化物の遷移金属元素を他の元素に置換した化合物等を単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な炭素質物(たとえば、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、非晶質炭素)、珪素質物、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオン吸蔵・脱離可能な金属酸化物等を単独で、又は二種以上混合して用いることができる。
また、ガス排出手段としては、例えば、電池封口部分や外装缶に取り付け又は設けられ、電池内部圧力の上昇により破壊される膜状弁体やノッチ状(溝状)弁体等を用いることができる。
たとえば、電池ケースの底面に、有底部に刻印により薄肉部(例えば、平面視C字状の薄肉部)を設けると、電池内圧が上昇した際に、この薄肉部から優先的に裂けることでガスを電池ケース外に排気することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、簡便な手法で安全性に優れた非水電解質二次電池を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 巻回電極体
5 外装缶(電池ケース)
6 封口体
7 絶縁板
8 絶縁板
8a 突起部
9 端子板
10 PTCサーミスタ板
11 上側弁板
12 下側弁板
13 基板
14 封口体ガスケット
15 ガスケット
16 正極リード
17 負極リード
18 電池ケース溝部
19 非水電解質二次電池
20 空洞

Claims (7)

  1. 正極と負極とセパレータとを有する電極体と、非水電解質と、が、開口を有する有底筒状の電池ケースに収納され、前記電池ケースの開口が封口体により封口された非水電解質二次電池において、
    前記電池ケースの底面又は前記封口体に、前記電池ケース内部のガスを外部に排出する排気弁が設けられ、
    前記電極体の上部又は下部であって、前記排気弁と反対側には、絶縁板が配置されており、
    前記絶縁板は、前記電極体側の面に、その周縁部側から中心部側に向かう突起部を有し、
    前記非水電解質は、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種の環状エーテル化合物を、前記非水電解質に対して0.1〜5.0質量%含有する、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記絶縁板は、前記突起部を複数有し、
    前記複数の突起部は、間隔をおいて配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記電池ケースは、有底円筒形状であり、
    前記電極体は、前記正極と前記負極と前記セパレータとが巻回されたものであって、その巻回中心部に空洞を有し、
    前記電極体の巻回軸と、前記電池ケースの底面とが垂直であり、
    前記絶縁板の平面形状が、円または穴あき円である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記突起部の最も内側の部分は、前記絶縁板の外周縁から前記絶縁板の直径の15%以上25%以下の箇所に位置する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記突起部の長さは、前記絶縁板の直径に対して、10%以上50%以下ある、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記突起部の幅は、前記絶縁板の直径に対して、10%以上50%以下である、
    ことを特徴とする請求項3ないし5の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記突起部の高さは、前記絶縁板の板厚に対して、10%以上50%以下である、
    ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の非水電解質二次電池。
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